JP2000219542A - 合わせガラス用転写材料および該転写材料を用いる合わせガラスの製造方法 - Google Patents

合わせガラス用転写材料および該転写材料を用いる合わせガラスの製造方法

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JP2000219542A
JP2000219542A JP11018513A JP1851399A JP2000219542A JP 2000219542 A JP2000219542 A JP 2000219542A JP 11018513 A JP11018513 A JP 11018513A JP 1851399 A JP1851399 A JP 1851399A JP 2000219542 A JP2000219542 A JP 2000219542A
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Hideki Nagareo
秀樹 流尾
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合わせガラスに、飛散防止の機能のみなら
ず、熱線カット機能等の各種の機能を生産性よく付与で
きる合わせガラス用転写材料およびそれを用いる合わせ
ガラスの製造方法を提供する。 【解決手段】 フィルム支持体の片面上に、金属酸化物
および金属の少なくとも1種を含有する熱線カット層、
熱接着層または光硬化性接着層をこの順に設け、さらに
必要に応じて、フィルム支持体と熱線カット層の間にア
ンダーコート層を設けたことを特徴とする合わせガラス
用転写材料、および該転写材料を用いる合わせガラスの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用転
写材料および該転写材料を用いる合わせガラスの製造方
法に関する。さらに詳しくは、合わせガラスの安全性の
機能のみならず、少なくとも熱線カット機能を初めとす
る各種の機能を有する合わせガラスを生産効率よく製造
するために有利に使用される合わせガラス用転写材料お
よび該転写材料を用いる合わせガラスの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスは透明性、ファッション
性、防火性などの面から見直され、自動車分野をはじ
め、建築分野、さらにはエレクトロニクス関連分野など
各方面への利用が拡大されている。しかしながらガラス
は衝撃に弱いため、安全性の面からその利用については
かなりの制限がある。このような安全性の要求を満たす
ものとして、現在、合わせガラスが破損時にガラスの破
片が飛散しなくて安全性が高いことから、自動車等の交
通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等の用途を中心に
広く利用されている。そして、最近の傾向として、合わ
せガラスの飛散防止の安全性機能のみならず、他の機能
をも求める動きが強まっている。
【0003】その他の機能としては、熱線カット機能、
紫外線カット機能、着色調色機能、調光機能、ミラー機
能などの光学的機能、透明導電性機能、帯電防止機能、
電熱機能などの電気的機能、電磁波シールド機能、透明
アンテナ機能などの電磁気的機能、耐擦傷性機能などの
機械的機能、防曇機能、抗菌機能、脱臭機能などの化学
的機能、装飾性機能、遮音機能、断熱機能(主に熱伝導
の低減によるものをいう)などが挙げられる。
【0004】そして、これらの機能の発現方法として、
例えば、厚膜を必要とする遮音機能や断熱機能に関して
は合わせガラス用中間膜の改良を通して、また耐擦傷性
機能に関してはハードコート剤コーティングを通して、
防曇機能、抗菌機能、脱臭機能等に関してはゾル−ゲル
法等の膜形成を通して、熱線カット機能、調光機能、ミ
ラー機能、透明導電性機能、電熱機能、電磁波シールド
機能等に関してはガラスに直接スパッタや蒸着により金
属酸化物薄膜および/または金属薄膜を設ける方法を通
して(防曇、抗菌、脱臭機能、紫外線カット機能、着色
調色機能等が含まれる場合もある)、また紫外線カット
機能に関しては紫外線吸収剤を中間膜に含有させる方法
を通して、また着色調色機能に関しては、中間膜を着色
する方法や印刷を施す方法を通して一般に発現してい
る。
【0005】一方、合わせガラス用中間膜素材として
は、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニル
アセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/エチレ
ン共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル/グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、部分ケン
化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
(メタ)アクリレート共重合体、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂とアルキルベンジルフタレートからなるプ
ラスチゾル等が挙げられるが、ガラスとの密着性、透明
性、衝撃エネルギー吸収性等の観点から、特に自動車分
野においては、ポリビニルブチラール樹脂に代表される
ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤からなる厚さ0.1
〜1.5mmのポリビニルアセタール樹脂シートが殆ど
である。そして現在においても、この系に関して、シー
ト保存時の自己ブロッキング性、加工時の真空密着性、
エッジ部からの水分の侵入による白化性などの改善が種
々なされている。その外に、建材用等の分野において
は、部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体等も好ましく使用されている。
【0006】従来、2枚のガラス板の間に中間膜を介在
させることにより飛散防止機能を発現する合わせガラス
の場合、更なる高機能化を図る方法としては、遮音機能
や断熱機能、あるいは紫外線カット機能や着色機能等
は、中間膜の改良や紫外線吸収剤や着色剤を中間膜中に
含有させることにより、発現している場合が多い。
【0007】しかしながら、より高効率の熱線カット性
を目指すために反射特性をも利用したい透明熱線カット
機能(高い可視光線透過率を維持しつつ熱線をカットす
る機能をいう)やミラー機能、調光機能、あるいは透明
導電性機能、電熱機能、電磁波シールド機能(紫外線カ
ット機能、装飾機能等も含まれる)等の発現のために
は、通常、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化ビスマス、Ag、Al、Au、Cu、Cr
等の、金属酸化物および/または金属をスパッタや蒸
着、CVD等により、少なくとも一方のガラス基板上に
薄膜で設け、中間膜を介して合わせガラスとし、高機能
化を図るのが通常である。このような中で透明熱線カッ
ト機能の付与は、例えば自動車の窓ガラスを例にとれ
ば、夏期における太陽光による車内温度の上昇を抑えた
り、冷房用電力節減効果を発揮させたり、冬期の車内の
暖房効率を発揮させたりするためにも特に望まれてい
る。しかしながら、上記のような方法はバッチ方式の真
空系を採用せざるを得ず、非常に生産性が悪い。
【0008】一方、透明熱線(赤外線)カット用素材や
透明導電性素材としては、最近になって、超微粒子のス
ズ(Sn)ドープ酸化インジウム、アンチモン(Sb)
ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛等を溶剤
中に結合剤と共に高濃度(対結合剤比)に分散し、基材
上に薄膜コーティングする塗料が開発されている。特
に、特開平7−070363号公報に記載されているス
ズドープ酸化インジウム系は、可視光の透過性と熱線カ
ット率の両者が共に大きいことから透明熱線カット素材
としては特に優れているものである。
【0009】もし、これらコーティング可能な塗料を用
いて合わせガラス用の中間膜に種々の機能を発現できる
ならば、真空系を用いる系に比べて生産性の面で大きな
価値がある。
【0010】しかしながら、これらの塗料から得られる
機能層は前記金属酸化物が該層中で高濃度の状態で分散
されていて初めて機能を発現するものである。従来の合
わせガラス用中間膜シートのごとき厚い膜中に低濃度の
状態で分散されている場合にはその機能を発現する事が
できない。何故ならば、分散粒子が繋がっていなければ
ならない透明導電性機能の発現の場合は当然のこととし
て、透明熱線カット機能の発現においても高価な塗料を
少量使用して機能発現させるためには該素材の熱線吸収
性能のみならず反射性能をも利用しなければならないか
らである。また、該塗料を高濃度の状態で、可塑剤等が
多量に含まれている非常に柔軟な厚い合わせガラス用中
間膜シート上に直接塗布することも、生産上困難であ
る。また、該塗料をガラス基板上に密着性良く塗布し、
合わせガラス用中間膜を介して2枚のガラス基板を貼り
合わせることも考えられる。しかしながら、この方法に
しても該塗料をガラス基板に塗布する故バッチ方式とな
り生産性が悪い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
従来技術の問題点に鑑みて、飛散防止用合わせガラスに
少なくとも熱線カット機能を発現させるに際して、従来
の方法に比べて安価にかつ生産性良く合わせガラスを製
造するための転写材料、および該転写材料を用いる合わ
せガラスの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
フィルム支持体の片面上に、金属酸化物および金属の少
なくとも1種を含有する熱線カット層、熱接着層または
光硬化性接着層をこの順に設け、さらに必要に応じて、
フィルム支持体と熱線カット層の間にアンダーコート層
を設けたことを特徴とする合わせガラス用転写材料に関
する。
【0013】請求項2に係る発明は、前記熱線カット層
が、少なくとも、平均1次粒子径0.2μm以下の、錫
ドープ酸化インジウムおよびアンチモンドープ酸化錫の
少なくとも1種とバインダー樹脂からなり、かつ熱線カ
ット層中の該金属酸化物の含有率が50〜90重量%で
あることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用転
写材料に関する。
【0014】請求項3に係る発明は、前記熱線カット層
が、可視光線透過率70%以上、かつ熱線カット率70
%以上の光学特性を有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載の合わせガラス用転写材料に関する。
【0015】請求項4に係る発明は、前記熱接着層が、
ポリビニルアセタール樹脂からなる請求項1〜3のいず
かに記載の合わせガラス用転写材料に関する。
【0016】請求項5に係る発明は、前記光硬化性接着
層が、光重合性組成物からなることを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載の合わせガラス用転写材料に関
する。
【0017】請求項6に係る発明は、前記光重合性組成
物が、バインダー、エチレン性不飽和化合物、光重合開
始剤からなり、該バインダーが水酸基を含有する有機高
分子であることを特徴とする請求項5記載の合わせガラ
ス用転写材料に関する。
【0018】請求項7に係る発明は、前記アンダーコー
ト層、および前記熱接着層または光硬化性接着層の少な
くとも1種が、紫外線カット機能および着色調色機能の
少なくとも1種を兼ね備えていることを特徴とする請求
項1〜6のいずれかに記載の合わせガラス用転写材料に
関する。
【0019】請求項8に係る発明は、(1)前記アンダ
ーコート層と前記熱線カット層の間、および(2)前記
熱線カット層と前記熱接着層または光硬化性接着層の間
の、少なくともいずれかに、紫外線カット機能および着
色調色機能の少なくとも1種を有する層が少なくとも1
層設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいず
れかに記載の合わせガラス用転写材料に関する。
【0020】請求項9に係る発明は、請求項1〜8いず
れかに記載の合わせガラス用転写材料を、その接着層が
ガラス基板と対面するよう重ね合わせ、加圧下に加熱し
てガラス基板と接着させた後、前記フィルム支持体を剥
し、ついで合わせガラス用中間膜を介して、加圧下に加
熱してもう一枚のガラス基板と接着させ、合わせガラス
を製造することを特徴とする合わせガラスの製造方法に
関する。
【0021】請求項10に係る発明は、前記接着層が光
硬化性接着層の場合、フィルム支持体を剥す前または剥
した後に光硬化させることを特徴とする請求項9記載の
合わせガラスの製造方法に関する。
【0022】請求項11に係る発明は、前記中間膜が、
紫外線カット機能、着色調色機能、遮音機能、断熱機能
の少なくとも1種を兼ね備えていることを特徴とする請
求項9または10記載の合わせガラスの製造方法に関す
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の合わせガラス用転写材料
および本発明の合わせガラスの製造方法により得られた
合わせガラスを図面を参照して説明する。図1は、本発
明の合わせガラス用転写材料の1実施例を示す概略部分
断面図である。図2は、本発明の合わせガラスの製造方
法の1実施例により得られた合わせガラスを示す概略部
分断面図である。図1に示される合わせガラス用転写材
料は、フィルム支持体1の片面上に、アンダーコート層
2、熱線カット層3、熱接着層または光硬化性接着層4
を順次設けた構成のものである。アンダーコート層2は
省略することができる。図2においては、図1に示され
る合わせガラス用転写材料の接着層4の側にガラス基板
6が積層され、フィルム支持体1を剥して露出したアン
ダーコート層2の面上に合わせガラス用中間膜5を介し
てガラス基板7が積層されている。なお、本発明の合わ
せガラス用転写材料は中間膜に転写することも可能であ
り、その場合は、得られた積層物からフィルム支持体を
剥した後、その両面にガラス基板を接着させる。
【0024】本発明においては、従来の合わせガラス用
中間膜とは別途に熱線カット機能層を有する合わせガラ
ス用転写材料を用い、これをガラス基板に転写させるこ
とによって、合わせガラスに熱線カット機能を付与す
る。しかも前記熱線カット機能層は塗布法によって形成
し、真空系を使用しない。したがって、熱線カット機能
層を有する合わせガラス用転写材料は連続法により生産
性よく製造でき、その結果総合的に生産性よく熱線カッ
ト機能を有する合わせガラスを製造できる。同様に、紫
外線カット機能、着色調色機能等各種機能を生産性よく
合わせガラスに付与できる。
【0025】本発明において使用されるフィルム支持体
としては、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリイミドフィルム等種々のフィルム
材料の使用が可能であるが、コストおよび性能の面から
ポリエステルフィルムが特に好ましい。フィルムの膜厚
はフィルム強度と熱転写時の熱の伝わり性の点から、1
2〜100μmが好ましい。
【0026】本発明において必要に応じて設けられるア
ンダーコート層としては、フィルム支持体から剥離でき
る機能のみならず、ポリビニルアセタール樹脂、部分ケ
ン化されたエチレン/酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/エ
チレン/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体等の
塩化ビニル共系重合体樹脂、エチレン/(メタ)アクリ
レート樹脂、プラスチゾル等からなる、厚さ0.1〜
1.5mmの合わせガラス用中間膜あるいはガラスとの
熱接着性が良好である機能が要求される。このような素
材としては、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポ
リビニルアセタール樹脂、アルコール可溶性ナイロンに
代表されるポリアミド樹脂、ポリメチル(メタ)アクリ
レート等のポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、メチ
ル(メタ)アクリレート/エチレン共重合体等の(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン/ベン
ジル(メタ)アクリレート/マレイン酸ハーフエステル
共重合体等のマレイン酸ハーフエステル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体樹脂、
アイオノマー樹脂等の変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル/エチレン共重合体、塩化ビニル/エ
チレン/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/アクリロニ
トリル共重合体等の塩化ビニリデン共重合体、ポリウレ
タン樹脂等から選ばれる少なくても1種の有機高分子重
合体が好ましい。合わせガラス用として最も多く使用さ
れているポリビニルブチラール樹脂よりなる中間膜シー
トと貼り合わせる場合には、ポリビニルブチラール樹脂
に代表されるポリビニルアセタール樹脂からなるアンダ
ーコート層を用いるのが、中間膜シートとの強固な接着
性を発現する上で特に好ましい。
【0027】また、アンダーコート層の上に設けられる
熱線カット層が固くて脆い層の場合、アンダーコート層
が柔らかすぎたりすると熱線カット層にクラック等が発
生する場合があるが、このような不具合を防止するため
には、0.2μm以下の平均粒子径を有する超微粒子の
シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、マイ
カ等を添加したり、あるいはポリヒドロキシスチレン樹
脂等のごとき剥離性を損なわず、かつ硬い樹脂等を添加
したり、あるいはアンダーコート層素材の成分中に水酸
基のごとき反応性基がある場合にはポリイソシアネート
やノボラックタイプのエポキシ樹脂等を添加することに
より、該アンダーコート層の膜物性をコントロールする
ことが可能である。これら添加剤の種類、配合量は目的
の膜物性の発現に応じて適宜選択される。
【0028】更に、前記アンダーコート層中には、着色
調色機能の発現のため、あるいは紫外線や熱線(赤外
線)の透過防止効率アップのため、必要に応じて、アゾ
系、メチン系、アンスラキノン系、キノフタロン系、ペ
リレン系、キサンテン系、クマリン系等の染料、アゾ
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、
ジオキサジン系、アンスラキノン系、イソインドリン系
等の有機顔料または無機顔料等の着色剤を添加すること
が可能である。勿論、使用できる着色剤の種類はこれら
に限定されるものではない。また着色剤の配合量は目的
に応じて適宜選択される。更に、前記アンダーコート層
中には、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、ベンゾフ
ェノン系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート
系、あるいは超微粒子の酸化チタンや酸化亜鉛等の従来
公知の透明性紫外線吸収剤を添加することも可能であ
る。これら紫外線吸収剤の種類、配合量は目的に応じて
適宜選択される。アンダーコート層の膜厚は付加される
機能により異なるが、一般には0.1〜40μmの範囲
が好ましく、特に0.5〜20μmの範囲が好ましい。
【0029】フィルム支持体上またはアンダーコート層
上に設けられる熱線カット層は、熱線カット機能を有す
る金属酸化物および金属の少なくとも1種とバインダー
樹脂からなる透明性の層である。熱線カット機能を有す
る素材としては、従来から、錫ドープ酸化インジウム
(以下、ITOという)やアンチモンドープ酸化錫(以
下、ATOという)、アルミニウムドープ酸化亜鉛や酸
化亜鉛/銀/酸化亜鉛の複合系等が知られている。一般
にITOやATOをはじめとする酸化物半導体物質は、
ある波長より長い光を反射するという性質を持ってい
る。このある波長はプラズマ振動数と呼ばれ、以下のよ
うに説明される。すなわち、自由電子が存在する導電体
の場合、電気的に中性を保っている物質が、入射光によ
り電荷密度の変化をもたらし中性に戻ろうとするとき振
動を生じ、これにより低い振動数、つまり長波長側の光
は物質に侵入できず反射され、短波長側の光のみを透過
する。しかしながら、従来のITOやATOの粉末で
は、このプラズマ振動を起こす波長が2μm程度であ
り、この領域では可視域に近い近赤外領域の光を反射で
きず、反射率の立ち上がり(カットオフ波長)をもっと
可視域に近づける必要がある。
【0030】特開平7―70363号公報には、バルク
自体の電子密度の向上や粒子表面の安定化をおこない、
カットオフ波長が従来のITO粉末に比べ1μm以上可
視域側にシフトした(すなわちカットオフ波長が1μm
以下の)ITO粉末を有機樹脂中に分散させた可視域の
透過率が80%以上でかつ近赤外線を効率よくカットで
きる塗膜の例が記載されているが、本発明においても、
このITO粉末は好ましく使用される。本発明において
用いられるITOやATO粉末は平均1次粒子径が0.
2μm以下のもの、さらにカットオフ波長が1000n
m以下のものが熱線カット機能、透明性の点から好まし
い。
【0031】前記ITOやATO粉末等の分散用のバイ
ンダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹
脂、あるいは紫外線硬化ハードコート剤等が挙げられ、
これらの1種または2種以上を使用できる。もとより、
これら以外の樹脂も使用可能である。
【0032】熱線カット層中のITOやATO粉末の含
有率あるいはITOやATO粉末とバインダー樹脂の比
率は、バインダー樹脂に対してこれら金属酸化物の割合
が多いほど熱線カットオフ効果が高くなることから、I
TOやATO粉末の含有率は50〜90重量%、なかん
ずく60〜80重量%の範囲が好ましく、ITOやAT
O粉末とバインダー樹脂の比率は重量比にて1/1〜9
/1、なかんずく6/4〜8/2の範囲が好ましい。熱
線カット層の厚さはコストおよび機能面から1.0〜
5.0μmの範囲が好ましい。厚さが前記範囲より小さ
いと熱線カット性能が劣る傾向にあり、一方前記範囲よ
り厚いと可視域の透明性が低下する傾向にある。一例と
して、7/3の重量比率でITOがアクリル樹脂中に分
散された熱線カット層の場合、2.0μmの膜厚で実用
上の機能を十分に発現できる。
【0033】前記構成の熱線カット層は可視光線透過率
が70%以上、かつ熱線カット率が70%以上のものが
好ましい。
【0034】前記熱線カット層上に設ける、ガラスまた
は合わせガラス用中間膜とも密着のよい接着層として
は、特開平5−186250号公報あるいは特開平5−
84738号公報等に記載されているポリビニルブチラ
ール樹脂に代表されるポリビニルアセタール樹脂系組成
物や塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メタ)アクリ
レート共重合体系組成物等、従来公知の合わせガラス用
中間膜素材から選択される材料からなる熱接着層や、以
下に説明する光硬化(重合性)接着層を使用することが
できるが、特に熱線カット層のクラック防止の観点から
光重合性接着層を使用するのが好ましい。
【0035】前記熱接着層としては、ガラスとの接着性
が良好な点からポリビニルブチラール樹脂で代表される
ポリビニルアセタール樹脂からなるものが好ましく、必
要に応じて可塑剤を添加することも可能である。可塑剤
としては、例えばトリエチレングリコールジ−2−エチ
ルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチ
ルブチレート、ジ−(ブチルジグリコール)アジペート
等が挙げられる。可塑剤の使用割合は、ポリビニルアセ
タール樹脂100重量部に対して0〜50重量部程度で
ある。
【0036】前記光硬化(重合)性接着層には従来公知
の種々の感光性組成物が使用可能であるが、分子中に水
酸基、とくにアルコール性水酸基を有するバインダー、
エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤よりなる光重合
性組成物を使用するのがガラスとの密着性の観点から好
ましい。
【0037】2級アルコール性水酸基を有するバインダ
ーの代表例はポリビニルブチラール樹脂に代表されるポ
リビニルアセタール樹脂である。また、1級アルコール
性水酸基を有するバインダーとしては、例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル
アクリルアミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート等から選ばれる1級アルコール性水酸
基を有するエチレン性不飽和モノマー、特に(メタ)ア
クリレートの少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、ブタジエン、イ
ソプレン、アクリルアミド等から選ばれる少なくとも1
種のモノマーとの共重合体等が挙げられる。具体的に
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)ア
クリレート共重合体、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレー
ト共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト/塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0038】前記1級アルコール性水酸基を有する共重
合体の場合、1級アルコール性水酸基を有するモノマー
の共重合割合は、全モノマー100重量部に対して、5
〜30重量部が好ましい。1級アルコール性水酸基を有
するモノマーの割合が5重量部未満ではガラスとの密着
性の発現が劣り、一方30重量部を超えると水分を吸収
しやすく白化現象等を起こしやすい。また、前記1級ア
ルコール性水酸基を有する共重合体の重量平均分子量
は、感光性組成物の塗布適性の観点から1000〜10
0000が好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂
を使用する場合には、重合度が200〜2000のもの
が好適に使用される。
【0039】前記エチレン性不飽和化合物は、沸点が常
圧で100℃以上の化合物であり、例えばポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(アクリロイルオキシエチル)エーテ
ル、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンもしくはグリセリン等の多官能アルコールにエ
チレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた
後で(メタ)アクリレート化したもの、更に特公昭48
−41708号公報、同50−60345号公報、特開
昭51−37193号公報に記載されているウレタンア
クリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭
49−43191号公報、同52−30490号公報な
どに記載されているポリエステルアクリレート類、エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポ
キシアクリレート類等を挙げることができる。
【0040】バインダー樹脂に対するエチレン性不飽和
化合物の配合割合は、バインダー樹脂100重量部に対
して20〜80重量部が好ましい。エチレン性不飽和化
合物の割合が20重量部未満では光硬化効率が悪く、一
方80重量部を超えると均一な塗工液が得られない場合
がある。また、エチレン性不飽和化合物の官能基スパン
の長さを変えたり、あるいは多官能性エチレン性不飽和
化合物の一部を単官能性モノマーに置き換えることによ
り、光硬化膜の物性を柔らかい膜から硬い膜までコント
ロールすることが可能である。これらは目的に応じて使
い分けることができる。
【0041】前記光重合開始剤としては、例えばベンジ
ル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン類等の
アシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の
アシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、チオキサントン−1−スルフォン
酸、チオキサントン−4−スルフォン酸等のチオキサン
トン類、ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルア
ミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、p−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、α,α′−ジメトキシアセト
キシアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2
−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
フォリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン類、アン
スラキノン、1,4−ナフトキノン、3−クロロベンズ
アンスロン等のキノン類、フェナンシルクロライド、ト
リブロモメチルスルフォン、トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、特開
昭63−153542号公報記載のジ−t−ブチルパー
オキサイド等の過酸化物、9−フェニルアクリジン等の
アクリジン類、あるいは2,4,5−トリアリールイミ
ダゾール二量体と2−メルカプトベンズオキサゾール又
はロイコクリスタルバイオレット等との組み合わせ、米
国特許第3427161号明細書記載の4,4−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノン又
はベンゾインメチルエーテル等との組み合わせ、米国特
許第4239850号明細書記載のベンゾイル−N−メ
チルナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジンとの組
み合わせ、特開昭57−23602号公報記載のジメチ
ルチオキサントンと4−ジアルキルアミノ安息香酸エス
テルとの組み合わせ等を初めとするフォトポリマー・テ
クノロジー(日刊工業新聞社発行)等に記載の従来公知
の光重合開始剤を使用することができる。
【0042】これら光重合開始剤の量は前記エチレン性
不飽和化合物100重量部に対して0.1〜20重量部
の範囲で使用するのが好ましい。これより少ないと光感
度が低下し、これより多いと開始剤の結晶の析出等が起
こり易い。
【0043】前記光重合性接着剤層や熱接着剤層中に
は、紫外線カット機能、着色調色機能を発現させるた
め、紫外線吸収剤や着色剤を添加することができる。こ
れら紫外線吸収剤や着色剤としては、前記アンダーコー
ト層に使用したもの等が適宜選択使用できる。更に、特
開平5−70188号公報、特開平5−186250号
公報、特開平5−178644号公報等に記載のトリエ
チレングリコール−2−エチルブチレート等の可塑剤、
カルボン酸金属塩、有機酸、変性シリコーンオイル、シ
ランカップリング剤、有機チタネート等のガラスとの密
着調整剤等を添加しても良い。これら添加剤の量は用い
る目的に応じて適宜選択される。
【0044】前記熱接着層あるいは光重合性接着層の厚
さは1.0〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲未満
では接着性が不足し、一方前記範囲より厚いと生産上不
経済である。前記熱接着層や光重合性接着層の上には、
必要に応じ、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、あるいは離型剤が設けられたポリエステルフィ
ルムのごときセパレーターフィルムを設けても良い。
【0045】本発明においては、前記フィルム支持体と
熱線カット層との間(アンダーコート層を設けない場
合)、アンダーコート層と熱線カット層との間、および
/または、熱線カット層と接着層との間に、紫外線カッ
ト層および/または着色調色層、あるいは紫外線カット
機能および着色調色機能を併せ持つ層を設けることがで
きる。これらの層に使用する紫外線吸収剤や着色剤等は
前記アンダーコート層に使用したもの等が適宜選択使用
できる。
【0046】本発明の合わせガラス用転写材料を構成す
る各層を形成するための塗布組成物には、先に説明した
以外に、塗布面のユズ肌防止や表面の濡れ性改善のため
にフッ素系やシリコーン系の界面活性剤、あるいはシラ
ンカップリング剤等の密着促進剤、従来公知の酸化防止
剤や熱重合防止剤などを添加することができる。なお、
本発明において使用される顔料や金属酸化物の微分散に
関しては、少なくとも溶媒と分散剤の存在下、例えばボ
ールミル、ホモジナイザー、ペブルミル、サンドミル、
ナノマイザーなどを用いる従来公知の方法により分散す
ることができる。分散剤や使用溶媒に関しても、例えば
特開平5−34920号公報に記載の種々の分散剤や溶
媒等従来公知の素材が使用できる。また各層の塗布組成
物を塗布する方法としては、バーコート法、グラビアコ
ート法、エクストルージョン法等従来公知の塗布方法を
使用することができる。
【0047】本発明の合わせガラス用転写材料を用いる
合わせガラスの製造方法においては、前記の合わせガラ
ス用転写材料を、その接着層がガラス基板と対面するよ
う重ね合わせ、加圧下に加熱してガラス基板と接着させ
た後、前記フィルム支持体を剥し、ついで合わせガラス
用中間膜を介して、加圧下に加熱してもう一枚のガラス
基板と接着させ、合わせガラスを製造することができ
る。前記接着層が光硬化性接着層の場合、フィルム支持
体を剥す前または剥した後に光硬化させる。
【0048】ガラスに接着層を加熱・加圧接着させる方
法としては従来公知の方法が使用可能であるが、光重合
性接着層をガラスに加熱・加圧接着させるには、熱ラミ
ネーターによる方法が好ましい。光重合性接着層を光硬
化させる露光光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ等を使用することが可能である。また、転
写材料をガラスに接着後露光するに際しては、ガラス側
から、あるいは転写材料側から、あるいは両側から露光
することができる。露光に際しては、フィルム支持体を
剥離してから露光してもよいし、フィルム支持体を剥離
しない状態で露光し、その後フィルム支持体を剥離して
もよい。その後、中間膜を介して2枚の合わせガラスを
加熱・加圧接着させ、合わせガラスを製造するに際して
は従来公知の材料および製造方法を使用して製造するこ
とができる。
【0049】例えば、合わせガラス用中間膜素材として
は、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニル
アセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/エチレ
ン共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル/グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、部分ケン
化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
(メタ)アクリレート共重合体、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂とアルキルベンジルフタレートからなるプ
ラスチゾル等が挙げられ、これらは通常厚さが0.1〜
2.0mmのシート状物として使用される。ガラスとの
密着性、透明性、衝撃エネルギー吸収性等の観点から、
特に自動車分野においては、ポリビニルブチラール樹脂
に代表されるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤からな
る厚さ0.1〜1.5mmのポリビニルアセタール樹脂
シートが好ましく使用される。その外に、建材用等の分
野においては、部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メタ)
アクリレート共重合体等も好ましく使用される。合わせ
ガラス中間膜には、紫外線吸収剤や着色剤を含有させて
紫外線カット機能や着色調色機能、さらに遮音機能、断
熱機能等を持たせることができる。使用する紫外線吸収
剤や着色剤等は前記アンダーコート層に使用したもの等
が適宜選択使用できる。
【0050】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0051】実施例1 厚さ25μmのポリエステルフィルムの片面に、ポリビ
ニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、#200
0−L、重合度300)10重量部、n−プロピルアル
コール90重量部からなる塗液を乾燥膜厚3μmになる
ように塗布、乾燥してアンダーコート層を形成した。そ
の上に、超微粒子のITO粉末(平均1次粒子径:0.
02μm)28重量部、アクリル共重合体樹脂12重量
部、キシレン30重量部、トルエン20重量部、エタノ
ール10重量部よりなるITO分散塗液(粘度:70c
ps/20℃、50%平均粒子径:0.05μm)を乾
燥膜厚2μmになるように塗布、乾燥して、熱線カット
層を形成した。さらにその上に、ポリビニルブチラール
樹脂(電気化学工業(株)製、#2000−L)10重
量部、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(ポ
リプロピレングリコール部分の重合度n=14)3重量
部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート1重量
部、9−フェニルアクリジン0.5重量部、n−プロピ
ルアルコール85.5重量部からなる塗液を乾燥膜厚5
μmになるように塗布、乾燥して、光重合性接着層を形
成し、その後厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを
その上にラミネートしてカバーフィルムとし、転写材料
を製造した。
【0052】次に、この転写材料のカバーフィルムを剥
がした後、ラミネーター(大成ラミネーター(株)製、
ファーストラミネーターVAII−700)により、速度
0.2m/分、温度130℃、圧力2.5Kg/cm2
の条件下で、接着層側を厚さ1.5mmのガラス板と接
着させた。その後、メタルハライドランプによりガラス
側から367nmの紫外線光を200mJ/cm2のエ
ネルギーで照射して接着層を硬化させ、ポリエステルフ
ィルムを剥離することによってガラス板への転写を完了
した。次に、合わせガラス用ポリビニルブチラール樹脂
中間膜シート(積水化学工業(株)製、エスレックフィ
ルム、膜厚0.38mm)を、前記ガラス板に接着され
た転写層の表面に出ているアンダーコート層と、もう一
枚のガラス板との間に挿入し、はみ出した部分を切り取
った。次に、この積層体をラバーバッグに入れ、ラバー
バッグ内を減圧系に接続し、80℃の外気加熱温度で1
0分間300mmHgの減圧下で保持し、外気圧に戻し
て予備圧着を終了した。次に予備圧着後の積層体をオー
トクレーブ内にて、圧力14Kg/cm2、温度140
℃の条件で10分間保持し、その後50℃まで温度を下
げて除圧し、本圧着を終了し、合わせガラスを製造し
た。
【0053】実施例2 実施例1において、合わせガラス用中間膜シートとして
部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル樹脂シート(武
田薬品工業(株)製、タケメルト、膜厚0.25mm)
を用いた以外は同様にして、合わせガラスを製造した。
【0054】実施例3 実施例1において、光重合性接着層のバインダーとして
用いたポリビニルブチラール樹脂の代わりに、2―ヒド
ロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/
ベンジルメタクリレート共重合樹脂(仕込みモル比:2
2/14/64、重量平均分子量:5000〜600
0)を使用し、該樹脂10重量部、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート(n=14)3重量部、ペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート1重量部、9−フェ
ニルアクリジン0.5重量部、メチルエチルケトン60
重量部、メチルセロソルブアセテート25.5重量部よ
りなる塗液を乾燥膜厚5μmになるように塗布、乾燥し
て光重合性接着層を形成した転写材料を用いた以外は同
様にして、合わせガラスを製造した。
【0055】実施例4 実施例1において、転写材料のアンダーコート層とし
て、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)
製、#2000−L)10重量部、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール/2−(5−t−オクチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(=1/2重
量比)よりなる紫外線吸収剤0.4重量部、n−プロピ
ルアルコール60重量部、メチルエチルケトン30重量
部よりなる塗液を乾燥膜厚10μmになるようにポリエ
ステルフィルム上に塗布、乾燥して形成したアンダーコ
ート層を有する転写材料を用いた以外は実施例1と同様
にして、熱線カット機能のみならず紫外線カット機能を
も有する合わせガラスを製造した。
【0056】実施例5 実施例1において、合わせガラス用中間膜としてポリビ
ニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)製、エスレッ
クBM−2)100重量部、可塑剤としてトリエチレン
グリコールジ2−エチルブチレート40重量部、着色剤
としてアンスラキノンブルー0.1重量部、モノアゾイ
エロー0.1重量部、アンスラキノンバイオレット0.
15重量部、紫外線吸収剤として、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール/2−(5−t−オクチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(=1/2重
量比)0.6重量部よりなる組成物をロールで混練り
し、0.5mm厚のシート状に成形した中間膜シートを
用いた以外は実施例1と同様にして、熱線カット機能の
みならず紫外線カット機能、着色調色機能をも有する合
わせガラスを製造した。
【0057】実施例6 実施例1において、光重合性接着層の代わりに、ポリビ
ニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、#200
0−L)9重量部、トリエチレングリコールジ2−エチ
ルブチレート1重量部、n―プロピルアルコール90重
量部よりなる組成液を、乾燥膜厚4μmになるように塗
布、乾燥して熱接着層を形成した転写材料を用いた以外
は同様にして(ただし、光硬化工程は行なわなかっ
た)、合わせガラスを製造した。
【0058】以上の実施例1〜6において製造した合わ
せガラスは、充分な飛散防止機能を示しただけでなく、
いずれも熱線カット率80%以上を示し、また着色層を
含まない実施例1〜4、6の合わせガラスは可視光線透
過率が70%以上と透明で且つ高い熱線カット率を示し
た。なお、可視光線透過率はJIS R 3106の方
法により測定し、熱線カット率は波長780〜2500
nmの赤外光がすべて透過した場合を100%とし、波
長780〜2500nmの積算透過率を求め、この値を
差し引いて算出した。
【0059】
【発明の効果】本発明の合わせガラス用転写材料および
該転写材料を用いた合わせガラスの製造方法によるとき
は、従来からの飛散防止機能を高めると同時に高い熱線
カット性能を容易に付与することができ、かつ低コスト
で生産性に優れた合わせガラスを提供することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラス用転写材料の1実施例を
示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の合わせガラスの製造方法の1実施例に
より製造された合わせガラスの概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 フィルム支持体 2 アンダーコート層 3 熱線カット層 4 接着層 5 中間膜 6、7 ガラス基板
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA28B AB21B AB22B AG00D AG00E AK01B AK01K AK23 AK23C AK23G AK25 AK41 AL01 AL05C AT00 AT00A AT00D AT00E BA05 BA06 BA07 BA10D BA10E CA02C CA02H CA23 CB02 CB03C CB03G CB04C CB04G DE04 DE04B EJ20 EJ24 EJ54 GB07 GB32 JB14C JD09C JD10 JD10B JK20 JL02 JL10C JN01B 4G061 AA11 AA21 AA26 BA01 BA02 BA03 CA01 CA03 CB12 CB14 CB18 CB19 CD02 CD18 DA23 DA29 DA35

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム支持体の片面上に、金属酸化物
    および金属の少なくとも1種を含有する熱線カット層、
    熱接着層または光硬化性接着層をこの順に設け、さらに
    必要に応じて、フィルム支持体と熱線カット層の間にア
    ンダーコート層を設けたことを特徴とする合わせガラス
    用転写材料。
  2. 【請求項2】 前記熱線カット層が、少なくとも、平均
    1次粒子径0.2μm以下の、錫ドープ酸化インジウム
    およびアンチモンドープ酸化錫の少なくとも1種とバイ
    ンダー樹脂からなり、かつ熱線カット層中の該金属酸化
    物の含有率が50〜90重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の合わせガラス用転写材料。
  3. 【請求項3】 前記熱線カット層が、可視光線透過率7
    0%以上、かつ熱線カット率70%以上の光学特性を有
    することを特徴とする請求項1または2記載の合わせガ
    ラス用転写材料。
  4. 【請求項4】 前記熱接着層が、ポリビニルアセタール
    樹脂からなる請求項1〜3のいずかに記載の合わせガラ
    ス用転写材料。
  5. 【請求項5】 前記光硬化性接着層が、光重合性組成物
    からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の合わせガラス用転写材料。
  6. 【請求項6】 前記光重合性組成物が、バインダー、エ
    チレン性不飽和化合物、光重合開始剤からなり、該バイ
    ンダーが水酸基を含有する有機高分子であることを特徴
    とする請求項5記載の合わせガラス用転写材料。
  7. 【請求項7】 前記アンダーコート層、および前記熱接
    着層または光硬化性接着層の少なくとも1種が、紫外線
    カット機能および着色調色機能の少なくとも1種を兼ね
    備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の合わせガラス用転写材料。
  8. 【請求項8】 (1)前記アンダーコート層と前記熱線
    カット層の間、および(2)前記熱線カット層と前記熱
    接着層または光硬化性接着層の間の、少なくともいずれ
    かに、紫外線カット機能および着色調色機能の少なくと
    も1種を有する層が少なくとも1層設けられていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の合わせガ
    ラス用転写材料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の合わせ
    ガラス用転写材料を、その接着層がガラス基板と対面す
    るよう重ね合わせ、加圧下に加熱してガラス基板と接着
    させた後、前記フィルム支持体を剥し、ついで合わせガ
    ラス用中間膜を介して、加圧下に加熱してもう一枚のガ
    ラス基板と接着させ、合わせガラスを製造することを特
    徴とする合わせガラスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記接着層が光硬化性接着層の場合、
    フィルム支持体を剥す前または剥した後に光硬化させる
    ことを特徴とする請求項9記載の合わせガラスの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記中間膜が、紫外線カット機能、着
    色調色機能、遮音機能、断熱機能の少なくとも1種を兼
    ね備えていることを特徴とする請求項9または10記載
    の合わせガラスの製造方法。
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