JP6131284B2 - 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 Download PDFInfo
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Description
特許文献2には、基材上に設けた超微粒子含有の硬化バインダー層をドライエッチングすることにより超微粒子を硬化バインダー層の残部で固着させた状態で露出させた反射防止部材が記載されている。
また、特許文献3には、テトラエトキシシランと超微粒子を含む塗布液をガラス基材上に塗布し、焼成することでテトラエトキシシランが分解してできたSiO2の薄膜により超微粒子を固着させた反射防止体を製造することが記載されている。
すなわち、本発明は下記構成である。
基材と、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
を有する反射防止フィルムであって、
上記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルム。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
[2]
上記化合物(C)が、上記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、炭素原子を4つ以上有する化合物である、[1]に記載の反射防止フィルム。
[3]
上記化合物(C)の上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子の数に対する上記(メタ)アクリロイル基の数の比が1.1以上3.0以下である、[1]又は[2]に記載の反射防止フィルム。
[4]
上記化合物(C)が、上記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、ウレタン結合を有する化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[5]
上記(B)の含有質量と上記(C)の含有質量の和に対する上記(C)の含有質量の比が0.2以上0.8以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[6]
上記(A)の金属酸化物粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[7]
上記反射防止層形成用組成物において、上記(A)の金属酸化物粒子が上記(C)の化合物で表面修飾されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。[8]
上記金属酸化物粒子がシリカ粒子である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[9]
上記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[10]
上記基材と上記反射防止層との間にハードコート層を有する[1]〜[9]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[11]
偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
[12]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
[13]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は[11]に記載の偏光板を有する画像表示装置。
[14]
基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
上記反射防止層は、上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を上記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、上記化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、上記重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
本明細書において数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
また、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの少なくとも一方を表す。
本発明の反射防止フィルムは、
基材と、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
を有する反射防止フィルムであって、
上記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルムである。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
図1の反射防止フィルム10は、基材1と反射防止層2とを有する。反射防止層2は、基材1側の界面とは反対側の表面に金属酸化物粒子3により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
反射防止層2は、金属酸化物粒子3と、バインダー樹脂4とを含んでなる。
本発明の反射防止フィルムの基材上の一方、または両面に設けた反射防止層は、(A)の金属酸化物粒子によって形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
ここで、モスアイ構造とは、光の反射を抑制するための物質(材料)の加工された表面であって、周期的な微細構造パターンをもった構造のことを指す。特に、可視光の反射を抑制する目的の場合には、780nm未満の周期の微細構造パターンをもった構造のことを指す。微細構造パターンの周期が380nm未満であると、反射光の色味がなくなり好ましい。また、周期が100nm以上であると波長380nmの光が微細構造パターンを認識でき、反射防止性に優れるため好ましい。モスアイ構造の有無は、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等により表面形状を観察し、上記微細構造パターンが出来ているかどうか調べることによって確認することができる。
B/Aは、硬化後の反射防止層におけるバインダー樹脂と金属酸化物粒子の体積比により制御することができる。そのため、バインダー樹脂と金属酸化物粒子の配合比を適切に設計することが重要である。また、バインダー樹脂がモスアイ構造を作製する工程の中で基材に浸透したり、揮発したりすることにより反射防止層におけるバインダー樹脂と金属酸化物粒子の体積比が反射防止層形成用組成物中の配合比と異なる場合もあるため、基材とのマッチングを適切に設定することも重要である。
更に、B/Aを0.5以上にし、反射率を低減させるためには凸部を形成する金属酸化物粒子は均一に、高い充填率で敷き詰められていることが好ましい。また充填率が高すぎないことも重要であり、充填率が高すぎると隣り合う粒子同士が接触して凹凸構造のB/Aを小さくしてしまうためである。上記観点から、凸部を形成する金属酸化物粒子の含有量は、反射防止層全体で均一になるように調整されるのが好ましい。充填率は、SEMなどにより表面から凸部を形成する金属酸化物粒子を観察したときの最も表面側に位置した粒子の面積占有率として測定することができ、30%〜95%が好ましく、40〜90%がより好ましく、50〜85%が更に好ましい。
B/Aは、反射防止フィルムの断面SEM観察により測定することができる。反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、適切な倍率(5000倍程度)でSEM観察する。観察し易いように、試料にはカーボン蒸着、エッチング等適切な処理を施してもよい。B/Aは、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の距離をA、隣り合う凸部の頂点を含み基材面と垂直な面内にて、隣り合う凸部の頂点を結ぶ直線とその垂直二等分線が粒子またはバインダー樹脂に到達する点である凹部との距離をBとして、100点測長したとき、B/Aの平均値として算出する。
SEM写真においては、写っているすべての凹凸について、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとを正確に測長できない場合もあるが、その場合はSEM画像で手前側に写っている凸部と凹部に着目して測長すればよい。
なお、凹部は、SEM画像で測長する2つの隣り合う凸部を形成する粒子と同じ深度において測長することが必要である。より手前側に写っている粒子などまでの距離をBとして測長してしまうと、Bを小さく見積もってしまう場合があるからである。
反射防止層のモスアイ構造を形成する金属酸化物粒子について説明する。
反射防止層形成用組成物に含有される(A)の金属酸化物粒子は、表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子である。
なお、出来上がった反射防止層においては、(A)の金属酸化物粒子の表面のヒドロキシル基は(C)の化合物のケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基(シラノール基)又はケイ素原子に直接結合した加水分解可能な基が加水分解してできたシラノール基と縮合反応することにより一部又は全部が消失する場合がある。この縮合反応により金属酸化物粒子が(C)の化合物と強固に結合されるため、強い応力を付与しても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒径は、体積平均粒径の累積の50%粒径を指す。反射防止層中に含まれる金属酸化物粒子の平均一次粒径を測定する場合には、電子顕微鏡写真により測定することが出来る。例えば、反射防止フィルムの切片TEM像を撮影し、一次粒子100個のそれぞれの直径を測長してその体積を算出し、体積平均粒径の累積の50%粒径を平均一次粒径とすることができる。粒子が球径でない場合には、長径と短径の平均値をその一次粒子の直径とみなす。
表面にヒドロキシル基が多いほど、反応量が多くなり好ましい。1.00×10−4〜4.00×10−1が好ましく、5.00×10−4〜3.50×10−1がより好ましく、1.00×10−3〜3.00×10−1がさらに好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子を用いることで、(C)の化合物の(メタ)アクリロイル基、及び(B)の化合物の(メタ)アクリロイル基と架橋し、金属酸化物粒子がバインダー樹脂に強固に固定され、得られるモスアイ構造の鉛筆硬度がより高くなり、強い応力を付与しても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。
表面処理方法の具体例及びその好ましい例は、特開2007−298974号公報の[0119]〜[0147]の記載を参照できる。
第一の態様では、(C)の含有量は(A)の含有量に対して質量比で0.01以上6.0以下であることが好ましい。
第二の態様では、(A)の表面に修飾される(C)の含有量は(A)の含有量に対して質量比で0.001以上0.3以下であることが好ましい。
焼成シリカ粒子は、加水分解が可能なシリコン化合物を水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解、縮合させることによってシリカ粒子を得た後、シリカ粒子を焼成するという公知の技術により製造することができ、たとえば特開2003−176121号公報、特開2008−137854号公報などを参照することができる。
焼成シリカ粒子を製造する原料のシリコン化合物としては特に限定されないが、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アルコキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られる焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シリカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されないことが好ましい。
焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、1000℃〜1200℃がより好ましい。
また、シリカ粒子については、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよい。
金属酸化物粒子は市販されている粒子を焼成して用いてもよい。具体的な例としては、IPA−ST−L(平均一次粒径50nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、IPA−ST−ZL(平均一次粒径80nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、スノーテックスMP−1040(平均一次粒径100nm、日産化学工業(株)製シリカ)、スノーテックスMP−2040(平均一次粒径200nm、日産化学工業(株)製シリカ)、シーホスターKE−P10(平均一次粒径150nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、シーホスターKE−P20(平均一次粒径200nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、ASFP−20(平均一次粒径200nm、日本電気化学工業(株)製アルミナ)などを好ましく用いることができる。さらに本願要件を満たすものであれば、市販されている粒子をそのまま用いても良い。
反射防止層のバインダー樹脂について説明する。
反射防止層のバインダー樹脂は、反射防止層形成用組成物中の下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含む。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
ここで、(B)に由来する構造とは、化合物(B)の重合性基が反応して得られる構造であり、(C)に由来する構造とは、化合物(C)の(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくともいずれかが反応して得られる構造である。
反射防止層形成用組成物に含有される化合物(B)について説明する。
化合物(B)は、重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物である。
水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基の具体例としては下記式(Q−1)〜(Q−14)のいずれかで表される基が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(B)の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
重量平均分子量は、下記装置、カラムを使用し、下記条件で測定したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した値である。
[装置名] TOSOH HLC−8220GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super HZM−H
(4.6mm×15cm)を3本接続して使用。
[カラム温度] 25℃
[試料濃度] 0.1質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050までの7サンプルによる校正曲線を使用。
反射防止層形成用組成物に含有される化合物(C)について説明する。
化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物である。
化合物(C)における、(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間の炭素原子の数は4以上12以下がより好ましく、6以上10以下が更に好ましい。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
重量平均分子量は、下記装置、カラムを使用し、下記条件で測定したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した値である。
[装置名] TOSOH HLC−8220GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super HZM−H
(4.6mm×15cm)を3本接続して使用。
[カラム温度] 25℃
[試料濃度] 0.1質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050までの7サンプルによる校正曲線を使用。
本発明の反射防止フィルムにおける基材は、反射防止フィルムの基材として一般的に使用される透光性を有する基材であれは特に制限はないが、プラスチック基材やガラス基材が好ましい。
プラスチック基材としては、種々用いることができ、例えば、セルロース系樹脂;セルロースアシレート(トリアセテートセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース)等、ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート等、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、オレフィン系樹脂等を含有する基材が挙げられ、セルロースアシレート、ポリエチレンテレフタレート、又は(メタ)アクリル系樹脂を含有する基材が好ましく、セルロースアシレートを含有する基材がより好ましい。セルロースアシレートとしては、特開2012−093723号公報に記載の基材等を好ましく用いることが出来る。
プラスチック基材の厚さは、通常、10μm〜1000μm程度であるが、取り扱い性が良好で、透光性が高く、かつ十分な強度が得られるという観点から20μm〜200μmが好ましく、25μm〜100μmがより好ましい。プラスチック基材の透光性としては、可視光の透過率が90%以上のものが好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、反射防止層以外の機能層を有していてもよい。
たとえば、基材と反射防止層との間にハードコート層を有する態様が好ましく挙げられる。また、密着性を付与するための易接着層、帯電防止性を付与するための層等を備えていても良く、これらを複数備えていても良い。
本発明の反射防止フィルムの製造方法は特に限定されないが、生産効率の観点からは塗布法を用いた製造方法が好ましい。
すなわち、反射防止フィルムの製造方法は、
基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
上記反射防止層は、上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を上記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法である。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、上記化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、上記重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
溶媒としては、微粒子と極性が近い物を選ぶのが分散性を向上させる観点で好ましい。具体的には、例えば微粒子が金属酸化物粒子の場合にはアルコール系の溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、例えば微粒子が疎水化表面修飾がされた金属樹脂粒子の場合には、ケトン系、エステル系、カーボネート系、アルカン、芳香族系等の溶剤が好ましく、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、分散性を著しく悪化させない範囲で複数種混ぜて用いてもかまわない。
粒子の分散剤は、粒子同士の凝集力を低下させることにより、粒子を均一に配置させ易くすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、硫酸塩、リン酸塩などのアニオン性化合物、脂肪族アミン塩、四級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が好ましく、吸着基と立体反発基それぞれの選択の自由度が高いため高分子化合物がより好ましい。分散剤としては市販品を用いることもできる。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK160、DISPERBYK161、DISPERBYK162、DISPERBYK163、DISPERBYK164、DISPERBYK166、DISPERBYK167、DISPERBYK171、DISPERBYK180、DISPERBYK182、DISPERBYK2000、DISPERBYK2001、DISPERBYK2164、Bykumen、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S、Anti−Terra203、Anti−Terra204、Anti−Terra205(以上商品名)などが挙げられる。
レベリング剤は、塗布液の表面張力を低下させることにより、塗布後の液を安定させ粒子やバインダー樹脂を均一に配置させ易くすることができる。例えば、特開2004−331812号公報、特開2004−163610号公報に記載の化合物等を用いることができる。
防汚剤は、モスアイ構造に撥水撥油性を付与することにより、汚れや指紋の付着を抑制することができる。例えば、特開2012−88699号公報に記載の化合物等を用いることができる。
金属錯体化合物は、添加することにより、化合物(C)の加水分解を促進させ、反応性を高めることができる。金属錯体化合物としては、金属原子とそれに配位する配位子を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−iso−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−tert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−iso−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−iso−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−tert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジルコニウムテトラエチルアセトアセテート、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−iso−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、ジ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−iso−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−iso−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、モノ(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ビス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反射防止層形成用組成物は重合開始剤を含むことが好ましく、光重合開始剤を含むことがより好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が本発明の反射防止フィルムである。
本発明のカバーガラスは、本発明の反射防止フィルムを保護フィルムとして有する。反射防止フィルムの基材がガラスのものであってもよいし、プラスチックフィルム基材を有する反射防止フィルムをガラス支持体上に貼り付けたものであってもよい。
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止フィルム又は偏光板を有する。
本発明の反射防止フィルム及び偏光板は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に好適に用いることができ、特に液晶表示装置が好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、又は液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)上に、下記組成のハードコート層形成用塗布液を塗布し、窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量60mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、膜厚8μmのハードコート層を形成した。このようにしてハードコート層付き基材を作製した。
A−TMMT 44.6質量部
イルガキュア127 1.9質量部
メチルエチルケトン 10.7質量部
メチルイソブチルケトン 37.5質量部
酢酸メチル 5.4質量部
下記表1の組成となるように各成分をミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、30分間超音波分散機により分散し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して反射防止層形成用塗布液とした。
下記表1の(A)、(B)及び(C)として、下記表2に記載の素材を用いて、各実施例及び比較例の反射防止層形成用組成物を調製した。
また、バインダー樹脂形成用化合物として、(B)と(C)を合計で32.4質量部となるように用いた。
ハードコート層付き基材のハードコート層上に、(A)、(B)及び(C)として下記表2に記載の素材を用いた各反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いて塗布し、120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、実施例1〜34及び比較例1〜5の反射防止フィルムを作製した。
以下の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。結果を表2に示す。
反射防止フィルムの裏面(セルローストリアセテートフィルム側)をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、平均反射率を算出して反射防止性を評価した。
反射防止層表面に対して、鉛筆硬度試験(H/2H/3H)を実施し、その後、消しゴムにて鉛筆を除去した。
鉛筆硬度試験は、25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K5400が規定する鉛筆硬度評価法で行った。
ラビングテスターを用いて、鉛筆試験部の消しゴム擦りを行った。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”}を固定した。
擦り速度:2cm/秒
荷重:250g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm
擦り回数:50往復
鉛筆試験未実施部と実施部のSEM写真から粒子の個数を数え、粒子の残存率を算出した。
粒子残存率=(鉛筆硬度試験実施部の単位面積当たりの粒子の個数/鉛筆硬度試験未実施部の単位面積当たりの粒子の個数)×100
A:粒子残存率80%以上
B:粒子残存率60%以上80%未満
C:粒子残存率60%未満
反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、断面にカーボン蒸着後10分間エッチング処理した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍で20視野観察、撮影した。得られた画像で、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の距離A、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bを100点測長し、B/Aの平均値として算出した。
実施例19〜28、39〜48は、金属酸化物粒子(A)の表面処理カップリング剤として、化合物(C)に相当する化合物を用いている(前述の第二の態様に相当する)。
イルガキュア127:光重合開始剤(BASFジャパン(株)製)
KE−S10:シーホスターKE−S10 日本触媒製
KE−S30:シーホスターKE−S30 日本触媒製
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量200Lの反応器に、メチルアルコール67.54kgと、28質量%アンモニア水(水および触媒)26.33kgとを仕込み、撹拌しながら液温を33℃に調節した。一方、滴下装置に、テトラメトキシシラン12.70kgをメチルアルコール5.59kgに溶解させた溶液を仕込んだ。反応器中の液温を33℃に保持しながら、滴下装置から上記溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間、液温を上記温度に保持しながら撹拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解および縮合を行い、シリカ粒子前駆体を含有する分散液を得た。この分散液を、瞬間真空蒸発装置(ホソカワミクロン(株)社製クラックス・システムCVX−8B型)を用いて加熱管温度175℃、減圧度200torr(27kPa)の条件で気流乾燥させることにより、シリカ粒子A1を得た。平均粒径は200nm、粒径の分散度(Cv値):3.5%であった。
シリカ粒子A1 5kgをルツボに入れ、電気炉を用いて1050℃で1時間焼成した後、冷却して、次いで粉砕機を用いて粉砕し、分級前焼成シリカ粒子を得た。さらにジェット粉砕分級機(日本ニューマ社製IDS−2型)を用いて解砕および分級を行うことにより焼成シリカ粒子A2を得た。得られたシリカ粒子の平均粒径は0.20μm、粒径の分散度(Cv値):3.5%であった。
分級前焼成シリカ粒子A2 5kgを、加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製FM20J型)に仕込んだ。焼成シリカ粒子A2を撹拌しているところに、C1〜C6 45gを、メチルアルコール90gに溶解させた溶液を滴下して混合した。その後、混合撹拌しながら150℃まで約1時間かけて昇温し、150℃で12時間保持して加熱処理を行った。加熱処理では、掻き落とし装置を撹拌羽根とは逆方向に常時回転させながら、壁面付着物の掻き落としを行った。また、適宜、へらを用いて壁面付着物を掻き落とすことも行った。加熱後、冷却し、ジェット粉砕分級機を用いて解砕および分級を行い、シランカップリング剤処理シリカ粒子A3−C1〜A3−C6を得た。いずれも平均粒径は0.21μm、粒径の分散度(Cv値):3.7%であった。
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 13.6gとペンタエリスリトールトリアクリレート16.4gとジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC1を得た。
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 9.1gと1,3−ジアクリロイルオキシ−2−プロパノール 20.9g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC2を得た。
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 19.3gとグリセリン1,3−ビスアクリラート3.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート 6.8g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC3を得た。
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 9.1gとジペンタエリスリトールペンタアクリレート 20.9g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後減圧留去を行いC5を得た。
X−40−2671Gは、特開2007−41495号公報に記載の一般式(2)で表される。ここで、R1は水素原子、Yは、*−COO−**、Lは、炭素数3の連結基(C3H6)、R2、R3、R4はメトキシ基、R5、R6はメチル基である。重量平均分子量は、1300〜1900であった。
KAYARAD DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
ライトエステルHO−250(N):ヒドロキシルエチルメタクリレート(共栄社化学(株)製)
A−DPH :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村工業製)
A−TMMT :ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村工業製)
2 反射防止層
3 金属酸化物粒子
4 バインダー樹脂
10 反射防止フィルム
A 隣り合う凸部の頂点間の距離
B 隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離
Claims (14)
- 基材と、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
を有する反射防止フィルムであって、
前記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ前記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、該隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルム。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。 - 前記化合物(C)が、前記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、炭素原子を4つ以上有する化合物である、請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記化合物(C)の前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子の数に対する前記(メタ)アクリロイル基の数の比が1.1以上3.0以下である、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 前記化合物(C)が、前記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、ウレタン結合を有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記(B)の含有質量と前記(C)の含有質量の和に対する前記(C)の含有質量の比が0.2以上0.8以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記(A)の金属酸化物粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記反射防止層形成用組成物において、前記(A)の金属酸化物粒子が前記(C)の化合物で表面修飾されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記金属酸化物粒子がシリカ粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記基材と前記反射防止層との間にハードコート層を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は請求項11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
- 基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
前記反射防止層は、前記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、該隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を前記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、該化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、該重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
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