JP6003856B2 - 末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法 - Google Patents

末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、Si−Cセラミックス前駆体、耐熱性材料、電子材料、光学材料及びその製造原料として有用である末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法に関する。
シラシクロブタン化合物は、高温下に無触媒で開環重合反応進行することが知られている(非特許文献1:V. M. Vodovin et al, Dokl.Akad.Nauk SSSR, 136,96(1961))。また、白金触媒存在下に加熱することにより開環重合反応が進行すること、白金触媒とヒドロシラン存在下にシラシクロブタン化合物が開環反応してオリゴーマー化することが知られている(非特許文献2:D. R. Weyemberg and L. E. Nelson J. Org. Chem., 30, 2618(1965))。
また、n−ブチルリチウム等のオルガノリチウム化合物を重合開始剤として用いてシラシクロブタンを開環重合する方法及び得られた重合物の活性末端をクロロフェニルジメチルシランと反応させることにより、重合末端にシリル基を導入する方法が知られている(非特許文献3:山岡仁史、松本幸三、高分子加工、45巻、452頁(1996年))。
: V. M. Vodovin et al, Dokl.Akad.Nauk SSSR, 136,96(1961) : D. R. Weyemberg and L. E. Nelson J. Org. Chem., 30, 2618(1965) : 山岡仁史、松本幸三、高分子加工、45巻、452頁(1996年)
しかしながら、上記非特許文献1の方法の場合には、重合物の末端に反応性基等を導入して変性することはできない。
また、非特許文献2の方法でも、重合物の末端に反応性基等を導入して変性することはできない。また、この方法では、反応性のヒドロシリル基を持った化合物を合成できるものの、得られる生成物はシラシクロブタンが2分子反応したオリゴーマーであり、高分子量の開環重合物は得られないという問題点がある。
更に、非特許文献3記載の方法では、反応がリビング重合であることを確認するために、重合物の活性末端をフェニルジメチルクロロシランと反応させて、フェニルジメチルシリル基を導入しているが、反応性基を有する置換基による変性は行われていない。また、オルガノリチウム化合物を重合開始剤として合成した重合物の活性末端は、リチウム化合物となっているため、オルガノリチウム化合物と反応するような反応性基は、反応性基も活性末端と反応してしまうために、この方法により導入することは困難であった。
上記のように、反応性基により末端を変性されたシラシクロブタン開環重合物は、これまでに知られていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シラシクロブタン開環重合物の片末端に反応性基を有する置換基を導入して変性した末端変性シラシクロブタン開環重合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、後述する方法により新規な片末端変性したシラシクロブタン開環重合物が得られることを見出すと共に、この末端変性したシラシクロブタン開環重合物が、Si−Cセラミックス前駆体、耐熱性材料、電子材料、光学材料及びその製造原料として使用した場合に、耐熱性の向上や光学特性を向上できることを知見し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、以下の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法を提供する。
〔1〕
片末端にヒドロシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基を有する置換基を導入したシラシクロブタン開環重合物であって、前記反応性基が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基、不飽和結合含有炭化水素基、ハロゲン原子から選ばれる基であり、1−シラブチルの繰り返し単位の数が〜1,000,000である末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔2〕
前記反応性基が、エポキシ基、オキセタニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基、炭素数2〜10のアルケニル基、又はハロゲン原子である〔1〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔3〕
下記一般式(1)
(式中、R1〜R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良いが、R4の少なくとも1つは水素原子もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、nは〜1,000,000の整数である。)
で表される〔1〕又は〔2〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔4〕
前記一般式(1)中、R1及びR2がメチル基であり、R4のうち2つがメチル基である〔3〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔5〕
下記一般式(8)で表される〔3〕又は〔4〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
(式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。)
〔6〕
下記一般式(9)で表される〔3〕又は〔4〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
(式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。Yは反応性基である。)
〔7〕
下記一般式(10)で表される〔3〕又は〔4〕記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
(式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。R7は水素原子又はメチル基である。)
〔8〕
下記一般式(2)
(式中、R1又はR2は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
3Li (3)
(式中、R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
4 3SiCl (4)
(式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良いが、R4の少なくとも1つは水素原子もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、不飽和結合含有炭化水素基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。)
で表されるモノクロロシラン化合物と反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
〔9〕
下記一般式(2)
(式中、R1又はR2は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
3Li (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(5)
4 2SiClH (5)
(式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良い。
で表されるモノクロロシラン化合物と反応させて、下記一般式(6)
(式中、R1〜R4は上記と同じ。nは2〜1,000,000の整数である。)
で表される末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物を製造した後に、触媒存在下において、下記一般式(7)
(式中、Yは反応性基であり、R5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基又は単結合であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。)
で表される反応性基を有するオレフィン化合物と反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
〔10〕
下記一般式(8)
(式中、R1〜R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良い。また、nは2〜1,000,000の整数である。R5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。)
で表されるシラシクロブタン開環重合物と、酸クロライド化合物を反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
本発明により得られる片末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、例えば、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、不飽和結合含有炭化水素基のような重合性の反応性基を有する置換基を導入した場合には、これらの重合性基を重合させることにより得られる重合物に、シラシクロブタンの開環重合物を導入することができるため、最終的に得られる重合物の熱安定性や、光学特性等を改良することができる。
また、ヒドロシリル基、ハロシリル基、あるいは活性水素含有基のような反応性基を有する置換基を導入した場合には、これらの反応性を与える基と反応する置換基を有する各種重合物と反応させることにより、重合物の側鎖にシラシクロブタン開環重合物を導入することができ、重合物の熱安定性や光学特性等を改良することができる。
実施例1で得られた末端が3−クロロプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた末端が3−クロロプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例2で得られた末端がヒドロジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた末端がヒドロジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例3で得られた末端が3−グリシドキシプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた末端が3−グリシドキシプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例4で得られた末端が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例4で得られた末端が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例5で得られた末端が3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例5で得られた末端が3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例6で得られた末端が3−トリメチルシロキプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例6で得られた末端が3−トリメチルシロキプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例7で得られた末端が3−ヒドロキシプロピルジメチル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例7で得られた末端が3−ヒドロキシプロピルジメチル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例8で得られた末端が3−メタクリルオキシプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例8で得られた末端が3−メタクリルオキシプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例9で得られた末端が3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例9で得られた末端が3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例10で得られた末端が3−アミノプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例10で得られた末端が3−アミノプロピルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである 実施例11で得られた末端がビニルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例11で得られた末端がビニルジメチルシリル基で変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。
本発明の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、シラシクロブタン開環重合物の片末端がヒドロシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基を有する置換基により変性された化合物であり、1−シラブチルの繰り返し単位の数が2〜1,000,000、好ましくは5〜100,000、より好ましくは10〜10,000である。
この場合、片末端がヒドロシリル基(SiH基)、ハロシリル基(SiX:Xは塩素、ヨウ素等のハロゲン原子)により変性された化合物、及び反応性基を有する置換基により変性された化合物において、片末端を変性するSiHのH、SiXのX、及び反応性基は、いずれも反応性を有するものであり、SiHのH、SiXのXは反応性基と言い得るものである。
ここで、反応性基を有する置換基における反応性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基等の酸素含有環状炭化水素基、アクリル基、メタクリル基等のα,β不飽和カルボニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基等のα,β不飽和カルボニルオキシ基、トリアルキルシリル基等のシリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基等の活性水素含有基、炭素数2〜10アルケニル基等の不飽和結合含有炭化水素基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。特に、重合性を有する点で、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、不飽和結合含有炭化水素基が好ましい。
本発明の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の具体例としては、下記一般式(1)
(式中、R1〜R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良いが、R4の少なくとも1つは水素原子もしくはハロゲン原子又は上記1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、nは2〜1,000,000の整数である。)
で表される。
ここで、R1〜R3は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。特に、原料の入手性の点で、R1及びR2はメチル基、R3はn−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていても良く、該置換基としては、反応性を有しない置換基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のオルガノオキシ基、シアノ基、オルガノチオ基、オルガノスルホニル基、芳香族炭化水素基、ジアルキルアミノ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、ジアルキルアミノ(アルキル)シリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることができる。
4は、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、置換又は非置換の1価炭化水素基としてはR1〜R3と同様の置換基が挙げられる。
4のうち少なくとも1つは、前記水素原子もしくはハロゲン原子又は上記1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が反応性基により置換された置換基であり、反応性基としては、前記反応性基と同様の基が挙げられる。
上記1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が反応性基により置換された置換基としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−グリシロキシプロピル基、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピル基、3−アクリルオキシプロピル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル基、3−アミノプロピル基、3−トリメチルシロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−トリメチルシリルチオプロピル基、3−メルカプトプロピル基、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、5−ヘキシニル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、6−クロロヘキシル基、ブロモメチル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基等が挙げられる。
この場合、SiR4 3において、R4の2個が上記置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4の1個がSiR4としてヒドロシリル基、ハロシリル基、又は上記反応性により置換された置換基がケイ素原子に結合した基であることが好ましい。
本発明における上記一般式(1)で表される末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法は、例えば、下記一般式(2)
(式中、R1又はR2は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
3Li (3)
(式中、R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
4 3SiCl (4)
(式中、R4は上記と同じ。)
で表されるモノクロロシラン化合物と反応させる方法が挙げられる。
上記一般式(2)におけるR1又はR2は、上述した通りである。
また、上記一般式(2)で表されるシラシクロブタン化合物としては、例えば、1,1−ジメチルシラシクロブタン、1,1−ジエチルシラシクロブタン、1,1−ジプロピルシラシクロブタン、1,1−ジイソプロピルシラシクロブタン、1,1−ジ−n−ブチルシラシクロブタン、1−メチル−1−ビニルシラシクロブタン、1−アリル−1−メチルシラシクロブタン、1,1−ジフェニルシラシクロブタン、1−フェニル−1−メチルシラシクロブタン、1−フェニル−1−ビニルシラシクロブタン等が挙げられる。
上記一般式(3)におけるR3は、上述した通りである。上記一般式(3)で示されるオルガノリチウム化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、1−ナフチルリチウム、2−ナフチルリチウム等のリチウム化合物が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるモノクロロシラン化合物としては、例えば、ジメチルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、4−クロロブチルジメチルクロロシラン、6−クロロジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルクロロシラン、3−ヨードプロピルジメチルクロロシラン、3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルクロロシラン、3−トリメチルシロキシプロピルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、3−ブテニルジメチルクロロシラン、5−ヘキセニルジメチルクロロシラン、アセチレニルジメチルクロロシラン、ジメチルプロパルギルクロロシラン、4−ブチニルジメチルクロロシラン、5−ヘキシニルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の別な製造方法として、下記一般式(2)
(式中、R1又はR2は、上記と同じ。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
3Li (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(5)
4 2SiClH (5)
(式中、R4は上記と同じ。)
で表されるモノクロロシラン化合物と反応させて、下記一般式(6)
(式中、R1〜R4は上記と同じ。nは上記と同じ。)
で表される末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物を製造した後に、触媒存在下において、下記一般式(7)
(式中、Yは反応性基であり、R5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基又は単結合であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。)
で表される反応性基を有するオレフィン化合物と反応させる方法が挙げられる。
上記一般式(5)におけるR4は、上述した通りである。
また、上記一般式(5)で表されるモノクロロシラン化合物としては、例えば、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジプロピルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン等が挙げられる。
上記一般式(7)におけるR5は、ヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18、好ましくは1〜8の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基又は単結合である。例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、イソブチレン基等のアルキレン基、1,3−キシリレン、1,4−キシリレン等のアラルキレン基が挙げられる。また、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ元素を含んでもよく、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等の酸素原子含有基、アミノアルキレン基、ポリアミノアルキレン基等の窒素原子含有基、チオアルキレン基等の硫黄原子含有基が例示される。
また、R6は水素原子又は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状の炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状の炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などが例示される。
5及びR6の炭素数は合わせて18以下、好ましくは0〜10である。
更に、Yは反応性基を含有する基であり、例えば、エポキシ基、オキセタニル基等の酸素含有環状炭化水素、アクリル基、メタクリル基等のα,β不飽和カルボニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基等のα,β不飽和カルボニルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基等の活性水素含有基、炭素数2〜10のアルケニル基等の不飽和結合含有炭化水素基である。
また、上記一般式(7)で表される反応性基を有するオレフィン化合物としては、例えば、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3−エチル−3−アリロキシメチルオキセタン、アリルアミン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アリルアミン、3−(4−メチルピペラジノ)プロペン、3−(4−トリメチルシリルピペラジノ)プロペン、3−トリメチルシロキシプロペン、アリルアルコール等が挙げられる。
上述のシラシクロブタン化合物のオルガノリチウム化合物を重合開始剤とする、開環重合反応を行う場合、オルガノリチウム化合物とシラシクロブタン化合物の配合比は、オルガノリチウム化合物1モルに対してシラシクロブタン化合物を2モル以上用いれば良く、その上限は所定の重合度になるように配合すれば、特に制限されない。得られるシラシクロブタン開環重合物の平均重合度(一般式(1)のnの繰り返し単位)は、重合開始剤であるオルガノリチウム化合物とシラシクロブタンの配合比により変化するため、所望の重合度になるように配合比を決定できる。オルガノリチウム化合物1モルに対してシラシクロブタンの使用量は、好ましくは2〜1,000,000モル、特に好ましくは10〜100,000モルである。
本発明のオルガノリチウム化合物を重合開始剤とするシラシクロブタンの開環重合反応は、無溶媒でも進行するが、除熱等の点から溶媒を用いて行うこともできる。用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用しても良く、あるいは2種類以上を混合して使用しても良い。反応性、溶解性等の点から、炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒を混合して用いることが好ましく、特に、ヘキサンとテトラヒドロフランの混合溶媒を用いることが好ましい。
上記反応の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で、−78〜100℃、好ましくは−50〜40℃である。なお、反応時間は、通常5分〜10時間、好ましくは1〜3時間である。また、反応雰囲気としては特に限定されないが、安全上、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが好ましい。
本発明の開環重合反応後の上記一般式(4)及び(5)で表されるモノクロロシラン化合物との反応における配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、オルガノリチウム化合物1モルに対して、モノクロロシラン化合物を0.8〜2.0モル、特に1.0〜1.5モル用いることが好ましい。
上記反応の反応温度は、特に限定されないが、0〜100℃、特に好ましくは0〜50℃である。
また、上記一般式(6)で表される末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物と、上記一般式(7)で表される反応性基を有するオレフィン化合物との反応(以下、「付加反応」という。)は、末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物のSi−H1モルに対して、オレフィン化合物を好ましくは0.5〜4.0モル、より好ましくは0.8〜2.0モル用いる。
本発明の付加反応に用いる触媒としては、白金含有触媒を用いることが好ましく、白金化合物含有触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン又はキシレン溶液、テトラキストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビスアセトニトリル白金、ジクロロビスベンゾニトリル白金、ジクロロシクロオクタジエン白金、ビス(アセチルアセトナト)白金、白金−炭素、白金−アルミナ、白金−シリカ等の担持触媒等が挙げられる。選択性の点から、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン又はキシレン溶液が好ましい。
本発明の付加反応に用いる白金化合物含有触媒の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、一般式(7)で示される反応性基を有するオレフィン化合物に対して好ましくは0.000001〜0.01モル、更に好ましくは0.000005〜0.005モル、特に好ましくは0.00001〜0.001モルである。白金含有触媒の使用量が0.000001モル未満だと触媒の効果が十分に発現しない可能性があり、0.01モルを超えると触媒量に見合うだけの反応促進効果が見られない可能性がある。
本発明の付加反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。上記一般式(6)で示される末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物は、常温で高粘性の液体又は蝋状の固形物であることから、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒などが挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の付加反応の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で0〜200℃、好ましくは10〜120℃である。なお、反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。また、反応雰囲気としては、特に限定されないが、安全上、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが好ましい。
更に、上記一般式(1)で表される末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の別な製造方法として、下記一般式(8)
(式中、R1〜R6、nは上記と同じ。Xは、O、NH又はSである。)
で表されるシラシクロブタン開環重合物を、酸クロライド化合物と反応させる方法が挙げられる。
上記一般式(8)で示される化合物としては、例えば、シラシクロブタン開環重合物の末端が、ヒドロキシプロピルジメチルシリル基、アミノプロピルジメチルシリル基、チオプロピルジメチルシリル基等の活性水素含有基で変性された化合物等を挙げることができる。また、酸クロライド化合物としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。
上記一般式(8)で示される末端が活性水素を有する基で変性された化合物と、酸クロライド化合物の反応の配合比は、特に制限されないが、末端が活性水素を有する基で変性された化合物、酸クロライド化合物を0.8〜2.0モル、特に1.0〜1.5モル用いることが好ましい。
また、上記反応は、塩基化合物存在下に反応を行い、副生する塩化水素と反応させて除去しながら反応を行うことが好ましい。
用いられる塩基化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン等が挙げられる。塩基の使用量は、酸クロライド化合物に対して好ましくは0.8〜2.0モル、更に好ましくは1.1〜1.5モルである。反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で0〜150℃、好ましくは10〜100℃である。
本発明の製造方法により末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、副生する塩化リチウム等を除去した後に、常圧又は減圧下に溶媒を留去して精製することができる。また、副生する塩化リチウム等を除去した後に、アルコール溶媒中に反応液を添加して、アルコールに溶解しない液状又は固体状の成分を分離して精製することもできる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等を挙げることができる。アルコールの使用量は、反応に用いた溶媒量に対して、好ましくは2〜20倍、特に好ましくは3〜10倍の容量のアルコールを用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、1.58M/molのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液6.3ml(0.01mol)と、n−ヘキサン100ml、テトラヒドロフラン(THF)20mlを仕込み、氷水浴により冷却した。1,1−ジメチルシラシクロブタン20.0g(0.2mol)を、内温を3〜30℃に温調しながら15分間掛けて滴下した。そのままの温度で1時間熟成した後、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン2.1g(0.012mol)を添加して、3〜30℃で1時間撹拌した。副生した塩化リチウムを除去した反応液を、メタノール1L中に撹拌下に添加し、そのまま1時間撹拌した後静置した。白色の液状沈殿物が得られた。分液によりメタノール層を除去した後、減圧下に低沸点成分を除去することにより、一般式(1)の繰り返し単位nに対応するMn=3,865、Mw=4,903の重合物が20.1g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図1にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図2にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−クロロプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例2]
3−クロロプロピルジメチルクロロシランの代わりに、ジメチルクロロシラン1.14g(0.012mol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、Mn=3,970、Mw=5,166の重合物が20.0g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図3にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図4にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、ヒドロジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例3]
100mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例2で得られた、末端がヒドロジメチルシリル基により変性された1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物5.0gとアリルグリシジルエーテル0.57g(0.005mol)、トルエン20mlを仕込み、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3質量%キシレン溶液3.3mgを添加して、60℃に昇温して、3時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、メタノール100ml中に添加し、1時間撹拌した後静置した。白色の液状沈殿物が得られ、分液によりメタノールを除去した後、減圧下に低沸点成分を除去することにより、Mn=3,950、Mw=5.177の重合物が4.8g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図5にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図6にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−グリシドキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例4]
アリルグリシジルエーテルの代わりに、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン0.62g(0.005mol)を用いた以外は実施例3と同様に反応を行い、Mn=4,768、Mw=6,716の重合物が4.9g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図7にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図8にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例5]
アリルグリシジルエーテルの代わりに、3−エチル−3−アリロキシメチルオキセタン0.78g(0.005mol)を用いた以外は実施例3と同様に反応を行い、Mn=4,059、Mw=5,282の重合物が4.9g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図9にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図10にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例6]
アリルグリシジルエーテルの代わりに、3−トリメチルシロキシプロペン0.65g(0.005mol)を用いた以外は実施例3と同様に反応を行い、Mn=4,838、Mw=6,636の重合物が4.8g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図9にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図10にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−トリメチルシロキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例7]
100mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例6で得られた末端が3−トリメチルシロキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物3.0gと、THF10ml、メタノール1mlを仕込み、メタンスルホン酸20mgを添加して、室温で2時間撹拌した。得られた反応液に、トルエン20mlと水20mlを添加して0.5時間撹拌した後、分液により水層を除去した。有機層を、減圧下に溶媒等の低沸点成分を除去し、2.9gの粘重な液体を得た。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図13にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図14にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−ヒドロキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例8]
100mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例7で得られた末端が3−ヒドロキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物2.5gと、トルエン10ml、トリエチルアミン0.32g、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール10mgを仕込み、メタクリル酸クロリド0.26g(0.0025mol)を添加し、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に、トルエン10mlと水20mlを添加して0.5時間撹拌した後、分液により水層を除去した。有機層を、減圧下に溶媒等の低沸点成分を除去し、2.4gの粘重な液体を得た。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図15にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図16にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−メタクリルオキシプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例9]
アリルグリシジルエーテルの代わりに、N,N−ビス(トリメチルシリル)アリルアミン1.0g(0.005mol)を用いた以外は実施例3と同様に反応を行い、Mn=4,977、Mw=6,812の重合物が5.1g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図17にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図18にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例10]
100mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、実施例9で得られた末端が3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピルジメチルシリル基により変性された化合物3.0gと、THF10ml、メタノール1mlを仕込み、メタンスルホン酸20mgを添加して、室温で2時間撹拌した。得られた反応液に、トルエン20mlと水20mlを添加して0.5時間撹拌した後、分液により水層を除去した。有機層を、減圧下に溶媒等の低沸点成分を除去し、2.8gの粘重な液体を得た。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図19にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図20にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は、1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、3−アミノプロピルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。
[実施例11]
3−クロロプロピルジメチルクロロシランの代わりに、ビニルジメチルクロロシラン1.45g(0.012mol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、Mn=4,895、Mw=6,794の重合物が20.1g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図21にスペクトルチャートを示す。
IRスペクトル
図22にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の末端が、ビニルジメチルシリル基により変性された化合物であることが確認された。

Claims (10)

  1. 片末端にヒドロシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基を有する置換基を導入したシラシクロブタン開環重合物であって、前記反応性基が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基、不飽和結合含有炭化水素基、ハロゲン原子から選ばれる基であり、1−シラブチルの繰り返し単位の数が〜1,000,000である末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  2. 前記反応性基が、エポキシ基、オキセタニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていても良いアミノ基、水酸基、メルカプト基、炭素数2〜10のアルケニル基、又はハロゲン原子である請求項1記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  3. 下記一般式(1)
    (式中、R1〜R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良いが、R4の少なくとも1つは水素原子もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、nは〜1,000,000の整数である。)
    で表される請求項1又は2記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  4. 前記一般式(1)中、R1及びR2がメチル基であり、R4のうち2つがメチル基である請求項3記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  5. 下記一般式(8)で表される請求項3又は4記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
    (式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。)
  6. 下記一般式(9)で表される請求項3又は4記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
    (式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。Yは反応性基である。)
  7. 下記一般式(10)で表される請求項3又は4記載の末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
    (式中、R1 3 、nは上記と同じ。 4 は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。R7は水素原子又はメチル基である。)
  8. 下記一般式(2)
    (式中、R1又はR2は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
    で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
    3Li (3)
    (式中、R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
    で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
    4 3SiCl (4)
    (式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良いが、R4の少なくとも1つは水素原子もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、不飽和結合含有炭化水素基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。)
    で表されるモノクロロシラン化合物と反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
  9. 下記一般式(2)
    (式中、R1又はR2は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
    で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
    3Li (3)
    (式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
    で表されるオルガノリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(5)
    4 2SiClH (5)
    (式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良い。
    で表されるモノクロロシラン化合物と反応させて、下記一般式(6)
    (式中、R1〜R4は上記と同じ。nは2〜1,000,000の整数である。)
    で表される末端がヒドロシリル基で変性されたシラシクロブタン開環重合物を製造した後に、触媒存在下において、下記一般式(7)
    (式中、Yは反応性基であり、R5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基又は単結合であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。)
    で表される反応性基を有するオレフィン化合物と反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
  10. 下記一般式(8)
    (式中、R1〜R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良い。また、nは2〜1,000,000の整数である。R5はヘテロ元素を含んでも良い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基であり、R5及びR6の炭素数は合わせて18以下である。また、XはO、NH、又はSである。)
    で表されるシラシクロブタン開環重合物と、酸クロライド化合物を反応させることを特徴とする末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
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