JP5034257B2 - バリア性フィルム、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら特許文献5記載の方法に用いられる装置においては、酸化性ガスの流入口が金属蒸気飛翔空間外に設けられていることから、金属蒸気飛翔空間外にも酸化性ガスが流入し、金属蒸気と酸化性ガスとの反応効率が低下する。すなわち基材表面に十分な金属酸化物皮膜を形成できないことから、十分なガスバリア性が得られない。また反応効率を上げるため、多量の酸化性ガスをコーティングチャンバー内に導入すると、未反応の酸化性ガスあるいはプラズマにて活性化されたガスが多量に排気系に流れ、真空度の低下や真空ポンプ用オイルの劣化を引き起こしたり、あるいは装置内に白い粉末状の金属酸化物が付着するとともに真空ポンプの破損が生ずるという問題点がある。
(a) 基材に無機酸化物を真空蒸着するバリア性フィルムの製造方法において、
マイクロ波を発生させながら、基材と、電子線で加熱する蒸着源との間に、バリア性フィルムの帯電を防止するために必要な量の不活性ガスを含んだ酸素を導入することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。
(b)(a)の製造方法により製造されたことを特徴とするバリア性フィルム。
(c)(b)のバリア性フィルムの基材の一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、さらにガスバリア性塗布膜として、一般式R1 nM(OR2)m (ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設け、さらに加熱処理することを含む、ガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムの製造方法。
(d)(c)の製造方法により製造されたことを特徴とするガスバリア性塗布膜が設けられたバリア性フィルム。
1.本発明のバリア性フィルムの製造方法
本発明のバリア性フィルムの製造方法を説明する。図1は本発明のバリア性フィルムの製造方法に使用する物理気相成長法による無機酸化物の薄膜を形成する巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図1に示すように、巻き取り式真空蒸着装置1のワインディングチャンバー2の中で、巻き出しロール4から繰り出す基材6は、ガイドロール5を介して、冷却したコーティングドラム7に案内される。
このようにして、上記の冷却したコーティングドラム7上に案内された基材6の上に、るつぼ10で熱せられた蒸着源9、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、パイプ11より酸素ガスおよび不活性ガスを噴出させると共に、マイクロ波発生装置14からマイクロ波を照射し、酸素ガスおよび不活性ガスをプラズマ化し、これを供給しながら、マスク15を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化する。次いで、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材6を、ガイドロール5′を介して送り出し、巻き取りロール8に巻き取ることにより、本発明にかかる物理気相成長法によるバリア性フィルムを製造することができる。
(1)基材
上記の製造方法において使用する基材は、これに無機酸化物の蒸着膜を設けることから、機械的、物理的、化学的に優れた特性を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートであることが必要である。
具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、およびこれらの混合物等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましい。
本発明の製造方法でいう真空蒸着された無機酸化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の酸化物を挙げることができる。
好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
また、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物ともいうことができ、その表記は、例えば、SiOX、
AlOX、MgOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる)で表される。
また、上記のXの値の範囲として、ケイ素(Si)は0〜2、アルミニウム(Al)は0〜1.5、マグネシウム(Mg)は0〜1、カルシウム(Ca)は0〜1、カリウム(K)は0〜0.5、スズ(Sn)は0〜2、ナトリウム(Na)は0〜0.5、ホウ素(B)は0〜1、5、チタン(Ti)は0〜2、鉛(Pb)は0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合は、完全な金属であり、透明ではないので使用することができない。また、Xの範囲の上限は、完全に酸化したときの値である。
望ましくは、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明の製造方法において使用される不活性ガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられるが、アルゴンが好ましい。また、酸素ガスに対する不活性ガスの導入量は、バリア性フィルムへの帯電を防止するのに必要な量でなければならず、そのような量としては、標準状態(0℃、1atm)での流量(slm)の比で、酸素ガス1slmに対し、0.1slm以上、特に0.2slm以上であることが好ましい。また優れたガスバリア性を得るためには、不活性ガスの導入量を、標準状態での流量(slm)の比で、酸素ガス1slmに対し、0.8slm以下、特に0.5slm以下にすることが好ましい。
上記のとおり本発明は、アルゴン等の不活性ガスにマイクロ波を照射して、Ar+等の不活性ガスプラズマを形成し、これにより2次電子を中和することにより、バリア性フィルムの帯電防止を図るものであることから、バリア性フィルムへの帯電を十分に防止できるような条件でマイクロ波を発生することが必要である。本発明で用いるマイクロ波の出力としては、5〜15kW、特に6〜10kWが好ましく、周波数としては1〜5GHz、特に2〜4GHzが好ましい。マイクロ波の出力が、5kW未満の場合には、十分な帯電防止効果を得ることができず、15kWを超える場合には、バリア性フィルムが熱損傷を受け、しわになる等の問題が生じる。
上記のようにして製造されたバリア性フィルムの無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けることにより、さらにバリア性フィルムのバリア性を改善することができる。以下に本発明のガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムの製造方法について説明する。
(i)ガスバリア性組成物として、例えば、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製する工程、
(ii)基材の一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、必要ならば、酸素ガスによるプラズマ処理面等を介して、上記のゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設ける工程、
(iii)上記の塗工膜を設けたバリア性フィルムを、20℃〜180℃で、かつ、上記の基材の融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して、上記の基材の一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、要すれば、酸素ガスによるプラズマ処理面等を介して、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を形成する工程。
(1)一般式R1 nM(OR2)mで表されるアルコキシド
一般式R1 nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等を使用することができる。特に本発明においては、MがSiであるアルコキシシランが好ましい。また、単独または2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1 nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等のアルキル基を挙げることができる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン Si(OCH3)4、テトラエトキシシラン Si(OC2H5)4、テトラプロポキシシラン Si(OC3H7)4、テトラブトキシシラン Si(OC4H9)4等を使用することができる。これらのアルコキシシランは、単独または2種以上を混合しても用いてもよい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体との含有量は、上記のアルコキシドの合計量100重量部に対して5〜500重量部の範囲であり、好ましくは、約20〜200重量部の配合割合でガスバリア性組成物を調製することが好ましい。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。
ガスバリア性塗布膜を形成するガスバリア性組成物は、上記の一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、上記のポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体とを混合し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合して調製することができる。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾル−ゲル法触媒、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。ガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
さらに、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
このようにして得られた本発明に係るバリア性層は、ガスバリア性に優れているものである。
本発明のバリア性フィルムを用いて製造した包装用容器は、透明性、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、さらに、ラミネート加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性を有し、また、バリア性膜としての蒸着薄膜の剥離を防止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防止して、バリア性膜として優れた耐性を発揮し、例えば、飲食品、医薬品、洗剤、シャンプー、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品等の種々の物品の充填包装適性、保存適性等に優れているものである。
[実施例1]
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着した。次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスおよびアルゴンガスの混合ガスをるつぼ上のガスパイプから導入し、これにマイクロ波を照射し、前記ガスをプラズマ化しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件で、膜厚20nmの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、本発明のバリア性フィルムを製造した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
酸素ガス導入量;10000sccm
アルゴンガス導入量;5000sccm
蒸着源:アルミニウム
ワインディングチャンバー真空度:2×10-2mbar
コーティングチャンバー真空度(酸素およびアルゴンガス導入前):1×10-5mbar
コーティングチャンバー真空度(酸素およびアルゴンガス導入後):5×10-4mbar
EB出力:40kW
搬送速度:400m/min.
マイクロ波発生装置:ON(周波数:2.46GHz、出力:7.2kW)
アルゴンガス流量を2000sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、本発明のバリア性フィルムを製造した。
アルゴンガス流量を10000sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、本発明のバリア性フィルムを製造した。
[実施例4]
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着した。次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に酸化ケイ素を蒸着源に用いて、酸素ガスおよびアルゴンガスの混合ガスをるつぼ上のガスパイプから導入し、これにマイクロ波を照射し、前記ガスをプラズマガス化しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件で、膜厚25nmの酸化ケイ素の蒸着膜を形成し、本発明のバリア性フィルムを製造した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
酸素ガス導入量;11000sccm
アルゴンガス導入量:5000sccm
蒸着源;酸化ケイ素
ワインディングチャンバー真空度;2×10-2mbar
コーティングチャンバー真空度(酸素およびアルゴンガス導入前);1×10-5mbar
コーティングチャンバー真空度(酸素およびアルゴンガス導入後);5×10-4mbar
EB出力;40kW
ライン速度;300m/min
マイクロ波発生装置;ON(周波数;2.46GHz、出力;7.2kW)
(1)実施例1と同様の方法で本発明のバリア性フィルムを製造した。その後、酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧8.0×10-5bar、処理速度100m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2)他方、下記の表1に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール水溶液、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート、シランカップリング剤、イソプロピルアルコール、0.5N塩酸水溶液、イオン交換水からなる加水分解液を加え、充分に攪拌し、無色透明のバリア塗工液を得た。
(表1)
a ポリビニルアルコール 2.33(wt%)
(RS−110:株式会社クラレ製、ケン化度=99%、重合度=1,000)
イソプロピルアルコール 2.70
H2O 1.75
b エチルシリケート 16.60
シランカップリング剤 1.66
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
イソプロピルアルコール 3.90
0.5N塩酸水溶液 0.53
H2O 20.53
合 計 100.00(wt%)
アルゴンガス流量を2000sccmに変更したこと以外は、実施例5と同様の方法で、本発明の無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムを製造した。
アルゴンガス流量を10000sccmに変更したこと以外は、実施例5と同様の方法で、本発明の無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムを製造した。
実施例4と同様の方法で本発明のガスバリア性フィルムを製造した以外は、実施例5と同様の方法で、本発明の無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムを製造した。
アルゴンガスを導入せず、マイクロ波発生装置をOFFにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、バリア性フィルムを製造した。
マイクロ波発生装置をOFFにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、バリア性フィルムを製造した。
アルゴンガスを導入せず、マイクロ波発生装置をOFFにしたこと以外は、実施例4と同様の方法で、無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムを製造した。
マイクロ波発生装置をOFFにしたこと以外は、実施例4と同様の方法で、無機酸化物蒸着膜上に、さらにガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムを製造した。
実施例1〜6、比較例1〜4のバリア性フィルムの酸素透過度、水蒸気透過度、剥離帯電量を以下の条件で測定し、各バリア性フィルムの性能を検討した。
酸素透過度:MOCON法(JIS規格 K7126) 23℃、90%RH条件下で測定を行った。
水蒸気透過度:MOCON法(JIS規格 K7129) 40℃、100%RH条件下で測定を行った。
剥離帯電量測定:バリア剤コーターの巻き出し部からフィルムが繰り出される部に春日電機製静電気測定器KSD−0103にて帯電量を測定した。結果を(表2)に示す。
上記のとおり、マイクロ波を発生させつつアルゴンガスを導入した実施例1〜4の本発明のバリア性フィルムの剥離帯電量は、マイクロ波を発生させず、かつアルゴンガスを導入しなかった比較例1のバリア性フィルムや、マイクロ波を発生させずにアルゴンガスを導入した比較例2のバリア性フィルムの剥離帯電量と比較して著しく低下した。すなわち、マイクロ波を発生させつつ、アルゴンガスを導入することにより、バリア性フィルムへの2次電子の帯電を防止することができ、2次電子の帯電によるバリア性フィルムの損傷を防止できることが確認された。
2 ワインディングチャンバー
3 コーティングチャンバー
4 巻き出しロール
5、5′ ガイドロール
6 基材
7 コーティングドラム
8 巻き取りロール
9 蒸着源
10 るつぼ
11 パイプ
12 電子銃
13 電子線
14 マイクロ波発生装置
15 マスク
Claims (7)
- 基材に無機酸化物を真空蒸着するバリア性フィルムの製造方法において、出力が5〜15kWのマイクロ波を発生させながら、基材と、電子線で加熱する蒸着源との間に、バリア性フィルムの帯電を防止するために必要な量の不活性ガスを含んだ酸素を導入することを特徴とするバリア性フィルムの製造方法。
- 不活性ガスが、アルゴンガスであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 酸素ガスと不活性ガスの導入量比が、標準状態の流量比で1:0.1〜1:0.8の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 酸素ガスと不活性ガスの導入量比が、標準状態の流量比で1:0.2〜1:0.5の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
- 蒸着源がアルミニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたバリア性フィルムの基材の一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、さらにガスバリア性塗布膜として、一般式R1 nM(OR2)m (ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾル−ゲル法触媒、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設け、さらに加熱処理することを含む、ガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムの製造方法。
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