WO2013122012A1 - ミラーフィルム、その製造方法、及びそれを用いた反射鏡 - Google Patents

ミラーフィルム、その製造方法、及びそれを用いた反射鏡 Download PDF

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Abstract

 支持体12と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層14と、銀を含有する反射層16と、樹脂被覆層18と、をこの順に積層してなり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層14及び前記銀を含有する反射層16は前記支持体の周縁部を除く領域に設けられ、前記支持体12の周縁部と前記樹脂被覆層18とが密着しているミラーフィルム。

Description

ミラーフィルム、その製造方法、及びそれを用いた反射鏡
 本発明は、ミラーフィルム、該ミラーフィルムを用いた反射鏡、及びミラーフィルムの製造方法に関する。
 近年、石油エネルギーに代表される化石燃料エネルギーに代わる代替エネルギーの研究が盛んに検討されはじめている。特に風力発電、地熱発電、太陽熱発電、太陽光発電等はクリーンな自然エネルギーであり、今後のエネルギー開発の鍵を握るとも言われている。この中で、太陽エネルギーを利用するものは安定しており、かつ、量が多いことから特に有力であると考えられている。
 しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用しようとする場合、太陽エネルギーのエネルギー密度が低い、エネルギーの貯蔵や移送が難しくそのため夜間等に利用しにくい、等の問題があるとされている。
 近年、これらの問題を解決するために、集光型の太陽光発電や集光型の太陽熱発電が提案されている。これら方式では太陽エネルギーのエネルギー密度が低い問題に対して、反射鏡で太陽光を集めることによって解決をはかろうとしている。
 これら反射鏡は太陽光による紫外線や熱線、潮風や酸性雨といった風雨および化学的衝撃、埃・粉塵・砂嵐といった物理的衝撃、に晒されることとなり、従来ガラス製の反射鏡が用いられてきた。しかしながらガラス製ミラーは環境に対する耐久性は高いものの、重量があり、破損し易いため、輸送時に破損する懸念がある、重いミラーを設置する架台を強大にする必要から建設費が嵩む、太陽を追尾するために駆動させるのに大きなエネルギーが必要である、といった問題があった。
 一方、上記問題を解決する方法としてプラスチック製のミラーを用いることが考えられる。例えば、Alを反射層として用いたプラスチック製ミラーが提案されている(例えば、特開2005-59382号公報参照)が、アルミニウム層は光反射率が低いため、必要な集光のためには広い面積のミラーが必要となり、設置面積や建設費が大きくなるという問題があった。
 反射層にAgを用いることで反射率を高めることができ、このようなプラスチック製ミラーも提案されているが(例えば、特開平6-38860号公報参照)、Ag金属層は樹脂支持体との密着性が悪く、平面性が低下して有効な反射率が得られないという問題があった。
 導電性のポリピロール下地層とAg層を樹脂支持体の端部を除く領域に形成し前記Ag層と下地層と端部を覆うように無機ガスバリヤー層をその塗布液を塗布して形成することで、Ag層と下地層とを保護し耐候性を改良した樹脂ミラーフィルムが提案されている(例えば、国際公開WO2010/150570パンフレットの図2参照)。
 これらの金属層は経時により、酸化が進行して変色したり、腐食したりするといった問題があり、通常は金属層を保護するための樹脂層で表面を被覆するとともに、端部からの水分や空気の浸透を抑制するために端部にも保護層を設けることが一般的である。
 図3Aは、従来のミラーフィルムの一態様を示す平面図であり、図3Bは、その概略断面図である。従来のミラーフィルム30では、支持体12上に、下地樹脂層15とその表面に形成された金属層17とを備えた積層体を配置し、その表面に接着剤層22を介して、樹脂表面層18が密着し、表面からの酸素や水分の浸透を抑制している。また、端部は保護テープ24で被覆され、端部からの酸素や水分の浸透を抑制している。ところが、保護テープ24による被覆では、図4Bに示すように、保護テープ24で被覆する際に気泡などが入りやすいという問題があり、信頼性の高い気体や水分の遮断性を得られなかった。
 例えば、前記国際公開WO2010/150570パンフレットに記載の手法では、Agを形成するための下地層を塗布後に、加熱または乾燥させる工程を必要とするため、パターニングが困難であり、隣接する層同士の密着性が良好であるために、パターニングする場合、除去すべき領域をスクライビング等により物理的に除去することが困難であった。このため、端部を完全に封止する構造を形成することが困難であるという問題があった。
 さらに、周縁部に金属層を有しない構造をとったとしても、保護テープ24自体の形状追随性に限界がある。図4Aは、支持体12上にポリピロール塗布層19、光反射層20および保護テープ24を有するミラーフィルムの模式図を示す。図4Aに示すように、空隙を完全には除去し難く、気体や水分の遮断性についてはなお改良の余地があった。
 本発明は上記実情を鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、軽量で破損しにくいという特性を維持しつつ、基材と反射金属膜の密着性が良好で、且つ、酸素や水分の影響を受けにくく、長期の屋外使用にも耐えうる耐久性に優れたミラーフィルムを提供することにある。
 また、本発明のさらなる課題は、前記ミラーフィルムを用いた軽量で耐久性に優れた反射鏡、及び、前記ミラーフィルムの、簡易であり、且つ、大面積化・大量生産化が可能な製造方法を提供することにある。
 本発明者らは鋭意検討の結果、感光性ポリマーを用いて、支持体との密着性に優れた金属層を支持体の周縁部を除く領域のみに形成することで支持体の周縁部に金属層を有しない領域とし、当該領域を封止領域とすることで、周縁部からの酸素や水分の浸透を抑制し、軽量、フレキシブルとの特性を維持しつつ、耐久性に優れたミラーフィルムを提供するに至った。
 本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> 支持体と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層と、銀を含有する反射層と、樹脂被覆層と、をこの順に積層してなり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層及び前記銀を含有する反射層は前記支持体の周縁部を除く領域に設けられ、前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが密着しているミラーフィルム。
 なお、銀を含有する反射層を、以下、適宜、銀含有金属層と称する。
<2> 前記めっき下塗りポリマー層が、少なくともカルボニル基を有するポリマーを含む<1>に記載のミラーフィルム。
<3> 前記めっき下塗りポリマー層が、酸性基と重合性基とを側鎖に有するアクリルポリマーを含み、且つ前記アクリルポリマーが前記めっき下塗りポリマー層内においてエネルギー付与されて前記重合性基同士、または前記重合性基と前記支持体との間で架橋構造または化学結合を形成している<1>又は<2>に記載のミラーフィルム。
<4> 前記エネルギー付与がUV露光を含む<3>に記載のミラーフィルム。
<5> 前記銀を含有する反射層が、少なくとも銀を含有する金属膜を樹脂被覆層形成側に有する金属多層膜を含む層である<1>から<4>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<6> 前記支持体が、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムである<1>から<5>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<7> 前記樹脂被覆層が、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有する樹脂組成物を含む<1>から<6>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<8> 前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが、接着層を介して密着している<1>から<7>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<9> 前記樹脂被覆層と前記銀を含有する反射層とが、接着層を介して密着している<8>に記載のミラーフィルム。
<10> 前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが、互いに直かに接して密着している<1>から<7>のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
<11> 剛性を有する筐体上に、<1>から<10>のいずれか1項に記載のミラーフィルムを備えた反射鏡。
<12> 支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程、
 金属前躯体を前記めっき下塗りポリマー層に付与する工程、
 付与された金属前躯体を還元する工程、
 前記支持体上の周縁部を除く領域に、銀を含有する反射層を電気めっきにより形成する工程、及び、
 前記銀を含有する反射層と、前記支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程を含む<1>から<10>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<13> 前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記支持体上にめっき下塗りポリマーを含有するめっき下塗りポリマー層形成用組成物を接触させる工程と、前記支持体上の周縁部を除く領域のみにエネルギー付与してめっき下塗りポリマー層を前記支持体上に固定化する工程を含む<12>に記載のミラーフィルムの製造方法。
<14> 前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記支持体上の全面にめっき下塗りポリマー層を形成する工程と、前記支持体の周縁部における前記めっき下塗りポリマー層を除去する工程とを含む<12>又は<13>に記載のミラーフィルムの製造方法。
<15> 前記エネルギー付与がUV露光を含む<13>に記載のミラーフィルムの製造方法。
<16> 前記めっき下塗りポリマーが下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、または下記式(A)で表されるユニットと下記式(C)で表されるユニットとを含む共重合体を含む<13>から<15>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 上記式(A)~(C)中、R~Rは、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1~4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L、L、及びLは、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成するイオン性極性基を表す。
<17> 前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、活性種を発生する材料を含有するポリマー層形成用組成物を支持体に付与する工程を含む<12>から<16>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<18> 前記銀を含有する反射層と、支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程が、銀を含有する反射層が形成された支持体上に、樹脂被覆層形成用樹脂材料を溶剤に溶解して塗布し、乾燥して樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を形成する工程と、形成された樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を硬化させる工程と、を含む<12>から<17>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
<19> 前記銀を含有する反射層と、前記支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程が、樹脂フィルムを、接着層を介して銀を含有する反射層が形成された支持体上に密着させる工程を含む<12>から<17>のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法
 本発明によれば、軽量で破損しにくいという特性を維持しつつ、基材と反射金属膜の密着性が良好で、且つ、酸素や水分の影響を受けにくく、長期の屋外使用にも耐えうる耐久性に優れたミラーフィルムを提供することができる。
 また、本発明によれば、前記ミラーフィルムを用いた軽量で耐久性に優れた反射鏡、及び、前記ミラーフィルムの、簡易であり、且つ、大面積化・大量生産化が可能な製造方法が提供される。
本発明のミラーフィルムの一態様を示す平面図である。 前記ミラーフィルムの概略断面図である。 本発明のミラーフィルムの別の態様を示す平面図である。 前記ミラーフィルムの別の態様の概略断面図である。 保護テープで端部を封止した従来のミラーフィルムの一態様を示す平面図である。 前記従来のミラーフィルムの概略断面図である。 従来のミラーフィルムにおける端部の状態を示す概略断面図である。 支持体と保護テープとの間に気泡を有する態様を示す概略断面図である。
 以下に本発明のフィルムミラーの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
 図1Aは本発明のミラーフィルム10の一態様を示す平面図であり、図1Bはその概略断面図である。
 ミラーフィルム10は、支持体12の周縁部を除く中央部にめっき下塗りポリマー層14と銀を含有する反射層(以下、適宜、「銀含有金属層」と称する)16とを備え、銀含有金属層16及び銀含有金属層16が形成されていない支持体の周縁部領域の表面が樹脂被覆層18で被覆され、金属層16が形成されていない領域では、支持体12と樹脂被覆層18とが密着しており、ミラーフィルム10端部からの酸素や水分の浸透が抑制される。
 「密着」とは、「ぴったりと付着すること」を指すものであるが、本実施形態における「密着」としては、さらに、支持体12や樹脂被覆層18を構成する樹脂の熱圧着による融着、支持体12及び樹脂被覆層18を構成する成分同士の結合形成、分子-分子間力による相互作用形成、支持体12及び樹脂被覆層18を構成する成分が溶媒に溶解したことによる樹脂成分同士の絡み合いなどにより、支持体12と樹脂被覆層18との積層界面において付着性をもつ状態をも包含する意味で用いている。
 図2Aは本発明のミラーフィルム20の他の態様を示す平面図であり、図2Bはその概略断面図である。本実施形態では、支持体12と樹脂被覆層18とは接着層22を介して密着している。接着層22として支持体12及び樹脂被覆層18との密着性に優れた材料を選択することで、ミラーフィルム20端部からの酸素や水分の浸透抑制効果が一層向上する。
 本実施形態における「密着」としては、さらに、支持体12と接着層22、接着層22と樹脂被覆層18とが、接着層22を構成する接着剤や粘着剤の凝集力、アンカー効果、分子間力、被接着層(ここでは、支持体12或いは樹脂被覆層18)との結合形成などによって、支持体12と接着層22との積層界面、及び、接着層22と樹脂被覆層18との積層界面において付着性を持つ状態を包含する意味で用いている。
 いずれの態様においても、ミラーフィルム10、20の周縁部は銀含有金属層16が形成されていないために、樹脂被覆層18自体、或いは、樹脂被覆層18と接着層22の形成領域が酸素や水分の浸透抑制領域となる。ここで、樹脂被覆層18を塗布法などにより形成することで、密着性が確保され、支持体12と樹脂被覆層18との界面に例えば、気泡など発生する可能性はほとんど無くなるため、封止性は極めて良好となる。また、樹脂被覆層18としてフィルム状のものを用いる場合には、支持体12との間に空隙が発生するのを抑制するために、接着層22を介在させることが好ましい。
 樹脂被覆層18を形成する材料としては、酸素遮断性の高い膜を形成しうる樹脂を用いることが好ましい。
 以下、本発明に係るミラーフィルムを構成する材料について、その形成工程とともに説明する。
 本発明のミラーフィルムは、図1に示すように、支持体12と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層14と、銀を含有する反射層16と、樹脂被覆層18と、をこの順に積層してなり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層14及び前記銀を含有する反射層16は前記支持体12の周縁部を除く領域に設けられ、前記支持体12の周縁部と前記樹脂被覆層18とが密着している。
 本発明のミラーフィルムの製造方法は、支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程、金属前躯体をめっき下塗りポリマー層に付与する工程、付与された金属前躯体を還元する工程、前記支持体上の周縁部を除く領域に、銀を含有する反射層を電気めっきにより形成する工程、及び前記銀を含有する反射層と、前記支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程を含む。
 なお、本発明においては、銀含有金属層16の形成にめっき受容性の高い「還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層14」を設けることが大きな特徴である。
 金属と樹脂フィルムとは密着性が悪く、密着性を上げるためには樹脂フィルム表面に凹凸をつけて、金属とフィルム基材の間のアンカー効果により密着性を上げるか、もしくは、フィルム基材中にスパッタリングやイオン注入などの方法を適用し、金属を強制的に打ち込むことにより密着性を上げるといった方法がとられてきた。しかしながら、アンカー効果により密着性を上げる方法では金属膜厚が薄い場合、形成された金属層表面が樹脂支持体の凹凸を反映し、平滑性が劣るために反射能が低下する問題があり、また、樹脂表面の凹凸を反映しないように膜厚を挙げると金属材料の使用量が多くなり、軽量性や柔軟性が低下する懸念があった。また、樹脂フィルム中にスパッタリングやイオン注入などの方法により金属を強制的に打ち込む方法は高エネルギーが必要なため、生産性が悪く、また、発熱等の問題から、安価な汎用のプラスチックフィルムを支持体として使用し難いという問題があった。本発明においては、後述するめっき下塗りポリマー層の使用によりこれらの問題を解決したものである。
(1)支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程
<(A)支持体>
 本発明において、(A)支持体として用いるフィルム基材の材料としては、フレキシブル性や軽量化の観点で、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、液晶ポリマー等をフィルム状に成形した樹脂フィルム、紙などを用いることができる。
 樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、液晶樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアセチレン等が好適であり、フィルム状に成型できる樹脂であればすべて使用することができる。
 特に好適な支持体としては、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムが挙げられる。
 支持体の形状としては、平面、拡散面、凹面、凸面、等各種のミラーフィルムにおいてフィルム基材として求められる形状であれば、いずれの形状であってもよい。
 支持体の厚みとしては、10μm~5mm程度が好ましい。これより薄いと生産時のハンドリングが難しくなり、これより厚いと成型しにくくなる。より好ましくは、20μm~1mmであり、更に好ましくは25μm~500μmの範囲である。
 また、支持体は、支持体の上に設けられる(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成しやすくするために、あらかじめ表面処理を施してもよい。表面処理としては、UV照射、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、火炎処理などの表面を分解活性化させる処理や、ヒドラジン、N-メチルピロリドン、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液のような強アルカリ液での処理や、硫酸、塩酸、硝酸のような強酸液での処理、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトン等の有機溶剤で支持体表面の汚れを落として清浄にする処理を施してもよい。また、当然、付着したゴミを落とすための水洗等も行ってもよい。また、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成するために、更に支持体上に還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層とは異なる別の下塗り層を設けてもよい。
 ミラーフィルムの反射能を向上させる目的から、支持体は、JIS B 0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下であるものを用いることが好ましく、Rzが1μm以下であることがより好ましい。更に好ましくは、平均粗さ(Rz)が、0.5μm以下であることである。
 また、支持体には紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
 また、柔軟性を維持するための可塑剤、フィルム自体の劣化を防ぐ酸化防止剤、ラジカル捕捉剤等を含んでもよい。
(酸化防止剤)
 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、及びホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
 フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、テトラキス-〔メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,3,5-トリス(3’ ,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[1,1-ジ-メチル-2-〔β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
 特に、フェノール系酸化防止剤としては、分子量が550以上のものが好ましい。
 チオール系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-(β-ラウリル-チオプロピオネート)等が挙げられる。
 ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6
-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス-(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)-ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
 支持体に酸化防止剤を用いる場合の含有量としては、支持体の基材となる樹脂100質量部に対して、0.1質量部~10質量部の範囲であることが好ましい。
(紫外線吸収剤)
 紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、および酸化チタン等の無機粒子型の紫外線吸収剤の内、少なくとも一つを含むことが好ましい。
 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ-ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-ベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシ-ベンゾフェノン等が挙げられる。
 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2-(2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
 サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2-4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
 ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート等が挙げられる。
 トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
 紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
 支持体に紫外線吸収剤を用いる場合の含有量としては、支持体の基材となる樹脂100質量部に対して、0.1質量部~10質量部の範囲であることが好ましい。
<(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層>
 本発明における(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層は、還元された金属粒子と、後述のめっき下塗りポリマーとを少なくとも有する。
 本発明においては、金属前駆体と後述のめっき下塗りポリマーとを含む組成物を用いて、支持体上に塗布等の方法により金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成し、あるいは、後述のめっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて支持体上に層を形成し、その後、金属前駆体を含む組成物を、支持体上に設けられた前記層に浸漬等の方法によって接触させることにより金属前駆体を含むポリマー層を形成し、然る後、金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層が有する該金属前駆体を還元して、本発明の(B)還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成することが好ましい。
(めっき下塗りポリマー)
 先ず、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に用いるめっき下塗りポリマーについて説明する。
 本発明におけるめっき下塗りポリマー層形成用組成物に用いるめっき下塗りポリマーは、重合性基、及び、金属前駆体と相互作用する官能基(以後、適宜「相互作用性基」と称する)を少なくとも有する。
 めっき下塗りポリマーの主骨格としては、アクリルポリマー、ポリエーテル、アクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリエステル等が好ましいが、アクリルポリマーであることがより好ましい。
 めっき下塗りポリマーは、分子内に上記重合性基と上記相互作用性基を有すればよく、重合性基はポリマーの主鎖末端及び側鎖の少なくともいずれかに有すればよい。例えば、上記重合性基を有する構成単位と、上記相互作用性基を有する構成単位を含んで構成されるポリマーなどが挙げられ、同一の構成単位に重合性基と相互作用性基とを含んでいてもよい。また、2種以上の重合性基を含んでいてもよく、2種以上の相互作用性基を含んでいてもよい。また、重合性基はポリマーの作製後に高分子反応により導入されてもよい。
 また、めっき下塗りポリマーは、目的に応じて、重合性基を含む構成単位、および相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。重合性基を含む構成単位、および相互作用性基を含む構成単位以外の構成単位(以下、適宜、「他の構成単位」と称する)を含むことによって、めっき下塗り組成物としたときに、水または有機溶剤への溶解性に優れ、均一なめっき下塗り層を形成することができる。
 めっき下塗りポリマーの好ましい態様として、相互作用性基としての酸性基と重合性基とを側鎖に有するアクリルポリマーが挙げられる。
 以下、めっき下塗りポリマーに含まれる重合性基、相互作用性基、およびその特性等について詳述する。
(重合性基)
 めっき下塗りポリマーが有する重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと下地層(支持体若しくは支持体上に設けられた下塗り層)との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
 ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、中でも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、耐アルカリ性の観点からアクリルアミド基、メタクリルアミド基が更に好ましい。
 重合性基の詳細については、以下に詳述する。
 本発明に係る下塗りポリマーに導入可能な前記重合性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(A-5)~(A-7)で表される重合性基が好ましい。
 以下、アクリルポリマーに含まれる重合性基の好ましい構造及びその導入方法について詳述する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

 
 一般式(A-5)~(A-7)中、R~R11は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は-N-R12-を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、-N-R13-、又はフェニレン基を表す。R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、又は1価の有機基を表す。
 前記一般式(A-5)において、Rとしては、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、ラジカル反応性が高いことから、水素原子、メチル基がより好ましい。
 前記R及びRとしては、それぞれ独立に、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
 前記Xが表す-N-R12-におけるR12としては、例えば、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基等が好ましく、ラジカル反応性が高いことから、水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基がより好ましい。 
 これらの基に導入しうる前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
 前記一般式(A-6)において、R~Rとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
 これらの基に導入しうる置換基としては、前記一般式(A-5)において挙げたものが同様に例示される。
 前記Yが表す-N-R12-におけるR12としては、前記一般式(A-5)におけるR12において挙げたものと同様のものが挙げられる。
 前記一般式(A-7)において、Rとしては、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
 また、前記R10、R11としては、それぞれに、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
 ここで、導入しうる前記置換基としては、一般式(A-5)において挙げたものが同様に例示される。
 前記Zとしては、酸素原子、硫黄原子、-NR13-、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
 前記一般式(A-5)~(A-7)で表される重合性基の中でも、一般式(A-5)で表されるものが、重合反応性が高く感度が高くなるという観点から、より好ましい。
 めっき下塗りポリマーにおける重合性基の含有量には、特に制限はないが、0.1meq/g~3.0meq/gが好ましく、0.3meq/g~3.0meq/gがより好ましく、0.5meq/g~2.5meq/gが特に好ましい。前記含有量をこの範囲とすることにより、充分な硬化反応量が得られ、所望の感度が得られるとともに、より高感度であり、且つ保存安定性にさらに優れることになる。
 ここで、重合性基の含有量(meq/g)は、例えば、ヨウ素価滴定により測定することができる。
 めっき下塗りポリマーの側鎖に重合性基を導入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適用すればよいが、前記一般式(A-5)で表される重合性基をめっき下塗りポリマーの側鎖に導入する方法を例に挙げて説明すれば、例えば、側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物と重合性基及びエポキシ基を有する化合物を付加反応させる方法が挙げられる。
 前記側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物は、例えば、カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することができ、前記ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法等が挙げられる。
 前記重合性基及びエポキシ基を有する化合物としては、これらを有すれば特に制限はないが、例えば、下記一般式(A-8)で表される化合物及び一般式(A-9)で表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

 
 一般式(A-8)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは2価の有機基を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

 
 前記一般式(A-9)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは2価の有機基を表す。Wは隣接する2つの炭素原子と共に4~10員環を形成する脂肪族炭化水素基を表す。
 前記一般式(A-8)で表される化合物及び一般式(A-9)で表される化合物の中でも、一般式(A-8)で表される化合物が好ましく、前記一般式(A-8)においても、Lが炭素数1~4のアルキレン基のものがより好ましい。
 前記一般式(A-8)で表される化合物又は一般式(A-9)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(31)~(40)が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

 
 この方法に用いられるカルボン酸基を含有するラジカル重合性化合物しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、p-カルボキシルスチレン等があり、特に好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
 前記側鎖への導入反応としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィンなどを触媒として有機溶剤中、反応温度50℃~150℃で数時間~数十時間反応させることにより行うことができる。
 前記側鎖に重合性基を有する構造単位としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(A-10)で表される構造、一般式(A-11)で表される構造、及びこれらの混合により表されるものが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

 
 前記一般式(A-10)及び一般式(A-11)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは置換基を有してもよい2価の有機基を表す。
 前記一般式(A-10)で表される構造単位及び一般式(A-11)で表される構造単位の、めっき下塗りポリマーにおける含有量は、20mol%以上が好ましく、20mol%~50mol%がより好ましく、25mol%~45mol%が特に好ましい。前記含有量をこの範囲とすることで、さらに高感度となり、且つ、保存安定性がより良好となる。
(相互作用性基)
 めっき下塗りポリマーが有する相互作用性基は、金属前駆体と相互作用する官能基(例えば、配位性基、金属イオン吸着性基など)であり、金属前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、あるいは、金属前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などを使用することができる。
 相互作用性基としては、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらが同時に含まれていてもよいが、イオン性極性基が好ましい。
 相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(-O-CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N-オキシド構造を含む基、S-オキシド構造を含む基、N-ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホ基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
(非解離性官能基からなる相互作用性基)
 非解離性官能基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いことから、エーテル基、又はシアノ基が特に好ましく、シアノ基が最も好ましいものとして挙げられる。
 一般的に、高極性になるほど吸水率が高くなる傾向であるが、シアノ基はめっき下塗りポリマー層中にて互いに極性を打ち消しあうように相互作用しあうため、膜が緻密になり、且つ、めっき下塗りポリマー層全体としての極性が下がるため、高極性にもかかわらず吸水性が低くなる。また、めっき下塗りポリマー層の良溶剤にて触媒を吸着させることで、シアノ基が溶媒和されてシアノ基間の相互作用がなくなり、めっき触媒と相互作用できるようになる。以上のことから、シアノ基を有するめっき下塗りポリマー層は低吸湿性でありながら、めっき触媒とはよく相互作用をする、相反する性能を発揮する点で、好ましい。
 また、本発明における相互作用性基としては、既述の置換基のなかでも、シアノ基、又は、アルキルシアノ基であることが更に好ましい。これは、芳香族シアノ基は芳香環に電子を吸引されており、めっき触媒等への吸着性として重要な不対電子の供与性が低めになるが、アルキルシアノ基はこの芳香環が結合していないため、めっき触媒等への吸着性の点で好ましい。
(イオン性極性基からなる相互作用性基)
 またイオン性極性基からなる相互作用性基としては、上記相互作用性基の中でも、めっき下塗りポリマーの、基材に対する密着性の観点から、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基が挙げられ、中でも適度な酸性(他の官能基を分解しない)を有する点、他の官能基に影響を与える懸念が少ない点、めっき層との親和性に優れる点、及び原料が入手容易であるという点から、カルボン酸基が特に好ましい。
 前記カルボン酸基等のイオン性極性基は、酸性基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、めっき下塗りポリマーに導入することができる。以下、カルボン酸基を例に挙げて説明する。
 カルボン酸基の導入に使用されるカルボン酸基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、p-カルボキシルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p-カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 以下、本発明の使用されるめっき下塗りポリマーの好適な構成について詳細に説明する。
 前記本発明におけるめっき下塗りポリマーとして好適に用いられるアクリルポリマーを、より具体的に説明すると、酸性基としてカルボン酸基を含有するアクリル樹脂に、環状エーテル基含有重合性化合物、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルや、脂環式エポキシ基(たとえば同一分子中にシクロヘキセンオキシド等のエポキシ基)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等のエポキシ基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物等が挙げられる。また、酸性基及び水酸基を含有するアクリル樹脂に、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物、無水物基を含有するアクリル樹脂に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する重合性化合物を付加させて得られる化合物等も挙げられる。また、グリシジルメタクリレート等の環状エーテル基含有重合性化合物と(メタ)アクリロイルアルキルエステル等のビニルモノマーを共重合し、側鎖のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させて得られる化合物等も挙げられる。
 これらのポリマーの具体例は、特許2763775号公報、特開平3-172301号公報、特開2000-232264号公報等の公報に記載され、ここに記載のポリマーは本発明にも好適に使用しうる。
 これらのなかでも、前記アクリルポリマーが、高分子化合物の酸性基の一部に環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基を部分構造に有する基)含有重合性化合物を付加させたもの、及び高分子化合物の環状エーテル基の一部又は全部にカルボキシル基含有重合性化合物を付加させたもののいずれかから選択された高分子化合物であることが、さらに好ましい。この際、酸性基と環状エーテル基を有する化合物との付加反応は触媒存在下で実施するのが好ましく、特に、その触媒が酸性化合物及び中性化合物から選択されるものであることが好ましい。
 カルボン酸基に代表される酸性基は、酸性基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、めっき下塗りポリマーに付与することができる。
 前記カルボン酸基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、p-カルボキシルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p-カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 前記カルボン酸基等の酸性基の、めっき下塗りポリマーにおける含有量は、1.0meq/g~10.0meq/gであり、2.0meq/g~9.0meq/gが好ましく、2.5meq/g~8.0meq/gがより好ましい。カルボン酸基の含有量をこの範囲とすることにより、めっき層との親和力が十分となり、アルカリ水などを用いた「後処理」によるめっき面上の損傷をより低減させることができる。
(めっき下塗りポリマーのユニット構成)
 本発明におけるめっき下塗りポリマーとしては、既述のように重合性基と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する相互作用性基とを有するが、相互作用性基は、非解離性官能基であっても、イオン性極性基であってもよく、これらの少なくともいずれかを有するポリマーである。なかでも、既述のように、イオン性極性基であるカルボン酸基を有することが好ましい。
 上記めっき下塗りポリマーの好適な態様として、式(A)で表される重合性基含有ユニットと式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

 
 上記式(A)~(C)中、R~Rは、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1~4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L、L、及びLは、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成するイオン性極性基を表す。
 なお、本発明において有機基とは、炭素原子を含む置換基を指す。
 式(A)で表されるユニットにおいて、Y及びZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(-C-)が好ましい。Lは炭素数1~10の、置換もしくは無置換の2価の有機基であることが好ましい。
 式(A)で表されるユニットは、前記一般式(A-5)で示される重合性基を有するユニットである。
 式(B)で表されるユニットにおいて、Wはシアノ基又はエーテル基であることが好ましい。また、XおよびLはいずれも単結合であることが好ましい。
 また、式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、LがVと連結する部分において4員~8員の環構造を含む態様が好ましく、更に、Vがカルボン酸基であり、且つ、Lの鎖長が6原子~18原子である態様も好ましい。
 更に、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、U及びLが単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、U及びLのいずれも単結合である態様が最も好ましい。
 本発明におけるめっき下塗りポリマーは、共重合ユニット全体に対し、重合性基含有ユニット(式(A)で表されるユニット)、非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニット(式(B)で表されるユニット)、イオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニット(式(C)で表されるユニット)の割合が以下の範囲であることが好ましい。
 以下のmol%の範囲は、その全体が100mol%になるように適宜選択される。
 即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5~50mol%:5~40mol%:20~70mol%であることが好ましく、10~40mol%:10~35mol%:20~60mol%であることがより好ましい。
 また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5~50mol%:50~95mol%が好ましく、10~40mol%:60~90mol%であるこがより好ましい。
 さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5~50mol%:50~95mol%が好ましく、10~40mol%:60~90mol%であるこがより好ましい。
 これらのなかでも、先に挙げた酸性基と重合性基とを側鎖に有するアクリルポリマーに包含される式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体がより好ましい。
 この範囲にて、UV露光に対するめっき下塗りポリマーの重合性の向上、金属前駆体還元後の還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマーの抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上、を行うことができる。
 めっき下塗りポリマーは、画像強度等の諸性能を向上する目的で、前述の重合性基を有するユニットと酸性基を有するユニットの他に、更に他の、即ち、重合性基及び酸性基のいずれも含まないラジカル重合性化合物を共重合させることが好ましい。
 前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲンスチレン等のスチレン類、アルキル(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、N-置換マレイミド類、ビニルシアノ類等などから選ばれるラジカル重合性化合物などが挙げられる。
 他のラジカル重合性化合物について詳細に説明する。
 アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数は1~20のものが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-i-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルへキシル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸-t-オクチル、(メタ)アクリル酸-i-オクチル、(メタ)アクリル酸-i-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、クロルエチル(メタ)アクリレート、2,2-ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、シアノプロピル(メタ)アクリレート、シアノベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の、炭素数1~25のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、炭素数2~15のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、アクリル酸エステル類がより好ましい。
 アリール(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート等の、炭素数1~25のアルキル基を有するアリール(メタ)アクリレート類が挙げられる。中でも、フェニルアクリレートが好ましい。
 スチレン類としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、シアノスチレン等、アルコキシスチレン類としては、メトキシスチレン、4-メトキシ-3-メチルスチレン、ジメトキシスチレン等、ハロゲンスチレンとしては、例えばクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2-ブロモ-4-トリフルオロメチルスチレン、4-フルオロ-3-トリフルオロメチルスチレン等の、炭素数1~25のスチレン類が挙げられる。中でも、スチレン、メトキシスチレンが好ましい。
 アルキル(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、メチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ドデシル(メタ)アクリルアミドなどの、炭素数1~22のアルキル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。中でも、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミドが好ましい。
 ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4-メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2-ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、クロロブチルビニルエーテル、クロロエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。中でも、フェニルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルが好ましい。
 N-置換マレイミド類としては、例えば、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-n-プロピルマレイミド、N-i-プロピルマレイミド、N-n-ブチルマレイミド、N-t-ブチルマレイミド、N-n-ヘキシルマレイミド、N-シクロペンチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-1-ナフチルマレイミド等が挙げられる。中でも、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミドが好ましく、N-フェニルマレイミドがより好ましい。
 前記ビニルシアノ類としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノプロペン、ジシアノエチレン、等が挙げられる。
 これらの他のラジカル重合性化合物は、他のラジカル重合性化合物として、1種単独で含んで使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 本発明において、めっき下塗りポリマーを合成する際に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2-メトキシエチルアセテート、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
 また、本発明において、めっき下塗りポリマー中には、未反応の単量体を含んでいてもよい。この場合、前記未反応の単量体の、めっき下塗りポリマーにおける含有量は、15質量%以下が好ましい。
 本発明において、めっき下塗りポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、めっき下塗りポリマーとは構造が異なる他の高分子化合物を混合して用いてもよい。この場合、前記めっき下塗りポリマーと前記他の高分子化合物との合計における前記他の高分子化合物の含有量は、50質量%未満が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
 本発明におけるめっき下塗りポリマーの重量平均分子量は、1000以上70万以下が好ましく、更に好ましくは2000以上20万以下であり、さらに好ましくは10000以上100000以下である。重量平均分子量をこの範囲とすることにより、さらに高い密着強度が得られ、且つ、アルカリ水等の処理液耐性が得られ、経時保存性もより良好である。特に、重合感度の観点から、本発明におけるめっき下塗りポリマーの重量平均分子量は、20000以上であることが好ましい。なお、合成中のゲル化抑制の観点から分子量の上限値は15万であることが好ましく、さらに好ましくは10万以下である。
 なお、ここで記載の重量平均分子量とは、GPC(使用溶媒:N-メチルピロリドン)を用いてポリスチレン換算により測定される値であり、例えば、次の条件で測定することができる。
・カラム:ガードカラム TOSOH TSKguardcolum Super AW-H
     分離カラム TOSOH TSKgel Super AWM-H(サイズ6.0mm×15cmを3本連結)
・溶離液:N-メチルピロリドン(LiBr10mM含有)
・流速:0.35mL/min
・検出方法:RI
・温度:カラム40℃、インレット40℃、RI40℃
・サンプル濃度:0.1wt%
・注入量:60μL
 また、本発明におけるめっき下塗りポリマーの重合度としては、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、1500量体以下が好ましく、1000量体以下がより好ましい。
 めっき下塗りポリマーの具体例としては、ラジカル重合性基と非解離性官能基からなる相互作用性基を有するポリマーとして、特開2009-007540号公報の段落[0106]~[0112]に記載のポリマーが使用できる。また、ラジカル重合性基とイオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2006-135271号公報の段落[0065]~[0070]に記載のポリマーなどが使用できる。ラジカル重合性基と、非解離性官能基からなる相互作用性基と、イオン性極性基からなる相互作用性基とを有するポリマーとしては、特開2010-248464号公報の段落[0010]~[0128]、特開2010-84196号公報、米国特許出願公開2010-080964号明細書の段落[0030]~[0108]に記載のポリマーなどが使用できる。
 以下に、本発明において特に好適に用いられるめっき下塗りポリマーを挙げるが、これらに限定されない。なお、添え字の数字は組成比(モル比)を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015

 
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016

 
 めっき下塗りポリマー層を形成するためには、前記支持体、或いは、下塗り層を有する支持体上にめっき下塗りポリマー層形成用組成物を接触させ、エネルギーを付与すればよい。支持体上へのめっき下塗りポリマー層形成用組成物の接触は、基板上に前記めっき下塗りポリマー層形成用組成物を含有する塗布液を塗布することにより行うことが好ましい。
(めっき下塗りポリマー層形成用組成物)
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物は前記めっき下塗りポリマーを含有する。
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物中のめっき下塗りポリマーの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、2質量%~50質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、ポリマー層の層厚の制御がしやすい。
 めっき下塗りポリマーがアクリルポリマーの場合には、めっき下塗りポリマー層形成用組成物の固形分に対するめっき下塗りポリマーの含有量は、1質量%~80質量%が好ましく、2質量%~70質量%がより好ましい。該含有量を、この範囲とすることにより、塗布膜の面状がより良好となり、塗布液が高粘化することもなく、所望の塗布膜厚を得ることがさらに容易である。
 なお、後述する金属前駆体は、めっき下塗りポリマー層形成後に付与してもよく、また、めっき下塗りポリマー層用組成物に当初から含有させてもよい。めっき下塗りポリマー層形成用組成物に金属前駆体を含有させる場合の金属前駆体の含有量としては、前記組成物の全量に対して、0.5質量%~80質量%が好ましく、1質量%~50質量%であることがより好ましい。この範囲であると、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を電極として用いたときに導電性が良好でエネルギーの損失が小さい。
〔溶剤〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、前述のめっき下塗りポリマーの他に、このめっき下塗りポリマーを溶解しうる溶剤を含有することが好ましい。
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物に使用できる溶剤は特に限定されず、通常の塗布等で使用される溶剤などが挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、1-メトキシ-2-プロパノールの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンの如きアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピロニトリルの如きニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きカーボネート系溶剤、この他にも、エーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アミン系溶剤、チオール系溶剤、ハロゲン系溶剤などが挙げられる。なお、これらの溶剤は単一で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物中の溶剤の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、50質量%~95質量%が好ましく、70質量%~90質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、めっき下塗りポリマー層の膜厚の制御などがしやすい。
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物において、イオン性極性基を塩基で中和し、親水性を上げることで、溶剤として水を使用することもできる。なお、塗布時の塗布性を考えると溶剤として水と水溶性有機溶剤とを併用することが好ましく、その際の有機溶剤の含有量は、全溶剤に対して、20質量%~90質量%であることが好ましい。ここで、水溶性有機溶剤とは、上記の含有量の範囲において水と溶解しうるものを意味する。このような性質を有している有機溶剤であれば、特に限定されず、組成物の溶剤として用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アミン系溶媒、チオール系溶媒、ハロゲン系溶媒などが好ましく用いられる。
 以下、本発明において用いるのに好適な有機溶剤の具体例を列挙する。
 ケトン系溶媒としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、γ-ブチロラクトン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸2-(2-エトキシエトキシ)エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが挙げられる。
 アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、3-アセチル-1-プロパノール、2-(アリルオキシ)エタノール、2-アミノエタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、(S)-(+)-2-アミノ-1-プロパノール、(S)-(-)-2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、2-ジメチルアミノエタノール、2,3-エポキシ-1-プロパノール、エチレングリコール、2-フルオロエタノール、ジアセトンアルコール、2-メチルシクロヘキサノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、グリセリン、2,2’,2”-ニトリロトリエタノール、2-ピリジンメタノール、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エタノール、2,3-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、2,2’-チオジエタノール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3-プロパンジオール、ジグリセリン、2,2’-メチルイミノジエタノール、1,2-ペンタンジオールなどが挙げられる。
 エーテル系溶媒としては、ビス(2-エトキシエチル)エーテル、ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]エーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]エタノール、2-エトキシエタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-イソブトキシエタノール、2-(2-イソブトキシエトキシ)エタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシ酢酸、2-メトキシエタノールなどが挙げられる。
 グリコール系溶媒としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。
 アミン系溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
 チオール系溶媒としては、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノールなどが挙げられる。
 ハロゲン系溶媒としては、3-ブロモベンジルアルコール、2-クロロエタノール、3-クロロ-1,2-プロパンジオールなどが挙げられる。
 その他にも、水溶性有機溶媒として、下記表1~2に記載の溶媒も使用することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000017
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
 本発明における水溶性有機溶剤の沸点は蒸散のし易さの観点から、70℃~150℃が好ましく、65℃~120℃がより好ましい。このような水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78℃)、イソプロピルアルコール(沸点:82℃)、n-プロピルアルコール(沸点:97℃)、THF(沸点:66℃)、1-メトシキ-2-プロパノール(沸点:119℃)、MEK(沸点:80℃)などが好ましく挙げられる。
 また、上述のように、水と水溶性有機溶剤の混合液を用いる場合、作業のし易さの観点から、その引火点としては30℃以上のものが好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。
 なお、本発明における引火点は、JIS-K2265に準拠するタグ密閉式によって得られた測定値を意味する。
-水-
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物に使用される水は、不純物を含まないことが好ましく、RO水や脱イオン水、蒸留水、精製水などが好ましく、脱イオン水や蒸留水がより好ましい。
-めっき下塗りポリマーの溶解性を高めるための添加剤-
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物に水と水溶性有機溶剤との混合液を使用する場合は、めっき下塗りポリマーの溶解性を高めるために添加剤を使用することができる。
 例えば、溶質であるめっき下塗りポリマーがカルボン酸基などの酸性基を有する場合は、この酸性基をカルボン酸ナトリウムなどの塩とすることで、このめっき下塗りポリマーは、水と水溶性有機溶剤との混合液に溶解し易くなる。カルボン酸基をカルボン酸ナトリウムに変換するために使用する添加剤としては、塩基性の化合物が使用することができ、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アンモニア、1、8-ジアザビシクロ〔5,4,0〕-7-ウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)などが使用できる。特に好ましくは水溶性化の度合い、最適な塩基性度の観点から、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
〔活性種を発生しうる材料〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、エネルギー付与に対する感度を高めるために、活性種を発生しうる材料を含有することが好ましい。
 ラジカル開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが用いられ、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリルなどのような過酸化物開始剤、およびアゾ系開始剤などを使用することができる。
 また、光重合開始剤としては低分子化合物でもよく、高分子化合物でもよく、一般に公知のものが使用される。
 低分子の光重合開始剤としては、例えば、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンの如きアセトフェノン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの如きホスフィンオキサイド類;ベンゾフェノン、(4,4’-ビスジメチルアミノベンゾフェノンの如きベンゾフェノン類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類;ミヒラーのケトン;ベンゾイルベンゾエート;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾイン類;2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、の如きチオキサントン類;およびその他、α-アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジン;等の公知の光重合開始剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。
 高分子の光重合開始剤としては特開平9-77891号、特開平10-45927号各公報に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物、特開2004-161995号公報に記載の重合開始基が側鎖にペンダントしてなるポリマーもめっき下塗りポリマーに混合して使用することができる。このポリマーは、具体的には、側鎖に重合開始能を有する官能基(重合開始基)及び架橋性基を有するポリマーであり、このポリマーにより、ポリマー鎖に結合した重合開始基を有し、かつ、そのポリマー鎖が架橋反応により固定化された形態を形成することができる。具体的な例としては、特開2004-161995号公報の段落番号〔0011〕~〔0158〕に記載にものが挙げられる。また既述の低分子の光重合開始剤をその骨格中に有する高分子化合物も用いることができる。
 なお、これらのラジカル開始剤は単一で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
 また、エネルギー付与によりめっき下塗りポリマーが支持体や下塗り層を有する支持体と相互作用する活性点を生成しうる場合、即ち、前記のめっき下塗りポリマーの骨格中に重合開始部位を有するポリマーを用いるような場合には、これらの活性種を添加しなくてもよい。
 また、これらの活性種を発生しうる材料を、支持体を形成する樹脂フィルムや支持体上の下塗り層に含有させてもよく、そのような場合には、めっき下塗りポリマー同士のみならず、めっき下塗りポリマーと支持体との相互作用がより良好に形成されることになり、銀を含む反射層と支持体の結合がより強固になる。なお、既述のように、支持体を形成する樹脂が、そのポリマー骨格中に重合開始部位を有する樹脂である場合には、活性種を発生しうる材料の添加は必ずしも必要ではない。
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物に含有させる重合開始剤の量は、めっき下塗りポリマー層形成用組成物の構成に応じて選択されるが、一般的には、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に対して、0.05~30質量%程度であることが好ましく、0.1~10.0質量%程度であることがより好ましい。
 また、支持体を構成する樹脂フィルム基材中に重合開始剤を含有させる場合の含有量は、前記樹脂フィルム基材の固形分に対して0.05~30質量%程度であることが好ましく、0.1~10.0質量%程度であることがより好ましい。
〔増感剤〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、エネルギー付与が露光で行われる場合、その露光に対する感度をより高める目的で、前記ラジカル発生剤に加え、増感剤を含有させることもできる。
 増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、ラジカル発生剤と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルの発生を促進することが可能である。
 本発明に使用しうる増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から露光波長に合わせて、適宜選択することができる。
 具体的には、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N-メチルアクリドン、N-ブチルアクリドン、N-ブチル-クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3-(2-ベンゾフロイル)-7-ジエチルアミノクマリン、3-(2-ベンゾフロイル)-7-(1-ピロリジニル)クマリン、3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、3-(2-メトキシベンゾイル)-7-ジエチルアミノクマリン、3-(4-ジメチルアミノベンゾイル)-7-ジエチルアミノクマリン、3,3’-カルボニルビス(5,7-ジ-n-プロポキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-(2-フロイル)-7-ジエチルアミノクマリン、3-(4-ジエチルアミノシンナモイル)-7-ジエチルアミノクマリン、7-メトキシ-3-(3-ピリジルカルボニル)クマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジプロポキシクマリン等が挙げられ、他に、特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。またその他にも、n-ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
 ラジカル発生剤と増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001-305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
 その他、増感剤としては、塩基性核を有する増感剤、酸性核を有する増感剤、蛍光増白剤を有する増感剤などを用いることもできる。
 これらの増感剤は、めっき下塗りポリマーの質量に対して、1質量%~30質量%程度の量で本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物中に含有させることが好ましい。
〔界面活性剤〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。
 本発明に用いられる界面活性剤は、前述の溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤、n-ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、商品名「エマルゲン910」、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
〔可塑剤〕
 また、本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、必要に応じて可塑剤を添加することもできる。使用できる可塑剤としては、一般的な可塑剤が使用でき、フタル酸エステル類(ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル、ジ-2-エチルヘキシルエステル、ジノルマルオクチルエステル、ジイソノニルエステル、ジノニルエステル、ジイソデシルエステル、ブチルベンジルエステル)、アジピン酸エステル類(ジオクチルエステル、ジイソノニルエステル)、アゼラインサンジオクチル、セバシンサンエステル類(ジブチルエステル、ジオクチルエステル)、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、塩素化パラフィンやジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンのような高沸点溶媒も使用することができる。
〔重合禁止剤〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、必要に応じて、重合禁止剤を添加することもできる。使用できる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ジターシャリーブチルハイドロキノン、2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン類、p-メトキシフェノール、フェノールなどのフェノール類、ベンゾキノン類、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシル)フリーラジカル、4-ヒドロキシTEMPOなどのフリーラジカル類、フェノチアジン類、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミン、そのアルミニウム塩などのニトロソアミン類、カテコール類を使用することができる。
〔硬化剤、硬化促進剤〕
 また、後述のように、本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物を用いて密着補助層上にめっき下塗りポリマー層を形成する場合、密着補助層の硬化を進めるために、めっき下塗りポリマー層形成用組成物に硬化剤及び/又は硬化促進剤を添加することができる。例えば、密着補助層にエポキシ化合物が含まれる場合の硬化剤及び/又は硬化促進剤として、重付加型では、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、活性水素を2個以上持つ化合物等、触媒型としては、脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン、イミダゾール化合物、ルイス酸錯体などが挙げられる。
 また、熱、光、湿気、圧力、酸、塩基などにより硬化開始するものとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリアミドアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒラジド、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物、フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスフェノールAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール-トリ-2-エチルヘキシル酸塩、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-S-トリアジン、BFモノエチルアミン錯体、ルイス酸錯体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、メラミン誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアミン塩、アミンイミド化合物、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレニウム塩、ケチミン化合物などが挙げられる。
 これらの硬化剤及び/又は硬化促進剤は、めっき下塗りポリマー層形成用組成物の塗布性、基板やめっき膜との密着性などの観点から、溶剤を除去した残りの不揮発成分の0~50質量%程度まで添加することが好ましい。
 なお、硬化剤及び/又は硬化促進剤は密着補助層に添加してもよく、その場合は、密着補助層に添加した量とめっき下塗りポリマー層形成用組成物中に添加した総和量で上記範囲を満たすことが好ましい。
〔その他の添加剤〕
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物には、更に、ゴム成分(例えば、CTBN)、難燃化剤(例えば、りん系難燃化剤)、希釈剤やチキソトロピー化剤、顔料、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、水溶性物質(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のミネラル成分)、溶解性低分子物質(例えば、ε-カプロラクタム、ポリエチレングリコール等のポリアルキルグリコール)などを添加してもよい。また、支持体の項で例示したような酸化防止剤を添加してもよい。
 本発明に係るめっき下塗りポリマー層形成用組成物として、めっき下塗りポリマーと各種の添加剤とを適宜混合した組成物を用いることで、形成されためっき下塗りポリマー層の物性、例えば、熱膨張係数、ガラス転移温度、ヤング率、ポアソン比、破断応力、降伏応力、熱分解温度などを最適に設定することができる。特に、破断応力、降伏応力、熱分解温度については、より高い方が好ましい。
〔めっき下塗りポリマー層の形成方法〕
 以下、ミラーフィルムの材料とそれを用いためっき下塗りポリマー層の作製方法を簡易に説明する。
 また、ミラーフィルムの製造方法についてはその後、詳述する。
(めっき下塗りポリマー層形成用組成物の支持体への接触)
 得られためっき下塗りポリマー層形成用組成物を、支持体を形成するフィルム基材に接触させる方法は特に限定されず、めっき下塗りポリマー層形成用組成物中にフィルム基材を浸漬する方法(例えばディップコータ)や、めっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法などが挙げられる。
(エネルギーの付与)
 めっき下塗りポリマー層形成用組成物を支持体へ接触させた後、エネルギーを付与することで、エネルギー付与領域においてポリマーが有する重合性基同士、或いは、ポリマーが有する重合性基と支持体との間に相互作用が形成され、支持体上に固定化されためっき下塗りポリマー層が形成される。
(未反応めっき下塗りポリマーの除去)
 さらに、エネルギー付与後に、適宜、未反応のポリマーを除去する工程を行ってもよい。
(めっき下塗りポリマー層の物性)
 このようにして形成されためっき下塗りポリマー層の厚みは特に制限されないが、後に形成される反射層となる金属膜との密着性の点から、0.05~10μmが好ましく、0.3~5μmがより好ましい。
 また、乾燥重量で0.05~10g/mが好ましく、特に0.3~5g/mが好ましい。
 めっき下塗りポリマー層の表面粗さRaとしては、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが更に好ましい。この範囲内であると、めっき後のAg面が平滑になり、反射性が良好となる。
 前記表面粗さの測定は、原子間力顕微鏡(AFM)(セイコーインスツルメンツ製、SPA-400)を用いて行われる。
(還元された金属粒子)
 本発明のめっき下塗りポリマー層は、還元された金属粒子を含む。めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子は、支持体上に形成された、前述のめっき下塗りポリマー層に、金属前駆体を付与し、該金属前駆体を還元することによって得られる。金属前駆体をめっき下塗りポリマー層に付与すると、前記相互作用性基に金属前駆体が相互作用により付着する。
 以下にめっき下塗りポリマー層に含まれる金属前駆体について説明する。
(金属前駆体)
 本発明において用いられる金属前駆体とは、還元反応により金属に変化させることで電極として機能するものであれば、特に制限なく使用することができる。また、金属前駆体としては、銀含有金属層の形成工程において、めっきの電極として機能するものが好ましく挙げられる。そのため、金属前駆体は、金属に還元させることで電極として機能するものが好ましい。
 具体的には、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどの金属イオンが用いられる。金属前駆体である金属イオンは、めっき下塗りポリマーを含む組成物(めっき下塗りポリマー層形成用組成物)に含まれており、支持体上に層を形成した後、還元反応によって0価の金属粒子となる。
 金属前駆体である金属イオンは、金属塩としてめっき下塗りポリマー層形成用組成物に含まれることが好ましい。
 使用される金属塩としては、適切な溶剤に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類、数、および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
 本発明で用いられる金属前駆体の好ましい例の一つとして、銀イオンが挙げられる。
 銀イオンを用いる場合、以下に示すような銀化合物が解離したものを好適に用いることができる。銀化合物の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p-トルエンスルホン酸銀が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。
 また、金属前駆体としては、銅イオンが好ましい別の例として挙げられる。銅イオンを用いる場合、以下に示すような銅化合物が解離したものを好適に用いることができる。銅化合物の具体例としては、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、シアン化銅、チオシアン酸銅、塩化銅、臭化銅、クロム酸銅、クロラニル酸銅、サリチル酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミド酸銅、p-トルエンスルホン酸銅が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硫酸銅が好ましい。
 上記に示した金属前駆体は、分散液または溶液(金属前駆体液)として、めっき下塗りポリマー層に付与されることが好ましい。
 付与の方法としては、前記めっき下塗りポリマーを含む組成物を用いて支持体上に層を形成し、その後金属前駆体を含む組成物(分散液または金属前駆体液)を前記層に浸漬等の方法により接触させることによって、金属前駆体を含むめっき下塗りポリマー層を形成する方法が挙げられる。
 金属前駆体の分散液に用いる溶媒、および溶液に用いる溶媒としては、水や有機溶媒が用いられる。水や有機溶剤を含有することで、ポリマー層に対する金属前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よく金属前駆体を吸着させることができる。
 金属前駆体をめっき下塗りポリマー層に付与するために、分散液を用いる場合の金属前駆体の粒子径としては、1nm以上200nm以下が好ましく、1nm以上100nm以下がより好ましく、1nm以上60nm以下であることが更に好ましい。この粒子径とすることで、還元された金属粒子の粒子径を所望の大きさに制御することができる。
 なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、測定の方法については、金属粒子の項で述べる方法と同じである。
 金属前駆体液に使用される水としては、不純物を含まないことが好ましい。そのような観点からは、RO水や脱イオン水、蒸留水、精製水などを用いるのが好ましく、脱イオン水や蒸留水を用いるのが特に好ましい。金属前駆体液に使用される有機溶媒としては、ポリマー層に浸透しうる溶媒であれば特に制限は無い。例えば、アセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、2-(1-シクロヘキセニル)シクロヘキサノン、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジエチレングリコールジアセテート、ジオキサン、N-メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブなどを用いることができる。
 特に、金属前駆体との相溶性、およびポリマー層への浸透性の観点では、水もしくは水溶性の有機溶剤が好ましく、アセトン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
 更に、分散液や溶液には、目的に応じて他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、膨潤剤や、界面活性剤などが挙げられる。
 めっき下塗りポリマー層に含まれる還元された金属粒子の粒子径としては、1nm以上200nm以下が好ましく、1nm以上100nm以下がより好ましく、1nm以上60nm以下であることが更に好ましい。この範囲内にあることで、めっき後の反射率が良好となる。
 なお、ここで粒子径とは、平均1次粒子径(体積換算)のことであり、SEM(日立ハイテクマニファクチャ&サービス社製 S-5200)画像から読み取ったものである。
<(C)銀を含有する反射層>
 本発明における銀を含有する反射層(銀含有金属層)は、銀を含有する金属膜で構成される反射層であり、最表面、即ち、後述する(D)樹脂被覆層を設ける側の表面粗さRaが20nm以下であることが好ましい。反射層は単層の金属層であっても、異なる金属組成物を有する複数の金属層の積層構造を有していてもよいが、銀は反射性に優れるため、最表面層は銀を含有する金属層であることが好ましい。
 本発明における銀含有金属層は、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の上に、電気めっき法等により、銀含有金属膜を形成することで得られる。
 電気めっき以外の方法としては、蒸着やスパッタリングなどの方法でもよい。
 本発明における銀含有金属層を形成する金属としては、光の反射性能から銀、もしくは銀を含む合金である。銀もしくは銀を含む合金はミラーフィルムの可視光領域での反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減できる。可視光領域とは400nm~700nmの波長領域を意味する。ここで、入射角とは膜面に対して垂直な線に対する角度を意味する。
 銀合金としては、銀含有金属層の耐久性が向上する点から銀と、金、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、銅、チタンおよびビスマスからなる群の金属から選ばれる1種以上の金属とからなる合金が好ましい。特に、高温耐湿性、反射率の観点から銀と金との合金が好ましい。
 銀含有金属層が銀合金からなる膜である場合、銀の含有量としては、銀含有金属層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、90~99.8原子%が好ましい。また、他の金属の含有量は、耐久性の点から0.2~10原子%が好ましい。
 本発明における銀含有金属層の表面粗さ(Ra)としては、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが更に好ましい。この範囲内とすることで、得られたミラーフィルムの反射率が向上し、太陽熱・光を効率よく集熱・集光し、太陽熱発電装置に用いたときのエネルギー効率が高くなる。
 前記表面粗さの測定は、原子間力顕微鏡(AFM)(セイコーインスツルメンツ製、SPA-400)を用いて行われる。
 以下、銀含有金属層を電気めっきによる方法で形成する場合について、説明する。
 電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
 本発明においては、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が、電極としての機能を有する場合、めっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行うことにより、銀含有金属層を形成できる。
 なお、めっき下塗りポリマー層と銀含有金属層との間に、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉄などの他の金属を含有する金属層を下地金属層として有していてもよい。
 また、電気めっきにより得られる銀含有金属層の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、または、電流密度などを調整することで制御することができる。適切な厚みの下地金属層を入れることで、表面平滑化による反射率向上やピンホール低減が可能となる。
 銀含有金属層の膜厚は、ピンホールなく反射膜を形成する観点、および銀含有金属層の表面に光を散乱させるような凹凸を作らないという観点から、0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.08~0.5μmがより好ましい。
 また、金属前駆体を還元させた還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を利用して真空蒸着等の乾式めっきを行って、銀含有金属層を形成してもよい。この場合、表面が金属で覆われているため通常の蒸着等よりも密着性がよく、かつ、熱に対しても強い銀含有金属層を形成することができる。
 更に、電気めっきの後、銀含有金属層の反射性能をより向上させたり、銀含有金属層の耐久性を向上させたりするために、銀含有金属層を強酸や強アルカリ等で処理してもよい。また、金属表面に無機皮膜や金属酸化皮膜を形成してもよい。また、変色防止剤で処理をして変色防止剤層を設けてもよい。
 変色防止剤層は、銀含有金属層の変色防止として機能する。変色防止剤としては、チオエーテル系、チオール系、Ni系有機化合物系、ベンゾトリアゾール系、イミダゾール系、オキサゾール系、テトラザインデン系、ピリミジン系、チアジアゾール系が挙げられる。
 変色防止剤層は、大別して銀との吸着基を有するものと、酸化防止剤が好ましく用いられる。以下、これらについて具体例を挙げる。
(銀との吸着基を有する変色防止剤)
 銀との吸着基を有する変色防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系化合物の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
 アミン類及びその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ-n-ブチルアミン、o-トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p-エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカルバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピロール環を有する物としては、N-ブチル-2,5-ジメチルピロール,N-フェニル-2,5ジメチルピロール、N-フェニル-3-ホルミル-2,5-ジメチルピロール,N-フェニル-3,4-ジホルミル-2,5-ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 トリアゾール環を有する物としては、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-ヒドロキシ-1,2,4-トリアゾール、3-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-メチル-1,2,3-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7-テトラハイドロトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メチル-1,2,4-トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ3’5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ピラゾール環を有する物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ヒドロキシピラゾール、4-アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チアゾール環を有する物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2-N,N-ジエチルチオベンゾチアゾール、p-ジメチルアミノベンザルロダニン、2-メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 イミダゾール環を有する物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、4-フォルミルイミダゾール、2-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-フォルミルイミダゾール、4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-エチル-4-メチル-5-フォルミルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-4-フォルミルイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 インダゾール環を有する物としては、4-クロロインダゾール、4-ニトロインダゾール、5-ニトロインダゾール、4-クロロ-5-ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 メルカプト基を有する物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2-エタンジオール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-メチル-3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
 ナフタレン系化合物としては、チオナリド等が挙げられる。
<(D)樹脂被覆層>
 本発明のミラーフィルムは、太陽光や紫外線による耐光性劣化防止や酸素や水分による銀含有金属層劣化防止の目的で、入射光側に(D)樹脂被覆層を設ける。
 樹脂被覆層の形成に際しては、従来公知の種々の樹脂に紫外線吸収剤を分散させた樹脂被覆層形成用フィルムを貼付し、前記銀含有金属層表面及び前記支持体の銀含有金属層が形成されない周縁部と密着させる方法、紫外線吸収剤を分散させたUV硬化性樹脂や紫外線吸収剤を分散させた熱硬化性樹脂を、銀含有金属層を有する支持体表面に付与し、硬化させて、前記銀含有金属層表面及び前記支持体の銀含有金属層が形成されない周縁部と密着させる方法などをとることができる。
 樹脂被覆層に使用される樹脂は、強度、耐久性、隣接する層との密着性、空気や水分の遮断性に加え、透明性、特にミラーフィルムが必要とする波長の光に対して透過性に優れたフィルム又は層を形成しうるものが好ましい。
 まず、樹脂フィルムを用いずに樹脂被覆層を形成する方法について説明する。この方法は、以下に示す樹脂被覆層形成用樹脂材料を溶剤に溶解して、前工程にて得られた、支持体の周縁部を除く領域に銀を含有する反射層が形成された積層体表面、即ち、反射層及び周縁部の支持体表面に均一に塗布し、乾燥して樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を形成し、その後、形成された樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を硬化させる方法である。
 樹脂被覆層を形成する樹脂としては、例えば、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂等を挙げることができる。なかでも、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂などが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましく、PMMAがさらに好ましくい。
 樹脂被覆層形成用樹脂材料の溶解に用いる溶剤は、樹脂に適するものを適宜選択して用いればよく、例えば、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、エチルベンゼン等が挙げられる。溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、密着性に優れた樹脂被覆層を均一に形成するという観点からは、塗布液の固形分濃度は、1質量%~30質量%の範囲であることが好ましい。
 前記樹脂被覆層形成用樹脂材料を塗布した後、硬化させる方法としては、特に制限はなく、加熱やUV照射など、樹脂被覆層を形成するために用いた樹脂材料に応じた方法を適宜選択すればよい。
 また、前記樹脂材料を真空蒸着などの方法を用いて形成する方法などをとることもできる。
 塗布法や真空蒸着法を用いて樹脂被覆層を形成する場合の樹脂被覆層の膜厚は、銀含有反射層に対する水分や酸素の影響を抑制しうる限り特に制限はないが、保護効果と耐久性を考慮すれば、10μm~150μmの範囲であることが好ましい。
 なお、塗布法や真空蒸着法を用いて樹脂被覆層を形成する場合には、接着層を介することなく、銀含有金属層及び支持体上に樹脂被覆層形成用樹脂材料を直接接触させて樹脂被覆層を形成することができる。
 次に樹脂フィルムを用いて樹脂被覆層を形成する方法について説明する。
 樹脂フィルムを用いて樹脂被覆層を形成する場合には、樹脂被覆層形成用の樹脂フィルムを熱ラミネートなどの方法で銀含有金属層を備える支持体に融着させる方法、接着剤を介して貼付する方法などにより、樹脂フィルムと支持体周縁部とを密着させればよい。ここで用いる樹脂フィルムについては以下に詳述する。
 接着剤を介して樹脂フィルムを貼り合わせる際、樹脂フィルムにコロナ放電処理、加熱処理、UV表面処理を行い、密着性を高めてもよい。
 樹脂被覆層を形成する樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。なかでも、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルムなどが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムが好ましく、PMMAフィルムがさらに好ましくい。
 また、建材などの表面保護フィルムとして市販されているポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルムや粘着層を付与した表面保護フィルムなどを使用してもよい。市販品には、ポリエチレン、ポリプロピレンの単層又は積層フィルム、植物油脂由来の原料を含むポリマーアロイなど種々の素材が使用され、例えば、SPVシリーズ〔日東電工(株)〕、プロテクトテープ〔積水化学工業(株)〕、ヒタレックス〔日立化成工業(株)〕、スミロンE.V.A〔(株)スミロン〕、サニテクト〔(株)サンエー化研〕などの市販品などが挙げられ、これら市販品のうち、可視光に対して透過性の高いものを樹脂被覆層の形成に用いればよい。これらの保護フィルムの内、接着剤層付きのものは、そのまま樹脂被覆層の形成に使用しうる。
 これらの樹脂材料の中でも、光透過性の観点からアクリル樹脂がより好ましく、ポリメチルメタクリレートを主成分とした樹脂材料又は樹脂フィルムを用いることが特に好ましい。
 また、酸素や水分の浸透を効果的に抑制するため、前記樹脂被覆層を構成する樹脂材料は、膜厚100μmに成膜したときの該膜の酸素透過率が1.0×10-9cc/cm・s・10mmHg以下である樹脂組成物を含むものであることが好ましい。ここで、酸素透過率は、MOCON酸素透過率測定装置OX-TRAN2/61シリーズ〔商品名、(株)日立ハイテクノロジーズ製〕で測定した値を採用している。
 樹脂フィルムを用いる場合には、その成形方法には制限はなく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
 樹脂フィルムの膜厚は必要な保護機能と耐久性を達成しうる範囲で、樹脂材料の特性に応じて選択されるが、一般的には樹脂材料の塗布により形成された樹脂被覆層の厚みと同様、10μm~200μmの範囲であることが好ましい。
 また、樹脂被覆層に用いるフィルムには、紫外線吸収剤を含有することが好ましく、紫外線吸収剤としては、前述のものを用いることができる。
 樹脂保護層における紫外線吸収剤の含有量は、樹脂保護層全質量に対して、0.1~20質量%、好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは3~10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
 (D)樹脂被覆層は、(C)銀含有金属層の上に接着層を介して接着することが好ましい。接着層には、銀含有金属層と樹脂被覆層とを密着する密着性、耐候性、及び高い反射性能を引き出すための平滑性、および反射光領域に光の吸収がないことが求められる。
 接着層には樹脂が使用されるが、用いる樹脂としては、上記の密着性、耐候性、耐熱性、及び平滑性等の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合して熱硬化型とすればより好ましい。また、接着層には前述の紫外線吸収剤、柔軟性を維持するための可塑剤やフィルム自体の劣化を防ぐ酸化防止剤、ラジカル捕捉剤等を含んでもよい。
 接着層の厚さは、0.01~15μmが好ましく、より好ましくは0.1~5μmである。厚さが、0.01μmより薄いと、密着性が悪くなり接着層を形成した効果がなく、またフィルム基材表面の微細な凹凸を覆って平滑にすることができ難くなり、平滑性が悪くなるので好ましくない。厚さが、5μmより厚くても、密着性の向上は望めず、かえって塗りムラの発生により平滑性が悪くなったり、接着層の硬化が不充分となったりする場合があるので好ましくない。
 接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
 既述のように、好ましくは紫外線吸収剤を含有した樹脂被覆層形成用樹脂材料の塗布により(D)樹脂被覆層を形成する場合には、キャスト条件や塗布条件を制御することにより、酸素や水分の浸透を遮断しうる密着性が確保できるため、必ずしも接着層を解する必要はない。
 本発明のミラーフィルムは、上記した構成であるが。本発明のミラーフィルムは、波長600nmの光の反射率が、90%以上であることが好ましく、94%以上であることがより好ましい。
 反射率は、分光光度計UV-3100PC(商品名、島津製作所製)にて測定し、波長600nmにおける値を用いた。
 ミラーフィルムは太陽光を集光させるに当たり、剛性を有する筐体に貼り合わせてもよい。剛性を有する筐体とは、SUS、Al、Al合金などの金属、塩ビ、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂、CRP、FRPなどの複合材料を言う。集光させる形状を有した筐体に、ミラーフィルムを下記の粘着層を介して筐体に貼り合わせることができる。
 粘着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などのいずれもが用いられる。例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム、シリコーン樹脂などが用いられる。ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。粘着層の厚さは通常1~50μm程度の範囲から選ばれる。厚さが1μm未満では充分な粘着効果が得られず、一方50μmを超えると粘着剤層が厚すぎて乾燥速度が遅くなり、非能率的である。しかも本来の粘着力が得られず、溶剤が残留するなどの弊害が生じるので好ましくない。
 また、上述の接着層で記載した樹脂を粘着層に用いてもよい。
 本発明に係るミラーフィルム全体の厚さは75~250μmが好ましく、更に好ましくは90~230μm、更に好ましくは100~220μmである。厚さが75μm以下では、ミラーフィルムを金属等の筐体等に貼り付けた時に、ミラーフィルムが撓んでしまって、十分な反射率を得ることができず、また250μmより厚いと取り扱い性が悪くなるため、好ましくない。
 このようにして得られたミラーフィルムの最外層である樹脂被覆層は、表面粗さ20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、この範囲とすることで高い反射率のミラーフィルムとすることができる。
<ミラーフィルムの製造方法>
 次に、本発明のミラーフィルムの製造方法について、各工程を順次説明する。以下に記載の方法は本発明の一つの態様であって、本発明はこれに制限されるものではない。
 本発明のミラーフィルムの製造方法は、支持体上に、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程(「工程1」と称する。)、電気めっきにより、銀を含有する金属層を形成する工程(「工程2」と称する。)、及び樹脂被覆層を形成する工程(「工程3」と称する。)を含むことを特徴とする。
〔支持体上に、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程〕
 支持体上に、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層を形成する工程は、金属前駆体を含むポリマー層を形成する工程(「工程1-1」と称する。)と、前記金属前駆体を還元する工程(「工程1-2」と称する。)とからなることが好ましい。
 また、「工程1-1」は、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物を塗布等の方法により、支持体上に層を設け、エネルギーを付与してポリマー層を形成する工程(「工程1-1-1」と、該ポリマー層に金属前駆体を付与する工程(「工程1-1-2」)とを含むことが好ましい。
 なお、「めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物」は、金属前駆体を含有しないで、めっき下塗りポリマーと、溶剤等のその他の成分を含む組成物であることを意味する。また、「ポリマー層」は、金属前駆体を含まず、めっき下塗りポリマーとその他の成分を含んで支持体上に形成された層を意味する。
(工程1-1-1)
 工程1-1-1では、ポリマー層を有する基板に対して、エネルギーを付与することにより、めっき下塗りポリマー中に含まれる重合性基、および支持体表面の官能基が活性化され、ポリマー間の架橋や、支持体とポリマー層との間で化学的な結合などが形成される。その結果として、ポリマー層と支持体とが強固に密着する。
 支持体上にポリマー層を設ける方法は特に限定されず、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物中に支持体を浸漬する方法(例えばディップコータ)や、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法などが挙げられる。得られるポリマー層の厚みを制御しやすい点から、めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物を支持体上に塗布する方法が好ましい。
 塗布の方法は特に制限されず、具体的な方法としては、ダブルロールコータ、スリットコータ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコータ、スライドホッパー、スプレーコーチィング、ブレードコータ、ドクターコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランスファーロールコータ、エクストロージョンコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布法、ロール塗布法等の公知の方法を用いることができる。
 めっき下塗りポリマーを含むポリマー層形成用組成物の支持体への塗布量は、後述する金属前駆体との充分な相互作用形成性の観点から、固形分換算で0.05g/m~10g/mが好ましく、特に0.3g/m~5g/mが好ましい。
 なお、工程1-1-1において、ポリマー層を形成するに際しては、塗布後の溶媒が残存した状態で露光しても、乾燥させて残存溶媒を除去してから露光してもよいが、ポリマー層の表面平滑性の観点から乾燥させてから露光する方が好ましい。乾燥条件としては、ポリマー層を20℃~60℃で1秒から2時間乾燥した後に、60℃を超える温度で1秒~2時間乾燥することが好ましく、20℃~60℃で1秒~20分乾燥した後に60℃を超える温度で1秒~20分乾燥することがより好ましい。
 工程1-1-1におけるエネルギー付与方法としては、例えば、加熱や露光を用いることができる。
 露光を行う場合の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、などがある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep-UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
 またアーク放電やグロー放電などによるプラズマ照射もエネルギー付与の手法として用いることができる。
 加熱を行う場合、例えば、一般の熱ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド、レーザー、送風乾燥機、オーブン、ホットプレート、赤外線乾燥機、加熱ドラム等を用いることができる。
 エネルギー付与に要する時間としては、光源により異なるが、通常、0.5秒~5時間の間である。
 また、これらのエネルギー付与方法を組み合わせてもよい。例えば、露光と加熱を組み合わせてもよい。
 なお、エネルギーの付与を露光にて行う場合、その露光パワーは、重合を容易に進行させるため、またポリマーの分解を抑制するため、更には後述の未反応ポリマー除去後の表面をより平滑にするため、10~8000mJ/cmの範囲であることが好ましく、100~3000mJ/cmの範囲であることがより好ましい。
 また加熱にてエネルギー付与を行う場合、その温度は、重合を容易に進行させるため、また支持体の熱変性を抑制するため、20℃~200℃の範囲であることが好ましく、40℃~120℃の範囲であることがより好ましい。
 また、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気中で露光してもよい。さらに、必要に応じて、パターン状にエネルギー付与を行ってもよい。
 さらに、エネルギー付与後に、適宜、エネルギー付与後のポリマー層から未反応のめっき下塗りポリマーを除去してもよい。除去方法としては、溶媒を使用する方法が挙げられ、例えば、めっき下塗りポリマーを溶解する溶剤や、めっき下塗りポリマーがアルカリ可溶性である場合は、アルカリ系現像液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液)などで除去することができる。
 得られるポリマー層の厚みは特に制限されないが、銀含有金属層の支持体への密着性の観点から、0.05~10μmが好ましく、0.3~5μmがより好ましい。
 また、乾燥重量で0.05~10g/mが好ましく、特に0.3~5g/mが好ましい。
 さらに、ポリマー層の表面粗さ(Ra)は、反射性能の点から、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
 なお、ポリマー層中におけるポリマーの含有量は、ポリマー層全量に対して、2質量%~100質量%であることが好ましく、更に好ましくは10質量%~100質量%の範囲である。
(工程1-1-2)
 金属前駆体を、工程1-1-1で得られたポリマー層に付与する方法は、特に制限されない。
 例えば、金属前駆体を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その分散液若しくは溶液(金属前駆体液)をポリマー層上に塗布する方法、または、その分散液若しくは溶液中にポリマー層が形成された基板を浸漬する方法などが挙げられる。
 ポリマー層と金属前駆体含有液(分散液、溶液)との接触時間としては、30秒~24時間程度であることが好ましく、1分~1時間程度であることがより好ましい。
 接触時の金属前駆体含有液の温度は、5~80℃程度であることが好ましく、15~60℃程度であることがより好ましい。
 上記のように金属前駆体含有液を接触させることで、めっき下塗りポリマー中の相互作用性基に、ファンデルワールス力のような分子間力による相互作用、または、孤立電子対による配位結合による相互作用を利用して、金属前駆体を吸着させることができる。
 このような吸着を充分に行なわせるという観点からは、金属前駆体含有液中の金属前駆体濃度または金属イオン濃度は、0.001~50質量%の範囲であることが好ましく、0.005~30質量%の範囲であることがより好ましい。
(工程1-2:金属前駆体を還元する工程)
 ポリマー層に付与した金属前駆体である金属イオンを金属活性化液(還元液)により還元する。金属活性化液は、金属前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と該還元剤を活性化するためのpH調整剤からなる。
 金属活性化液全体に対する還元剤の濃度が0.05~50質量%であることが好ましく、0.1~30質量%であることがより好ましい。
 還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
 特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
 金属活性化液全体に対するpH調整剤の濃度としては、0.05~10質量%の範囲であることが好ましく、0.1~5質量%の範囲であることがより好ましい。
 pH調整剤としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを使用することが可能である。
 また、還元時の温度としては10℃~100℃が好ましく、20℃~70℃が更に好ましい。
 これら濃度や温度範囲は、還元の際の、金属前駆体の粒子径、ポリマー層の表面粗さ、導電性(表面抵抗値)、還元液の劣化の観点からこの範囲であることが好ましい。
 次の工程である銀含有金属層の形成工程において、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面抵抗値としては、0.001Ω/□以上100Ω/□以下であることが好ましく、0.03Ω/□以上50Ω/□以下であることがより好ましい。この範囲内であると、均一および平滑にめっき面が形成され反射率が良好となる。
 表面抵抗の測定方法としては、表面抵抗計(三菱化学製、ロレスターGP MCP-T600)にて測定した。
 また反射性能の観点から、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の表面のRaは20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。また同じく反射性能の観点から、還元された金属粒子の粒子径としては、1nm以上200nm以下が好ましく、1nm以上100nm以下がより好ましく、1nm以上60nm以下であることが更に好ましい。
(工程2:銀を含有する反射層を形成する工程)
 銀を含有する反射層(銀含有金属層)は、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の上に、電気めっき法などで形成される。電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
 本発明においては、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層が、電極としての機能を有する場合、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層に対して電気めっきを行うことにより、銀含有金属層を形成できる。
 めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p-トルエンスルホン酸銀が挙げられる。中でも環境影響や平滑性の観点から、メタンスルホン酸銀が好ましい。
(工程3:樹脂被覆層を形成する工程)
 樹脂被覆層が銀含有金属層上に設けられる。その一態様としては、銀含有金属層及び支持体周縁部が、樹脂被覆層を形成する被覆フィルムと貼り合せられる。
 貼り合せの方法としては、前述の接着剤を被覆フィルム又は銀含有金属面及び支持体周縁部に塗布して貼り合せる方法がある。
 また、被覆フィルムを熱ラミネートなどの方法で融着させる方法、保護フィルム形成材料を溶融して銀含有金属層及び支持体周縁部上にキャストにより形成する方法、被覆フィルム形成材料を銀含有金属層及び支持体周縁部上に塗布した後、何らかの反応をさせて樹脂被覆膜を形成する方法、真空蒸着などの方法を用いて形成する方法などにより樹脂被覆層を形成してもよい。これらの方法を用いた場合、接着層を介すことなく、銀含有金属層及び支持体周縁部上に直接、被覆層を形成することができ、支持体周縁部と樹脂被覆膜が直に接して密着する。
 このようにして得られたミラーフィルムは、前述の粘着剤等によって、剛性を有する筐体等に貼り合わせて、太陽光の集光・集熱等の材料として、太陽光発電用装置や太陽熱発電用装置に組み込まれる。
 本発明のミラーフィルムは前記構成としたため、簡易な方法で作製され、金属製の反射層と支持体との密着性が良好で、軽量で且つ光反射効率に優れる。
〔比較例1〕
(1.銀含有金属層の形成)
 基材として、PETフィルム基板(TOYOBO社製、コスモシャインA4300)を用いた。次に、到達真空度が0.5×10-4torr(6.7×10-3Pa)になるまでチャンバーを排気した後、膜厚が100nmとなるまで銀(純度99.9%)の真空蒸着を行った。真空加工時はガスの発生も無く、基材の全面にわたり蒸着された銀の蒸着金属膜が得られた。その外観は鏡面状であった。
(2.樹脂被覆層の形成)
 接着剤として、LIS―825(東洋インキ社製):41.8質量%とLCR-901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
 得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた銀蒸着面に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥した。
 これに樹脂被覆層として、UV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)をラミネーターにより張り合わせた(ラミネート速度0.1m/min、ラミネート圧力0.5MPa)。その後60℃で12時間、加熱することで、接着剤を硬化させた。
〔比較例2〕
(1.銀含有金属層の形成)
 4cm角のPETフィルム基板(TOYOBO社製、コスモシャインA4300)の片面側に、4cm角の中心部に3cm角のくり抜きのあるマスクを乗せた後、純度99.9%の銀を使用し、比較例1と同様の方法で100nmの膜厚で銀蒸着膜を形成し、末端から0.5cm幅の金属をマスキングした比較例2のサンプルを作製した。
(2.樹脂被覆層の形成と周縁部の封止)
 接着剤として、LIS―825(東洋インキ社製):41.8質量%とLCR-901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
 得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた銀蒸着面に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥した。
 これに被覆層として、UV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)をラミネーターにより張り合わせた(ラミネート速度0.1m/min、ラミネート圧力0.5MPa)。その後60℃で12時間、加熱することで、接着剤を硬化させた。
〔比較例3〕
(1.還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の形成)
 アニオン性界面活性剤ペレックスOT-P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン50ml及びイオン交換水100mlを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する導電性ポリピロール微粒子を得た。
 上記で得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.3%であったが、ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ-820(DIC(株)製)を導電性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部加えて還元性微粒子塗料を得た。
 調製した導電性ポリピロール微粒子を含む塗料を、マイクログラビアコーターにてPETフィルム基板(TOYOBO社製、コスモシャインA4300)に100nmの塗膜厚で塗工した。
 塗工後、オーブンで180℃30分加熱し、塗工膜を熱硬化させた。
(2.めっき下塗りポリマー層への金属前駆体の付与)
 塗工膜を、35℃に調整した0.02%塩化パラジウム-0.01%塩酸水溶液(pH3)に1分浸漬した後、純水洗浄を行った。
(3.無電解めっき)
 下記組成の無電解めっき浴を用い、30℃で30分間、無電解めっきを行った。得られた無電解銅めっき膜の厚みは1μmであった。
(無電解めっき浴の組成)
・蒸留水 774g
・ATSアドカッパーIW-A(奥野製薬工業製) 45mL
・ATSアドカッパーIW-M(奥野製薬工業製) 72mL
・ATSアドカッパーIW-C(奥野製薬工業製) 9mL
・NaOH 1.98g
・2,2’-ビピリジル 1.8mg
 形成されたCuめっき金属層を、30℃のエスダイヤAG-40(佐々木化学薬品株式会社)に5分間浸漬し、無電解めっきを行った。
〔比較例4〕
 国際公開WO2010/150570パンフレットの実施例7に記載の、PET支持体上のポリピロール塗布層、金属薄膜層および光反射層の積層体と前記PET支持体の端部を覆うようにガスバリヤー層(UV遮断層)を有するミラーフィルムを作製した。
〔実施例1〕
(1.還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の形成)
[めっき下塗りポリマー層形成用組成物Aの調製]
 下記構造のアクリルポリマー(A):7質量%を、1-メトキシ-2プロパノール74質量%と水19質量%の混合溶媒に溶解させた溶液に、さらに光重合開始剤(エサキュアKTO-46、ランベルディー社製):0.35質量%を添加し、攪拌することで、下記構造を有する重量平均分子量が40000のめっき下塗りポリマー溶液を調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019

 
 得られためっき下塗りポリマー溶液を、PETフィルム基板(TOYOBO社製、コスモシャインA4300)に、厚さ約0.55μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で10分および80℃で5分間乾燥した後、4cm角にカットした。4cm角にカットした中心部に3cm角のくり抜きのあるマスクをフィルム末端とマスク末端とが一致するように乗せ、UV照射装置(GSユアサ社製、UVランプ・・・メタルハライドランプ)により、254nmの波長において1000mJ/cmの露光量でUV露光した。
 得られためっき下塗りポリマーが塗布されたPETフィルム基板は、1質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液に5分間浸漬後に純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、未反応ポリマーを除去した。
(2.金属前駆体の付与)
 めっき金属前駆体を含む溶液として、硝酸銀の1質量%水溶液を調整した。上記工程で得られためっき下塗りポリマーが塗布されたPETフィルム基板を、前記の金属前駆体液に5分間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、金属前駆体の付与を行った。
(3.金属前駆体の還元)
 還元液として、ホルムアルデヒド0.25質量%と水酸化ナトリウム0.14質量%の混合水溶液を調整した。上記工程で得られた金属前駆体が付与されたPETフィルム基板を、前記の還元液に1分間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄を行い、金属前駆体の還元を行った。
(4.電気めっき)
 電気めっき前処理として、上記工程で得られた還元金属を表面にもつPETフィルム基板を、ダインクリーナーAC100(大和化成社製)の10質量%水溶液に30秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。続けて同じく電気めっき前処理として、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に10秒浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
 電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。上記前処理済みの還元金属を表面にもつPETフィルム基板を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm、にて20秒間めっきし、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
 電気めっき後処理として、めっき後のPETフィルム基板を、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
 こうして、支持体の周縁部を除く領域に銀含有反射層を有する積層体を得た。
(5.樹脂被覆層の形成)
 接着剤として、LIS―825(東洋インキ社製):41.8質量%及びLCR-901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
 得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた支持体の周縁部を除く領域に形成された銀含有反射層を有する積層体の表面及び支持体の周縁部(銀含有反射層が形成されていない支持体表面)に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥して接着層を形成した。
 これに樹脂被覆層として、UV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)をラミネーターにより張り合わせた。ラミネート速度は0.1m/min、ラミネート圧力は0.5MPaであった。その後、60℃で12時間、加熱することで、接着剤を硬化させ、接着剤を介して前記積層体表面と支持体の周縁部を被覆した樹脂被覆層を形成し、実施例1のミラーフィルムを得た。
(合成例1:アクリルポリマー(B)の合成)
 2000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール216gを入れ、窒素気流下、90℃に加熱した後、アクリル酸319g、アクリルアミド11g、及びV-601(和光純薬製)11gの1-メトキシ-2-プロパノール366g溶液を4時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 5gの1-メトキシ-2-プロパノール36g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
 次いで、2,6-ジ-trer-ブチル-4-トルオール1.3g、及び触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド1.3g、グリシジルメタクリレート74gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1-メトキシ-2-プロパノール33gを加え希釈し、下記構造式で表されるアクリルポリマー(B)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(B)は、質量平均分子量が3.8万、酸価が10.2meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020

 
(合成例2:アクリルポリマー(C)の合成)
 2000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール143gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した後、アクリル酸149g、アクリロニトリル7.2g、スチレン14.2g、アクリル酸エチル68.2g、及びV-501(和光純薬製)7.2gの1-メトキシ-2-プロパノール219g溶液を4時間かけて滴下した後、更に4時間反応させた。
 次いで、2,6-ジターシャリブチル-4-トルオール1g、及び触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド1g、グリシジルメタクリレート49gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1-メトキシ-2-プロパノール22gを加え希釈し、下記構造式で表される下記構造のアクリルポリマー(C)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(C)は、質量平均分子量が2.0万、酸価が6.1meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021

 
(合成例3:アクリルポリマー(D)の合成)
 1000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール126gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、メタクリル酸136g、メタクリル酸ベンジル73g、及びV-601(和光純薬製)6.8gの1-メトキシ-2-プロパノール201g溶液を3時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 3gの1-メトキシ-2-プロパノール42g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
 次いで、2,6-ジターシャリブチル-4-トルオール0.8g、及び触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.8g、グリシジルメタクリレート52.2gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1-メトキシ-2-プロパノール24gを加え希釈し、下記構造式で表されるアクリルポリマー(D)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(D)は、質量平均分子量が3.7万、酸価が4.9meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022

 
(合成例4:アクリルポリマー(E)の合成)
 2000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール256gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、アクリル酸296g、アクリル酸ブチル160g、及びV-601(和光純薬製)10gの1-メトキシ-2-プロパノール151g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-601 3gの1-メトキシ-2-プロパノール49g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
 次いで、2,6-ジターシャリブチル-4-トルオール1g、及び触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド2g、アリルグリシジルエーテル114gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1-メトキシ-2-プロパノール271gを加え希釈し、下記構造式で表されるアクリルポリマー(E)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(E)は、質量平均分子量が2.9万、酸価が5.0meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023

 
(合成例5:アクリルポリマー(F)の合成)
 2000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール350gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した後、アクリル酸252g、アクリル酸エチル75g、アクリロニトリル40g、及びV-501(和光純薬製)12gの1-メトキシ-2-プロパノール156g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-501 3gの1-メトキシ-2-プロパノール45g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。
 次いで、2,6-ジターシャリブチル-4-トルオール1g、及び触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド2g、ビニルベンジルグリシジルエーテル190gを加え、100℃で反応させた。反応終了後、1-メトキシ-2-プロパノール285gを加え希釈し、下記構造式で表されるアクリルポリマー(F)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(F)は、質量平均分子量が2.1万、酸価が4.6meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024

 
(合成例6:アクリルポリマー(G)の合成)
 2000mL三口フラスコに、1-メトキシ-2-プロパノール400gを入れ、窒素気流下、100℃に加熱した後、アクリル酸198g、アクリル酸ヘキシル117g、3-エチル-3-オキセタニルメチルメタクリレート255g、及びV-601(和光純薬製)13gの1-メトキシ-2-プロパノール306g溶液を7時間かけて滴下した。2時間反応させた後、V-501 3gの1-メトキシ-2-プロパノール50g溶液を1時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。反応後、1-メトキシ-2-プロパノール100gを添加し、下記構造式で表されるアクリルポリマー(G)の固形分質量40%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液を調製した。得られたアクリルポリマー(G)は、質量平均分子量が1.8万、酸価が4.9meq/gであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025

 
 前記合成例において、触媒の残存量、反応時間、酸価、質量平均分子量、及び色数は、それぞれ以下のようにして測定した。
<反応時間>
 前記ガスクロマトグラフィーでグリシジルメタクリレートの残存量が1%以下になった時間を求めた。
<<測定条件>>
 カラム:DB-5(l:30m、Φ:0.53mm、d:1.5μm)
 インジェクション温度:250℃
 ディテクション温度:250℃
 カラム温度 :100℃、5分保持後、10℃/min.の昇温速度で280℃まで昇温後、10分保持
 試料注入量 :4μL
<酸価>
 水酸化ナトリウム水溶液を用いた滴定により測定し、高分子化合物の固形分量に対する値を求めた。
<質量平均分子量>
 ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した。
〔実施例2~7〕
 前記実施例1において、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層の形成で用いたアクリルポリマー(A)に代えて、前記合成例で得られたアクリルポリマー(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2~7のミラーフィルムを得た。
〔実施例8~14〕
(1.銀含有金属層の形成)
 実施例1~7における電気銀めっきを行う前に、下記組成の銅めっき浴で、3A/dm、45秒間の電気めっきの処理を加え、めっき下塗りポリマー層上に銅含有層と銀含有反射層とを有する実施例8~14用の積層体を作製した。
(電気銅めっき浴の組成)
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
(5.樹脂被覆層の形成)
 接着剤として、LIS―825(東洋インキ社製):41.8質量%とLCR-901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
 得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた支持体の周縁部を除く領域である「銀含有反射層を有する積層体」の表面に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布し、室温で2分および80℃で10分間乾燥した。
 これに樹脂被覆層として、UV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)をラミネーターにより張り合わせた。ラミネート速度は0.1m/min、ラミネート圧力は0.5MPaであった。その後、60℃で12時間、後加熱することで、接着剤を硬化させ、接着剤を介して前記積層体表面と周縁部を被覆した樹脂被覆層を形成し、実施例8~14のミラーフィルムを得た。
〔実施例15~21〕
(1.銀含有金属層の形成)
 実施例8~14における電気銅めっきと電気銀めっきの間に、下記組成のニッケルめっき浴で、4A/dm、72秒間の電気めっきの処理を加え、めっき下塗りポリマー層上に銅含有層とニッケル含有層と、銀含有反射層とを有する実施例15~21用の積層体を作製した。
(電気ニッケルめっき浴の組成 1L)
・硫酸ニッケル 100g
・塩化ニッケル 15g
・ホウ酸 45g
・BR220 メイクアップ(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 10mL
・BR220 キャリア(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 35mL
・BR220 リプレニッシャー(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 2mL
・NAW-A(ロームアンドハースエレクトリックマテリアルズ(株)製) 3mL
・水 残分
(2.樹脂被覆層の形成)
 接着剤として、LIS―825(東洋インキ社製):41.8質量%及びLCR-901(東洋インキ社製):3質量%を、酢酸エチル:55.2質量%に溶解させ、接着剤溶液を調製した。
 得られた接着剤溶液を、上記工程で得られた支持体の周縁部を除く領域である「銀含有反射層を有する積層体」の表面に、厚さ約10μmとなるように、バーコート法により塗布して樹脂層を形成し(樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を形成する工程)、室温で2分および80℃で10分間乾燥して樹脂層を硬化させた(樹脂層を硬化する工程)。
 このようにして塗布法により形成した樹脂被覆層により前記積層体を被覆した、実施例15~21のミラーフィルムを得た。
〔実施例22〕
 実施例1と同様にして支持体の周縁部を除く領域に銀含有反射層を有する積層体を得た。
(5.樹脂被覆層の形成)
 被覆層としてUV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)を前記積層体の表面と周縁部に直接積層し、温度:120℃、荷重0.5Paの圧力で熱圧着によるラミネートを行って樹脂被覆層を形成し、実施例22のミラーフィルムを得た。
〔実施例23〕
 実施例1と同様にして支持体の周縁部を除く領域に銀含有反射層を有する積層体を得た。
(5.樹脂被覆層の形成)
 被覆層としてUV吸収剤含有PMMAフィルム(住友化学社製、テクノロイS001G)をアセトンに10wt%溶解させて得られた樹脂被覆層形成用塗布液を、乾燥膜厚が膜厚75μmになるように前記積層体表面と周縁部に塗布して樹脂被覆層形成用塗布液層を形成した。形成した塗布液層を温度80℃で1時間乾燥させて硬化させ、積層体表面と周縁部に樹脂被覆層を形成して実施例23のミラーフィルムを得た。
 これら実施例1~実施例23のミラーフィルムでは、中央部に形成された銀含有反射層表面及び周縁部の支持体表面と密着した樹脂被覆層が形成され、周縁部を含むフィルム表面全体が封止された構造となった。
(6.剛性を有する筺体へのミラーフィルムの貼合わせ)
 実施例1~23、比較例2で得られたミラーフィルムをそれぞれ筺体に貼り合わせた。
 まず、大きさ4cm×4cmのSUS304板に、樹脂被覆層形成工程で使用したのと同様の接着剤を、スピンコーターを用いて、600rpm20秒間で塗布した後、室温で2分および80℃で10分間乾燥させ、その後、前記各ミラーフィルムの支持体で銀含有反射層を有しない面を接着剤面と合わせてローラーで貼り合せることで、筺体表面にミラーフィルムを貼り合わせた。
 比較例1、3及び4のミラーフィルムについても、大きさ3cm×3cmのSUS304板を用いた以外は、実施例1~23、比較例2で得られたミラーフィルムと同様の方法で筺体に貼り合わせた。
(性能評価)
1.塩水噴霧試験
 塩水噴霧試験は、JIS Z 2371に従い、得られたミラーフィルム自体を用いて、中性塩水噴霧:480時間を行い、試験後のめっき面を目視により外観判断してAg層の腐食、溶解を以下の基準により判定した。結果を下記表に示す。
A:Agの腐食、溶解なし
B:Agの腐食、溶解あり
2.密着性試験
 密着性試験は、得られたミラーフィルムを、JIS H8504テープ試験方法に準じて、カッターで2mm角のマス目条の切れ目を入れ、100個のマス目を形成した後、テープによる引き剥がし試験を行い、以下の基準で評価した。結果を下記表3~4に示す。以下の基準で評価3及び4が実用上問題のないレベルである。
1:約75%以上が剥離
2:25%を超え約50%以下が剥離
3:剥離は約25%以内
4:剥離なし
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000026
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000027

 
 表3~表4の結果より、光硬化可能なアクリルポリマー樹脂を用いためっき下塗りポリマー層を備え、パターニングにより支持体周縁部を除く領域のみに銀含有反射層を備え、前記支持体周縁部と樹脂被覆層とが密着した構造を持つ、本発明に係る実施例1~実施例23のミラーフィルムでは、高い密着性と耐腐食、耐溶解性を持つことが明らかとなった。
 2012年2月14日に出願された日本国特許出願第2012-029956号および2012年12月14日に出願された日本国特許出願第2012-274116号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に援用されて取り込まれる。

Claims (19)

  1.  支持体と、還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層と、銀を含有する反射層と、樹脂被覆層と、をこの順に積層してなり、前記還元された金属粒子を含むめっき下塗りポリマー層及び前記銀を含有する反射層は前記支持体の周縁部を除く領域に設けられ、前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが密着しているミラーフィルム。
  2.  前記めっき下塗りポリマー層が、少なくともカルボニル基を有するポリマーを含む請求項1記載のミラーフィルム。
  3.  前記めっき下塗りポリマー層が、酸性基と重合性基とを側鎖に有するアクリルポリマーを含み、且つ前記アクリルポリマーが前記めっき下塗りポリマー層内においてエネルギー付与されて前記重合性基同士、または前記重合性基と前記支持体との間で架橋構造または化学結合を形成している請求項1又は請求項2に記載のミラーフィルム。
  4.  前記エネルギー付与がUV露光を含む請求項3に記載のミラーフィルム。
  5.  前記銀を含有する反射層が、少なくとも銀を含有する金属膜を樹脂被覆層形成側に有する金属多層膜を含む層である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
  6.  前記支持体が、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
  7.  前記樹脂被覆層が、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有する樹脂組成物を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
  8.  前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが、接着層を介して密着している請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
  9.  前記樹脂被覆層と前記銀を含有する反射層とが、接着層を介して密着している請求項8に記載のミラーフィルム。
  10.  前記支持体の周縁部と前記樹脂被覆層とが、互いに直かに接して密着している請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のミラーフィルム。
  11.  剛性を有する筐体上に、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のミラーフィルムを備えた反射鏡。
  12.  支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程、
     金属前躯体を前記めっき下塗りポリマー層に付与する工程、
     付与された金属前躯体を還元する工程、
     前記支持体上の周縁部を除く領域に、銀を含有する反射層を電気めっきにより形成する工程、及び、
     前記銀を含有する反射層と、前記支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程と、
    を含む請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
  13.  前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記支持体上にめっき下塗りポリマーを含有するめっき下塗りポリマー層形成用組成物を接触させる工程と、前記支持体上の周縁部を除く領域のみにエネルギー付与してめっき下塗りポリマー層を前記支持体上に固定化する工程を含む請求項12に記載のミラーフィルムの製造方法。
  14.  前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、前記支持体上の全面にめっき下塗りポリマー層を形成する工程と、前記支持体の周縁部における前記めっき下塗りポリマー層を除去する工程とを含む請求項12又は請求項13に記載のミラーフィルムの製造方法。
  15.  前記エネルギー付与がUV露光を含む請求項13に記載のミラーフィルムの製造方法。
  16.  前記めっき下塗りポリマーが下記式(A)で表される重合性基含有ユニットと下記式(B)で表される非解離性官能基からなる相互作用性基含有ユニットと下記式(C)で表されるイオン性極性基からなる相互作用性基含有ユニットとを含む共重合体、下記式(A)で表されるユニットと下記式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、または下記式(A)で表されるユニットと下記式(C)で表されるユニットとを含む共重合体を含む請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

     上記式(A)~(C)中、R~Rは、夫々独立して、水素原子、又は炭素数1~4の置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y、Z、及びUは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L、L、及びLは、夫々独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の二価の有機基を表し、Wはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する非解離性官能基を表し、Vはめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成するイオン性極性基を表す。
  17.  前記支持体上の周縁部を除く領域に、めっき下塗りポリマー層を形成する工程が、活性種を発生する材料を含有するポリマー層形成用組成物を支持体に付与する工程を含む請求項12から請求項16のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
  18.  前記銀を含有する反射層と、支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程が、銀を含有する反射層が形成された支持体上に、樹脂被覆層形成用樹脂材料を溶剤に溶解して塗布し、乾燥して樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を形成する工程と、形成された樹脂被覆層形成用樹脂材料からなる層を硬化させる工程と、を含む請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
  19.  前記銀を含有する反射層と、前記支持体の周縁部とを覆うように、樹脂被覆層を形成する工程が、樹脂フィルムを、接着層を介して銀を含有する反射層が形成された支持体上に密着させる工程を含む請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のミラーフィルムの製造方法。
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