JP2015084068A - 太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層の密着性に優れると共に、耐光性に優れるフィルムミラーおよびその製造方法を提供する。【解決手段】光入射側から順に、保護層、銀反射層、および樹脂基材を少なくとも有し、銀反射層の保護層側の表面および表層の少なくともいずれか一方に腐食防止剤を有し、腐食防止剤の含有量が0.1〜10mg/m2である、太陽光集光用フィルムミラー。【選択図】なし
Description
本発明は、太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法に係り、特に、銀反射層表面上および/または表層に所定量の腐食防止剤を有する太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法に関する。
太陽光の反射装置には、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂塵等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
例えば、特許文献1には、樹脂基材上に、接着層、銀反射層、および、上部隣接層がこの順に設けられたフィルムミラーが開示され、上部隣接層にはバインダーと銀の腐食防止剤とが含まれる旨が記されている。なお、特許文献1の実施例欄においては、ポリエステル系樹脂とTDI系イソシアネートとを含む硬化性樹脂組成物を使用して、上部隣接層の形成を行っている。
一方、近年、砂漠などの厳しい環境下でも長期間にわたって使用できるフィルムミラーに対する要望が増えており、耐光性のより一層の向上が求められている。それと同時に、銀反射層を保護するためにフィルムミラーの表面に配置される保護層の密着性の向上も求められている。
本発明者らが、特許文献1を参照して、腐食防止剤を含有する硬化性樹脂組成物を用いて銀反射層上に保護層(特許文献1での上部隣接層に該当)の形成を行ったところ、腐食防止剤の使用量が多い場合は、硬化性樹脂組成物の硬化が十分に進行せず、保護層の密着性に劣っていた。また、硬化を進行させるために腐食防止剤の使用量を減らすと、耐光性が昨今要求されるレベルに達しておらず、更なる向上が必要であった。
本発明者らが、特許文献1を参照して、腐食防止剤を含有する硬化性樹脂組成物を用いて銀反射層上に保護層(特許文献1での上部隣接層に該当)の形成を行ったところ、腐食防止剤の使用量が多い場合は、硬化性樹脂組成物の硬化が十分に進行せず、保護層の密着性に劣っていた。また、硬化を進行させるために腐食防止剤の使用量を減らすと、耐光性が昨今要求されるレベルに達しておらず、更なる向上が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、保護層の密着性に優れると共に、耐光性に優れる太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、銀反射層の表面上および/または表層に所定量の腐食防止剤を付与することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 光入射側から順に、保護層、銀反射層、および樹脂基材を少なくとも有し、銀反射層の保護層側の表面および表層の少なくともいずれか一方に腐食防止剤を有し、腐食防止剤の含有量が0.1〜10mg/m2である、太陽光集光用フィルムミラー。
(2) 保護層中に紫外線吸収剤が含まれる、(1)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(3) 保護層の厚みが10〜500μmである、(1)または(2)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(4) 腐食防止剤が、後述する式(F)で表される化合物、後述する式(I)で表される化合物、および、後述する式(J)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(5) 腐食防止剤が、ピリミジン骨格を有する化合物、および、テトラゾール骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(6) 腐食防止剤が、式(K)で表されるピリミジン化合物および式(L)で表されるテトラゾール化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(5)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(7) 銀反射層内部に、腐食防止剤が含有される、(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって、銀反射層付き樹脂基材の銀反射層上に腐食防止剤を付与する工程(1)と、腐食防止剤が付与された銀反射層上に保護層を形成する工程(2)とを備える、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(9) 腐食防止剤を付与する工程(1)が、銀反射層上に腐食防止剤を塗布する工程、または、銀反射層付き樹脂基材を腐食防止剤に浸漬する工程である、(8)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(10) 工程(1)の後で工程(2)の前に、溶媒で洗浄する工程(3)をさらに備える、(8)または(9)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(2) 保護層中に紫外線吸収剤が含まれる、(1)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(3) 保護層の厚みが10〜500μmである、(1)または(2)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(4) 腐食防止剤が、後述する式(F)で表される化合物、後述する式(I)で表される化合物、および、後述する式(J)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(5) 腐食防止剤が、ピリミジン骨格を有する化合物、および、テトラゾール骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(6) 腐食防止剤が、式(K)で表されるピリミジン化合物および式(L)で表されるテトラゾール化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(5)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(7) 銀反射層内部に、腐食防止剤が含有される、(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって、銀反射層付き樹脂基材の銀反射層上に腐食防止剤を付与する工程(1)と、腐食防止剤が付与された銀反射層上に保護層を形成する工程(2)とを備える、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(9) 腐食防止剤を付与する工程(1)が、銀反射層上に腐食防止剤を塗布する工程、または、銀反射層付き樹脂基材を腐食防止剤に浸漬する工程である、(8)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
(10) 工程(1)の後で工程(2)の前に、溶媒で洗浄する工程(3)をさらに備える、(8)または(9)に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
本発明によれば、保護層の密着性に優れると共に、耐光性に優れる太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の太陽光集光用フィルムミラーおよびその製造方法の好適実施態様について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の特徴点の一つとしては、銀反射層がその表面および/または表層に所定量の腐食防止剤を有する点が挙げられる。腐食防止剤が銀反射層表面上および表層中の少なくとも一方にあることにより、銀反射層の腐食がより抑制され、耐光性が向上する。また、腐食防止剤の使用量を所定量とすることにより、保護層と銀反射層との密着性の向上を図っている。特に、本発明においては、保護層を硬化性樹脂組成物で形成する際にも、硬化反応の阻害が生じにくく、密着性に優れる保護層が形成される。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の特徴点の一つとしては、銀反射層がその表面および/または表層に所定量の腐食防止剤を有する点が挙げられる。腐食防止剤が銀反射層表面上および表層中の少なくとも一方にあることにより、銀反射層の腐食がより抑制され、耐光性が向上する。また、腐食防止剤の使用量を所定量とすることにより、保護層と銀反射層との密着性の向上を図っている。特に、本発明においては、保護層を硬化性樹脂組成物で形成する際にも、硬化反応の阻害が生じにくく、密着性に優れる保護層が形成される。
<第1の実施形態>
以下に、本発明の太陽光集光用フィルムミラー(以後、単に「フィルムミラー」とも称する)の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明のフィルムミラーの一実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー10は、樹脂基材12と、銀反射層14と、腐食防止剤16と、保護層18とをこの順で有する。太陽光などの光は、保護層18側から入射されて、銀反射層14表面上で反射する。なお、樹脂基材12と銀反射層14とは、銀反射層付き樹脂基材20を構成する。
以下に、フィルムミラー10を構成する各層について詳述する。
以下に、本発明の太陽光集光用フィルムミラー(以後、単に「フィルムミラー」とも称する)の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明のフィルムミラーの一実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー10は、樹脂基材12と、銀反射層14と、腐食防止剤16と、保護層18とをこの順で有する。太陽光などの光は、保護層18側から入射されて、銀反射層14表面上で反射する。なお、樹脂基材12と銀反射層14とは、銀反射層付き樹脂基材20を構成する。
以下に、フィルムミラー10を構成する各層について詳述する。
[樹脂基材]
樹脂基材12は、フィルムミラー10にフレキシブル性を付与する基材であり、銀反射層14や保護層18などを支持する樹脂基材であればその種類は特に制限されない。
樹脂基材12を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、フィルムミラーの耐候性が高い理由から、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂基材12は、フィルムミラー10にフレキシブル性を付与する基材であり、銀反射層14や保護層18などを支持する樹脂基材であればその種類は特に制限されない。
樹脂基材12を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、フィルムミラーの耐候性が高い理由から、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂基材12の形状は平面状であるが、その形状は図1の形態に特に限定されず、例えば、凹面、凸面などのいずれであってもよい。
樹脂基材12の厚さはその形状によっても左右されるため特に限定されないが、図1に示すように樹脂基材12が平板状である場合は、通常、25〜300μmであるのが好ましい。
樹脂基材12の厚さはその形状によっても左右されるため特に限定されないが、図1に示すように樹脂基材12が平板状である場合は、通常、25〜300μmであるのが好ましい。
[銀反射層]
銀反射層14は、上記樹脂基材12上に設けられる層であり、入射される光を反射する機能を有する。
銀反射層14には、銀原子が主成分として含まれる。なお、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分のうち最も含有量が多い成分を意図する。より具体的には、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分中、90質量%以上である態様が好ましい。
銀反射層14には、反射特性に影響がない程度に銀以外の他の金属が含まれていてもよく、他の金属としては、例えば、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウムなどが挙げられる。
なお、後述するように、銀反射層14表層には、腐食防止剤が含まれていてもよい。詳細については、後述する。
銀反射層14は、上記樹脂基材12上に設けられる層であり、入射される光を反射する機能を有する。
銀反射層14には、銀原子が主成分として含まれる。なお、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分のうち最も含有量が多い成分を意図する。より具体的には、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分中、90質量%以上である態様が好ましい。
銀反射層14には、反射特性に影響がない程度に銀以外の他の金属が含まれていてもよく、他の金属としては、例えば、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウムなどが挙げられる。
なお、後述するように、銀反射層14表層には、腐食防止剤が含まれていてもよい。詳細については、後述する。
銀反射層14の厚さは特に限定されないが、反射率の観点から、50〜500nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。
銀反射層14の形成方法は特に限定されず、湿式法および乾式法のいずれも採用することができる。
湿式法としては、例えば、いわゆる金属めっき法(無電解めっき、または、電気めっき)として公知の方法が挙げられる。
また、乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
湿式法としては、例えば、いわゆる金属めっき法(無電解めっき、または、電気めっき)として公知の方法が挙げられる。
また、乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
[腐食防止剤]
腐食防止剤16は、銀反射層14の表面上に所定量付着され、銀反射層14の腐食を抑制する機能を有する。
図1においては、腐食防止剤16は銀反射層14の表面全面にわたって層状に形成されているが、この態様には限定されず、後述する付着量を満たしていれば、銀反射層14の表面上の少なくとも一部に分布する形態であってもよい。より具体的には、図3(A)に示すように、銀反射層14の表面上の少なくとも一部に島状に分布していてもよい。また、銀反射層14の表面上に、腐食防止剤が付着していない島状部を有する連続層を構成していてもよい。
さらに、銀反射層14表面に凹凸がある場合でも、腐食防止剤が後述する範囲内であればよい。例えば、図3(B)に示すように、銀反射層14表面の凹凸の凹部に腐食防止剤が付着する態様であってもよく、逆に、凸部に腐食防止剤が付着する態様であってもよい。また、腐食防止剤が層状に配置される場合は、いわゆる単分子層であってもよい。
ここで、「腐食」とは、銀がそれをとり囲む環境物質によって、化学的若しくは電気化学的に浸食されるか、または、材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
腐食防止剤16は、銀反射層14の表面上に所定量付着され、銀反射層14の腐食を抑制する機能を有する。
図1においては、腐食防止剤16は銀反射層14の表面全面にわたって層状に形成されているが、この態様には限定されず、後述する付着量を満たしていれば、銀反射層14の表面上の少なくとも一部に分布する形態であってもよい。より具体的には、図3(A)に示すように、銀反射層14の表面上の少なくとも一部に島状に分布していてもよい。また、銀反射層14の表面上に、腐食防止剤が付着していない島状部を有する連続層を構成していてもよい。
さらに、銀反射層14表面に凹凸がある場合でも、腐食防止剤が後述する範囲内であればよい。例えば、図3(B)に示すように、銀反射層14表面の凹凸の凹部に腐食防止剤が付着する態様であってもよく、逆に、凸部に腐食防止剤が付着する態様であってもよい。また、腐食防止剤が層状に配置される場合は、いわゆる単分子層であってもよい。
ここで、「腐食」とは、銀がそれをとり囲む環境物質によって、化学的若しくは電気化学的に浸食されるか、または、材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
図1においては、銀反射層14の表面上に腐食防止剤16が配置された態様を記載したがこの態様には限定されず、図4に示すように銀反射層14の表層14aに腐食防止剤が含まれる態様であってもよい。より具体的には、図4に示す銀反射層14の表層14aには、上述した銀反射層14を構成する成分(例えば、銀)と、腐食防止剤とが混合して存在する。混合状態は特に制限されず、例えば、表層14a中に粒状の銀が充填した状態で含まれ、その粒状の銀間の隙間に腐食防止剤が含まれる態様が挙げられる。
上記表層14aとは、銀反射層14の保護層18側の表面上から深さ方向50nmの位置までの領域を意図する。なお、表層14aに腐食防止剤が含まれる場合、銀反射層の表面反射特性がより優れる点で、腐食防止剤が銀反射層14の保護層18側の表面上から深さ方向30nmの位置までの領域のみに存在することが好ましい。
上記表層14aとは、銀反射層14の保護層18側の表面上から深さ方向50nmの位置までの領域を意図する。なお、表層14aに腐食防止剤が含まれる場合、銀反射層の表面反射特性がより優れる点で、腐食防止剤が銀反射層14の保護層18側の表面上から深さ方向30nmの位置までの領域のみに存在することが好ましい。
腐食防止剤16は、上述したように、銀反射層14の表面および表層の少なくともいずれか一方にある。つまり、腐食防止剤は、銀反射層14の表面または表層の一方のみに存在してもよく、銀反射層14の表面上および表層中の両方に存在していてもよい。なお、銀反射層14の表層に腐食防止剤が存在するとは、銀反射層14の内部に存在することを意図する。
腐食防止剤の含有量は、0.1〜10mg/m2である。なかでも、保護層18の密着性およびフィルムミラーの耐光性がより優れたバランスで両立できる点で、0.3〜8.0mg/m2が好ましく、0.5〜6.0mg/m2がより好ましい。ここで、腐食防止剤の含有量とは、銀反射層14の表面および表層の両方のある腐食防止剤の合計量を意図する。例えば、腐食防止剤が銀反射層14の表面上にのみある場合は、表面上の腐食防止剤の量(付着量)が上記範囲内であればよい。また、腐食防止剤が銀反射層14の表面および表層の両方にある場合は、表面上の腐食防止剤の量および表層中の腐食防止剤の量の合計量が上記範囲内であればよい。
なお、腐食防止剤16の量の測定方法は、25%塩酸などの酸溶液などで表面および/または表層の腐食防止剤を溶出してUV−Vis吸収スペクトルの吸光度によって測定する方法や、XPSなど表面元素解析を行う方法で測定することができる。また、mg/m2は、銀反射層表面の単位面積(m2)当たりの腐食防止剤の付着量を表している。腐食防止剤が銀反射層の表層に含まれる場合は、表層を銀反射層の保護層側の表面に対する垂直方向から投影したときの投影平面図の単位面積(m2)当たりに含まれる腐食防止剤の量を表す。
腐食防止剤の含有量は、0.1〜10mg/m2である。なかでも、保護層18の密着性およびフィルムミラーの耐光性がより優れたバランスで両立できる点で、0.3〜8.0mg/m2が好ましく、0.5〜6.0mg/m2がより好ましい。ここで、腐食防止剤の含有量とは、銀反射層14の表面および表層の両方のある腐食防止剤の合計量を意図する。例えば、腐食防止剤が銀反射層14の表面上にのみある場合は、表面上の腐食防止剤の量(付着量)が上記範囲内であればよい。また、腐食防止剤が銀反射層14の表面および表層の両方にある場合は、表面上の腐食防止剤の量および表層中の腐食防止剤の量の合計量が上記範囲内であればよい。
なお、腐食防止剤16の量の測定方法は、25%塩酸などの酸溶液などで表面および/または表層の腐食防止剤を溶出してUV−Vis吸収スペクトルの吸光度によって測定する方法や、XPSなど表面元素解析を行う方法で測定することができる。また、mg/m2は、銀反射層表面の単位面積(m2)当たりの腐食防止剤の付着量を表している。腐食防止剤が銀反射層の表層に含まれる場合は、表層を銀反射層の保護層側の表面に対する垂直方向から投影したときの投影平面図の単位面積(m2)当たりに含まれる腐食防止剤の量を表す。
腐食防止剤16の種類は特に制限されず、銀の腐食を抑制できる化合物であればよく、なかでも、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。
銀に対する吸着性基(例えば、アミノ基、複素環基などの窒素含有基、メルカプト基、S=C<などの硫黄含有基)を有する腐食防止剤としては、例えば、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、ピリジン環を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、チオエーテル類(スルフィド結合を有する物)、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。ベンゾトリアゾール等の化合物においては、紫外線吸収剤が腐食防止剤を兼ねる場合もある。また、シリコーン変性樹脂を用いることも可能である。シリコーン変性樹脂として特に限定されない。
なかでも、ピリミジン骨格を有する化合物(好ましくは、後述する式(K)で表される化合物)、および、テトラゾール骨格を有する化合物(好ましくは、後述する式(L)で表される化合物)を使用する場合は、フィルムミラーの反射率(初期反射率)がより優れると共に、耐湿熱性にもより優れる。
銀に対する吸着性基(例えば、アミノ基、複素環基などの窒素含有基、メルカプト基、S=C<などの硫黄含有基)を有する腐食防止剤としては、例えば、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、ピリジン環を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、チオエーテル類(スルフィド結合を有する物)、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。ベンゾトリアゾール等の化合物においては、紫外線吸収剤が腐食防止剤を兼ねる場合もある。また、シリコーン変性樹脂を用いることも可能である。シリコーン変性樹脂として特に限定されない。
なかでも、ピリミジン骨格を有する化合物(好ましくは、後述する式(K)で表される化合物)、および、テトラゾール骨格を有する化合物(好ましくは、後述する式(L)で表される化合物)を使用する場合は、フィルムミラーの反射率(初期反射率)がより優れると共に、耐湿熱性にもより優れる。
アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、o−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、またはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−2,5−ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。または、これらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、またはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、またはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、またはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2−エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、またはこれらの混合物が挙げられる。
チオエーテル類としては、3,3’−チオジプロピオン酸ジドデシル、3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオン酸]2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロピルオキシ]メチル]−1,3−プロパンジイル、テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド等、またはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
ピリジン環を有する化合物としては、ピリジン、アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、4,5,6−トリアミノピリジン、2−メルカプトピリジン、2,3−ピリジンジチオールまたはこれらの混合物が挙げられる。
ピリミジン骨格を有する化合物とは、ピリミジン構造を有する化合物であり、例えば、ピリミジン、2−アミノピリミジン、5−アミノピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,5−ジアミノピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2−メルカプトピリミジン、5−メルカプトピリミジン、2,4−ジメルカプトピリミジン、4,5−ジメルカプトピリミジン、2,4,6−トリメルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−アミノピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、4,5−ジアミノピリミジン−2,6−ジチオール、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−ピリミジンチオール、2−[N−(2,6−ジメルカプトピリミジン−4−イル)−N−メチルアミノ]酢酸2ナトリウム、2−[N−(4,6−ジメルカプトピリミジン−4−イル)−N−メチルアミノ]酢酸2ナトリウム、またはこれらの混合物が挙げられる。
テトラゾール骨格を有する化合物とは、テトラゾール構造を有する化合物であり、例えば、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−メルカプトテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−カルボキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、またはこれらの混合物が挙げられる。
なお、腐食防止剤のより具体的な例としては、例えば、以下の式(D)〜式(L)で表される化合物が挙げられる。
式(D)中、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えば、ピリジン−オキシド基)、イミド基(例えば、フタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えば、ベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えば、ピリジン−オキシド基)、イミド基(例えば、フタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えば、ベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(D)中、Qは、窒素原子またはCR46を表す。R46は、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、R46は、水素原子が好ましい。
なかでも、R46は、水素原子が好ましい。
式(E)中、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
なかでも、耐光性がより優れる点、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(F)中、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、およびメルカプト基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(G)中、R71〜R72は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R71〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、メルカプト基、およびアルキルスルフィド基からなる群から選ばれることが好ましい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R71〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基、メルカプト基、およびアルキルスルフィド基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(H)中、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
式(I)中、Aは、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。
Laは、アルキレン基、−S−、−CO−、−O−、または、これらを組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−S−アルキレン基−、−COO−アルキレン基)を表す。
nは、2〜4の整数を表す。
Laは、アルキレン基、−S−、−CO−、−O−、または、これらを組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−S−アルキレン基−、−COO−アルキレン基)を表す。
nは、2〜4の整数を表す。
式(J)中、R101およびR102は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R101は、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。R102は、水素原子、メルカプト基、アミノ基、およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
Lbは、アルキレン基を表す。
mは1〜5の整数を表し、lは0〜4の整数を表し、mとlはm+l=5の関係を満たす。
なかでも、耐光性がより優れる点で、R101は、水素原子およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。R102は、水素原子、メルカプト基、アミノ基、およびアルキル基からなる群から選ばれることが好ましい。
Lbは、アルキレン基を表す。
mは1〜5の整数を表し、lは0〜4の整数を表し、mとlはm+l=5の関係を満たす。
式(K)中、R111〜R114は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、得られるフィルムミラーの反射性および/または耐湿熱性がより優れる点で、R111、R112、およびR114は、それぞれ独立に、メルカプト基、アミノ基(第1級〜第3級のアミノ基を含む)、または、カルボキシル基が好ましく、R113は水素原子が好ましい。
なかでも、得られるフィルムミラーの反射性および/または耐湿熱性がより優れる点で、R111、R112、およびR114は、それぞれ独立に、メルカプト基、アミノ基(第1級〜第3級のアミノ基を含む)、または、カルボキシル基が好ましく、R113は水素原子が好ましい。
式(L)中、R121およびR122は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、式(D)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
なかでも、得られるフィルムミラーの反射性および/または耐湿熱性がより優れる点で、R121は、メルカプト基またはアミノ基が好ましく、R122は、フェニル基、メチルウレイドフェニル基、カルボキシフェニル基が好ましい。
なかでも、得られるフィルムミラーの反射性および/または耐湿熱性がより優れる点で、R121は、メルカプト基またはアミノ基が好ましく、R122は、フェニル基、メチルウレイドフェニル基、カルボキシフェニル基が好ましい。
腐食防止剤16の作製方法は特に制限されないが、好ましくは、上記銀反射層付き樹脂基材20の銀反射層14上に腐食防止剤を付与する工程(1)が実施される。腐食防止剤を銀反射層14上に付与すると、腐食防止剤が銀反射層14の表面と相互作用を形成して付着(吸着)する。特に、腐食防止剤が上述した銀に対する吸着性基を有する場合、吸着性基を介して銀反射層14の表面上に強固に付着(吸着)する。また、銀反射層14の表層中に間隙がある場合は、その間隙に腐食防止剤が含まれることになる。
銀反射層14への腐食防止剤の付与の方法は特に制限されず、例えば、腐食防止剤を直接銀反射層14と接触させる方法や、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物を銀反射層14と接触させる方法が挙げられる。接触方法としては、銀反射層14上に腐食防止剤(または組成物)を塗布する方法や、腐食防止剤(または組成物)中に銀反射層付き樹脂基材20を浸漬する方法が挙げられる。
接触条件は、上述した腐食防止剤の含有量(付着量)となれば特に制限されない。なかでも、生産性の点から、10〜50℃の条件下で、0.2〜60分間接触させることが好ましい。
銀反射層14への腐食防止剤の付与の方法は特に制限されず、例えば、腐食防止剤を直接銀反射層14と接触させる方法や、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物を銀反射層14と接触させる方法が挙げられる。接触方法としては、銀反射層14上に腐食防止剤(または組成物)を塗布する方法や、腐食防止剤(または組成物)中に銀反射層付き樹脂基材20を浸漬する方法が挙げられる。
接触条件は、上述した腐食防止剤の含有量(付着量)となれば特に制限されない。なかでも、生産性の点から、10〜50℃の条件下で、0.2〜60分間接触させることが好ましい。
なお、組成物中に使用される溶媒の種類は特に制限されず、腐食防止剤を溶解させる溶媒であることが好ましい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、この他にも、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、アミン系溶媒、チオール系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
また、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物中における腐食防止剤の含有量は特に制限されない。なかでも、効率よく腐食防止剤を銀反射層14表面上に付与できる点で、溶媒100質量部に対して、腐食防止剤の含有量が0.0001〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
また、腐食防止剤と溶媒とを含む組成物中における腐食防止剤の含有量は特に制限されない。なかでも、効率よく腐食防止剤を銀反射層14表面上に付与できる点で、溶媒100質量部に対して、腐食防止剤の含有量が0.0001〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
また、上記工程(1)の後で後述する工程(2)の前に、必要に応じて、工程(1)で得られた腐食防止剤16を有する銀反射層付き樹脂基材20を溶媒で洗浄する工程(3)を実施してもよい。工程(3)を実施することにより、余分な腐食防止剤を除去することができ、保護層18の密着性がより向上する。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、腐食防止剤の種類に応じて選択される。例えば、上述した組成物中で使用される溶媒が挙げられる。なかでも、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(MEK、アセトンなど)、シクロヘキサノンまたはその混合溶媒がより好ましい。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、腐食防止剤の種類に応じて選択される。例えば、上述した組成物中で使用される溶媒が挙げられる。なかでも、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(MEK、アセトンなど)、シクロヘキサノンまたはその混合溶媒がより好ましい。
溶媒で洗浄する方法は特に制限されず、腐食防止剤16を有する銀反射層付き樹脂基材20上に溶媒を塗布する方法や、腐食防止剤16を有する銀反射層付き樹脂基材20を溶媒中に浸漬する方法が挙げられる。
洗浄条件は特に制限されないが、より効率よく余分な腐食防止剤を除去できる点で、10〜50℃の溶媒と0.1〜5分間接触させることが好ましい。
洗浄条件は特に制限されないが、より効率よく余分な腐食防止剤を除去できる点で、10〜50℃の溶媒と0.1〜5分間接触させることが好ましい。
[保護層]
保護層18は、銀反射層14上に配置される層であり、通常、図に示すようにフィルムミラー10の最表層に配置され、フィルムミラー10の表面の耐傷性、防汚性を高めるために設けられる。
保護層18を構成する材料は特に制限されず、光を透過する透明性を有していればよい。例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどが挙げられ、なかでも、フレキシブル性に優れる点で樹脂が好ましい。言い換えれば、保護層18は樹脂層(樹脂保護層)であることが好ましい。特に、硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を含む組成物)より形成される樹脂保護層であることがより好ましい。
また、保護層18は、材料の異なる複数(2層以上)の層からなる積層体であってもよい。
保護層18は、銀反射層14上に配置される層であり、通常、図に示すようにフィルムミラー10の最表層に配置され、フィルムミラー10の表面の耐傷性、防汚性を高めるために設けられる。
保護層18を構成する材料は特に制限されず、光を透過する透明性を有していればよい。例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどが挙げられ、なかでも、フレキシブル性に優れる点で樹脂が好ましい。言い換えれば、保護層18は樹脂層(樹脂保護層)であることが好ましい。特に、硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を含む組成物)より形成される樹脂保護層であることがより好ましい。
また、保護層18は、材料の異なる複数(2層以上)の層からなる積層体であってもよい。
保護層18は樹脂フィルムであってもよく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムなどを挙げることができる。
なかでも、耐候性の観点から、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルムなどが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムが好ましく、PMMAフィルムがより好ましい。
なかでも、耐候性の観点から、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルムなどが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムが好ましく、PMMAフィルムがより好ましい。
保護層18の形成に使用される硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂(例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂など)、または、光硬化性樹脂(例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂など)が挙げられる。
または、保護層18に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなどが挙げられる。
または、保護層18に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなどが挙げられる。
保護層18の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、1〜500μmが好ましく、3〜200μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。
また、腐食防止剤が付与された銀反射層上に保護層を形成する工程(2)の方法は特に限定されないが、例えば、所定の保護層を腐食防止剤16が付与された銀反射層14上に貼り合わせる方法や、上述した硬化性樹脂組成物を腐食防止剤16が付与された銀反射層14上に塗布した後、紫外線照射による光硬化や加熱による加熱硬化する方法等が挙げられる。
保護層18には、腐食防止剤が実質的に含まれないことが好ましい。特に、保護層が硬化性樹脂組成物により形成される場合、腐食防止剤が含まれると硬化が阻害されるおそれがある。
なお、実質的に含まれないとは、保護層18全質量に対して、腐食防止剤の含有量が0.02質量%以下であることを意図し、0.01質量%以下であることが好ましい。
なお、実質的に含まれないとは、保護層18全質量に対して、腐食防止剤の含有量が0.02質量%以下であることを意図し、0.01質量%以下であることが好ましい。
保護層18には、紫外線吸収剤が含まれていてもよい。紫外線吸収剤が含まれることにより、フィルムミラーの耐光性がより向上する。
紫外線吸収剤の種類は特に制限されないが、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系などが挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などが挙げられる。なお、紫外線吸収剤を多量に含有させた際にブリードアウトしてしまうという問題を低減するためには、分子量1000以上の紫外線吸収剤(高分子型紫外線吸収剤)を用いることが好ましい。好ましくは、分子量1000以上、3000以下である。
紫外線吸収剤の種類は特に制限されないが、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系などが挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などが挙げられる。なお、紫外線吸収剤を多量に含有させた際にブリードアウトしてしまうという問題を低減するためには、分子量1000以上の紫外線吸収剤(高分子型紫外線吸収剤)を用いることが好ましい。好ましくは、分子量1000以上、3000以下である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(チヌビン1577FF、商品名、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)、〔2−[4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(CYASORB UV−1164、商品名、サイテックインダストリーズ製)等が挙げられる。
また、上記ベンゾエート系紫外線吸収剤の例としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;市販品の例としては住友化学株式会社のSumisorb400)などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤または着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
紫外線吸収剤の保護層18中での含有量は特に制限されないが、耐光性および保護層18の密着性の点から、保護層18全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
[フィルムミラー]
フィルムミラー10は、太陽光を集光する目的(太陽光集光用)において、好ましく使用できる。つまり、太陽電池や太陽熱発電などの太陽光用部材として好適に使用できる。
フィルムミラー10は、太陽光を集光する目的(太陽光集光用)において、好ましく使用できる。つまり、太陽電池や太陽熱発電などの太陽光用部材として好適に使用できる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態について図面を参照して説明する。図2に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー100は、樹脂基材12と、プライマー層22と、銀反射層14と、腐食防止剤16と、保護層18とをこの順で有する。
図2に示すフィルムミラー100は、プライマー層22を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主としてプライマー層22について詳述する。
以下に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態について図面を参照して説明する。図2に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー100は、樹脂基材12と、プライマー層22と、銀反射層14と、腐食防止剤16と、保護層18とをこの順で有する。
図2に示すフィルムミラー100は、プライマー層22を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主としてプライマー層22について詳述する。
[プライマー層]
プライマー層22は、樹脂基材12と銀反射層14との間に配置される層であり、両者の密着性を高める層である。
プライマー層22は、金属(特に、銀)と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である。
以下では、まず、使用されるポリマーについて詳述し、その後層形成の手順について詳述する。
プライマー層22は、樹脂基材12と銀反射層14との間に配置される層であり、両者の密着性を高める層である。
プライマー層22は、金属(特に、銀)と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である。
以下では、まず、使用されるポリマーについて詳述し、その後層形成の手順について詳述する。
(金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマー)
ポリマーには、金属と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)および重合性基が含まれる。相互作用性基は、上述した銀反射層14と相互作用する基であり、銀反射層14とプライマー層22との密着性を高める役割を果たす。重合性基は、後述する加熱処理および/または光照射処理を施すことにより、架橋反応が進行し、プライマー層22の強度を高めると共に、その一部が樹脂基材12と反応して樹脂基材12とプライマー層22との密着性を高める役割を果たす。
ポリマーには、金属と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)および重合性基が含まれる。相互作用性基は、上述した銀反射層14と相互作用する基であり、銀反射層14とプライマー層22との密着性を高める役割を果たす。重合性基は、後述する加熱処理および/または光照射処理を施すことにより、架橋反応が進行し、プライマー層22の強度を高めると共に、その一部が樹脂基材12と反応して樹脂基材12とプライマー層22との密着性を高める役割を果たす。
重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと樹脂基材12との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、なかでも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がより好ましく、耐アルカリ性の観点から、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がさらに好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、なかでも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がより好ましく、耐アルカリ性の観点から、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がさらに好ましい。
相互作用性基は、金属と相互作用を形成する基であればその種類は特に制限されず、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホン酸塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフェート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、金属への吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基またはシアノ基などの非解離性官能基がより好ましい。
なかでも、極性が高く、金属への吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基またはシアノ基などの非解離性官能基がより好ましい。
ポリマーの合成がより容易で、銀反射層14の密着性がより向上する点で、ポリマー中には以下の式(1)で表されるユニット(繰り返し単位)、および、式(2)で表されるユニットが含まれることが好ましい。
式(1)中、R10は、水素またはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)を表す。
式(1)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜5)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、またはブチレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
式(1)中、R11は、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
なお、ポリマー中においては、R11で表される相互作用性基の種類が異なる2種以上の式(1)で表されるユニットが含まれていてもよい。例えば、R11がイオン性極性基である式(1)で表されるユニットと、R11が非解離性官能基である式(2)で表されるユニットとが、ポリマー中に含まれていてもよい。
式(1)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜5)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、またはブチレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
式(1)中、R11は、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
なお、ポリマー中においては、R11で表される相互作用性基の種類が異なる2種以上の式(1)で表されるユニットが含まれていてもよい。例えば、R11がイオン性極性基である式(1)で表されるユニットと、R11が非解離性官能基である式(2)で表されるユニットとが、ポリマー中に含まれていてもよい。
式(2)中、R12〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
R12〜R15が、置換または無置換のアルキル基である場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
R12〜R15が、置換または無置換のアルキル基である場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R12としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R13としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R14としては、水素原子が好ましい。R15としては、水素原子が好ましい。
式(2)中、L3は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上記式(1)中のL2中の連結基の定義と同義である。
ポリマーの最好適範囲としては、式(A)で表されるユニットと、式(B)で表されるユニットと、式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、などが挙げられる。
上記式(A)〜(C)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表す。X、Y、Z、およびUは、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。L4、L5、およびL6は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。Wは、非解離性の相互作用性基(非解離性官能基)を表す。Vは、イオン性極性基を表す。連結基の定義は、上述の通りである。
式(A)で表されるユニットにおいて、YおよびZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(−C6H4−)が好ましい。L4は、炭素数1〜10の置換または無置換の2価の有機基(特に、炭化水素基)であることが好ましい。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wは、シアノ基またはエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL5は、いずれも単結合であることが好ましい。
式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、さらに、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。さらに、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
式(A)で表されるユニットにおいて、YおよびZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(−C6H4−)が好ましい。L4は、炭素数1〜10の置換または無置換の2価の有機基(特に、炭化水素基)であることが好ましい。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wは、シアノ基またはエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL5は、いずれも単結合であることが好ましい。
式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、さらに、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。さらに、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
式(A)〜式(C)で表されるユニットの含有量は、以下の範囲が好ましい。
即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
この範囲にて、加熱処理または光照射処理によるポリマーの重合性の向上、プライマー層22の抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上などが達成される。
即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
この範囲にて、加熱処理または光照射処理によるポリマーの重合性の向上、プライマー層22の抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上などが達成される。
上記ポリマーを含む層の形成方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記ポリマーを含む層形成用組成物を樹脂基材12上に塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して層を形成する方法が挙げられる。
上記ポリマーを含む層には、加熱処理および/または光照射処理が施される。上記ポリマーを含む層に実施される処理は、加熱処理および光照射処理の一方のみが実施されても、両者が実施されてもよい。また、両者の処理を実施する場合、別々の工程で実施してもよいし、同時に実施してもよい。
これらの処理を実施することにより、重合性基が活性化され、重合性基間および重合性基と樹脂基材12との間で反応が進行し、樹脂基材12とプライマー層22との密着性が向上する。
これらの処理を実施することにより、重合性基が活性化され、重合性基間および重合性基と樹脂基材12との間で反応が進行し、樹脂基材12とプライマー層22との密着性が向上する。
加熱処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層22の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、60〜150℃(好ましくは、80〜120℃)で0.1〜3時間(好ましくは、0.5〜2時間)処理することが好ましい。
光照射処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層22の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
光照射処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層22の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
プライマー層22の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、0.05〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。
第2の実施形態において、プライマー層22上に銀反射層14を形成する際には、プライマー層22にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対して銀めっき処理を実施するめっき工程とを実施することが好ましい。これらの工程を実施することにより形成された銀反射層14はプライマー層22との密着性がより優れる。つまり、プライマー層22が、めっき下塗り層として機能する。
以下に、それぞれの工程の手順について詳述する。
以下に、それぞれの工程の手順について詳述する。
(触媒付与工程)
触媒付与工程は、プライマー層22にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。本工程においては、プライマー層22に相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を吸着する。例えば、めっき触媒前駆体として金属イオンを使用した場合は、金属イオンがプライマー層22に吸着する。
めっき触媒またはその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっきの触媒や、めっきの電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっきの種類により決定される。
以下に、使用されるめっき触媒またはその前駆体について詳述する。
触媒付与工程は、プライマー層22にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。本工程においては、プライマー層22に相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を吸着する。例えば、めっき触媒前駆体として金属イオンを使用した場合は、金属イオンがプライマー層22に吸着する。
めっき触媒またはその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっきの触媒や、めっきの電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっきの種類により決定される。
以下に、使用されるめっき触媒またはその前駆体について詳述する。
無電解めっき触媒としては、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができる。具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、触媒能の高さから、Pdが特に好ましい。
無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンをプライマー層22へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いてプライマー層22に付与されることが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)Pd(OAc)n(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いてプライマー層22に付与されることが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)Pd(OAc)n(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
なお、無電解めっき触媒前駆体をめっき工程の前に還元させる場合、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と還元剤を活性化するためのpH調整剤が含有される場合が多い。
液全体に対する還元剤の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
液全体に対する還元剤の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
なお、めっき触媒として、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒を使用してもよい。このような触媒としては、例えば、0価金属が挙げられ、より具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、相互作用性基に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
めっき触媒またはその前駆体をプライマー層22に付与する方法としては、これらを含む溶液(例えば、金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、その分散液若しくは溶液をプライマー層22上に塗布するか、または、その分散液若しくは溶液中にプライマー層22が形成された樹脂基材12を浸漬すればよい。
(めっき工程)
めっき工程は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対し、銀めっき処理を施すことで、銀反射層14を形成する工程である。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっきが挙げられ、上記触媒付与工程でプライマー層22に付与されためっき触媒またはその前駆体の機能によって、適宜選択することができる。つまり、本工程では、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
めっき工程は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対し、銀めっき処理を施すことで、銀反射層14を形成する工程である。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっきが挙げられ、上記触媒付与工程でプライマー層22に付与されためっき触媒またはその前駆体の機能によって、適宜選択することができる。つまり、本工程では、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
無電解めっきとは、銀イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって銀を析出させる操作のことをいう。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与されたプライマー層22を備える樹脂基材12を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与されたプライマー層22を備える樹脂基材12を、無電解めっき触媒前駆体がプライマー層22に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を洗浄して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬することが好ましい。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与されたプライマー層22を備える樹脂基材12を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与されたプライマー層22を備える樹脂基材12を、無電解めっき触媒前駆体がプライマー層22に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を洗浄して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬することが好ましい。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
本工程おいては、付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層22に対して、電気めっきを行うことができる。
電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成された銀めっき膜を電極とし、さらに、電気めっきを行ってもよい。
なお、めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。
電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成された銀めっき膜を電極とし、さらに、電気めっきを行ってもよい。
なお、めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例A>
<実施例1>
PET支持体(PETフィルム)(A4300、東洋紡社製)上に、以下の式で表されるアクリルポリマーを含む溶液を、厚さ0.5μmになるようにスピンコート法により塗布し、80℃にて5分乾燥して塗膜を得た。
<実施例1>
PET支持体(PETフィルム)(A4300、東洋紡社製)上に、以下の式で表されるアクリルポリマーを含む溶液を、厚さ0.5μmになるようにスピンコート法により塗布し、80℃にて5分乾燥して塗膜を得た。
なお、上記式で表されるアクリルポリマーの合成方法は以下の通りである。
(合成例)
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル相を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル相を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
(合成例)
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル相を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル相を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド8gを入れ、窒素気流下65℃まで加熱した。そこへ、上記で得たモノマーM1:14.3g、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)3.0g、アクリル酸(東京化成製)6.5g、V−65(和光純薬製)0.4gのN,N−ジメチルアセトアミド8g溶液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド41gを足し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.09g、DBU54.8gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液54gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、上記式で表されるアクリルポリマー(重量平均分子量5.3万)を12g得た。
また、上記式で表されるアクリルポリマーを含む溶液の調製法は以下の通りである。
上記式で表されるアクリルポリマー(7質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(74質量部)、水(19質量部)の割合で混合し、さらにこの混合溶液に対して、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加して、攪拌混合した。
上記式で表されるアクリルポリマー(7質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(74質量部)、水(19質量部)の割合で混合し、さらにこの混合溶液に対して、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加して、攪拌混合した。
その後、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、上記で得られた塗膜に対して254nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(厚み:500nm)を製造した。
得られたプライマー層付きPET支持体(プライマー層付き樹脂基材)を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、その後さらに純水で洗浄した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層に無電解めっき触媒前駆体(銀イオン)を付与した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を、40mmol/LのNaOHと2.2重量%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液(pH12)(還元剤に該当)に浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層中に銀を付与した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層に無電解めっき触媒前駆体(銀イオン)を付与した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を、40mmol/LのNaOHと2.2重量%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液(pH12)(還元剤に該当)に浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層中に銀を付与した。
次に、還元銀が付与されたプライマー層に対して、以下の電気めっき処理を行い、銀反射層(厚み:100nm)を製造した。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。還元銀を表面にもつプライマー層付き樹脂基材を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて20秒間めっきし、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
電気めっき後処理として、めっき後のプライマー層付き樹脂基材を、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。こうして、銀反射層付き樹脂基材を得た。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。還元銀を表面にもつプライマー層付き樹脂基材を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて20秒間めっきし、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
電気めっき後処理として、めっき後のプライマー層付き樹脂基材を、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。こうして、銀反射層付き樹脂基材を得た。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールが溶解した溶液(溶媒:水)中に、室温環境下、銀反射層付き樹脂基材を3分間浸漬した(浸漬処理)。なお、溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量は、溶液全量に対して、0.1質量%であった。
浸漬後、水を用いて、銀反射層付き樹脂基材の銀反射層表面を洗浄した(洗浄処理)。
なお、洗浄後の腐食防止剤の付着量を、25%HClを用いた方法により算出した。より具体的には、腐食防止剤が付与された銀反射層付き樹脂基材を25%HClに浸漬して腐食防止剤を溶出し、UV−3100(島津製作所社)でUV吸収スペクトルを測定することにより、付着量を算出した。結果を表1に示す。
浸漬後、水を用いて、銀反射層付き樹脂基材の銀反射層表面を洗浄した(洗浄処理)。
なお、洗浄後の腐食防止剤の付着量を、25%HClを用いた方法により算出した。より具体的には、腐食防止剤が付与された銀反射層付き樹脂基材を25%HClに浸漬して腐食防止剤を溶出し、UV−3100(島津製作所社)でUV吸収スペクトルを測定することにより、付着量を算出した。結果を表1に示す。
塗布液を以下の条件で調製した。腐食防止剤が付与された銀反射層表面上に以下のOC塗布液(保護層形成用組成物)を塗布バーで塗布し、80℃で1分乾燥後、紫外線照射して硬化させ、約20μm厚さの保護層を形成した。
(OC塗布液(オーバーコート塗布液))(質量%)
ディフェンサ FH−700(DIC(株)製) 45.00
イソプロピルアルコール(IPA)分散シリカ IPA−ST、日産化学(株)製)
16.67
イソプロピルアルコール 38.33
(OC塗布液(オーバーコート塗布液))(質量%)
ディフェンサ FH−700(DIC(株)製) 45.00
イソプロピルアルコール(IPA)分散シリカ IPA−ST、日産化学(株)製)
16.67
イソプロピルアルコール 38.33
(密着性評価)
得られたフィルムミラーの保護層に対して、1mm間隔で縦横各11本ずつの素地面に達する切り傷をカッターで碁盤目状につけ、この保護層の上に粘着テープ(JIS K5400に準拠したセロテープ(登録商標))を貼って、引きはがした後の保護層の樹脂基材への付着状態を目視によって観察し、以下の基準にそって評価した。実用上、AまたはBであることが必要である。
「A」:剥がれなし
「B」:1〜74マス剥がれる場合
「C」:75マス以上剥がれる場合
得られたフィルムミラーの保護層に対して、1mm間隔で縦横各11本ずつの素地面に達する切り傷をカッターで碁盤目状につけ、この保護層の上に粘着テープ(JIS K5400に準拠したセロテープ(登録商標))を貼って、引きはがした後の保護層の樹脂基材への付着状態を目視によって観察し、以下の基準にそって評価した。実用上、AまたはBであることが必要である。
「A」:剥がれなし
「B」:1〜74マス剥がれる場合
「C」:75マス以上剥がれる場合
(耐光性評価)
得られたフィルムミラーについて、キセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55℃、湿度50%RHの条件下で500時間放置し、その際のフィルムミラーの450nmにおける反射率の低下(放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を評価した。なお、反射率は、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて測定した。
以下の基準に従って耐光性を評価した。耐光性の評価結果を第1表に示す。実用上、A〜Cであることが好ましい。
「A」:反射率の低下が3%未満
「B」:反射率の低下が3%以上5%未満
「C」:反射率の低下が5%以上10%未満
「D」:反射率の低下が10%以上
得られたフィルムミラーについて、キセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55℃、湿度50%RHの条件下で500時間放置し、その際のフィルムミラーの450nmにおける反射率の低下(放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を評価した。なお、反射率は、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて測定した。
以下の基準に従って耐光性を評価した。耐光性の評価結果を第1表に示す。実用上、A〜Cであることが好ましい。
「A」:反射率の低下が3%未満
「B」:反射率の低下が3%以上5%未満
「C」:反射率の低下が5%以上10%未満
「D」:反射率の低下が10%以上
<実施例2>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにベンゾトリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにベンゾトリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例3>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例4>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例5>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに5,6−ジメチルベンゾイミダゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに5,6−ジメチルベンゾイミダゾールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例6>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジチオールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジチオールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例7>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにテトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにテトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例8>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例9>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにチオ尿素を使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにチオ尿素を使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例10>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにグリコールジメルカプトアセテートを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにグリコールジメルカプトアセテートを使用した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例11>
UV吸収剤を使用しなかった以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
UV吸収剤を使用しなかった以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例12>
保護層の厚みを20μmから3μmに変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
保護層の厚みを20μmから3μmに変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例13>
保護層の厚みを20μmから10μmに変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
保護層の厚みを20μmから10μmに変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例14>
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、0.5質量%に、浸漬時間を15分間に変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、0.5質量%に、浸漬時間を15分間に変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例15>
浸漬処理後の洗浄処理を実施しなかった以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
浸漬処理後の洗浄処理を実施しなかった以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例16>
浸漬処理および洗浄処理の代わりに、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールが溶解した溶液を銀反射層付き樹脂基材の銀反射層上に塗布した(塗布処理)以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
浸漬処理および洗浄処理の代わりに、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールが溶解した溶液を銀反射層付き樹脂基材の銀反射層上に塗布した(塗布処理)以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例1>
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、0.01質量%に、浸漬時間を0.1分間に変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、0.01質量%に、浸漬時間を0.1分間に変更した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例2>
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、1.0質量%に変更した以外は、実施例16の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
溶液中における3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの含有量を、溶液全量に対して、1.0質量%に変更した以外は、実施例16の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例3>
浸漬処理、洗浄処理および保護層形成処理の代わりに、OC塗布液中に表1に記載の濃度で、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールを添加し保護層形成処理した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
浸漬処理、洗浄処理および保護層形成処理の代わりに、OC塗布液中に表1に記載の濃度で、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールを添加し保護層形成処理した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例4>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの使用量を0.03wt%から0.3wt%に変更した以外は、比較例3の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの使用量を0.03wt%から0.3wt%に変更した以外は、比較例3の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例5>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの使用量を0.03wt%から3.0wt%に変更した以外は、比較例3の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの使用量を0.03wt%から3.0wt%に変更した以外は、比較例3の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例6>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにテトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにテトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例7>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例8>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにベンゾイミダゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにベンゾイミダゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例9>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例10>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに5,6−ジメチルベンゾイミダゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに5,6−ジメチルベンゾイミダゾールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例11>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジチオールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジチオールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例12>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりに2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例13>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにチオ尿素を使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにチオ尿素を使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例14>
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにグリコールジメルカプトアセテートを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの代わりにグリコールジメルカプトアセテートを使用した以外は、比較例5の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例15>
浸漬処理および洗浄処理を実施せずに、保護層を形成した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
得られたフィルムミラーには、腐食防止剤が含まれていない。
浸漬処理および洗浄処理を実施せずに、保護層を形成した以外は、実施例1の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
得られたフィルムミラーには、腐食防止剤が含まれていない。
表1中、「付着量」は、実施例1〜実施例16および比較例1〜比較例2では、銀反射層表面および表層における腐食防止剤の合計量を示し、比較例3〜比較例15では、保護層中での腐食防止剤の量(mg/m2)と保護層中での腐食防止剤の含有率(wt%)とを示す。
表1中、「吸着方式」において、「浸漬」は浸漬処理を意図し、「洗浄」は洗浄処理を意図し、「塗布」は塗布処理を意図し、「練り込み」は腐食防止剤を保護層に分散させた処理を意図する。
表1中、「吸着方式」において、「浸漬」は浸漬処理を意図し、「洗浄」は洗浄処理を意図し、「塗布」は塗布処理を意図し、「練り込み」は腐食防止剤を保護層に分散させた処理を意図する。
表1に示すように、本発明のフィルムミラーにおいては優れた耐光性を示すと共に、保護層が優れた密着性を示す。
なかでも、実施例4、7および8に示すように、式(F)、式(I)または式(J)で表される化合物を使用すると、耐光性がより優れることが確認された。
また、実施例1と実施例11との比較から分かるように、保護層中に紫外線吸収剤が含まれる場合は、耐光性がより優れることが確認された。
また、実施例12と実施例13との比較から分かるように、保護層の厚みが10μm以上の場合、耐光性がより優れることが確認された。
さらに、実施例14と実施例15との比較から分かるように、腐食防止剤の付着量が6.0mg/m2以下の場合、密着性がより優れることが確認された。
なかでも、実施例4、7および8に示すように、式(F)、式(I)または式(J)で表される化合物を使用すると、耐光性がより優れることが確認された。
また、実施例1と実施例11との比較から分かるように、保護層中に紫外線吸収剤が含まれる場合は、耐光性がより優れることが確認された。
また、実施例12と実施例13との比較から分かるように、保護層の厚みが10μm以上の場合、耐光性がより優れることが確認された。
さらに、実施例14と実施例15との比較から分かるように、腐食防止剤の付着量が6.0mg/m2以下の場合、密着性がより優れることが確認された。
一方、腐食防止剤の量が所定範囲外の比較例1および2においては、耐光性または密着性に劣っていた。
また、保護層中に腐食防止剤を含有する比較例3〜14においても、耐光性または密着性に劣っていた。
さらに、腐食防止剤の使用しなかった比較例15においては、耐光性に劣っていた。
また、保護層中に腐食防止剤を含有する比較例3〜14においても、耐光性または密着性に劣っていた。
さらに、腐食防止剤の使用しなかった比較例15においては、耐光性に劣っていた。
<実施例B>
<実施例21>
(銀反射層が形成されたPETフィルムの作製)
下記で表されるアクリルポリマー(22.02質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(72.73質量部)およびシクロヘキサノン(4.74質量部)の混合溶液に、界面活性剤(F−780−F、固形分30%、DIC社製)(0.16質量部)、および光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加、攪拌することにより、プライマー層形成用塗布液を調製した。
なお、アクリルポリマーは、上記実施例Aで述べた合成法により製造した。
<実施例21>
(銀反射層が形成されたPETフィルムの作製)
下記で表されるアクリルポリマー(22.02質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(72.73質量部)およびシクロヘキサノン(4.74質量部)の混合溶液に、界面活性剤(F−780−F、固形分30%、DIC社製)(0.16質量部)、および光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加、攪拌することにより、プライマー層形成用塗布液を調製した。
なお、アクリルポリマーは、上記実施例Aで述べた合成法により製造した。
PETフィルム(A4300、東洋紡社製)上に、上記のプライマー層形成用塗布液を、バーコート法により塗布し、25℃にて5分間乾燥し、次いで80℃にて5分間乾燥して塗膜を得た。
上記塗膜に対して、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用いて、254nmの波長で600mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(厚み:0.55μm)を形成した。上記プライマー層付きPETフィルムを1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、プライマー層から未反応のポリマーを除去した。その後プライマー層付きPETフィルムを純水で洗浄し、さらに風乾した。
上記塗膜に対して、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用いて、254nmの波長で600mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(厚み:0.55μm)を形成した。上記プライマー層付きPETフィルムを1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、プライマー層から未反応のポリマーを除去した。その後プライマー層付きPETフィルムを純水で洗浄し、さらに風乾した。
次に、上記プライマー層付きPETフィルムを1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、次いで純水で洗浄、風乾することで、銀イオンを付与したプライマー層付きPETフィルムを得た。
上記銀イオンを付与したプライマー層付きPETフィルムを、0.14wt%のNaOHと0.25wt%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液に1分間浸漬し、その後純水で洗浄し、風乾することで、プライマー層表面近傍に還元銀層(膜厚約20nm)が形成され、還元銀層付きPETフィルムを得た。
上記銀イオンを付与したプライマー層付きPETフィルムを、0.14wt%のNaOHと0.25wt%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液に1分間浸漬し、その後純水で洗浄し、風乾することで、プライマー層表面近傍に還元銀層(膜厚約20nm)が形成され、還元銀層付きPETフィルムを得た。
次に、上記還元銀層付きPETフィルムに対して、以下の電気めっき処理を行い、還元銀層上に厚み50nmの銀層を有する銀層付きPETフィルムを得た。電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH7.8に調整した。銀層付きPETフィルムを電気めっき液に浸漬し、0.33A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
得られた銀層付きPETフィルムを、チオ尿素水溶液(チオ尿素:100質量ppm)に60秒間浸漬することにより、銀層の表面処理を行った。表面処理後に純水で洗浄し、風乾した。
次に、表面処理後の銀層に対して、以下の電気めっき処理を行い、表面処理後の銀層上に厚み75nmの銀層をさらに形成し、銀反射層を得た。電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH7.8に調整した。表面処理後の銀層付きPETフィルムを、電気銀めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。さらに、酸化皮膜を除去するために、電気めっき後処理として、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液(メタンスルホン酸:6質量%)に90秒間浸漬した。その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
このようにして、銀反射層が形成されたPETフィルムを得た。形成された銀層の表面の算術平均粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、3.4nmであった。
得られた銀層付きPETフィルムを、チオ尿素水溶液(チオ尿素:100質量ppm)に60秒間浸漬することにより、銀層の表面処理を行った。表面処理後に純水で洗浄し、風乾した。
次に、表面処理後の銀層に対して、以下の電気めっき処理を行い、表面処理後の銀層上に厚み75nmの銀層をさらに形成し、銀反射層を得た。電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH7.8に調整した。表面処理後の銀層付きPETフィルムを、電気銀めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて15秒間めっきし、その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。さらに、酸化皮膜を除去するために、電気めっき後処理として、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液(メタンスルホン酸:6質量%)に90秒間浸漬した。その後、純水で1分間掛け流しにより洗浄し、風乾した。
このようにして、銀反射層が形成されたPETフィルムを得た。形成された銀層の表面の算術平均粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、3.4nmであった。
[腐食防止剤の付着]
銀反射層の表面修飾は、腐食防止剤であるピリミジンの0.01質量%の水溶液に15秒浸漬後に水洗することで行った。
腐食防止剤の付着量は、25%HClを用いた方法により算出した。より具体的には、腐食防止剤が付与された銀反射層付きPETフィルムを25%HClに浸漬して腐食防止剤を溶出し、UV−3100(島津製作所社)でUV吸収スペクトルを測定することにより、付着量を算出した。
銀反射層の表面修飾は、腐食防止剤であるピリミジンの0.01質量%の水溶液に15秒浸漬後に水洗することで行った。
腐食防止剤の付着量は、25%HClを用いた方法により算出した。より具体的には、腐食防止剤が付与された銀反射層付きPETフィルムを25%HClに浸漬して腐食防止剤を溶出し、UV−3100(島津製作所社)でUV吸収スペクトルを測定することにより、付着量を算出した。
〔保護層1の作製〕
保護層1形成用組成物として、アクリレートポリマー(ユニディックEKS−675、DIC(株)製)(固形分として30質量部)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN405、BASF(株)製)(1.5質量部)、ヒンダードアミン系光安定剤(TINUVIN292、BASF(株)製)(0.3質量部)、シクロヘキサノン(3質量部)、メチルイソブチルケトン(55質量部)、フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F、DIC(株)製)(固形分として0.01質量部)の混合溶液を調製した。
次いで、得られた保護層1形成用組成物を、上記銀反射層上に、乾燥後の膜厚が15μmとなるように、バーコート法により塗布し、130℃で2分間乾燥した後、UV照射装置(GSユアサ社製、UVランプ:メタルハライドランプ)により、254nmの波長において500mJ/cm2、紫外線露光を行い、保護層1を形成した。
保護層1形成用組成物として、アクリレートポリマー(ユニディックEKS−675、DIC(株)製)(固形分として30質量部)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN405、BASF(株)製)(1.5質量部)、ヒンダードアミン系光安定剤(TINUVIN292、BASF(株)製)(0.3質量部)、シクロヘキサノン(3質量部)、メチルイソブチルケトン(55質量部)、フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F、DIC(株)製)(固形分として0.01質量部)の混合溶液を調製した。
次いで、得られた保護層1形成用組成物を、上記銀反射層上に、乾燥後の膜厚が15μmとなるように、バーコート法により塗布し、130℃で2分間乾燥した後、UV照射装置(GSユアサ社製、UVランプ:メタルハライドランプ)により、254nmの波長において500mJ/cm2、紫外線露光を行い、保護層1を形成した。
〔保護層2の作製〕
保護層2形成用組成物として、フッ素系UV硬化樹脂(ディフェンサFH−700、DIC(株)製)(固形分として22質量部)、シクロヘキサノン(5質量部)、メチルエチルケトン(72質量部)、フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F、DIC(株)製)(固形分として0.04質量部)の混合溶液を調製した。
次いで、得られた保護層2形成用組成物を、上記保護層1の上に、乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコート法により塗布し、130℃で2分間乾燥した後、UV照射装置(GSユアサ社製、UVランプ:メタルハライドランプ)により、254nmの波長において100mJ/cm2、紫外線露光を行い、保護層2を形成し、フィルムミラーを作製した。
保護層2形成用組成物として、フッ素系UV硬化樹脂(ディフェンサFH−700、DIC(株)製)(固形分として22質量部)、シクロヘキサノン(5質量部)、メチルエチルケトン(72質量部)、フッ素系界面活性剤(メガファックF−780−F、DIC(株)製)(固形分として0.04質量部)の混合溶液を調製した。
次いで、得られた保護層2形成用組成物を、上記保護層1の上に、乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコート法により塗布し、130℃で2分間乾燥した後、UV照射装置(GSユアサ社製、UVランプ:メタルハライドランプ)により、254nmの波長において100mJ/cm2、紫外線露光を行い、保護層2を形成し、フィルムミラーを作製した。
<実施例22〜31>
腐食防止剤の種類および付着量を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを作製した。
腐食防止剤の種類および付着量を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを作製した。
<評価>
実施例21〜31で得られたフィルムミラーに対して、上記実施例Aで行った(密着性評価)および(耐光性評価)を行うと共に、以下の(反射率)および(耐湿熱性)の評価も実施した。
実施例21〜31で得られたフィルムミラーに対して、上記実施例Aで行った(密着性評価)および(耐光性評価)を行うと共に、以下の(反射率)および(耐湿熱性)の評価も実施した。
(反射率)
各実施例および比較例で作製した各フィルムミラーについて、銀反射層の反射率(フィルムミラーの反射率)を測定した。具体的には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて、保護層側から光を照射して、上記銀反射層の反射率(400nm)を測定し、以下の基準で評価した。実用上の観点から、評価レベルA〜Cが許容範囲である。結果を表2にまとめて示す。
「A」:反射率が75%以上
「B」:反射率が70%以上75%未満
「C」:反射率が65%以上70%未満
「D」:反射率が65%未満
各実施例および比較例で作製した各フィルムミラーについて、銀反射層の反射率(フィルムミラーの反射率)を測定した。具体的には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて、保護層側から光を照射して、上記銀反射層の反射率(400nm)を測定し、以下の基準で評価した。実用上の観点から、評価レベルA〜Cが許容範囲である。結果を表2にまとめて示す。
「A」:反射率が75%以上
「B」:反射率が70%以上75%未満
「C」:反射率が65%以上70%未満
「D」:反射率が65%未満
(耐湿熱性)
各実施例および比較例で作製した各フィルムミラーを恒温恒湿槽(エスペック社製、PR−3J)内に配置して、温度85℃、湿度85%RHの環境条件下で1000時間放置し、その際のフィルムミラーの波長450nmの光の反射率の低下(=放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を求め、下記の評価基準に従って評価した。反射率の測定は、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて行なった。耐久性は、実用上の観点から、評価レベルA〜Cが許容範囲である。結果を表2にまとめて示す。
<評価基準>
A:反射率の低下が3%未満である。
B:反射率の低下が3%以上5%未満である。
C:反射率の低下が5%以上10%未満である。
D:反射率の低下が10%以上である。
各実施例および比較例で作製した各フィルムミラーを恒温恒湿槽(エスペック社製、PR−3J)内に配置して、温度85℃、湿度85%RHの環境条件下で1000時間放置し、その際のフィルムミラーの波長450nmの光の反射率の低下(=放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を求め、下記の評価基準に従って評価した。反射率の測定は、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所社製)を用いて行なった。耐久性は、実用上の観点から、評価レベルA〜Cが許容範囲である。結果を表2にまとめて示す。
<評価基準>
A:反射率の低下が3%未満である。
B:反射率の低下が3%以上5%未満である。
C:反射率の低下が5%以上10%未満である。
D:反射率の低下が10%以上である。
表2に示すように、本発明のフィルムミラーは優れた反射率および耐湿熱性を示すことが確認された。
なかでも、実施例21〜31の結果から分かるように、上述したピリミジン骨格を有する化合物、および、テトラゾール骨格を有する化合物を使用すると、密着性および耐光性が優れると共に、初期反射率および耐湿熱性にも優れることが確認された。
また、実施例21〜23の比較から分かるように、置換基に、メルカプト基やアミノ基を有する式(A)で表される化合物を使用すると、耐湿熱性がより優れることが確認された。
また、実施例24〜26の比較から分かるように、置換基に、メルカプト基やメチルフェニルウレイド基を有する式(B)で表される化合物を使用すると、耐湿熱性がより優れることが確認された。
なかでも、実施例21〜31の結果から分かるように、上述したピリミジン骨格を有する化合物、および、テトラゾール骨格を有する化合物を使用すると、密着性および耐光性が優れると共に、初期反射率および耐湿熱性にも優れることが確認された。
また、実施例21〜23の比較から分かるように、置換基に、メルカプト基やアミノ基を有する式(A)で表される化合物を使用すると、耐湿熱性がより優れることが確認された。
また、実施例24〜26の比較から分かるように、置換基に、メルカプト基やメチルフェニルウレイド基を有する式(B)で表される化合物を使用すると、耐湿熱性がより優れることが確認された。
10,10a,10b,100 フィルムミラー
12 樹脂基材
14 銀反射層
16 腐食防止剤
18 保護層
20 銀反射層付き樹脂基材
22 プライマー層
12 樹脂基材
14 銀反射層
16 腐食防止剤
18 保護層
20 銀反射層付き樹脂基材
22 プライマー層
Claims (10)
- 光入射側から順に、保護層、銀反射層、および樹脂基材を少なくとも有し、
前記銀反射層の前記保護層側の表面および表層の少なくともいずれか一方に腐食防止剤を有し、前記腐食防止剤の含有量が0.1〜10mg/m2である、太陽光集光用フィルムミラー。 - 前記保護層中に紫外線吸収剤が含まれる、請求項1に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
- 前記保護層の厚みが10〜500μmである、請求項1または2に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
- 前記腐食防止剤が、式(F)で表される化合物、式(I)で表される化合物、および、式(J)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
式(F)中、R61〜R63は、それぞれ独立に、置換基を表す。
式(I)中、Aは、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を表す。Laは、アルキレン基、−S−、−CO−、−O−、または、これらを組み合わせた基を表す。nは、2〜4の整数を表す。
式(J)中、R101およびR102は、それぞれ独立に、置換基を表す。Lbは、アルキレン基を表す。mは1〜5の整数を表し、lは0〜4の整数を表し、mとlはm+l=5の関係を満たす。) - 前記腐食防止剤が、ピリミジン骨格を有する化合物、および、テトラゾール骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
- 前記腐食防止剤が、式(K)で表されるピリミジン化合物および式(L)で表されるテトラゾール化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(式(K)中、R111〜R114は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
式(L)中、R121〜R122は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。) - 前記銀反射層内部に、腐食防止剤が含有される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法であって
銀反射層付き樹脂基材の銀反射層上に腐食防止剤を付与する工程(1)と、
前記腐食防止剤が付与された銀反射層上に保護層を形成する工程(2)とを備える、太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。 - 前記腐食防止剤を付与する工程(1)が、前記銀反射層上に腐食防止剤を塗布する工程、または、前記銀反射層付き樹脂基材を腐食防止剤に浸漬する工程である、請求項8に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
- 前記工程(1)の後で前記工程(2)の前に、溶媒で洗浄する工程(3)をさらに備える、請求項8または9に記載の太陽光集光用フィルムミラーの製造方法。
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