JP6288711B2 - ポリシラン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリシラン化合物の製造方法に関し、より詳しくはいわゆるPSiP−ピンサー型イリジウム錯体又はロジウム錯体を触媒としたポリシラン化合物の製造方法に関する。
ポリシランは、セラミックス前駆体、重合開始剤、並びにフォトレジスト、光導波路、有機感光体、及び光メモリ等の光・電子材料等として利用することができる非常に有用な化合物である。
ポリシランの製造方法としては、アルカリ金属によるジハロシランの脱塩縮合反応が工業的によく用いられている。該方法は、再現性に極めて劣っており、また反応が激しく制御が困難である上に、発火の危険性が高く、取扱が困難なアルカリ金属をシラン化合物モノマーの2倍モル以上の多量に用いる必要がある。さらに、副産物として大量の塩が生成するため、大規模な生産には適しておらず、またアルカリ金属やハロゲンがポリシラン中に不純物として混入するため、電子材料等として利用する場合には問題がある。
また、その他の製造方法として、金属錯体を触媒として用いて、有機トリヒドロシラン化合物の脱水素縮合を進める方法が提案されており、例えば特許文献1には、シクロペンタジエニル基とアリーロキシ基を配位子として有する第4族クロロメタロセン錯体を還元したものを触媒として用いることが提案されている。
さらに、近年では、第4族金属以外の様々な遷移金属錯体を触媒に用いるポリシランの製造方法が数々報告されている(特許文献2及び非特許文献1〜3参照)。
特開2000−34351号公報 特開平10−95853号公報 米国特許第5003100号明細書
Frederic-Georges Fontaine, Chem. Commun. 1998, 1253-1254. Anthony E. Wetherby, ACS Catal. 2012, 2, 1404-1407. Lisa Rosenberg, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 5120-5121.
本発明は、比較的穏和な条件で、重合度の高いポリシラン化合物を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、いわゆるPSiP−ピンサー型の特定の錯体とこれを還元した錯体が、シラン化合物を縮重合させる触媒として非常に有効であり、これを用いた縮重合反応によって重合度の高い良質なポリシラン化合物を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記式(I)で表されるシラン化合物を縮重合させる縮重合工程を含むポリシラ
ン化合物の製造方法であって、
前記縮重合工程が、下記式(II−A)又は(II−B)で表される化合物を触媒として用いることを特徴とする、ポリシラン化合物の製造方法。
Figure 0006288711

(式(I)中、Rは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を、Rは水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
Figure 0006288711

(式(II−A)及び(II−B)中、Mはイリジウム原子又はロジウム原子を、Xはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明によれば、比較的穏和な条件で、重合度の高いポリシラン化合物を製造することができる。
実施例13によって得られたポリシラン化合物の29SiNMR(DEPT)のスペクトルである。 実施例29によって得られたポリシラン化合物の29SiNMR(DEPT)のスペクトルである。
本発明を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<ポリシラン化合物の製造方法>
本発明の一態様であるポリシラン化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、下記式(I)で表されるシラン化合物を縮重合させる縮重合工程(
以下、「縮重合工程」と略す場合がある。)を含む方法であり、下記式(II−A)又は(II−B)で表される化合物を触媒として用いることを特徴とする。
Figure 0006288711

(式(I)中、Rは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を、Rは水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
Figure 0006288711

(式(II−A)及び(II−B)中、Mはイリジウム原子又はロジウム原子を、Xはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明者らは、ポリシラン化合物の新規な製造方法を求めて検討を重ねた結果、式(II−A)で表されるPSiP−ピンサー型イリジウム錯体又はロジウム錯体と、これらを還元することによって得られる(II−B)で表される錯体が、シラン化合物を縮重合させる触媒として非常に有効であり、これを用いた縮重合反応によって重合度の高い良質なポリシラン化合物を製造できることを見出したのである。
なお、「式(I)で表されるシラン化合物を縮重合させる縮重合工程」とは、下記式に示される反応のように、式(I)で表されるシラン化合物の連鎖的な縮合反応によって、高分子であるポリシラン化合物を形成させる工程を意味するものとする。
Figure 0006288711

但し、形成されるポリシラン化合物は、下記式(a)で表されるような直鎖状のポリシラン化合物に限られず、下記式(b)で表されるような分岐構造や下記式(c)で表されるような架橋構造を有するポリシラン化合物であってもよいものとする。
Figure 0006288711
縮重合工程は、下記式(I)で表されるシラン化合物を縮重合させる工程であるが、シラン化合物の具体的種類は、製造目的であるポリシラン化合物に応じて適宜選択することができる。
Figure 0006288711

(式(I)中、Rは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を、Rは水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表しているが、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」とは、アミノ基(−NH)、フルオロ基(−F)等の窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む官能基を含んでいてもよいことを意味するほか、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)等の窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む連結基を炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよいことを意味する。従って、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」炭化水素基には、例えば−CH−CH−OHのようにヒドロキシル基を含んでいる炭素数2の炭化水素基、−CH−O−CHのようにエーテル基を炭素骨格の内部に含んでいる炭素数2の炭化水素基、及び−O−CH−CHのようにエーテル基を炭素骨格の末端に含んでいる炭素数2の炭化水素基等が含まれる。なお、Rに含まれる置換基としては、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシ基等が挙げられる。
の炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、(ジアルキルアミノ)フェニル基、(アルコキシ)フェニル基、(トリアルキルシリル)フェニル基等が挙げられる。
は水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表しているが、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」とは、Rの場合と同義である。なお、Rに含まれる置換基としては、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシ基等が挙げられる。
が炭化水素基である場合、Rの炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
また、Rが炭化水素基である場合、炭化水素基は直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、(ジアルキルアミノ)フェニル基、(アルコキシ)フェニル基、(トリアルキルシリル)フェニル基等が挙げられる。
式(I)で表されるシリル化合物としては、メチルシラン、ジメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、へキシルシラン、オクチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン等が挙げられる。なお、縮重合工程に使用される式(I)で表されるシラン化合物は、1種類の化合物に限られず、2種類以上を使用してもよい。
縮重合工程は、下記式(II−A)又は(II−B)で表される化合物を触媒として用いることを特徴とする。
Figure 0006288711

(式(II−A)及び(II−B)中、Mはイリジウム原子又はロジウム原子を、Xはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、Rの炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(−Pr)、ブチル基、へキシル基、シクロへキシル基(−Cy)、フェニル基等が挙げられる。
はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、R
が炭化水素基である場合のRの炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
また、Rが炭化水素基である場合、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、Rが炭化水素基である場合のRの炭素数は、好ましくは1以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
また、Rが炭化水素基である場合、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
式(II−A)又は(II−B)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006288711
縮重合工程は、式(II−A)又は(II−B)で表される化合物を触媒として用いることを特徴とするが、触媒の使用量は、シラン化合物に対して、通常0.01mol%以上、好ましくは0.1mol%以上であり、通常100mol%以下、好ましくは50mol%以下、より好ましくは10mol%以下、さらに好ましくは5mol%以下である。
式(II−A)又は(II−B)で表される化合物は、公知の合成方法を適宜組み合わせて調製することができるが、例えば式(II−A)で表される化合物は下記(i)〜(iii)の工程によって、式(II−B)で表される化合物はさらに(iv)の工程を利用することによって調製することができる。
(i)パラジウム触媒存在下、2−ブロモ−1−ヨードベンゼンとジオルガノホスフィンとを反応させて、2−ブロモフェニルホスフィンを得る工程。
Figure 0006288711

(ii)(i)の工程で得られた2−ブロモフェニルホスフィンをジハロゲン化シランと反応させて、PSiP−ピンサー型配位子を得る工程。
Figure 0006288711

(iii)(ii)の工程で得られたPSiP−ピンサー型配位子をロジウム化合物又はイリジウム化合物と反応させて、PSiP−ピンサー型錯体を得る工程。
Figure 0006288711

(iv)(iii)の工程で得られたPSiP−ピンサー型錯体を還元する工程。
Figure 0006288711
縮重合工程の反応条件は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
反応温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上であり、通常140℃以下、好ましく
は120℃以下である。
反応時間は、通常0.5時間以上、好ましくは1時間以上であり、通常72時間以下、好ましくは24時間以下である。
雰囲気ガスは、本反応の中間体は酸素に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メタン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
本反応は溶媒を用いずに実施できるが、溶媒を用いる場合は、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭素水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
本発明の製造方法は、前述の縮重合工程以外の工程を含んでいてもよく、例えば縮重合工程によって得られたポリシラン化合物を精製する精製工程を含むことが挙げられる。なお、ポリシラン化合物の精製は、フロリジルクロマトグラフィー等を利用することによって行うことができる。
本発明の製造方法によって製造されるポリシラン化合物の種類や物性等は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
ポリシラン化合物の分子量(重量平均分子量(Mw))は、通常500以上、好ましくは800以上、より好ましくは1000以上であり、通常100000以下、より好ましくは50000以下、さらに好ましくは30000以下である。
ポリシラン化合物の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1以上、好ましくは1.1以上であり、通常10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[PSiP−ピンサー型配位子の合成]
<合成例1>
文献記載(Tetrahedron, 2004, vol 60, 7397)の方法により、1−ブロモ−2−ヨードベンゼン14.1gとジシクロヘキシルホスフィン9.91gを酢酸パラジウム2mol%、1,1’-ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン2mol%、炭酸セシウム1.2当量存在下、1,4−ジオキサン溶媒中80℃で18時間反応させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、(2−ブロモフェニル)ジシクロへキシルホスフィンを15.3g(収率87%)得た。
Figure 0006288711
得られた(2−ブロモフェニル)ジシクロへキシルホスフィン6.0gをエチルエーテル(45mL)に溶解し、窒素下でブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、10.9mL)と−78℃で2時間反応させ、さらに0.5当量のメチルジクロロシランを加え17時間反応させた。反応終了後、揮発成分を真空除去し、残留物にトルエン20mLを加えた。フロリジルで不溶分をろ過し、ろ液から溶媒を真空除去することにより{2−CyP(C)}SiHMeを3.7g得た(収率74%)。
Figure 0006288711
<合成例2>
文献記載(Journal of Organometallic Chemistry, 2003, vol 677, 1)の方法により、o−ジブロモベンゼン7.08gとクロロジイソプロピルホスフィン4.58gを反応させ、(2−ブロモフェニル)ジイソプロピルホスフィンを4.3g得た(収率53%)。
Figure 0006288711
文献記載(Chem. Asian J., 2011, vol 6, 2512)の方法により、得られた(2−ブロモフェニル)ジイソプロピルホスフィン3.08gと0.5当量のメチルジクロロシランを反応させることにより{2−PrP(C)}SiHMeを4.5g得た(収率93%)。
Figure 0006288711
[PSiP−ピンサー型ロジウム錯体の合成]
(合成例3)
合成例1で得られた{2−CyP(C)}SiHMe0.12gとビスシクロオクテンロジウムクロリド二量体0.073gをトルエン中70℃で24時間反応させた後、揮発成分を真空除去し、残った固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥することによりRhCl(H)[{2−CyP(C)}SiMe]を0.11g得た(収率65%)。
Figure 0006288711
(合成例4)
合成例3と同様に、合成例2で得られた{2−PrP(C)}SiHMe0.086gとシクロオクタジエンロジウムクロリド二量体0.049gを反応させることにより、RhCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]を0.080g得た(収率70%)。
Figure 0006288711
[PSiP−ピンサー型イリジウム錯体の合成]
(合成例5)
合成例3と同様に、合成例1で得られた{2−CyP(C)}SiHMe4.1gとシクロオクタジエンイリジウムクロリド二量体2.345gを反応させることにより、IrCl(H)[{2−CyP(C)}SiMe]を5.13g得た(収率90%)。
Figure 0006288711
(合成例6)
合成例5で得られたIrCl(H)[{2−CyP(C)}SiHMe]3.0gとテトラメチルアンモニウムボロヒドリド0.64gをエタノール(15mL)と
ベンゼン(30mL)の混合溶媒中室温で6時間、さらに65℃で10時間反応させた。揮発成分を真空除去した後、残渣をベンゼン30mLで抽出した。抽出液をろ過後溶媒を真空除去し、残った固体をエタノール10mLで3回、ヘキサン10mLで3回洗浄した後真空乾燥することにより、Ir(H)[{2−CyP(C)}SiMe]を2.54g得た(収率90%)。
Figure 0006288711
(合成例7)
合成例3と同様に、合成例2で得られた{2−PrP(C)}SiHMe2.28gとシクロオクタジエンイリジウムクロリド二量体1.83gを反応させることにより、IrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]を3.21g得た(収率90%)。
Figure 0006288711
[シラン化合物の縮重合]
<実施例1〜13>
グローブボックス内でRhCl(H)[{2−CyP(C)}SiMe]0.02mmolを反応容器に移した後、溶媒0.2mlを投入して溶解し、さらにフェニルシラン2.0mmolを加えて、表1に示す条件でフェニルシランの縮合反応を行った。反応終了後、トルエン20mlを加えたのちフロリジル1.5gを通すことにより触媒を除去した。溶媒を留去して、得られたポリ(フェニルシラン)について、ゲル浸透クロマトグラフィー分析(GPC、標準ポリスチレン換算)を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006288711
<実施例14>
RhCl(H)[{2−CyP(C)}SiMe]に代えてRhCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]を用いた以外、実施例3と同様な方法でフェニルシランの縮合反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006288711
<実施例15>
フェニルシランに代えてへキシルシランを用いた以外、実施例3と同様な方法で縮合反応を行った。結果を表3に示す。
<実施例16>
フェニルシランに代えてオクチルシランを用いた以外、実施例3と同様な方法で縮合反応を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006288711
<実施例17>
グローブボックス内でIrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]0.04mmolを反応容器に移した後、フェニルシラン4.0mmolを加えて、表4に示す条件でフェニルシランの縮合反応を行った。反応終了後、トルエン20mlを加えたのちフロリジル1.5gを通すことにより触媒を除去した。溶媒を留去して、得られたポリ(フェニルシラン)について、ゲル浸透クロマトグラフィー分析(GPC、標準ポリスチレン換算)を行った。結果を表4に示す。
<実施例18>
IrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]に代えてIrCl(H)[{2−CyP(C)}SiMe]を用いた以外、実施例17と同様な方法でフェニルシランの縮合反応を行った。結果を表4に示す。
<実施例19〜22>
条件を表4に示す条件に変更した以外、実施例18と同様な方法でそれぞれフェニルシランの縮合反応を行った。結果を表4に示す。
<実施例23>
IrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]に代えてIr(H)[{2−CyP(C)}SiMe]を用いた以外、実施例17と同様な方法でフェニルシランの縮合反応を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006288711
<実施例24>
条件を表5に示す条件に変更した以外、実施例23と同様な方法でフェニルシランの縮合反応を行った。結果を表5に示す。
<実施例25>
フェニルシランに代えてへキシルシランを用い、反応時間を10時間に変更した以外、実施例24と同様な方法で縮合反応を行った。結果を表5に示す。
<実施例26>
フェニルシランに代えてオクチルシランを用い、反応時間を10時間に変更した以外、実施例24と同様な方法で縮合反応を行った。結果を表5に示す。
<実施例27>
Ir(H)[{2−CyP(C)}SiMe]に代えてIrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]を用い反応時間を16時間とした以外、実施例25と同様な方法でヘキシルシランの縮合反応を行った。結果を表5に示す。
<実施例28>
Ir(H)[{2−CyP(C)}SiMe]に代えてIrCl(H)[{2−PrP(C)}SiMe]を用い反応時間を16時間とした以外、実
施例26と同様な方法でオクチルシランの縮合反応を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006288711
<実施例29>
実施例19で得られたポリシランをトルエン0.1mlに溶解した後、ヘキサン0.2mlを加えよく撹拌した。静置すると二層に分離し、上層を除去した。残渣をヘキサン0.2mlで2回洗浄した後真空乾燥することにより、低分子量成分を減じたポリシランを得た(原料のフェニルシラン基準の収率42%)。ゲル浸透クロマトグラフィー分析(GPC、標準ポリスチレン換算)を行った結果、Mn5820、Mw8009、Mw/Mn1.38であった。
本発明の製造方法は、セラミックス前駆体、重合開始剤、並びにフォトレジスト、光導波路、有機感光体、及び光メモリ等の光・電子材料等に用いられるポリシラン化合物を製造するために利用することができる。

Claims (1)

  1. 下記式(I)で表されるシラン化合物を縮重合させる縮重合工程を含むポリシラン化合物の製造方法であって、
    前記縮重合工程が、下記式(II−A)又は(II−B)で表される化合物を触媒として用いることを特徴とする、ポリシラン化合物の製造方法。
    Figure 0006288711

    (式(I)中、Rは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を、Rは水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
    Figure 0006288711

    (式(II−A)及び(II−B)中、Mはイリジウム原子又はロジウム原子を、Xはそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
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