WO2010150570A1 - フィルムミラー、その製造方法、それを用いた太陽光反射ミラー - Google Patents

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Abstract

 光反射率が高く、軽量かつ柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、耐光性及び耐候性に優れたフィルムミラーとその製造方法、及び当該フィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーを提供する。  本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に導電性高分子微粒子を含有する下地層と光反射層とを有するフィルムミラーであって、前記光反射層が銀を含有し、当該光反射層と前記下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とする。

Description

フィルムミラー、その製造方法、それを用いた太陽光反射ミラー
 本発明は、光反射率が高く、軽量かつ柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、耐光性及び耐候性に優れたフィルムミラーとその製造方法、及び当該フィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーに関する。
 近年、環境問題への関心が高くなるとともに、太陽光を活用しようとする動きが活発になってきている。太陽光を活用する際には、太陽光を反射したり集光したりするためのミラーが通常よく用いられる。例えば、高層ビルにより太陽光を遮られてしまった低層の建物へ太陽光を当てるための採光ミラーや、建物の内部へ太陽光を導入するために用いられる光ダクト内部の反射ミラー等を例として挙げることができる。上記のようなミラーとしては、運搬、設置の際の取り扱いを容易にするために軽量で割れにくいミラーであること、採光量を確保するという観点から、大面積化や大量生産が可能なミラーであること、設置場所の形状とミラーの形状を合わせることのできる柔軟性のあるミラーであること、さらには、太陽光を反射するという観点から耐光性及び耐候性に優れたミラーであることが要求されている。
 一般に、よく用いられる光反射率が高いミラーとしては、透明なガラス基板の片面に銀を析出させて銀薄膜を形成したガラス製のミラーが知られている。しかし、ガラス製のミラーは、破損し易く、それにより鋭いエッジが露出することから、常に取り扱いに細心の注意が必要である。さらに、ガラス板はあまり薄いと製造時の取り扱いが困難であるため、ある程度の厚さが必要である。このため、特に大型品では質量が著しく増大し、その運搬、設置等に特別の配慮が必要となる。
 このため、破損による怪我の危険や取り扱いの困難性を考慮して、プラスチック樹脂を基板としたミラーが考えられている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載のミラーは、板状又はフィルム状の透明なプラスチック樹脂の表面に銀薄膜層を形成したプラスチックミラーとなっている。このプラスチックミラーでは、基板をプラスチック樹脂で構成しているため、基板をガラスで構成した場合に比べ、軽量で且つ製造コストを安価にすることを可能にしている。また、プラスチック樹脂はフィルム状への加工が容易なために非常に柔軟性のあるミラーにすることを可能にしている。
 しかしながら、特許文献1に記載のプラスチックミラーは、光線をプラスチック基板では透過させアルミニウム蒸着層で反射させるミラーとなっており、太陽光を反射する目的でこのミラーを使用する場合、平均反射率が90%以下となり、高い反射率を得ることが難しかった。
 アルミニウム製に比べて反射率が高いことが知られる銀ミラーは、ガラス面に無電解めっきを施すことで大面積のミラーを作製する方法が一般的である。しかしながら、樹脂基材表面に直接的にめっきを施すことは、めっき層の基材表面との密着性において不十分であった。
 導電性高分子であるポリピロールを下地層に用いて、樹脂基材に直接的かつ高い生産性において、連続的に無電解めっきを施す方法が知られている(例えば特許文献2~4参照)。
 しかしながら、上記技術を用いてめっきを施したフィルムミラーは、紫外線や湿度、酸素などの影響により下地層が劣化し、経時により膜密着性が劣化してしまうという問題を有していた。
特開2005-59382号公報 特開平6-38860号公報 特開2006-334865号公報 特開2008-163371号公報
 本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、光反射率が高く、軽量かつ柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、耐光性及び耐候性に優れたフィルムミラーとその製造方法、及び当該フィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーを提供することである。
 本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
 1.樹脂基材上に導電性高分子微粒子を含有する下地層と光反射層とを有するフィルムミラーであって、前記光反射層が銀を含有し、当該光反射層と前記下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とするフィルムミラー。
 2.前記導電性高分子微粒子が、ポリピロールであることを特徴とする前記第1項に記載のフィルムミラー。
 3.前記フィルムミラーのミラー面の端部が、ガスバリア性を有することを特徴とする前記第1項又は第2項に記載のフィルムミラー。
 4.前記フィルムミラーのミラー面の端部が、紫外線遮断性を有することを特徴とする前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載のフィルムミラー。
 5.前記第1項から第4項までのいずれか一項に記載のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法であって、光反射層及び金属薄膜層が無電解めっき法により形成されることを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
 6.前記第1項から第4項までのいずれか一項に記載のフィルムミラー、又は前記第5項に記載のフィルムミラーの製造方法により得られたフィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーであって、前記銀反射層の光の入射側と反対面側に配置した粘着層を介して、基材上に当該フィルムミラーを貼り付けて形成されたことを特徴とする太陽光反射用ミラー。
 本発明の上記手段により、光反射率が高く、軽量かつ柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、耐光性及び耐候性に優れたフィルムミラーとその製造方法、及び当該フィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーを提供することができる。
従来のフィルムミラーの基本的構成を示す断面図 本発明のフィルムミラーの基本的構成を示す断面図 導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図 還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図 フィルム状の樹脂基板の製造装置の実施形態例を示す概略フローシート
 本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に導電性高分子微粒子を含有する下地層と光反射層とを有するフィルムミラーであって、前記光反射層が銀を含有し、当該光反射層と前記下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
 本発明の実施態様としては、前記導電性高分子微粒子が、ポリピロールであることが好ましい。また、前記フィルムミラーのミラー面の端部が、ガスバリア性を有する態様であることが好ましい。さらに、当該フィルムミラーのミラー面の端部が、紫外線遮断性を有する態様であることが好ましい。
 本発明のフィルムミラーの製造方法としては、光反射層及び金属薄膜層が、無電解めっき法により形成される態様の製造方法であることが好ましい。
 本発明のフィルムミラーは、太陽光反射用ミラーに好適に用いることができる。
 以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
 (フィルムミラーの基本的構成概要)
 本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に導電性高分子微粒子を含有する下地層と光反射層とを有するフィルムミラーであって、前記光反射層が銀からなり、当該光反射層と前記下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とする。また、必要に応じて、フィルムミラーの外表面に形成されたガスバリア層、紫外線遮断層、ハードコート膜、防曇膜、反射防止膜や帯電防止膜等の機能性膜とから構成される。
 (樹脂基材)
 本発明に係る樹脂基材としては、従来公地の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
 特にポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
 当該樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10~300μmの範囲内である。好ましくは20~200μm、更に好ましくは30~100μmである。
 なお、樹脂基材の製造方法については、後述する。
 (下地層)
 本発明に係る下地層は、導電性高分子微粒子を含有することを特徴とする。以下、導電性高分子微粒子及び下地層の形成方法について説明する。
 〈導電性高分子微粒子〉
 本発明に使用する導電性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π-共役二重結合を有するモノマーを添加し、当該モノマーを酸化重合することにより製造される。
 π-共役二重結合を有するモノマー及びアニオン系界面活性剤としては前記で例示したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4-エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
 反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、分散安定性、導電性の湿度依存性等の観点から、π-共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~0.15molである。前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性及びモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ-共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した導電性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
 乳化液における有機相と水相との割合は、生産効率等の観点から、水相が75体積%以上であることが好ましい。
 前記製造で使用する酸化剤としては、前記で例示したものと同様のものが挙げられるが、特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
 反応系中での酸化剤の量は、モノマーの重合度、分散安定性等の観点から、π-共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2~0.6molである。
 導電性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒及び水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π-共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
 前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0~25℃で、好ましくは20℃以下である。
 酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤及び塩は水相中に溶解して残存する。ここで、有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子を入手することができる。
 上記の製造法により得られる導電性高分子微粒子は、主としてπ-共役二重結合を有するモノマー誘導体よりなり、そしてアニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径と、有機溶媒中で分散可能であることである。
 ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10~100nmとするのが好ましい。
 上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
 こうして得られた有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子は、そのままで、濃縮して、又は乾燥させて塗料の導電性高分子微粒子成分として使用することができる。
 また、上記のようにして製造された導電性高分子微粒子でなくとも、例えば、市販で入手できる導電性高分子微粒子を塗料の成分として使用することもできる。
 本発明に使用する導電性高分子微粒子を含む塗料には、樹脂フィルムとの密着性を向上させるためにバインダーを添加してもよい。
 添加するバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
 バインダーを使用する場合の使用量は、好ましくは還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部ないし10質量部である。バインダーが10質量部を超えると金属めっきが析出せず、バインダーが0.1質量部未満であると、樹脂フィルムへの密着性が弱くなりやすい。通常、バインダーを使用するのが好ましい。
 また、本発明に使用する塗料は有機溶媒を含有するのが好ましい。使用する有機溶媒は、微粒子に損傷を与えず、ポリマー微粒子を分散させうるものであれば特に限定はしないが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
 更に、本発明に使用する塗料は用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
 上記で調製した塗料は、連続的な無電解めっきを行う前に、樹脂フィルム上に塗布される。
 樹脂フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられるが、例えば、ロールtoロール法に使用可能な巻き取りができる樹脂フィルムが好ましい。
 樹脂フィルムへの塗布方法も特に限定されず、例えばグラビア印刷機、インクジェット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いて、印刷又はコーティングすることができ、また、必要に応じて加熱を行って、乾燥させることによって容易に樹脂フィルム上に導電性高分子微粒子を含む塗膜層又は還元性高分子微粒子を含む塗膜層を形成させることができる。
 前記塗膜層の厚さは、金属が析出、塗膜強度等の観点から、20~500nmとなるようにするのが好ましい。
 特に、導電性微粒子を用いた場合は、該粒子を還元性とするために脱ドープするための前処理液に浸す工程を必要とする。また、塗膜層の表面上の触媒金属吸着量は0.1μg/cm以上となるようにするのが好ましい。
 導電性高分子微粒子を用いて塗膜層を形成した場合は、無電解めっきを行う前に、該導電性高分子微粒子を脱ドープするための前処理液に浸す工程を行う。
 前処理液は、還元により脱ドープするための還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液、又は、アルカリ性溶液が挙げられる。
 操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液を使用するのが好ましい。
 アルカリ性溶液としては、緩和なアルカリ条件、例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液や、pH9ないし10程度の溶液で処理することができる。
 具体的な溶液としては、1M 水酸化ナトリウム水溶液、ATSコンディクリンCIW-2(奥野製薬工業(株)製)-10質量%水溶液(pH9~10)等が挙げられる。
 処理温度は、20ないし70℃、好ましくは30ないし60℃であり、処理時間は、2ないし10分、好ましくは、3ないし7分である。
 上記の脱ドープ処理により、塗膜層の表面上の触媒金属吸着量が0.1μg/cm以上となるようにするのが好ましい。
 導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムに上記の脱ドープ処理を施して得られたフィルム又は還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムは、触媒金属を付着させるための触媒液に浸す工程に付される。
 触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む溶液の安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
 好ましい、具体的な触媒液としては、0.02%塩化パラジウム-0.01%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
 処理温度は、20~50℃、好ましくは30~40℃であり、処理時間は、0.1~10分、好ましくは、1~5分である。
 上記の触媒金属付着処理されたフィルム(脱ドープ処理及び触媒金属付着処理が施された導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルム、触媒金属付着処理が施された還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルム)は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより無電解めっき膜が形成される。
 めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
 即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル、クロム等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
 無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)等が挙げられる。
 処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
 本発明の連続的な無電解めっき方法を用いることにより、ロールtoロール法で無電解金属めっきが施されたフィルムを連続的に製造することができる。
 導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図を図3に示した。導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムのロール1Aは、初めに脱ドープするための前処理液2Aの中を通過した後水洗3Aし、次に触媒金属付着のための触媒液4Aの中を通過した後水洗3Aし、次に金属を析出させるためのめっき液5Aの中を通過した後水洗3Aし、めっきフィルムのロール6Aに巻き取られる。フィルムの処理速度は、0.1m/分ないし10m/分であり、好ましくは0.5m/分ないし1.5m/分である。また、ロール6Aに巻き取る前に水洗後のめっきフィルムを乾燥させてもよい。
 なお、各工程の条件(温度、時間等)は前記の通りであり、各溶液が入った槽内のロール数或いは槽の大きさを変えることにより、各工程の処理時間を調整する。
 還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムを用いるロールtoロール法による無電解金属めっきが施されたフィルムの連続製造法の概略図を図4に示した。還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムのロール7Aは、初めに触媒金属付着のための触媒液8Aの中を通過した後水洗3Aし、次に金属を析出させるためのめっき液9Aの中を通過した後水洗3Aし、めっきフィルムのロール10Aに巻き取られる。フィルムの処理速度は、0.1m/分ないし10m/分であり、好ましくは0.5m/分ないし1.5m/分である。ロール6Aに巻き取る前に水洗後のめっきフィルムを乾燥させてもよい。
 なお、各工程の条件(温度、時間等)は前記の通りであり、各溶液が入った槽内のロール数或いは槽の大きさを変えることにより、各工程の処理時間を調整する。
 (光反射層)
 本発明に係る光反射層とは、可視光及び赤外光を反射する金属から構成された層のことをいう。
 本発明に係る光反射層は、銀を含有することを要する。銀を用いることにより、380nm以上の波長の光に対して、アルミニウムよりも高い反射率を得ることができる。
 光反射層に銀を用いる場合、基本的には、銀単体であることが望ましいが、その性質に害を及ぼさない程度の金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウムなどの金属不純物が含まれても良い。
 光反射層の厚さは、反射率及び資源の有効利用等の観点から、70~400nmが好ましく、より好ましくは100~300nm、さらに好ましくは150~250nmである。
 本発明に係る光反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、無電解めっき法、銀鏡反応などがある。
 一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロールツーロール方式が可能な真空成膜法が好ましく用いられる。
 また、可視光領域のみならず、赤外光領域においても高反射率が得られることから、銀が最も好ましく用いられる。また、銀により光反射層を形成した場合は、より耐候劣化が顕著となる為、本発明の構成が効果的である。
 本発明において、光反射層は支持体に対して光線入射側にあっても、その反対側にあっても良いが、支持体が樹脂であることから、光線による樹脂劣化を防止する目的から、光線入射側に位置する方が好ましい。
 (金属薄膜層)
 本発明においては、光反射層と下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とする。当該金属薄膜層は、前記光反射層に含有される銀の防蝕を主目的として設けられている。このため、当該金属薄膜層を形成する金属としては、光反射層に用いる銀よりも標準電極電位が卑であることが求められ、0.6V未満が好ましく、更に好ましくは0.4V未満である。例えば、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、鉛、スズ、コバルト等が好ましい。
 なお、金属が、その金属イオンを一定濃度含んだ電解質と接するときの金属が示す電位を標準電極電位と呼び、電位が低い金属ほど陽極的となりイオンとなって溶出-腐食しやすい。別に「イオン化傾向」という言葉があるが、これは標準電極電位の大きさの順であり、貴:値として大きい、卑:値として小さい である。
卑←K,Na,Mg,Al,Zn,Cr,Fe,Ni,Sn,(H),Cu,Ag,Pt,Au→貴
 ここで注意せねばいけない点は、上記の順列は純粋な金属単体に関して成り立っているという点である。噛み砕いて言うと、我々の周りに存在している金属は、特に「卑」な金属である程、酸化などの表面変化を受けやすく金属最表面は変化していると考えられ、酸化皮膜で覆われているといえる。
 この時、逆にAlなどの「卑」な金属の中には化学変化に安定な酸化不動態膜を最表面に形成すると言われる。不動態とは、金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜が生じた状態のことであり、この被膜は溶液や酸にさらされても溶け去ることが無いため、内部の金属を腐食から保護するために用いられる。
 しかし、すべての金属が不動態となるわけではない。不動態になりやすいのは、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタル、ニオブなどやその合金である。
 なお、本発明に係る金属薄膜層の層厚は、100~1000Å(0.01~0.1μm)であることが好ましく、無電解めっき法、塗布、蒸着、又はスパッタにより形成することが好ましい。特に、光反射層と同様に、無電解めっき法によることが好ましい。
 (フィルムミラーのミラー面の端部の特性)
 本発明のフィルムミラーのミラー面の端部は、ガスバリア性、及び紫外線遮断性を有する構造にすることが好ましい。フィルムミラーの裁断面は、図1に示すように、空気中の水蒸気や酸素、及び紫外線に曝露され、そのままでは下地層の導電性高分子の劣化及び光反射層、金属薄膜層の劣化を招く畏れが生じる。そこで、好ましくは図2に示すように、ミラー面の端部をガスバリア性、紫外線遮断性を有する構造により覆うことが好ましい。以下において、そのための手段について、説明する。
 〈ガスバリア性〉
 本発明において、フィルムミラーのミラー面の端部にガスバリア性を持たせるためには、種々の公知の手段を採り得るが、後述する無機ガスバリア層を設ける、又は、当該ミラー面の端部を構成する樹脂等の素材にガスバリア性の素材用いる等の手段を採ることが好ましい。
 なお、本願において、「ガスバリア性」とは、酸素透過度が100(ml/m/day/atm)以下、水蒸気透過度が、温度40℃、相対湿度90%において、100(g/m/day)以下であることをいう。
 《無機ガスバリア層》
 本願において、「無機ガスバリア層」とは、無機材料で構成されるガス分子の透過を抑制しうる緻密な構造の薄膜である層を意味し、例えば、金属化合物からなる薄膜(金属化合物薄膜)が挙げられる。前記無機ガスバリア層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。前記形成方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、具体的には特許登録第3400324号、特開2002-322561号、特開2002-361774号各公報記載の形成方法を採用することができる。
 前記無機ガスバリア層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce及びTa等からなる群から選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物などを用いることができる。好ましくは、Si、Al、In、Sn及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の金属から選ばれる。
 また、前記無機ガスバリア層の厚みに関しても特に限定されないが、厚みが厚すぎると曲げ応力によるクラックの恐れがあり、薄すぎると膜が島状に分布するため、いずれもガスバリア性が悪くなる傾向がある。このため、各無機ガスバリア層の厚みは、それぞれ5~1000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは10~1000nmであり、最も好ましくは10~200nmである。
 また、2層以上の無機ガスバリア層は、各々が同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよく、特に制限はされない。
 本発明において、ガスバリア性と高透明性とを両立させるには前記無機ガスバリア層として、珪素酸化物や珪素窒化物又は珪素酸化窒化物を用いるのが好ましい。前記無機ガスバリア層として珪素酸化物であるSiOxを用いる場合、良好なガスバリア性と高い光線透過率とを両立させるためには1.6<x<1.9であることが望ましい。前記無機ガスバリア層として珪素窒化物であるSiNyを用いる場合は、1.2<y<1.3であることが好ましい。y<1.2となると着色が大きくなることがあり、ディスプレイ用途に用いる場合には制約となる。
 また、前記無機ガスバリア層として珪素酸化窒化物であるSiOを用いる場合、密着性向上を重視するのであれば、酸素リッチの膜とすることが好ましく、具体的には1<x<2及び、0<y<1を満足することが好ましい。一方、ガスバリア性の向上を重視する場合には、窒素リッチの膜とすることが好ましく、具体的には0<x<0.8及び0.8<y<1.3を満足することが好ましい。
 〈紫外線遮断性〉
 本発明に係るミラー面の端部に紫外線遮断性は、フィルムミラー等の紫外線による劣化防止等のために付与するものであるが、例えば、波長350nmの紫外線を透過率10%まで遮断し、好ましくは5%以下にまで遮断する紫外線遮断性を持たせることが好ましい。
 本発明において、フィルムミラーのミラー面の端部に紫外線遮断性を持たせるためには、種々の公知の手段を採り得るが、当該ミラー面の端部に後述する紫外線遮断層を設ける方法、又は当該ミラー面の端部を構成する樹脂等の素材に後述する紫外線吸収剤を含有させる方法等が好ましい。
 なお、上記ガスバリア層と紫外線遮断層は同一の層であっても、別々の層であっても良い。
 《紫外線遮断層》
 本発明において、紫外線遮断層を設ける場合、紫外線遮断性を付与するための化合物としては、特に制限はないが、例えばチアゾリドン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、ベンゾフェノン系、アミノブタジエン系、トリアジン系などの有機紫外線吸収剤、あるいは酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの微粉末系紫外線遮断剤であり、特に有機紫外線吸収剤が好ましい。当該有機紫外線吸収剤として、例えば、特開昭46-3335号、同55-152776号、特開平5-197074号、同5-232630号、同5-307232号、同6-211813号、同8-53427号、同8-234364号、同8-239368号、同9-31067号、同10-115898号、同10-147577号、同10-182621号各公報、独国特許第19739797A号、欧州特許第711804A号各公報及び特表平8-501291号公報、米国特許第1,023,859号、同第2,685,512号、同第2,739,888号、同第2,784,087号、同第2,748,021号、同第3,004,896号、同第3,052,636号、同第3,215,530号、同第3,253,921号、同第3,533,794号、同第3,692,525号、同第3,705,805号、同第3,707,375号、同第3,738,837号、同第3,754,919号、英国特許第1,321,355号明細書等に記載されている化合物を用いることができる。
 紫外線遮断層を付加する場合には、前記紫外線吸収剤あるいは紫外線遮断剤を有機バインダーに分散させて層を形成する。有機バインダーは、特に制限はないが合成樹脂類を用いることができる。前記紫外線遮断層の形成方法としては、例えば塗布による方法等を挙げることができる。塗布方式で前記塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。該塗布液中の前記紫外線吸収剤あるいは紫外線遮断剤は、紫外線透過率を調整するうえで適宜な量が含まれるが、好ましくは0.1~50質量%であり、より好ましくは1~30質量%である。
 本発明に係る紫外線遮断層の厚さ、10~5000nmが好ましく、50~5000nmがさらに好ましく、100~5000nmが最も好ましい。また該紫外線遮断層は、基板フィルム、無機ガスバリア層、及び有機層のいずれの間の位置に設置されても良いが、本発明のガスバリアフィルムの少なくとも一方の最外面にあることが好ましく、さらには無機ガスバリア層が形成された支持体基板上の面と反対側の最外面にあることが好ましい。
 本発明において、樹脂に含有させることができる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2-ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
 ここで、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
 また、特に薄い被覆層から基板層への移行性も小さく、積層板の表面にも析出しにくいため、含有された紫外線吸収剤量が長時間維持され、耐候性改良効果の持続性に優れるなどの点から好ましい。
 分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2-ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、1-[2-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2-ベンゾトリアゾールや2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]が特に好ましい。
 さらに、本発明に用いられる樹脂には成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために各種の酸化防止剤を添加することもできる。また帯電防止剤を加えて、帯電防止性能を与えることも可能である。
 本発明に係る樹脂組成物として、リン系難燃剤を配合した難燃アクリル系樹脂組成物を用いても良い。
 ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。
 具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β-クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
 (無機酸化物層)
 本発明のフィルムミラーは、樹脂基材上に金属薄膜により形成された光反射層を有し、当該光反射層と同じ側で、当該光反射層に対して樹脂基材から遠い側に、無機酸化物膜から成る無機酸化物層を有する態様にすることも好ましい。実施態様として、前記光反射層を挟み込む位置関係において、樹脂基材の両側のそれぞれに、前記無機酸化物層を有する態様であることが好ましい。
 以下において、無機酸化物層の構成要素等について説明する。
 〈無機酸化物粒子〉
 本発明に係る無機酸化物粒子の組成は特に制限は無いが、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化ジルコニウムのいずれかであることが好ましい。
 また、平均粒径は1nm~1μm、好ましくは3~300nm、更に好ましくは5~100nmである。通常、μmオーダーの無機酸化物粒子の分散液より得られた塗膜を加熱処理するだけでは強固な塗膜は得られないが、本発明のように、使用する無機酸化物粒子がnmオーダーであることにより、比表面積が増大することで反応性が向上し、加熱処理によって強固な無機酸化物を形成できる。一方で1nm以下の粒径の無機酸化物粒子は、そのもの自体を得ることが困難であるとともに、得られても短時間で粒子同士の凝集が進行してしまい、極めて不安定なものであり、本発明に適用することが困難であった。
 〈無機酸化物粒子を含有する無機酸化物膜〉
 本発明に係る「無機酸化物膜」とは、少なくとも上記の無機酸化物粒子と後述するシリカ系被膜を形成するためのポリシロキサン構造を有する化合物をその構成要素として含有する膜をいう。
 無機酸化物粒子の含有率は、無機酸化物膜の30~99vol%が好ましく、50~80vol%が更に好ましい。
 無機酸化物膜中の無機酸化物粒子の含有率については、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡で観察を行い、無機酸化物膜の全断面積中に含まれる無機微粒子の面積の合計の割合で示される。無機微粒子は膜中で元の粒子界面が観察されることから、無機微粒子の存在する面積を定量することが可能である。無機酸化物膜は蒸着などとドライプロセスや、ゾルゲル法といったウェットプロセスにて成膜可能であるが、いずれも結晶の粒界面が存在するため、ガスや水蒸気に対してのバリア性が十分ではなかったが、本発明に係る無機酸化物膜中に無機酸化物粒子が含有されていることにより、バリア性を損なう原因となるクラックの発生を極小化することができるため、バリア性を向上することが可能となった。
 〈ポリシロキサン構造を有する化合物〉
 本発明に係るポリシロキサン構造を有する化合物としては、従来公知の種々の化合物を用いることができるが、シロキサンポリマー用いることが好ましい。
 本発明に係るシロキサンポリマーは、特に限定されず、Si-O-Si結合を有するポリマーである。このシロキサンポリマーの中でも、アルコキシシランの加水分解縮合物を好適に用いることができる。上記アルコキシシランとしては、あらゆる種類のアルコキシシランを用いることができる。このようなアルコキシシランとしては、例えば、下記一般式(a)で表される化合物を挙げることができる。
 一般式(a):R -Si(OR4-n
(式中、Rは、水素、炭素数1から20のアルキル基又はアリール基であり、Rは1価の有機基であり、nは、0~2の整数を示す。)
 ここで、1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アリル基、グリジル基を挙げることができる。これらの中では、アルキル基及びアリール基が好ましい。アルキル基の炭素数は1~5が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。また、アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、水素がフッ素により置換されていてもよい。アリール基としては、炭素数6~20のもが好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
 上記一般式(a)で表される化合物の具体例としては、
 (a1)n=0の場合、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができ、
 (a2)n=1の場合、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、モノメチルトリプロポキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モノエチルトリプロポキシシラン、モノプロピルトリメトキシシラン、モノプロピルトリエトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシラン、モノフェニルトリメトキシシラン、モノフェニルトリエトキシシランなどのモノフェニルトリアルコキシシラン等を挙げることができ、
 (a3)n=2の場合、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジフェニルジアルコキシシラン等を挙げることができる。
 本発明に係るシリカ系被膜形成用組成物において、シロキサンポリマーの重量平均分子量は、200以上50000以下であることが好ましく、1000以上3000以下であることがより好ましい。この範囲であれば、シリカ系被膜形成用組成物の塗布性を向上させることができる。
 アルコキシシランの加水分解縮合は、重合モノマーとなるアルコキシシランを、有機溶媒中、酸触媒又は塩基触媒の存在下で反応させることにより得られる。重合モノマーとなるアルコキシシランは、1種のみの使用であっても、また複数種を組み合わせて縮合してもよい。
 また、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシランなどのトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどのトリフェニルアルコキシシラン等を加水分解時に添加してもよい。
 縮合の前提となるアルコキシシランの加水分解の度合いは、添加する水の量により調整することができるが、一般的には、前記一般式(a)で示されるアルコキシシランの合計モル数に対して、1.0~10.0倍モルにすることが好ましく、1.5~8.0倍モルの割合で添加することがより好ましい。水の添加量を1.0倍モル以上にすることにより加水分解度を十分大きくすることができ、被膜形成を良好にすることができる。一方で、10.0倍モル以下にすることによりゲル化を防止することができ、保存安定性を良好にすることができる。
 また、一般式(a)で示されるアルコキシシランの縮合においては、酸触媒を用いることが好ましく、用いられる酸触媒としては、特に限定されるものではなく、従来慣用的に使用されている有機酸、無機酸のいずれも使用することができる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機カルボン酸を挙げることができ、無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等が挙げられる。酸触媒は、アルコキシシランと水との混合物に直接添加するか、又は、水とともに酸性水溶液としてアルコキシシランに添加してもよい。
 加水分解反応は、通常5~100時間程度で完了する。また、室温から80℃を超えない加熱温度において、一般式(a)で示される1種以上のアルコキシシランを含む有機溶剤に酸触媒水溶液を滴下して反応させることにより、短い反応時間で反応を完了させることも可能である。加水分解されたアルコキシシランは、その後、縮合反応を起こし、その結果、Si-O-Siのネットワークを形成する。
 ≪シリカ系被膜の形成方法≫
 シリカ系被膜の形成方法としては、まず、シリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布する。基板上にシリカ系被膜形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法など、任意の方法を用いることができるが、通常スピンコート法が用いられる。
 次に、基板上に塗布されたシリカ系被膜形成用組成物を加熱処理する。加熱処理は、その手段、温度、時間などについては特に制限されないが、一般的には、80~300℃程度のホットプレート上で1~6分間程度加熱すればよい。
 本発明のシリカ系被膜形成用組成物によれば、加熱処理により加熱することで、酸又は塩基が発生する。この発生した酸又は塩基により加水分解が促進されるため、アルコキシ基がヒドロキシル基(水酸基)となり、アルコールが生成する。その後、2分子間でヒドロキシル基(水酸基)が重縮合することにより、Si-O-Siのネットワークが形成されるため、加熱処理により、緻密なシリカ系被膜を得ることができる。
 また、加熱処理は、好ましくは、3段階以上、段階的に昇温することが好ましい。具体的には、大気中又は窒素などの不活性ガス雰囲気下、60~150℃程度のホットプレート上で30秒~2分間程度第1回目の加熱処理を行ったのち、100~220℃程度で30秒~2分間程度第2回目の加熱処理を行い、さらに150~300℃程度で30秒~2分間程度第3回目の加熱処理を行う。このように3段階以上、好ましくは3~6段階程度の段階的な加熱処理を行うことにより、より低い温度で、シリカ系被膜の形成をすることができる。
 (応力緩和層:合成樹脂層)
 本発明に係る応力緩和層は、フィルムミラー構成層が、フィルムの屈曲などでクラックが入らないようにする応力緩和機能を得ることを目的とするものである。
 本発明のフィルムミラーにおいては、当該応力緩和層を、種々の態様で配置することができるが、前記無機酸化物層と隣接した応力緩和層を有する態様のフィルムミラーであることが好ましい。
 応力緩和層を構成する材料としては、従来公知の種々の合成樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
 これらの樹脂のうち、特に好ましい樹脂は、シクロオレフィン系樹脂である。
 シクロオレフィン系樹脂(以下「環状オレフィン系樹脂」ともいう。)としては、ノルボルネン系樹脂、単環のシクロ(環状)オレフィン系樹脂、シクロ(環状)共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
 ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体又はそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体又はそれらの水素化物等を挙げることができる。
 これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適に用いることができる。
 ノルボルネン構造を有する単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一又は相異なって複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 極性基の種類としては、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。
 ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノシクロ(環状)オレフィン類及びその誘導体、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどのシクロ(環状)共役ジエン及びその誘導体などが挙げられる。
 ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、単量体を公知の開環重合触媒の存在下に(共)重合することにより得ることができる。
 ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~20のα-オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエンなどの非共役ジエンなどが挙げられる。これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、α-オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
 ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、単量体を公知の付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
 ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素添加物、ノルボルネン構造を有する単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体の水素添加物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の水素添加物、及びノルボルネン構造を有する単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体との付加共重合体の水素添加物は、これらの重合体の溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素添加触媒を添加し、炭素-炭素不飽和結合を好ましくは90%以上水素添加することによって得ることができる。
 ノルボルネン系樹脂の中でも、繰り返し単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン-2,4-ジイル-エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン-7,9-ジイル-エチレン構造とを有し、これらの繰り返し単位の含有量が、ノルボルネン系樹脂の繰り返し単位全体に対して90質量%以上であり、かつ、Xの含有割合とYの含有割合との比が、X:Yの質量比で100:0~40:60であるものが好ましい。
 本発明に用いるシクロ(環状)オレフィン樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定される。溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常20,000~150,000である。好ましくは25,000~100,000、より好ましくは30,000~80,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度及び成型加工性とが高度にバランスされ好適である。
 シクロ(環状)オレフィン樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよい。好ましくは130~160℃、より好ましくは135~150℃の範囲である。
 本発明に用いられる上記シクロオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、JSR株式会社製 商品名:ARTON;日本ゼオン株式会社製 商品名:ゼオノア;積水化学工業株式会社製 商品名:エスシーナ等を挙げることができる。
 また、応力緩和層として用いられる合成樹脂層には、無機フィラーを含有することも好ましく用いられる。
 上記発明によれば、無機フィラーの入った無機フィラー含有層(応力緩和層)により、蒸着膜を外部応力から護ることで、環境変化による圧縮/膨張応力によっても性能が劣化しないガスバリアフィルムを提供することができる。
 外部応力を緩衝する作用としては、無機フィラーが導入された無機フィラー含有層にて、無機フィラーと通常含まれる樹脂との境界に微細な空孔が存在し、その空孔が外部応力を吸収緩和し、蒸着膜への負荷を低減させ、蒸着膜へのクラック導入を阻止し、バリア性を維持することが考えられる。
 また、透明プライマー層を設ける形態では、プラスチック基材と無機蒸着層との密着性を高めることができる。
 なお、本発明のミラーフィルムには、必要に応じて、各層に対して、特に基材に対して、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、抗菌剤、顔料等を添加することができる。
 (加熱処理工程)
 本発明のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法としては、種々の態様の方法を採り得るが、無機酸化物粒子を含有する無機酸化物膜から成る塗膜を50~200℃の範囲内の加熱温度で加熱処理する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。
 本発明において、加熱処理する温度は、周辺基材の耐熱性が高い場合には、高温で処理することが、処理時間を短縮できるという点から本来は好ましいが、本発明のフィルムミラーには基材として合成樹脂を用いるという観点から、50~200℃が好ましい。さらには、70~150℃が好ましい。
 加熱方法には、一般的に用いられる加熱手段はどんなものでも適用できるが、単時間の加熱を断続的に繰り返すことで加熱する方法も好ましく用いられる。
 加熱方法としては、無機酸化物粒子を含有する分散物の塗膜(「塗布層」ともいう。)に局所的加熱をすることにより防湿層を形成することが好ましい。
 ここで、塗膜の「局所的加熱」とは、樹脂基材を実質的に加熱劣化させることなく、実質的に塗布層を(樹脂基材より10℃以上、好ましくは20℃以上高温に)加熱することをいう。このための局所的加熱方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができる。例えば、赤外線ヒーターによる加熱、熱風、マイクロ波、超音波加熱、誘導加熱などを、適宜選択することができる。これらのうち、赤外線の断続照射やマイクロ波等の電磁波及び超音波を用いる方法が好ましい。
 赤外線の照射手段としては、赤外線ランプ、赤外線ヒーター等の照射装置を用いることができる。無機酸化物層を形成することができれば、赤外線照射装置による照射は一回で行われてもよいが、塗布層を局所的に加熱するためには単時間の赤外線照射を断続的に繰り返す方法が好ましく用いられる。短時間の赤外線照射を断続的に繰り返す方法としては、例えば、赤外線照射装置のオンオフを短時間で繰り返す方法、赤外線照射装置と非照射物との間に遮蔽板を設けて、遮蔽板を動かすことで繰り返し照射する方法、非照射物(樹脂フィルム)の搬送方向の複数個所に赤外線照射装置を設け、非照射物を搬送させることで赤外線照射を繰り返し行う方法などが挙げられる。
 マイクロ波は、周波数1GHz~3THz、波長0.1~300mm位のUHF~EHF帯の総称で、2.45GHzの周波数のマイクロ波発生装置が一般的であるが、1~100GHzの周波数のマイクロ波を用いることができる。例えば、2.45GHzマイクロ波照射機(四国計測工業(株)製 μ-reactor)、2.45GHzのマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置(マグネトロン)等を挙げることができる。
 本願において、「超音波」とは、10kHz以上の振動数の弾性振動波(音波)をいう。本発明に係る超音波による加熱方法としては、ホーンの周波数は、50kHz以下の範囲の周波数で、赤外線照射と同様に単時間の加熱を断続的に繰り返し加熱すことが好ましい。
 マイクロ波や超音波を用いて塗布層の加熱を行う場合も、赤外線照射と同様に単時間の加熱を断続的に繰り返すことで、樹脂基材の劣化を引き起こすことなく樹脂塗布層のみを局所的に加熱する方法が好ましく用いられる。
 (樹脂基材の製造方法)
 本発明に係る樹脂基材の製造方法としては、通常のインフレーション法、T-ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から流延法による溶液流延法、溶融流延法が好ましい。
 以下、典型的例として、フィルム状樹脂基材として、作製する場合の製造方法について詳述する。
 <溶液流延法による樹脂基材の製造方法>
 (有機溶媒)
 本発明に係る樹脂基材を溶液流延法で製造する場合、ドープを形成するのに有用な有機溶媒は、セルロースエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を溶解するものであれば制限なく用いることができる。
 例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロパノール、1,3-ジフルオロ-2-プロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メチル-2-プロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール、ニトロエタン、乳酸エチル、乳酸、ジアセトンアルコール等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、乳酸エチル等を好ましく使用し得る。
 ドープには、上記有機溶媒の他に、1~40質量%の炭素原子数1~4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させてもよい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系での熱可塑性樹脂の溶解を促進する役割もある。
 特に、メチレンクロライド、及び炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、熱可塑性樹脂は、少なくとも計10~45質量%溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
 炭素原子数1~4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
 以下、本発明に係るフィルム状樹脂基板(以下、単に「フィルム」ともいう。)の好ましい製膜方法について説明する。
 1)溶解工程
 熱可塑性樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で熱可塑性樹脂、熱収縮材料、その他の添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程である。
 熱可塑性樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9-95544号公報、特開平9-95557号公報、又は特開平9-95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11-21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
 返材とは、フィルムを細かく粉砕した物で、フィルムを製膜するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷などでスペックアウトしたフィルム原反のことをいい、これも再使用される。
 2)流延工程
 ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
 ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
 3)溶媒蒸発工程
 ウェブ(流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程である。
 溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/又は支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱方法の乾燥効率が良く好ましい。又、それらを組み合わせる方法も好ましく用いられる。流延後の支持体上のウェブを40~100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40~100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をウェブ上面に当てるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
 面品質、透湿性、剥離性の観点から、30~120秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが好ましい。
 4)剥離工程
 金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。
 金属支持体上の剥離位置における温度は好ましくは10~40℃であり、さらに好ましくは11~30℃である。
 なお、剥離する時点での金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により50~120質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損ね、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。
 ウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
 残留溶媒量(%)=(ウェブの加熱処理前質量-ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100
 なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
 金属支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常、196~245N/mであるが、剥離の際に皺が入り易い場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましく、さらには、剥離できる最低張力~166.6N/m、次いで、最低張力~137.2N/mで剥離することが好ましいが、特に好ましくは最低張力~100N/mで剥離することである。
 本発明においては、当該金属支持体上の剥離位置における温度を-50~40℃とするのが好ましく、10~40℃がより好ましく、15~30℃とするのが最も好ましい。
 5)乾燥及び延伸工程
 剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置35、及び/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置34を用いて、ウェブを乾燥する。
 乾燥手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する手段もある。余り急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通し、乾燥は概ね40~250℃で行われる。特に40~160℃で乾燥させることが好ましい。
 テンター延伸装置を用いる場合は、テンターの左右把持手段によってフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できる装置を用いることが好ましい。また、テンター工程において、平面性を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。
 また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設けることも好ましい。
 なお、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することも好ましい。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。
 この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
 ・流延方向に延伸-幅手方向に延伸-流延方向に延伸-流延方向に延伸
 ・幅手方向に延伸-幅手方向に延伸-流延方向に延伸-流延方向に延伸
 また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時2軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍~×1.5倍の範囲でとることができる。
 テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テンター開始時に20~100質量%であるのが好ましく、かつウェブの残留溶媒量が10質量%以下になる迄テンターを掛けながら乾燥を行うことが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
 テンターを行う場合の乾燥温度は、30~160℃が好ましく、50~150℃がさらに好ましく、70~140℃が最も好ましい。
 テンター工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ないことが、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、テンター工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
 6)巻き取り工程
 ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからフィルムとして巻き取り機37により巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。特に0.00~0.10質量%で巻き取ることが好ましい。
 巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
 本発明に係るフィルムは、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m~5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3~4mであることが好ましく、1.4~2mであることがより好ましい。
 本発明に係るフィルムの膜厚に特に制限はないが、20~200μmであることが好ましく、25~150μmであることがより好ましく、30~120μmであることが特に好ましい。
 <溶融流延製膜法による基板の製造方法>
 本発明に係る樹脂基材を、フィルム状樹脂基材として、溶融流延製膜法により製造する場合の方法について説明する。
 〈溶融ペレット製造工程〉
 溶融押出に用いる熱可塑性樹脂、熱収縮材料からなるフィルムを構成する組成物は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。
 ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥した熱可塑性樹脂と熱収縮材料等からなる添加剤をフィーダーで押出機に供給し1軸や2軸の押出機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
 原材料は、押出する前に乾燥しておくことが原材料の分解を防止する上で重要である。特にセルロースエステルは吸湿しやすいので、除湿熱風乾燥機や真空乾燥機で70~140℃で3時間以上乾燥し、水分率を200ppm以下、さらに100ppm以下にしておくことが好ましい。
 添加剤は、押出機に供給押出機合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、こと前に混合しておくことが好ましい。
 酸化防止剤の混合は、固体同士で混合してもよいし、必要により、酸化防止剤を溶剤に溶解しておき、熱可塑性樹脂に含浸させて混合してもよく、あるいは噴霧して混合してもよい。
 真空ナウターミキサーなどが乾燥と混合を同時にできるので好ましい。また、フィーダー部やダイからの出口など空気と触れる場合は、除湿空気や除湿したNガスなどの雰囲気下にすることが好ましい。
 押出機は、せん断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
 以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。ペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
 〈溶融混合物をダイから冷却ロールへ押し出す工程〉
 まず、作製したペレットを1軸や2軸タイプの押出機を用いて、押し出す際の溶融温度Tmを200~300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどでろ過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に共押出し、冷却ロール上で固化し、弾性タッチロールと押圧しながら流延する。
 供給ホッパーから押出機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。なお、Tmは、押出機のダイ出口部分の温度である。
 ダイに傷や可塑剤の凝結物等の異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインとも呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
 押出機やダイなどの溶融樹脂と接触する内面は、表面粗さを小さくしたり、表面エネルギーの低い材質を用いるなどして、溶融樹脂が付着し難い表面加工が施されていることが好ましい。具体的には、ハードクロムめっきやセラミック溶射したものを表面粗さ0.2S以下となるように研磨したものが挙げられる。
 本発明において冷却ロールには特に制限はないが、高剛性の金属ロールで内部に温度制御可能な熱媒体又は冷媒体が流れるような構造を備えるロールであり、大きさは限定されないが、溶融押し出されたフィルムを冷却するのに十分な大きさであればよく、通常冷却ロールの直径は100mmから1m程度である。
 冷却ロールの表面材質は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。さらに表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムめっきや、ニッケルめっき、非晶質クロムめっきなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
 冷却ロール表面の表面粗さは、Raで0.1μm以下とすることが好ましく、さらに0.05μm以下とすることが好ましい。ロール表面が平滑であるほど、得られるフィルムの表面も平滑にできるのである。もちろん表面加工した表面はさらに研磨し上述した表面粗さとすることが好ましい。
 本発明において、弾性タッチロールとしては、特開平03-124425号、特開平08-224772号、特開平07-100960号、特開平10-272676号、WO97/028950号、特開平11-235747号、特開2002-36332号、特開2005-172940号や特開2005-280217号公報に記載されているような表面が薄膜金属スリーブ被覆シリコンゴムロールを使用することができる。
 冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
 〈延伸工程〉
 本発明では、上記のようにして得られたフィルムは冷却ロールに接する工程を通過後、さらに少なくとも1方向に1.01~3.0倍延伸することもできる。
 好ましくは縦(フィルム搬送方向)、横(巾方向)両方向にそれぞれ1.1~2.0倍延伸することが好ましい。
 延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンターなどを好ましく用いることができる。
 巾方向に延伸することで光学フィルムの遅相軸は巾方向になる。
 通常、延伸倍率は1.1~3.0倍、好ましくは1.2~1.5倍であり、延伸温度は、通常、フィルムを構成する樹脂のTg~Tg+50℃、好ましくはTg~Tg+50℃の温度範囲で行われる。
 延伸は、長手方向もしくは幅手方向で制御された均一な温度分布下で行うことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
 上記の方法で作製したフィルム状樹脂基板を光学フィルムとして用いる場合、当該光学フィルムのレターデーション調整や寸法変化率を小さくする目的で、フィルムを長手方向や幅手方向に収縮させてもよい。
 長手方向に収縮するには、例えば、巾延伸を一時クリップアウトさせて長手方向に弛緩させる、又は横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることによりフィルムを収縮させるという方法がある。
 遅相軸方向の均一性も重要であり、フィルム巾方向に対して、角度が-5~+5°であることが好ましく、さらに-1~+1°の範囲にあることが好ましく、特に-0.5~+0.5°の範囲にあることが好ましく、特に-0.1~+0.1°の範囲にあることが好ましい。これらのばらつきは延伸条件を最適化することで達成できる。
 本発明のフィルム状樹脂基材は、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m~5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3~4mであることが好ましく、1.4~2mであることがより好ましい。
 本発明に係るフィルム状樹脂基板の膜厚に特に制限はなく、目的に応じて変化させることが好ましい。
 〈可撓性樹脂基板の製造装置〉
 図1は、本発明に係る樹脂基材の製造装置の一例の全体構成を示す概略フローシートである。図1において、可撓性樹脂基板の製造方法は、熱可塑性樹脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機1を用いて、流延ダイ4から第1冷却ロール5上に溶融押し出し、第1冷却ロール5に外接させるとともに、更に、第2冷却ロール7、第3冷却ロール8の合計3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィルム10とする。次いで、剥離ロール9によって剥離したフィルム10を、次いで延伸装置12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置16により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第1冷却ロール5表面に挟圧するタッチロール6が設けられている。このタッチロール6は表面が弾性を有し、第1冷却ロール5との間でニップを形成している。
 本発明において、製造装置には、ベルト及びロールを自動的に清掃する装置を付加させることが好ましい。清掃装置については特に限定はないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール、粘着ロール、ふき取りロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、レーザーによる焼却装置、あるいはこれらの組み合わせなどがある。
 清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
 (太陽光反射用ミラー)
 本発明のフィルムミラーは、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。フィルムミラー単体で太陽光集光ミラーとして用いることもできるが、より好ましくは、樹脂基材を挟んで銀反射層を有する側と反対側の樹脂基材面に塗設された粘着層を介して、他基材上に、特に金属基材上に、当該フィルムミラーを貼り付けて太陽光反射用ミラーとして用いることである。
 太陽光反射用ミラーとして用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。また、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められる為、本発明のフィルムミラーが特に好適に用いられる。
 〈粘着層〉
 粘着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。
 例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴムなどが用いられる。
 ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
 粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1~50μm程度の範囲であることが好ましい。
 本発明に適宜採用される本発明のフィルムミラーと貼り合せられる他基材としては、銀反射層層の保護性を付与できるものであればよく、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシート、又は酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングしたり金属蒸着などの表面加工を施した樹脂フィルム又はシートが用いられる。
 貼り合わせフィルム又はシートの厚さは、特に制限はないが通常12~250μmの範囲であることが好ましい。
 また、これらの他基材は本発明のフィルムミラーと貼り合わせる前に凹部や凸部を設けてから貼り合せてもよく、貼り合せた後で凹部や凸部を有するように成形してもよく、貼り合わせと凹部や凸部を有するように成形することを同時にしてもよいものである。
 〈金属基材〉
 本発明に係る太陽光反射用ミラーの金属基材としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。本発明においては、特に耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などにすることが好ましい。
 以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。
 [比較例1]
 (真空蒸着によるアルミニウム蒸着膜の形成)
 基材として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み175μm)を用いた。次に、アルミニウムには純度99.9%のものを使用し、巻き取り式の真空蒸着装置を用い、チャンバーの到達真空度が0.5×10-4torr(6.7×10-3Pa)になるまで排気した後、膜厚が100nmとなるまで真空蒸着を行った。真空加工時はガスの発生も無く、蒸着されたアルミニウムの蒸着金属膜の外観も鏡面状のものが得られた。次に、チャンバーの到達真空度が3.0×10-5torr(4.0×10-3Pa)になるまで排気した後、酸素ガスをコーティングドラムの近傍に、チャンバー内の圧力を3.0×10-4torr(4.0×10-2Pa)に保って導入し、蒸発源の一酸化ケイ素をピアス型電子銃により、約10kwの電力で加熱して蒸着させ、コーティングドラム上を120m/minの速度で走行するポリエステルフィルムのアルミニウム蒸着面上に、厚さが100nmの酸化ケイ素の防湿層を形成した。
 [比較例2]
 2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ175μm)の片面側に、アルミニウムに代えて純度99.9%の銀を使用し、比較例1と同様の方法で100nmの膜厚で銀蒸着膜を形成し、比較例2のサンプルを作製した。
 [比較例3]
 製造例1:導電性ポリピロール微粒子を含む塗料の調製
 アニオン性界面活性剤ペレックスOT-P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン50ml、イオン交換水100mlを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する導電性ポリピロール微粒子を得た。
 上記で得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.3%であったが、ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ-820(DIC(株)製)を導電性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部加えて還元性微粒子塗料を得た。
 製造例1で調製した導電性ポリピロール微粒子を含む塗料を、マイクログラビアコーターにて幅30cm、厚み100μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ175μm)に100nmの塗膜厚で塗工した。
 製造例1で製造したフィルムをロールにし、このロールからのフィルムを、初めに35℃に調整した0.02%塩化パラジウム-0.01%塩酸水溶液(pH3)が入った容積20Lの塩化ビニル製の槽、次に、35℃に調整した無電解銀めっき浴が入った容積20Lの塩化ビニル製の槽を1m/分の速度で通過させ、この際、槽内のロール数を変えて、初めの槽の通過時間が1分となるように調整し、次の槽の通過時間が10分となるように調整し、各槽通過後には水洗を行った。結果として、膜厚0.3μmで銀めっきが施されたポリエステルフィルムが連続的に得られた。
 [実施例1]
 製造例1で製造したフィルムをロールにし、このロールからのフィルムを、比較例1と同様に、初めに35℃に調整した0.02%塩化パラジウム-0.01%塩酸水溶液(pH3)が入った容積20Lの塩化ビニル製の槽、次に、35℃に調整した無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)が入った容積20Lの塩化ビニル製の槽を1m/分の速度で通過させ、この際、槽内のロール数を変えて、初めの槽の通過時間が1分となるように調整し、次の槽の通過時間が10分となるように調整し、各槽通過後には水洗を行った。更に35℃に調整した無電解銀めっき浴を10分かけて通過した後、水洗を行った。結果として、膜厚0.3μmの銅めっきの上に、膜厚0.3μmの銀めっきが施されたポリエステルフィルムが連続的に得られた。
 更に、銀めっき面の上に、比較例1と同様の操作により膜厚100nmの酸化ケイ素の防湿層を形成し、実施例1のフィルムミラーサンプルを形成した。
 [実施例2]
 製造例2:無機酸化物粒子含有塗布液-1の調製
 1Lのステンレスポットに純水400gを入れ、ウルトラタラックス T25 デジタル (IKA社)を用いて6000rpmにて、酸化珪素(コアフロント株式会社製 商品名:sicastar(平均粒径:70nm))600gを5分かけて添加し、その後30分間分散を行った。その後、1000gのMEKを添加し、バス温40℃、2.0×10torr(2.7×10Pa)の減圧下にて残質量が800gとなるまでエバポレーターにより溶媒除去する操作を3回繰り返し、最後にMEKを200g加えて総質量を1000gとし、分散液-1を得た。次にテトラエトキシシラン(Si(CO))を20質量部と、フェニルトリエトキシシラン(CSi(OC)を80質量部とをエチルアルコール100質量部に混合し、蟻酸を触媒として反応させ、酸性の溶液を得た。次に、その酸性溶液をトリエチルアミン((CN)によって中和し、中和溶液を得た。そして、中和溶液をメチルエチルケトンで溶剤置換し、樹脂不揮発分濃度60%、粘度400cpの樹脂溶液-1を得た。分散液-1の30gと樹脂溶液-1の70gを混合し、無機酸化物粒子塗布液-1を100g得た。
 (実施例2の塗布サンプル作製)
 実施例1と同様に作製した銀めっき面上に、上記無機酸化物粒子含有塗布液-1を、乾燥後の膜の厚さが1μmとなるようにバーコーティングし、ドライオーブンにて150℃、30分加熱乾燥し、実施例2のサンプルを作製した。
 [実施例3]
 無電解銅めっき浴の代わりに無電解ニッケルめっき浴を用いて、膜厚0.3μmのニッケルめっきを施す以外は、実施例2と同じ方法により、実施例3のフィルムミラーサンプルを作製した。
 [実施例4]
 無電解銅めっき浴の代わりに無電解亜鉛めっき浴を用いて、膜厚0.3μmの亜鉛めっきを施す以外は、実施例2と同じ方法により、実施例4のフィルムミラーサンプルを作製した。
 [実施例5]
 無電解銅めっき浴の代わりに無電解クロムめっき浴を用いて、膜厚0.3μmのクロムめっきを施す以外は、実施例2と同じ方法により、実施例5のフィルムミラーサンプルを作製した。
 [実施例6]
 製造例3:無機酸化物粒子含有塗布液-2の調製
 上記無機酸化物粒子塗布液-1を100gに対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン製、チヌビンP、固形分比2%)を5g添加し、無機酸化物粒子含有塗布液-2を調製した。
 この塗布液を実施例2の無機酸化物粒子含有塗布液-1の代わりに塗布し、実施例6のサンプルを作製した。
 [実施例7]
 実施例6に対して、端部を図2のように形成した以外は、実施例6と同様に行い、実施例7のサンプルを作製した。
 (太陽光反射用ミラーの作製)
 厚さ0.1mmで、たて4cm×よこ5cmのステンレス(SUS304)板上に、上記サンプルを、厚さ3μmの粘着層を介して貼り付け、太陽光反射用ミラーを作製した。
 [評価]
 上記で得た太陽光反射用ミラーについて、下記の方法により正反射率及び耐候性、耐光性の測定をそれぞれ行った。
 <光線反射率測定>
 島津製作所社製の分光光度計「UV265」に、積分球反射付属装置を取り付けたものを用い、基準板としては硫酸バリウム粉末を押し固めたものを用いた。評価は、人の目の感度が最も高い波長である555nmにおける光線反射率について測定した。
 <光線反射率の耐候性試験>
 キセノンランプを照射しながら、温度85℃、湿度85%RHの条件で30日間放置後のフィルムミラーの反射率を、上記光線反射率測定と同様の方法により測定し、強制劣化前のフィルムミラーの反射率と強制劣化後のフィルムミラー反射率から、反射率の低下率を算出した。以下に耐候性試験の評価基準を記す。
 5:反射率の低下率が5%未満
 4:反射率の低下率が5%以上10%未満
 3:反射率の低下率が10%以上15%未満
 2:反射率の低下率が15%以上20%未満
 1:反射率の低下率が20%以上
 <テープ剥離試験>
 JIS H8504テープ試験方法に準じて、カッターで2mm角の条こんを100個付けた後で、テープによる引き剥がし試験を実施した。
 なお、評価基準は以下の通りとした。
5:剥離なし
4:20%程度剥離有り
3:50%程度剥離有り
2:70%程度剥離有り
1:90%以上剥離
 <テープ剥離の耐候性試験>
 キセノンランプを照射しながら、温度85℃、湿度85%RHの条件で30日間放置後のフィルムミラーを、JIS H8504テープ試験方法に準じて、カッターで2mm角の条こんを100個付けた後で、テープによる引き剥がし試験を実施した。
 なお、評価基準は上記テープ剥離試験と同じ基準とした。
 得られたフィルムミラーの内容を下記表1に、特性を評価した結果を下記表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示した結果から明らかなように、本発明のフィルムミラーは、光線反射率が高い上に、対剥離性、耐光性及び耐候性において優れていることが分かる。
 すなわち、本発明の手段により、光反射率が高く、軽量かつ柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのでき、耐光性及び耐候性に優れたフィルムミラーとその製造方法を提供することができることが分かる。
 1A 導電性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムロール
 2A 前処理液(脱ドープ)
 3A 水洗
 4A 触媒液(Pd付着)
 5A めっき液(Cu析出)
 6A めっきフィルムロール(製品)
 7A 還元性高分子微粒子を含む塗料が塗布されたフィルムロール
 8A 触媒液(Pd付着)
 9A めっき液(Cu析出)
 10A めっきフィルムロール(製品)
 1 押出し機
 2 フィルター
 3 スタチックミキサー
 4 流延ダイ
 5 回転支持体(第1冷却ロール)
 6 挟圧回転体(タッチロール)
 7 回転支持体(第2冷却ロール)
 8 回転支持体(第3冷却ロール)
 9 剥離ロール
 10 フィルム
 11、13、14 搬送ロール
 12 延伸機
 15 スリッター
 16 巻き取り機
 F 本発明に係るフィルム状樹脂基材

Claims (6)

  1.  樹脂基材上に導電性高分子微粒子を含有する下地層と光反射層とを有するフィルムミラーであって、前記光反射層が銀を含有し、当該光反射層と前記下地層との間に、少なくとも一層の金属薄膜層を有することを特徴とするフィルムミラー。
  2.  前記導電性高分子微粒子が、ポリピロールであることを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  3.  前記フィルムミラーのミラー面の端部が、ガスバリア性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルムミラー。
  4.  前記フィルムミラーのミラー面の端部が、紫外線遮断性を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のフィルムミラー。
  5.  請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法であって、光反射層及び金属薄膜層が無電解めっき法により形成されることを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  6.  請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のフィルムミラー、又は請求項5に記載のフィルムミラーの製造方法により得られたフィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーであって、前記銀反射層の光の入射側と反対面側に配置した粘着層を介して、基材上に当該フィルムミラーを貼り付けて形成されたことを特徴とする太陽光反射用ミラー。
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