JP2015063024A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性の向上に起因するガスバリア性能の劣化をより小さくしつつ、従来よりもガスバリア性能に優れたガスバリア性フィルムを提供する。
【解決手段】基材であるプラスチックフィルム10と、プラスチックフィルム10上に形成されたガスバリア層11を備えたガスバリア性フィルム1であって、プラスチックフィルム10上にガスバリア層11を形成する際に、真空蒸着法と、真空蒸着法で用いる蒸着材料からなる蒸着粒子に対する、高密度プラズマを発生させる手段により発生させた高密度プラズマによる活性化を併せて用いることにより、80%以上100%以下の範囲内の光線透過率で水蒸気透過率の最大値と最小値との差を2g/m2・day以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品の包装材、医療医薬品、インクジェットタンク部材の外装材、樹脂等の輸出用包材、太陽電池バックシート等の産業資材向け外装材に用いられるガスバリア性フィルムに関するものである。
食品や医薬品類の包装材料や、ハードディスクや半導体モジュールに用いられる包装材料においては、内容物を保護することが必要である。特に、食品包装においては、蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては、有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが求められる。
したがって、これらの内容物の品質を保護するために、酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。
医療医薬品やインクジェットタンク部材の外装材や、樹脂等の輸出用包材には、それぞれ、高温多湿化における加速試験や、高温化での溶剤蒸散防止、船便による輸送(特に、赤道直下)において安定して優れた高い酸素バリア性、水蒸気バリア性を発揮する包装体が求められている。
また、太陽電池保護シートには、太陽電池モジュールの起電部分であるパターニングされたシリコン薄膜の湿度による劣化を防止するために、太陽電池の裏側に配置されており、酸素や水蒸気といったガスを遮断し、同時に屋外等の過酷な状況下で使用されてもガスバリア性能が劣化しない耐久性能が求められる。
プラスチックフィルムからなる包装体としては、従来、高分子の中では比較的ガスバリア性能に優れるポリビニルアルコール(PVA)、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)等の樹脂フィルムや、これらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルム等が好んで用いられてきた。
しかしながら、これらのフィルムは、温度依存性が高く、高温または高湿度下においてガスバリア性能に劣化が見られ、また、食品包装用途においては、ボイル処理や高温高圧力条件下でのレトルト処理を行うと、ガスバリア性能が著しく劣化する場合が多い。また、PVDC系の高分子樹脂組成物を用いたガスバリア性積層体は、湿度依存性は低いものの、温度依存性がある上に、高いガスバリア性能(例えば、1cc/m2・day・atm以下)を得ることができない。
また、PVDCやPAN等は、廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が高いため、高防湿性を有し、かつ高度のガスバリア性能を要求される包装体については、アルミニウム等の金属箔等にて、ガスバリア性能を担保せざるを得なかった。しかしながら、金属箔は不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しく、金属探知機による内容物検査や、電子レンジでの加熱処理が出来ない。
これらの問題を解決するべく、プラスチックフィルム上に、酸化アルミニウム等からなる金属酸化膜を形成したガスバリア性フィルムが、一般的に数多く、実用化されている。
上記の金属酸化膜を形成する際には、ドライコーティング法の中でも、真空蒸着法を用いることで、生産性に優れた金属酸化膜を形成することが可能である。
真空蒸着法以外のドライコーティング方式としては、スパッタリング法や化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)が挙げられるが、スパッタリング法では、ガスバリア性能には優れるものの、生産速度が大幅に遅くなってしまう。また、化学気相蒸着法の場合においても、ガスバリア層の形成に選択した場合、真空蒸着法と比較して、生産速度に遅くなってしまうというデメリットが生じてしまう。
真空蒸着法を用いた金属酸化膜の形成には、成膜材料に金属材料を用い、空間中に酸素等の反応性ガスを導入して反応させることで、金属酸化膜を得る手段が挙げられる。この手段で金属酸化膜を得る場合、金属酸化膜の透明性は、金属材料が蒸発することで形成される蒸着粒子が、空間中に導入された反応性ガスと衝突し、金属酸化物粒子となることで付与され、より多くの反応性ガスと衝突することにより、透明性が向上する。
しかしながら、更なる透明性の向上を目標に、反応性ガスの導入量を増やす場合、反応ガス導入により発生する成膜圧力の上昇に伴い、平均自由行程が短くなり、衝突回数が多くなることで、蒸着粒子の持つ運動エネルギーが多く失われてしまう。このため、従来で得られていたガスバリア性能が大幅に劣化してしまうことがあり、更なる透明性の向上を達成するには、鋭意工夫が求められる。
透明性を向上させる方法として、生産速度を早くすることで膜厚を減少させる方法が挙げられるが、その場合、膜厚の減少により、従来で得られていたガスバリア性能が大幅に劣化してしまうことがあり、透明性を向上させつつ、更なるガスバリア性能向上を達成するには、鋭意工夫が求められる。
透明性の上昇に伴う、ガスバリア性能の低下を防ぎ、かつ従来よりもガスバリア性能を向上させる方法としては、蒸発粒子に新たに運動エネルギーを付与することで、失われる運動エネルギーを補い補足することで、膜の緻密性を向上させる方法が挙げられる。
上記の方法としては、例えば、圧力勾配型のプラズマガンを、材料蒸発方法として用いた蒸着法が考案されている(特許文献1参照)。この手法は、プラズマガンより発せられるプラズマを、磁場を用いて収束させるなどして、材料へ誘導し、材料を加熱して蒸発させるとともに、蒸発中の原子・分子が、プラズマガンより発せられるプラズマを通過することにより活性化し、蒸発時より高い運動エネルギーを持って基材に入射することにより、通常の蒸着法よりも緻密な膜を得ることが可能な方法である。
特開2005−34831号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、材料の蒸発とプラズマによる活性化が同時に行えるため煩雑さは少なく、装置コスト的に有利である反面、材料の蒸発速度とプラズマ密度とが一義的に決定してしまうため、生産性の向上を達成することは困難であるという問題点があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、従来の方式では不十分であった透明性とガスバリア性との両立を実現するべく、透明性上昇に起因するガスバリア性能の劣化をより小さくしつつ、従来よりもガスバリア性能に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、基材と、当該基材上に形成されたガスバリア層と、を備えたガスバリア性フィルムであって、
前記基材上に前記ガスバリア層を形成する際に、真空蒸着法と、当該真空蒸着法で用いる蒸着材料からなる蒸着粒子に対する、高密度プラズマを発生させる手段により発生させた高密度プラズマによる活性化と、を併せて用いることにより、80%以上100%以下の範囲内の光線透過率で水蒸気透過率の最大値と最小値との差を2g/m2・day以下としたことを特徴とするガスバリア性フィルムである。
また、本発明の一態様は、前記真空蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法のうちいずれか一つであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
また、本発明の一態様は、前記高密度プラズマを発生させる手段として、ICPプラズマ、ヘリコン波プラズマ、マイクロ波プラズマ、ホロカソード放電のうちいずれか一つを用いることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
また、本発明の一態様は、前記ガスバリア層は、アルミニウムを含む層であることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
本発明の一態様であれば、透明性の向上に起因するガスバリア性能の劣化をより小さくしつつ、従来よりもガスバリア性能に優れたガスバリア性フィルムを提供することが可能となる。
本発明の実施形態のガスバリア性プラスチックフィルムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態のガスバリア性プラスチックフィルムの製造装置の概略構成を示す図である。 実施例及び比較例のガスバリア性プラスチックのガスバリア性を比較した表である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態のガスバリア性フィルム(ガスバリアフィルム、ガスバリア性プラスチックフィルム)の概略構成を示す図であり、ガスバリア性フィルムを側方から見た断面図である。
図1中に示すように、ガスバリア性フィルム1は、プラスチックフィルム(基材)10と、プラスチックフィルム10上に真空蒸着法により成膜されて形成されたガスバリア層11を備えている。
なお、ガスバリア性フィルム1の構成は、上記の構成に制限されるものではなく、更なるガスバリア性能や密着性の向上を目的に、樹脂材料をベースにしたアンカーコート層の挿入や、プラズマを用いた表面処理を行ってもよい。
(プラスチックフィルム10の構成)
プラスチックフィルム10の材料としては、特に制限を受けるものではなく、公知のものを用いることが可能である。すなわち、プラスチックフィルム10の材料としては、例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)等を用いることが可能である。
なお、プラスチックフィルム10の材料としては、外観の観点や、中身が確認できると言った利点から、透明フィルムを用いることが好ましい。
また、プラスチックフィルム10の厚さは、特に制限を受けるものではないが、ガスバリア性フィルム1を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には、12μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。
(ガスバリア層11の構成)
ガスバリア層11の材料としては、例えば、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸窒化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸窒化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜を用いることが可能である。これらの材料を蒸着する際に用いる蒸着材料は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることが可能であるが、特に、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸窒化アルミニウム膜等、アルミニウムを含む膜を蒸着材料として用いる場合、透明性を向上させつつ、ガスバリア性能の維持及び向上が、その他の材料と比較して容易となるため、好ましい。
ガスバリア層11の膜厚は、生産性とガスバリア性を考慮すると、5nm以上30nm以下の範囲内が好ましい。これは、ガスバリア層11の膜厚を、5nm未満とした場合、安定したガスバリア性能を得ることが困難となるためである。また、ガスバリア層11の膜厚を、30nmを超える膜厚とした場合、生産速度が遅くなり、コストが高くなってしまう恐れがあるためである。
ガスバリア層11の透過率は、包装材料に用いた際の視認性や、外観向上を考慮すると、80%以上が好ましく、特に、95%以上であることが望ましい。これは、ガスバリア層11の透過率を、80%未満とした場合、透明性を確保できず、外観を損ねてしまうためである。
ガスバリア層11を成膜する際、従来の真空蒸着法のみによる成膜方式では、透過率を向上させるために、酸素等の反応性ガスを、従来よりも多く導入した場合、反応ガス導入により発生する成膜圧力の上昇に伴い、平均自由行程が短くなり衝突回数が多くなることで、蒸着粒子の持つ運動エネルギーが多く失われてしまうため、従来で得られていたガスバリア性能が大幅に劣化してしまうことがあった。
この対策としては、蒸発粒子へ新たに運動エネルギーを付与することで、失われる運動エネルギーを補足することが有効であり、中でも、プラズマを用いた手法が考えられる。高い成膜速度により成膜する場合は、蒸着粒子の数が非常に多いため、高いプラズマ密度を発現できる方式ではない場合、蒸着粒子に比してプラズマ化している粒子数が少なく、膜質を向上させる変化を発現させることが困難である。
このため、高いプラズマ密度を発現させる手段として、ICPプラズマ法、ヘリコン波プラズマ法、マイクロ波プラズマ法、ホロカソード放電法のいずれか一つを用いることが最適である。
また、上記手段を用いた場合、膜質を向上させることも可能なため、従来よりも優れたガスバリア性能を得ることが可能である。さらに、膜厚変動に対するガスバリア性能の変動を小さく抑えるため、生産速度向上に伴う膜厚減少に起因するガスバリア性能の劣化に関しても、その影響を小さくすることが可能である。
なお、ガスバリア層11の上に、保護層等を設けてもよい。この場合、保護層としては、金属アルコキシドを用いる塗布膜を設けることが望ましい。
具体的には、一般式R(M−OR)(ただし、R、Rは、炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)で表されるものであり、金属原子としては、Si、Ti、Al、Zr等を用いることが可能である。また、保護層の上に、ナイロンフィルムやポリプロピレンフィルム等をラミネートしてもよい。
金属MがSiであるR(Si−OR)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等を用いることが可能である。
また、金属MがZrであるR(Zr−OR)としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等を用いることが可能である。
また、金属MがTiであるR(Ti−OR)としては、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラブトキシチタニウム等を用いることが可能である。
また、金属MがAlであるR(Al−OR)としては、テトラメトキシアルミニウム、テトラエトキシアルミニウム、テトライソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシアルミニウム等を用いることが可能である。
上記の金属アルコキシドは、一種類のみ用いても、二種以上を混合して用いてもよい。また、アクリル酸やポリビニルアルコール、ウレタン化合物、ポリエステル化合物を混合してもよいが、膨潤性の材料を混合することが望ましい。
また、ラミネーションを行なう場合、接着剤としてウレタン系の接着剤を用いることが好ましく、また、ラミネートする方法として、ドライラミネーション法、ノンソルベントラミネーション法、押出しラミネーション法、ニーラムラミネーション法等によりラミネーションを行うことが好ましい。
(ガスバリア性フィルム1の製造方法)
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、ガスバリア性フィルム1の製造方法について説明する。なお、図2は、本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルムの製造装置の概略構成を示す図である。
図2中に示すように、ガスバリア性フィルム1の製造装置2は、真空チャンバー20と、巻き出しローラー22と、成膜ロール23と、巻取りローラー24と、直進電子ビーム銃26と、反応性ガス導入パイプ27と、反応ガスボンベ28と、坩堝31を備えている。
ここで、直進電子ビーム銃26は、蒸着手段を形成する。また、反応性ガス導入パイプ27は、成膜室内に設置されており、反応性ガスを導入する手段を形成する。
また、反応ガスボンベ28は、真空チャンバー20の外に設置されており、反応ガスが貯蔵されている。
製造装置2を用いてガスバリア性フィルム1を製造する際には、真空チャンバー20内において、巻き出しローラー22にセットしたプラスチックフィルム21を、成膜ロール23を通過させて、巻取りローラー24に巻き取る。
この際、成膜ロール23において、ガスバリア層11をプラスチックフィルム21上に形成する処理を行う。
ガスバリア層11をプラスチックフィルム21上に形成する処理では、坩堝31に、ガスバリア層11を成膜するための蒸着材料25をセットし、直進電子ビーム銃26から出力する電子ビームにより加熱する。
直進電子ビーム銃26が出力する電子ビームにより加熱された蒸着材料25は、蒸気となりプラスチックフィルム21に蒸着されるが、図2中では、加熱された蒸着材料25による蒸気を蒸着粒子29で示し、蒸着粒子29を活性化する高密度プラズマを、プラズマ30として示す。
なお、本実施形態では、蒸着材料25を加熱する手段として直進電子ビーム銃26を設置した電子ビーム蒸着法を示したが、蒸着手段としては、材料を詰めてある坩堝31に対して、抵抗加熱法、または、高周波誘導加熱法等を用いて加熱し、材料を蒸発させる手段を用いてもよい。
また、電子ビーム蒸着法は、直進電子ビーム銃であっても、偏向電子ビーム銃であってもよいが、高い成膜速度を発現させるためには、大電力の投入が可能なピアース式平面陰極形電子銃等を用いることが可能である。なお、電子ビーム蒸着法は、これらに限られるものではない。
また、抵抗加熱法は、蒸着材料25を詰めた坩堝31を直接抵抗加熱する方式であってもよく、抵抗加熱部に金属のワイヤーをフィードするタイプの抵抗加熱方式であってもよいが、いずれの方式も、高い成膜速度を発現可能な装置構成になっていることが必要である。
なお、製造装置2の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて、プラズマ処理装置を設置してもよい。また、ロールの配置や反応ガスの導入方法等に関しても、特に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図2の製造装置2を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面に、AlOxからなるガスバリア層11を形成した。その際、ガスバリア層11の透過率を変化させるため、導入する酸素ガス量を変化させた。また、100Aに電流制御されたホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
(実施例2)
図2の製造装置2を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面に、AlOxからなるガスバリア層11を形成した。その際、ガスバリア層11の透過率を変化させるため、導入する酸素ガス量を変化させた。また、10kWのICP放電による高密度プラズマを併用した。
(実施例3)
図2の製造装置2を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面に、AlOxからなるガスバリア層11を形成した。その際、ガスバリア層11の透過率を変化させるため、導入する酸素ガス量を変化させた。また、6kWのマイクロ波放電による高密度プラズマを併用した。
(比較例)
図2の製造装置2を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面に、AlOxからなるガスバリア層11を形成した。また、ガスバリア層11の透過率を変化させるため、導入する酸素ガス量を変化させた。この際、高密度プラズマを併用しなかった。
(水蒸気透過率の評価)
実施例1〜3で作成したサンプルと、比較例で作成したサンプルに対し、水蒸気透過率を、水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製 MOCON PERMATRAN 3/21)を用い、40℃及び90%RH雰囲気にて測定した。
(光線透過率の評価)
実施例1〜3で作成したサンプルと、比較例で作成したサンプルに対し、光線透過率を、分光光度計(日立ハイテクノロジー製U−4000)を用いて測定した。なお、光線透過率を測定する際には、ベースラインとして、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)を用いた。
(評価結果)
図3中に示すように、水蒸気透過率を光線透過率毎に各四回測定し、水蒸気透過率のばらつきを、光線透過率毎にグラフ化した。なお、図3は、実施例及び比較例のガスバリア性プラスチックのガスバリア性を比較した表である。
また、図3中に示すように、実施例1〜3で作成したサンプルは、導入する酸素ガス量を変化させることでガスバリア層11の透過率を変化させても、水蒸気透過率の最大値と最小値との差が、2g/m2・day以下と劣化することなく、また、各光線透過率における水蒸気透過率のばらつきが小さいことが確認された。
一方、比較例で作成したサンプルは、導入する酸素ガス量を変化させることでガスバリア層11の透過率を変化させると、水蒸気透過率の最大値と最小値との差が2g/m2・dayを超えており、劣化が確認され、また、各光線透過率における水蒸気透過率のばらつきが大きいことが確認された。
以上の評価結果より、各光線透過率において実施例1〜3で作成したサンプルは、比較例で作成したサンプルよりも、水蒸気透過率に優れていることが確認された。
本発明おけるガスバリア性フィルムの産業上の利用可能性としては、食品の包装材、医療医薬品、インクジェットタンク部材の外装材、樹脂等の輸出用包材、太陽電池バックシート等の産業資材向け外装材等が挙げられる。
1 ガスバリア性フィルム
2 製造装置
10 プラスチックフィルム
11 ガスバリア層
20 真空チャンバー
21 プラスチックフィルム
22 巻き出しローラー
23 成膜ロール
24 巻取りローラー
25 蒸着材料
26 直進電子ビーム銃
27 反応性ガス導入パイプ
28 反応ガスボンベ
29 蒸着粒子
30 プラズマ
31 坩堝

Claims (4)

  1. 基材と、当該基材上に形成されたガスバリア層と、を備えたガスバリア性フィルムであって、
    前記基材上に前記ガスバリア層を形成する際に、真空蒸着法と、当該真空蒸着法で用いる蒸着材料からなる蒸着粒子に対する、高密度プラズマを発生させる手段により発生させた高密度プラズマによる活性化と、を併せて用いることにより、80%以上100%以下の範囲内の光線透過率で水蒸気透過率の最大値と最小値との差を2g/m2・day以下としたことを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記真空蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法のうちいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載したガスバリア性フィルム。
  3. 前記高密度プラズマを発生させる手段として、ICPプラズマ、ヘリコン波プラズマ、マイクロ波プラズマ、ホロカソード放電のうちいずれか一つを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したガスバリア性フィルム。
  4. 前記ガスバリア層は、アルミニウムを含む層であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載したガスバリア性フィルム。
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