JP2010237584A - 防眩ハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明フィルム1上に、2種類の微粒子及び樹脂2からなる防眩層を有する防眩ハードコートフィルムであって、第1種の微粒子3は表面未処理シリカ微粒子であり、その平均粒径が2.0〜3.5μmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して3〜15重量部であり、第2種の微粒子4はシリカ微粒子であり、その平均粒径が10〜500nmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して1〜100重量部である。
【選択図】図1
Description
これらのディスプレイの最表面には通常防眩ハードコートフィルムが貼合されている。防眩ハードコートフィルムは、バックライトから発せられた光がディスプレイ表面で拡散することなく直進すると、ディスプレイ表面を目視した場合眩しく、内部から出射する光をある程度拡散させる必要がある。また、防眩ハードコートフィルムには外光の映りこみの防止や偏光板への傷つき防止機能を付与することが望まれている。一方、近年液晶ディスプレイの省エネルギー化の要求に伴い、バックライトから発する光を効率的に活用確保すことが望まれ、透過率及び防眩性の両立が特に重要となっている。
また、特許文献2には、優れた視認性と防眩性を持たせることを目的として、防眩剤として疎水化処理されたシリカを用いることが記載されている。
また、特許文献2に記載された技術では、疎水化処理はシリカ微粒子表面のシラノール基を有機ケイ素化合物と反応させ、メチル基等の疎水基を導入することでなされる。このように疎水化処理シリカ微粒子では微粒子同士の相互作用が小さいため、より容易に媒体中に分散され、粗大な凝集体の残存も少なくなるとしている。しかしながら、化学反応させた疎水化処理シリカ微粒子は真比重が増し、吸油量が低下しシリカ微粒子の見掛け体積が小さく塗膜内に沈み易い状況が生まれる。これにより透過鮮明度が高くなり視認性は優れるが、充分な防眩性が得られているとは言えなかった。
従って、本発明の目的は、たとえば液晶ディスプレイ等用の防眩ハードコートフィルムとして充分な防眩性を有し、且つ耐擦傷性に優れ、また透過率特に視感透過率にも優れる防眩ハードコートフィルムを提供することである。
第1の発明は、透明フィルム上に、2種類の微粒子及び樹脂からなる防眩層を有する防眩ハードコートフィルムであって、第1種の微粒子は表面未処理シリカ微粒子であり、その平均粒径が2.0〜3.5μmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して3〜15重量部であり、第2種の微粒子はシリカ微粒子であり、その平均粒径が10〜500nmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする防眩ハードコートフィルムである。
また、請求項2の発明によれば、第1種の微粒子が、JIS K 5101に規定する吸油量測定方法によって算出した吸油量が250ml/100g以上で、且つ簡易BET法により算出した比表面積が400m2/g以下であることにより、フィルムの透過鮮明度を小さくして防眩性を向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、視感透過率(透過Y値)が92.20以上で、且つJIS K 7105に基づき測定される透過鮮明度が100%以下である、防眩性に優れ、且つ視感透過率が大幅に向上した防眩ハードコートフィルムが得られる。
また、請求項4の発明によれば、防眩層の膜厚が前記第1種の微粒子の平均粒径の1.0〜2.0倍の範囲であることにより、視認性、耐擦傷性、および防眩性がともに良好な防眩ハードコートフィルムが得られる。
また、請求項5の発明によれば、防眩層に含まれる樹脂の主成分が電離放射線硬化型樹脂であることにより、防眩層の表面にハード性(特に耐擦傷性)を付与することができる。
本発明の防眩ハードコートフィルムの構成を模式的に図1に示す。
本発明の防眩ハードコートフィルムは、透明フィルム1上に、第1種の微粒子3である表面未処理シリカ微粒子と第2種の微粒子4であるシリカ微粒子、及びバインダー樹脂2を少なくとも含む防眩層を有することによって構成される。
また、塗工時の外観を調整するためフッ素系やシロキサン系のレベリング剤を添加してもよい。
[実施例1]
塗料組成物を次のように調整した。第2種のシリカ微粒子(R972、日本アエロジル社製)100重量部に対し、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)を400重量部添加したものを2mmφのジルコニアビーズを用いたビーズミルにて180分間分散処理したのち、レーザー回析・散乱法により粒度分布を測定し、この液を分散液Aとした。このとき、第2種のシリカ微粒子の平均粒径は465nmであった。
なお、塗料組成物は、溶剤(トルエン/ノルマルプロパノール混合液)中に、攪拌しながら他の化合物を順次添加し、均一になるまで常温で溶解して作製した。
電離放射線硬化型樹脂(ビームセット550B、荒川化学工業社製)100重量部に対し、第1種のシリカ微粒子(表面未処理シリカS300、富士シリシア社製、平均粒子径2.7μm)を6.2重量部、シリカ分散液Aを電離放射硬化型樹脂100重量部に対し、第2種のシリカ微粒子含有量が15重量部、レベリング剤(フッ素系レベリング剤F−177、大日本インキ社製)を0.01重量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2.5重量部、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)196重量部、塗料濃度25重量%となるよう塗料を調整した。
防眩ハードコートフィルムの作製には、実施例1と同じ手法により作製した。
電離放射線硬化型樹脂(ビームセット550B、荒川化学工業社製)100重量部に対し、第1種のシリカ微粒子(表面未処理シリカS300、富士シリシア社製、平均粒子径2.7μm)を5.3重量部、レベリング剤(フッ素系レベリング剤F−177、大日本インキ社製)を0.01重量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2.5重量部、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)252重量部、塗料濃度25重量%となるよう塗料を調整した。
防眩ハードコートフィルムの作製には、実施例1と同じ手法により作製した。
電離放射線硬化型樹脂(ビームセット550B、荒川化学工業社製)100重量部に対し、第1種のシリカ微粒子(疎水化処理シリカSP100、富士シリシア社製、平均粒子径2.7μm)を10.7重量部、シリカ分散液Aを電離放射硬化型樹脂100重量部に対し、第2種のシリカ微粒子含有量が32重量部、レベリング剤(フッ素系レベリング剤F−177、大日本インキ社製)を0.01重量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2.5重量部、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)97重量部、塗料濃度25重量%となるよう塗料を調整した。なお、上記第1種のシリカ微粒子は、JIS K 5101に規定する吸油量測定方法によって算出した吸油量が240ml/100gであった。
防眩ハードコートフィルムの作製には、実施例1と同じ手法により作製した。
電離放射線硬化型樹脂(ビームセット550B、荒川化学工業社製)100重量部に対し、第1種のシリカ微粒子(疎水化処理シリカSP100、富士シリシア社製、平均粒子径2.7μm)を12.7重量部、シリカ分散液Aを電離放射硬化型樹脂100重量部に対し、第2種のシリカ微粒子含有量が15重量部、レベリング剤(フッ素系レベリング剤F−177、大日本インキ社製)を0.01重量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2.5重量部、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)135重量部、塗料濃度25重量%となるよう塗料を調整した。
防眩ハードコートフィルムの作製には、実施例1と同じ手法により作製した。
電離放射線硬化型樹脂(ビームセット550B、荒川化学工業社製)100重量部に対し、第1種のシリカ微粒子(疎水化処理シリカSP100、富士シリシア社製、平均粒子径2.7μm)を15.0重量部、レベリング剤(フッ素系レベリング剤F−177、大日本インキ社製)を0.01重量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2.5重量部、トルエン/ノルマルプロパノール混合液(50:50)163重量部、塗料濃度25重量%となるよう塗料を調整した。
防眩ハードコートフィルムの作製には、実施例1と同じ手法により作製した。
塗料組成物及びハードコートフィルムの作製において、第1種シリカ微粒子及び第2種シリカ微粒子を除いた以外は実施例1と同様にして防眩ハードコートフィルムを得た。
(1)全光線透過率及びヘイズ値 (単位%)
村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM150」を用いて測定を実施した。
(2)視感透過率(透過Y値) (無単位)
村上色彩技術研究所製「積分球高速分光透過測定システムDOT-3」を用い、JIS Z 8722に順ずる方法にて測定を実施した。
ここで視感透過率とは、Y=K∫S(λ)y(λ)T(λ)dλから求められる。S(λ):波長400〜700nmの分光分布、y(λ):等色関数、T(λ):分光立体角透過率、Y:視感透過率
スガ試験機(株)製写像性測定器「ICM−1DP」を使用し測定を実施した。測定は2mm、1mm、0.5mm、0.25mm、0.125mmの巾をもつ光学櫛を用いて行い、各巾における測定値の総和を透過鮮明度とした。
(4)60度光沢 (単位%)
村上色彩技術研究所製グロスメーター「GM−3D」を使用し、60度光沢を測定した。
スチールウール#0000を用いて、加重250gで10往復後の外観を目視で比較した。「○」は傷が付かない、「×」は傷が付く。
(6)防眩性
暗室にて防眩層の表面に蛍光灯の光を45角度で入射し、蛍光灯の輪郭の写り込みについて目視評価を実施した。○:蛍光灯の輪郭が全く確認できない。△:蛍光灯の輪郭が若干確認できる。×:蛍光灯の輪郭が鮮明に確認できる。
2 樹脂
3 第1種のシリカ微粒子
4 第2種のシリカ微粒子
Claims (5)
- 透明フィルム上に、2種類の微粒子及び樹脂からなる防眩層を有する防眩ハードコートフィルムであって、第1種の微粒子は表面未処理シリカ微粒子であり、その平均粒径が2.0〜3.5μmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して3〜15重量部であり、第2種の微粒子はシリカ微粒子であり、その平均粒径が10〜500nmであって、その配合量が樹脂100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする防眩ハードコートフィルム。
- 前記第1種の微粒子は、JIS K 5101に規定する吸油量測定方法によって算出した吸油量が250ml/100g以上で、且つ簡易BET法により算出した比表面積が400m2/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩ハードコートフィルムの視感透過率(透過Y値)が92.20以上で、且つJIS K 7105に基づき測定される透過鮮明度が100%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩層の膜厚が前記第1種の微粒子の平均粒径の1.0〜2.0倍の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防眩ハードコートフィルム。
- 前記防眩層に含まれる樹脂の主成分が電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防眩ハードコートフィルム。
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