JP6343540B2 - 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6343540B2 JP6343540B2 JP2014200055A JP2014200055A JP6343540B2 JP 6343540 B2 JP6343540 B2 JP 6343540B2 JP 2014200055 A JP2014200055 A JP 2014200055A JP 2014200055 A JP2014200055 A JP 2014200055A JP 6343540 B2 JP6343540 B2 JP 6343540B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal oxide
- antireflection
- oxide particles
- antireflection film
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
一方、特許文献2に記載の反射防止フィルムは、モスアイ構造を有するものではなく、反射防止性能の観点で更なる改良が求められる。
そこで、基材上に、ハードコート層を設け、ハードコート層上に、粒子とバインダー樹脂形成用化合物とを含む反射防止層形成用組成物を塗布、硬化させてモスアイ構造を有する反射防止層を設けた。そして、その際に用いる反射防止層のバインダー樹脂形成用化合物が粒子への濡れが良すぎると粒子間をバインダー樹脂が埋めてしまい、モスアイ構造が形成されず、反射率が上昇してしまうことが分かった。また、反射防止層のバインダー樹脂形成用化合物がハードコート層への濡れが悪いと、ハジキが発生し、反射防止層のバインダー樹脂が均一に形成されず、反射率が上昇してしまうことが分かった。
すなわち、モスアイ構造を有する反射防止層において、単にハードコート層上に反射防止層を形成するのみでは、反射率が上昇してしまうことが分かった。
本発明者らは、これらの問題について更に検討し、ハードコート層上にモスアイ構造を有する層を有する反射防止層であって、モスアイ構造を構成する粒子の平均一次粒径及び粒子占有率、並びに凹部と凸部の高低差の平均値及び標準偏差を適切に制御することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記に示す事項に関するものである。
[1]
基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と上記反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上85%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たし、
上記反射防止層のバインダー樹脂に対する水の接触角が95°以上である、反射防止フィルム。
式(1) 5R/9≦K≦9R/10
式(2) σ≦40 nm
[2]
上記金属酸化物粒子を、溶媒全量に対するエタノール質量比を0以上1以下の範囲で0.1ずつ変更した11種のエタノール/アセトン混合溶媒にそれぞれ分散した際に、上記金属酸化物粒子の沈殿が最も遅い混合溶媒のエタノール質量比をMとし、上記ハードコート層に対する水の接触角をLとしたとき、質量比Mと接触角Lとが下記式(3)及び式(4)を満たす、[1]に記載の反射防止フィルム。
式(3) −120M+130≧L
式(4) L≦50°
[3]
上記金属酸化物粒子は、アルキル基、(メタ)アクリロイル基、オルガノシロキサン及びフッ素原子から選択された少なくとも1種を有する化合物で表面修飾されたものである、[1]又は[2]に記載の反射防止フィルム。
[4]
上記金属酸化物粒子がシリカ粒子である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[5]
上記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[6]
偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
[7]
[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
[8]
[1]〜[5]のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は[6]に記載の偏光板を有する画像表示装置。
[9]
基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と上記反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上85%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルムの製造方法であって、
基材上に、ハードコート層を形成する工程、及び、
上記ハードコート層上に、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂形成用化合物とを含む反射防止層形成用組成物を塗布し、硬化させて反射防止層を形成する工程を有する、反射防止フィルムの製造方法であって、
上記バインダー樹脂形成用化合物を重合して得られるバインダー樹脂に対する水の接触角が95°以上である、反射防止フィルムの製造方法。
式(1) 5R/9≦K≦9R/10
式(2) σ≦40 nm
本発明は上記[1]〜[9]に関するものであるが、参考のためその他の事項(下記<1>〜<10>など)についても記載した。
基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と上記反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上90%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルム。
式(1) R/2≦K≦9R/10
式(2) σ≦40
<2>
上記金属酸化物粒子を、溶媒全量に対するエタノール質量比を0以上1以下の範囲で0.1ずつ変更した11種のエタノール/アセトン混合溶媒にそれぞれ分散した際に、上記金属酸化物粒子の沈殿が最も遅い混合溶媒のエタノール質量比をMとし、上記ハードコート層に対する水の接触角をLとしたとき、質量比Mと接触角Lとが下記式(3)及び式(4)を満たす、<1>に記載の反射防止フィルム。
式(3) −120M+130≧L
式(4) L≦50°
<3>
上記反射防止層のバインダー樹脂に対する水の接触角が90°以上である、<1>又は<2>に記載の反射防止フィルム。
<4>
上記金属酸化物粒子は、アルキル基、(メタ)アクリロイル基、オルガノシロキサン及びフッ素原子から選択された少なくとも1種を有する化合物で表面修飾されたものである、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
<5>
上記金属酸化物粒子がシリカ粒子である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
<6>
上記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
<7>
偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が<1>〜<6>のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
<8>
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
<9>
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は<7>に記載の偏光板を有する画像表示装置。
<10>
基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と上記反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上90%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルムの製造方法であって、
基材上に、ハードコート層を形成する工程、及び、
上記ハードコート層上に、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂形成用化合物とを含む反射防止層形成用組成物を塗布し、硬化させて反射防止層を形成する工程を有する、反射防止フィルムの製造方法。
式(1) R/2≦K≦9R/10
式(2) σ≦40
本発明の反射防止フィルムは、基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上90%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルムである。
式(1) R/2≦K≦9R/10
式(2) σ≦40
図1の反射防止フィルム10は、基材1と、基材1上に形成されたハードコート層2と、ハードコート層2上に、ハードコート層2と接する反射防止層3とを有する。反射防止層3は、ハードコード層2との界面とは反対側の表面に金属酸化物粒子4により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
反射防止層3は、金属酸化物粒子4と、バインダー樹脂5とを含んでなる。
本発明の反射防止フィルムの反射防止層は、金属酸化物粒子によって形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
ここで、モスアイ構造とは、光の反射を抑制するための物質(材料)の加工された表面であって、周期的な微細構造パターンをもった構造のことを指す。特に、可視光の反射を抑制する目的の場合には、780nm未満の周期の微細構造パターンをもった構造のことを指す。微細構造パターンの周期が380nm未満であると、反射光の色味がなくなり好ましい。また、周期が100nm以上であると波長380nmの光が微細構造パターンを認識でき、反射防止性に優れるため好ましい。モスアイ構造の有無は、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等により表面形状を観察し、上記微細構造パターンが出来ているかどうか調べることによって確認することができる。
式(1) R/2≦K≦9R/10
式(2) σ≦40
上記式(1)は、距離Bの平均値Kが、金属酸化物粒子の平均一次粒径Rの1/2〜9/10倍であることを示している。即ち、平均値Kが上記範囲内であれば、十分な深さを有する凹部が形成されていることになり、空気から反射防止層内部にかけてより緩やかに屈折率が変化する屈折率傾斜層を作ることができるため、反射率を低減できる。距離Bの平均値Kは、5R/9〜5R/6であることが好ましく、2R/3〜3R/4であることがより好ましい。
また、上記式(2)は、上記距離Bの分布が広すぎないことを示している。即ち、凹部の深さの平均値Kが上記範囲内であると共に、標準偏差σが40以下であれば、いずれの箇所においても十分な深さの凹部が得られ、優れた反射防止性能を得ることができる。上記観点から、標準偏差σは35以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。
距離Bは、反射防止フィルムの断面SEM観察により測定することができる。反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、適切な倍率(5000倍程度)でSEM観察する。観察し易いように、試料にはカーボン蒸着、エッチング等適切な処理を施してもよい。距離Bは、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点を含み基材面と垂直な面内にて、隣り合う凸部の頂点を結ぶ直線とその垂直二等分線が粒子またはバインダー樹脂に到達する点である凹部との距離を示し、これを100点測長したときの平均値をKとして算出する。
SEM写真においては、写っているすべての凹凸について、隣り合う凸部の頂点間の距離Aと、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bとを正確に測長できない場合もあるが、その場合はSEM画像で手前側に写っている凸部と凹部に着目して測長すればよい。
なお、凹部は、SEM画像で測長する2つの隣り合う凸部を形成する粒子と同じ深度において測長することが必要である。より手前側に写っている粒子などまでの距離をBとして測長してしまうと、Bを小さく見積もってしまう場合があるからである。
式(3) −120M+130≧L
式(4) L≦50°
(エタノール:アセトン)の質量比を、(0:1.0)、(0.1:0.9)、(0.2:0.8)、(0.3:0.7)、(0.4:0.6)、(0.5:0.5)、(0.6:0.4)、(0.7:0.3)、(0.8:0.2)、(0.9:0.1)、(1.0:0)となるように0.1ずつ変更した混合溶媒11種を作成し、この混合溶媒6.3gと金属酸化物粒子0.7gとを10分間超音波分散により、分散液を作製する。その後、各分散液を静置させ、金属酸化物粒子の沈殿が最も遅い分散液を観察し、その分散液のエタノール比(エタノールの質量/混合溶媒の質量)をMとする。
式(3)について、金属酸化物粒子がエタノール/アセトン混合溶媒に分散した際に、アセトン比が高い程、バインダーが粒子に濡れにくくなることがわかった。また、−120M+130≧L、かつ、L≦50°を満たす時、バインダーはハードコート層に濡れ広がりモスアイ構造を形成しやすく、−120M+130<L、又は、L>50°であるとき、バインダーは粒子に濡れやすく、モスアイ構造を形成しにくいことを見出した。
上記観点から、エタノール質量比Mと接触角Lとの関係は、−120M+130≧Lを満たすことが好ましく、−120M+110≧Lを満たすことがより好ましく、−120M+90≧Lを満たすことが更に好ましい。
反射防止層のモスアイ構造を形成する金属酸化物粒子について説明する。
反射防止層に含有される金属酸化物粒子は、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子である。
金属酸化物粒子の平均一次粒径は、100nm以上320nm以下であることが好ましく、120nm以上250nm以下であることがより好ましい。金属酸化物粒子の平均一次粒径が50nm以上であると粒子の凝集を抑えることができるので好ましく、380nm以下であるとヘイズが抑えられて好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒径は、体積平均粒径の累積の50%粒径を指す。反射防止層中に含まれる金属酸化物粒子の平均一次粒径を測定する場合には、電子顕微鏡写真により測定することが出来る。例えば、反射防止フィルムの切片TEM像を撮影し、一次粒子100個のそれぞれの直径を測長してその体積を算出し、体積平均粒径の累積の50%粒径を平均一次粒径とすることができる。粒子が球径でない場合には、長径と短径の平均値をその一次粒子の直径とみなす。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。また、表面処理とはシランカップリング処理であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾された金属酸化物粒子を用いることで、バインダー樹脂の成分として好適に用いられる後述の化合物の置換基と架橋し、金属酸化物粒子がバインダー樹脂に強固に固定され、得られるモスアイ構造の硬度がより高くなり、強い応力を付与しても金属酸化物粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。
シロキサン結合を有する化合物は、オルガノシロキサンを有する化合物で修飾された粒子を用いることで、反射防止フィルムの摩擦力が低減し、耐擦傷性が高まり好ましい。
フッ素原子を有する化合物は、防汚性を粒子表面全体に付与できることができ、反射防止フィルムの防汚性が向上するという観点で好ましい。
表面処理方法の具体例及びその好ましい例は、特開2007−298974号公報の[0119]〜[0147]の記載を参照できる。
焼成シリカ粒子は、加水分解が可能なシリコン化合物を水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解、縮合させることによってシリカ粒子を得た後、シリカ粒子を焼成するという公知の技術により製造することができ、たとえば特開2003−176121号公報、特開2008−137854号公報などを参照することができる。
焼成シリカ粒子を製造する原料のシリコン化合物としては特に限定されないが、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アルコキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られる焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シリカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されないことが好ましい。
焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、1000℃〜1200℃がより好ましい。
また、シリカ粒子については、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよい。
金属酸化物粒子は市販されている粒子を焼成して用いてもよい。具体的な例としては、IPA−ST−L(平均一次粒径50nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、IPA−ST−ZL(平均一次粒径80nm、日産化学工業(株)製シリカゾル)、スノーテックスMP−1040(平均一次粒径100nm、日産化学工業(株)製シリカ)、スノーテックスMP−2040(平均一次粒径200nm、日産化学工業(株)製シリカ)、シーホスターKE−P10(平均一次粒径150nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、シーホスターKE−P20(平均一次粒径200nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、ASFP−20(平均一次粒径200nm、日本電気化学工業(株)製アルミナ)などを好ましく用いることができる。さらに本願要件を満たすものであれば、市販されている粒子をそのまま用いても良い。
反射防止層のバインダー樹脂について説明する。
本発明における反射防止層のバインダー樹脂は、水の接触角が90°以上であることが好ましい。バインダー樹脂に対する水の接触角が90°以上であるということは、バインダー樹脂が疎水的であることを示し、これにより、硬化前のバインダーの表面(空気に接する面)の表面張力が低く、ハードコートに対して濡れ広がり易い。
バインダー樹脂に対する水の接触角は、バインダー樹脂のみからなる膜を基材等に設け、測定することができる。
上記観点から、バインダー樹脂に対する水の接触角は90°以上であることが好ましく、95°以上であることがより好ましく、100°以上であることが更に好ましい。
反射防止層のバインダー樹脂は、バインダー樹脂形成用化合物(重合性化合物)を重合して得られることが好ましく、バインダー樹脂形成用化合物と金属酸化物粒子と溶媒を含有する反射防止層形成用組成物を塗布、硬化して得られることがより好ましい。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
上述の通り、本発明において用いるハードコート層は、このハードコート層に対する水の接触角Lが50°以下であることが好ましい。これは、ハードコート層が親水的であることを示しており、これにより、反射防止層のバインダー樹脂をハードコート層上に均一に存在させることができ、その結果、所望の凹凸形状を有する反射防止層を得ることができる。
上記観点から、ハードコート層に対する水の接触角Lが50°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましく、15°以下であることが更に好ましい。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、上記反射防止層のバインダー樹脂形成用化合物と同様のものを挙げることができる。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。さらに、JIS
K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層形成用塗布組成物には、上記成分のほかに、更に溶剤、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等を適宜添加することもできる。更に、反応性又は非反応性レベリング剤、各種増感剤等の各種添加剤が混合されていても良い。
溶剤の具体例としては、イソプロパノール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン等が挙げられる。光学シートの硬度を向上できる点から、MIBK、イソプロパノール等の非浸透性溶剤を併用することが好ましい。非浸透性溶剤を併用することにより、上記第一のバインダー成分がトリアセチルセルロース基材に浸透しすぎなくなるため、硬度を高めることができる。
必要に応じてラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、導電性ポリマー、導電性微粒子等の従来公知の帯電防止剤を、反射防止層を積層したときに浸透層を形成することが出来る範囲で用いることができる。
防眩剤としてはスチレンビーズ(屈折率1.59)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等の微粒子の防眩剤など従来公知の防眩剤を反射防止層を積層したときに浸透層を形成することが出来る範囲で用いて良い。微粒子の防眩剤を用いる場合その添加量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対し、好ましくは2〜30重量部、より好ましくは10〜25重量部である。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、屈折率調整剤として高屈折率モノマーまたは無機粒子、或いは両者を反射防止層を積層したときに浸透層を形成することが出来る範囲で加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、上記多官能モノマーおよび/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
コロナ処理の他に、プラズマ処理、グロー放電処理、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、紫外線処理等が行ってもよい。これらの処理は、単独で、または2つ以上を組み合せて用いてもよい。
本発明の反射防止フィルムにおける基材は、反射防止フィルムの基材として一般的に使用される透光性を有する基材であれは特に制限はないが、プラスチック基材やガラス基材が好ましい。
プラスチック基材としては、種々用いることができ、例えば、セルロース系樹脂;セルロースアシレート(トリアセテートセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース)等、ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート等、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、オレフィン系樹脂等を含有する基材が挙げられ、セルロースアシレート、ポリエチレンテレフタレート、又は(メタ)アクリル系樹脂を含有する基材が好ましく、セルロースアシレートを含有する基材がより好ましい。セルロースアシレートとしては、特開2012−093723号公報に記載の基材等を好ましく用いることが出来る。
プラスチック基材の厚さは、通常、10μm〜1000μm程度であるが、取り扱い性が良好で、透光性が高く、かつ十分な強度が得られるという観点から20μm〜200μmが好ましく、25μm〜100μmがより好ましい。プラスチック基材の透光性としては、可視光の透過率が90%以上のものが好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、ハードコート層及び反射防止層以外の機能層を有していてもよい。
たとえば、基材とハードコート層との間に、密着性を付与するための易接着層、帯電防止性を付与するための層等を備えていても良く、これらを複数備えていても良い。
本発明の反射防止フィルムの製造方法は特に限定されないが、生産効率の観点からは塗布法を用いた製造方法が好ましい。
すなわち、反射防止フィルムの製造方法は、
基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含む反射防止層と、をこの順に有し、上記ハードコート層と上記反射防止層は接しており、
上記反射防止層は、上記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上90%以下であり、
上記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、上記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、上記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルムの製造方法であって、
基材上に、ハードコート層を形成する工程、及び、
上記ハードコート層上に、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂形成用化合物とを含む反射防止層形成用組成物を塗布し、硬化させて反射防止層を形成する工程を有する、反射防止フィルムの製造方法である。
式(1) R/2≦K≦9R/10
式(2) σ≦40
また、反射防止層のバインダー樹脂に対する水の接触角は90°以上であることが好ましい。
式(3) −120M+130≧L
式(4) L≦50°
本発明の製造方法によれば、エッチング等の処理を施すことなく、塗布法のみにより製造することができるので、微細なモスアイ構造を有し、硬度が高い反射防止フィルムを低コストで製造することができる。
溶媒としては、金属酸化物粒子と極性が近い溶媒が分散性を向上させる観点で好ましい。具体的には、例えばアルコール系の溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、例えば金属酸化物粒子が疎水化表面修飾がされたものである場合には、ケトン系、エステル系、カーボネート系、アルカン、芳香族系等の溶剤が好ましく、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、分散性を著しく悪化させない範囲で複数種混ぜて用いてもかまわない。
粒子の分散剤は、粒子同士の凝集力を低下させることにより、粒子を均一に配置させ易くすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、硫酸塩、リン酸塩などのアニオン性化合物、脂肪族アミン塩、四級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が好ましく、吸着基と立体反発基それぞれの選択の自由度が高いため高分子化合物がより好ましい。分散剤としては市販品を用いることもできる。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK160、DISPERBYK161、DISPERBYK162、DISPERBYK163、DISPERBYK164、DISPERBYK166、DISPERBYK167、DISPERBYK171、DISPERBYK180、DISPERBYK182、DISPERBYK2000、DISPERBYK2001、DISPERBYK2164、Bykumen、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S、Anti−Terra203、Anti−Terra204、Anti−Terra205(以上商品名)などが挙げられる。
レベリング剤は、塗布液の表面張力を低下させることにより、塗布後の液を安定させ粒子やバインダー樹脂を均一に配置させ易くすることができる。例えば、特開2004−331812号公報、特開2004−163610号公報に記載の化合物等を用いることができる。
防汚剤は、モスアイ構造に撥水撥油性を付与することにより、汚れや指紋の付着を抑制することができる。例えば、特開2012−88699号公報に記載の化合物等を用いることができる。
反射防止層形成用組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が本発明の反射防止フィルムである。
本発明のカバーガラスは、本発明の反射防止フィルムを保護フィルムとして有する。反射防止フィルムの基材がガラスのものであってもよいし、プラスチックフィルム基材を有する反射防止フィルムをガラス支持体上に貼り付けたものであってもよい。
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止フィルム又は偏光板を有する。
本発明の反射防止フィルム及び偏光板は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に好適に用いることができ、特に液晶表示装置が好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、又は液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)上に、下記組成のハードコート層形成用塗布液を塗布し、窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量120mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、膜厚8μmのハードコート層を形成した。このようにしてハードコート層付き基材を作製した。
(1)ハードコート層α
PET−30 21.4質量部
ビスコート360 21.4質量部
イルガキュア127 1.28質量部
MEK−ST 29.3質量部
MiBK−ST 7.3質量部
メチルイソブチルケトン 6.1質量部
メチルエチルケトン 13.2質量部
SP−13 0.03質量部
PET−30 26.7質量部
ビスコート360 26.7質量部
イルガキュア127 1.60質量部
メチルイソブチルケトン 11.25質量部
メチルエチルケトン 33.8質量部
なお、ハードコート層α及びβについては、形成後にピラー社製のソリッドステートコロナ処理機を用い、出力1500W、搬送速度3.2m/min、室温においてコロナ処理を施した。
PET−30 21.4質量部
ビスコート360 21.4質量部
イルガキュア127 1.28質量部
MEK−ST 29.3質量部
MiBK−ST 7.3質量部
メチルイソブチルケトン 6.1質量部
メチルエチルケトン 13.2質量部
SP−13 0.06質量部
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・ビスコート360:トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート
[大阪有機化学(株)製]
・イルガキュア127:重合開始剤[BASF製]
・MEK−ST:オルガノシリカゾル MEK(メチルエチルケトン)溶液、固形分濃度
30質量%、平均粒径15nm[日産化学工業(株)製]
・MiBK−ST:オルガノシリカゾル MiBK(メチルイソブチルケトン)溶液、固
形分濃度30質量%、平均粒径15nm[日産化学工業(株)製]
・SP−13:下記構造のポリマー(質量平均分子量19000)の固形分濃度40質量%のMEK溶液
種々の金属酸化物粒子と、バインダー樹脂、溶媒及びその他の成分とを以下に示す組成となるようにミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、30分間超音波分散機により分散し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して反射防止層形成用塗布液とした。
S:KE−P20(表面修飾なし) エタノール質量比M 1.0
T:KE−P20(アクリル修飾あり) エタノール質量比M 0.8
U:KE−P20(フッ素修飾あり) エタノール質量比M 0.0
なお、金属酸化物粒子Tは、金属酸化物粒子S 2.5kgを、加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製FM20J型)に仕込んだ。KE−P20を撹拌しているところに、信越化学工業製 KBM−5103 45gを、メチルアルコール90gに溶解させた溶液を滴下して混合した。その後、混合撹拌しながら150℃まで約1時間かけて昇温し、150℃で12時間保持して加熱処理を行った。加熱処理では、掻き落とし装置を撹拌羽根とは逆方向に常時回転させながら、壁面付着物の掻き落としを行った。また、適宜、へらを用いて壁面付着物を掻き落とすことも行った。加熱後、冷却し、ジェット粉砕分級機を用いて解砕および分級を行い、アクリル処理された粒子を得た。
エタノール70質量部、上記シリカ粒子S 30質量部をミキシングタンクに投入し、10分間攪拌後、攪拌を継続しながら30分間超音波分散することにより、固形分濃度30%のシリカ粒子分散液Sを調製した。
エタノール35質量部、アセトン35質量部、シリカ粒子Tをミキシングタンクに投入し、10分間攪拌後、攪拌を継続しながら30分間超音波分散することにより、固形分濃度30%のシリカ粒子分散液Tを調製した。同様にエタノール35質量部、アセトン35質量部、シリカ粒子Uからシリカ粒子分散液Uを調整した。
なお、金属酸化物粒子S、金属酸化物粒子T、金属酸化物粒子Uの平均一次粒径はいずれも200nmであった。
(1)バインダー樹脂a(水の接触角100°)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製:KAYARAD DPHA)
2.69質量部
イルガキュア127 0.11質量部
メチルエチルケトン 72.95質量部
FP−3 0.10質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製:KAYARAD DPHA)
2.74質量部
イルガキュア127 0.11質量部
メチルエチルケトン 72.95質量部
FP−3 0.05質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製:KAYARAD DPHA)
2.78質量部
イルガキュア127 0.12質量部
メチルエチルケトン 72.95質量部
[反射防止フィルム試料No.1〜21の作製]
ハードコート層付き基材のハードコート層上に、反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いて塗布し、120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、各実施例及び比較例の反射防止フィルムを作製した。用いたハードコート層、バインダー樹脂、及び金属酸化物粒子の種類を下記表1に示す。
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)上に、表1に記載の反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いて塗布し、60℃で30秒乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、比較例の反射防止フィルムを作製した。
以下の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。結果を表2に示す。
反射防止フィルムの裏面(セルローストリアセテートフィルム側)をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、平均反射率を算出して反射防止性を評価した。
凸部の粒子占有率は、SEMにより反射防止層の表面に対して垂直な方向から反射防止層の表面を10000倍で2視野撮影し、凸部を形成する粒子の個数をカウントした。反射防止層に含まれる樹脂が粒子を覆い、粒子の判別が難しい場合は、粒子が露出し観察できるまでエッチング処理を行った。
(占有率)=(π×R2)/4×(粒子の個数)/(全体の面積)×100 (%) として算出した。
Rは粒子の平均一次粒径を表す。
反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、断面にカーボン蒸着した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて50000倍で撮影した。得られた画像で、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bを100点測長し、距離Bの平均値Kを算出した。また、測長した距離Bのばらつきを示す標準偏差σを算出した。
JIS K5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止フィルム試料を温度25℃、湿度60%RHで3時間調湿した後、JIS S6006に規定する試験用鉛筆を用いて反射防止層表面に対して試験を行い、下記の基準で評価した。
A:試験後にあとが見られない
B:試験後に弱いあとが見えるが問題にならない
C:試験後に著しいあとが見えて目立つ
2 ハードコート層
3 反射防止層
4 金属酸化物粒子
5 バインダー樹脂
10 反射防止フィルム
A 隣り合う凸部の頂点間の距離
B 隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離
Claims (9)
- 基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、前記ハードコート層と前記反射防止層は接しており、
前記反射防止層は、前記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上85%以下であり、
前記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、前記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、前記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たし、
前記反射防止層のバインダー樹脂に対する水の接触角が95°以上である、反射防止フィルム。
式(1) 5R/9≦K≦9R/10
式(2) σ≦40 nm - 前記金属酸化物粒子を、溶媒全量に対するエタノール質量比を0以上1以下の範囲で0.1ずつ変更した11種のエタノール/アセトン混合溶媒にそれぞれ分散した際に、前記金属酸化物粒子の沈殿が最も遅い混合溶媒のエタノール質量比をMとし、前記ハードコート層に対する水の接触角をLとしたとき、質量比Mと接触角Lとが下記式(3)及び式(4)を満たす、請求項1に記載の反射防止フィルム。
式(3) −120M+130≧L
式(4) L≦50° - 前記金属酸化物粒子は、アルキル基、(メタ)アクリロイル基、オルガノシロキサン及びフッ素原子から選択された少なくとも1種を有する化合物で表面修飾されたものである、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 前記金属酸化物粒子がシリカ粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 前記金属酸化物粒子が焼成シリカ粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
- 偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムである偏光板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有するカバーガラス。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム、又は請求項6に記載の偏光板を有する画像表示装置。
- 基材と、ハードコート層と、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含む反射防止層と、をこの順に有し、前記ハードコート層と前記反射防止層は接しており、
前記反射防止層は、前記金属酸化物粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の表面における粒子占有率は40%以上85%以下であり、
前記凹凸形状は、隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離Bの平均値をK、前記距離Bの分布を表す標準偏差をσ、前記金属酸化物粒子の平均一次粒径をRとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、反射防止フィルムの製造方法であって、
基材上に、ハードコート層を形成する工程、及び、
前記ハードコート層上に、平均一次粒径が50nm以上380nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂形成用化合物とを含む反射防止層形成用組成物を塗布し、硬化させて反射防止層を形成する工程を有する、反射防止フィルムの製造方法であって、
上記バインダー樹脂形成用化合物を重合して得られるバインダー樹脂に対する水の接触角が95°以上である、反射防止フィルムの製造方法。
式(1) 5R/9≦K≦9R/10
式(2) σ≦40 nm
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014200055A JP6343540B2 (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 |
US14/851,722 US10338276B2 (en) | 2014-09-12 | 2015-09-11 | Antireflective film, polarizing plate, cover glass, image display device, and method of manufacturing antireflective film |
KR1020150129823A KR102511645B1 (ko) | 2014-09-12 | 2015-09-14 | 반사 방지 필름, 편광판, 커버 유리, 화상 표시 장치, 및 반사 방지 필름의 제조 방법 |
KR1020230031040A KR102713528B1 (ko) | 2014-09-12 | 2023-03-09 | 반사 방지 필름, 편광판, 커버 유리, 화상 표시 장치, 및 반사 방지 필름의 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014200055A JP6343540B2 (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016071133A JP2016071133A (ja) | 2016-05-09 |
JP6343540B2 true JP6343540B2 (ja) | 2018-06-13 |
Family
ID=55864808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014200055A Active JP6343540B2 (ja) | 2014-09-12 | 2014-09-30 | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6343540B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3444308A4 (en) | 2016-04-13 | 2019-12-25 | Daikin Industries, Ltd. | SUPER LIQUID REPELLENT COATING FILM AND CURABLE COMPOSITION FOR PRODUCING A SUPER LIQUID REPELLENT COATING FILM |
JPWO2018025818A1 (ja) | 2016-08-02 | 2019-02-28 | 富士フイルム株式会社 | 積層体、反射防止物品、及びそれらの製造方法 |
JP6778646B2 (ja) | 2016-08-15 | 2020-11-04 | 富士フイルム株式会社 | 反射防止フィルム、反射防止物品、偏光板、画像表示装置、モジュール、タッチパネル付き液晶表示装置、及び反射防止フィルムの製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07168006A (ja) * | 1993-09-24 | 1995-07-04 | Dainippon Printing Co Ltd | 反射防止膜、反射防止フィルムおよびその製造方法 |
JPH0798401A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-04-11 | Nitto Denko Corp | 反射防止膜及び反射防止部材 |
TW200527047A (en) * | 2004-02-12 | 2005-08-16 | Optimax Tech Corp | Anti-reflection sheet |
JP4544952B2 (ja) * | 2004-03-31 | 2010-09-15 | 大日本印刷株式会社 | 反射防止積層体 |
JP2007245454A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Toppan Printing Co Ltd | 積層フィルムの製造方法及び光学フィルム |
JP2009215088A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Nihon Yamamura Glass Co Ltd | 球状シリカガラス微粒子及びその製法 |
US9272947B2 (en) * | 2011-05-02 | 2016-03-01 | Corning Incorporated | Glass article having antireflective layer and method of making |
-
2014
- 2014-09-30 JP JP2014200055A patent/JP6343540B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016071133A (ja) | 2016-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102713528B1 (ko) | 반사 방지 필름, 편광판, 커버 유리, 화상 표시 장치, 및 반사 방지 필름의 제조 방법 | |
JP5264605B2 (ja) | 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 | |
US10399309B2 (en) | Antireflection film, polarizing plate, cover glass, and image display device, and method for producing antireflection film | |
JP5049542B2 (ja) | 反射防止フイルム、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP6131284B2 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 | |
US20090233048A1 (en) | Anti-glare material and optical layered product | |
US20120194907A1 (en) | Antiglare film, polarizing plate, image display, and method for producing the antiglare film | |
JP2010060743A (ja) | 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置 | |
JP6825095B2 (ja) | 防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置、及び自発光型ディスプレイ装置 | |
JPWO2019003905A1 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2016051163A (ja) | 反射防止積層体、偏光板、カバーガラス、画像表示装置、及び反射防止積層体の製造方法 | |
WO2015152308A1 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 | |
JP2016061794A (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、画像表示装置、及び反射防止フィルムの製造方法 | |
JP6596572B2 (ja) | 積層体、積層体の製造方法、及び反射防止フィルムの製造方法 | |
JP6343540B2 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 | |
JP2018132751A (ja) | 反射防止フィルム、反射防止物品、偏光板、画像表示装置、モジュール、タッチパネル付き液晶表示装置、及び反射防止フィルムの製造方法 | |
WO2018186241A1 (ja) | 積層体、三次元曲面を有する反射防止物品、反射防止物品の製造方法 | |
JP2009265651A (ja) | 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
JP2009251190A (ja) | 光学フィルム、偏光板、画像表示装置 | |
WO2018025818A1 (ja) | 積層体、反射防止物品、及びそれらの製造方法 | |
JP6095238B2 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止フィルムの製造方法 | |
JP2007199409A (ja) | 光学フイルム、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置 | |
WO2017163861A1 (ja) | 反射防止フィルムの製造方法、反射防止フィルム、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置 | |
JP6442198B2 (ja) | 防眩性反射防止フィルム、防眩性反射防止フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2013156643A (ja) | 光学積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160804 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170509 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170627 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171121 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180221 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20180228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180424 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180521 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6343540 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |