JP5957792B2 - 反射防止フィルム、および反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

反射防止フィルム、および反射防止フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、反射防止フィルム、及び反射防止フィルムの製造方法に関する。
空気と透明基板との界面を光が入射する場合のように、屈折率が異なる媒体の界面を光が通過する場合、表面で光の一部が反射し視認性が低下する。また、太陽電池パネルのような透過光が必要なモジュール等については、光の一部が表面で反射することにより透過光量が低下し、変換効率が低下してしまう。そのため、テレビ、モニタ等に用いられる表示装置やカメラレンズなどの光学素子には、通常、表面反射を低減するために反射防止フィルムが設けられている。
このような反射防止フィルムとしては、例えば、特許文献1に提案されている、シリカなどの無機粒子やアクリルなどの有機微小粒子から形成された薄膜を多数積層した反射防止多層膜を基板の表面に設けてなる反射防止フィルムが一般的である。しかしながら、この反射防止多層膜は、各層の屈折率を制御する必要があり、高価な低屈折率材料および高屈折率材料が必要となる。また、通常2層以上の薄膜が必要であり、製造コストが上昇する。更に、反射防止多層膜は、光の干渉現象を利用しているため、反射防止作用は、光の入射角や波長に大きく依存する。そのため、入射角や波長が設計範囲を外れると反射防止作用は著しく低下するといった問題がある。
このような状況下、上記反射防止多層膜を有する反射防止フィルムにかえて、凹凸の周期が可視光の波長以下に制御された微細な凹凸パターンを表面に有する反射防止フィルムも知られている。この反射防止フィルムは、いわゆるモスアイ(蛾の目)構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を凹凸の深さ方向に沿って入射媒体の屈折率から基板の屈折率まで連続的に変化させることによって反射防止したい波長域の反射を抑えたものである。この反射防止フィルムによれば、反射防止多層膜を有する反射防止フィルムと比較して、簡易な方法によって広い波長範囲の光の反射を防止できる点において有用なものであることから、様々な分野においてもその実用化が検討されている。
このような、表面に微細凹凸パターンが形成されてなる反射防止フィルムの製造方法としては、特許文献2に提案されているように、材料を直接加工する方法や、特許文献3に提案されているように微細凹凸構造に対応した反転構造を有するモールドを用いて、この構造を転写する方法、特許文献4に提案されているように微小粒子を基板上に高密度に規則正しく配列させる方法などが知られている。
国際公開第2009/081596号 国際公開第2010/074190号 国際公開第2010/095415号 特許第3178009号公報
しかしながら、上記特許文献2、3に提案されている方法は、製造プロセスが複雑であり、生産性が低く、得られる反射防止フィルムの製造コストも高価となる。また、特許文献4に提案されている方法で得られる反射防止フィルムは、基板に微粒子を固定させる必要があり、耐熱性の低い基板を用いることができず、基板の材料の選択の幅が狭い。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、材料コストの低い反射防止フィルム、および、この反射防止フィルムを効率よく生産することができる製造方法を提供することを主たる課題とする。
一実施形態の反射防止フィルムは、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムであって、前記反射防止フィルムは、基板と微小粒子とからなり、前記微小粒子は、前記基板に埋没されているとともに、その一部分が前記基板の表面から突出し、これにより前記微細凹凸が形成されてなり、前記微小粒子の粒子径が5nm〜200nmであり、且つ前記基板に埋没されている前記微小粒子の埋没量が、当該微小粒子の直径に対し20%以上であることを特徴とする。
また、前記基板が、溶剤に溶解可能な基板であってもよく、この溶剤に溶解可能な基板が、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートの何れかからなるフィルムであってもよい。また、前記微小粒子が、シリカ粒子及び樹脂ビーズの何れか一方または双方であってもよい。
上記課題を解決するための本発明の方法は、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムの製造方法であって、微小粒子を溶剤に分散させた塗工液を、前記溶剤に可溶な基板の表面に塗工して該基板の表面を溶解させることで、前記基板の表面から前記微小粒子の一部分が突出するように前記微小粒子を前記基板に埋没させる工程を含み、前記微小粒子を前記基板に埋没させる工程では、前記微小粒子として、粒子径が5nm〜200nmの微小粒子が用いられ、埋没量が前記微小粒子の直径に対し20%以上となるように前記微小粒子を前記基板に埋没させることを特徴とする。
また、前記基板が、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートの何れかからなるフィルムであってもよい。また、前記微小粒子が、シリカ粒子及び樹脂ビーズの何れか一方または双方であってもよい。
本発明によれば材料コストの低い反射防止フィルムを提供することができる。また本発明の方法によれば、この反射防止フィルムを効率よく生産することができる製造方法を提供することができる。
本発明の反射防止フィルムの概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムの概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムの概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムの概略断面図である。
<<反射防止フィルム>>
以下に、本発明の反射防止フィルムについて図面を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の反射防止フィルム10は、表面に微細凹凸を有する、いわゆるモスアイ(蛾の目)型の反射防止フィルムであって、基板1と微小粒子2とからなり、微小粒子2は、基板1に埋没されているとともに、微小粒子2の一部が基板1の表面から突出する構成をとる。この構成によって、本発明の反射防止フィルム10は、表面に微細凹凸を有する。本発明は、この要件を充足するものであれば、他の要件についていかなる限定もされることはない。以下、本発明の反射防止フィルム10について更に具体的に説明する。なお、モスアイ型の反射防止フィルムは、フィルム表面に微細な凹凸構造を有し、この微細凹凸の厚み方向に沿って屈折率を連続的に変化させることで、光の反射を防止させたフィルムをいう。
(基板)
基板1は、光透過性を示すとともに所望の屈折率を有し、かつ後述する微小粒子2を埋没させることができるものであれば特に限定されるものではなく、反射防止フィルムの分野で従来公知の基板を適宜選択して用いることができる。
このような基板1としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、或いは、ガラス(セラミックスを含む)等からなる基板を挙げることができる。
また、光学特性を考慮すると、上記に例示される基板1の中でも、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂からなる基板を特に好ましく使用することができる。
基板10の厚さについて特に限定はないが、一般的には、8〜1000μm程度、好ましくは、25〜300μm程度である。また、基板1としてガラスを用いる場合には0.1mm〜10mm程度が一般的である。
(微小粒子)
図1に示すように、微小粒子2は、基板1に埋没されており、かつ微小粒子2の表面の一部分は基板1の表面から突出する構成をとっている。そして、基板1の表面と、この基板1の表面から突出した微小粒子2とによって反射防止フィルム10の表面には微細凹凸が形成されている。つまり、本発明は、従来のように基板上に、単に微小粒子を配列し、これを樹脂製のバインダーで固定させた形態、換言すれば、樹脂製のバインダーの表面と、バインダーの表面から突出する微小粒子とで形成される微細凹凸とは異なり、基板1と基板1に直接的に埋没される微小粒子とによって微細凹凸が形成されている点に特徴を有する。
なお、本発明の反射防止フィルム10は、上記で説明したように、基板1の表面と、基板1に埋没されるとともに基板1の表面から突出した微小粒子2とによって、表面に微細凹凸が形成された構成をとるものであれば、樹脂製のバインダーが使用されることを禁止するものではない。つまり、本発明の反射防止フィルム10が、必ずしも基材1と微小粒子2とからのみによって構成されていることに限定されるものではない。例えば、本発明の反射防止フィルム10の製造時において基板1と微小粒子2との密着強度が不十分である場合には、基板1と微小粒子2とが接する部分の一部において、樹脂製のバインダー(例えば、接着剤等)で固定させた形態をとることもできる。
また、基板1の表面部分には他の成分が含有されていてもよい。具体的には、後述する本発明の製造方法において、塗工液中に他の成分を含有させた場合には、製造される反射防止フィルム10の基板1の表面近傍、すなわち基材1の溶解した部分に他の成分が含有されることとなるが、この構成も本発明の反射防止フィルムに含まれる。なお、他の成分が、基材中の主成分となるものは本発明からは除外される。
微小粒子について特に限定はなく、例えば、シリカ微粒子や、樹脂ビーズ、金属微粒子等を好適に用いることができる。また、微小粒子の粒子径についても特に限定はないが、少なくとも、所望する微細凹凸の凸部高さ(基板表面から、基板の表面から突出する微小粒子の頂点までの距離)よりも大きい直径を有する微小粒子である必要がある。
また、本発明の反射防止フィルム10は、可視光線領域のみならず、可視光線領域よりも波長の短い紫外線領域や、可視光線領域よりも波長の長い赤外線領域においても適用可能であり、各波長領域の反射防止特性に応じて、選択される微小粒子の粒子径を適宜設定することができる。具体的には、粒子径が5〜2000nm程度の微小粒子の中から、所望する波長領域の反射防止特性を考慮して適宜選択して使用することができる。
また、本発明においては、図2に示すように、粒子径の異なる複数の微小粒子を組み合わせて、基板1から突出する微小粒子の突出量(すなわち凸部の高さ)を異なるようにしてもよい。また、図示しないが、この場合において、それぞれの微小粒子の埋没量を適宜調整することで、突出量が均等となるようにしてもよい。
また、本発明の反射防止フィルム10は、全ての微小粒子2が基材1の表面からその一部分が突出している構成をとることに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、一部の微小粒子が基材1中に完全に埋没されており、他の一部の微小粒子2が、基材1の表面から一部分が突出し、この他の一部の微小粒子2によって、表面に微細凹凸が形成された構成とすることもできる。
微小粒子2の基材1への埋没量についても特に限定はないが、埋没量(図1に示す埋没部分の長さ)が、微小粒子の直径に対し20%未満である場合には、基材に埋没された微小粒子が脱落する虞が生じうる。この点を考慮すると、基板1への微小粒子の埋没量は、微小粒子の直径に対し20%以上であることが好ましい。
基材1と、基材に埋没される微小粒子とで形成される微細凹凸の表面粗度(Ra)につて特に限定はなく、微細凹凸の厚み方向に沿って屈折率を連続的に変化させることで、光の反射を防止させることができる範囲内で適宜設定することができる。
また、凸部同士の間隔(微細凹凸の周期という場合がある。)は、所望する光学特性に応じて適宜設定することができ、モスアイ構造の反射防止フィルムの分野で従来公知の範囲内で適宜設定することができる。
上記では、基板1の一方面に微小粒子2が埋没された実施形態について説明したが、基板1の両面に微小粒子2を埋没させ、基板1の両面に微細凹凸を形成することもできる。
基板1に微小粒子2を埋没させる方法についても特に限定はなく、例えば、基板1上に微小粒子2を配列し、基板1を加熱等によって溶融させた後に、微小粒子2の上方からプレス等することによって、基板1に微小粒子を埋没させることができる。
特に、本発明の反射防止フィルム10は、本発明の製造方法にしたがって形成することで、容易に基板1に微小粒子を埋没させることができる点で好ましい。本発明の製造方法については後述する。
(任意の層)
本発明の反射防止フィルム10は、微細凹凸が表面に露出した形態を中心に説明を行ったが、図4に示すように、任意の層3を微細凹凸上に積層することもできる。この任意の層3は1層であってもよく、複数の層であってもよい。また、任意の層3としては、例えば、防汚性、スチールウール耐性、帯電防止性を有する層を挙げることができる。
なお、後述する本発明の製造方法にしたがって、本発明の反射防止フィルム10を製造した場合には、基材1の表面から突出した微小粒子2の表面の一部又は全部に、基材1の材料が付着する場合もある。本発明の反射防止フィルム10は、上述したように、基材1にその表面の一部分が突出されるように埋没されることで、表面に微細凹凸が形成されている点に特徴を有し、したがって、基材1の表面から突出した微小粒子の表面は、必ずしも露出している必要はなく、本発明の反射防止フィルム10は、上記のように、任意の層が積層されたものであってもよく、微小粒子2の表面に基材1の材料が付着したものであってもよい。
<<反射防止フィルムの製造方法>>
次に、本発明の反射防止フィルムの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムの製造方法であって、微小粒子を溶剤に分散させた塗工液を、前記溶剤に可溶な基板の表面に塗工して該基板の表面を溶解させることで、基板の表面から微小粒子の一部分が突出するように微小粒子を基板に埋没させることを特徴とする。
本発明の方法は、溶剤に可溶な基板と、該溶剤に微小粒子を分散してなる塗工液とを用いるだけで、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムを製造することができ、極めて簡単な方法で反射防止フィルムを製造することができる。また、本発明の方法によれば、基板に微小粒子を固定させるために焼き付けを行う必要もないことから、耐熱性の低い基板であっても使用することができる。以下、本発明の方法について具体的に説明する。
(基板)
本発明の方法に用いられる基板は、透明性を有し、後述の微小粒子を溶剤に分散させた塗工液に可溶な基板(溶剤に可溶な基板)との条件を満たせば、他の条件についていかなる限定もされることはなく、反射防止フィルム10で説明した基材1の材料等を使用することができる。また、上記で説明したように、光学特性を考慮すると、本発明の方法に用いられる基板としては、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース等を好ましく使用することができる。
基板の厚さについても特に限定はなく、一般的には、8〜1000μm程度、好ましくは、25〜300μm程度である。また、ガラス基板を使用する場合には、0.1mm〜10mm程度が一般的である。
(塗工液の調製)
基板に塗工される塗工液は、少なくとも、微小粒子と溶剤とからなり、微小粒子は、塗工液中に分散した形態をとっている。微小粒子としては、本発明の反射防止フィルムで説明した微小粒子を適宜選択して使用することができ、ここでの説明は省略する。
塗工液の調製に用いられる溶剤は、本発明の方法で使用される基板を溶解させることができる溶剤であればよく、用いられる基材に応じて適宜選択することができ、特に限定されることはない。例えば、基板としてトリアセチルセルロースを使用する場合には、トリアセチルセルロースを溶解させることができるメチルエチルケトン(MEK)等を使用することができる。また、ガラス基板を使用する場合には、フッ化水素等を使用することができる。
また、塗工液の調製時において、基材を溶解させることができる溶剤とともに、基材を溶解させることができない溶剤を併せて用いることもできる。このように、基材を溶解させることができる溶剤とともに基材を溶解させることができない溶剤を用いて塗工液を調整することで、基材の溶解量を制御し、微小粒子の埋没量を調整することが可能となる。例えば、基板として上記のトリアセチルセルロースを使用する場合には、溶剤として、メチルエチルケトンと、イソプロピルアルコール(IPA)とを用いることが好ましい。イソプロピルアルコールは、トリアセチルセルロースを溶解させることはできないが、イソプロピルアルコールによって、メチルエチルケトンによるトリアセチルセルロースの溶解量を容易に制御可能である。具体的には、塗工液中のメチルエチルケトンの含有量が多いほど、トリアセチルセルロースの溶解量は多くなり、トリアセチルセルロースへ微小粒子を深く埋没させることができる。一方、塗工液中のイソプロピルアルコールの含有量が多いほど、トリアセチルセルロースの溶解量は減少することとなり、トリアセチルセルロースへの微小粒子の埋没量は少なくなる。
また、塗工液には、微小粒子、溶剤とともに、他の成分を含有させることとしてもよい。他の成分としては、界面活性剤、バインダー樹脂等を挙げることができる。
微小粒子と溶剤との配合比についても特に限定はなく、所望する微小粒子の埋没量(微小粒子の突出量)や形成される微細凹凸のピッチ等を勘案して適宜設定することができる。例えば、微小粒子の分散量のみが異なると仮定した場合に、微小粒子の分散量が少ない場合には、微細凹凸のピッチは大きくなり、一方で、微小粒子の分散量が多くなるにしたがって、微細凹凸のピッチは小さくなる。また、溶剤の配合量が著しく少ない場合には、基板を溶解させることができなくなる虞も生じうる。したがって、これらを考慮して配合比を決定することが好ましい。
(塗工液の塗工)
塗工液の塗工方法についても特に限定はなく、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の従来公知の塗工方法を適宜選択して用いることができる。塗工量についても特に限定はなく、溶剤の種類、塗工液中に占める溶剤の割合等を勘案して適宜設定することができる。
溶剤によって可溶な基板に、この溶剤中に微小粒子を分散させた塗工液を塗工することにより、基板の表面は溶解し、これとともに微小粒子は溶解した基板に埋没される。なお、このとき、微小粒子の表面のすべてが基板に埋没されることがないように、塗工液中の溶剤の割合や、塗工量を調整することが必要である。
そして、塗工液中の溶剤が揮発することによって、基板に埋没されているとともに、表面の一部が基板の表面から突出してなる、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムが製造される。また、溶剤を揮発を促進させるために、乾燥を行うこととしてもよい。乾燥方法としては、加熱による乾燥や、減圧乾燥等を挙げることができる。
以上、本発明の反射防止フィルム、および反射防止フィルムの製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各種の変更を加えてもよい。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基板として、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を準備し、このフィルム上に、(スピンコート法)によって、下記組成の塗工液1を厚さ10μmとなるように塗工し、その後、50℃で乾燥を行い、実施例1の反射防止フィルムを得た。
(塗工液1)
・シリカ微粒子(粒径200nm) 5部
(MEK−ST-2040 日産化学工業(株)製)
・MEK 95部
(実施例2)
実施例1における塗工液1を下記組成の塗工液2に変更した以外はすべて実施例1と同様にして、実施例2の反射防止フィルムを得た。
(塗工液2)
・シリカ微粒子(粒径200nm) 5部
(MEK−ST-2040 日産化学工業(株)製)
・IPA 7.5部
・MEK 87.5部
(実施例3)
実施例1における塗工液1を下記組成の塗工液3に変更した以外はすべて実施例1と同様にして、実施例3の反射防止フィルムを得た。
(塗工液3)
・シリカ微粒子(粒径200nm) 5部
(MEK−ST-2040 日産化学工業(株)製)
・IPA 27.5部
・MEK 67.5部
(実施例4)
実施例1における塗工液を下記組成の塗工液4に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例4の反射防止フィルムを得た。
(塗工液4)
・シリカ微粒子(粒径100nm) 5部
(MEK−ST−ZL) 日産化学工業(株)製)
・IPA 27.5部
・MEK 67.5部
(比較例1)
実施例1における塗工液を下記組成の塗工液5に変更した以外は、すべて実施例1と同様にした比較例1の反射防止フィルムを得た。
(塗工液5)
・シリカ微粒子(粒径200nm) 5部
(MEK−ST-2040 日産化学工業(株)製)
・IPA 95部
(微細凹凸の確認)
実施例1〜実施例4の反射防止フィルムの表面状態の観察を行ったところ、すべての実施例において、表面に微細な凹凸が形成されていることが確認された。一方、比較例1は、シリカ微小粒子をTACフィルムに埋没させることができず、表面に凹凸が全く形成されていないことが確認された。
(視感反射率の測定)
実施例1〜実施例4の反射防止フィルムの視感反射率の測定を行った。評価結果を表1に示す。なお、視感反射率の測定には、分光光度計(株式会社島津製作所製 MPC−2200)を用い、反射防止フィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT−50)を貼った状態で測定を行った。
(埋没量の測定)
実施例1〜4の反射防止フィルムにおいて、微小粒子の基材表面への埋没量の測定を行った。測定結果を表1に示す。
Figure 0005957792
表1からも明らかなように、基板に微小粒子が埋没されているとともに、表面の一部が基板の表面から突出し、これにより微細凹凸が形成されてなる本発明の反射防止フィルムは、反射防止フィルムとして十分な機能を発揮し得ることが確認された。また、本発明の方法によれば、簡易的な方法で容易に本発明の反射防止フィルムを形成することができた。またさらに、本発明の一実施形態によれば、基材を溶解可能な溶剤と、基材を溶解させることができない溶剤とを適宜配合することで、埋没量を調整することができた。一方、基材に微小粒子が埋没されていない比較例1は、反射防止フィルムとしての機能を奏していないことが確認された。
1 基板
2 微小粒子
3 任意の層
10 反射防止フィルム

Claims (3)

  1. 表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムの製造方法であって、
    微小粒子を溶剤に分散させた塗工液を、前記溶剤に可溶な基板の表面に塗工して該基板の表面を溶解させることで、前記基板の表面から前記微小粒子の一部分が突出するように前記微小粒子を前記基板に埋没させる工程を含み、
    前記微小粒子を前記基板に埋没させる工程では、
    前記微小粒子として、粒子径が5nm〜200nmの微小粒子が用いられ、
    埋没量が前記微小粒子の直径に対し20%以上となるように前記微小粒子を前記基板に埋没させることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記基板が、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートの何れかからなるフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. 前記微小粒子が、シリカ粒子及び樹脂ビーズの何れか一方または双方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
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