JP2017074796A - 外装用赤外線吸収フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線吸収能を有すると共に、耐候性と層間密着性の両立を図り、ウィンドウフィルム用等として用いられる外装用赤外線吸収フィルムを提供する。【解決手段】基材上に、プライマー層、樹脂硬化物からなる表面保護層をこの順に有し、前記プライマー層が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする外装用赤外線吸収フィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、外装用赤外線吸収フィルムに関し、更に詳しくは、基材上にプライマー層及び表面保護層を備えた積層フィルムであって、赤外線吸収能を有すると共に、耐候性と層間密着性の両立を図り、無機ガラス、有機ガラスを問わず窓ガラス等のウィンドウフィルム用等として用いられる外装用赤外線吸収フィルム、及び複層ガラスや二重窓における室内側ガラスの室外側の面に用いられる赤外線吸収フィルムに関するものである。
窓ガラスから室内に入り込む太陽光は、可視光線だけでなく赤外線や紫外線を含んでいる。太陽光に含まれる紫外線は日焼けの原因となり、人体に対する悪影響が指摘されている。また、紫外線による包装材の劣化が原因で内容物の変質が生じることもよく知られていることである。一方、太陽光に含まれる赤外線についても、直射日光による室内の温度上昇を引き起こし、夏場の冷房効果を低下させる等の問題があった。
従来はこのような問題に対し、例えば着色フィルムや金属蒸着フィルム等を窓ガラスに貼り付けることにより対処していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の着色フィルムは、紫外線をある程度はカットするものの、赤外線はほとんどカットせず可視光線をカットしてしまうので、窓ガラス等に貼り付けた場合に透明性が損なわれるという問題がある。
また、上記の金属蒸着フィルムは、紫外線及び赤外線はカットするものの、可視光の透過が悪いので透明性が損なわれ、しかも可視光を吸収するのではなく反射するため、明るい側から見ると鏡面になってしまい、使用できる用途が非常に限られてしまうという問題がある。そのため、近年無機系赤外線吸収剤の微粒子を用いたフィルムが用いられるようになってきた。
なお、前記窓ガラスに貼付されるフィルムは、その表面に通常、耐擦傷性等を付与するために活性エネルギー線硬化型樹脂、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系樹脂等を塗布し、硬化してなるハードコート層が設けられている。
前記無機系赤外線吸収剤の微粒子を用いたフィルムとしては、例えば(1)ハードコート層又は粘着剤層に、アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子又は錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を含有させた熱線遮蔽フィルム(例えば、特許文献2参照)、(2)ATOやITO微粒子と、(メタ)アクリロイル基をもつ活性エネルギー線重合性多官能(メタ)アクリレートを含む熱線遮蔽性樹脂組成物を硬化させてなるハードコート層を有するフィルム(例えば、特許文献3参照)、(3)電離放射線硬化型樹脂と、希土類金属系赤外線遮蔽剤を含む塗膜の硬化物からなる赤外線遮蔽ハードコート層を有する赤外線遮蔽フィルム(例えば、特許文献4参照)、(4)ATOやITOよりも赤外線遮蔽性能に優れるタングステン酸化物微粒子を、ハードコート用紫外線硬化樹脂に混合してなる塗布液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、硬化させて赤外線遮蔽膜を形成してなるフィルム(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
また、上記のフィルムの使用以外にも、例えば可視光線は透過するが赤外線を吸収する材料としてアミノ化合物等の有機系染料が知られているが、これらの有機系染料は経時での耐光性、耐熱性が悪く、赤外線の遮蔽効果が長続きしないという問題がある。
特開昭57−59749号公報 特開平8−281860号公報 特開平9−108621号公報 特開2000−318090号公報 WO2005−037932号パンフレット
前記特許文献2〜5に記載の技術においては、いずれもハードコート層に無機系赤外線吸収剤粒子を含有させる技術であり、この場合、ハードコート層に紫外線吸収剤や光安定剤を含有させて、耐候性を向上させようとしても耐候性の劣化は免れないという問題が生じる。
また、赤外線吸収剤のみからなる赤外線吸収層を基材とプライマー層との間や、プライマー層とハードコート層との間に形成した場合、各層間の密着性が得られないという問題が生じる。
本発明は、このような状況下になされたもので、赤外線吸収能を有すると共に、耐候性と層間密着性との両立を図り、ウィンドウフィルム用等として用いられる外装用赤外線吸収フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
すなわち、基材上に、プライマー層を介して、表面保護層を有する構成の積層フィルムであって、前記表面保護層が耐候性の樹脂硬化物からなり、かつ前記プライマー層が赤外線吸収剤を含有することにより、赤外線吸収能を有すると共に耐候性と層間密着性との両立を図ることのできる外装用赤外線吸収フィルムが得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、基材上に、プライマー層、樹脂硬化物からなる表面保護層をこの順に有し、前記プライマー層が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする外装用赤外線吸収フィルム、及び外装用赤外線吸収フィルムを配してなる無機又は有機材料からなるガラス、を提供するものである。
本発明によれば、赤外線吸収能を有すると共に、耐候性と層間密着性との両立を図り、ウィンドウフィルム用等として用いられる外装用赤外線吸収フィルムを提供することができる。
本発明の外装用赤外線吸収フィルムにおける構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の(外装用)赤外線吸収フィルムを複層ガラスに用いた例を示し、(a)複層ガラスの外ガラスに配した場合、(b)内ガラスの室外側に配した場合を示す断面模式図である。 本発明の(外装用)赤外線吸収フィルムを二重窓に用いた例を示し、(a)二重窓の外窓に配した場合、(b)内窓の室外側に配した場合を示す断面模式図である。
まず、本発明の外装用赤外線吸収フィルムについて説明する。
[外装用赤外線吸収フィルム]
図1は、本発明の外装用赤外線吸収フィルムにおける構成の一例を示す断面模式図である。以下、図1に基づいて外装用赤外線吸収フィルムについて説明する。
前記外装用赤外線吸収フィルム10は、基材1の一方の面に、プライマー層2を介して表面保護層3を有すると共に、基材1の他方の面に、窓ガラス等の被着体に前記赤外線吸収フィルムを貼付するために、必要に応じ粘着剤層4が設けられ、更に該粘着剤層4を保護するための剥離シート5が貼付されている。
また、赤外吸収フィルムを図2に示す如く複層ガラスに配する場合は、図2(a)の如く外ガラスに貼付ける場合、及び図2(b)のごとく内ガラスの外側に貼付ける場合があるが、何れの場合も赤外吸収フィルムは、本発明の「外装用赤外線吸収フィルム」に含まれる。
さらに、赤外吸収フィルムを図3に示す如く、外窓及び内窓を備える二重窓に配する場合は、図3(a)の如く外窓に貼付ける場合、及び図3(b)のごとく内窓の外側に貼付ける場合があるが、何れの場合も赤外吸収フィルムは、本発明の「外装用赤外線吸収フィルム」に含まれる。
(基材)
外装用赤外線吸収フィルム10に用いられる基材1としては、透明プラスチックフィルムが好ましく、この透明プラスチックフィルムに特に制限はなく、様々な透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択して用いることができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂等からなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。これらの中で、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
この透明プラスチックフィルムの厚さとしては特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選定すればよいが、通常は5〜200μm、好ましくは10〜150μmの範囲である。また、この透明プラスチックフィルムは、所望により着色又は蒸着されていてもよく、また酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。さらに、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、必要に応じて片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から、好ましく用いられる。
また、本発明においては化学的表面処理として易接着コート処理を好適に行うことができる。易接着コート処理とは、基材上に樹脂層等をコーティングすることで、接着性を向上させるものであり、例えば、ポリエステル系樹脂層を設ける等の方法がある。
樹脂層の厚さとしては、通常、0.005〜0.2μm程度であり、好ましくは0.01〜0.1μmである。
該ポリエステル系樹脂層は架橋されていることが好ましく、架橋剤としてはメラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤等が挙げられる。
(プライマー層)
(1)熱硬化タイプ
外装用赤外線吸収フィルム10におけるプライマー層2は、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート、又はポリカーボネート系ウレタンアクリレート及びアクリルポリオールからなるバインダー樹脂を用いて形成されたものであることが好ましい。
バインダー樹脂として上記したポリカーボネート系ウレタンアクリレートは、ポリカーボネートジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン高分子を、ラジカル重合開始剤を使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。
ここで、ジイソシアネートとしては、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネート、脂環式系イソシアネート、あるいはこれらの付加体、多量体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネート等の脂環式系イソシアネートが好ましい。
アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリカーボネート系ウレタンアクリレートのアクリル成分とウレタン成分との質量比は、特に制限されないが、耐候性、耐溶剤性の点で、ウレタン成分:アクリル成分の質量比を80:20〜20:80の範囲とすることが好ましく、70:30〜30:70の範囲とすることがより好ましい。なお、アクリル及びウレタン成分の含有量が上記の範囲内であると過度に硬い塗膜となることがなく、十分な加工適性が得られ、折り曲げ加工時に樹脂表面上に白い筋(白化)が生じるといった問題が起こりにくい。
ポリエステル系ウレタンアクリレートは、ポリエステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られるポリエステル系ポリウレタン高分子をラジカル重合開始剤として使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。ジイソシアネートやアクリルモノマーは、上記したポリカーボネート系ウレタンアクリレートの重合に用いるものから適宜選択されるものである。
また、アクリルポリオールは、ヒドロキシル基を有するアクリルモノマーの重合体である。例えば、上記アクリルモノマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアクリレートを共重合させて合成することができる。これらのアクリルポリオールは、架橋剤としての機能を果たす。
前記ポリカーボネート系ウレタンアクリレートとアクリルポリオールとの質量比は、ポリカーボネート系ウレタンアクリレート単独の100:0から10:90の範囲が好ましく、より好ましくは100:0〜30:70の範囲である。この範囲であると、十分な耐候性が得られる。なお、アクリルポリオールのみであると耐候性が低下するだけでなく、これがイソシアネートと反応を起こすため、経時で表面保護層との密着性が変化し、安定した性能が発現しない場合がある。
また、プライマー層は、上記以外の熱硬化型樹脂組成物から形成されたものであってもよい。他の熱硬化型樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などの硬化型樹脂と、必要に応じて添加する硬化剤又は架橋剤を含んでなるものが挙げられる。
(2)電離放射線硬化タイプ
さらに、プライマー層は電離放射線硬化型樹脂組成物から形成されたものであってもよい。電離放射線硬化型樹脂組成物は、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物中には、上記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。
<プライマー層の積層>
プライマー層は、2層以上積層してなるものであってもよい。プライマー層を2層以上積層する場合、熱硬化タイプ又は電離放射線硬化タイプのいずれかを2層以上積層してもよいし、熱硬化タイプ及び電離放射線硬化タイプを組み合わせて積層してもよい。
<赤外線吸収剤>
前記外装用赤外線吸収フィルムにおいては、後述する表面保護層3の耐候性を劣化させることなく赤外線吸収機能を付与するために、前述のプライマー層2中に赤外線吸収剤を含有させることを要する。
なお、プライマー層が2層以上積層してなるものである場合、少なくとも1層のプライマー層に赤外線吸収剤を含んでいればよい。
<プライマー層の形成>
プライマー層の形成には、まずプライマー層形成用樹脂組成物を調製する。具体的には、熱硬化型タイプの場合、前述したポリカーボネート系ウレタンアクリレートを含む樹脂組成物全量に対し、必要に応じ赤外線吸収剤を固形分換算で1〜50質量%、並びに、必要に応じ紫外線吸収剤を0.1〜40質量%及びヒンダードアミン系光安定剤を0.05〜20質量%、更にジイソシアネート系硬化剤を1〜30質量%含有するプライマー層形成用樹脂組成物を調製する。
また、電離放射線硬化型タイプの場合、前述した電離放射線硬化型樹脂組成物全量に対し、必要に応じ赤外線吸収剤を固形分換算で1〜50質量%、並びに、必要に応じ紫外線吸収剤を0.1〜40質量%及びヒンダードアミン系光安定剤を0.05〜20質量%を含有するプライマー層形成用樹脂組成物を調製する。
なお、本発明においては赤外線を効率的に吸収する観点から、後述の金属酸化物系赤外線吸収剤をプライマー層中に、1〜50質量%含有することが好ましく、5〜45質量%含有することがより好ましく、10〜40質量%含有することがより好ましく、15〜35質量%含有することが更に好ましい。
プライマー層2の形成は、上記樹脂組成物をそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態で用い、公知の印刷方法、塗布方法等によって行うことができる。
プライマー層2は、硬化後の重量が0.5〜20g/m、より好ましくは1〜10g/mとなるように塗布することが好ましい。硬化後の重量が前記範囲内であると表面保護層との接着性が向上する。
≪赤外線吸収剤≫
赤外線吸収剤としては、赤外線、特に近赤外領域の波長の光を効果的に吸収する性質を有するものであればよく、特に制限されず、無機系及び有機系のいずれも用いることができるが、耐久性の観点から無機系のものが好ましい。
無機系赤外線吸収剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができるが、これらの中でコストと赤外線吸収性能のバランス、及び供給の安定性から、アンチモンドープ酸化錫(ATO)が好適である。
また、無機系赤外線吸収剤として、耐候性、近赤外線吸収性能及び可視光線透過性等の観点から、タングステン酸化物が好ましく、複合酸化タングステンが更に好ましい。
前記複合酸化タングステンとしては、一般式(I)
WO …(I)
(式中、M元素はH、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素を示し、m及びnは、0.001≦m≦1.0及び2.2≦n≦3.0を満たす数である。)
で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される複合酸化タングステンは、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造を有する場合に耐久性に優れることから、該六方晶、正方晶、立方晶から選ばれる1つ以上の結晶構造を含むことが好ましい。これらの中で、六方晶が可視光領域の吸収が最も少ないため、特に好ましい。例えば、六方晶の結晶構造を持つ複合酸化タングステンとしては、好ましいM元素として、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの各元素から選択される1種類以上の元素を含む複合酸化タングステンが挙げられる。
前記複合酸化タングステンにおけるM元素の添加量mは、0.001以上1.0以下が好ましく、更に好ましくは0.33程度である。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出されるmの値が0.33であり、この前後の添加量で赤外線吸収剤としての好ましい光学特性が得られるからである。一方、酸素の存在量nは、2.2以上3.0以下が好ましい。典型的な例としてはCs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WO等を挙げることができるが、m、nが上記の範囲に収まるものであれば、有用な近赤外線吸収特性を得ることができる。
本発明においては、複合酸化タングステンとして、セシウム含有複合酸化タングステンが、赤外線吸収剤としての光学特性及び耐候性等の観点から、好適である、このセシウム含有複合酸化タングステンとしては、式(I−a)
Cs0.2〜0.4WO2.5〜3.0 …(I−a)
で表される化合物を挙げることができる。
前記複合酸化タングステンは、有機系赤外線吸収剤の中でも、特に耐候性に優れることが知られているフッ素含有フタロシアニン化合物に比べて、耐候性が格段に優れており、しかも可視光線透過性が高い。
前記複合酸化タングステンは微粒子形状で用いるのが好ましく、その平均粒径は、分散性及び光学特性等の観点から、800nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
本発明においては、前記複合酸化タングステンを1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい
また、無機系赤外線吸収剤として、LaB、CeB、PrB、NdB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、(La,Ce)B等の六ホウ化物等が挙げられる。
また、有機系赤外線吸収剤としては、例えばシアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、更にはN,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩、フェニレンジアミニウムの塩素塩、フェニレンジアミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ素塩、フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩等のアミノ化合物、銅化合物とビスチオウレア化合物、リン化合物と銅化合物、リン酸エステル化合物と銅化合物との反応により得られるリン酸エステル銅化合物等が挙げられる。
これらの中では、チオールニッケル錯塩系化合物(特開平9−230134号公報等)及びフタロシアニン系化合物が好ましく、特に、特開2000−26748号公報等に開示されているフッ素含有フタロシアニン化合物が、有機系赤外線吸収剤の中で、可視光線透過性が高く、かつ耐熱性、耐光性、耐候性等の特性に優れることから、無機系と併用する場合には、好適である。
≪紫外線吸収剤、光安定剤≫
前記プライマー層2に、必要に応じて含有される紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤としては、後述の表面保護層3の説明において述べるトリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基Aを有するヒンダードアミン系光安定剤と同じものを挙げることができる。また、ヒンダードアミン系光安定剤は、反応性官能基Aを有しないものも用いることができる。
また、プライマー層が2層以上の場合、紫外線吸収剤は、何れの層に配合してもよいが、太陽側(または室外側)の層に配合するのが外装用赤外線吸収フィルムに対する紫外線吸収効果の観点からより好ましい。
(表面保護層)
前記外装用赤外線吸収フィルム10における表面保護層3は、前述した赤外線吸収剤を含有するプライマー層2上に設けられる樹脂硬化物からなる層であって、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。この表面保護層の形成に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、トリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基Aを有するヒンダードアミン系光安定剤を含むコーティング剤組成物であることが好ましい。
<カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート>
本発明で用いられるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、電離放射線硬化性を有する樹脂であり、通常カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得ることができるものである。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他に、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も使用可能である。
ここで、カプロラクトン系ポリオールとしては、市販されるものを使用することができ、好ましくは2個の水酸基を有し、重量平均分子量が好ましくは500〜3000、より好ましくは750〜2000のものが挙げられる。また、カプロラクトン系以外のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオールを1種又は複数種を任意の割合で混合して使用することもできる。
有機ポリイソシアネートとしては、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、黄変を抑制する観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましく挙げられる。また、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。
カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、これらのポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応で合成することができる。合成法としては、ポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて、両末端に−NCO基(イソシアナート基)を含有するポリウレタンプレポリマーを生成させた後に、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと反応させる方法が好ましい。反応の条件等は常法に従えばよい。
本発明で用いられるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、その重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が、1000〜12000であることが好ましく、1000〜10000がより好ましい。すなわち、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートはオリゴマーであることが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内(オリゴマー)であれば、加工性に優れ、コーティング剤組成物が適度なチキソ性が得られるので、表面保護層の形成が容易となる。
<トリアジン系紫外線吸収剤>
本発明で用いられるトリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。このような紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤の含有量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、5〜10質量部が更に好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であれば、該吸収剤がブリードアウトすることなく、また十分な紫外線吸収能が得られるので、優れた耐候性が得られる。これまで一般的には、バインダー樹脂100質量部に対して紫外線吸収剤を1質量部以上加えると、該吸収剤がブリードアウトする場合があるため、より優れた紫外線吸収能を得ようとしても得られなかった。しかし、本発明によって、トリアジン系紫外線吸収剤とカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート及び所定の光安定剤との組合せにより、1質量部以上という多量の紫外線吸収剤を添加しても、該吸収剤がブリードアウトすることなく、優れた耐候性を得ることが可能となった。
<反応性官能基Aを有するヒンダードアミン系光安定剤>
本発明で用いられるヒンダードアミン系光安定剤において、反応性官能基Aは、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートと反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような光安定剤としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの光安定剤は、単独で、又は複数種組み合わせて用いることができる。
反応性官能基Aを有するヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、5〜10質量部が更に好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が上記範囲内であれば、該光安定剤がブリードアウトすることなく、また十分な光安定性が得られるので、優れた耐候性が得られる。
<反応性官能基Bを有するシリケート化合物>
本発明において用いるシリケート化合物は、前記表面保護層に自浄性を付与するために所望により用いられるものである。本発明で用いられるシリケート化合物は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートと反応性を有する反応性官能基Bを有するシリケート化合物であれば特に制限はない。反応性官能基Bとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
反応性官能基Bを有するシリケート化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される化合物である。
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の有機基を示し、複数のR及びRは、同じでも異なっていてもよい。また、Rは反応性官能基Bを含む官能基である。
炭素数1〜10の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が好ましく挙げられる。これらの基は置換されていても置換されていなくてもよく、また、アルキル基及びアルケニル基は直鎖状であっても、枝分かれ状であってもよい。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
また、nは1〜30が好ましく、1〜10がより好ましい。すなわち、反応性官能基Bを有するシリケート化合物は、好ましくは一般式(1)で示されるシリケート化合物あるいはその縮合物であり、縮合物としては2〜30量体が好ましく、2〜10量体であることがより好ましい。なお、親水化剤がシリケート化合物の縮合体であるとき、上記の好ましい2〜30量体あるいはより好ましい2〜10量体は、平均値の場合も含む。
より具体的には、下記一般式(2)で示される化合物が好ましい。
式(2)中、R〜Rは各々R〜Rと同じである。R11はRと同様であり、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。また、R及びR10は単結合又は2価の有機基を示す。また、Rは、単結合、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、チオエーテル結合(−S−)、アミド結合(−CONH−)、イミノ結合(−NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基を示す。2価の有機基としては、アルカンジイル基、アルケンジイル基、アリーレン基、アリーレンアルカンジイル基等が好ましく挙げられる。これらの基は置換されていても置換されていなくてもよく、また、アルカンジイル基及びアルケンジイル基は直鎖状であっても、枝分かれ状であってもよい。これらのうち、炭素数1〜4のアルカンジイル基がより好ましい。Rとしては、エステル結合(−COO−)がより好ましい。
また、nは上記のnと同じである。
反応性官能基Bを有するシリケート化合物の含有量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜15質量部が更に好ましい。シリケート化合物の含有量が上記範囲内であれば、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートの良好な架橋状態が得られる。また、本発明におけるコーティング剤組成物を用いて形成された表面保護層は、適度な親水性を有することになるため、水の濡れ性が高まり、優れた自浄性を有することができる。
<アルキルシリケート>
アルキルシリケートは、本発明における表面保護層に自浄性を付与するために、所望により用いられるものである。アルキルシリケートは、Si原子と結合するアルコキシル基を少なくとも一つ有するものであればよく、好ましくは下記一般式(3)で示されるテトラアルキルシリケートである。
式(3)中、R12〜R15は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状あるいは枝分かれ状のアルキル基を示し、複数のR12及びR15は、同じでも異なっていてもよい。また、全てのR12〜R15が同時に水素原子となることはない。R12〜R15としては、自浄性能及び可視光透過性を向上させる観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1及び2のアルキル基がより好ましい。
は自浄性を向上させる観点から、1〜40が好ましく、10〜30がより好ましく、10〜20が更に好ましい。すなわち、アルキルシリケートは、好ましくは一般式(3)で示されるアルキルシリケートあるいはその縮合物であり、縮合物としては2〜40量体が好ましく、10〜30量体であることがより好ましく、更に10〜20量体が好ましい。なお、本発明においては、親水化剤がシリケート化合物の縮合体であるとき、上記の好ましい2〜40量体、より好ましい10〜30量体、あるいはさらに好ましい10〜20量体は、平均値である場合も含む。よって、例えば15〜45量体の混合物であり平均20量体のアルキルシリケートのように、40量体よりも大きいものが含まれていても、平均40量体以下であれば、本発明で好ましく用いられる2〜40量体のアルキルシリケートの縮合物に含まれる。
また、重量平均分子量は、150〜4000が好ましく、1000〜3000がより好ましく、更に1000〜2000が好ましい。
<各種添加剤>
本発明におけるコーティング剤は、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
<表面保護層の形成>
本発明の外装用赤外線吸収フィルム10における表面保護層3は、前述したプライマー層2上に、前記コーティング剤組成物を塗布して、電離放射線硬化性樹脂組成物の層を設け、これに電離放射線を照射することにより架橋硬化させて形成することができる。
コーティング剤組成物の塗布は、硬化後の重量が通常1〜20g/m程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行う。また、優れた耐候性とその持続性、さらには透明性と防汚性とを得る観点から、好ましくは2〜20g/mである。
前記コーティング剤組成物の塗布により形成した未硬化樹脂組成物の層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して架橋硬化することで表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂組成物の層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートの架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを照射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。なお、この場合、従来公知の光重合開始剤を、前記コーティング剤組成物中に含有させておくことが好ましい。
(粘着剤層)
前記外装用赤外線吸収フィルムにおいては、基材1のプライマー層2が設けられる側の反対面を窓ガラス等の被着体に接着させるために、必要に応じ粘着剤層4が設けられる。前記粘着剤層4を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から、状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性等の点から、特にアクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適である。前記粘着剤層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μmの範囲である。
前記粘着剤層には、必要に応じ、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の耐候剤等を含有させることができる。
また、前記粘着剤層4には、該粘着剤層4を保護するために剥離シート5を貼付することができる。この剥離シート5としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルムに、剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。該剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度、加熱成形を行う場合は20〜50μmが好ましい。
このように粘着剤層に剥離シートを貼付する場合には、該剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布して、所定の厚さの粘着剤層を設けたのち、これを基材のプライマー層が設けられた側の反対面に貼付し、前記粘着剤層を転写し、剥離シートはそのまま貼り付けた状態にしておいてもよい。
なお、粘着剤の塗布量は、乾燥重量で10〜30g/mの範囲が好ましい。10g/m以上であれば十分な接着力が得られ、30g/m以下であると加工時に粘着剤のはみ出しがない。
粘着剤の塗布方法は、上記粘着剤を溶剤、例えば、酢酸エチル、トルエン等で希釈し固形分20〜60質量%の塗布液を調製し、この塗布液を剥離シートに塗布するという方法によることができる。粘着剤の塗布装置は、公知の塗布装置、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の外装用赤外線吸収フィルム(以下、単に「赤外線吸収フィルム」と称することがある。)は、基材上にプライマー層を介して表面保護層を有する積層フィルムであって、優れた赤外線吸収能及び透明性を有すると共に、上記表面保護層が耐候性及び自浄性に優れ、かつ層間密着性が良く、以下に示す用途に用いることができる。
《ガラス》
本発明の外装用赤外線吸収フィルムは、好適には、一般的に主成分として二酸化ケイ素を含有するケイ酸ガラスや、石英ガラスなどの無機材料からなるガラス(以下、「無機ガラス」という。)又は有機材料からなるガラス(以下、「有機ガラス」という。)に配して使用される。
有機ガラスは、樹脂で構成されるガラスを指し、無機ガラスの代替用として用いられるものである。なお、無機ガラス及び有機ガラスとしては、透明ガラス、着色透明ガラス、曇りガラス、強化ガラス、及び複層ガラスなどが挙げられる。
(有機ガラス)
有機ガラスを構成する樹脂は様々な樹脂を用いることができるが、射出成形又は押出成形などの成形性の観点から、溶融可能である樹脂が好適である。
溶融可能である樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、透明性、耐衝撃性の観点で、アクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましい。
また、有機ガラス中には、上記樹脂に加えて、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などを添加することができる。
有機ガラスの厚みについては特に制限はなく、当該機能性有機ガラスの用途に応じて選定されるが、通常1〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。基板の厚さが1mm以上であると面剛性などの実用的な強度が十分となり、20mm以下であると加工性が向上する。
なお、本発明において、外装用赤外線吸収フィルムを無機ガラスや有機ガラスに「配する」手段としては、上述する粘着剤層による貼付け、基材シートによる熱融着及び有機ガラスとの熱融着等による貼付け等を挙げることができる。
(赤外線吸収フィルムの用途)
本発明の外装用赤外線吸収フィルムは、上述のように無機ガラス又は有機ガラス貼付して好適に使用されるが、より具体的には、建物や車輌、あるいは冷蔵・冷凍ショーケースの窓等に貼付し、室内の温度上昇の軽減、省エネルギー化を図ることができ、特に車輌の窓、例えば自動車の窓ガラス等の曲面ガラス貼付用として好適である。
また、本発明の赤外線吸収フィルムは、透明性、赤外線吸収能、耐候性、自浄性等に優れることから、本発明の赤外線吸収フィルムをそのまま、あるいは、植物への水滴落下防止の親水性機能や、植物に均一に光を当てる光散乱機能を有する農業用フィルムと、本発明の赤外線吸収フィルム、もしくは本発明の赤外線吸収フィルムの耐候性表面保護層にさらに自浄性を付与したフィルムを貼り合わせて、農作物のハウス栽培やトンネル栽培の際に用いる農業用被覆材としての用途にも利用可能である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、比較例1で得られた積層フィルム、及び実施例1、比較例2〜4で得られた赤外線吸収フィルムについて下記の評価を行った。
(1)耐候性の評価
各例で得られたフィルムをアイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)にセットし、ライト条件(照度:60mW/cm、ブラックパネル温度:63℃、湿度:50%RH)で20時間、結露条件(照度:0mW/cm、ブラックパネル温度:30℃、湿度:98%RH)で4時間、水噴霧条件(結露条件の前後30秒間)で放置し、フィルムの黄変やクラック、白化が見られるまでの時間を測定し下記の判定基準で評価を行った。
◎;試験時間800時間まで、外観変化なし
○;試験時間500時間まで、外観変化なし
×;試験時間200時間までに、黄変やクラック、白化が発生
(2)層間密着性の評価
各例で得られたフィルムをJIS K 5600−5−6に準拠して試験を実施(カットの間隔1mm、テープ:ニチバン製セロテープ(登録商標))し、膜(層)の剥がれ状態を下記の判定基準で評価した。
○;剥がれが見られない
×;剥がれが見られる
(3)赤外線吸収性能
各例で得られたフィルムを分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 「型番:U−4000」)で赤外線(波長領域 780〜2100nm:測定間隔1nm)の透過率を測定し、その平均値を求め赤外線吸収性能として下記の判定基準で評価した。
○;赤外線透過率 80%以下
×;赤外線透過率 80%より大きい
比較例1
基材としてPET(厚さ:50μm)フィルムを準備した。該PETフィルム表面に、下記組成のプライマー層形成用組成物を塗布しプライマー層(5g/m)を形成した。
次に、下記組成の電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、グラビアコート法にて塗膜を形成し、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(5g/m)を形成させて積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、上記の評価を行った。なお、比較例1のフィルムの積層順は、基材、プライマー層、表面保護層であり、表面保護層は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である。評価結果を表1に示す。
<プライマー層形成用組成物の組成>
以下の樹脂組成物と硬化剤とを100:5(質量比)の割合で混合して得られる組成物である。
樹脂組成物の組成:
ポリカーボネート系ウレタンアクリレート :100質量部
(ポリカーボネート系ウレタンアクリレートにおけるウレタン成分:アクリル成分の質量比70:30)
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 :15質量部
(「チヌビン400(商品名)」,BASFジャパン株式会社製)
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 :5質量部
(「チヌビン479(商品名)」,BASFジャパン株式会社製)
ヒンダードアミン系光安定剤 :6質量部
(「チヌビン123(商品名)」,BASFジャパン株式会社製)
硬化剤:ヘキサンメチレンジイソシアネート
<表面保護層形成用電離放射線硬化性樹脂組成物の組成>
カプロラクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー :100質量部
(3官能,分子量:約1200)
トリアジン系紫外線吸収剤 :2質量部
(「チヌビン479(商品名)」,2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル−1,3,5−トリアジン,BASFジャパン株式会社製)
反応性官能基を有する光安定剤 :6質量部
(「サノールLS−3410(商品名)」,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート,BASFジャパン株式会社製)
実施例1
プライマー層形成用組成物の全量に対して下記赤外線吸収剤を、固形分換算で30質量%になるように加えたこと以外は比較例1と同様の操作を行い、赤外線吸収フィルムを作製した。得られた赤外線吸収フィルムについて上記の評価を行った。なお、実施例1のフィルムの積層順は、基材、プライマー層(赤外線吸収剤含有)、表面保護層である。評価結果を表1に示す。
<赤外線吸収剤>
アンチモンドープ酸化錫(ATO)の30質量%メチルエチルケトン(MEK)分散液(「SNS−10M(商品名)」,石原産業株式会社製)
比較例2
電離放射線硬化性樹脂組成物の全量に対して、更に上記赤外線吸収剤を固形分換算で30質量%になるように加えたこと以外は、比較例1と同様にして表面保護層に赤外線吸収剤を含有させた赤外線吸収フィルムを作製した。得られた赤外線吸収フィルムについて上記の評価を行った。なお、比較例2のフィルムの積層順は、基材、プライマー層、表面保護層(赤外線吸収剤含有)である。評価結果を表1に示す。
比較例3
PETフィルム表面に、比較例1で示した組成のプライマー層形成用組成物を塗布し、プライマー層(5g/m)を形成した。
次いでアンチモンドープ酸化錫(ATO)の30質量%メチルエチルケトン(MEK)分散液(「SNS−10M(商品名)」,石原産業株式会社製)を塗布し、赤外線吸収層(1.5g/m)を形成した。
次に、比較例1で示した組成の電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、グラビアコート法にて塗膜を形成し、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(5g/m)を形成させて赤外線吸収フィルムを得た。得られた赤外線吸収フィルムについて、上記の評価を行った。なお、比較例3のフィルムの積層順は、基材、プライマー層、赤外線吸収剤からなる層、表面保護層である。評価結果を表1に示す。
比較例4
PETフィルム表面に、アンチモンドープ酸化錫(ATO)の30質量%メチルエチルケトン(MEK)分散液(「SNS−10M(商品名)」,石原産業株式会社製)を塗布し赤外線吸収層(1.5g/m)を形成した。
次いで、比較例1で示した組成のプライマー層形成用組成物を塗布し、プライマー層(5g/m)を形成した。
次に、比較例1で示した組成の電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、グラビアコート法にて塗膜を形成し、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(5g/m)を形成させて赤外線吸収フィルムを得た。得られた赤外線吸収フィルムについて、上記の評価を行った。なお、比較例4のフィルムの積層順は、基材、赤外線吸収剤からなる層、プライマー層、表面保護層である。評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、PETフィルム表面に、1層目のプライマー層形成用樹脂組成物として、紫外線(UV)硬化型樹脂組成物全量に対して実施例1に用いたものと同じ赤外線吸収剤を、固形分換算で30質量%になるように加えたプライマー層形成用組成物を塗布して1層目のプライマー層(5g/m)を形成し、次いで、比較例1のプライマー層形成用組成物と同じ組成のプライマー層形成用組成物を塗布し2層目のプライマー層(5g/m)を形成した以外は、実施例1(比較例1)と同様の操作を行い、赤外線吸収フィルムを作製した。
<1層目のプライマー層形成用樹脂組成物の組成>
以下の紫外線硬化性樹脂に実施例1に用いた赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤を添加したものである。
樹脂組成物の組成:
・透明アクリル系紫外線硬化性プレポリマー(商品名:アロニックス M−305、化学物質名:ペンタエリスリトールトリアクリレート:PETA、東亜合成株式会社製)
:100質量部
・赤外線吸収剤:平均粒子径100nmのアンチモンドープ酸化錫(ATO)の30質量%メチルエチルケトン(MEK)分散液(「SNS−10M(商品名)」,石原産業株式会社製) :150質量部
・光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン
(商品名:イルガキュア184、BASF社製) :2質量部
・紫外線吸収剤:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(商品名:TINUVIN 479 、BASFジャパン株式会社製) :0.25質量部
実施例2のフィルムの積層順は、基材、赤外線吸収剤含有UV硬化型樹脂によるプライマー層(1層目のプライマー層)、2液硬化型耐候プライマー層(2層目のプライマー層)、表面保護層である。評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例2において1層目のプライマー層形成用樹脂組成物におけるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(商品名:TINUVIN 479、BASF社製)の添加量を0.5質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、赤外線吸収フィルムを作製した。実施例3のフィルムの積層順は、実施例2と同じである。評価結果を表1に示す。
本発明の外装用赤外線吸収フィルムは、優れた赤外線吸収能及び透明性を有すると共に、表面保護層が耐候性及び自浄性に優れ、かつ層間密着性が良く、建物や車輌、あるいは冷蔵・冷凍ショーケースの窓等に貼付し、室内の温度上昇の軽減、省エネルギー化を図ることができ、特に車輌の窓、例えば自動車の窓ガラス等の曲面ガラス貼付用として好適である。更に農作物のハウス栽培やトンネル栽培の際に用いる農業用被覆材としての用途にも利用可能である。
1 基材
2 プライマー層
3 表面保護層
4 粘着剤層
5 剥離シート
10 外装用赤外線吸収フィルム

Claims (10)

  1. 基材上に、プライマー層、樹脂硬化物からなる表面保護層をこの順に有し、前記プライマー層が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする外装用赤外線吸収フィルム。
  2. プライマー層がポリカーボネート系ウレタンアクリレート、又はポリカーボネート系ウレタンアクリレート及びアクリルポリオールからなるバインダー樹脂を用いたものである、請求項1に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  3. プライマー層が含有する赤外線吸収剤が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物系赤外線吸収剤である、請求項1又は2に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  4. 金属酸化物系赤外線吸収剤がアンチモンドープ酸化錫(ATO)である、請求項3に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  5. プライマー層中の金属酸化物系赤外線吸収剤の含有量が、1〜50質量%である、請求項3又は4に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  6. 表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項1〜5のいずれかに記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  7. 電離放射線硬化性樹脂組成物がカプロラクトン系(メタ)ウレタンアクリレート、トリアジン系紫外線吸収剤、及び反応性官能基Aを有するヒンダードアミン系光安定剤を含むものである、請求項6に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  8. 反応性官能基Aがエチレン性二重結合を有する官能基である、請求項7に記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  9. 基材のプライマー層とは反対側の面に粘着剤層を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の外装用赤外線吸収フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の外装用赤外線吸収フィルムを配していることを特徴とする無機又は有機材料からなるガラス。
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