JP4717297B2 - 酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法 - Google Patents
酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性及び酸素あるいは水蒸気等のガスバリア性等に優れた酸化アルミニウム蒸着フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、酸素あるいは水蒸気等に対するバリア性材料として、プラスチック基材に酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法等で形成してなる透明ガスバリア性フィルムが注目されている。
【0003】
通常、酸化アルミニウム蒸着膜を有するガスバリア性フィルムを製造するには、電子ビーム等で加熱蒸発させたアルミニウムに酸素ガスを供給して酸化させながら、プラスチック基材の上に酸化アルミニウムを蒸着する方法が採用されている。しかしながら、加熱蒸発させたアルミニウムと酸素とは極めて容易に反応するので、例えば酸素の供給量を多くすると緻密な膜が形成できず、その結果、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性に優れたフィルムが得られない。一方、酸素の供給量を少なくすると透明性が低下し、何れにしても品質が安定したガスバリア性等に優れたフィルムを得るには酸素の供給量とアルミニウムの蒸発量を厳密に制御する必要がある。
【0004】
酸化アルミニウムの蒸着量等を制御する方法の1つとして、例えば、平均アルミニウム蒸発量(モル/分)と酸素ガス導入量(モル/分)との比を特定の範囲に保持する方法(特開昭62−103359号公報)が知られているが、かかる方法では、アルミニウムがフィルムに付く量と、防着板等について、ロスになってしまうアルミニウムの量が条件により異なることや、アルミニウムの蒸発速度によりアルミニウムと酸素との反応状態が変化するため、同じ比率でも、同じバリア性を有するフィルムが得られるとは限らず、ガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られない虞がある。また、蒸着時の光線透過率を制御する方法(特開2001−81219号公報)が知られているが、光線透過率は蒸着膜のアルミニウムの酸化状態と膜厚という2つの要素により決まるため、光線透過率だけではガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られない虞がある。さらに蒸着膜のAlOxのXを制御する方法(特開平11−170427号公報)が知られているが、蒸着機内で蒸着時の酸素の量を測定することは難しく、また、作成した蒸着膜を1度大気開放し、測定する場合、大気中の酸素と反応しXの値が変動するため、同じく、ガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られない虞がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、加工速度等の製造条件を変更しても、容易にガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムを得る方法を開発すべく鋭意検討した結果、酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsと酸素を導入しない場合のアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcpsとの比を特定の範囲にすることにより、ガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られることが判り本発明に到達した。
【0006】
【発明を解決するための手段】
【発明の概要】
すなわち、本発明は、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcps(アルミニウムKα線)と酸素導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcps(アルミニウムKα線)との比(A/B)が
0.55≦(A/B)≦0.90
であることを特徴とする酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法に関する。
【0007】
【発明の具体的説明】
酸化アルミニウム蒸着フィルム
本発明の酸化アルミニウム蒸着フィルムは、フィルム基材上に得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsと酸素導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcpsとの比(A/B、以下「付着率」と呼ぶ場合がある。)が、0.55≦(A/B)≦0.90、好ましくは、0.60≦(A/B)≦0.80の範囲で酸化アルミニウムが蒸着されてなるフィルムである。付着率が0.55未満では、ガスバリア性等に優れたフィルムとはならず、一方、付着率が0.90を越えると透明性に劣ったフィルムとなる。
【0008】
本発明における酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsは以下の方法により得られる。すなわち、蒸着機内に所定量の酸素を導入し、加工時の光線透過率が所定の数値になるように、アルミニウムの蒸発量を制御して得られる、又は、所定のアルミニウムが蒸着されるよう制御した条件に所定量の酸素を導入して反応させて得られる、酸化アルミニウムフィルムをサンプリングし、蛍光X線分析装置ZSX100s(理学電気工業社製)を用いてアルミニウムのKα線について測定し、この蛍光X線強度を(A)kcpsとする。
【0009】
酸素導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcpsは、酸化アルミニウムの製造時、上記酸化アルミニウムフィルムのサンプリングするのと同じ条件下で酸素の導入を止め、得られるアルミ蒸着フィルムをサンプリングし、蛍光X線分析装置ZSX100s(理学電気工業社製)を用いてアルミニウムのKα線について測定し、この蛍光X線強度を(B)kcpsとする。
本発明の酸化アルミニウム蒸着フィルムは、好ましくは酸化アルミニウム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsが、0.5〜10kcps、より好ましくは0.5〜8kcps、更に好ましくは0.5〜5kcpsの範囲にある。この範囲にすることにより、透明性及びバリア性に優れた酸化アルミニウム蒸着フィルムとなる。
【0010】
酸化アルミニウムの膜厚は、特に限定はされないが、通常15Å〜500Å、好ましくは20Å〜450Åである。15Å未満ではガスバリア性に優れたフィルムが得られない虞があり、一方、500Å以上では可撓性に欠けたフィルムとなる虞がある。
【0011】
本発明の酸化アルミニウム蒸着フィルムには、ヒートシール性を付与するためにフィルム基材面及び/又は酸化アルミニウム蒸着面に熱融着層を積層しても良い。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)あるいはEVAとポリオレフィンとの組成物等を用い得る。
【0012】
本発明の酸化アルミニウム蒸着フィルムはその表面に蒸着面の保護や、印刷適性等を改良するためするため、蒸着面にトップコート層を設けてもよい、トップコート層は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等をコーティングすることとによって設けられる。また、よりバリア性を安定させるため、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、有機珪素系コーティング(ゾルゲル法含む)材、ポリ塩化ビニリデン等のバリア材をコーティングしてもよい。
【0013】
フィルム基材
本発明に係るフィルム基材は、通常、熱可塑性樹脂からなるシート状またはフィルム状の基材である。かかる熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムからなる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良い。
【0014】
又、フィルム基材の片面あるいは両面に、酸化アルミニウムとの接着性を改良するために例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。フィルム基材の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは9〜30μmの範囲にある。
【0015】
酸化アルミニウム蒸着フィルムの製造方法
本発明の酸化アルミニウム蒸着フィルムの製造方法は、上記フィルム基材上に真空中で酸素とアルミニウム蒸気とを反応させて酸化アルミニウムを形成する際に、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsと酸素を導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcpsとの比(A/B)を0.55≦(A/B)≦0.90、好ましくは0.60≦(A/B)≦0.80の範囲にして酸化アルミニウム蒸着フィルムする方法である。
得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsは、酸素の導入量に依存し、酸素の導入量(酸化度)が大きくなるとアルミニウムとしての蒸着量が減少するので、蛍光X線強度(A)は小さくなり、酸素の導入量が少ないとアルミニウムとしての蒸着量が増すので蛍光X線強度(A)は大きくなる。そして、酸素を全く導入しない場合のアルミニウムの蒸着量を表すのが蛍光X線強度(B)kcpsである。
【0016】
更に、酸化アルミニウム(金属アルミニウム)の蒸着量は、蒸着されるフィルム基材の加工速度(処理速度)、蒸発したアルミニウムがフィルム基材に付着する効率(蒸着効率)、アルミニウムの蒸発速度等に依存し、又、酸化アルミニウム(アルミニウム)の蒸着量と蒸着フィルムの光線透過率とは相関があり、酸化状態が同じならば、酸化アルミニウム(アルミニウム)の蒸着量が増すと加工時の蒸着フィルムの光線透過率は低下する。
【0017】
尚、蛍光X線測定装置を蒸着槽内に装備することにより、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルムの蛍光X線強度(B)を測定すれば直接条件を管理できるため、より好ましい。
【0018】
又、蛍光X線測定装置を蒸着槽内に装備しない場合は、予め、使用する蒸着装置で、加工速度、金属アルミニウムの蒸発量、酸素導入量等を変えて蒸着フィルムを得、(A)及び(B)を測定し、加工速度、金属アルミニウムの蒸発量、酸素導入量、光線透過率等と(A)及び(B)との検量線を求めておくことが好ましい。そして、A/Bをかかる範囲にするには、具体的には、例えば反応させる導入酸素量とアルミニウムの蒸発量を制御することによって行い得る。導入酸素量はマスフローコントローラーを用い、一定にコントロールできる。導入酸素の量は、加工速度、膜厚等により大きく変動するが、たとえば蒸着速度600m/分、光線透過率83%の場合で、巾1mあたり、好ましくは、0.9〜4.6L/分、より好ましくは、1.9〜4.2L/分にすればよい。アルミニウムの蒸発量は、アルミニウム蒸着膜の350nmでの光線透過率もしくは、導入酸素を一定とした酸化アルミニウム蒸着膜の光線透過率を基準に制御できる。光線透過率の測定装置(光線透過率計)を蒸着槽内に組込めば、蒸着中に常に酸化アルミニウムの光線透過率を監視できる。その場合、酸化アルミニウム蒸着膜の光線透過率を、好ましくは70%〜95%、より好ましくは75%〜90%にすれば、A/Bを所望の範囲にすることができる。
【0019】
アルミニウムを酸化させる酸素の導入位置は、基材フィルムの巻き出し方向側、防着板内に幅方向に設置され、アルミニウム蒸気に向かい冷却ロールの回転方向側に酸素を導入するように設置することが好ましい。この位置であれば、基材フィルムに蒸着されるアルミニウムに対してのみ酸素を供給すればよい(防着板等に付着する分のアルミニウムには酸素を供給しなくて済む)ため、余分な酸素を導入して真空度を悪くすることが防げる。
【0020】
アルミニウムの加熱方法は種々公知の方法、例えば電子ビーム(EB)方式、高周波誘導加熱方式、抵抗加熱方式等を用いることができる。中でも、熱効率がよく、高速で蒸着可能であり、膜厚分布の均一性がとりやすい電子ビーム方式の真空蒸着方がより好ましい。
【0021】
蒸着速度は、製造上、装置が可能な範囲で速いほどよいが、好ましくは、10〜1000m/分、好ましくは、50〜1000m/分であり、この範囲であれば安定的に製造可能である。
【0022】
フィルム基材の静電気除去や表面処理という観点から、蒸着槽内のフィルム基材の巻出し直後に、プラズマ処理を行ってもよい。プラズマを発生させる方法としては、直流グロー放電、高周波放電、マイクロ波放電等があげられる。また、放電にはガスの導入が必要であり、ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素等、放電で一般に用いられるさまざまなガスが挙げられる。
【0023】
電子ビーム加熱の真空蒸着では、蒸着中に電子ビームによる二次電子や反射電子により、フィルム基材が帯電する。これらの静電気を除去するため、蒸着直後にプラズマ処理を行う必要がある。プラズマを発生させる方法としては、直流グロー放電、高周波放電、マイクロ波放電等があげられる。また、放電にはガスの導入が必要であり、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素等、放電で一般に用いられるさまざまなガスが挙げられる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
【0025】
なお、実施例および比較例における物性は以下の測定方法で行った。
(1) 酸素透過度の測定
蒸着直後の蒸着フィルムの蒸着面を内側にして、50μmのLLDPE(密度0.920g/cm3、MFR3.8g/10分)とドライラミネートしたフィルムを、温度20℃、湿度90%RHの条件で、酸素透過率測定機(MOCON社製:OXTRAN2/20)を使用して測定した。
(2) 水蒸気透過度の測定
蒸着直後の蒸着フィルムの蒸着面を内側にして、50μmのLLDPEとドライラミネートしたフィルムを、内容物として塩化カルシウムを入れ、表面積が0.01m2になるように、製袋し、温度40℃、湿度90%RHの条件で3日間放置し、その重量差で水蒸気透過度を測定した。
(3) 蛍光X線強度
蛍光X線分析装置(理学電機工業製:ZSX100s)を用いてアルミニウムのKα線について測定した。
(4)光線透過率とアルミニウム蒸発量の制御
350nmの光線透過率(PETを100%とした)を蒸着槽内で測定し、光線透過率が規定の値になるよう、電子ビームの出力を制御してアルミニウムの蒸発量を調整した。
【0026】
実施例1
12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸素を幅1m当たり4.1L/分供給し、光線透過率80%、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0027】
実施例2
12μmの二軸延伸PETフィルムを基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸素を幅1m当たり3.7L/分供給し、光線透過率80%、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0028】
実施例3
12μmの二軸延伸PETフィルムを基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸素を幅1m当たり3.7L/分供給し、光線透過率77%で、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0029】
実施例4
12μmの二軸延伸PETフィルムを基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸素を幅1m当たり3.4L/分供給し、光線透過率80%、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0030】
比較例1
12μmの二軸延伸PETフィルムを基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸素を幅1m当たり4.6L/分供給し、光線透過率85%で、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0031】
比較例2
12μmの二軸延伸PETフィルムを基材とし、その片面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、光線透過率61%で、蒸着速度600m/分で蒸着した。得られた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から分るように、実施例1〜4では蒸着直後から水蒸気バリア性のよい酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られている。また比較例1または2ではバリア性の良好な蒸着フィルムが得られていない。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、真空中で酸素とアルミニウム蒸気とを反応させてフィルム基材上に酸化アルミニウムを形成する際に、0.55≦付着率(A/B)≦0.90の範囲で酸化アルミニウム蒸着フィルムを製造することで、蒸着直後からでも、安定して酸素ガスバリア性や水蒸気バリア性のよい、酸化アルミニウム蒸着フィルムを得ることができる。このように付着率を基準に酸化アルミニウム蒸着フィルムの品質を制御することにより、さまざまな蒸着速度においても、適切な蒸着条件を見出すことができ、バリア性の安定した、酸化アルミニウム蒸着フィルムを製造することができる。この酸化アルミニウム蒸着フィルムは食品、医薬品、化粧品、工業材料等、種々の包装用途に使用することができる。
Claims (1)
- 酸素を基材フィルムの巻き出し側で且つ防着板内に幅方向に設置した供給口から、冷却ロールの回転方向で且つアルミニウム蒸気に向かって供給して、真空中で酸素とアルミニウム蒸気とを反応させてフィルム基材上に酸化アルミニウムを形成する際に、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kcps(アルミニウムKα線)と酸素を導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcps(アルミニウムKα線)との比(A/B)を
0.55≦(A/B)≦0.90
の範囲にすることを特徴とする酸化アルミニウム蒸着フィルムの製造方法。
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