JP2010039417A - 反射防止フィルムの製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルムの製造方法及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
生産性に優れた反射防止フィルムの製造方法、煩雑な工程を行わずに優れた反射防止性を有する画像表示装置を提供する。本発明の更なる目的は、優れた表面耐擦傷性、耐アルカリ性、反射防止性を有する画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】
構成元素が異なる2種類以上の無機粒子を含む1液の塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥硬化する工程、及び酸素濃度0〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化する工程により、反射率の異なる2層を構成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止フィルムの製造方法及び当該製造方法を用いて製造した反射防止フィルムを含む画像表示装置に関する。
近年、コンピューター、液晶ディスプレイパネル(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機EL等の各種ディスプレイ、透明プラスチックレンズ等の光学物品においては、外部の光が反射する、外部映像が映るなどの問題点があるため、表示面に反射防止膜を形成した構造が提案され、用いられている。大きくは、下記の2つの方法が挙げられる。一つは、基材表面に、蒸着法やスパッタリング法によりTiO、ITO等の高屈折率層、さらにSiO、MgF等の低屈折率層を順次積層する乾式成膜方法であり(特許文献1)、もう一つの方法は、基材表面に、コーティング等により反射防止膜を成膜する湿式成膜方法である。これは、高屈折率塗剤を塗布乾燥し硬化させた後、さらにその上に低屈折率塗剤を塗布乾燥し硬化させ、高屈折率層、低屈折率層を順次積層する成膜方法である。(特許文献2)
しかし、このような積層膜を形成するには、屈折率が高い物質からなる高屈折率層を形成した後、その上に屈折率が低い低屈折率層を形成する必要があり、塗布、乾燥、硬化の各工程が最低でも2回ずつ必要となるため製造工程が煩雑であると共に、コストアップ要因となっていた。
またこれらの反射防止膜は、表示面の最表面に位置するため、表示面に指紋や埃等が付着しやすく、アルカリ性の家庭用洗剤等を使用して拭き取られた場合には、反射防止膜に傷がついたり(耐擦傷性)、アルカリによって膜にダメージを与えるなどの問題があった。
このように、反射防止特性に加え、(1)耐擦傷性、(2)耐アルカリ性、(3)製造工程の煩雑さ、など多くの課題の両立が非常に望まれている。
(1)の耐擦傷性については、低屈折率層にビスシラン化合物と、エポキシ官能性シランとを併用する系が提案されており、耐擦傷性、反射防止性は比較的良好なレベルであるが、フッ素含有率が低下し、更にエポキシ基が親水性であるため、耐アルカリ性に欠けるものであった。(特許文献3)
(2)の耐アルカリ性については、低屈折率層をシロキサン結合および含フッ素アルキレン鎖からなる被膜とする系により改善可能なことが提案されており、耐擦傷性と耐アルカリ性は両立しているものの、反射防止性については定量的な評価がされておらず、また高屈折率、低屈折率層の積層構造となっているため製造工程が煩雑である。(特許文献4)
さらに(3)の工程の煩雑さについては、低屈折率成分に、エチレン性フッ素重合体を用い、低屈折率と高屈折率層を1回の工程で形成する報告があり、耐擦傷性、反射防止性が良好なものの、耐アルカリ性については言及されていない。(特許文献5)
また、1回の工程で反射防止フィルムを形成する報告(特許分献6)があり、耐擦傷性、反射防止性が優れているものの、耐アルカリ性については言及されていない。本発明者らも、追試を行ったが、耐擦傷性を向上させると、耐アルカリ性が低下し、耐アルカリ性を向上すると耐擦傷性が低下するトレードオフの関係にあり、両立には至ってはいない。
このように、煩雑な工程を行わずに優れた表面耐擦傷性、耐アルカリ性を両立し、更には優れた反射防止性を有する反射防止フィルムは未だ提案されておらず、本フィルムの開発は画像表示装置として好適に使用できるものとなる。
特開平6−067019号公報 特開平6−136062号公報 特許第2629813号公報 特開2007−225930号公報 特開2007−39619号公報 特開2008−070415号公報
本発明の目的は、生産性に優れた反射防止フィルムの製造方法であり、煩雑な工程を行わずに優れた反射防止性を有する画像表示装置を提供する。本発明の更なる目的は、優れた表面耐擦傷性、耐アルカリ性、更には反射防止性を有する画像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 基材フィルムの少なくとも片面に屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥する工程、及び酸素濃度0体積%〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化する工程、をこの順で含み、
該塗料組成物が、2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であることを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
(2) 前記フッ素化合物により表面処理された無機粒子が、シリカ粒子をフッ素化合物により表面処理した粒子であり、
フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることを特徴とする、(1)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(3) 前記フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、(2)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基およびそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素または炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0または1または2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
(4) シリカ粒子が、粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子、及び/または表面及び内部に細孔を有するシリカ粒子であって、該シリカ粒子の数平均粒子径が1から200nmであることを特徴とする、(2)または(3)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(5) シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が、数平均粒子径が1nmから150nm、屈折率が1.60〜2.80である金属酸化物からなることを特徴とする、(2)〜(4)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(6) 前記金属酸化物が、インジウム含有酸化スズ(ITO)及び/またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)であることを特徴とする、(5)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法にて得られうる反射防止フィルム。
(8) (7)の反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
本発明によれば、前記塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥し、さらに酸素濃度0〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化するのみで、基材フィルム上に2層構造を構成することが可能なため、良好な反射防止性能を示す反射防止フィルムを成形可能であり、反射防止フィルムの製造工程を簡略化可能となるため、生産性を向上することができる。また本発明の製造方法によると、耐擦傷性、耐アルカリ性が良好な反射防止フィルムを提供できる。更には、ハードコート層などの機能性多層構造を有する基材フィルムに積層させることにより、生産性に優れた画像表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の反射防止フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムであって、塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥する工程、及び酸素濃度0〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化する工程、をこの順に含む工程により成形することで得られることを特徴とし、さらに該塗料組成物が2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子がフッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であることを特徴とする。また、本発明は該反射防止フィルムを設けた画像表示装置を含む。
[反射防止フィルム]
反射防止フィルムは反射防止膜と同意であり、その必要性や要求される性能などは特開昭59−50401号公報に記載されている様に、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上の屈折率差を有する2層を基材フィルム上に積層させることで構成された様態である。また基材フィルム上の2層の屈折率差は5.0以下であることが好ましい。また反射防止フィルムにおいては、支持基材から計測し最も離れた層は低屈折率層であることが更に好ましい。つまり基材フィルム、高屈折率層、低屈折率層がこの順に積層された様態が好ましい。なお、基材フィルムについては後述するが、基材フィルムと高屈折率層の間にはハードコート層などの他の層を設けることも可能である。屈折率差とは隣接する層間の屈折率を相対的に比較した値であり、相対的に屈折率が低い層を低屈折率層と呼び、相対的に屈折率が高い層を高屈折率層と呼ぶ。また、反射防止性能を補うために積層フィルム中に中屈折率層を設ける手法も特開昭59−50401号公報に記載されている。
本発明の反射防止フィルムの製造方法によれば、2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥する工程、及び酸素濃度0〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化する工程、をこの順に含む工程によって、屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムを製造することができる。
より好ましい様態によれば、2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子を含む塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に、1回塗布乾燥する工程によって、基材フィルム上に高屈折率層と、該高屈折率層上に低屈折率層が構成された反射防止フィルムを製造することができる。
本発明において上記塗料組成物から2層を構成する原理としては、2種類以上の無機粒子の表面自由エネルギー差をドライビングフォースとして、相分離構造を形成するものと考えられる。表面自由エネルギーが低いほどフッ素処理された無機粒子は空気側へ移動しやすいと考えられ、また比重が小さいほど上層側へ移動しやすいと考えられる。
本発明における屈折率の異なる2層とは、反射分光膜厚計によって、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア(FE−Analysis)を用いて得られる屈折率が異なる2つの層をさす。
具体的には、反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子株式会社製)を用いて300〜800nmの範囲で反射率を測定し、大塚電子株式会社製(膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法))に記載の方法に従い、屈折率の波長分散の近似式としてCauchyの分散式(式1)を用い最小二乗法(カーブフィッティング法)により、光学定数(C,C、C)を計算することで屈折率を測定することができる。なお、屈折率は、550nmにおける値を用いた。
Figure 2010039417
ここで、λは波長、C,C,Cは光学定数を表す。各層の屈折率が測定可能な測定装置として、反射分光膜厚計(FE−3000 大塚電子株式会社製)、高精度屈折率測定装置(Film Teck Scientific Computing International社製)などが挙げられるが、この限りではない。なおこのような本発明の製造方法によって得られる反射防止フィルムには、高屈折率層と低屈折率層との間には明確な界面があることが好ましい。
本発明における明確な界面とは、1つの層と他の層とが区別可能な状態をいう。区別可能な界面とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより判断することができる界面を表し、以下の方法に従い判断することができる。
TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼り付ける。次いで貼り付けた写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調する。この際に、1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなす。
反射防止フィルムとして良好な性能を示すには、分光測定において最低反射率が好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.6%以下であり、更に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。最低反射率とは、光線反射スペクトルを測定した際に400nmから800nmの波長領域にて反射率が最低になった値を指す。フィルムの反射防止性能を比較する場合、最低反射率は一つの指標となり、最低反射率の値が小さいほど反射防止性能が良好であると言える。
また、反射防止フィルムとして良好な性質を示すには、更に透明性が高いことが望ましい。透明性が低いと画像表示装置として用いた場合、画像彩度の低下などによる画質低下が生じるために好ましくない。本発明の反射防止フィルムの透明性の評価にはヘイズ値を用いた。ヘイズはJIS K 7136に規定された透明性材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。反射防止フィルムのヘイズ値としては好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.0%未満、更に好ましくは1.0%未満であり、値が小さいほど透明性の点で良好であるものの、0%とすることは困難であり、現実的な下限値は0.01%と思われる。ヘイズ値が3.0%以上であると、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。
[塗料組成物]
本発明における塗料組成物は、2種類以上の無機粒子を含み、該2種類以上の無機粒子における少なくとも一種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされたものである。
本発明における塗料組成物は、基材フィルム上に1回塗布乾燥する工程において、基材フィルム上に、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子を含む低屈折率層と、他の無機粒子を含む高屈折率層を構成するものである。このドライビングフォースとしては、乾燥過程において、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子と、他の無機粒子の表面エネルギー差によるものであり、このエネルギー差により粒子が分離し、低屈折率層と高屈折率層の2層を構成するものである。これは、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子は、表面エネルギーが低いため空気側(最表面側)へ移動しやすく、一方相対的に表面エネルギーが高い他の無機粒子は、基材フィルム側へ移動するためである。
続いて、無機粒子、低屈折率層構成成分として好ましく用いられる無機粒子(フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子)、さらに高屈折率層構成成分として好ましく用いられる他の無機粒子について順に説明する。
〔無機粒子〕
本発明の製造方法で用いる塗料組成物には2種類以上の無機粒子を含むが、無機粒子の種類数としては2種以上20種以下が好ましく、より好ましくは2種以上10種以下、さらに好ましくは2種以上3種以下である。ここで種類とは、無機粒子を構成する金属元素の種類によって決まる。つまり、同一の金属元素、例えばZnからなる無機粒子であれば、その粒径が異なるZn粒子が複数存在しても、これらは同一の無機粒子である。
無機粒子の種類としては、前記無機粒子を含む塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面上に1回塗布乾燥した際に屈折率の異なる2層を構成すれば特に限定されないが、例えば、金属原子Na,K,Mg,Ca,Zn,Ti,Sn,In,Zr,Sb,Si,Ceなどから選ばれる少なくとも1つの金属原子を含む無機粒子が挙げられる。また、無機粒子に含まれる金属は複数でもよく、好ましくは1種類以上5種類以下の金属を含む無機粒子を用いてもよい。
なお、基材フィルム上に2層を有する反射防止フィルムの、低屈折率層構成成分として好ましく用いられる無機粒子は、Si,Na,K,Ca,およびMgから選択される元素を含む無機粒子であり、さらに好ましくは、シリカ粒子(SiO)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、およびアルカリ土類金属フッ化物(CaF、MgFなど)から選ばれる化合物を含む無機粒子であり、耐久性、屈折率などの点からシリカ粒子が特に好ましい。なお、フッ素化合物により表面処理された無機粒子は、以後、フッ素処理無機粒子とよび、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子は、フッ素処理シリカ粒子と呼ぶ。
フッ素処理無機粒子の構成材料の無機粒子(低屈折率層構成成分の無機粒子)として好ましく用いられるシリカ粒子とはケイ素化合物又は有機珪素化合物の重合(縮合)体のいずれかからなる組成物を含む粒子を指し、一般例として、SiOなどのケイ素化合物から導出される粒子の総称である。
フッ素処理無機粒子の構成材料である無機粒子(低屈折率層を構成するシリカ粒子などの無機粒子)の形状(表面処理される前の形状)は特に限定されるものではないが、積層後に形成される層の屈折率の観点から球状が好ましく、より好ましくは無機粒子に空洞を有する、または表面及び内部に細孔を有することが好ましい。無機粒子が多面体構造であると、層中で隙間無く積層する可能性があり、画像表示装置に必要な透明性が得られないことが考えられる。また、粒子の内部に空洞を有する、または表面及び内部に細孔を有する無機粒子を用いることにより層の密度を下げる効果が得られる。特に無機粒子の内部に空洞を有する、または表面および内部に細孔を有することが、フッ素処理シリカ粒子が本発明の製造方法による反射防止フィルムの低屈折率層に含有され、低屈折率層を好適に形成することとなるために、好ましい。なお、内部に空洞を有する、または表面及び内部に細孔を有する無機粒子のことを、以下中空粒子と記載する。
続いて、低屈折率層に好適な、フッ素処理無機粒子の構成材料である無機粒子の数平均粒子径について説明する。低屈折率層を構成する、フッ素化合物により表面処理された無機粒子の数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が1nmよりも小さくなると、層中の空隙密度が低下することによる屈折率の上昇や透明度の低下が起こることがあるため好ましくなく、無機粒子の数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が200nmよりも大きくなると、低屈折率層の厚さが厚くなり良好な反射防止性能が得られなくなり好ましくないため、本発明の製造方法で用いられる無機粒子の少なくとも一種は、数平均粒子径(表面処理される前の数平均粒子径)が、好ましくは1nmから200nm、より好ましくは5nmから180nm、更に好ましくは5nmから100nmである。なお、中空粒子の数平均粒子径が上記範囲であることが特に好ましい。
本発明における数平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡により求めた粒子径をいう。倍率は50万倍とし、その画面に存在する10個の粒子の外径を測定し、その平均値とした。
ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
低屈折率層中に無機粒子が占める重量比率は、低屈折率層の全構成成分100重量%において無機粒子が1重量%から90重量%であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上80重量%以下であり、更に好ましくは10重量%以上70重量%以下である。低屈折率層の全構成成分100重量%において、無機粒子の含有量が1重量%未満であると良好な低屈折率が得られないことがあり、また無機粒子の含有量が90重量%を超えると、製膜性や高屈折率層との密着性が低下したり、高屈折率層と低屈折率層との区別可能な界面が失われるなどの不具合を生じることがある。
フッ素表面処理無機粒子は、好適に空気側(最表面層)へ移動して、好適に低屈折率層を形成することができるため、塗料組成物に用いられる2種類以上の無機粒子の少なくとも1種類の無機粒子には、フッ素化合物による表面処理がされていることが重要である。なお、2種類以上の無機粒子の全ての無機粒子がフッ素化合物による表面処理を施された場合よりも、フッ素化合物による表面処理を施された無機粒子と該表面処理をされていない無機粒子の両方を含む塗料組成物を用いる方が、屈折率差の大きい2層を得ることができるために反射防止性の点で好ましい。
また、フッ素化合物による表面処理を施した無機粒子としては、中空シリカ粒子などのシリカ粒子であることが、つまりフッ素処理無機粒子としては、フッ素処理シリカ粒子であることが特に好ましい。
フッ素化合物による表面処理工程は、一段階で行われても良いし、多段階で行われても良い。また、複数の段階でフッ素を含む化合物を用いても良いし、一つの段階のみでフッ素を含む化合物を用いても良い。
また無機粒子の表面処理工程にて好ましく用いられるフッ素化合物は、単一化合物でも良いし複数の異なる化合物を用いても良い。
フッ素化合物による表面処理とは、無機粒子を化学的に修飾し、無機粒子に含フッ素化合物を導入する工程を指す。
無機粒子にフッ素化合物を導入する方法としては、1分子中にフッ素セグメントとシリルエーテル基(シリルエーテル基が加水分解されたシラノール基を含む)との両方を持つフルオロアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上と開始剤とを共に撹拌することにより成される方法がある。しかし、無機粒子に直接フッ素化合物を導入する場合、反応性の制御が困難になったり、塗料化後塗布時に塗布斑等が発生しやすくなったりする場合がある。
また無機粒子を化学的に修飾し、含フッ素化合物を導入可能な工程の更なる方法としては、無機粒子を架橋成分にて処理し官能基を有したフッ素化合物とつなぎ合わせる方法がある。
架橋成分としては、分子内にフッ素は無いが、1分子中にフッ素化合物と反応可能な部位と、無機粒子と反応可能な部位を少なくとも一カ所ずつ持っている化合物を指し、無機粒子との反応可能な部位としては反応性の観点からシリルエーテル及びシリルエーテルの加水分解物であることが好ましい。これら化合物は一般的にシランカップリング剤と呼ばれ、例としては、グリシドキシアルコキシシラン類、アミノアルコキシシラン類、アクリロイルシラン類、メタクリロイルシラン類、ビニルシラン類、メルカプトシラン類、などを用いることができる。
官能基を有したフッ素化合物とは、フルオロアルキルアルコール、フルオロアルキルエポキシド、フルオロアルキルハライド、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルカルボキシレート(酸無水物及びエステル類を含む)、などを用いることができる。
本発明における無機粒子のフッ素化合物による表面処理のより好ましい形態は、無機粒子と下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(II)で示される化合物で処理する事が好ましい。
A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
B−R−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
一般式(I)の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
一般式(II)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
分子中にフッ素セグメントを有さない一般式(I)で示される化合物を用いることにより、簡便な反応条件で無機粒子表面を修飾することが可能となるばかりではなく、無機粒子表面に反応性を制御しやすい官能基を導入することが可能となり、その結果、反応性二重結合を有するフッ素セグメントを無機粒子表面で反応させることが可能になる。
低屈折率層中の全構成成分100重量%において一般式(II)で示す化合物に由来するフッ素化合物が占める重量比率は、0.1%重量%以上45重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上40重量%以下であり、更に好ましくは5重量%以上35重量%以下である。フッ素化合物の含有量が、低屈折率層の全構成成分100重量%において0.1重量%より少ないと良好な相分離が形成されず、ひいては良好な反射防止性能が得られない場合があり、フッ素化合物の含有量が、45重量%より多すぎると、溶解性の低下や製膜性の悪化などの不具合が生じる。
低屈折率層とは基材フィルム上に積層される層中のうちの1層であり、隣接する1層(フィルム構成層であり空気層を除く)よりも相対的な屈折率が低い層である。なお上述のように本発明の製造方法により得られる反射防止フィルムは、基材フィルム、高屈折率層、低屈折率層がこの順に形成されることが好ましい。屈折率を低下させる方法としてフッ素系高分子を用いる方法(特開2002−36457号公報)や密度を低下させる方法(特開平8−83581号公報)が知られているが、前述のように低屈折率層にはフッ素化合物による表面処理がされた無機粒子を含むことが重要である。前述した無機粒子及び一般式(I)、一般式(II)に示される化合物は、本発明で用いられる塗料組成物中では、未反応のままで無機粒子と一般式(I)化合物と一般式(II)化合物が存在しても良いし、無機粒子を一般式(I)化合物と一般式(II)化合物により表面処理して縮合および/または重合体として存在していても良い。
本発明の低屈折率層には前記した物質以外に別途バインダー成分を含んでも良い。バインダー成分としては、熱、紫外線などで硬化可能な樹脂成分であれば限定されるものではないが、本発明の修飾中空シリカを膜中に保持する観点より、分子中にアルコキシシランやアルコキシシランの加水分解物や反応性二重結合を有していることが好ましい。
続いて高屈折率層に関して説明する。高屈折率層とは基材フィルム上に積層される層中のうちの1層であり、隣接する層よりも屈折率が高い層をさし、少なくとも一種類以上の無機粒子を含むことが好ましい。高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子は特に限定されないが、低屈折率層構成成分として用いられる無機粒子とは異なる無機粒子であることが好ましく、Zr,Ti,Al,In,Zn,Sb,Sn,およびCeよりなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子であることが好ましい。また高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子としては、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が好ましく、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化アンチモン(Sb)、およびインジウムスズ酸化物(In)から選ばれる少なくとも一つの金属酸化物であり、特に好ましくはSbやSnなどから導出されるインジウム含有酸化スズ(ITO)やアンチモン含有酸化スズ(ATO)である。
高屈折率層構成成分として好適な無機粒子の数平均粒子径、特に低屈折率層構成成分として好適なシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物からなる無機粒子の平均粒子径としては、好ましくは、1nmから150nm、より好ましくは5nmから100nmである。無機粒子の数平均粒子径が1nmよりも小さくなると層中の空隙密度が低下することによる透明度の低下が起こるため好ましくなく、無機粒子の数平均粒子径が150nmよりも大きくなると高屈折率層の厚さが大きくなり良好な反射防止性能が得られなくなり好ましくない。
高屈折率層構成成分として好適な無機粒子の屈折率、特に低屈折率層構成成分として好適なシリカ粒子よりも屈折率が高い金属酸化物からなる無機粒子の屈折率としては、好ましくは1.60〜2.80、より好ましくは1.60〜2.50である。無機粒子の屈折率が1.60よりも小さくなると高屈折率層の屈折率が低下することがあり、無機粒子の屈折率が2.80よりも大きくなると高屈折率層の屈折率が上昇し、良好な反射防止性能が得られなくなることがある。
高屈折率層構成成分として用いられる無機粒子については前述した通りだが、フッ素化合物による表面処理がされた無機粒子がシリカ粒子の場合は、該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることが特に好ましく、このような該シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子としては、数平均粒子径が1から150nmであり、かつ屈折率が1.60から2.80の金属酸化物が好ましく用いられる。そのような金属酸化物の具体例としては、インジウム含有酸化スズ(ITO)及び/またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)が挙げられる。
本発明の製法に用いられる塗料組成物において、フッ素化合物による表面処理がされた無機粒子がシリカ粒子であり、他の無機粒子がシリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子である場合、基材フィルム上に塗料組成物を塗布乾燥することで、シリカ粒子を含有した層と、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子を含有する高屈折率層を好適に形成できるため好ましい態様である。
本発明で用いる塗料組成物として更に、バインダー成分を含むことが出来る。バインダー成分としては特に限定するものではないが、製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線にて硬化するバインダー(樹脂)であることが好ましく、バインダーとしての樹脂成分は一種類であっても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。熱で硬化する場合、製造コストよりその温度は室温から200℃であることが好ましく、活性エネルギー線の場合は汎用性より電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。またUV線により硬化する場合は、酸素雰囲気下よりも酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。
本発明で用いる塗料組成物としては、前記した低屈折率層構成成分として好適な無機粒子と、前記した高屈折率層構成成分と、さらに溶剤を含むことが望ましい。溶剤は塗料組成物が塗布可能な状態にあれば、必要量及び性状に制限は無いため、特に記載しないが、一般的に塗料溶剤として用いられている溶剤を用いることが出来る。
本発明で用いる塗料組成物としては、更に開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。開始剤及び触媒は、無機粒子と樹脂との反応を促進したり、樹脂間の反応を促進するために用いられる。該開始剤としては、塗料組成物をアニオン、カチオン、ラジカル反応等による重合および/または縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
該開始剤及び該硬化剤及び触媒は、公知又は周知のものを使用できる。また、複数の開始剤を同時に用いても良いし、単独で用いても良い。さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤や光重合開始剤を併用しても良い。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、蟻酸、酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アリールケトン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。なお、該開始剤及び該硬化剤の添加割合は塗料組成物中の樹脂成分量に対して0.001重量%から30重量%が好ましく、より好ましくは0.05重量%から20重量%であり更に好ましくは0.1重量%から10重量%である。
その他として、本発明で使用する塗料組成物には更に、各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。
[その他の層]
反射防止フィルムには、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、基材フィルムに耐傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、基材フィルムとその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。更には2種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。支持基材には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[基材フィルム]
反射防止皮膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は基材フィルムを有することが好ましい。基材フィルムとしては、ガラス板よりもプラスチックフイルムの方が好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンなどが含まれるが、これらの中でも特にトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。
基材フィルムの光透過率は、80%以上100%以下であることが好ましく、86%以上100%以下であることがさらに好ましい。ここで光透過率とは、光を照射した際に試料を透過する光の割合のことであり、JIS K 7361−1に従い測定することができる透明材料の透明性の指標である。反射防止フィルムの光透過率としては値が大きいほど良好であり、値が小さいとヘイズ値が上昇、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。基材フィルムのヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。基材フィルムの屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。なお、本発明でいう屈折率とは、光が空気中からある物質中に進む時、その界面で進行方向の角度を変える割合のことであり、JIS K 7142に規定されている方法により測定することができる。
基材フィルムには、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、基材フィルムの全構成成分100重量%において0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を基材フィルムに添加してもよい。無機化合物の例には、SiO、TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。
更に、基材フィルムに、表面処理を実施してもよい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
〔塗布乾燥硬化〕
本発明の製造方法では、1液の特定の塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法などの塗布方法によって一度塗布(塗布工程)し、続いて加熱などにより乾燥を行い塗料組成物を硬化させる(乾燥肯定・硬化工程)ことで、反射防止フィルムを得ることができる。
本発明の製造方法によれば、前記塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥する工程、および酸素濃度0〜1.5体積%の雰囲気下における紫外線硬化過程においてなされることにより、屈折率の異なる二層を同時に形成することができる。屈折率の異なる二層の形成は、少なくとも本発明の高屈折率層を誘導する組成物と低屈折率層を誘導する組成物と溶媒とが混合された塗料組成物の塗布後、乾燥過程において成される。
得られる反射防止フィルム中から完全に溶媒を除去する事に加え、欠陥なく二層に分離させるという観点からも、乾燥工程では加熱することが好ましい。
乾燥工程は、(1)材料余熱期間、(2)恒率乾燥期間、(3)減率乾燥期間に分けられるが、材料予熱期間(材料全体が乾燥する温度まで昇温する期間)から、恒率乾燥期間(塗液が動かなくなるまでの期間)にかけて、溶媒の蒸発に伴い屈折率の異なる二層を形成するが、二層を形成する無機粒子の移動に十分な時間を確保するため、風速が低く、できるだけ低温で乾燥することが好ましい。
この乾燥初期である(1)材料余熱期間や(2)恒率乾燥期間における風速としては、1m/s以上10m/s以下であることが好ましく、より好ましくは1m/s以上5m/s以下である。乾燥後期における減率乾燥期間においては、残存溶媒を減らせる点から、風速は10m/s以上70m/s以下であるのが好ましく、また温度は100℃以上200℃以下であるのが好ましい。加熱温度としては、用いる溶媒の沸点及びポリマーのガラス転移温度などから決定できるが特に限定される値ではない。乾燥工程における、加熱方式としては、カウンターフロー方式、熱風噴射、赤外線、マイクロ波、誘導加熱などが挙げられる。この中でも、乾燥初期である(1)材料余熱期間や(2)恒率乾燥期間においては、風速、温度の点からカウンターフロー方式が好ましいが、特に限定されるものではない。また乾燥後期である(3)減率乾燥期間においては、汎用性の点からトンネル式であるのが好ましい。
さらに、乾燥後の形成層に対して熱またはエネルギー線を照射する事によるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、溶媒の蒸発および、シラノールなどを含む樹脂の硬化の観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下である。100℃以上とすることにより、残存する溶媒量が減少し、さらに金属キレートにより非常に短時間でシラノールなどを含む樹脂の硬化が進むために好ましい。
また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。
さらに、乾燥後の形成層に対し、硬化工程において、紫外線を照射する事による硬化を行う場合、紫外線照射雰囲気中の酸素濃度が1.5体積%を超えると硬化膜最表面の酸化劣化が発生し、その結果耐アルカリ性が大幅に低下するため、1.5体積%以下、より好ましくは1.0体積%以下、さらに好ましくは0.5体積%以下であるのが望ましい。酸素濃度を低下させる手段としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の不活性気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素による置換(窒素パージ)である。
また紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3000mW/cm、好ましくは200〜2000mW/cm、さらに好ましくは300〜1500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3000m/cm、好ましく200〜2000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、
ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
また本発明の製法により得られた反射防止フィルムは、PDPなどの各種画像表示装置の視認側表面に設けることで、反射防止性に優れた画像表示装置を提供することができる。また、反射防止フィルムは、高屈折率層が画像表示装置の画像表示面側になるように配置する。反射防止フィルムが基材フィルムを有する場合は、基材フィルム側を画像表示装置の画像表示面に接着する。反射防止フィルムは、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[製造例]
[高屈折率成分(a)の調整]
高屈折率成分としてアンチモン含有酸化スズであるオプスターTU4005(JSR社製)を固形分濃度3.2重量%となるようにイソプロピルアルコールを加え希釈した。
〔高屈折率成分(b)の調整〕
高屈折率成分として酸化ジルコニウムであるTYZ67−H01(東洋インキ株式会社製)固形分濃度3.2重量%となるようにメチルイソブチルケトンを加え希釈した。
[低屈折率成分の調整]
[低屈折率成分(a)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10重量%蟻酸水溶液0.34gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6重量%の低屈折率成分(a)とした。
[低屈折率成分(b)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10重量%蟻酸水溶液0.34gを混合し70℃にて1時間撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.1重量%の低屈折率成分(b)とした。
[低屈折率成分(c)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gをイソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.4重量%の低屈折率成分(c)とした。
〔低屈折率成分(d)の調整〕
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10重量%蟻酸水溶液0.34gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロ−7−メチルオクチルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6重量%の低屈折率成分(d)とした。
〔低屈折率成分(e)の調整〕
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10重量%蟻酸水溶液0.34gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6重量%の低屈折率成分(e)とした。
〔低屈折率成分(f)の調整〕
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20重量%)20gにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10重量%蟻酸水溶液0.34gを混合し70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロデシルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6重量%の低屈折率成分(f)とした。
[塗剤1]
低屈折率成分(a)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.4重量%)。
[塗剤2]
低屈折率成分(b)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.2重量%)。
[塗剤3]
低屈折率成分(c)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.3重量%)。
〔塗剤4〕
低屈折率成分(c)のみを用いた。(固形分濃度3.4重量%)
[塗剤5]
低屈折率成分(d)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.4重量%)。
[塗剤6]
低屈折率成分(e)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.4重量%)。
[塗剤7]
低屈折率成分(f)と高屈折率成分(a)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.4重量%)。
〔塗剤8〕
低屈折率成分(a)と高屈折率成分(b)をそれぞれ塗料組成物の重量比にて4:6となるように混合した(固形分濃度3.4重量%)。
[反射防止フィルムの作製]
基材フィルムとしてPET樹脂フィルム上にハードコート塗料が塗布硬化されているルミクリアSR−HC(東レフィルム加工株式会社)をもちいた。この基材フィルム上に、バーコーター(#10)を用いて塗剤1〜8を塗布後100℃にて1分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を800mJ/cmの紫外線を所定の酸素濃度の雰囲気下で照射し、紫外線硬化させた反射防止フィルムを作製した。
[反射防止フィルムの評価]
作製した反射防止フィルムについて次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1に示した。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[反射防止性能]
反射防止性能の評価は島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて400nmから800nmの波長範囲にて行い、光線反射率の最小値(最低反射率)を測定した。
最低反射率が1.0%以下を合格とした。
[耐擦傷性]
反射防止フィルムに250g/cm荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを10往復した際に観察される傷の本数を目視により評価し、以下の判定基準に従い評価した。目視される傷の本数が10本未満を合格とした。
0本以上〜 5本未満 ◎
5本以上〜10本未満 ○
10本以上〜30本未満 △
30本以上 ×。
[耐アルカリ性]
1wt%のNaOH溶液を滴下させ、一定時間経過後にガーゼを用いて拭き取り作業を行った。拭き取り後の表面状態を観察することにより、表面が侵されているかどうか目視で判定し、以下の評価基準に従って判定した。液滴の跡が見られない最大の時間により判定した。なお、1つのサンプルについて場所を変えた3カ所について評価したうち、最も多い評価結果を採用する。液滴の跡が見られない最大の時間が30分以上となるものを合格とした。
30分以上〜1時間未満 ◎
20分以上〜30分未満 ○
10分以上〜20分未満 △
10分以下 ×。
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136に基づき、日本電色工業株式会社製 ヘイズメーターを用いて測定を行い、2.0%未満は○、2.0%以上3.0%未満は△、3.0%以上を×とした。
〔無機粒子の屈折率〕
無機粒子の分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。これを120℃で乾燥し、粉末とする。屈折率が既知である標準屈折液を2,3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。上記の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液(多くの場合はペースト状が透明になったとき)の標準屈折液を無機粒子の屈折率として測定した。
[2層の界面の有無]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、2層の界面の有無を判断した。TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼り付ける。次いで貼り付けた写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調する。この際に、1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなした。
[2層個々の屈折率]
本発明における2層個々の屈折率は、反射分光膜厚計(大塚電子製、商品名「FE−3000」)により、特開2000−65536号公報に記載された理論式と測定方法に従い求めた。各層の膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面観察により測定した値を用い、前記記載の方法に基づき2層個々の屈折率を求めた。
Figure 2010039417
表1から明らかなように、酸素濃度が0〜1.5体積%の雰囲気下で硬化した場合(実施例1〜実施例8)では、反射防止性、耐擦傷性、耐アルカリ性、透明性に優れたバランスのよいフィルムであった。また、表面処理に用いられるフッ素化合物の種類を変えた場合(実施例9〜11)では、反射防止性、耐擦傷性、耐アルカリ性、透明性に優れたバランスのよいフィルムであった。
高屈折率成分の無機粒子が酸化ジルコニウムの場合(実施例12)では、反射防止性、耐擦傷性、耐アルカリ性、透明性に優れたバランスのよいフィルムであった。
また、酸素濃度が1.5体積%より高い雰囲気下で硬化した場合(比較例1〜5)では、反射防止性、耐擦傷性、透明性が良好なものの、耐アルカリ性に欠けるものであった。また低屈折率成分において、フッ素化合物による表面処理がなされていない場合(比較例6、7)では、透明性が良好なものの、反射防止性、耐擦傷性、耐アルカリ性に欠けるものであった。高屈折率成分を含まない場合(比較例8)でも、透明性が良好なものの、耐擦傷性、耐アルカリ性、反射防止性に欠けるものであった。
実施例1〜12、比較例1〜8のフッ素処理前のシリカ粒子の数平均粒子径は42nmであり、フッ素処理シリカ粒子(実施例1〜8、実施例12、比較例1〜5)の屈折率は1.37であった。シリカ粒子の表面処理に用いられるフッ素化合物の種類を変えた場合(実施例9〜11)の屈折率はそれぞれ1.36(実施例9)、1.38(実施例10)、1.36(実施例11)であった。また、フッ素化合物による表面処理がなされていない場合(比較例6〜8)の屈折率は、それぞれ1.43(実施例6)、1.41(実施例7,8)であった。
無機粒子がアンチモン含有酸化スズである場合(実施例1〜11、比較例1〜8)の数平均粒子径は20nmであり、屈折率は1.63であった。無機粒子が酸化ジルコニウムの場合(実施例12)の数平均粒子径は25nmであり、屈折率は1.67であった。
本発明は、生産性に優れた反射防止フィルムの製造方法であり、煩雑な工程を行わずに優れた反射防止性を有する画像表示装置を提供するものであり、更なる目的は、優れた表面耐擦傷性、耐アルカリ性、更には反射防止性を有する画像表示装置を提供することにある。PDPなどのディスプレイ用途に展開可能である。

Claims (8)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、
    塗料組成物を基材フィルムの少なくとも片面に1回塗布乾燥する工程、及び該塗料組成物を酸素濃度0体積%〜1.5体積%の雰囲気下で紫外線硬化する工程、をこの順で含み、
    該塗料組成物が、2種類以上の無機粒子を含み、
    該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理がされた無機粒子であることを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記フッ素化合物により表面処理された無機粒子が、シリカ粒子をフッ素化合物により表面処理した粒子(以後、フッ素化合物により表面処理されたシリカ粒子を、フッ素処理シリカ粒子とよぶ)であり、
    フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. フッ素処理シリカ粒子を得るための表面処理が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(II)で示される化合物で処理することを特徴とする、請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
    A−R−SiR (OR3−n 一般式(I)
    B−R−Rf 一般式(II)
    (上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R、Rは炭素数1から3のアルキレン基およびそれらから導出されるエステル構造を示し、R、Rは水素または炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0または1または2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
  4. シリカ粒子が、粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子、及び/または表面及び内部に細孔を有するシリカ粒子であって、
    該シリカ粒子の数平均粒子径が1nmから200nmであることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
  5. シリカ粒子よりも屈折率が高い無機粒子が、数平均粒子径が1nmから150nm、屈折率が1.60〜2.80である金属酸化物からなることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
  6. 前記金属酸化物が、インジウム含有酸化スズ(ITO)及び/またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)であることを特徴とする、請求項5に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法にて得られうる反射防止フィルム。
  8. 請求項7の反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
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