JP2014071276A - フィルムミラー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐侯性およびフレキシブル性に優れるフィルムミラーを提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂基材上に、金属反射層と、拡散防止層と、表面保護層とをこの順で有し、拡散防止層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いて形成される前駆体層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層を有する、フィルムミラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光集光用に好適に用いることができるフィルムミラーに関する。
太陽光の反射装置には、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂塵等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
例えば、特許文献1には、金属反射層の光入射側の最外層と金属反射層との間に、無機ガスバリア層を有することを特徴とするフィルムミラーが開示されている。この無機ガスバリア層を設けることで、酸素や水蒸気などのガス分子の透過を抑えて、金属反射層の腐食・変色を抑え、耐候性の向上を図っている。
なお、無機ガスバリア層は、一般式(I)で表される金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル法により形成される旨が開示されている。R1およびR2は、各々独立に、アルキル基などの炭化水素基を表す。
一般式(I):MR2 m(OR1n-m
特開2012−47861号公報
一方、近年、高温高湿という厳しい環境下において使用できるフィルムミラーに対する要望が増えており、耐侯性のより一層の向上が求められていた。それと同時に、フィルムミラーを曲面や複雑な形状の面への張り付けのために、より一層のフレキシブル性の向上も要求されていた。
本発明者らが、特許文献1を参照して、ビニル基などの炭化水素基を有する金属アルコキシドを用いて無機ガスバリア層を形成し、この無機ガスバリア層を有するフィルムミラーの耐候性およびフレキシブル性の評価を行った。その結果、製造されたフィルムミラーは、耐侯性および/またはフレキシブル性において、昨今要求されるレベルに達しておらず、更なる向上が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、耐侯性およびフレキシブル性に優れるフィルムミラーを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、所定の官能基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 樹脂基材上に、金属反射層と、拡散防止層と、表面保護層とをこの順で有し、拡散防止層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いて形成される前駆体層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層を有する、フィルムミラー。
(2) 金属アルコキシドが、後述する式(1)で表される金属アルコキシドである、(1)に記載のフィルムミラー。
(3) 樹脂基材と金属反射層との間にプライマー層をさらに有し、プライマー層が、金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である、(1)または(2)に記載のフィルムミラー。
(4) 金属反射層が、銀を主成分とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムミラー。
(5) 拡散防止層と表面保護層との間にさらに接着層をさらに有し、接着層が、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびシリコーン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルムミラー。
(6) 太陽光集光用に用いる(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムミラー。
本発明によれば、耐侯性およびフレキシブル性に優れるフィルムミラーを提供することができる。
本発明のフィルムミラーの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明のフィルムミラーの第2の実施形態を示す断面図である。 本発明のフィルムミラーの第3の実施形態を示す断面図である。
以下に、本発明のフィルムミラーの好適実施態様について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明では、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基(以後、両者を含む概念として、(メタ)アクリロイルオキシ基とも称する)を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いる点が挙げられる。より具体的には、まず、使用される金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物にはアルコキシ基が含まれており、加水分解・縮合反応が進行することにより、金属酸化物の前駆体層が形成される。そして、前駆体層に加熱処理および/または光照射処理を実施することにより、前駆体層中の(メタ)アクリロイルオキシ基間で重合反応が進行し、炭素−炭素結合が形成され、拡散防止層が形成される。拡散防止層中の金属酸化物部分は、ガス分子の透過を抑制する機能を有する。また、(メタ)アクリロイルオキシ基間の重合反応で生成した炭素−炭素結合を有する有機部分は、拡散防止層でネットワーク構造を作るように均一に分布しており、拡散防止層にフレキシブル性(靭性)を付与する。このように拡散防止層中に、金属酸化物の無機部分と、有機部分とが均一に混じりあうことにより、所望の効果が達成されている。
<第1の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明のフィルムミラーの第1の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー10は、樹脂基材12と、金属反射層14と、拡散防止層16と、表面保護層18とをこの順で有する。なお、通常、太陽光などの光は、表面保護層18側から入射されて、金属反射層14表面上で反射する。
以下に、フィルムミラー10を構成する各層について詳述する。
[樹脂基材]
樹脂基材12は、フィルムミラー10にフレキシブル性を付与する基材であり、金属反射層14などを積層できる樹脂基材であればその種類は特に制限されない。
樹脂基材12の形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、フィルムミラーの耐候性が高い理由から、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂基材12の形状は平面状であるが、その形状は図1の形態に特に限定されず、例えば、凹面、凸面等のいずれであってもよい。
樹脂基材12の厚さはその形状によっても左右されるため特に限定されないが、図1に示すように樹脂基材12が平面形状である場合は、通常、25〜300μmであるのが好ましい。
[金属反射層]
金属反射層14は、上記樹脂基材12上に設けられる層であり、表面保護層18から入射される光を反射する機能を有する。
金属反射層14の形成材料は、可視光および赤外光を反射する金属材料であれば特に限定されず、その具体例としては、銀、アルミニウム等が挙げられる。
なお、上述した銀、アルミニウムを用いる場合、その反射特性に影響がない程度の他の金属(例えば、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウム等)を含有していてもよい。
なかでも、反射率が優れる点から、金属反射層14の主成分が銀であることが好ましい。なお、主成分とは、金属反射層14を構成する金属成分のうち最も含有量が多い成分を意図する。より具体的には、主成分とは、金属反射層14を構成する金属成分中、90質量%以上である態様が好ましい。
金属反射層14の厚さは特に限定されないが、反射率等の観点から、50〜500nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。
金属反射層14の形成方法は特に限定されず、湿式法および乾式法のいずれも採用することができる。
湿式法としては、例えば、いわゆる金属めっき法(無電解めっき、または、電気めっき)として公知の方法が挙げられる。
また、乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
[拡散防止層]
拡散防止層16は、金属反射層14上に設けられる層であり、酸素や水蒸気などのガス分子の透過を防ぎ金属反射層14の腐食・変色を防ぐと共に、金属反射層14から析出する金属イオンの拡散を防止する層である。
拡散防止層16は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いて形成される前駆体層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である。
まず、使用されるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物について詳述する。
(アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物)
本発明で使用される金属アルコキシドは、アクリロイルオキシ基(−OCO−CH=CH2)またはメタクリロイルオキシ基(−OCO−C(CH3)=CH2)を有する。なお、金属アルコキシドとは、アルコキシ基を有する加水分解性の有機金属化合物である。
金属アルコキシドに含まれるアクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の数は特に制限されないが、通常、1〜3個の場合が多い。
金属アルコキシドには、アルコキシ基が含まれている。アルコキシ基に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、取り扱い性に優れる点で、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
なお、金属アルコキシドに含まれるアルコキシ基は一部が加水分解して、水酸基になっていてもよい。
また、金属アルコキシドには、アルコキシ基以外の他の加水分解性基(例えば、イソシアネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセトネート基)や、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基以外の他の非加水分解性基が含まれていてもよい。
金属アルコキシドに含まれる金属原子の種類は特に制限されず、例えば、ケイ素原子(Si)、アルミニウム原子(Al)、リチウム原子(Li)、ジルコニウム原子(Zr)、チタン原子(Ti)、タンタル原子(Ta)、亜鉛原子(Zn)、バリウム原子(Ba)、インジウム原子(In)、スズ原子(Sn)、ランタン原子(La)、イットリウム原子(Y)、ニオブ原子(Nb)などが挙げられる。
上記金属アルコキシドの加水分解縮合物とは、金属アルコキシドの加水分解反応および縮合反応により得られるオリゴマー(ゾル)を意図する。なお、加水分解縮合物としては、加水分解反応および縮合反応が完全に進行する前の部分加水分解縮合物も含まれる。
なお、加水分解縮合物を製造する方法は特に制限されず、公知の加水分解反応・縮合反応の方法が挙げられる。例えば、溶媒中に金属アルコキシドに加えて、必要に応じて酸触媒(例えば、塩酸、硫酸など)または塩基触媒(例えば、水酸化ナトリウムなど)を混合し、加水分解反応・縮合反応を進行させる方法が挙げられる。
なお、その際に使用される溶媒としては、金属アルコキシドが溶解すれば特に制限なく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、この他にも、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、アミン系溶媒、チオール系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、フィルムミラーの耐侯性またはフレキシブル性がより優れる点で、式(1)で表される金属アルコキシドが挙げられる。
式(1) (R1−L1−)nM(−OR2m-n
式(1)中、R1は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表す。
1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、置換若しくは無置換の2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基)、置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12。例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
1が単結合の場合、R1が直接Mと結合する。
2は、アルキル基を表す。
アルキル基中に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、取り扱い性に優れる点で、1〜4個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
Mは、ケイ素原子、アルミニウム原子、ゲルマニウム原子、チタン原子、および、ジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表す。なかでも、フィルムミラーの耐侯性により優れる点で、ケイ素原子が好ましい。
mは、Mの原子価を表す。例えば、Mがアルミニウム原子などの3価の金属原子の場合、mは3である。また、Mがケイ素原子などの4価の金属原子の場合、mは4である。
nは、1から(m−1)の正整数を表す。
なお、nが2以上のとき、各R1は同一でも相異なっていてもよい。
また、(m−n)が2以上のとき、各R2は同一でも相異なっていてもよい。
一般式(1)中のMがケイ素原子であり、nが1である場合、その金属アルコキシドの加水分解縮合物は、いわゆるシルセスキオキサンに該当する。なお、シルセスキオキサンとは、3官能性シラン化合物のゾル−ゲル反応により得られる(RSiO1.5)の繰り返し単位を有するネットワーク型ポリマーである。
上記の場合、その金属アルコキシドの加水分解縮合物は、(R1−L1−SiO1.5)の繰り返し単位を有するシルセスキオキサンに相当する。なお、使用されるシルセスキオキサンの形状は特に制限されず、例えば、ランダム状、カゴ状、ラダー状などが挙げられる。
フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、金属アルコキシドの加水分解縮合物を使用することが好ましく、特に、一般式(1)中のMがケイ素原子であり、nが1である金属アルコキシドの加水分解縮合物を使用することがより好ましい。
前駆体層は、後述する加熱処理および/または光照射処理が施される層であり、上記の金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いて形成される。より具体的には、上記の金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を金属反射層14上に配置して、必要に応じて、加水分解・縮合反応(いわゆる、ゾル−ゲル反応)を進行させて、前駆体層(金属酸化物を含む層)が形成される。
前駆体層の形成方法は特に制限されず、例えば、上記の金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を含む前駆体層形成用組成物を上記金属反射層14上に塗布して、必要に応じて、乾燥処理を施す方法が挙げられる。
前駆体層形成用組成物中には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。使用される溶媒は特に制限されず、上述した金属アルコキシドの加水分解反応・縮合反応で使用される溶媒などが挙げられる。なかでも、前駆体層の厚みの調整がより容易であり、金属反射層14上での濡れ拡がりがより優れる点で、有機溶媒が好ましく、なかでもアルコール系溶媒(なかでも、脂肪族の低級アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど)がより好ましい。
金属反射層14上に前駆体層形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、具体的な方法としては、スピンコーター、ダブルロールコーター、スリットコーター、エアナイフコーター、ワイヤーバーコーター、スライドホッパー、スプレーコーティング、ブレードコーター、ドクターコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、エクストロージョンコーター、カーテンコーター、ディップコーター、ダイコーター、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布法、ロール塗布法等の公知の方法を用いることができる。
前駆体層を形成する際には、前駆体層形成用組成物を塗布後、必要に応じて、溶媒を除去するために乾燥処理を実施してもよい。
乾燥処理の条件は特に制限されないが、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基の重合反応が進行しない程度の温度条件で加熱処理を実施することが好ましい。より具体的には、50〜120℃(好ましくは、60〜100℃)で0.5〜30時間(好ましくは、1〜10時間)処理することが好ましい。
なお、前駆体層の厚みは特に制限されず、拡散防止層16の所望の厚みに合わせて調整される。通常、0.5〜2μmの場合が多い。
前駆体層には、加熱処理および/または光照射処理が施される。前駆体層に施される処理としては、加熱処理および光照射処理の一方のみが実施されても、両者が実施されてもよい。また、両者の処理を実施する場合、別々の工程で実施してもよいし、同時に実施してもよい。
これらの処理を実施することにより、アクリロイルオキシ基間またはメタクリロイルオキシ基間で重合反応が進行し、炭素−炭素結合が形成され、拡散防止層16にフレキシブル性が付与される。
加熱処理の条件は使用される金属アルコキシドの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでも拡散防止層16の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、60〜150℃(好ましくは、80〜120℃)で0.1〜3時間(好ましくは、0.5〜2時間)処理することが好ましい。
また、加熱処理の際には、熱重合開始剤を用いてもよい。例えば、前駆体層中に熱重合開始剤を含有させてもよい。熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリルなどのような過酸化物開始剤、または、アゾ系開始剤などを使用することができる。
光照射処理の条件は使用される金属アルコキシドの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでも拡散防止層16の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。
また、光照射処理の際には、光重合開始剤を用いてもよい。例えば、前駆体層中に光重合開始剤を含有させてもよい。光重合開始剤としては、低分子化合物でもよく、高分子化合物でもよく、一般に公知のものが使用される。
低分子の光重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのベンジルケタール類;ミヒラーのケトン;ベンゾイルベンゾエート;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントンなどの公知の光重合開始剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。高分子の光重合開始剤としては、特開平9−77891号、特開平10−45927号各公報に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物、特開2004−161995号公報に記載の重合開始基が側鎖にペンダントしてなるポリマーも使用することができる。このポリマーは、具体的には、側鎖に重合開始能を有する官能基(重合開始基)および架橋性基を有するポリマーであり、そのポリマー鎖が架橋反応により固定化された形態を形成することができる。具体的な例としては、特開2004−161995号公報の段落番号〔0011〕〜〔0158〕に記載にものが挙げられる。また既述の低分子の光重合開始剤をその骨格中に有する高分子化合物も用いることができる。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
拡散防止層16の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、0.1〜10μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。
[表面保護層]
表面保護層18は、拡散防止層16上に配置される層であり、通常、図に示すようにフィルムミラー10の最表層に配置され、フィルムミラー10の表面の耐傷性、防汚性を高めるために設けられる。
表面保護層18を構成する材料は特に制限されず、光を透過する透明性を有していればよい。例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどが挙げられ、なかでも、フレキシブル性に優れる点で樹脂が好ましい。言い換えれば、表面保護層は樹脂層(樹脂保護層)であることが好ましい。
樹脂としては、熱硬化性樹脂(例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂などの光硬化性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂)または、熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
なかでも、樹脂層を形成する樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムなどを挙げることができる。
なかでも、耐候性の観点から、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルムなどが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムが好ましく、PMMAフィルムがより好ましい。
表面保護層18の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、10〜200μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。
また、表面保護層18の形成方法は特に限定されないが、例えば、所定の樹脂基板を拡散防止層16上に貼り合わせる方法や、上述した光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有する硬化性組成物を拡散防止層16上に塗布した後、紫外線照射による光硬化や加熱による加熱硬化する方法等が挙げられる。
[フィルムミラー]
フィルムミラー10は、種々の用途(例えば、ディスプレイの反射板や、照明用反射部材、太陽電池や太陽熱発電などの太陽光用部材)に使用することができる。なかでも、太陽光を集光する目的(太陽光集光用)において、好ましく使用できる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態について図面を参照して説明する。図2に、本発明のフィルムミラーの第3の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー100は、樹脂基材12と、プライマー層20と、金属反射層14と、拡散防止層16と、表面保護層18とをこの順で有する。
図2に示すフィルムミラー100は、プライマー層20を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主としてプライマー層20について詳述する。
[プライマー層]
プライマー層20は、樹脂基材12と金属反射層14との間に配置される層であり、両者の密着性を高める層である。
プライマー層20は、金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である。
以下では、まず、使用されるポリマーについて詳述し、その後層形成の手順について詳述する。
(金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマー)
ポリマーには、金属と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)および重合性基が含まれる。相互作用性基は、上述した金属反射層14と相互作用する基であり、金属反射層14とプライマー層20との密着性を高める役割を果たす。重合性基は、後述する加熱処理および/または光照射処理を施すことにより、架橋反応が進行し、プライマー層20の強度を高めると共に、その一部が樹脂基材12と反応して樹脂基材12とプライマー層20との密着性を高める役割を果たす。
重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと樹脂基材12との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、なかでも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がより好ましく、耐アルカリ性の観点から、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が更に好ましい。
相互作用性基は、金属と相互作用を形成する基であればその種類は特に制限されず、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、金属への吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基またはシアノ基などの非解離性官能基がより好ましい。
ポリマーの合成がより容易で、金属反射層14の密着性がより向上する点で、ポリマー中には以下の式(2)で表されるユニット(繰り返し単位)、および、式(3)で表されるユニットが含まれることが好ましい。
式(2)中、R10は、水素またはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)を表す。
式(2)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上記式(1)中のL1中の連結基の定義と同義である。
式(2)中、R11は、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
なお、ポリマー中においては、R11で表される相互作用性基の種類が異なる2種以上の式(2)で表されるユニットが含まれていてもよい。例えば、R11がイオン性極性基である式(2)で表されるユニットと、R11が非解離性官能基である式(2)で表されるユニットとが、ポリマー中に含まれていてもよい。
式(3)中、R12〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
12〜R15が、置換または無置換のアルキル基である場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R12としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R13としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R14としては、水素原子が好ましい。R15としては、水素原子が好ましい。
式(3)中、L3は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上記式(1)中のL1中の連結基の定義と同義である。
ポリマーの最好適範囲としては、式(A)で表されるユニットと、式(B)で表されるユニットと、式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、などが挙げられる。
上記式(A)〜(C)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表す。X、Y、Z、およびUは、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。L4、L5、およびL6は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。Wは、非解離性の相互作用基(非解離性官能基)を表す。Vは、イオン性極性基を表す。連結基の定義は、上述の通りである。
式(A)で表されるユニットにおいて、YおよびZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(−C64−)が好ましい。L4は、炭素数1〜10の置換または無置換の2価の有機基(特に、炭化水素基)であることが好ましい。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wは、シアノ基またはエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL5は、いずれも単結合であることが好ましい。
式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、更に、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。更に、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
式(A)〜式(C)で表されるユニットの含有量は、以下の範囲が好ましい。
即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
この範囲にて、加熱処理または光照射処理によるポリマーの重合性の向上、プライマー層の抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上などが達成される。
上記ポリマーを含む層の形成方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記ポリマーを含む層形成用組成物を樹脂基材12上に塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して層を形成する方法が挙げられる。
上記ポリマーを含む層には、加熱処理および/または光照射処理が施される。上記ポリマーを含む層に実施される処理は、加熱処理および光照射処理の一方のみが実施されても、両者が実施されてもよい。また、両者の処理を実施する場合、別々の工程で実施してもよいし、同時に実施してもよい。
これらの処理を実施することにより、重合性基が活性化され、重合性基間および重合性基と樹脂基材12との間で反応が進行し、樹脂基材12とプライマー層20との密着性が向上する。
加熱処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層20の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、60〜150℃(好ましくは、80〜120℃)で0.1〜3時間(好ましくは、0.5〜2時間)処理することが好ましい。
光照射処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層20の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
プライマー層20の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、0.05〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。
第2の実施形態において、プライマー層20上に金属反射層14を形成する際には、プライマー層20にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対してめっき処理を実施するめっき工程とを実施することが好ましい。これらの工程を実施することにより形成された金属反射層14はプライマー層20との密着性がより優れる。つまり、プライマー層20が、めっき下塗り層として機能する。
以下に、それぞれの工程の手順について詳述する。
(触媒付与工程)
触媒付与工程は、プライマー層20にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。本工程においては、プライマー層20に相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を吸着する。例えば、めっき触媒前駆体として金属イオンを使用した場合は、金属イオンがプライマー層20に吸着する。
めっき触媒またはその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっきの触媒や、めっきの電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっきの種類により決定される。
以下に、使用されるめっき触媒またはその前駆体について詳述する。
無電解めっき触媒としては、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができる。具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、触媒能の高さから、Pdが特に好ましい。
無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンをプライマー層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いてプライマー層20に付与されることが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)Pd(OAc)n(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
なお、無電解めっき触媒前駆体をめっき工程の前に還元させる場合、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と還元剤を活性化するためのpH調整剤が含有される場合が多い。
液全体に対する還元剤の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
なお、めっき触媒として、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒を使用してもよい。このような触媒としては、例えば、0価金属が挙げられ、より具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、相互作用性基に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
めっき触媒またはその前駆体をプライマー層20に付与する方法としては、これらを含む溶液(例えば、金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、その分散液若しくは溶液をプライマー層20上に塗布するか、または、その分散液若しくは溶液中にプライマー層20が形成された樹脂基材12を浸漬すればよい。
(めっき工程)
めっき工程は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対し、めっき処理を施すことで、金属反射層14を形成する工程である。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっきが挙げられ、上記触媒付与工程でプライマー層20に付与されためっき触媒またはその前駆体の機能によって、適宜選択することができる。つまり、本工程では、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与されたプライマー層20を備える樹脂基材12を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与されたプライマー層20を備える樹脂基材12を、無電解めっき触媒前駆体がプライマー層20に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を洗浄して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬することが好ましい。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
本工程おいては、付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対して、電気めっきを行うことができる。
本発明における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、反射性の観点から、銀が好ましい。
また、前述の無電解めっきの後、形成されためっき膜を電極とし、更に、電気めっきを行ってもよい。
なお、めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。なかでも、環境影響や平滑性の観点から、メタンスルホン酸銀が好ましい。
<第3の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第3の実施形態について図面を参照して説明する。図3に、本発明のフィルムミラーの第3の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー200は、樹脂基材12と、金属反射層14と、拡散防止層16と、接着層22と、表面保護層18とをこの順で有する。
図3に示すフィルムミラー200は、接着層22を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主として接着層22について詳述する。
接着層22は、拡散防止層16と表面保護層18との間に配置される層で、表面保護層18の密着性を高めるために設けられる。
接着層22に使用する接着剤の種類は、密着性や平滑性を満足するものであれば特に限定されず、その具体例としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐候性の観点から、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、または、シリコーン系樹脂が好ましい。
上記接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射率等の観点から、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.1〜2μmであるのがより好ましい。
また、上記接着層の形成方法は特に制限されず、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、スクリーンコーター、バーコーター、カーテンコーターなど、従来公知のコーティング方法が使用できる。
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
PET支持体(A4300、東洋紡社製)上に、式(A)で表されるアクリルポリマーを含む溶液を、厚さ0.5μmになるようにスピンコート法により塗布し、80℃にて5分乾燥して塗膜を得た。
なお、式(A)で表されるアクリルポリマーの合成方法は以下の通りである。
(合成例)
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド8gを入れ、窒素気流下65℃まで加熱した。そこへ、上記で得たモノマーM1:14.3g、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)3.0g、アクリル酸(東京化成製)6.5g、V−65(和光純薬製)0.4gのN,N−ジメチルアセトアミド8g溶液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド41gを足し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.09g、DBU54.8gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液54gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、式(A)で表されるアクリルポリマー(重量平均分子量5.3万)を12g得た。
また、式(A)で表されるアクリルポリマーを含む溶液の調製法は以下の通りである。
式(A)で表されるアクリルポリマー(7質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(74質量部)、水(19質量部)の割合で混合し、さらにこの混合溶液に対して、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加して、攪拌混合した。
その後、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、上記で得られた塗膜に対して254nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(厚み:500nm)を製造した。
得られたプライマー層付きPET支持体(プライマー層付き樹脂基材)を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、その後さらに純水で洗浄した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層に無電解めっき触媒前駆体(銀イオン)を付与でした。
次に、プライマー層付き樹脂基材を、40mmol/LのNaOHと2.2重量%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液(pH12)(還元剤に該当)に浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層中に金属を付与した。
次に、還元金属が付与されたプライマー層に対して、以下の電気めっき処理を行い、金属反射層(厚み:100nm)を製造した。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。還元金属を表面にもつプライマー層付き樹脂基材を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて20秒間めっきし、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
電気めっき後処理として、めっき後のプライマー層付き樹脂基材を、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
こうして、PET支持体の周縁部を除く領域に銀含有反射層を有する積層体を得た。
メタクリロイルオキシ基を有する、ランダム状およびカゴ状のシルセスキオキサン(MAC−SI−20、東亞合成社製)、並びに、光開始剤(Irgacure184)(含有量:シルセスキオキサンに対して1wt%)をイソプロピルアルコールに溶解させて得られた拡散防止層形成用組成物Xを金属反射層上に塗布して、80℃で5分間乾燥処理を行い、塗膜(前駆体層)を得た。その後、UV照射装置(GSユアサ社製、メタルハライドランプ)を用いて、塗膜に対してUV露光(露光量:800mJ/cm2)を行い、拡散防止層(厚み:500nm)を製造した。
なお、ここで製造された最表層に拡散防止層を有する積層体を積層体Xと称する。
次に、積層体Xの拡散防止層上にウレタン接着剤(東洋インキ製造社製、商品名:LIS825、LCR901)を塗布して、5分間乾燥処理を行い、接着層(厚み:10μm)を製造した。
その後、樹脂保護層として、PMMA基板(三菱レイヨン社製、HBS002、厚み:75μm)を接着層上に貼り合わせて、フィルムミラーを製造した。
(可撓性評価)
上記積層体X(PET支持体と、プライマー層と、金属反射層と、拡散防止層とをこの順で有する積層体)をマンドレンに巻きつけて、発生したクラックを目視で評価した。以下の基準に従って、評価した。結果を表1にまとめて示す。
「A」:クラックなし
「B」:クラックあり
(耐侯性評価)
製造したフィルムミラーをキセノンランプ耐光性試験機(ATLAS社製、Ci5000、パワー:180W、Black Panel Temperature:83℃)内に配置して、温度55度、湿度40%RHの条件下で500時間放置し、その際のフィルムミラーの450nmにおける反射率の低下率(放置前の反射率(%)−放置後の反射率(%))を測定した。反射率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所製)を用いて、評価を行った。以下の基準に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。実用上、Aであることが好ましい。
「A」:2%未満
「B」:2%以上5%未満
「C」:5%以下
<実施例2>
ウレタン接着剤の代わりエポキシ接着剤(ペルノックス社製、商品名ME106、MU636)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
ウレタン接着剤の代わりアクリル接着剤(綜研化学社製、商品名SK2057)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
メタクリロイルオキシ基を有する、ランダム状およびカゴ状のシルセスキオキサン(MAC−SI−20、東亞合成社製)の代わりアクリロイルオキシ基を有する、ランダム状およびカゴ状のシルセスキオキサン(AC−SI−20、東亞合成社製)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
拡散防止層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
拡散防止層形成用組成物Xの代わりに、ビニルエトキシシラン(信越シリコーン社製)を酢酸/水/エタノール(混合比=10/10/80)に溶解させ、60℃4時間加熱して得られた加水分解縮合物に、加水分解物の1wt%の光開始剤Irgacure184を加えて製造した拡散防止層形成用組成物Yを使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2で使用された加水分解縮合物には、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基は含まれていない。
表1に示すように、本発明のフィルムミラーは耐侯性およびフレキシブル性に優れていた。
一方、拡散防止層を設けなかった比較例1は、フレキシブル性を有するものの、光照射による反射率低下が発生し、耐候性が低い。
また、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基を有さないビニルトリエトキシシラン加水分解縮合物を使用した比較例2は、耐候性およびフレキシブル性の両面において実施例と比べて劣っていた。特に、フレキシブル性の点で劣っていた。
10,100,200, フィルムミラー
12 樹脂基材
14 金属反射層
16 拡散防止層
18 表面保護層
20 プライマー層
22 接着層

Claims (6)

  1. 樹脂基材上に、金属反射層と、拡散防止層と、表面保護層とをこの順で有し、
    前記拡散防止層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する金属アルコキシドおよび/またはその加水分解縮合物を用いて形成される前駆体層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層を有する、フィルムミラー。
  2. 前記金属アルコキシドが、式(1)で表される金属アルコキシドである、請求項1に記載のフィルムミラー。
    式(1) (R1−L1−)nM(−OR2m-n
    (式(1)中、R1は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表す。R2は、アルキル基を表す。Mは、ケイ素原子、アルミニウム原子、ゲルマニウム原子、チタン原子、および、ジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表す。mは、Mの原子価を表す。nは、1から(m−1)の正整数を表す。nが2以上のとき、各R1は同一でも相異なっていてもよい。(m−n)が2以上のとき、各R2は同一でも相異なっていてもよい。)
  3. 前記樹脂基材と前記金属反射層との間にプライマー層をさらに有し、
    前記プライマー層が、金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である、請求項1または2に記載のフィルムミラー。
  4. 前記金属反射層が、銀を主成分とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムミラー。
  5. 前記拡散防止層と前記表面保護層との間にさらに接着層をさらに有し、
    前記接着層が、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびシリコーン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムミラー。
  6. 太陽光集光用に用いる請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムミラー。
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