JP6780598B2 - (メタ)アクリル化合物の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、(メタ)アクリル化合物の製造方法に関し、さらに詳述すると、ウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を含有する(メタ)アクリル化合物の製造方法に関する。
ウレタン結合および加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル化合物は、UV硬化樹脂に添加することにより接着性が改善することが知られている(特許文献1)。
このような(メタ)アクリル化合物は、一般的に、イソシアネート基含有有機ケイ素化合物と、アルコール性ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル化合物とを触媒存在下で反応させて製造される。
上記反応の触媒としては、第3級アミン、スズ触媒、鉄触媒等の一般的なウレタン化触媒が使用できる。
しかし、第3級アミンを使用した場合、(メタ)アクリル基の重合反応が進行してゲル化する虞があり、また、鉄触媒を使用した場合、着色の問題がある。
これらの観点から、ウレタン化反応では、スズ触媒が好適に用いられる。
しかし、これまでの技術では、使用したスズ触媒を簡便に除去することができず、スズ化合物を含有したウレタン結合および加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル化合物を使用せざるを得なかった。
特開2014−048569号公報 国際公開第2015−152308号 特開2016−24319号公報 特開2016−41774号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、スズ含有量の少ない、ウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を含有する(メタ)アクリル化合物を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アルコール化合物とイソシアネート化合物とをスズ触媒を用いて反応させた後、シリカに代表される無機酸化物で処理することで、スズ含有量が低減されたウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を有する(メタ)アクリル化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. (I):下記式(2)
Figure 0006780598
(式中、Aは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、Bは、酸素原子を含んでいてもよい2〜6価の炭化水素基を表し、pは、Bの価数2〜6に対応して1〜5の整数を表す。)
で表される化合物と、下記式(3)
Figure 0006780598
(式中、Dは、2価の炭化水素基を表し、Eは、加水分解性シリル基またはシロキサンを表す。)
で表される化合物と、をスズ触媒存在下で反応させる工程、および、
(II):無機酸化物を用いて前記スズ触媒を除去し、生成物中のスズを30質量ppm以下とする工程を含むことを特徴とする下記式(1)
Figure 0006780598
(式中、A、B、D、Eおよびpは、前記と同じ意味を表す。)
で表される(メタ)アクリル化合物の製造方法、
2. 前記無機酸化物が、シリカである1の(メタ)アクリル化合物の製造方法、
3. 前記Eが、下記式(4)で表される1または2の(メタ)アクリル化合物の製造方法、
Figure 0006780598
(式中、R1は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、またはケイ素原子に結合したアルキル基が互いに独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基を表し、mは、1〜3の整数を表し、Meは、メチル基を意味する。)
4. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(5)〜(9)で表される化合物のいずれかである1〜3のいずれかの(メタ)アクリル化合物の製造方法、
Figure 0006780598
(式中、R2は、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、nは、1〜10の整数を表し、R1およびmは、前記と同じ意味を表す。)
5. 前記スズ触媒が、オクチルスズ化合物である1〜4のいずれかの(メタ)アクリル化合物の製造方法
を提供する。
本発明の製造方法によれば、スズ触媒を使用しているにもかかわらず、得られるウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を有する(メタ)アクリル化合物のスズ含有量を低減させることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る式(1)で表される(メタ)アクリル化合物の製造方法は、(I):下記式(2)で表されるアルコール化合物と、下記式(3)で表されるイソシアネート化合物と、をスズ触媒存在下で反応させる工程、および、(II):無機酸化物を用いてスズ触媒を除去し、生成物中のスズを30質量ppm以下とする工程を含むことを特徴とする。
Figure 0006780598
上記各式において、Aは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、Bは、酸素原子を含んでいてもよい2〜6価の炭化水素基を表し、Dは、2価の炭化水素基を表し、Eは、加水分解性シリル基またはシロキサンを表し、pは、Bの価数2〜6に対応して1〜5の整数を表す。
上記Bの酸素原子を含んでいてもよい2〜6価の炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デシレン基や、下記式(B1)〜(B4)で示される基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006780598
(式中、*1は、式(2)の水酸基または式(1)のウレタン結合の酸素原子への結合部位を、*2は、(メタ)アクリロイルオキシ基の酸素原子への結合部位を表す。)
上記式(2)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基と水酸基を同一分子中に有する化合物の具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等の1官能(メタ)アクリルアルコール;2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート等の2官能(メタ)アクリルアルコール;ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等の多官能(メタ)アクリルアルコールなどが挙げられる。
上記Dの2価の炭化水素基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖アルキレン基がより好ましく、炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖アルキレン基がより一層好ましい。
炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖アルキレン基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デシレン基等が挙げられるが、中でも、トリメチレン基が好ましい。
上記Eの加水分解性シリル基またはシロキサンとしては、ケイ素原子に直結するアルコキシ基や塩素原子等のハロゲン原子などの加水分解性基を少なくとも1つ有するシリル基またはシロキサンであれば特に限定されるものではないが、下記式(E1)で示されるものが好ましい。
Figure 0006780598
式(E1)において、Rは、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、またはケイ素原子に結合したアルキル基が互いに独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基を表し、mは1〜3の整数を表す。
炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
トリアルキルシリル基としては、その中のアルキル基が直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリn−プロピルシリル、トリi−プロピルシリル、トリn−ブチルシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rとしては、直鎖のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がより一層好ましい。
一方、R1としては、直鎖のアルキル基またはケイ素原子に結合したアルキル基が互いに独立して炭素数1〜5直鎖アルキルであるトリアルキルシリル基が好ましく、メチル基、エチル基、トリメチルシリル基がより好ましい。
mは、2〜3の整数が好ましい。
好適なEとしては、下記式(4)で示されるものが挙げられる。
Figure 0006780598
(式中、R1およびmは上記と同じ意味を表し、Meは、メチル基を意味する。)
上記式(3)で表されるイソシアネート基を有する化合物の具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
本発明において、上記式(2)で表されるアルコール化合物と式(3)で表されるイソシアネート化合物とを反応させる際に用いられるスズ触媒は、ウレタン化反応に用いられる一般的なスズ触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、ジブチルスズ化合物、ジオクチルスズ化合物が挙げられ、中でもジオクチルスズ化合物が好ましい。
ジオクチルスズ化合物の具体例としては、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズオキサイド、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジネオデカエート、ジオクチルスズビスエチルマレート、ジオクチルスズビスオクチルマレート、ジオクチルスズビスイソオクチルチオグリコレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズジメトキシド、ジオクチルスズオキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、ジオクチルスズオキサイドとエチルシリケートとの反応生成物などが挙げられる。
スズ触媒の使用量は、上記式(2)で表されるアルコール化合物と上記式(3)で表されるイソシアネート化合物との合計100質量部に対し、0.0001〜1質量部が好ましく、0.001〜0.5質量部がより好ましい。1質量部を超えてスズ触媒を添加しても効果が飽和して非経済的であるうえ、得られる化合物中に残存するスズが多くなる虞があり、一方、0.0001質量部を下まわる場合には触媒の効果が不足するため高温での反応が必要となり、得られる化合物の重合反応によるゲル化の虞や、ウレタン化反応よりもアルコール化合物とアルコキシシリル基のエステル交換反応が優先的に進行してしまう虞がある。
反応温度は、特に限定されるものではないが、高温下における式(3)で表される化合物の重合や式(2)で表される化合物の(メタ)アクリル基の重合等の副反応を防止するとともに、反応速度を適切に保って生産性を高めることを考慮すると、20〜150℃が好ましく、30〜130℃がより好ましく、40〜100℃がより一層好ましい。
上記反応は、通常、無溶媒で行うが、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼすものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
続いて、無機酸化物を用いて上記反応で得られた生成物からスズ触媒を除去し、生成物中のスズを30質量ppm以下とする。
使用可能な無機酸化物としては、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、セリウム(Ce)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)等の元素の酸化物が用いられる。
これらの元素の酸化物の具体例としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化鉄(Fe23、FeO、Fe34)、酸化銅(CuO、Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化インジウム(In23、In2O)、酸化スズ(SnO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化タングステン(WO3、W25)、酸化鉛(PbO、PbO2)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化セリウム(CeO2、Ce23)、酸化アンチモン(Sb23、Sb25)、酸化ゲルマニウム(GeO2、GeO)等が挙げられ、これらの中でも、スズの除去効率の観点から、シリカ(酸化ケイ素)が好ましい。
無機酸化物の使用量は、特に限定されるものではないが、スズの除去効率と後処理における無機酸化物の除去のし易さを考慮すると、上記式(1)で表される化合物100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
無機酸化物の添加は、上記反応後の系内に直接添加しても、反応後に後処理によって目的の式(1)で表される化合物を単離した後、上述した溶媒に溶解または分散させた溶液または分散液中に添加してもよいが、作業効率およびスズの除去効率という点から、前者が好適である。
なお、無機酸化物によるスズ触媒の除去処理は、所望のスズ含有量になるまで、複数回行うことも可能である。
無機酸化物によるスズ除去処理後、濾過等によって無機酸化物を除去し、溶媒を用いた場合は、それを留去して目的物を得ることができる。
本発明の方法によって、スズ含有量が30質量ppm以下、場合によっては25質量ppm以下、さらには20質量ppm以下まで低減されたウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を有する(メタ)アクリル化合物を得ることができる。
本発明の製法によって得られる好適なウレタン結合および加水分解性シリル基またはシロキサン基を有する(メタ)アクリル化合物としては、下記式(5)〜(9)で表されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006780598
(式中、R2は、水素原子またはメチル基を表し、nは1〜10の整数、原料調達の観点から好ましくは1〜4の整数を表し、R1およびmは、上記と同じ意味を表す。)
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、スズ含有量は、得られた生成物1gを硫酸灰化法により処理した後、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析法、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS5520)において測定した結果である。
[実施例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.03gを納め、80℃まで加温した。その中にヒドロキシエチルアクリレート116g(1mol)を滴下し、80℃にて2時間撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。シリカゲル60N(関東化学(株)製)6.5gを添加し、25℃にて3時間撹拌した。その後、濾過して得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記式(10)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、15質量ppmであった。
なお、IR測定は、Thermo Fisher社製 Nicolet 6700を用いて行った。
Figure 0006780598
[実施例2]
シリカゲル60Nの添加量を13gに変更した以外は、上記実施例1と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(10)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、5質量ppmであった。
[比較例1]
反応後にシリカゲル60Nを添加しなかった以外は、上記実施例1と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(10)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、35質量ppmであった。
[実施例3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.04gを納め、80℃まで加温した。その中に2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(新中村化学工業(株)製、701A)214g(1mol)を滴下し、80℃にて2時間撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。シリカゲル60N(関東化学(株)製)8gを添加し、25℃にて3時間撹拌した。濾過して得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記式(11)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、15質量ppmであった。
Figure 0006780598
[実施例4]
シリカゲル60Nの添加量を16gに変更した以外は、上記実施例3と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(11)で表される化合物であることが確認された。得られた生成物中のスズ含有量は、5質量ppmであった。
[比較例2]
反応後にシリカゲル60Nを添加しなかった以外は、上記実施例3と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(11)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、35質量ppmであった。
[実施例5]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.07gを納め、80℃まで加温した。その中にペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合品(新中村化学工業(株)製、A−TMM−3L)542g(トリアクリレート体が1mol)を滴下し、80℃にて2時間撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。シリカゲル60N(関東化学(株)製)15gを添加し、25℃にて3時間撹拌した。濾過して得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記式(12)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、15質量ppmであった。
Figure 0006780598
[実施例6]
シリカゲル60Nの添加量を30gに変更した以外は、上記実施例5と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(12)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、5質量ppmであった。
[比較例3]
反応後にシリカゲル60Nを添加しなかった以外は、上記実施例5と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(12)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、35質量ppmであった。
[実施例7]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.14gを納め、80℃まで加温した。その中にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合品(新中村化学工業(株)製、A−TMM−3L)1,156g(ペンタアクリレート体が1mol)を滴下し、80℃にて2時間撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。シリカゲル60N(関東化学(株)製)27gを添加し、25℃にて3時間撹拌した。濾過して得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記式(13)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、15質量ppmであった。
Figure 0006780598
[実施例8]
シリカゲル60Nの添加量を54gに変更した以外は、上記実施例7と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(13)で表される化合物であることが確認された。得られた生成物中のスズ含有量は、5質量ppmであった。
[比較例4]
反応後にシリカゲル60Nを添加しなかった以外は、上記実施例7と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(13)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、35質量ppmであった。
[実施例9]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3−イソシアネートプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン380g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.05gを納め、80℃まで加温した。その中にヒドロキシエチルアクリレート116g(1mol)を滴下し、80℃にて2時間撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。シリカゲル60N(関東化学(株)製)10gを添加し、25℃にて3時間撹拌した。その後、濾過して得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記式(14)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、15質量ppmであった。
Figure 0006780598
[実施例10]
シリカゲル60Nの添加量を20gに変更した以外は、上記実施例9と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(14)で表される化合物であることが確認された。得られた生成物中のスズ含有量は、5質量ppmであった。
[比較例5]
反応後にシリカゲル60Nを添加しなかった以外は、上記実施例9と同様の手順を行った。生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより上記式(14)で表される化合物であることが確認された。生成物中のスズ含有量は、35質量ppmであった。

Claims (4)

  1. (I):下記式(2)
    Figure 0006780598
    (式中、Aは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表し、Bは、酸素原子を含んでいてもよい2〜6価の炭化水素基を表し、pは、Bの価数2〜6に対応して1〜5の整数を表す。)
    で表される化合物と、下記式(3)
    Figure 0006780598
    (式中、Dは、2価の炭化水素基を表し、Eは、加水分解性シリル基またはシロキサンを表す。)
    で表される化合物と、をスズ触媒存在下で反応させる工程、および、
    (II):無機酸化物を用いて前記スズ触媒を除去し、生成物中のスズを30質量ppm以下とする工程を含み、
    前記無機酸化物が、シリカであり、前記スズ触媒が、ジオクチルスズ化合物であることを特徴とする下記式(1)
    Figure 0006780598
    (式中、A、B、D、Eおよびpは、前記と同じ意味を表す。)
    で表される(メタ)アクリル化合物の製造方法。
  2. 前記Eが、下記式(4)で表される請求項1記載の(メタ)アクリル化合物の製造方法。
    Figure 0006780598
    (式中、R1は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、またはケイ素原子に結合したアルキル基が互いに独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基を表し、mは、1〜3の整数を表し、Meは、メチル基を意味する。)
  3. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(5)〜(9)で表される化合物のいずれかである請求項1または2記載の(メタ)アクリル化合物の製造方法。
    Figure 0006780598
    (式中、R2は、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、nは、1〜10の整数を表し、R1およびmは、前記と同じ意味を表す。)
  4. 前記ジオクチルスズ化合物が、ジオクチルスズオキサイドである請求項1〜3のいずれか1項記載の(メタ)アクリル化合物の製造方法。
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