JP4393088B2 - 防眩フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコン、パソコン用モニタ、テレビ等の各種ディスプレイに用いる防眩フィルムに関する。
【0002】
【従来技術】
ノートパソコン、液晶モニタ、CRTなどのディスプレイの表面には、ディスプレイ側から発する光、あるいは外光の映り込みを軽減するため、防眩処理を施した表面保護フィルムが設けられている。このような防眩フィルムとしては、透明基材フィルムの表面にシリカ等のフィラーを含む樹脂を塗工したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、防眩フィルムは、防眩層の凹凸により光拡散させて防眩性を付与しているが、凹凸が大となると画面が曇ってヘイズ値が上昇し、フィルムの透過率が低下する問題があるため、塗工樹脂とフィラーとの屈折率差を小さくして透過率を向上させる技術も報告されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−18706号公報
【特許文献2】
特開2000−121809号公報
【特許文献3】
特開2000−180611号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年ではコンピュータの省電力化のため、液晶ディスプレイのバックライト電力の低減が求められており、バックライト光を透過させる防眩フィルムの透過率を向上させる必要がある。例えば、防眩フィルムの透過率が0.1%高くなるだけで、節電効果が大きくなるといわれている。
【0005】
しかしながら、上記した特許文献2、3に記載された技術を用いても、透過率の向上には限界があった。つまり、樹脂にフィラーとして微粒子を分散配合させる原理上、微粒子の配合量を少なくすると透過率は向上するが、表面散乱が小さくなって防眩性が不充分になる。一方、微粒子の配合量を増やすと、表面散乱は大となるが、それに応じて透過率が低下するのみならず、フィルムが白くなり、画像の黒表示が白っぽくなる色調不良を生じる。又、微粒子の径が大きくなると、微粒子のレンズ効果によってディスプレイのRGBの各画素からの光が混じって画面のちらつきが生じ、視認性も低下する。
【0006】
特に、特許文献2、3に記載された方法は、画面のちらつき防止を図るためにフィラー粒径を小さくして表面凹凸を低減しているが、塗膜内部に大量の微粒子が分散しているため、これら微粒子により塗膜内部で光の内部散乱が生じ、上記したフィルムの白化や、透過率低下が顕著になるという問題がある。又、これらの技術では、フィラーとして樹脂浸透性の低い有機樹脂顔料を用いているため、耐擦傷性、ハード性も低くなる。
従って本発明の目的は、透明性と防眩性にともに優れ、又、画面のちらつきを抑制して視認性を向上した防眩フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討した結果、防眩層に使用する硬化前の樹脂の密度を、フィラーとなる微粒子の嵩比重より大きくすることによって、塗膜形成時に微粒子を表面付近に集め、その分だけ塗膜内部に分散する微粒子を少なくすることができることを見出すと共に、このようにすることにより、微粒子の添加量を少なくしても防眩層表面に、充分な防眩性が得られる凹凸を形成できること、及び、防眩層内部の微粒子による光散乱を低減してフィルムの透明性を向上できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、透明フィルムの表面に、シリカ微粒子、及び、硬化前の樹脂の密度が1.1g/cm3以上である紫外線硬化型樹脂を含有し、有機樹脂微粒子を含有しない組成物を硬化してなる防眩層が形成された防眩フィルムであって、前記シリカ微粒子の平均直径が0.3〜5.0μm、嵩比重が0.1〜0.6g/cm3で、且つ(前記シリカ微粒子の嵩比重)/(前記紫外線硬化型樹脂の硬化前の密度)で表される値が0.4以下であると共に、前記シリカ微粒子が前記紫外線硬化樹脂に対して4〜15重量%配合されてなり、前記紫外線硬化型樹脂が、アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムを含有し、該アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムの加水分解により生じる微細なシリカ又は酸化アルミニウムが紫外線硬化型樹脂中に分散した有機無機複合樹脂であることを特徴とする防眩フィルムである。
本発明においては、(前記シリカ微粒子の嵩比重)/(前記紫外線硬化型樹脂の硬化前の密度)で表される値が0.01〜0.4であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。本発明の防眩フィルムは、透明フィルムの表面に、微粒子を含有する樹脂を硬化してなる防眩層が形成され、微粒子の平均直径、嵩比重、及び樹脂の硬化前の密度を制限することを特徴としている。
【0009】
本発明に用いる透明フィルムに特に限定はないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリカーボネートフィルム(PC)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、ノルボルネンフィルム(NB)などが使用できる。フィルム厚さは、25〜250μm程度のものが好適に使用可能である。
【0010】
本発明で使用するシリカ微粒子は、気相法シリカであっても湿式法シリカであっても良いが、その平均直径は0.3〜5.0μm、嵩比重は0.1〜0.6g/cm3であり、紫外線硬化型樹脂に対して4〜15重量%の割合で配合される。
一方有機樹脂微粒子は、一般に嵩比重が高いため本発明では使用しない。
【0011】
ここで、微粒子の平均直径が0.3μm未満であると防眩層表面の凹凸の周期が可視光波長よりも短くなり、表面での可視域反射光の散乱が生じにくくなるため、防眩効果が得られない。一方、平均直径が5.0μmを超えると、表面の凹凸が大きくなって透過光の表面散乱が大きくなり過ぎるため、透過率が低下するとともに、ディスプレイの画像のちらつきが大きくなる。又、微粒子の嵩比重が0.6g/cm3を超えると、微粒子が塗膜内に埋もれ易くなるため微粒子が塗膜が表面に現れず、防眩性が低下する。一方、嵩比重は小さいほど好ましいが、0.1g/cm3未満の嵩比重は測定上識別し難いので、これを下限とする。
【0012】
微粒子の配合割合が2重量%未満であると、防眩性が不充分になり、一方で配合割合が30重量%を超えると、表面凹凸が大きくなり過ぎて透過率が低下するとともに、フィルムの白化を招く不都合がある。なお、平均直径は、例えばレーザー回折散乱法で測定することができる。又、嵩比重の測定は、JIS−Z8807に規定する方法で行うものとする。
【0013】
本発明に用いる樹脂は、硬化前の密度を1.1g/cm3以上とすることにより、比重差によって上記微粒子を塗膜表面に浮上させ、防眩層表面の凹凸を形成させるとともに、層内部への微粒子の分散量を低減させるものである。樹脂の密度が1.1g/cm3未満であると、微粒子が表面に浮上し難い。樹脂の密度は高いほど顔料が表面に現れ易くなり好ましいが、密度が高い樹脂は金属微粒子等を多量に含有する場合が多く、透明性が低くなる傾向にあるため2.0g/cm3以下のものを使用することが好ましい。従って、硬化前の密度が上記範囲であり、硬化によって被膜を形成する樹脂であればよく、例えば乾燥硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂を用いることができるが、本発明においては、防眩層の耐擦傷性が向上し、又、防眩層形成時に多量の熱を必要としないという観点から特に紫外線硬化型樹脂を用いる。なお、上記した微粒子の浮上効果を大きくするためには、(微粒子の嵩比重)/(樹脂の硬化前の密度)で表される値が0.4以下、好ましくは1/3以下となるよう、微粒子と樹脂を選択するとよい。なお、(微粒子の嵩比重)/(樹脂の硬化前の密度)の値の下限を0.01とすることが好ましい。
【0014】
本発明で使用する紫外線硬化型樹脂としては、密度が大きく微粒子の浮上効果の大きい有機無機複合樹脂を用いる。この樹脂は、アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムを含有し、アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムの加水分解により生じる微細なシリカ又は酸化アルミニウムが樹脂中に分散したものであり、いわゆる有機無機ハイブリッド材料と称される。そして、この樹脂の市販品として、アルコキシシランを配合(分散)したコンポセランシリーズ(荒川化学株式会社製、特開2000−290350号公報記載の組成物)、アルコキシアルミニウムを配合(分散)したデソライトKZシリーズ(JSR株式会社製)を挙げることができる。
【0015】
この有機無機複合樹脂に用いる樹脂組成物としては、アクリレート系の官能基を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、あるいはこれらのオリゴマーおよびプレポリマーを主成分とした樹脂を挙げることができる。そして、これら樹脂の基(水酸基等)にアルコキシアルミニウムまたはアルコキシシランの加水分解により生じたアルコキシシリル基等が化学結合し、極めて微細なシリカや酸化アルミニウムが生成する。生成したシリカ等は樹脂中に分散するが、微細であるので透明性の高い塗膜が得られる。アルコキシシランやアルコキシアルミニウムは、樹脂への配合量を増しても塗膜の透明性、ハード性が低下しにくい。また、これらの樹脂を紫外線照射により架橋するため、光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α-ヒドロキシケトン、ベンジルジメチルケタール、α-アミノケトン、ビスアシルフォスフィンオキサイド等を混合することが望ましい。
【0016】
上記各樹脂は、本発明の効果を変えない範囲で、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤などを含有してもよい。また、塗工時の外観を調整するためフッ素系やシロキサン系のレベリング剤を添加してもよい。
【0017】
そして、上記樹脂と微粒子等を溶剤に溶解、分散して塗料を調製し、透明フィルム上に塗工後硬化させることにより、防眩層を形成することができる。溶剤は、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、セロソルブ類などから適宜選択して用いることができ、これらの数種類を混合して用いてもよい。塗工後、塗膜を乾燥させ易くするためには沸点が70〜200℃の範囲であることが望ましい。
【0018】
塗工方法は特に限定しないが、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工などの方式を用いることが可能である。又、防眩層の膜厚は薄すぎるとハード性が低下するため、2μm以上が好ましい。防眩層の膜厚は、防眩フィルム断面を顕微鏡等で観察することにより測定できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
【0020】
実施例1
有機無機複合樹脂A(デソライトKZ7987B、固形分42%、JSR株式会社製の商品名、光官能性基を有する紫外線硬化型ハードコート剤で無機微粒子含有量61%、光開始剤含有)67.5g、トルエン31.5g、球形シリカA(サイロスフェアC1504、富士シリシア社製の商品名)1.8gを配合し、充分攪拌して塗料を調整した。
この塗料を、透明フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(F−T−UV80、富士写真フィルム株式会社製、厚さ80μm)にマイヤーバー(番号#14、RDS社製)を用いて塗工し、80℃に設定した送風乾燥機内で1分間乾燥した後、120Wの高圧水銀灯下を10m/minのスピードで通過させて紫外線硬化させ、厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
樹脂の密度、微粒子(球形シリカ、球形ポリスチレン樹脂)の平均直径及び嵩比重を表1にまとめて示す。
【0021】
実施例2.
塗料として、上記有機無機複合樹脂A67.5g、トルエン31.5g、球形シリカB(アドマファインSO−C3、アドマテックス社製の商品名)1.8gを配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.4μmの防眩フィルムを得た。
実施例3
塗料として、有機無機複合樹脂B(デソライトKZ7505、固形分52%、JSR株式会社製の商品名、光官能性基を有する紫外線硬化型ハードコート剤で無機微粒子含有量38%、光開始剤含有)54.2g、トルエン44.0g、球形シリカC(アドマファインSO−C2、アドマテックス社製の商品名)1.8gを配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.0μmの防眩フィルムを得た。
実施例4
塗料として、有機無機複合樹脂C(コンポセランU302、固形分25%、荒川化学株式会社製の商品名、光官能性基を有する紫外線硬化型のウレタン−シリカハイブリッド樹脂のハードコート剤で無機微粒子含有量7%、光開始剤含有)94g、IPA(イソプロパノール)4.5g、上記球形シリカC1.5gを配合し、マイヤーバーとして番号#18を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.4μmの防眩フィルムを得た。
比較例1
塗料として、上記有機無機複合樹脂C94g、IPA(イソプロパノール)4.5g、球形シリカE(アドマファインSO−C1、アドマテックス社製の商品名)1.5gを配合し、マイヤーバーとして番号#18を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.4μmの防眩フィルムを得た。
【0022】
比較例2
塗料として、アクリル系紫外線硬化樹脂D(ビームセット500、固形分100%、荒川化学株式会社製の商品名)27.4g、光重合開始剤A(ダロキュア1173、チバガイギー社製)0.8g、トルエン35g、MEK(メチルエチルケトン)35g、上記球形シリカB1.8gを配合し、マイヤーバーとして番号#8を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
比較例3
塗料として、上記有機無機複合樹脂A67.5g、トルエン31.5g、球形シリカF(アドマファインSO−C5、アドマテックス社製の商品名)1.8gを配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.0μmの防眩フィルムを得た。
比較例4
塗料として、上記有機無機複合樹脂A67.5g、トルエン31.5g、球形シリカG(ナノテックSi、シーアイ化成株式会社製の商品名)1.8gを配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.4μmの防眩フィルムを得た。
比較例5
塗料として、上記有機無機複合樹脂A67.5g、トルエン31.5g、球形シリカH(サイロスフェアC1510、富士シリシア社製の商品名)1.8gを配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
比較例6
塗料として、上記アクリル系紫外線硬化樹脂D27.4g、光重合開始剤A0.8g、トルエン35g、MEK35g、球形シリカC1.8gを配合し、マイヤーバーとして番号#8を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
比較例7
塗料として、上記アクリル系紫外線硬化樹脂D27.4g、光重合開始剤A0.8g、トルエン35g、MEK35g、球形シリカA1.8gを配合し、マイヤーバーとして番号#8を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
比較例8
塗料として、上記アクリル系紫外線硬化樹脂D27.4g、光重合開始剤A0.8g、トルエン35g、MEK35g、球形シリカH1.8gを配合し、マイヤーバーとして番号#8を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして厚み4.2μmの防眩フィルムを得た。
【0023】
評価
(1)透過率
各防眩フィルムの透過率を分光光度計(島津製作所製のUV3100)で測定した。透過率が高いほどディスプレイから光が透過し易く、ディスプレイの電力低減効果が大きい。又、透過率が0.1%高くなるだけでディスプレイの電力低減が大きくなるといわれる。
(2)ヘイズ度
各防眩フィルムのヘイズ度(曇り度)をヘイズメーター(村上色彩技術研究所製のHM150)で測定した。ヘイズ度は約20〜30%が良好といわれ、ヘイズ度が低過ぎると防眩性が低下し、高すぎるとフィルムが白化して好ましくない。
(3)視認性
全面緑色表示させたLCD(液晶表示体)の上に各防眩フィルムを重ね、画面のちらつきの度合いを目視で評価した。なお、LCD表面には予めクリアタイプのハードコートフィルムが設置されている。
特に良好:ちらつきが見られず
良好:ちらつきがわずかに見られた
やや不良:ちらつきが大きく、動画を再生するとちらつきが目立つ
不良:ちらつきが極めて大きく、静止画面においてもちらつきが目立つ
(4)光沢度
各防眩フィルムの60度鏡面光沢度を、JIS−Z8741に規定する方法で測定した。光沢度が低いほど、防眩性に優れている。
(5)耐擦傷性
各防眩フィルムの防眩層の上に、0000番のスチールウールを置き、24.5kPaの加重で防眩層上を100回往復させた後の外観を目視して評価した。
良好:防眩層に傷がほとんど見られず
【0024】
得られた結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4では、透過性、ヘイズ度、視認性にともに優れることが実証された。一方、樹脂の密度が1.1g/cm3未満である比較例2、6、7,8の場合、どのような平均直径の微粒子を使用しても視認性が不良となった。このようなことから、樹脂の密度を1.1g/cm3以上とする必要があることがわかった。
【0027】
微粒子の嵩比重が0.6g/cm3を超えた比較例3の場合、微粒子が塗膜に埋もれたため、視認性が不良となった。このようなことから、微粒子の嵩比重を0.6g/cm3以下とする必要があることがわかった。
【0028】
微粒子の平均直径が0.3μm未満である比較例4の場合、防眩層表面の凹凸形成が不充分なためにヘイズ度が2.0%と低く、又、60度光沢度が94%と高くなって防眩性が低下するとともに視認性も不良となった。一方、微粒子の平均直径が5.0μmを超えた比較例5,7の場合、防眩層表面の光散乱が過度となり、透過率が低下するとともに視認性も不良となった。このようなことから、微粒子の平均直径を0.3〜5.0μmとする必要があることがわかった。
【0029】
なお、比較例1では、(微粒子の嵩比重)/(樹脂密度)の値が0.4を超えたため、ヘイズ度、視認性が低下した。これらのことから、(微粒子の嵩比重)/(樹脂密度)の値を0.4以下とする必要のあることが明らかである。
【0030】
【発明の効果】
本発明においては、防眩層の樹脂の密度を、フィラーとなる微粒子の嵩比重より大きくしたので、微粒子の添加量を少なくしても防眩層表面に凹凸を形成でき、充分な防眩性を得られるとともに、防眩層内部の微粒子による光散乱を低減してフィルムの透明性を向上させ、画面のちらつきを抑制できる。
Claims (2)
- 透明フィルムの表面に、シリカ微粒子、及び、硬化前の樹脂の密度が1.1g/cm3以上である紫外線硬化型樹脂を含有し、有機樹脂微粒子を含有しない組成物を硬化してなる防眩層が形成された防眩フィルムであって、前記シリカ微粒子の平均直径が0.3〜5.0μm、嵩比重が0.1〜0.6g/cm3で、且つ(前記シリカ微粒子の嵩比重)/(前記紫外線硬化型樹脂の硬化前の密度)で表される値が0.4以下であると共に、前記シリカ微粒子が前記紫外線硬化樹脂に対して4〜15重量%配合されてなり、前記紫外線硬化型樹脂が、アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムを含有し、該アルコキシシラン又はアルコキシアルミニウムの加水分解により生じる微細なシリカ又は酸化アルミニウムが紫外線硬化型樹脂中に分散した有機無機複合樹脂であることを特徴とする防眩フィルム。
- 前記(前記シリカ微粒子の嵩比重)/(前記紫外線硬化型樹脂の硬化前の密度)で表される値が0.01〜0.4である、請求項1に記載された防眩フィルム。
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