JP5311091B2 - ポリカルボシラン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリカルボシラン及びその製造方法に関し、更に詳しくは、側鎖にオキセタニル基を有するポリカルボシラン及びその製造方法に関する。
オキセタニル基を有する化合物としては、側鎖にオキセタニル基を有するポリシラン(特開2004−26895号公報)、側鎖にオキセタニル基を有するシルセスキオキサン(特開2003−149822号公報)、及び、側鎖にエポキシ基やニトリル基を有するポリカルボシランが知られている(J. Inorg. Organomet. Polym., Vol.5, No.1, 1995, 75-85)。
しかし、側鎖にオキセタニル基を有するポリカルボシランは知られていない。
特開2004−026895号公報において、ハロゲン基含有ポリシラン化合物にオキセタン基とヒドロキシル基を有する化合物を反応させて、オキセタニル基をポリシランに導入する方法が開示されている。
ポリカルボシランは、優れた耐熱性、耐分解性を示すため、セラミック材料の前駆体や耐熱性材料として用いられている(特開平07−118007号公報、特開平10−069819号公報、特開平09−013278号公報)。
従来のポリカルボシランは、汎用の溶媒に対する溶解性が低いため、可溶な溶媒が特殊なものに限定される場合がある。そのため、ポリカルボシランの利用が制限されるという問題があった。
本発明は、汎用の有機溶媒に対する溶解性に優れたポリカルボシラン及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式で表される、オキセタニル基を有するポリカルボシランを新たに合成し、これが汎用の有機溶媒に対する溶解性が向上したことを見出した。
Figure 0005311091
〔式中、各Rは、オキセタニル基を有しない炭素数2〜40のアルキル基、アリール基、又は、オキセタニル基を有する炭素数2〜40のアルキル基(但し、エーテル結合を有していても良い。)を示し、2つのRのうちの少なくとも1つはオキセタニル基を有する炭素数2〜40のアルキル基(但し、エーテル結合を有していても良い。)であり、R’は、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基、又は、アラルキレン基を示し、nは5〜200の整数を示す。〕
本発明のポリカルボシランは、下記一般式()で表される化合物である。
Figure 0005311091
〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基、又は、下記一般式(a)で表される基であり、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、Rは、炭素数2〜20のアルキレン基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基であり、nは、5〜200の整数である。〕
Figure 0005311091
〔式中、R は、炭素数2〜20のアルキレン基であり、R は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基である。〕
また、本発明のポリカルボシランの製造方法は、下記一般式(6)で表される化合物と、ビニルオキセタン化合物とをヒドロシリル化反応する工程を備え
上記ビニルオキセタン化合物は、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン及び3−ビニルオキシメチルオキセタンから選ばれることを特徴とする。
Figure 0005311091
〔式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、Rは、水素原子、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
本発明の新規なポリカルボシランは、極性官能基であるオキセタニル基を側鎖として有するため、極性溶媒との親和性が向上し、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンのようなケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒、プロピレングリコールジメチルエーテルのようなプロピレングリコール系溶媒等の汎用の有機溶媒への溶解性が高い。
本発明のポリカルボシランは、そのため、樹脂の改質剤、無機化合物の表面処理剤として有用である。
本発明により、ポリカルボシランの特性を損なわず、種々の形状に容易に成形できる耐熱性材料を提供することができる。
本発明のポリカルボシランは、製造原料として比較的入手しやすいケイ素化合物を用いることができ、ポリカルボシランを安全に且つ効率的に製造することができる。
以下、本発明について詳述する。
1.ポリカルボシラン
本発明のポリカルボシランは、下記一般式()で表される。
Figure 0005311091
〔式中、R は、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基、又は、下記一般式(a)で表される基であり、R は、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、R は、炭素数2〜20のアルキレン基であり、R は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基であり、nは、5〜200の整数である。〕
Figure 0005311091
〔式中、R は、炭素数2〜20のアルキレン基であり、R は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基である。〕
上記一般式()において、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基、又は、上記一般式(a)で表される基である。
上記Rがアルキル基である場合、直鎖状及び分岐状のいずれでもよく、好ましい炭素数は1〜30、より好ましくは1〜20である。このアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデカニル基等である。これらのうち、メチル基が特に好ましい。
上記一般式()において、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。アリーレン基及びアラルキレン基の炭素数は、それぞれ、通常、6〜20及び7〜20である。上記Rは、アリーレン基であることが特に好ましい。
また、上記一般式()において、両末端は、通常、フェニル基又は水酸基である。
また、上記一般式()におけるnは、5〜200の整数であり、好ましくは10〜100である。nが200を超えると、汎用の有機溶媒に対するポリカルボシランの溶解性が低下する場合があり。一方、nが5未満では、耐熱性材料としての特性が十分でない場合がある。
上記一般式(2)におけるRは、炭素数2〜20のアルキレン基である。Rがアルキレン基である場合、好ましい炭素数は、2〜14である。このアルキレン基は、直鎖状でよいし、側鎖を有してもよい。このアルキレン基の具体例は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等である。特にプロピレン基が好ましい。
上記一般式(2)におけるRは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基である。Rがアルキル基である場合、好ましい炭素数は、1〜12であり、より好ましくは1〜6である。このアルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。また、このアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等である。上記Rは、アルキル基であることが好ましく、特にエチル基が好ましい。
本発明における好ましいポリカルボシランの具体例を以下に例示する。
Figure 0005311091
〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
Figure 0005311091
〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
Figure 0005311091
〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
これらのうち、一般式(3)及び(4)のポリカルボシランが特に好ましい。
2.ポリカルボシランの製造方法
本発明のポリカルボシランの製造方法は、下記一般式(6)で表される化合物と、ビニルオキセタン化合物とをヒドロシリル化反応する工程を備え
上記ビニルオキセタン化合物は、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン及び3−ビニルオキシメチルオキセタンから選ばれることを特徴とする。
Figure 0005311091
〔式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、Rは、水素原子、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
上記一般式(6)において、Rは、上記一般式()におけるRと同様であり、その説明が適用される。好ましいRは、アリーレン基である。また、Rは、上記のように、水素原子、所定の炭素数を有する、アルキル基又はアリール基であり、アルキル基又はアリール基の場合には、上記一般式()におけるRと同様であり、その説明が適用される。好ましいRは、製造原料としての入手のしやすさから、メチル基である。
上記ビニルオキセタン化合物の構造は、下記に示される。
Figure 0005311091
〔式中、R8’は、オキセタニル基を有する有機基であり、mは、0〜12の整数である。〕
上記ビニルオキセタン化合物としては、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン、3−ビニルオキシメチルオキセタンである。
上記一般式(6)で表される化合物及び上記ビニルオキセタン化合物のヒドロシリル化反応は、通常、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中、触媒の存在下で行われる。
上記一般式(6)で表される化合物及び上記ビニルオキセタン化合物の仕込み割合は、上記一般式(6)で表される化合物におけるSiH基が、上記ビニルオキセタン化合物における炭素−炭素不飽和基(CH=CH−)1当量に対し、好ましくは0.1〜2.0当量であり、より好ましくは1.0〜2.0当量である。
上記触媒としては、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金等の、周期表第8属〜第10属の金属の単体、有機金属錯体、金属塩、金属酸化物等が挙げられる。これらのうち、白金系触媒が好ましく使用される。この白金系触媒としては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体等の白金−ビニルシロキサン錯体、塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)、cis−PtCl(PhCN)、白金カーボン等が例示される。尚、Phはフェニル基を表す。
上記触媒の使用量は、上記一般式(6)で表される化合物の使用量に対して、好ましくは0.1〜1,000ppmである。
また、上記ヒドロシリル化反応は、通常、加熱下で行われる。反応温度は、一般に、外部からの加熱及び原料化合物の供給速度に依存する。通常、30℃〜120℃の範囲の温度に保持することで、ヒドロシリル化反応を円滑に行うことができる。この温度が30℃未満では、ヒドロシリル化反応が円滑に進まず、120℃を超えると、ポリマーの分子量制御が困難になる場合がある。
反応終了後、常法により、洗浄、層分離、脱溶媒等を行い、本発明のポリカルボシランを回収することができる。
尚、上記一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(8)で表されるジハロゲノシランと、下記一般式(9)で表されるジハロゲン化物とをグリニャール反応させることにより容易に得ることができる。
Figure 0005311091
〔式中、各Xは、同一の又は異なるハロゲンを示し、Rは、水素原子、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基である。〕
Figure 0005311091
〔式中、各Xは、同一の又は異なるハロゲンを示し、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。〕
上記一般式(8)で表されるジハロゲノシランにおいて、Xは、好ましくは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
また、上記一般式(9)で表されるジハロゲン化物において、Xは、好ましくは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
上記一般式(9)で表されるジハロゲン化物としては、Rがアリーレン基である、ジハロゲン化アリールが好ましく、特に、パラジブロモベンゼンが好ましい。
上記化合物(8)に対する化合物(9)の仕込み割合(モル比)は、好ましくは0.5〜1.5である。
本発明のポリカルボシランとして、上記一般式(3)におけるRがメチル基である、下記構造式(11)で表されるポリカルボシランの製造方法を以下に説明する。
まず、公知の方法により調製した活性化マグネシウムに、ジクロロメチルシラン及びパラジブロモベンゼンの混合液を滴下して、グリニャール反応させ、下記構造式(10)に示される、Si−H基を有するポリカルボシランを得る。
Figure 0005311091
〔式中、Yは、水酸基又はフェニル基であり、nは、5〜200の整数である。〕
上記ポリカルボシラン(10)を得る反応における具体的操作としては、充分乾燥させたマグネシウムに、溶媒及び活性化剤を加え、ジクロロメチルシラン及びパラジブロモベンゼンの混合液を滴下する。このときの反応温度は、常温から溶媒の沸点の範囲で適宜、選択される。全量滴下した後、常温に戻したり、若干加温したり、あるいは溶媒の沸点近くで還流を行う。反応温度が高すぎると、得られるポリカルボシラン(10)が高分子量となる場合がある。
上記溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、トルエン、キシレン、ガソリン、リグロイン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が例示される。
また、上記活性化剤としては、1,2−ジブロモエタン、ヨウ素等が例示される。
反応終了後、溶媒及びマグネシウム塩を除去し、再沈殿によってポリカルボシランを単離する。
その後、このようにして得られたポリカルボシラン(10)を、白金系触媒の存在下、上記ビニルオキセタン化合物とヒドロシリル化反応させることにより、下記構造式(11)で表されるポリカルボシランを得ることができる。
Figure 0005311091
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。
参考例1
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応器を乾燥窒素雰囲気下にして、マグネシウム75.1g(3.08mol)及びテトラヒドロフラン500ミリリットルを仕込み、攪拌した。その後、反応器に1,2−ジブロモエタンを加えてマグネシウムを活性化させた。
その後、1,4−ジブロモベンゼン323g(1.27mol)及びジクロロメチルシラン125g(1.09mol)をテトラヒドロフラン500ミリリットルに溶解させて得られた溶液を、滴下ロートに仕込み、反応系に滴下した。
滴下終了後、オイルバスをセットし、加熱還流(67℃)を3時間行った。
次いで、反応液を分液ロートに移した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加え脱水した。減圧下、溶媒を留去し、その後、残渣を良溶媒に溶かし、貧溶媒に滴下することにより、下記構造式(12)で表される、Si−H基を有するポリカルボシランを得た。収率は66.8%、構造式(12)におけるnの平均値は20、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwは2,700、Mw/Mnは3.58であった。
Figure 0005311091
H NMRスペクトルのケミカルシフトは、以下のとおりである。
H NMR(270MHz、溶媒;CDCl
δ7.57(s,4H)[a,b],
δ4.95(q,J=3.8Hz,1H)[d],
δ0.64(d,J=3.8Hz,3H)[c]
参考例2
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応器を乾燥窒素雰囲気下にして、マグネシウム45.5g(1.87mol)及びテトラヒドロフラン550ミリリットルを仕込み、攪拌した。その後、反応器に1,2−ジブロモエタンを加えてマグネシウムを活性化させた。 その後、1,4−ジブロモベンゼン220.8g(937mmol)及びメチルジクロロシラン92.0g(800mmol)をテトラヒドロフラン250ミリリットルに溶解させて得られた溶液を、滴下ロートに仕込み、反応系に4時間かけて滴下した。
滴下終了後、オイルバスをセットし、加熱還流(67℃)を3時間行った。
次いで、反応液を分液ロートに移し、参考例1と同様の操作を行い、上記構造式(12)で表される、Si−H基を有するポリカルボシラン92.7gを得た。収率は95%、構造式(12)におけるnの平均値は48、Mwは6,500、Mw/Mnは2.58であった。
実施例1
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応器を乾燥窒素雰囲気下にして、参考例1で得たポリカルボシラン19.0g(257mmol)、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン27.1g(173mmol)及びトルエン400ミリリットルを仕込み、オイルバスを用いて加熱した。内部温度が80℃に達したところで、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体Pt[(C=C−Si(Me)O]の2.1%キシレン溶液を250マイクロリットル添加した。その後、80℃で3時間反応させた。
次いで、反応液を分液ロートに移した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加え脱水した。減圧下、溶媒を留去し、その後、残渣を良溶媒に溶かし、貧溶媒に滴下し、再沈殿させた。次いで、減圧下、溶媒を留去後、下記構造式(13)で表される、オキセタニル基を有するポリカルボシランを得た。収率は37.8%、Mwは6,100、Mw/Mnは1.28であった。
Figure 0005311091
H NMRスペクトルのケミカルシフトは、以下のとおりである。
H NMR(270MHz,CDCl
δ7.49−7.57(m,4H)[a,b],
δ4.35−4.45(m,4H)[j,k],
δ3.41−3.49(m,4H)[g,f],
δ1.61−1.77(m,4H)[e,h],
δ1.04−1.10(br,2H)[d],
δ0.80−0.90(m,3H)[i],
δ0.55−0.60(d,3H)[c]
[ポリカルボシランの溶解性評価]
参考例1で得られた、上記構造式(12)で表される、Si−H基を有するポリカルボシラン、及び、実施例1で得られた、上記構造式(13)で表される、オキセタニル基を有するポリカルボシランについて、下記の汎用溶媒に対する溶解性を試験し、比較した。
25℃において、各ポリカルボシランを、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールジメチルエーテル(PGDM)、乳酸エチル(EL)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びメチルアミルケトン(MAK)に、それぞれ、濃度が5質量%となるように添加した時の溶解性を観察し、その結果を表1に示した。溶解した場合は「○」、溶解しなかった場合は「×」で表した。
Figure 0005311091
表1から分かるように、上記構造式(13)で表される、本発明のポリカルボシランは、上記構造式(12)で表される、オキセタニル基を有さないポリカルボシランに比較して溶解性が格段に向上した。
本発明のポリカルボシランは、樹脂の改質剤、無機化合物の表面処理剤、耐熱性材料等を形成する物質として有用であり、特に、耐熱性絶縁材料に有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(2)で表されることを特徴とするポリカルボシラン。
    Figure 0005311091
    〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基、又は、下記一般式(a)で表される基であり、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、Rは、炭素数2〜20のアルキレン基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基であり、nは、5〜200の整数である。〕
    Figure 0005311091
    〔式中、R は、炭素数2〜20のアルキレン基であり、R は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はアラルキル基である。〕
  2. 上記一般式(2)におけるR が、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基である請求項1にポリカルボシラン。
  3. 下記一般式(3)、(4)及び(5)で表された化合物の群から選ばれた請求項に記載のポリカルボシラン。
    Figure 0005311091
    〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
    Figure 0005311091
    〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
    Figure 0005311091
    〔式中、Rは、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
  4. 請求項1に記載のポリカルボシランの製造方法であって、下記一般式(6)で表される化合物と、ビニルオキセタン化合物とをヒドロシリル化反応する工程を備え
    上記ビニルオキセタン化合物は、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ビニルオキシメチルオキセタン及び3−ビニルオキシメチルオキセタンから選ばれることを特徴とするポリカルボシランの製造方法。
    Figure 0005311091
    〔式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基であり、Rは、水素原子、オキセタニル基を有しない炭素数1〜40のアルキル基、又は、オキセタニル基を有しない炭素数6〜40のアリール基であり、nは、5〜200の整数である。〕
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