JP2000219541A - 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法 - Google Patents

合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法

Info

Publication number
JP2000219541A
JP2000219541A JP11018512A JP1851299A JP2000219541A JP 2000219541 A JP2000219541 A JP 2000219541A JP 11018512 A JP11018512 A JP 11018512A JP 1851299 A JP1851299 A JP 1851299A JP 2000219541 A JP2000219541 A JP 2000219541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminated glass
heat ray
function
laminated
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11018512A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Nagareo
秀樹 流尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd, Fujicopian Co Ltd filed Critical Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Priority to JP11018512A priority Critical patent/JP2000219541A/ja
Publication of JP2000219541A publication Critical patent/JP2000219541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合わせガラスに、飛散防止の機能のみなら
ず、熱線カット機能等の各種の機能を生産性よく付与で
きる合わせガラス用貼り合わせ材料およびそれを用いる
合わせガラスの製造方法を提供する。 【解決手段】 透明フィルム支持体の片面上に、金属酸
化物および金属の少なくとも1種を含有する熱線カット
層を設け、前記熱線カット層の表面上および前記透明フ
ィルム支持体の前記熱線カット層を設けた面の反対面上
の少なくとも1方に、熱接着層または光硬化性接着層を
設けたことを特徴とする合わせガラス用貼り合わせ材
料、および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用貼
り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガ
ラスの製造方法に関する。さらに詳しくは、合わせガラ
スの安全性の機能のみならず、少なくとも熱線カット機
能を初めとする各種の機能を有する合わせガラスを生産
効率よく製造するために有利に使用される合わせガラス
用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わ
せガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスは透明性、ファッション
性、防火性などの面から見直され、自動車分野をはじ
め、建築分野、さらにはエレクトロニクス関連分野など
各方面への利用が拡大されている。しかしながらガラス
は衝撃に弱いため、安全性の面からその利用については
かなりの制限がある。このような安全性の要求を満たす
ものとして、現在、合わせガラスが破損時にガラスの破
片が飛散しなくて安全性が高いことから、自動車等の交
通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等の用途を中心に
広く利用されている。そして、最近の傾向として、合わ
せガラスの飛散防止の安全性機能のみならず、他の機能
をも求める動きが強まっている。
【0003】その他の機能としては、熱線カット機能、
紫外線カット機能、着色調色機能、調光機能、ミラー機
能などの光学的機能、透明導電性機能、帯電防止機能、
電熱機能などの電気的機能、電磁波シールド機能、透明
アンテナ機能などの電磁気的機能、耐擦傷性機能などの
機械的機能、防曇機能、抗菌機能、脱臭機能などの化学
的機能、装飾性機能、遮音機能、断熱機能(主に熱伝導
性の低減によるものをいう)などが挙げられる。
【0004】そして、これらの機能の発現方法として、
例えば、厚膜を必要とする遮音機能や断熱機能に関して
は合わせガラス用中間膜の改良を通して、また耐擦傷性
機能に関してはハードコート剤コーティングを通して、
防曇機能、抗菌機能、脱臭機能等に関してはゾル−ゲル
法等の膜形成を通して、熱線カット機能、調光機能、ミ
ラー機能、透明導電性機能、電熱機能、電磁波シールド
機能等に関してはガラスに直接スパッタや蒸着により金
属酸化物薄膜および/または金属薄膜を設ける方法を通
して(防曇、抗菌、脱臭機能、紫外線カット機能、着色
調色機能等が含まれる場合もある)、また紫外線カット
機能に関しては紫外線吸収剤を中間膜に含有させる方法
を通して、また着色調色機能に関しては、中間膜を着色
する方法や印刷を施す方法を通して一般に発現してい
る。
【0005】一方、合わせガラス用中間膜素材として
は、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニル
アセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/エチレ
ン共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル/グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、部分ケン
化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
(メタ)アクリレート共重合体、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂とアルキルベンジルフタレートからなるプ
ラスチゾル等が挙げられるが、ガラスとの密着性、透明
性、衝撃エネルギー吸収性等の観点から、特に自動車分
野においては、ポリビニルブチラール樹脂に代表される
ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤からなる厚さ0.1
〜1.5mmのポリビニルアセタール樹脂シートが殆ど
である。そして現在においても、この系に関して、シー
ト保存時の自己ブロッキング性、加工時の真空密着性、
エッジ部からの水分の侵入による白化性などの改善が種
々なされている。その外に、建材用等の分野において
は、部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体等も好ましく使用されている。
【0006】従来、2枚のガラス板の間に中間膜を介在
させることにより飛散防止機能を発現する合わせガラス
の場合、更なる高機能化を図る方法としては、遮音機能
や断熱機能、あるいは紫外線カット機能や着色調色機能
等は、中間膜の改良や紫外線吸収剤や着色剤を中間膜中
に含有させることにより、発現している場合が多い。
【0007】しかしながら、より高効率の熱線カット性
を目指すために反射特性をも利用したい透明熱線カット
機能(高い可視光線透過率を維持しつつ熱線をカットす
る機能をいう)やミラー機能、調光機能、あるいは透明
導電性機能、電熱機能、電磁波シールド機能(紫外線カ
ット機能、装飾機能等も含まれる)等の発現のために
は、通常、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化ビスマス、Ag、Al、Au、Cu、Cr
等の、金属酸化物および/または金属をスパッタや蒸
着、CVD等により、少なくとも一方のガラス基板上に
薄膜で設け、中間膜を介して合わせガラスとし、高機能
化を図るのが通常である。このような中で透明熱線カッ
ト機能の付与は、例えば自動車の窓ガラスを例にとれ
ば、夏期における太陽光による車内温度の上昇を抑えた
り、冷房用電力節減効果を発揮させたり、冬期の車内の
暖房効率を発揮させたりするためにも特に望まれてい
る。しかしながら、上記のような方法はバッチ方式の真
空系を採用せざるを得ず、非常に生産性が悪い。
【0008】一方、透明熱線(赤外線)カット用素材や
透明導電性素材としては、最近になって、超微粒子のス
ズ(Sn)ドープ酸化インジウム、アンチモン(Sb)
ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛等を溶剤
中に結合剤と共に高濃度(対結合剤比)に分散し、基材
上に薄膜コーティングする塗料が開発されている。特
に、特開平7−070363号公報に記載されているス
ズドープ酸化インジウム系は、可視光の透過性と熱線カ
ット率の両者が共に大きいことから透明熱線カット素材
としては特に優れているものである。
【0009】もし、これらコーティング可能な塗料を用
いて合わせ用ガラスの中間膜に種々の機能を発現できる
ならば、真空系を用いる系に比べて生産性の面で大きな
価値がある。
【0010】しかしながら、これらの塗料から得られる
機能層は前記金属酸化物が該層中で高濃度の状態で分散
されていて初めて機能を発現するものである。従来の合
わせガラス用中間膜シートのごとき厚い膜中に低濃度の
状態で分散されている場合にはその機能を発現する事が
できない。何故ならば、分散粒子が繋がっていなければ
ならない透明導電性機能の発現の場合は当然のこととし
て、透明熱線カット機能の発現においても高価な塗料を
少量使用して機能発現させるためには該素材の熱線吸収
性能のみならず反射性能をも利用しなければならないか
らである。また、該塗料を高濃度の状態で、可塑剤等が
多量に含まれている非常に柔軟な厚い合わせガラス用中
間膜シート上に直接塗布することも、生産上困難であ
る。また、該塗料をガラス基板上に密着性良く塗布し、
合わせガラス用中間膜を介して2枚のガラス基板を貼り
合わせることも考えられる。しかしながら、この方法に
しても該塗料をガラス基板に塗布する故バッチ方式とな
り生産性が悪い。
【0011】更に、最近は建材分野において、2枚の中
間膜の間にポリエステルフィルム等を挟み込み、盗難防
止機能を持たせた合わせガラスのニーズも高まってい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
従来技術の問題点に鑑みて、飛散防止用合わせガラスに
少なくとも熱線カット機能と、さらに好ましくは盗難防
止機能を発現させるに際して、1枚の貼り合わせ材料と
1枚の中間膜シートを用いて、従来の方法に比べて安価
にかつ生産性良く合わせガラスを製造するための当該貼
り合わせ材料、および該貼り合わせ材料を用いる合わせ
ガラスの製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
透明フィルム支持体の片面上に、金属酸化物および金属
の少なくとも1種を含有する熱線カット層を設け、前記
熱線カット層の表面上および前記透明フィルム支持体の
前記熱線カット層を設けた面の反対面上の少なくとも1
方に、熱接着層または光硬化性接着層を設けたことを特
徴とする合わせガラス用貼り合わせ材料に関する。
【0014】請求項2に係る発明は、前記熱線カット層
が、少なくとも、平均1次粒子径0.2μm以下の、錫
ドープ酸化インジウムおよびアンチモンドープ酸化錫の
少なくとも1種とバインダー樹脂からなり、かつ熱線カ
ット層中の該金属酸化物の含有率が50〜90重量%で
あることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用貼
り合わせ材料に関する。
【0015】請求項3に係る発明は、前記熱線カット層
が、可視光線透過率70%以上、かつ熱線カット率70
%以上の光学特性を有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載の合わせガラス用貼り合わせ材料に関する。
【0016】請求項4に係る発明は、前記光硬化性接着
層のバインダーが、水酸基を含有する有機高分子である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合わ
せガラス用貼り合わせ材料に関する。
【0017】請求項5に係る発明は、前記フィルム支持
体、および前記熱接着層または光硬化性接着層の少なく
とも1種が、紫外線カット機能および着色調色機能の少
なくとも1種を兼ね備えていることを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載の合わせガラス用貼り合わせ材
料に関する。
【0018】請求項6に係る発明は、(1)前記フィル
ム支持体と前記熱線カット層の間、および(2)前記熱
線カット層と前記熱接着層または光硬化性接着層の間
の、少なくともいずれかに、紫外線カット機能および着
色調色機能の少なくとも1種を有する層が少なくとも1
層設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の合わせガラス用貼り合わせ材料に関する。
【0019】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載の合わせガラス用貼り合わせ材料を、その
接着層がガラス基板と対面するように重ね合わせ加圧下
に加熱してガラス基板と接着させ、必要に応じ光硬化さ
せた後、合わせガラス用貼り合わせ材料の他面を、合わ
せガラス用中間膜を介して、加圧下に加熱してもう一枚
のガラス基板と接着させ、合わせガラスを製造すること
を特徴とする合わせガラスの製造方法関する。
【0020】請求項8に係る発明は、前記中間膜が、紫
外線カット機能および着色調色機能の少なくとも1種を
兼ね備えていることを特徴とする請求項7記載の合わせ
ガラスの製造方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の合わせガラス用貼り合わ
せ材料および本発明の合わせガラスの製造方法により得
られた合わせガラスを図面を参照して説明する。図1
は、本発明の合わせガラス用貼り合わせ材料の1実施例
を示す概略部分断面図である。図2は、本発明の合わせ
ガラスの製造方法の1実施例により得られた合わせガラ
スを示す概略部分断面図である。図1において、1は合
わせガラス用貼り合わせ材料であり、この合わせガラス
用貼り合わせ材料1は、透明フィルム支持体2の片面に
熱線カット層3、熱接着層または光硬化性接着層4を順
次設けた構成のものである。熱接着層または光硬化性接
着層4は、熱線カット層3の上に設けず、該透明フィル
ム支持体2の裏面に設けてもよく、あるいは熱線カット
層3の上と透明フィルム支持体2の裏面の両方に設けて
もよいが、図1に示される層構成のものが性能面、生産
性の点から好ましい。図2においては、図1に示される
合わせガラス用貼り合わせ材料1の接着層4の側にガラ
ス基板6が積層され、透明フィルム支持体2の裏面に合
わせガラス用中間膜5を介してガラス基板7が積層され
ている。中間膜は貼り合わせ材料のいずれか一方側に積
層すればよいが、接着層4を熱線カット層3の上に設け
ずに透明フィルム支持体2の裏面に設けた構成の貼り合
わせ材料の場合は、中間膜を熱線カット層3の側に積層
するのが好ましい。
【0022】本発明においては、従来の合わせガラス用
中間膜とは別途に合わせガラス用貼り合わせ材料を用
い、これに熱線カット機能を持たせることによって、合
わせガラスに熱線カット機能を付与する。しかも熱線カ
ット機能層は塗布法によって形成し、真空系を使用しな
い。したがって、熱線カット機能を有する合わせガラス
用貼り合わせ材料は連続法により生産性よく製造でき、
その結果総合的に生産性よく熱線カット機能を有する合
わせガラスを製造できる。同様に、紫外線カット機能、
着色調色機能等各種機能を生産性よく合わせガラスに付
与できる。更に合わせガラス用貼り合わせ材料のフィル
ム支持体として強度の大きなフィルム材料を使用するこ
とによって良好な盗難防止機能を付与することができ
る。次に本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明において使用される透明フィルム支
持体としては、ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等種々のフィ
ルム材料の使用が可能であるが、コストおよび性能の面
からポリエステルフィルムが特に好ましい。フィルムの
膜厚はフィルム強度と熱接着時の熱の伝わり性の点か
ら、12〜100μmが好ましい。該フィルム支持体中
には、着色調色機能の発現のため、あるいは紫外線や熱
線(赤外線)の透過防止効率アップのため、必要に応じ
て、アゾ系、メチン系、アンスラキノン系、キノフタロ
ン系、ペリレン系、キサンテン系、クマリン系等の染
料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリ
レン系、ジオキサジン系、アンスラキノン系、イソイン
ドリン系等の有機顔料または無機顔料等の着色剤を添加
することが可能である。勿論、使用できる着色剤の種類
はこれらに限定されるものではない。また着色剤の配合
量は目的に応じて適宜選択される。更に、前記フィルム
支持体中には、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、ベ
ンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、シアノアクリ
レート系、あるいは超微粒子の酸化チタンや酸化亜鉛等
の従来公知の透明性紫外線吸収剤を添加することも可能
である。これら紫外線吸収剤の種類、配合量は目的に応
じて適宜選択される。
【0024】フィルム支持体上に設けられる熱線カット
層は、熱線カット機能を有する金属酸化物および金属の
少なくとも1種とバインダー樹脂からなる透明性の層で
ある。熱線カット機能を有する素材としては、従来か
ら、錫ドープ酸化インジウム(以下、ITOという)や
アンチモンドープ酸化錫(以下、ATOという)、アル
ミニウムドープ酸化亜鉛や酸化亜鉛/銀/酸化亜鉛の複
合系等が知られている。一般にITOやATOをはじめ
とする酸化物半導体物質は、ある波長より長い光を反射
するという性質を持っている。このある波長はプラズマ
振動数と呼ばれ、以下のように説明される。すなわち、
自由電子が存在する導電体の場合、電気的に中性を保っ
ている物質が、入射光により電荷密度の変化をもたらし
中性に戻ろうとするとき振動を生じ、これにより低い振
動数、つまり長波長側の光は物質に侵入できず反射さ
れ、短波長側の光のみを透過する。しかしながら、従来
のITOやATOの粉末では、このプラズマ振動を起こ
す波長が2μm程度であり、この領域では可視域に近い
近赤外領域の光を反射できず、反射率の立ち上がり(カ
ットオフ波長)をもっと可視域に近づける必要がある。
【0025】特開平7―70363号公報には、バルク
自体の電子密度の向上や粒子表面の安定化をおこない、
カットオフ波長が従来のITO粉末に比べ1μm以上可
視域側にシフトしたITO粉末を有機樹脂中に分散させ
た可視域の透過率が80%以上でかつ近赤外線を効率よ
くカットできる塗膜の例が記載されているが、本発明に
おいても、このITO粉末が好ましく使用される。本発
明において用いられるITOやATO粉末は平均1次粒
子径が0.2μm以下のもの、さらにカットオフ波長が
1000nm以下のものが熱線カット機能、透明性の点
から好ましい。
【0026】前記ITOやATO粉末等の分散用のバイ
ンダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹
脂、あるいは紫外線硬化ハードコート剤等が挙げられ、
これらの1種または2種以上を使用できる。もとより、
これら以外の樹脂も使用可能である。
【0027】熱線カット層中のITOやATO粉末の含
有率あるいはITOやATO粉末とバインダー樹脂の比
率は、バインダー樹脂に対してこれら金属酸化物の割合
が多いほど熱線カットオフ効果が高くなることから、I
TOやATO粉末の含有率は50〜90重量%、なかん
ずく60〜80重量%の範囲が好ましく、ITOやAT
O粉末とバインダー樹脂の比率は重量比にて1/1〜9
/1、なかんずく6/4〜8/2の範囲が好ましい。熱
線カット層の厚さはコストおよび機能面から1.0〜
5.0μmの範囲が好ましい。厚さが前記範囲より小さ
いと熱線カット性能が劣る傾向にあり、一方前記範囲よ
り厚いと可視域の透明性が低下する傾向にある。一例と
して、7/3の重量比率でITOがアクリル樹脂中に分
散された熱線カット層の場合、2.0μmの膜厚で実用
上の機能を十分に発現できる。
【0028】前記構成の熱線カット層は可視光線透過率
が70%以上、かつ熱線カット率が70%以上のものが
好ましい。
【0029】本発明においては、必要に応じて、フィル
ム支持体と熱線カット層の間の密着力を向上させる目的
で、フィルム支持体と熱線カット層の間に中間接着層を
設けてもよい。この中間接着層に使用可能なバインダー
としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル
樹脂、ポリアセタール樹脂等の接着性が良好な有機高分
子重合体が適宜選択使用できる。中間接着層の膜厚は
0.1〜20μmの範囲が好ましく、特に0.5〜10
μmの範囲が好ましい。前記中間接着層中には、紫外線
カット機能、着色調色機能を発現させるため、紫外線吸
収剤や着色剤を添加することができる。これら紫外線吸
収剤や着色剤としては、前記フィルム支持体に使用した
もの等が適宜選択使用できる。
【0030】前記熱線カット層上および/またはフィル
ム支持体の裏面に設ける、ガラスまたは合わせガラス用
中間膜とも密着のよい接着層としては、特開平5−18
6250号公報あるいは特開平5−84738号公報等
に記載されているポリビニルブチラール樹脂に代表され
るポリビニルアセタール樹脂系組成物や塩化ビニル/エ
チレン/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体系組
成物等、従来公知の合わせガラス用中間膜素材から選択
される材料からなる熱接着層や、以下に説明する光硬化
(重合性)接着層を使用することができる。
【0031】光硬化(重合)性接着層には従来公知の種
々の感光性組成物が使用可能であるが、分子中に水酸
基、とくにアルコール性水酸基を有するバインダー、エ
チレン性不飽和化合物、光重合開始剤よりなる光重合性
組成物を使用するのがガラスとの密着性の観点から好ま
しい。
【0032】2級アルコール性水酸基を有するバインダ
ーの代表例はポリビニルブチラール樹脂に代表されるポ
リビニルアセタール樹脂である。また、1級アルコール
性水酸基を有するバインダーとしては、例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル
アクリルアミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート等から選ばれる1級アルコール性水酸
基を有するエチレン性不飽和モノマー、特に(メタ)ア
クリレートの少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、ブタジエン、イ
ソプレン、アクリルアミド等から選ばれる少なくとも1
種のモノマーとの共重合体等が挙げられる。具体的に
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)ア
クリレート共重合体、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレー
ト共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト/塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0033】前記1級アルコール性水酸基を有する共重
合体の場合、1級アルコール性水酸基を有するモノマー
の共重合割合は、全モノマー100重量部に対して、5
〜30重量部が好ましい。1級アルコール性水酸基を有
するモノマーの割合が5重量部未満ではガラスとの密着
性の発現が劣り、一方30重量部を超えると水分を吸収
しやすく白化現象等を起こしやすい。また、前記1級ア
ルコール性水酸基を有する共重合体の重量平均分子量
は、感光性組成物の塗布適性の観点から1000〜10
0000が好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂
を使用する場合には、重合度が200〜2000のもの
が好適に使用される。
【0034】前記エチレン性不飽和化合物は、沸点が常
圧で100℃以上の化合物であり、例えばポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(アクリロイルオキシエチル)エーテ
ル、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンもしくはグリセリン等の多官能アルコールにエ
チレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた
後で(メタ)アクリレート化したもの、更に特公昭48
−41708号公報、同50−60345号公報、特開
昭51−37193号公報に記載されているウレタンア
クリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭
49−43191号公報、同52−30490号公報な
どに記載されているポリエステルアクリレート類、エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポ
キシアクリレート類等を挙げることができる。
【0035】バインダー樹脂に対するエチレン性不飽和
化合物の配合割合は、バインダー樹脂100重量部に対
して20〜80重量部が好ましい。エチレン性不飽和化
合物の割合が20重量部未満では光硬化効率が悪く、一
方80重量部を超えると均一な塗工液が得られない場合
がある。また、エチレン性不飽和化合物の官能基スパン
の長さを変えたり、あるいは多官能性エチレン性不飽和
化合物の一部を単官能性モノマーに置き換えることによ
り、光硬化膜の物性を柔らかい膜から硬い膜までコント
ロールすることが可能である。これらは目的に応じて使
い分けることができる。
【0036】前記光重合開始剤としては、例えばベンジ
ル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン類等の
アシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の
アシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、チオキサントン−1−スルフォン
酸、チオキサントン−4−スルフォン酸等のチオキサン
トン類、ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルア
ミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、p−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、α,α′−ジメトキシアセト
キシアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2
−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフ
ォリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン類、アンス
ラキノン、1,4−ナフトキノン、3−クロロベンズア
ンスロン等のキノン類、フェナンシルクロライド、トリ
ブロモメチルスルフォン、トリス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)
−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、特開昭6
3−153542号公報記載のジ−t−ブチルパーオキ
サイド等の過酸化物、9−フェニルアクリジン等のアク
リジン類、あるいは2,4,5−トリアリールイミダゾ
ール二量体と2−メルカプトベンズオキサゾール又はロ
イコクリスタルバイオレット等との組み合わせ、米国特
許第3427161号明細書記載の4,4−ビス(ジメ
チルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノン又はベン
ゾインメチルエーテル等との組み合わせ、米国特許第4
239850号明細書記載のベンゾイル−N−メチルナ
フトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−(4−メトキシフェニル)トリアジンとの組み合わ
せ、特開昭57−23602号公報記載のジメチルチオ
キサントンと4−ジアルキルアミノ安息香酸エステルと
の組み合わせ等を初めとするフォトポリマー・テクノロ
ジー(日刊工業新聞社発行)等に記載の従来公知の光重
合開始剤を使用することができる。
【0037】これら光重合開始剤の量は前記エチレン性
不飽和化合物100重量部に対して0.1〜20重量部
の範囲で使用するのが好ましい。これより少ないと光感
度が低下し、これより多いと開始剤の結晶の析出等が起
こり易い。
【0038】前記光重合性接着剤層や熱接着剤層中に
は、紫外線カット機能、着色調色機能を発現させるた
め、紫外線吸収剤や着色剤を添加することができる。こ
れら紫外線吸収剤や着色剤としては、前記フィルム支持
体に使用したもの等が適宜選択使用できる。更に、特開
平5−70188号公報、特開平5−186250号公
報、特開平5−178644号公報等に記載のトリエチ
レングリコールジ−2−エチルブチレート等の可塑剤、
カルボン酸金属塩、有機酸、変性シリコーンオイル、シ
ランカップリング剤、有機チタネート等のガラスとの密
着調整剤等を添加しても良い。これら添加剤の量は用い
る目的により適宜選択される。
【0039】前記熱接着層あるいは光重合性接着層の厚
さは1.0〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲未満
では接着性が不足し、一方前記範囲より厚いと生産上不
経済である。前記熱接着層や光重合性接着層の上には、
必要に応じ、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、あるいは離型剤が設けられたポリエステルフィ
ルムのごときセパレーターフィルムを設けても良い。
【0040】本発明においては、前記フィルム支持体と
熱線カット層との間、および/または、熱線カット層と
接着層との間に、紫外線カット層および/または着色調
色層、あるいは紫外線カット機能および着色調色機能を
併せ持つ層を設けることができる。これらの層に使用す
る紫外線吸収剤や着色剤としては、前記フィルム支持体
に使用したもの等が適宜選択使用できる。
【0041】本発明の合わせガラス用貼り合わせ材料を
構成する各層を形成するための塗布組成物には、先に説
明した以外に、塗布面のユズ肌防止や表面の濡れ性改善
のためにフッ素系やシリコーン系の界面活性剤、あるい
はシランカップリング剤等の密着促進剤、従来公知の酸
化防止剤や熱重合防止剤などを添加することができる。
なお、本発明において使用される顔料や金属酸化物の微
分散に関しては、少なくとも溶媒と分散剤の存在下、例
えばボールミル、ホモジナイザー、ペブルミル、サンド
ミル、ナノマイザーなどを用いる従来公知の方法により
分散することができる。分散剤や使用溶媒に関しても、
例えば特開平5−34920号公報に記載の種々の分散
剤や溶媒等従来公知の素材が使用できる。また各層の塗
布組成物を塗布する方法としては、バーコート法、グラ
ビアコート法、エクストルージョン法等従来公知の塗布
方法を使用することができる。
【0042】本発明の合わせガラス用貼り合わせ材料を
用いる合わせガラスの製造方法においては、合わせガラ
ス用貼り合わせ材料を、その接着層がガラス基板と対面
するように重ね合わせ加圧下に加熱してガラス基板と接
着させ、必要に応じ光硬化させた後、合わせガラス用貼
り合わせ材料の他面を、合わせガラス用中間膜を介し
て、加圧下に加熱してもう一枚のガラス基板と接着さ
せ、合わせガラスを製造する。
【0043】ガラスに接着層を加熱・加圧接着させる方
法としては従来公知の方法が使用可能であるが、光重合
性接着層をガラスに加熱・加圧接着させるには、熱ラミ
ネーターによる方法が好ましい。光重合性接着層を光硬
化させる露光光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ等を使用することが可能である。また、該
貼り合わせ材料をガラスに接着後露光するに際しては、
ガラス側から、あるいは貼り合わせ材料側から、あるい
は両側から露光することができる。その後、中間膜を介
して2枚の合わせガラスを加熱・加圧接着させ、合わせ
ガラスを製造するに際しては従来公知の材料、方法が採
用できる。
【0044】例えば、合わせガラス用中間膜素材として
は、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニル
アセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/エチレ
ン共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル/グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、部分ケン
化されたエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
(メタ)アクリレート共重合体、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂とアルキルベンジルフタレートからなるプ
ラスチゾル等が挙げられ、これらは通常厚さが0.1〜
2.0mmのシート状物として使用される。ガラスとの
密着性、透明性、衝撃エネルギー吸収性等の観点から、
特に自動車分野においては、ポリビニルブチラール樹脂
に代表されるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤からな
る厚さ0.1〜1.5mmのポリビニルアセタール樹脂
シートが好ましく使用される。その外に、建材用等の分
野においては、部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル/エチレン/グリシジル(メタ)
アクリレート共重合体等も好ましく使用される。合わせ
ガラス中間膜には、紫外線吸収剤や着色剤を含有させて
紫外線カット機能や着色調色機能を持たせることができ
る。紫外線吸収剤や着色剤等は前記フィルム支持体に使
用したもの等が適宜選択使用できる。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0046】実施例1 厚さ50μmのポリエステルフィルムの片面に、超微粒
子のITO粉末(平均1次粒子径:0.02μm)28
重量部、アクリル共重合体樹脂12重量部、キシレン3
0重量部、トルエン20重量部、エタノール10重量部
よりなるITO分散塗液(粘度:70cps/20℃、
50%平均粒子径:0.05μm)を乾燥膜厚2μmに
なるように塗布、乾燥して熱線カット層を形成した。そ
の上に、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業
(株)製、#2000−L、重合度300)10重量
部、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(ポリ
プロピレングリコール部分の重合度n=14)3重量
部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート1重量
部、9−フェニルアクリジン0.5重量部、n−プロピ
ルアルコール85.5重量部よりなる塗液を乾燥膜厚2
5μmになるように塗布、乾燥して光重合性接着層を形
成し、その後、厚さ12μmのポリプロピレンフィルム
をその上にラミネートしてカバーフィルムとし、貼り合
わせ材料を製造した。
【0047】次に、この貼り合わせ材料のカバーフィル
ムを剥がした後、ラミネーター(大成ラミネーター
(株)製、ファーストラミネーターVAII−700)に
より、速度0.2m/分、温度130℃、圧力2.5K
g/cm2の条件下で、接着層側を厚さ1.5mmのガ
ラス板と接着させた。その後、メタルハライドランプに
よりガラス側から367nmの紫外線光を200mJ/
cm2のエネルギーで照射した。次に、合わせガラス用
ポリビニルブチラール樹脂中間膜シート(積水化学工業
(株)製、エスレックフィルム、膜厚0.38mm)
を、前記ガラス板に接着した貼り合わせ材料のポリエス
テルフィルム側と、もう一枚のガラス板との間に挿入
し、はみ出した部分を切り取った。次に、この積層体を
ラバーバッグに入れ、ラバーバッグ内を減圧系に接続
し、80℃の外気加熱温度で10分間300mmHgの
減圧下で保持し、外気圧に戻して予備圧着を終了した。
次に予備圧着後の積層体をオートクレーブ内にて、圧力
14Kg/cm2、温度140℃の条件で10分間保持
し、その後50℃まで温度を下げて除圧し、本圧着を終
了し、合わせガラスを製造した。
【0048】実施例2 実施例1において、合わせガラス用中間膜シートとして
部分ケン化されたエチレン/酢酸ビニル樹脂シート(武
田薬品工業(株)製、タケメルト、膜厚0.25mm)
を用いた以外は同様にして、合わせガラスを製造した。
【0049】実施例3 実施例1において、光重合性接着層のバインダーとして
用いたポリビニルブチラール樹脂の代わりに、2―ヒド
ロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/
ベンジルメタクリレート共重合樹脂(仕込みモル比:2
2/14/64、重量平均分子量:5000〜600
0)を使用し、該樹脂10重量部、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート(n=14)3重量部、ペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート1重量部、9−フェ
ニルアクリジン0.5重量部、メチルエチルケトン60
重量部、メチルセロソルブアセテート25.5重量部よ
りなる塗液を乾燥膜厚5μmになるように塗布、乾燥し
て光重合性接着層を形成した貼り合わせ材料を用いた以
外は同様にして、合わせガラスを製造した。
【0050】実施例4 実施例1において、貼り合わせ材料のポリエステルフィ
ルムと熱線カット層との間に乾燥膜厚10μmの中間接
着層[ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)
製、#2000−L)10重量部、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール/2−(5−t−オクチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(=1/2重
量比)よりなる紫外線吸収剤0.4重量部、n−プロピ
ルアルコール60重量部、メチルエチルケトン30重量
部よりなる塗液をポリエステルフィルム上に塗布、乾燥
して形成]を有する貼り合わせ材料を用いた以外は実施
例1と同様にして、熱線カット機能のみならず紫外線カ
ット機能をも有する合わせガラスを製造した。
【0051】実施例5 実施例1において、合わせガラス用中間膜として、ポリ
ビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)製、エスレ
ックBM−2)100重量部、可塑剤としてトリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチレート40重量部、着
色剤としてアンスラキノンブルー0.1重量部、モノア
ゾイエロー0.1重量部、アンスラキノンバイオレット
0.15重量部、紫外線吸収剤として、2−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール/2−(5−t−オクチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(=1/
2重量比)0.6重量部よりなる組成物をロールで混練
りし、0.5mm厚のシート状に成形した中間膜シート
を用いた以外は実施例1と同様にして、熱線カット機能
のみならず紫外線カット機能、着色調色機能をも有する
合わせガラスを製造した。
【0052】実施例6 実施例1において、光重合性接着層の代わりに、ポリビ
ニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、#200
0−L)9重量部、トリエチレングリコールジ−2−エ
チルブチレート1重量部、n―プロピルアルコール90
重量部よりなる塗液を、乾燥膜厚4μmになるように塗
布、乾燥して熱接着層を形成した貼り合わせ材料を用い
た以外は同様にして(ただし、光硬化工程は行なわなか
った)、合わせガラスを製造した。
【0053】以上の実施例1〜6において製造した合わ
せガラスは、合わせガラス用中間膜とは別に熱線カット
機能を有するフィルムを挟むことでより高い飛散防止機
能を示しただけでなく、いずれも熱線カット率80%以
上を示し、また着色層を含まない実施例1〜4、6の合
わせガラスは可視光線透過率が70%以上と透明で且つ
高い熱線カット率を示した。なお、可視光線透過率はJ
IS R 3106の方法により測定し、熱線カット率
は波長780〜2500nmの赤外光がすべて透過した
場合を100%とし、波長780〜2500nmの積算
透過率を求め、この値を差し引いて算出した。
【0054】
【発明の効果】本発明の合わせガラス用貼り合わせ材料
および該貼り合わせ材料を用いた合わせガラス製造方法
によるときは、従来からの飛散防止機能を高めると同時
に高い熱線カット性能を容易に付与することができ、且
つ低コストで生産性に優れた合わせガラスを提供するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラス用貼り合わせ材料の1実
施例を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の合わせガラスの製造方法の1実施例に
より製造された合わせガラスの概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 貼り合わせ材料 2 フィルム支持体 3 熱線カット層 4 接着層 5 中間膜 6、7 ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA28B AA33 AB21B AB22B AG00E AK01B AK01K AK23 AK23G AK25 AK41 AL01 AT00A AT00E BA05 BA06 BA07 BA10E CB03C CB03D CB03G CB04C CB04D CB04G DE04 EJ20 EJ24 EJ54 GB07 GB32 JD09C JD09D JD10 JD10B JK20 JL02 JL10C JL10D JN01A JN01B YY00B 4G061 AA13 AA18 AA21 AA25 AA26 BA01 BA02 BA03 CB03 CB05 CB12 CB14 CB19 CD02 CD18 DA23 DA29 DA36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明フィルム支持体の片面上に、金属酸
    化物および金属の少なくとも1種を含有する熱線カット
    層を設け、前記熱線カット層の表面上および前記透明フ
    ィルム支持体の前記熱線カット層を設けた面の反対面上
    の少なくとも1方に、熱接着層または光硬化性接着層を
    設けたことを特徴とする合わせガラス用貼り合わせ材
    料。
  2. 【請求項2】 前記熱線カット層が、少なくとも、平均
    1次粒子径0.2μm以下の、錫ドープ酸化インジウム
    およびアンチモンドープ酸化錫の少なくとも1種とバイ
    ンダー樹脂からなり、かつ熱線カット層中の該金属酸化
    物の含有率が50〜90重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の合わせガラス用貼り合わせ材料。
  3. 【請求項3】 前記熱線カット層が、可視光線透過率7
    0%以上、かつ熱線カット率70%以上の光学特性を有
    することを特徴とする請求項1または2記載の合わせガ
    ラス用貼り合わせ材料。
  4. 【請求項4】 前記光硬化性接着層のバインダーが、水
    酸基を含有する有機高分子であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の合わせガラス用貼り合わせ
    材料。
  5. 【請求項5】 前記フィルム支持体、および前記熱接着
    層または光硬化性接着層の少なくとも1種が、紫外線カ
    ット機能および着色調色機能の少なくとも1種を兼ね備
    えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の合わせガラス用貼り合わせ材料。
  6. 【請求項6】 (1)前記フィルム支持体と前記熱線カ
    ット層の間、および(2)前記熱線カット層と前記熱接
    着層または光硬化性接着層の間の、少なくともいずれか
    に、紫外線カット機能および着色調色機能の少なくとも
    1種を有する層が少なくとも1層設けられていることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合わせガラ
    ス用貼り合わせ材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の合わせ
    ガラス用貼り合わせ材料を、その接着層がガラス基板と
    対面するように重ね合わせ加圧下に加熱してガラス基板
    と接着させ、必要に応じ光硬化させた後、合わせガラス
    用貼り合わせ材料の他面を、合わせガラス用中間膜を介
    して、加圧下に加熱してもう一枚のガラス基板と接着さ
    せ、合わせガラスを製造することを特徴とする合わせガ
    ラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記中間膜が、紫外線カット機能および
    着色調色機能の少なくとも1種を兼ね備えていることを
    特徴とする請求項7記載の合わせガラスの製造方法。
JP11018512A 1999-01-27 1999-01-27 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法 Pending JP2000219541A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11018512A JP2000219541A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11018512A JP2000219541A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000219541A true JP2000219541A (ja) 2000-08-08

Family

ID=11973693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11018512A Pending JP2000219541A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000219541A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046726A1 (ja) * 2004-10-27 2006-05-04 Bridgestone Corporation シート状接着剤及びその製造方法、並びにそれを用いた積層体
JP2007203475A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明樹脂積層シート
JP2007203474A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明樹脂積層シート
JP2010030895A (ja) * 2009-10-16 2010-02-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽用合わせ構造体
JP2010089365A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Bridgestone Corp 積層体
JP2012508131A (ja) * 2008-11-14 2012-04-05 エルジー・ケム・リミテッド 積層体
JP2016040225A (ja) * 2006-04-20 2016-03-24 ピルキントン グループ リミテッド ラミネート窓パネル
US10596787B2 (en) 2006-04-20 2020-03-24 Pilkington Group Limited Glazing

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046726A1 (ja) * 2004-10-27 2006-05-04 Bridgestone Corporation シート状接着剤及びその製造方法、並びにそれを用いた積層体
JP2007203475A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明樹脂積層シート
JP2007203474A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明樹脂積層シート
JP2016040225A (ja) * 2006-04-20 2016-03-24 ピルキントン グループ リミテッド ラミネート窓パネル
US10596787B2 (en) 2006-04-20 2020-03-24 Pilkington Group Limited Glazing
JP2010089365A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Bridgestone Corp 積層体
JP2012508131A (ja) * 2008-11-14 2012-04-05 エルジー・ケム・リミテッド 積層体
JP2010030895A (ja) * 2009-10-16 2010-02-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽用合わせ構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9908306B2 (en) Infrared shielding sheet, method for manufacturing the same, and use of the same
KR100754931B1 (ko) 투명 도전성 적층 필름, 투명 도전성 적층 필름을 갖는 터치 패널 및 투명 도전성 적층 필름 제조방법
JP5781735B2 (ja) 熱線遮蔽複層ガラス
EP1729154A2 (en) Antireflection sheet and process for producing the same
EP2163921A1 (en) Near-infrared-shielding material , laminate including the same, and optical filter for display
US20040116013A1 (en) Thin, electromagnetic wave shielding laminate for displays and process for producing the same
US10989843B2 (en) Transparent electrode-attached complex, transfer film, method for manufacturing transparent electrode-attached complex, and electrostatic capacitance-type input device
WO2013099564A1 (ja) 赤外遮蔽フィルム、これを用いた熱線反射合わせガラス、および熱線反射合わせガラスの製造方法
JP5840830B2 (ja) 熱線遮蔽複層ガラス
JP2004047456A (ja) 透明導電材料およびタッチパネル
JP5537845B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス、及びこれを用いた複層ガラス
JP2000219541A (ja) 合わせガラス用貼り合わせ材料および該貼り合わせ材料を用いる合わせガラスの製造方法
JP7329526B2 (ja) グレージング材とその製造方法
JP2000219542A (ja) 合わせガラス用転写材料および該転写材料を用いる合わせガラスの製造方法
JP2006210573A (ja) 電磁波遮蔽部材
WO2001088889A1 (fr) Panneau d'affichage et procede de fabrication d'un materiau filtrant a transmission lumineuse servant d'ecran de protection electromagnetique
JP2004300210A (ja) コーティング組成物、その塗膜、反射防止膜、反射防止フィルム、及び画像表示装置
JP2009500664A (ja) 耐衝撃性直接接触プラズマディスプレイパネルフィルタ
CN111770834A (zh) 热射线屏蔽结构体和包含热射线屏蔽结构体的夹层玻璃以及它们的制造方法
JP2008249882A (ja) ディスプレイ用複合フィルタの製造方法
JP2001189589A (ja) 電磁波シールドフィルム、電磁波シールド性光透過窓材及び表示装置
WO2017094453A1 (ja) 合わせガラス
JP5157218B2 (ja) ディスプレイ用複合フィルタ
JP2000219543A (ja) 合わせガラス用転写材料を用いる合わせガラスの製造方法
JP2017109892A (ja) 合わせガラス