JP2014188750A - ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性能の劣化の防止を図ったうえで、ガスバリア性能の向上を図り得るようにしたガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】プラスチックフィルム10の一方の面にガスバリア層11を形成して、分色差計で測定した黄色味(YI)とガスバリア層11の膜厚(D)との比(YI/D)を、0.1以上0.5以下とすると共に、ガスバリア層11を、SiOx(1.5≦x≦2.2)で成膜するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療医薬品およびインクジェットタンク部材などの外装材、樹脂等の輸出用包材、太陽電池バックシートといった産業資材向け外装材や、食品の包装材などに用いられるガスバリア性フィルムおよびその製造方法に関する。
医療医薬品やインクジェットタンク部材の外装材や、樹脂等の輸出用包材においては、それぞれ、高温多湿化における加速試験や、高温化での溶剤蒸散防止、船便による輸送(特に赤道直下)において安定して優れた高い酸素バリア性、水蒸気バリア性を発揮する包装体が求められている。
太陽電池保護シートは、太陽電池モジュールの起電部分であるパターニングされたシリコン薄膜の湿度による劣化を防止するために、太陽電池の裏側に配置されており、酸素や水蒸気といったガスを遮断し、同時に屋外などの過酷な状況下で使用されてもガスバリア性能が劣化しない耐久性能が求められる。
ハードディスクや半導体モジュール、食品や医薬品類の包装に用いられる包装材料においても、内容物を保護することが必要である。特に、食品包装においては蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが求められる。これらの内容物の品質を保護するために、酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。
プラスチックフィルムからなる包装体としては、従来、高分子の中では比較的ガスバリア性能に優れるポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂フィルムや或いはこれらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルムなどが好んで用いられてきた。しかしながら、これらのフィルムは、温度依存性が高く、高温または高湿度下においてガスバリア性能に劣化が見られ、また、食品包装用途においてはボイル処理や高温高圧力条件下でのレトルト処理を行うとガスバリア性能が著しく劣化する場合が多い。さらに、PVDC系の高分子樹脂組成物を用いたガスバリア性積層体は、湿度依存性は低いものの温度依存性がある上に、高いガスバリア性能(例えば、1cc/m・day・atm以下)を得ることができない。
また、PVDCやPANなどは廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が高いため、高防湿性を有し、かつ高度のガスバリア性能が要求される包装体については、アルミニウムなどの金属箔などにてガスバリア性能を担保せざるを得なかった。しなしながら、金属箔は不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しく、金属探知機による内容物検査や、電子レンジでの加熱処理が出来ない。
これらの問題を解決するべく、プラスチックフィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウム等からなる金属酸化膜を形成したガスバリア性フィルムが、一般的に数多く、実用化されている。
これら、金属酸化膜を形成する際は、ドライコーティング法、中でも真空蒸着法を用いることで、生産性に優れた金属酸化膜を形成することができる。真空蒸着法以外のドライコーティング方式として、スパッタリング法や化学気相蒸着法(ChemicalVaporDeposition:CVD)が挙げられるが、スパッタリング法では、ガスバリア性能には優れるものの、生産速度が大幅に遅くなってしまう。化学気相蒸着法(ChemicalVaporDeposition:CVD)の場合においても、ガスバリア層形成として選択した場合、真空蒸着法と比較して生産速度に遅くなってしまうというデメリットが生じてしまう。
透明性向上を目的に、酸素等の反応性ガスを導入することで膜の組成を変化させる方法が挙げられるが、例えば、SiOで記される酸化珪素膜の場合、1.8<xの場合、透明性は確保できるが、ガスバリア性能が発揮されなくなってしまうことがある。また、金属酸化膜の生産速度を早くした場合、生産速度の上昇に起因する、膜厚の減少により、透明性は向上するが、従来得られていたガスバリア性能が大幅に劣化してしまうことがあり、透明性とガスバリアとの両立を達成するには、鋭意工夫が求められる。
組成の変化や膜厚の減少に伴う、ガスバリア性能の低下を防ぐ方法の1つとしては、より緻密な膜を形成する方法が挙げられ、その1つとして、圧力勾配型のプラズマガンを材料蒸発方法として用いた蒸着法が提案されている(特許文献1)。この手法は、プラズマガンより発せられるプラズマを、磁場を用いて収束するなどして、材料へ誘導し、材料を加熱し、蒸発させるとともに、蒸発中の原子、分子がプラズマガンより発せられるプラズマを通過することにより、活性化し、蒸発時より高い運動エネルギーを持って基材に入射することにより、通常の蒸着法より緻密な膜を得ることが可能な方法である。しかしながら、この手法では材料の蒸発とプラズマによる活性化が同時に行えるため煩雑さは少なく、装置コスト的に有利である反面、膜の組成が変化してしまい、狙い通りの透明性を確保できないという問題を有する。
特開2005−34831号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、組成変化に起因するガスバリア性能の劣化の防止を図ったうえで、ガスバリア性能の向上を図り、透明性とガスバリア性の両立を実現し得るようにしたガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、基材の少なくとも一方の面にガスバリア層を形成してなるガスバリア性フィルムであって、分色差計で測定した黄色味(YI)と前記ガスバリア層の膜厚(D)との比(YI/D)が、0.1以上0.5以下で、且つ、前記ガスバリア層が、SiOx(1.5≦x≦2.2)であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のガスバリア性フィルムにおいて、前記ガスバリア層の蒸着材料が、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミニウム、チタニウム、酸化マグネシウムのいずれか一つであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、基材上に真空蒸着法によりガスバリア層を形成する際、高密度プラズマを発生させると共に、有機シラン系モノマーを導入して成膜することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法にある。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のガスバリア性フィルムの製造方法において、真空蒸着法が、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法または高周波誘導加熱法であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載のガスバリア性フィルムの製造方法において、前記高密度プラズマを、ICPプラズマ、ヘリコン波プラズマ、マイクロ波プラズマ、ホロカソード放電の何れか1つを用いて発生させることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項3乃至5の何れかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法において、前記ガスバリア層の蒸着材料が、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミニウム、チタニウム、酸化マグネシウムの何れか一つであることを特徴とする。
上記発明によれば、ガスバリア性能の劣化の防止を図ったうえで、ガスバリア性能の向上を図り得るようにしたガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るガスバリア性フィルムの要部を示した断面図である。 本発明による、ガスバリア性フィルムを製造するのに用いられる製造装置の構成を示した平面図である。 図1のガスバリア性フィルムのガスバリア性を説明するために示した特性図である。 図1のガスバリア性フィルムの透明性を説明するために示した特性図である。 図1のガスバリア性フィルムの組成を説明するために示した特性図である。
以下、本発明の実施の形態に係るガスバリア性フィルムおよびその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るガスバリア性フィルムを示すもので、基材、例えばプラスチックフィルム10上に、ガスバリア層11が成膜されて形成される。
フィルム構成としては、上記に限るものではなく、例えばガスバリア性能や密着性の向上を目的に、樹脂材料をベースにしたアンカーコート層の挿入や、プラズマを用いた表面処理を行うように構成してもよい。
上記プラスチックフィルム10としては、特に制限を受けるものではなく、公知のものを使用することが出来る。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられるが特に限定されない。外観の観点や、中身が確認できると言った利点から、透明フィルムを用いることが好ましい。また、厚さに関しても、特に制限を受けるものではなく、ガスバリアフィルムを形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には12〜100μmの範囲が好ましい。
上記ガスバリア層11としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸窒化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸窒化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜が挙げられる。これらを蒸着する際に用いる蒸着材料としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。例えば酸化珪素膜の場合、シリコン(Si)、一酸化珪素(SiO)や二酸化珪素(SiO)、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ガスバリア層11の組成としては、特に制限されるものではないが、例えばSiOで記される酸化珪素膜の場合、ガスバリア層11の組成を1.5≦x≦2.2とすることで、透明性とガスバリア性を両立した、ガスバリア層11を形成することができる。透明性とガスバリア性との両立を考慮すると、より好ましくは、1.6≦x<1.9とすることである。xの値を制御する方法としては、成膜中に、例えば酸素のような酸化剤となるようなガスを導入する、または、使用する蒸着材料におけるxの値を変化させる方法がある。酸化ガスを多く導入する、もしくは使用する蒸着材料におけるxの値を大きくすることで、ガスバリア層11におけるxの値が大きくなっていく。ガスバリア層11の組成がx<1.5の場合、ガスバリア層3の黄色味が強くなり、透明性を確保できず、外観を損ねてしまう。また、ガスバリア層11の組成が、1.8<xの場合、透明性は確保できるが、ガスバリア性能が発揮されない可能性がある。
例えばSiOxで記される酸化珪素膜の場合、x<1.5の場合、ガスバリア層11の黄色味が強くなり、透明性を確保できず、外観を損ねてしまが、ガスバリア性能としては、x≧1.5の時と比較して、x<1.5の時の方が優れており、総じてxの値が小さい方がガスバリア性能には優れている。反面、黄色味はxの値が小さい方が大きくなってしまう。その対策としてxの値を変化させず透明性を向上させる方法があり、その一つに蒸着空間中に有機シラン系モノマーを導入する手法が挙げられる。中でも、有機シラン系モノマーと蒸着粒子との反応を高めるために、プラズマを用いた方法が最適である。
有機シラン系モノマーの種類は、特に限定されるものではないが、有機シラン系モノマーの中でも、ヘキサメチルジシロキサンを用いることで、安全かつ効率的に成膜を実施することができる。
ガスバリア層11の膜厚は、生産性とガスバリア性を考慮すると、5から30nmが好ましい。5nm以下の場合、安定したガスバリア性能を得ることが困難であり、また30nm以上の場合生産速度が遅くなり、コストが高くなってしまう虞がある。
ガスバリア層11を成膜する際、従来の真空蒸着による成膜方式よりも優れたガスバリア性能を得るための対策としては、膜質を向上させる手法も挙げられる、中でもプラズマを用いた手法が考えられる。高い成膜速度により成膜する場合は、蒸着粒子の数が非常に多いため、高いプラズマ密度を発現できる方式で無い場合、蒸着粒子に比してプラズマ化している粒子数が少なく、膜質を向上させる変化を発現させることが困難である。このため、高いプラズマ密度を発現させる手段として、IPCプラズマ法、ヘリコン波プラズマ法、マイクロ波プラズマ法、ホロカソード放電法の何れかを用いることが最適である。また、上記のように、有機シラン系モノマーと蒸着粒子との反応を高めるためにもプラズマの利用は最適であり、この際においてもプラズマ密度が高い程、その効果は大きい。
ガスバリア層11の上に、保護層等を設けても問題ない。保護層としては、金属アルコキシドを用いる塗布膜を設けることが望ましい。具体的には、一般式R(M−OR)(ただしR、Rは炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子)で表されるものであり、金属原子としてはSi、Ti、Al、Zr等を挙げることができる。また、その上にナイロンフィルムやポリプロピレンフィルム等をラミネートしても問題ない。
金属MがSiであるR(Si−OR)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
金属MがZrであるR(Zr−OR)としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等を挙げることができる。
金属MがTiであるR(Ti−OR)としては、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラブトキシチタニウム等を挙げることができる。
金属MがAlであるR(Al−OR)としては、テトラメトキシアルミニウム、テトラエトキシアルミニウム、テトライソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシアルミニウム等を挙げることができる。
上記金属アルコキシドは、1種類のみ用いても2種以上混合して用いても差し支えない。また、アクリル酸やポリビニルアルコール、ウレタン化合物、ポリエステル化合物を混合してもよいが、膨潤性の材料を混合することが望ましい。
ラミネーションを行なう場合、接着剤としてウレタン系の接着剤を用いることが好ましく、またラミネートする方法として、ドライラミネーション法、ノンソルベントラミネーション法、押出しラミネーション法、ニーラムラミネーション法などによりラミネーションすることが好ましい。
本発明によるガスバリア性フィルムは、例えば図2に示す真空チャンバー20を備えた製造装置を用いて形成される。即ち、真空チャンバー20には、プラスチックフィルム21をセットして巻き出しローラー22、成膜ローラー23、巻取りローラー24が収容配置され、プラスチックフィルムが、巻き出しローラー22より成膜ローラー23を通過し、巻取りローラー24に巻取り搬送される。
成膜ローラー24は、その一部が成膜室201内に回転可能に露出配置される。成膜室201には、蒸着材料251が収容された坩堝25が配置され、この坩堝25に対して蒸着手段を構成する直進電子ビーム銃26、反応性ガスを導入する手段を構成するおよび有機シラン系モノマー貯蔵タンク28に接続された有機シラン系モノマー導入パイプ27が配置される。
上記構成において、巻き出しローラー22に巻装されたプラスチックフィルム10は、案内ローラー21、成膜ロール23を経由して巻取りローラー24に順に巻き取られる。
同時に、成膜室内の坩堝25に収容した蒸着材料251が直進電子ビーム銃26からの電子ビームにより加熱されて蒸気となり蒸着粒子29として、成膜ロール23を通過するプラスチックフィルム10上に蒸着される。この際、成膜室201内には、蒸着粒子29を有機シラン系モノマー導入パイプ27から導入される反応性ガスの作用によりイオンプレーティングする高密度プラズマ30の雰囲気が発生され、この雰囲気中においてプラスチックフィルム10上に蒸着される。
上記蒸着材料25を過熱する手段として、直進電子ビーム銃26を設置した電子ビーム蒸着法を示したが、これに限るものでなく、例えば材料を詰めてある坩堝25に対し、抵抗加熱法または高周波誘導加熱法などを用いて加熱し、蒸着材料251を蒸発させるように構成することも可能である。電子ビーム蒸着法は、直進電子ビーム銃26であっても、偏向電子ビーム銃であってもよいが、高い成膜速度を発現させるためには大電力の投入が可能なピアース式平面陰極形電子銃などが挙げられるが、これに限られるものではない。また、抵抗加熱法は、蒸着材料251を詰めた坩堝25を直接抵抗加熱する方式であってもよいし、抵抗加熱部に金属のワイヤーをフィードするタイプの抵抗加熱方式であっても問題ない。いずれの方式も高い成膜速度を発現できる装置の構成になっていることが必要である。
なお、製造装置としては、上記構成に制限されることなく、必要に応じて、前処理用プラズマ処理装置や後処理用プラズマ処理装置を設置しても問題はない。ロールの配置、有機シラン系モノマーの導入方法等に関しても、特に制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態に係るガスバリア性フィルムとして高密度プラズマを併用した実施例1を作製すると共に、高密度プラズマを併用しない比較例1〜3を作製して比較検討する。
〈実施例1〉
実施例1として、上述した実施の形態に基づいて厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面にSiOxからなるガスバリア層を形成した。その際、有機シラン系モノマーとしてHMDSO(HexaMethylDiSilocane:ヘキサメチルジシロキサン)を導入し、100Aに電流制御されたホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
〈比較例1〉
比較例1として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面にSiOxからなるガスバリア層を形成した。その際、反応性ガスとして酸素ガスを導入し、100Aに電流制御されたホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
〈比較例2〉
比較例2として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面にSiOxからなるガスバリア層を形成した。その際、有機シラン系モノマーとしてHMDSO(HexaMethylDiSiloxane:ヘキサメチルジシロキサン)を導入したが、高密度プラズマは使用しなかった。
〈比較例3〉
比較例3として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製P60)の片面にSiOxからなるガスバリア層を形成した。その際、反応性ガスとして酸素ガスを導入したが、高密度プラズマは使用しなかった。
〈評価1〉
実施例1、比較例1〜3の水蒸気透過率を水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製 MOCON PERMATRAN 3/21)を用い、40℃90%RH雰囲気にてガスバリア性を測定した、このガスバリア性は、図3に示すように測定された。
〈評価2〉
同様に、実施例1、比較例1〜3のガスバリア層の膜厚(D、単位:nm)を、波長分散小型蛍光X線分析装置(Rigaku社製 Supermini)を用いて測定した。また、ガスバリア性フィルムの黄色味(YI)を、ハンディ型簡易分色差計(日本電色工業社製 NF333)を用いて測定し、透明性の評価としてYI/D(1/nm)を用いて測定した。この透明性は、それぞれ図4に示すように測定された。
〈評価3〉
同様に、実施例1、比較例1〜3の膜組成を、X線光電子分光法(日本電子製JPS−9010MX)を用いて測定した。この膜組成は、図5に示すように測定された。
以上のように、ガスバリア性、透明性、膜組成において、本発明による実施例1が比較例1〜3に比べて優れていることが確認された。
なお、本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によれば、医療医薬品およびインクジェットタンク部材の外装材、樹脂等の輸出用包材、太陽電池バックシートといった産業資材向け外装材や、食品の包装材として好適される。
10 … プラスチックフィルム
11 … ガスバリア層
20 … 真空チャンバー
201 … 成膜室
21 … プラスチックフィルム
22 … 巻き出しローラー
23 … 成膜ロール
24 … 巻取りローラー
25 … 坩堝
251 … 蒸着材料
26 … 直進電子ビーム銃
27 … 有機シラン系モノマー導入パイプ
28 … 有機シラン系モノマー貯蔵タンク
29 … 蒸着粒子
30 … 高密度プラズマ

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも一方の面にガスバリア層を形成してなるガスバリア性フィルムであって、
    分色差計で測定した黄色味(YI)と前記ガスバリア層の膜厚(D)との比(YI/D)が、0.1以上0.5以下で、且つ、前記ガスバリア層が、SiOx(1.5≦x≦2.2)であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記ガスバリア層の蒸着材料は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミニウム、チタニウム、酸化マグネシウムのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 基材上に真空蒸着法によりガスバリア層を形成する際、高密度プラズマを発生させると共に、有機シラン系モノマーを導入して成膜することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 前記真空蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法または高周波誘導加熱法であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  5. 前記高密度プラズマは、ICPプラズマ、ヘリコン波プラズマ、マイクロ波プラズマ、ホロカソード放電の何れか1つを用いて発生させることを特徴とする請求項3又は4に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  6. 前記ガスバリア層の蒸着材料は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミニウム、チタニウム、酸化マグネシウムの何れか一つであることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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