JP6131284B2 - 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6131284B2
JP6131284B2 JP2015060079A JP2015060079A JP6131284B2 JP 6131284 B2 JP6131284 B2 JP 6131284B2 JP 2015060079 A JP2015060079 A JP 2015060079A JP 2015060079 A JP2015060079 A JP 2015060079A JP 6131284 B2 JP6131284 B2 JP 6131284B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
antireflection film
compound
meth
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015060079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015200880A (ja
Inventor
彩子 松本
彩子 松本
真 内村
真 内村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2015060079A priority Critical patent/JP6131284B2/ja
Priority to PCT/JP2015/060278 priority patent/WO2015152308A1/ja
Priority to CN201580018148.0A priority patent/CN106164713B/zh
Publication of JP2015200880A publication Critical patent/JP2015200880A/ja
Priority to US15/280,052 priority patent/US10399309B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6131284B2 publication Critical patent/JP6131284B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、蛍光表示ディスプレイ(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、及び液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置では、表示面での外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために反射防止フィルムを設けることがある。また、画像表示装置以外でも反射防止フィルムにより反射防止機能を付与する場合がある。
反射防止フィルムとして、基材表面に周期が可視光の波長以下の微細な凹凸形状を有する反射防止フィルム、いわゆるモスアイ(moth eye)構造を有する反射防止フィルムが知られている。モスアイ構造により、擬似的に空気から基材の内部のバルク材料に向かって屈折率が連続的に変化する屈折率傾斜層を作り出し、光の反射を防止することができる。
モスアイ構造を有する反射防止フィルムとして、特許文献1には、透明樹脂モノマーと微粒子を含有する塗布液を透明基材上に塗布し、硬化して微粒子が分散した透明樹脂を形成し、その後、透明樹脂をエッチングすることにより製造された凹凸構造を有する反射防止フィルムが記載されている。
特許文献2には、基材上に設けた超微粒子含有の硬化バインダー層をドライエッチングすることにより超微粒子を硬化バインダー層の残部で固着させた状態で露出させた反射防止部材が記載されている。
また、特許文献3には、テトラエトキシシランと超微粒子を含む塗布液をガラス基材上に塗布し、焼成することでテトラエトキシシランが分解してできたSiOの薄膜により超微粒子を固着させた反射防止体を製造することが記載されている。
特開2009−139796号公報 特開平7−104103号公報 特開平5−13021号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された反射防止部材は、粒子により形成されているモスアイ構造に強い応力を付与すると粒子が脱落するという問題が発生することが分かった。
本発明の課題は、表面にモスアイ構造を有する反射防止フィルムにおいて、モスアイ構造の鉛筆硬度が高く、かつモスアイ構造に強い応力を付与しても粒子が脱落しない反射防止フィルムを提供することにある。また、本発明の別の課題は、この反射防止フィルムを含む偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、モスアイ構造を有する反射防止層を形成するための材料として特定の成分を用いることで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記構成である。
[1]
基材と、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
を有する反射防止フィルムであって、
上記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルム。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
[2]
上記化合物(C)が、上記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、炭素原子を4つ以上有する化合物である、[1]に記載の反射防止フィルム。
[3]
上記化合物(C)の上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子の数に対する上記(メタ)アクリロイル基の数の比が1.1以上3.0以下である、[1]又は[2]に記載の反射防止フィルム。
[4]
上記化合物(C)が、上記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、上記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、ウレタン結合を有する化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[5]
上記(B)の含有質量と上記(C)の含有質量の和に対する上記(C)の含有質量の比が0.2以上0.8以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[6]
上記(A)の金属酸化物粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[7]
上記反射防止層形成用組成物において、上記(A)の金属酸化物粒子が上記(C)の化合物で表面修飾されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。[8]
上記金属酸化物粒子がシリカ粒子である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[9]
上記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[10]
上記基材と上記反射防止層との間にハードコート層を有する[1]〜[9]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[11]
偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
[12]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
[13]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は[11]に記載の偏光板を有する画像表示装置。
[14]
基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
上記反射防止層は、上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を上記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、上記化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、上記重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
本発明によれば、表面にモスアイ構造を有する反射防止フィルムにおいて、モスアイ構造の鉛筆硬度が高く、かつモスアイ構造に強い応力を付与しても粒子が脱落しない反射防止フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、この反射防止フィルムを含む偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面模式図である。
以下、本発明に係る好ましい実施の形態について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書において数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
また、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの少なくとも一方を表す。
[反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムは、
基材と、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
を有する反射防止フィルムであって、
上記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルムである。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
以下、本発明の反射防止フィルムについて詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムの好ましい実施形態の一例を図1に示す。
図1の反射防止フィルム10は、基材1と反射防止層2とを有する。反射防止層2は、基材1側の界面とは反対側の表面に金属酸化物粒子3により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
反射防止層2は、金属酸化物粒子3と、バインダー樹脂4とを含んでなる。
(モスアイ構造)
本発明の反射防止フィルムの基材上の一方、または両面に設けた反射防止層は、(A)の金属酸化物粒子によって形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
ここで、モスアイ構造とは、光の反射を抑制するための物質(材料)の加工された表面であって、周期的な微細構造パターンをもった構造のことを指す。特に、可視光の反射を抑制する目的の場合には、780nm未満の周期の微細構造パターンをもった構造のことを指す。微細構造パターンの周期が380nm未満であると、反射光の色味がなくなり好ましい。また、周期が100nm以上であると波長380nmの光が微細構造パターンを認識でき、反射防止性に優れるため好ましい。モスアイ構造の有無は、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等により表面形状を観察し、上記微細構造パターンが出来ているかどうか調べることによって確認することができる。
本発明の反射防止フィルムの反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である。B/Aが0.5以上であると、凸部同士の距離に対して凹部の深さが大きくなり、空気から反射防止層内部にかけてより緩やかに屈折率が変化する屈折率傾斜層を作ることができるため、反射率を低減できる。
B/Aは、硬化後の反射防止層におけるバインダー樹脂と金属酸化物粒子の体積比により制御することができる。そのため、バインダー樹脂と金属酸化物粒子の配合比を適切に設計することが重要である。また、バインダー樹脂がモスアイ構造を作製する工程の中で基材に浸透したり、揮発したりすることにより反射防止層におけるバインダー樹脂と金属酸化物粒子の体積比が反射防止層形成用組成物中の配合比と異なる場合もあるため、基材とのマッチングを適切に設定することも重要である。
更に、B/Aを0.5以上にし、反射率を低減させるためには凸部を形成する金属酸化物粒子は均一に、高い充填率で敷き詰められていることが好ましい。また充填率が高すぎないことも重要であり、充填率が高すぎると隣り合う粒子同士が接触して凹凸構造のB/Aを小さくしてしまうためである。上記観点から、凸部を形成する金属酸化物粒子の含有量は、反射防止層全体で均一になるように調整されるのが好ましい。充填率は、SEMなどにより表面から凸部を形成する金属酸化物粒子を観察したときの最も表面側に位置した粒子の面積占有率として測定することができ、30%〜95%が好ましく、40〜90%がより好ましく、50〜85%が更に好ましい。
隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aの測定方法について、以下に、より具体的に説明する。
B/Aは、反射防止フィルムの断面SEM観察により測定することができる。反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、適切な倍率(5000倍程度)でSEM観察する。観察し易いように、試料にはカーボン蒸着、エッチング等適切な処理を施してもよい。B/Aは、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の距離をA、隣り合う凸部の頂点を含み基材面と垂直な面内にて、隣り合う凸部の頂点を結ぶ直線とその垂直二等分線が粒子またはバインダー樹脂に到達する点である凹部との距離をBとして、100点測長したとき、B/Aの平均値として算出する。
SEM写真においては、写っているすべての凹凸について、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとを正確に測長できない場合もあるが、その場合はSEM画像で手前側に写っている凸部と凹部に着目して測長すればよい。
なお、凹部は、SEM画像で測長する2つの隣り合う凸部を形成する粒子と同じ深度において測長することが必要である。より手前側に写っている粒子などまでの距離をBとして測長してしまうと、Bを小さく見積もってしまう場合があるからである。
B/Aは、0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。また、モスアイ構造が強固に固定化でき、耐擦傷性に優れるという観点からは、0.9以下であることが好ましい。
(金属酸化物粒子)
反射防止層のモスアイ構造を形成する金属酸化物粒子について説明する。
反射防止層形成用組成物に含有される(A)の金属酸化物粒子は、表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子である。
なお、出来上がった反射防止層においては、(A)の金属酸化物粒子の表面のヒドロキシル基は(C)の化合物のケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基(シラノール基)又はケイ素原子に直接結合した加水分解可能な基が加水分解してできたシラノール基と縮合反応することにより一部又は全部が消失する場合がある。この縮合反応により金属酸化物粒子が(C)の化合物と強固に結合されるため、強い応力を付与しても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。
(A)の金属酸化物粒子の平均一次粒径は50nm以上380nm以下であり、100nm以上320nm以下であることが好ましく、120nm以上250nm以下であることがより好ましい。金属酸化物粒子の平均一次粒径が50nm以上であると粒子の凝集を抑えることができるので好ましい。また、ヘイズ抑制の観点から380nm以下であると好ましく、300nm以下であることがより好ましく、さらに220nm以下であることが特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒径は、体積平均粒径の累積の50%粒径を指す。反射防止層中に含まれる金属酸化物粒子の平均一次粒径を測定する場合には、電子顕微鏡写真により測定することが出来る。例えば、反射防止フィルムの切片TEM像を撮影し、一次粒子100個のそれぞれの直径を測長してその体積を算出し、体積平均粒径の累積の50%粒径を平均一次粒径とすることができる。粒子が球径でない場合には、長径と短径の平均値をその一次粒子の直径とみなす。
本発明において、粒子表面のヒドロキシル基量を次のように定義する。ヒドロキシル基量は、固体29Si NMR(29Si CP/MAS)で測定する。金属酸化物粒子の表面の金属元素Mがn個のヒドロキシル基と結合しているもののシグナル強度をQnとしたとき粒子表面のヒドロキシル基量は、存在するQn×n÷(粒子半径(単位:nm)の二乗)の総和とする。例えば、粒子がシリカ(粒子半径Rとする)の場合は、中性酸素4原子と結合したケイ素(シグナル強度Q0)、中性酸素3原子とヒドロキシル基1つに結合したケイ素(シグナル強度Q1)、中性酸素2原子とヒドロキシル基2つに結合したケイ素(シグナル強度Q2)が存在し、粒子表面のヒドロキシル基量は、(Q1×1+Q2×2)÷Rである。シリカの場合は、シグナル強度Q2を与えるシグナルは−91〜−94ppm、シグナル強度Q1を与えるシグナルは−100〜−102ppm、シグナル強度Q0を与えるシグナルは−109〜−111ppmの化学シフトを有する。
表面にヒドロキシル基が多いほど、反応量が多くなり好ましい。1.00×10−4〜4.00×10−1が好ましく、5.00×10−4〜3.50×10−1がより好ましく、1.00×10−3〜3.00×10−1がさらに好ましい。
(A)の金属酸化物粒子としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子であることが好ましい。この好ましい態様を第一の態様と呼ぶ。(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。また、表面処理とはシランカップリング処理であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子を用いることで、(C)の化合物の(メタ)アクリロイル基、及び(B)の化合物の(メタ)アクリロイル基と架橋し、金属酸化物粒子がバインダー樹脂に強固に固定され、得られるモスアイ構造の鉛筆硬度がより高くなり、強い応力を付与しても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。
表面処理方法の具体例及びその好ましい例は、特開2007−298974号公報の[0119]〜[0147]の記載を参照できる。
第一の態様では、(C)の含有量は(A)の含有量に対して質量比で0.01以上6.0以下であることが好ましい。
また、反射防止層形成用組成物において、(A)の金属酸化物粒子が(C)の化合物で表面修飾されている態様も好ましい。この好ましい態様を第二の態様と呼ぶ。この態様によれば、前述のように、(A)の金属酸化物粒子の表面のヒドロキシル基が(C)の化合物のケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基(シラノール基)又はケイ素原子に直接結合した加水分解可能な基が加水分解してできたシラノール基と縮合反応することにより金属酸化物粒子が(C)の化合物と強固に結合される。更に、(A)の金属酸化物粒子の表面に修飾した(C)の化合物の(メタ)アクリロイル基は、(B)の化合物の(メタ)アクリロイル基と架橋するため、金属酸化物粒子がバインダー樹脂に強固に固定され、得られるモスアイ構造の鉛筆硬度がより高くなり、鉛筆硬度試験の後に消しゴムで擦る様な応力付与後の粒子の密着性確認を行っても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。更に、この第二の態様は上記第一の態様に比べて、少ない量の(C)の化合物を用いて、同程度の効果を得ることができるという利点もある。
第二の態様では、(A)の表面に修飾される(C)の含有量は(A)の含有量に対して質量比で0.001以上0.3以下であることが好ましい。
金属酸化物粒子としては、シリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、五酸化アンチモン粒子などが挙げられるが、多くのバインダーと屈折率が近いためヘイズを発生しにくく、かつモスアイ構造が形成し易い観点からシリカ粒子が好ましい。
金属酸化物粒子は、焼成シリカ粒子であることが特に好ましい。
焼成シリカ粒子は、加水分解が可能なシリコン化合物を水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解、縮合させることによってシリカ粒子を得た後、シリカ粒子を焼成するという公知の技術により製造することができ、たとえば特開2003−176121号公報、特開2008−137854号公報などを参照することができる。
焼成シリカ粒子を製造する原料のシリコン化合物としては特に限定されないが、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アルコキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られる焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シリカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されないことが好ましい。
焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、1000℃〜1200℃がより好ましい。
金属酸化物粒子の形状は、球形が最も好ましいが、不定形等の球形以外であっても問題無い。
また、シリカ粒子については、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよい。
金属酸化物粒子は市販されている粒子を焼成して用いてもよい。具体的な例としては、IPA−ST−L(平均一次粒径50nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、IPA−ST−ZL(平均一次粒径80nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、スノーテックスMP−1040(平均一次粒径100nm、日産化学工業(株)製シリカ)、スノーテックスMP−2040(平均一次粒径200nm、日産化学工業(株)製シリカ)、シーホスターKE−P10(平均一次粒径150nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、シーホスターKE−P20(平均一次粒径200nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、ASFP−20(平均一次粒径200nm、日本電気化学工業(株)製アルミナ)などを好ましく用いることができる。さらに本願要件を満たすものであれば、市販されている粒子をそのまま用いても良い。
反射防止層形成用組成物中の全固形分に対する(A)金属酸化物粒子の含有量は、10質量%以上95質量%以下が好ましく、35質量%以上90質量%以下がより好ましく、65質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
(バインダー樹脂)
反射防止層のバインダー樹脂について説明する。
反射防止層のバインダー樹脂は、反射防止層形成用組成物中の下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含む。
(B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
ここで、(B)に由来する構造とは、化合物(B)の重合性基が反応して得られる構造であり、(C)に由来する構造とは、化合物(C)の(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくともいずれかが反応して得られる構造である。
<化合物(B)>
反射防止層形成用組成物に含有される化合物(B)について説明する。
化合物(B)は、重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物である。
水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基の具体例としては下記式(Q−1)〜(Q−14)のいずれかで表される基が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0006131284
化合物(B)が有する重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
化合物(B)は1分子中に、重合性基を3.0個以上有することが好ましく、4.0個以上有することがより好ましく、5.0個以上有することが更に好ましい。
化合物(B)の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましく、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が特に好ましい。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
化合物(B)の重量平均分子量は1000以下であり、100以上800以下が好ましく、200以上700以下がより好ましい。化合物(B)の重量平均分子量が1000以下であると架橋密度を高くできるため硬度の観点で好ましい。
重量平均分子量は、下記装置、カラムを使用し、下記条件で測定したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した値である。
[装置名] TOSOH HLC−8220GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super HZM−H
(4.6mm×15cm)を3本接続して使用。
[カラム温度] 25℃
[試料濃度] 0.1質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050までの7サンプルによる校正曲線を使用。
反射防止層形成用組成物中の全固形分に対する(B)の含有量は、1.0質量%以上70.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上42.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以上20.0質量%以下が更に好ましい。
<化合物(C)>
反射防止層形成用組成物に含有される化合物(C)について説明する。
化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物である。
化合物(C)の加水分解可能な基は、好ましくはアルコキシ基であり、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基が最も好ましい。
同一分子中の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基及び加水分解可能な基の両方が反応し易い観点から、化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、炭素原子を4つ以上有する化合物であることが好ましい。
化合物(C)における、(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間の炭素原子の数は4以上12以下がより好ましく、6以上10以下が更に好ましい。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
Figure 0006131284
Figure 0006131284
Figure 0006131284
1分子中の(メタ)アクリロイル基1個以上を化合物(B)と反応させる観点から、化合物(C)のヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子の数に対する(メタ)アクリロイル基の数の比は1.1以上3.0以下であることが好ましい。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
バインダーの膜強度を確保する観点から、化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、ウレタン結合を有する化合物であることが好ましい。
このような化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
化合物(C)の重量平均分子量は300以上1000以下であり、300以上800以下が好ましく、300以上600以下がより好ましい。化合物(C)の重量平均分子量が300以上1000以下であると同一分子中の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基及び加水分解可能な基の両方が反応し易く、かつモスアイ形状を得られやすい観点で好ましい。
重量平均分子量は、下記装置、カラムを使用し、下記条件で測定したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した値である。
[装置名] TOSOH HLC−8220GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super HZM−H
(4.6mm×15cm)を3本接続して使用。
[カラム温度] 25℃
[試料濃度] 0.1質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050までの7サンプルによる校正曲線を使用。
化合物(C)中の(メタ)アクリロイル基の数は、1分子中に1〜8個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
反射防止層形成用組成物中の全固形分に対する(C)の含有量は、1.0質量%以上70.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上42.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以上20.0質量%以下が更に好ましい。
化合物(C)の具体例を以下にも示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
Figure 0006131284
Figure 0006131284
粒子―バインダーを強固に密着させ、かつバインダー強度の確保の観点から、前述の第二の態様であってかつバインダー樹脂形成用化合物として(C)を含まない態様以外の場合は、(B)の含有量と(C)の含有量の和に対する(C)の含有量の質量比が0.1以上0.9以下であることが好ましく、0.2以上0.8以下であることがより好ましく、0.3以上0.7以下であることがさらに好ましく、0.4以上0.6以下であることが特に好ましい。
(基材)
本発明の反射防止フィルムにおける基材は、反射防止フィルムの基材として一般的に使用される透光性を有する基材であれは特に制限はないが、プラスチック基材やガラス基材が好ましい。
プラスチック基材としては、種々用いることができ、例えば、セルロース系樹脂;セルロースアシレート(トリアセテートセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース)等、ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート等、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、オレフィン系樹脂等を含有する基材が挙げられ、セルロースアシレート、ポリエチレンテレフタレート、又は(メタ)アクリル系樹脂を含有する基材が好ましく、セルロースアシレートを含有する基材がより好ましい。セルロースアシレートとしては、特開2012−093723号公報に記載の基材等を好ましく用いることが出来る。
プラスチック基材の厚さは、通常、10μm〜1000μm程度であるが、取り扱い性が良好で、透光性が高く、かつ十分な強度が得られるという観点から20μm〜200μmが好ましく、25μm〜100μmがより好ましい。プラスチック基材の透光性としては、可視光の透過率が90%以上のものが好ましい。
(他の機能層)
本発明の反射防止フィルムは、反射防止層以外の機能層を有していてもよい。
たとえば、基材と反射防止層との間にハードコート層を有する態様が好ましく挙げられる。また、密着性を付与するための易接着層、帯電防止性を付与するための層等を備えていても良く、これらを複数備えていても良い。
[反射防止フィルムの製造方法]
本発明の反射防止フィルムの製造方法は特に限定されないが、生産効率の観点からは塗布法を用いた製造方法が好ましい。
すなわち、反射防止フィルムの製造方法は、
基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
上記反射防止層は、上記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、上記隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を上記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法である。
(A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
(B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、上記化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、上記重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
(C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
反射防止層形成用組成物は、溶媒、重合開始剤、金属錯体化合物、粒子の分散剤、レベリング剤、防汚剤等を含んでいてもよい。
溶媒としては、微粒子と極性が近い物を選ぶのが分散性を向上させる観点で好ましい。具体的には、例えば微粒子が金属酸化物粒子の場合にはアルコール系の溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、例えば微粒子が疎水化表面修飾がされた金属樹脂粒子の場合には、ケトン系、エステル系、カーボネート系、アルカン、芳香族系等の溶剤が好ましく、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、分散性を著しく悪化させない範囲で複数種混ぜて用いてもかまわない。
粒子の分散剤は、粒子同士の凝集力を低下させることにより、粒子を均一に配置させ易くすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、硫酸塩、リン酸塩などのアニオン性化合物、脂肪族アミン塩、四級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が好ましく、吸着基と立体反発基それぞれの選択の自由度が高いため高分子化合物がより好ましい。分散剤としては市販品を用いることもできる。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK160、DISPERBYK161、DISPERBYK162、DISPERBYK163、DISPERBYK164、DISPERBYK166、DISPERBYK167、DISPERBYK171、DISPERBYK180、DISPERBYK182、DISPERBYK2000、DISPERBYK2001、DISPERBYK2164、Bykumen、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S、Anti−Terra203、Anti−Terra204、Anti−Terra205(以上商品名)などが挙げられる。
レベリング剤は、塗布液の表面張力を低下させることにより、塗布後の液を安定させ粒子やバインダー樹脂を均一に配置させ易くすることができる。例えば、特開2004−331812号公報、特開2004−163610号公報に記載の化合物等を用いることができる。
防汚剤は、モスアイ構造に撥水撥油性を付与することにより、汚れや指紋の付着を抑制することができる。例えば、特開2012−88699号公報に記載の化合物等を用いることができる。
金属錯体化合物は、添加することにより、化合物(C)の加水分解を促進させ、反応性を高めることができる。金属錯体化合物としては、金属原子とそれに配位する配位子を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−iso−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−tert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−iso−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−iso−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−tert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジルコニウムテトラエチルアセトアセテート、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−iso−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、ジ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−iso−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−iso−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、モノ(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ビス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤)
反射防止層形成用組成物は重合開始剤を含むことが好ましく、光重合開始剤を含むことがより好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
反射防止層形成用組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられる。
均一に塗布しやすい観点から、反射防止層形成用組成物の固形分濃度は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が本発明の反射防止フィルムである。
偏光子には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することができる。
[カバーガラス]
本発明のカバーガラスは、本発明の反射防止フィルムを保護フィルムとして有する。反射防止フィルムの基材がガラスのものであってもよいし、プラスチックフィルム基材を有する反射防止フィルムをガラス支持体上に貼り付けたものであってもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止フィルム又は偏光板を有する。
本発明の反射防止フィルム及び偏光板は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に好適に用いることができ、特に液晶表示装置が好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、又は液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質の量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(ハードコート層付き基材の作製)
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)上に、下記組成のハードコート層形成用塗布液を塗布し、窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量60mJ/cmの紫外線を照射して硬化し、膜厚8μmのハードコート層を形成した。このようにしてハードコート層付き基材を作製した。
<ハードコート層形成用塗布液の組成>
A−TMMT 44.6質量部
イルガキュア127 1.9質量部
メチルエチルケトン 10.7質量部
メチルイソブチルケトン 37.5質量部
酢酸メチル 5.4質量部
(反射防止層形成用塗布液の調製)
下記表1の組成となるように各成分をミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、30分間超音波分散機により分散し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して反射防止層形成用塗布液とした。
下記表1の(A)、(B)及び(C)として、下記表2に記載の素材を用いて、各実施例及び比較例の反射防止層形成用組成物を調製した。
Figure 0006131284
上記表1において、各成分の配合量の単位は「質量部」を表す。
また、バインダー樹脂形成用化合物として、(B)と(C)を合計で32.4質量部となるように用いた。
(反射防止フィルムの作製)
ハードコート層付き基材のハードコート層上に、(A)、(B)及び(C)として下記表2に記載の素材を用いた各反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いて塗布し、120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cmの紫外線を照射して硬化し、実施例1〜34及び比較例1〜5の反射防止フィルムを作製した。
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)のかわりに、フジタックTG60UL(富士フイルム(株)製)を用い、下記表3の組成の反射防止層形成用組成物を用いた以外は実施例1と同様にして実施例35〜51の反射防止フィルムを作製した。
(反射防止フィルムの評価)
以下の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(積分反射率)
反射防止フィルムの裏面(セルローストリアセテートフィルム側)をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、平均反射率を算出して反射防止性を評価した。
(鉛筆硬度試験及び鉛筆硬度試験後の消しゴム擦り試験)
反射防止層表面に対して、鉛筆硬度試験(H/2H/3H)を実施し、その後、消しゴムにて鉛筆を除去した。
鉛筆硬度試験は、25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K5400が規定する鉛筆硬度評価法で行った。
ラビングテスターを用いて、鉛筆試験部の消しゴム擦りを行った。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”}を固定した。
擦り速度:2cm/秒
荷重:250g/cm
先端部接触面積:1cm×1cm
擦り回数:50往復
鉛筆試験未実施部と実施部のSEM写真から粒子の個数を数え、粒子の残存率を算出した。
粒子残存率=(鉛筆硬度試験実施部の単位面積当たりの粒子の個数/鉛筆硬度試験未実施部の単位面積当たりの粒子の個数)×100
A:粒子残存率80%以上
B:粒子残存率60%以上80%未満
C:粒子残存率60%未満
(B/A)
反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、断面にカーボン蒸着後10分間エッチング処理した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍で20視野観察、撮影した。得られた画像で、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の距離A、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bを100点測長し、B/Aの平均値として算出した。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
表2及び表3において、(C)/((B)+(C))は、化合物(B)と化合物(C)の合計の含有量に対する化合物(C)の含有量の質量比である。
実施例19〜28、39〜48は、金属酸化物粒子(A)の表面処理カップリング剤として、化合物(C)に相当する化合物を用いている(前述の第二の態様に相当する)。
使用した化合物を以下に示す。
イルガキュア127:光重合開始剤(BASFジャパン(株)製)
KE−S10:シーホスターKE−S10 日本触媒製
KE−S30:シーホスターKE−S30 日本触媒製
[シリカ粒子A1の合成]
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量200Lの反応器に、メチルアルコール67.54kgと、28質量%アンモニア水(水および触媒)26.33kgとを仕込み、撹拌しながら液温を33℃に調節した。一方、滴下装置に、テトラメトキシシラン12.70kgをメチルアルコール5.59kgに溶解させた溶液を仕込んだ。反応器中の液温を33℃に保持しながら、滴下装置から上記溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間、液温を上記温度に保持しながら撹拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解および縮合を行い、シリカ粒子前駆体を含有する分散液を得た。この分散液を、瞬間真空蒸発装置(ホソカワミクロン(株)社製クラックス・システムCVX−8B型)を用いて加熱管温度175℃、減圧度200torr(27kPa)の条件で気流乾燥させることにより、シリカ粒子A1を得た。平均粒径は200nm、粒径の分散度(Cv値):3.5%であった。
[焼成シリカ粒子A2の作製]
シリカ粒子A1 5kgをルツボに入れ、電気炉を用いて1050℃で1時間焼成した後、冷却して、次いで粉砕機を用いて粉砕し、分級前焼成シリカ粒子を得た。さらにジェット粉砕分級機(日本ニューマ社製IDS−2型)を用いて解砕および分級を行うことにより焼成シリカ粒子A2を得た。得られたシリカ粒子の平均粒径は0.20μm、粒径の分散度(Cv値):3.5%であった。
[シランカップリング剤処理シリカ粒子A3−C1〜A3−C6の作製]
分級前焼成シリカ粒子A2 5kgを、加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製FM20J型)に仕込んだ。焼成シリカ粒子A2を撹拌しているところに、C1〜C6 45gを、メチルアルコール90gに溶解させた溶液を滴下して混合した。その後、混合撹拌しながら150℃まで約1時間かけて昇温し、150℃で12時間保持して加熱処理を行った。加熱処理では、掻き落とし装置を撹拌羽根とは逆方向に常時回転させながら、壁面付着物の掻き落としを行った。また、適宜、へらを用いて壁面付着物を掻き落とすことも行った。加熱後、冷却し、ジェット粉砕分級機を用いて解砕および分級を行い、シランカップリング剤処理シリカ粒子A3−C1〜A3−C6を得た。いずれも平均粒径は0.21μm、粒径の分散度(Cv値):3.7%であった。
[C1]
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 13.6gとペンタエリスリトールトリアクリレート16.4gとジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC1を得た。
Figure 0006131284
[C2]
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 9.1gと1,3−ジアクリロイルオキシ−2−プロパノール 20.9g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC2を得た。
Figure 0006131284
[C3]
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 19.3gとグリセリン1,3−ビスアクリラート3.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート 6.8g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC3を得た。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
[C5]
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 9.1gとジペンタエリスリトールペンタアクリレート 20.9g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後減圧留去を行いC5を得た。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
[C7]信越化学工業製 X−40−2671G
X−40−2671Gは、特開2007−41495号公報に記載の一般式(2)で表される。ここで、Rは水素原子、Yは、*−COO−**、Lは、炭素数3の連結基(C)、R、R、Rはメトキシ基、R、Rはメチル基である。重量平均分子量は、1300〜1900であった。
Figure 0006131284
Figure 0006131284
KAYARAD PET−30:ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
KAYARAD DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
ライトエステルHO−250(N):ヒドロキシルエチルメタクリレート(共栄社化学(株)製)
A−DPH :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村工業製)
A−TMMT :ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村工業製)
1 基材
2 反射防止層
3 金属酸化物粒子
4 バインダー樹脂
10 反射防止フィルム
A 隣り合う凸部の頂点間の距離
B 隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離

Claims (14)

  1. 基材と、
    下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物から形成された反射防止層と
    を有する反射防止フィルムであって、
    前記反射防止層は、下記(B)に由来する構造及び下記(C)に由来する構造の少なくとも1種を含むバインダー樹脂を含み、かつ前記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
    前記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、該隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上である、反射防止フィルム。
    (A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
    (B)重合性基として(メタ)アクリロイル基、又は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成される(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有し、1分子中に3個以上の重合性基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。
    (C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
  2. 前記化合物(C)が、前記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、炭素原子を4つ以上有する化合物である、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記化合物(C)の前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子の数に対する前記(メタ)アクリロイル基の数の比が1.1以上3.0以下である、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記化合物(C)が、前記(メタ)アクリロイル基中のカルボニル基を構成する炭素原子と、前記ヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子との間に、ウレタン結合を有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記(B)の含有質量と前記(C)の含有質量の和に対する前記(C)の含有質量の比が0.2以上0.8以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  6. 前記(A)の金属酸化物粒子が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  7. 前記反射防止層形成用組成物において、前記(A)の金属酸化物粒子が前記(C)の化合物で表面修飾されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  8. 前記金属酸化物粒子がシリカ粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  9. 前記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  10. 前記基材と前記反射防止層との間にハードコート層を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  11. 偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は請求項11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
  14. 基材と反射防止層とを有する反射防止フィルムの製造方法であって、
    前記反射防止層は、前記基材側の界面とは反対側の表面に下記(A)の金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
    前記反射防止層の凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、該隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとの比であるB/Aが0.5以上であり、
    下記(A)、(B)及び(C)を含有する反射防止層形成用組成物を前記基材上に塗布して、下記(B)及び(C)を硬化させる工程を有する、反射防止フィルムの製造方法。
    (A)表面にヒドロキシル基を有する平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子。
    (B)1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1000以下の化合物。ただし、該化合物(B)が(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する場合は、該重合性基は、水素原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる原子のみから構成された重合性基である。
    (C)(メタ)アクリロイル基を有し、かつヒドロキシル基及び加水分解可能な基の少なくとも1種が直接結合したケイ素原子を有する重量平均分子量300以上1000以下の化合物。
JP2015060079A 2014-03-31 2015-03-23 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 Active JP6131284B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015060079A JP6131284B2 (ja) 2014-03-31 2015-03-23 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
PCT/JP2015/060278 WO2015152308A1 (ja) 2014-03-31 2015-03-31 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
CN201580018148.0A CN106164713B (zh) 2014-03-31 2015-03-31 防反射膜、偏振片、护罩玻璃、图像显示装置及防反射膜的制造方法
US15/280,052 US10399309B2 (en) 2014-03-31 2016-09-29 Antireflection film, polarizing plate, cover glass, and image display device, and method for producing antireflection film

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014074785 2014-03-31
JP2014074785 2014-03-31
JP2015060079A JP6131284B2 (ja) 2014-03-31 2015-03-23 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015200880A JP2015200880A (ja) 2015-11-12
JP6131284B2 true JP6131284B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=54552138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015060079A Active JP6131284B2 (ja) 2014-03-31 2015-03-23 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6131284B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017146180A1 (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 富士フイルム株式会社 反射防止フィルム、及び反射防止フィルムの製造方法
KR101951863B1 (ko) 2016-03-14 2019-02-25 주식회사 엘지화학 반사 방지 필름 및 디스플레이 장치
KR101948821B1 (ko) 2016-03-14 2019-02-15 주식회사 엘지화학 반사 방지 필름 및 디스플레이 장치
WO2018025818A1 (ja) 2016-08-02 2018-02-08 富士フイルム株式会社 積層体、反射防止物品、及びそれらの製造方法
JP6780598B2 (ja) * 2017-07-25 2020-11-04 信越化学工業株式会社 (メタ)アクリル化合物の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06331802A (ja) * 1993-05-26 1994-12-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学材料
JP5957792B2 (ja) * 2011-01-12 2016-07-27 大日本印刷株式会社 反射防止フィルム、および反射防止フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015200880A (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10399309B2 (en) Antireflection film, polarizing plate, cover glass, and image display device, and method for producing antireflection film
KR102511645B1 (ko) 반사 방지 필름, 편광판, 커버 유리, 화상 표시 장치, 및 반사 방지 필름의 제조 방법
JP6131284B2 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
JP5175672B2 (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP5264605B2 (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置
JPWO2004070436A1 (ja) 低反射処理物品の製造方法、低反射層形成用溶液および低反射処理物品
JP2010078886A (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
WO2015152308A1 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
JP6167005B2 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置
JP2010060743A (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2011039332A (ja) 光学フィルム、その製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP5322560B2 (ja) 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
US20220075095A1 (en) Laminate, antireflection product, and manufacturing method thereof
US10082605B2 (en) Manufacturing method of antireflection article, antireflection article, cover glass, and image display device
JP6596572B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法
JP2016061794A (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、画像表示装置、及び反射防止フィルムの製造方法
JP2007011033A (ja) 反射防止フィルム、それを用いた偏光板及びディスプレイ装置
JP2018132751A (ja) 反射防止フィルム、反射防止物品、偏光板、画像表示装置、モジュール、タッチパネル付き液晶表示装置、及び反射防止フィルムの製造方法
JP6095238B2 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
JP2009265651A (ja) 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP6343540B2 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法
JP5450171B2 (ja) 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
WO2017163861A1 (ja) 反射防止フィルムの製造方法、反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置
JPWO2018179687A1 (ja) 含フッ素共重合体、膜形成用組成物、及び光学フィルム
JP2013156643A (ja) 光学積層体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150828

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160308

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6131284

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250