JP2007075368A - 輸液バッグ用外装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 、M、n、m等の意味については略す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けてガスバリア性積層フィルムを構成し、更に、該ガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルムの面に、プラスチック基材フィルムを積層し、その他方のガスバリア性塗布膜の面に、ヒ−トシ−ル性樹脂層を積層して積層材を構成し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋して輸液バッグ用外装袋を構成。
【選択図】 図1
Description
本発明は、更に詳しくは、アミノ酸、脂肪乳酸等の酸素により変質しやすい薬液が封入された輸液バッグを二次包装する外装袋であって、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、柔軟性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性、耐熱性、低温ヒートシール性、品質保持性、印刷適性、開口性、充填包装適性等に優れた輸液バッグ用外装袋に関するものである。
而して、上記の包装用材料としての積層材は、内容物の変質等を防止するため、主に、酸素ガスあるいは水蒸気ガスに対する透過を阻止する遮断性、いわゆる、ガスバリア性が強く要求されるものである。
ところで、酸素ガスあるいは水蒸気ガス等に対するバリア性素材としては、通常、例えば、アルミニウム箔、あるいは、プラスチックフィルムの上にアルミニウムを真空蒸着法等により真空蒸着してなるアルミニウム蒸着樹脂フィルム等が使用されている。
更に、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂あるいは塩化ビニリデンと他のモノマーとの共重合体樹脂からなるフィルム若しくはプラスチックフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン系樹脂をコートした樹脂フィルム、あるいは、ポリビニルアルコールあるいはエチレンー酢酸ビニル共重合体のケイ化物からなるフィルム等のバリア性樹脂フィルムも使用されている。
また、バリア性素材として、例えば、ナイロン/MXDナイロン6樹脂等の芳香族ナイロン/ナイロン共押しフィルム、ナイロン/エチレンビニルアルコール共重合体/ナイロン共押しフィルム等のバリア性多層積層フィルムも実用されている。
更に、近年、プラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルム等も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、柔軟な袋状のプラスチック容器に、例えば、リンゲル液、輸血液等の液体を充填包装してなる輸液バッグにおいては、輸送、保管等のために、該輸液バッグの外装を、更に別の柔軟な袋状のプラスチック容器等からなる外装袋を用いて二次包装を行って二重包装体とするものであるが、通常、これらの柔軟な袋状のプラスチック容器等を構成する医療用の包装用材料の分野においては、リンゲル液、輸血液等の液体に対する酸素、水蒸気等に対するバリア性による品質安定性が要求されるものである。
更に、輸液バッグを輸送する場合の梱包形態としては、通常、プラスチックフィルム等を積層してなる積層材を使用し、これから製袋してなる柔軟な袋状のプラスチック容器に、例えば、リンゲル液、輸血液等の液体を充填包装して輸液バッグを製造し、次いで、該輸液バッグを、更に、プラスッチックフィルム等を積層してなる積層材から製袋してなる外装袋に入れて二次包装され、更に、その二次包装された二重包装体を数袋体ずつ積み重ね、段ボールに詰めて梱包される形態からなるものであることから、その外装袋等を構成する包装用材料等は、強度と共に柔軟性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性、耐熱性、低温ヒートシール性、品質保持性、印刷適性、開口性、充填包装適性等の諸物性が要求されるものである。
特に、上記で使用される輸液バッグの外装袋としては、リンゲル液、輸血液等の液体に対する酸素、水蒸気等のバリア性による品質安定性が要求され、そのため、これを充足するバリア性素材等を使用した積層材がよく知られている。
また、耐屈曲性等に欠けることから、ピンホ−ルが発生し易く、そのバリア性を著しく損なうという問題点があり、更に、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、アルミニウム等の金属が残り、焼却炉を損傷し兼ねず、その廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。
また、バリア性素材において、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムを使用する場合には、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものであるが、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、塩素原子を含有していることから、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。
更に、バリア性素材において、上記のポリビニルアルコ−ルまたはエチレンービニルアルコール共重合体フィルム、あるいは、ナイロン/MXDナイロン6樹脂等の芳香族ナイロン/ナイロン共押しフィルム、ナイロン/エチレンビニルアルコ−ル共重合体/ナイロン共押しフィルム等のバリア性多層積層フィルムを使用する場合においては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性においては、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性は、著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
次に、バリア性素材において、プラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルム等を使用する場合においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れていると共に透明性に優れ、また、使用後においては焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に優れているものであり、その用途が、多方面に展開され、その需要量が、拡大しているものではあるが、しかしながら、上記の珪素酸化物、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層は、単に、無機酸化物を加熱し、蒸気化し、その粒子を基材フィルムの上に蒸着、付着させたものであるため、無機酸化物の粒子間に結晶粒界という隙間が存在しており、ガスバリア性に優れているとは言え、充分に満足し得るガスバリア性を有するものであるとは言えないものであるというのが実状であり、更に、珪素酸化物、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層は、伸縮性、延展性等に劣り、クラック等が生じやすいこと、基材フィルムと無機酸化物の薄膜を構成する粒子との密着力が弱いこと等の種々の問題があり、十分に満足し得るものであると言うためには、まだ、改良、改善しなければならないというのが実状である。
そこで本発明は、上記のバリア性素材において、プラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムを使用し、そのバリア性を改良、改善し、アミノ酸、脂肪乳酸等の酸素により変質しやすいリンゲル液、輸血液等の薬液が封入された輸液バッグを二次包装する外装袋であって、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、柔軟性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性、耐熱性、低温ヒートシール性、品質保持性、印刷適性、開口性、充填包装適性等に優れた輸液バッグ用外装袋を提供することである。
特に、本発明において、ガスバリア性塗布膜は、ポリビニルアルコール系樹脂又はエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが、相互に化学的に反応して、極めて強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それと無機酸化物の蒸着膜とが相乗し、極めて高いガスバリア性を安定して維持するとともに、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたガスバリア性積層フィルムを製造し得ることができるものである。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体とを併用する場合には、ポリビニルアルコール系樹脂と1種以上のアルコキシド、エチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシド、および、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者と1種以上のアルコキシドとが各々組み合わされて、極めて複雑なハイブリット状の強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それらと無機酸化物の蒸着膜とが相乗して、更に極めて高いガスバリア性を安定して維持し、特に、酸素ガスバリア性と共に水蒸気バリア性が著しく向上し、かつ、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたガスバリア性積層フィルムを製造し得ることができるものである。
本発明においては、例えば、上記のガスバリア性積層フィルムを使用し、そのガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルムの面に、プラスチック基材フィルムを積層し、他方、そのガスバリア性積層フィルムを構成するガスバリア性塗布膜の面に、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を積層して積層材を製造し、しかる後、該積層材を使用し、これを製袋して包装用袋を製造し、次いで、該包装用袋を輸液バッグ用外装袋として使用し、まず、通常のプラスチックフィルム等を積層してなる積層材を使用し、これから製袋してなる柔軟な袋状のプラスチック容器に、例えば、リンゲル液、輸血液等の液体を充填包装して輸液バッグを製造し、次いで、該輸液バッグを、上記の包装用袋からなる外装袋に入れて、窒素ガス置換等を行いながら二次包装して、二重包装体からなる輸液バッグ二重包装体を製造し得ることができるものである。
すなわち、本発明においては、基材フィルムとヒ−トシ−ル性樹脂層との層間において、ガスバリア性積層フィルムを、いわゆる、中使いするものであり、これにより、上記の包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋は、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、かつ、柔軟性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性、耐熱性、ヒートシール性、品質保持性、印刷適性、開口性、充填包装適性等の諸物性にに優れ、更に、容器・包装ごみの軽量化、減量化等を図ると共にその製造工程の短縮化によりその製造コストの低減化を図り、かつ、輸液バッグの内容物の品質、保存安定性、あるいは、輸液バッグの輸送適性等に優れている極めて有用な輸液バッグ用外装袋を製造し得ることができるものである。
図1は、本発明に係る輸液バッグ用外装袋を構成する本発明に係るガスバリア性積層フィルムについてその層構成の一例を示す概略的断面図であり、図2は、図1に示す本発明に係る輸液バッグ用外装袋を構成する本発明に係るガスバリア性積層フィルムを使用して製造した本発明に係る積層材についてその層構成の一例を示す概略的断面図であり、図3は、図2に示す本発明に係る輸液バッグ用外装袋を構成する本発明に係る積層材を使用し、製袋して製造した本発明に係る輸液バッグ用外装袋についてその一例を示す概略的斜視図であり、図4は、図3に示す本発明に係る輸液バッグ用外装袋を使用して輸液バッグを二次充填包装して製造した本発明に係る二重包装体についてその一例を示す概略的斜視図である。
なお、上記の図2において、図中の符号1、2、3等の意味は、図1中の符号1、2、3と同じ意味を表す。
例えば、図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の一層からなる単層膜のみならず無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる多層膜等から構成することもできるものである。
また、例えば、本発明においては、図示しないが、更に、その使用目的、用途等によって、他の基材を任意に積層して、種々の層構成からなる積層材を設計して製造することができるものである。
更に、本発明においては、図示しないが、本発明に係る輸液バッグ用外装袋としては、上記に図示した例示のパウチ形状に限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、三方シ−ル型、自立性型、ガゼット型、角底型、その他等の種々の形態からなる袋状容器本体を製造することができることは言うまでもないことである。
また、本発明において、ガスバリア性積層フィルムは、そのガスバリア性積層フィルムを構成するガスバリア性塗布膜が、基材フィルムの面、または、ヒ−トシ−ル性樹脂層の面のいずれの面にも対向させて積層することができるものである。
なお、本発明において、上記のような本発明に係るガスバリア性積層フィルムを使用して製造した本発明に係る積層材を積層する方法としては、図示しないが、例えば、アンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層、ポリオレフィン系樹脂等を溶融押出した溶融押出樹脂層等を介して積層する溶融押出ラミネ−ト法、あるいは、例えば、ラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層等をを介して積層するドライラミネ−ト法、その他等により積層することができる。
本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系掛胎、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、図5に示すように、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された、基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で基材フィルム1の一方の面に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した後、その基材フィルム1を、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムの面との界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明において、具体的には、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの面に蒸着する真空蒸着法、あるいは、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの面に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
本発明においては、まず、図6に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す、基材フィルム1は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された、基材フィルム1の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム1を、ガイドロ−ル51、52を介して送り出し、巻き取りロ−ル53に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
また、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
また、上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
而して、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面について説明すると、かかるプラズマ処理面としては、基材フィルムの一方の面に、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用して、プラズマ処理面を形成することがてきる。
すなわち、本発明においては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他等の不活性ガスをプラズマガスとして使用するプラズマ表面処理法でプラズマ処理を行うことによりプラズマ処理面を形成することができる。
なお、本発明において、プラズマガスとしては、上記の不活性ガスに、更に、酸素ガスを添加した混合ガスを使用することもできる。
また、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成する場合、例えば、物理気相成長法または化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する直前に、インラインでプラズマ処理を行うことにより、基材フィルムの表面の水分、塵等を除去すると共にその表面の平滑化、活性化、その他等の表面処理を可能とすることから望ましいものである。
更に、本発明において、上記のプラズマ処理としては、プラズマ出力、プラズマガスの種類、プラズマガスの供給量、処理時間、その他等の条件を考慮してプラズマ放電処理をおこなうことが好ましいものである。
また、本発明において、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロ−放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他等の装置を利用して行うことができる。
また、本発明においては、大気圧プラズマ処理法等を利用してプラズマ処理面を形成することもできる。
而して、本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。
また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R2 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。
なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のアルコキシシランとしては、一般式Si(ORa )4 (ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。
上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3 )4 、テトラエトキシシラン Si(OC2 H5 )4 、テトラプロポキシシラン Si(0C 3H7 )4 、テトラブトキシシラン Si(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3 Si(OCH3 )3 、メチルトリエトキシシラン CH3 Si(OC2 H5 )3 、ジメチルジメトキシシラン (CH3 )2 Si(OCH3 )2 、ジメチルジエトキシシラン (CH3 )2 Si(OC2 H5 )2 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
上記のジルコニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム Zr(OCH3 )4 、テトラエトキシジルコニウム Zr(OC2 H5 )4 、テトラiプロポキシジルコニウム Zr(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシジルコニウム Zr(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のチタニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH3 )4 、テトラエトキシチタニウム Ti(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルミニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシアルミニウム Al(OCH3 )4 、テトラエトキシアルミニウム Al(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシアルミニウム Al(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシアルミニウム Al(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
而して、本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避されるものである。
上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものである。 上記において、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
上記において、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものである。
上記において、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜を形成することができるものである。
上記において、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるガスバリア性積層フィルムの耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、更に、5重量部を下回るとガスバリア性が低下することから好ましくないものである。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
而して、上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
本発明においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。 本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができる。
上記において、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。
本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。
その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。
また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。
上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、而して、そのような多孔性のポリマーは、バリア性フィルムのガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものである。
また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
更に、上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。
本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。
上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルーゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルーゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。
次に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。
而して、上記の乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。
更に、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルムを20℃〜180℃位で、かつ、基材フィルムの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜160℃位の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理して、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造することができる。
このようにして得られた本発明に係るガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア性に優れているものである。
その際、酸が加水分解の触媒となる。
次いで、ゾルーゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。
このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。
加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。
生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する
上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。
このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルーゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルムの一方の面に設けたと無機酸化物の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物からなるバリア性薄膜層の上に透明な塗工層が形成される。
上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面と、塗工層との密着性、接着性等も良好なものとなるものである。
このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。
このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
特に、N2 あるいは、CO2 ガス等を充填した、いわゆる、ガス充填包装に用いた場合には、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。
更に、本発明に係るガスバリア性積層フィルムは、熱水処理、特に、高圧熱水処理(レトルト処理)に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロ−ルコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコ−ト、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明の第1または第2のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
而して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等との良好な密接着性を有し、更に、高いガスバリア性を安定して維持すると共に良好な透明性、及び、対熱水性、耐衝撃性等を備え、包装用袋等を構成するバリア性素材として極めて有用なものであり、これに、例えば、プラスチック基材フィルム、ヒ−トシ−ル性樹脂層、中間基材、その他等を任意に積層して、種々の層構成からなる包装用材料としての積層材を製造し、次いで、これを使用し、製袋して、種々の形態からなる包装用袋を製造し得るものである。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が最も望ましい。
而して、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ15μm〜30μm位の2軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜300μm位、好ましくは、10μm〜110μm位が望ましい。
更に、本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、本発明に係る積層材を使用し、包装用袋の製袋時において、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを構成する無機酸化物の蒸着膜に、擦り傷、あるいは、クラック等を発生するすることを防止するために、比較的に、その膜厚を厚くすることが好ましく、具体的には、40μm〜110μm位、望ましくは、50μm〜100μm位であることが好ましいものである。
而して、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ50μm〜100μm位の無延伸ポリプロピレンフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
その他、例えば、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
また、上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の基材フィルムの片面に、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
あるいは、本発明においては、例えば、本発明係るガスバリア性積層フィルムを構成するバリア性層を構成するガスバリア性塗布膜の面に、例えば、プライマ−剤層を形成し、次いで、該プライマ−剤層の面に、アンカ−コ−ト剤層を形成し、しかる後、該プライマ−剤層およびアンカ−コ−ト剤層等を介して、各種の樹脂等を溶融押出してヒ−トシ−ル性樹脂層等の所望の基材を積層する押出ラミネ−ト積層法を用いて積層することにより、各種の形態からなる積層材を製造することができる。
なお、本発明においては、上記と同様にして、上記の層間に更に他の基材を任意に挿入して積層することもでき、本発明においては、その使用目的、使用形態、用途、その他等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態の積層材を設計して製造することができるものである。
本発明において、上記のプライマ−剤層としては、まず、ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等をビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等1〜30重量%に対し、シランカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましくは、0.1重量%〜5重量%位、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜10重量%位の割合で添加し、更に、必要ならば、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分に混合してポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を調整し、而して、該ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法等により、前述の本発明にかかるバリア性フィルムを構成するガスバリア性塗布膜の面にコ−ティングし、しかる後、コ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去し、更に、要すれば、エ−ジング処理等を行って、本発明に係るプライマ−剤層を形成することができる。 なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜10.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを構成するガスバリア性塗布膜と、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における本発明に係るガスバリア性積層フィルムを構成する無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、有機含有酸化珪素層とヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における有機含有酸化珪素層のクラック等の発生を防止するものである。
上記において、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−4、4−ジカルボン酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、その密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における有機含有酸化珪素層のクラック等の発生を防止するものである。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、ガスバリア性塗布膜と、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤、溶融押出樹脂層、その他の層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
而して、上記の充填剤は、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
更に、本発明において、溶融押出ラミネ−ト法における溶融押出樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルポン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、積層する基材等の表面に、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を任意に施すことができる。
而して、上記のようなアンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤を使用して形成してなるアンカ−コ−ト剤層、あるいは、ラミネ−ト用接着剤層は、柔らかく、柔軟性に富み、かつ、屈曲性に富む薄膜を形成することができ、その引っ張り伸長度を向上させ、無機酸化物からなるバリア性薄膜層に対し柔軟性、屈曲性等を有する被膜として作用し、例えば、ラミネ−ト加工、印刷加工、あるいは、製袋加工等の後加工時における無機酸化物からなるバリア性薄膜層の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物からなるバリア性薄膜層へのクラック等の発生等を防止するものである。
ちなみに、本発明において、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層は、JIS規格K7113に基づいて、100〜300%の範囲からなる引っ張り伸度を有するものである。
而して、本発明においては、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層の引っ張り伸度、その他により、バリア性フィルムと、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、無機酸化物からなるバリア性薄膜層へのクラック等の発生を防止し、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
上記において、引っ張り伸度が、100%未満であると、積層材としての柔軟性がなくなり、無機酸化物からなるバリア性薄膜層へのクラック等が発生し易くなることから好ましくなく、また、引っ張り伸度が、300%を越えると、アンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤等としての接着性の強度が十分でなく、要求されるラミネ−ト強度が発現されにくくなることから好ましくないものである。
而して、その製袋方法としては、上記のような積層材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、ガゼット型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、上端部に開口部を有する種々の形態からなる包装袋を製造することができる。
その他、包装袋としては、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
あるいは、上記のような樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、所望の成形方法を使用して成形してなるプラスチック成形容器を使用することができる。
本発明の輸液バッグ外袋を使用することで、構成成分であるガスバリア性積層フィルムの特性により優れたバリア性を有し、更に、耐ピンホ−ル性、密封性等に優れているため、輸液バッグの内容物であるアミノ酸、脂肪乳酸等の酸素により変質しやすい薬液の品質保全性に優れているものである。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜、および、ガスバリア性塗布膜は、各々、透明性を有し、かつ、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有するものであり、その2層により、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性等の作用効果を発揮し、終極的には、その2層の相乗的な効果により、バリア性等の作用効果を発揮し、アルミニウム箔等の金属箔とほぼ同等のバリア性等の作用効果を発揮すると共にアルミニウム箔等の金属箔と異なり、透明性に優れ、内容物等の視認性等に優れているものであり、更に、金属探知機等による金属探知テストを可能とするものである。
更に、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜等は、その膜厚は、数十Å〜数千Åからなるものであり、また、ガスバリア性塗布膜の膜厚も0.1g/m2〜2.0g/m2 (乾燥状態)程度のものであり、例えば、膜厚が5〜20μm前後からなるアルミニウム箔等の金属箔等と比較して、その膜厚を著しく薄膜化し、軽量化することができ、また、その重量を著しく低減化し、容器・包装ごみの軽量化、減量化等を図ることができるものである。
更にまた、本発明においては、有機珪素化合物を蒸着用モノマ−ガスとして使用し、プラズマ化学気相成長法を用いて製膜化してなる酸化珪素の蒸着膜を、バリア性層を構成する無機酸化物の蒸着膜として使用すると、該酸化珪素の蒸着膜が、柔軟性に富み、耐屈曲性等を有することから、酸化珪素の蒸着膜にクラック等を生じてバリア性等を低下するということがないという利点を有するものである。
ィルムを使用することが好ましいものである。
次に、上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
(蒸着条件)
蒸着源;アルミニウム
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アルミニウムアセチルアセトン、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表1)
a EVOH(エチレン共重合率29%) 0.122(wt%)
イソプロピルアルコール 0.659
H2 O 0.439
b エチルシリケート40 9.146
イソプロピルアルコール 8.780
アルミニウムアセチルアセトン 0.018
H2 O 16.291
c ポリビニルアルコール 1.220
イソプロピルアルコール 19.893
H2 O 43.329
酢酸 0.103
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面の面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造した。
(3).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したガスバリア性積層フィルムを、そのガスバリア性塗布膜の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性積層フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造した。
上記の輸液バッグ用外装袋は、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、輸液バッグ用外装袋としての機能、例えば、流通適性、保存適性等に優れていた。
(蒸着条件)
蒸着源;アルミニウム
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表2に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール水溶液、NN−ジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液(32wt%)及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート(テトラエトキシシラン)、エタノ−ル、2N塩酸、イオン交換水およびシランカップリング剤からなる加水分解液を加え、充分に攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表2)
a ポリビニルアルコール 2.372(wt%)
H2 O 21.344
NNジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液 0.136
(32wt%)
b エチルシリケート 34.074
エタノ−ル 34.074
2N塩酸 2.535
水 2.058
シランカップリング剤 3.407
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造した。 (3).次に、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面の面に、上記の実施例1と同様にして、所定の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したガスバリア性積層フィルムを、そのガスバリア性塗布膜の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性積層フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造した。
上記の輸液バッグ用外装袋は、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、輸液バッグ用外装袋としての機能、例えば、流通適性、保存適性等に優れていた。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力;5.0×10-5 mbar
製膜圧力;7.0×10-2 mbar
冷却・電極ドラム供給電力;35kW
ライン速度;240m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表1)
a EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
H2 O 2.196
b エチルシリケート40 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
H2 O 13.752
c ポリビニルアルコール 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
H2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面の面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造した。
(3).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記の実施例1と同様にして、所定の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ5.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したガスバリア性積層フィルムを、そのガスバリア性塗布膜の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性積層フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造した。
上記の輸液バッグ用外装袋は、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、輸液バッグ用外装袋としての機能、例えば、流通適性、保存適性等に優れていた。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力;5.0×10-5 mbar
製膜圧力;7.0×10-2 mbar
冷却・電極ドラム供給電力;35kW
ライン速度;240m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表2に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール水溶液、NN−ジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液(32wt%)及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート(テトラエトキシシラン)、エタノ−ル、2N塩酸、イオン交換水およびシランカップリング剤からなる加水分解液を加え、充分に攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表2)
a ポリビニルアルコール 2.372(wt%)
H2 O 21.344
NNジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液 0.136
(32wt%)
b エチルシリケート 34.074
エタノ−ル 34.074
2N塩酸 2.535
水 2.058
シランカップリング剤 3.407
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造した。 (3).次に、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したガスバリア性積層フィルムを、そのガスバリア性塗布膜の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性積層フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造した。
上記の輸液バッグ用外装袋は、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、輸液バッグ用外装袋としての機能、例えば、流通適性、保存適性等に優れていた。
(1).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、上記の2軸延伸ナイロン6フィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源;アルミニウム
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、ガスバリア性フィルムを製造した。 (2).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(1)で製造したガスバリア性フィルムを、そのプラズマ処理面の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(3).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造した。
(1).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力;5.0×10-5 mbar
製膜圧力;7.0×10-2 mbar
冷却・電極ドラム供給電力;35kW
ライン速度;240m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、ガスバリア性フィルムを製造した。
(2).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記の比較例1と同様にして、所定の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ5.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(1)で製造したガスバリア性フィルムを、そのプラズマ処理面の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層したガスバリア性フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、輸液バッグ用外装袋を構成する積層材を製造した。
(3).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋からなる輸液バッグ用外装袋内に、その開口部から輸液バッグを挿入し、しかる後、窒素ガス置換しながら、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して輸液バッグを二次包装した輸液バッグ二重包装体を製造し
上記の実施例1〜6、および、比較例1〜2において製造した輸液バッグ用外装袋を構成する積層材について、以下の測定を行った。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
上記の測定結果について下記の表3に示す。
┌────┬───────┬────────┐ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例1│ 0.5 │ 0.6 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例2│ 0.5 │ 0.6 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例3│ 0.4 │ 0.5 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例4│ 0.4 │ 0.6 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例5│ 0.4 │ 0.6 │ ├────┼───────┼────────┤ │実施例6│ 0.4 │ 0.5 │ ├────┼───────┼────────┤ │比較例1│ 2.0 │ 2.5 │ ├────┼───────┼────────┤ │比較例2│ 2.0 │ 2.5 │ └────┴───────┴────────┘ 上記の表3において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 ・day・23℃・90%RH〕であり、また、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 ・day・40℃・90%RH〕である。
これに対し、比較例1〜2にかかるものは、酸素透過度および水蒸気透過度において著しく劣るものであった。
B 積層材
C 輸液バッグ用外装袋
D 二重包装体
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 ガスバリア性塗布膜
11 プラスチック基材フィルム
12 ヒ−トシ−ル性樹脂層
13 シ−ル部
14 開口部
15 プラスチック容器
16 液体
17 輸液バッグ
18 上方のシ−ル部
Claims (17)
- 基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けてガスバリア性積層フィルムを構成し、更に、該ガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルムの面に、プラスチック基材フィルムを積層し、他方、そのガスバリア性塗布膜の面に、ヒ−トシ−ル性樹脂層を積層して積層材を構成し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋して輸液バッグ用外装袋を構成してなることを特徴とする輸液バッグ用外装袋。
- 基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載する輸液バッグ用外装袋。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- 化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- 物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成する一般式R1 n M(OR2 )m 中のMが、珪素、ジルコニウム、チタニウム、または、アルミニウムからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するアルコキシドが、アルコキシシランからなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するアルコキシドが、アルコキシドの加水分解物、または、アルコキシドの加水分解縮合物からなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物が、シランカップリング剤を含むことを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物が、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物からなることを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜が、1層ないし2層以上重層した複合ポリマ−層からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜が、ガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜150℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で30秒〜10分間加熱処理した硬化膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中のゾルゲル法触媒が、水に実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンからなることを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中の第3アミンが、N,N−ジメチルベンジルアミンからなることを特徴とする上記の請求項1〜13のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中の水が、アルコキシド1モルに対して0.1〜100モルの割合で用いられることを特徴とする上記の請求項1〜14のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- プラスチック基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜15のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
- ヒ−トシ−ル性樹脂層が、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜16のいずれか1項に記載する輸液バッグ用外装袋。
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