JP2008274266A - 帯電防止性(及びハードコート性)を実現できる組成物、単層体、部材又は積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、電解質としての、常温下で液体であるイオン性液体と、樹脂とを備えてなる帯電防止性組成物である。
【選択図】なし
Description
従来、乗り物、家電、建材、衣類等の分野において、帯電防止を施した様々な製品が開発され、市場に提供されている。とりわけ、家電製品においては、近年、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又は液晶ディスプレイ(LCD)のような画像表示装置の画像表示面(ディスプレイ)において、帯電防止性(埃付着防止)、ハードコート性(耐察傷性)、反射防止性(視認性向上)、防眩性(眩しさ防止性)、耐汚染性(指紋付着防止)等の機能を発揮する各光学機能層(フィルム)を複数積層させた保護フィルムが開発され提供されるに至っている(特開2002−248712)。
特に、ディスプレイ又はモニター表面に施される保護フィルムに要求される機能としては、ハードコート性及び帯電防止性(埃付着防止)が挙げられる。保護フィルムにおいて、両性能を発現するためには、ハードコート層と、帯電防止層との二層を積層させることが一般的な技術常識とされ、この両者を兼ね備えた層(単層)を開発することは実現不可能であると認識されていた。ハードコート層と帯電防止層を形成する材料に要求される化学的、物理的性能は殆ど相反するものとされ、両性能を兼ね備えた層を実現することは不可能であると当然に認識されていたからである。具体的には、帯電防止用にイオン伝導型材料を添加し、かつ、ハードコート性を向上させる為に膜密度を上げる為の材料(モノマー)を選択して硬化させた場合、形成された硬化膜中において、伝導すべきイオンの通路が全く確保されず、帯電防止能を発揮させることは殆ど不可能とされていた。また、帯電防止用に電子伝導型材料を用いた場合、電子伝導型材料の殆どが水系材料であることから、伝導性を向上させるためにその添加量を増加させると、溶剤系が主流であるハードコート性の材料との親和性が著しく低下し成分分離が促進され、その結果、ハードコート性が全く発揮できないとされていた。
従来、帯電防止層は、帯電防止剤と、樹脂と、溶剤とにより形成されてなるものである(特開2003−257254)。しかしながら、帯電防止層内に、帯電防止剤が凝集体として存在しないように、帯電防止剤を、樹脂中により適切に分散させることが必要不可欠であり、この分散調製は、適切な帯電防止剤、樹脂及び溶剤等を選択しなければならないとされていた。とりわけ、金属製微粒子を使用する場合には、沈降速度、分散性等を十分考慮する必要があった。また、金属製微粒子の殆どがレアメタルに属することから、それを利用することは帯電防止部材の生産コストを増大させることとなっていた。他方、導電性ポリマー等の有機性微粒子を使用する場合、金属製微粒子に比べて分散調製が容易であり、使用できる樹脂等の選択幅は広がることか好ましいものとされているが、他方で、帯電防止層自体を着色することから、透明性が要求される製品には不向きとされている(特開2006−45360)。
本発明者等は、本発明時において、高いイオン伝導性と、高い溶解性という特徴を有する電解質と、かつ、この電解質と硬化性のモノマー等を混合して硬化させた場合に、高い帯電防止性とハードコート性を付与する組成物、(光学)単層体、(光学)部材又は(光学)積層体を得るに至った。従って、本発明は、高い帯電防止性(導電性)とハードコート性という両性能を兼ね備えた光学機能性材料を実現することが可能なものを提供するものである。
帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる組成物であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを含んで成るものが提案される。
また、本発明の別の態様によれば、
帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる部材であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを備えてなるものが提案される。
よって、本発明による第2の態様によれば、
帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる部材であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを備えてなり、
前記電解質が前記モノマー、オリゴマー又はプレポリマー内に分散されてなり、
前記モノマー、オリゴマー又はプレポリマーが熱及び/又は電離放射線により硬化して得られた三次元立体網目構造内に、前記分散された電解質が緊縛した状態で存在するものが提案される。
本発明の第2の態様によれば、三次元立体網目構造内に、電解質が分散され緊縛された状態になることから、均一で高い導電性を有する部材を提供することが可能となる。
よって、本発明による第3の態様によれば、
帯電防止性能とハードコート性能とを同時に実現できる単層体であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを備えてなるものが提案される。
よって、本発明による第4の態様によれば、
基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなる積層体であって、
前記光学機能層が、帯電防止性能とハードコート性能とを同時に実現できる単層であり、かつ、帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを備えてなるものが提案される。
よって、本発明による第5の態様によれば、
帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを含んでなる、帯電防止性組成物が提案される。
また、本発明の別の態様によれば、
帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを含んでなる、帯電防止性部材が提案される。
よって、本発明による第6の態様によれば、
帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを含んでなる、帯電防止性単層体が提案される。
よって、本発明による第7の態様によれば、
基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなる積層体であって、
前記光学機能層が、帯電防止性能を有する単層であり、かつ、帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを含んでなるものが提案される。
本発明の第1乃至7の態様
帯電防止性(導電性)
帯電防止性は、表面抵抗値(Ω/cm2)により表されることができる。表面抵抗値(Ω/cm2)は、表面抵抗率測定機で測定することができる。
ハードコート性とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で測定される。
本発明で使用している「表面ヘイズ(H)」は、以下のように求められる。本発明による部材、単層体、積層体等のヘイズを「全体ヘイズ(Ha)」という。これらの表面を平坦にしたものは表面凹凸によるヘイズをもたない、内部ヘイズだけを持つ状態となり、この時のヘイズを、「内部ヘイズ(Hi)」という。そして、「全体ヘイズ(Ha)」から「内部ヘイズ(Hi)」を差し引いた値が、表面凹凸だけに起因するヘイズ、即ち、表面ヘイズ(Hs)という。
ヘイズ値は、JIS K−7136に従って測定することができる。測定に使用する機器としては、反射・透過率計HM−150(村上色彩技術研究所)が挙げられる。ヘイズは、塗工面を光源に向けて測定する。
部材、単層体、積層体等の表面に凹凸形状(防眩層等)を有する場合に以下の数値が使用される。Sm(μm)とは、凹凸の平均間隔を表し、θa(度)は凹凸部の平均傾斜角を表し、Rz(μm)は、十点平均粗さを表し、Ra(μm)は、算術平均粗さを表す。これらは、JIS B0601 1994に準拠し、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/社小坂研究所製)の取り扱い説明書(1995,07,20改訂)にも記載されている。θa(度)は角度単位であり、傾斜を縦横比率で表したものがΔaである場合、Δa=tanθa=(各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和/基準長さ)で求められる。ここで、「基準長さ」とは、下記の測定条件1:と同じで、SE-3400で実際に蝕針測定する測定長さ(カットオフ値λc)である。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μ標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):
0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):
4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS-NT:ライカ社製:倍率「300〜1000倍」)にて、部材の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の測定基準により測定することができる。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断する。オイルの使用は、対物レンズと部材との間の空気層を消失させるために用いる。
1:レーザー顕微鏡観察により平均層厚を測定した。
2:測定条件は、上記の通りであった。
3:1画面につき 凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの層厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出し、これを、層の総厚とした。
単層体、積層体又は部材において、ブラックパネル温度63±3℃、湿度40±10%RH条件下、50時間の耐光性試験前の表面抵抗率R1と、耐光性試験後の表面抵抗率R2との比「R2/R1」が10以下となることである。本発明にあっては、R2/R1=10〜1程度であることが好ましい。
単層体、積層体又は部材において、80℃、湿度90%の高温高湿条件下、500時間の耐光性試験前の表面抵抗率R1’と、耐光性試験後の表面抵抗率R2’との比「R2’/R1’」が10以下となることである。本発明にあっては、R2’/R1’=10〜1程度であることが好ましい。
I.組成物
電解質
本発明で使用される「電解質」とは、伝導性を有する物質を意味し、本発明にあっては、電解質は常温下において、液体であるものが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、電解質中、いわゆる「イオン性液体」が好ましくは挙げられる。「イオン性液体」とは、常温下、比較的低温領域下において液体状態を示しものである。また、「イオン性液体」は、高いイオン伝導性、高い熱安定性、比較的低粘性等を示し、蒸気圧が殆どなく、引火性及び可燃性を示さず、並びに液体温度範囲が広範囲であるという特徴を有するものである。電解質の添加量は、組成物全量に対して、1重量%以上50重量%以下で有り、好ましくは下限値が5重量%以上であり上限値が30重量%以下である。
本発明においてはハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーを利用する。これらは、熱及び/又は電離放射線により硬化可能な複数の官能基を有するものが好ましくは利用される。複数の官能基の数は、2以上のものであり、好ましくは6以上である。官能基としては、ヒドロキシル基、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、グリシジル基、又はイソシアネート基等で例示される縮合性基及び反応性基;ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、アリル等のC2−6アルケニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル等のC2−6アルキニル基、ビニリデン等のC2−62−6アルケニリデン基、又はこれらの重合性基を有する基(例えば、(メタ)アクリロイル基)等で例示される重合性基;等が例示され、この中でも、重合性基が好ましい。モノマー、オリゴマー又はプレポリマーの添加量は、組成物全量に対して、50重量%以上99重量%以下で有り、好ましくは下限値が70重量%以上であり上限値が95重量%以下である。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能または多官能モノマー、あるいはビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のモノマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
本発明によるモノマー、オリゴマー又はプレポリマーは、樹脂を含んでなるものであってよい。樹脂としては、電離放射線(例えば、紫外線、電子線等)により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、この樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。また、本発明の好ましい態様によれば、電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを少なくとも含んでなる樹脂を用いることができる。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能または多官能モノマー、あるいはビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマー、プレポリマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
本発明による組成物は上記したものを必須成分として含んでなるものである。しかしながら、他の機能、とりわけ、他の光学機能性を発揮する成分を添加することが可能である。この結果、帯電防止性及びハードコート性以外の他の性質(光学特性)を兼ね備えた一の組成物を提供することができ、その結果、この部材は、単一の硬化物として、多様な光学特性を発揮させることが可能となる。本発明にあっては、防眩剤、屈折率調整剤、防汚染剤(撥水剤、撥油剤、指紋付着防止剤等を包含する)、高硬度化剤および硬度調製剤からなる群から選択される一種または二種以上の混合物をさらに包含することが可能である。
本発明にあっては、防眩性を有するものであれは、いずれのものを使用することができるが、微粒子からなる防眩剤が好ましくは使用される。防眩剤の添加量は、本発明の組成物全量に対して、5重量%以上40重量%以下であり、好ましくは下限値が10重量%以上であり、下限値が30重量%以下である。
本発明においては、モノマーと微粒子との屈折率の差nが0.20以下であることが好ましく、より具体的には、屈折率の差nが0.03以上0.20以下であり、好ましくは下限が0.05以上であり、より好ましくは0.09以上であり、好ましくは上限が0.18以下であり、より好ましくは0.12以下であることが好ましい。モノマーと微粒子との屈折率の差nが上記範囲内にあることにより、光学積層体の内部ヘイズを付与することができ、LCD等の画像ムラ、及び、バックライト等背面からの透過光が表面に凹凸形状を有する光学積層体を通過するときに生じるメンギラを有効に防止することができる。
ここで、「メンギラ」とは、目にはキラキラするちらつきとして見える現象をいう。
微粒子は球状、例えば真球状、楕円状、不定形等のものであってよい。また、微粒子は凝集型微粒子であってよい。本発明にあっては、微粒子の平均粒子径R(μm)が0.3μm以上20μm以下であり、好ましくは上限が15.0μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは7.0μm以下であり、好ましくは下限が、1.0μm以上であり、より好ましくは1.5μm以上であるものが好ましい。微粒子の平均粒子径Rが上記の範囲内にあることにより、適切な凹凸形状を形成することができるので好ましい。ここで、「平均粒子径」とは、微粒子が、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒子径を表し、ブロードな粒度分布を持つ粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径が平均粒子径を表す。上記微粒子の粒径は、主に、コールターカウンター法により計測できる。また、この方法以外に、レーザー回折法、SEM写真撮影による測定によっても計測できる。
本発明では、微粒子の中でも凝集型微粒子を用いることができる。凝集型微粒子は、同一の微粒子であっても、または平均粒径が異なる複数の微粒子で構成されてよい。従って、複数の凝集微粒子を使用する場合は、(凝集)第一微粒子とその平均粒径が異なる(凝集)第二微粒子、(凝集)第三微粒子又は(凝集)第n微粒子(nは自然数)を含んでなるものを用いてもよい。(凝集)第二微粒子、(凝集)第三微粒子又は(凝集)第n微粒子を用いるときは、単体自体またはその凝集部自体のみでは、防眩性を発揮しないものが好ましい。凝集型微粒子の場合は、二次粒子径が上記平均粒子径範囲内であることが好ましい。
処理に使用する化合物の具体例としては、上述活性基と反応性の高いシラン系、シロキサン系、シラザン系材料などが用いられる。例えば、メチルトリクロロシラン等の、直鎖アルキル単基置換シリコーン材料、分岐アルキル単置換シリコーン材料、或いはジ-n-ブチルジクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン等の多置換直鎖アルキルシリコーン化合物や、多置換分岐鎖アルキルシリコーン化合物が挙げられる。同様に、直鎖アルキル基若しくは分岐アルキル基の単置換、多置換シロキサン材料、シラザン材料も有効に使用することができる。
素材が異なる微粒子としては、二種類以上の異なる屈折率を有する微粒子を用いることが好ましい。これら微粒子の混合を行なう場合には、微粒子の屈折率は、各々の微粒子の屈折率と使用比率とに応じた平均値として見なすことができ、微粒子の混合比率調整により細かい屈折率設定が可能となり、一種類の場合よりも制御が容易となり、様々な屈折率設計が可能となる。また、例えば、二種類の異なる屈折率を有する微粒子を用いる場合には、第一微粒子の平均粒径R1>第二微粒子の平均粒径R2とすることも好ましいが、あえて二種類の微粒子の粒径を揃えることにより、第一微粒子と第二微粒子の比率を自由に選択し用いることもでき、このようにすることで、光拡散性の設計が容易になる。第一微粒子と第二微粒子との粒径を揃えるためには、単分散粒子が得やすい有機微粒子が、この点で好ましい。粒径にばらつきがないほど、防眩性や内部散乱特性にばらつきが少なくなり、防眩性能設計が容易になるので好ましい。単分散性を更に上げる手段として、風力分級、ろ過フィルタによる湿式ろ過分級が挙げられる。
屈折率調整剤を添加することにより、本発明による組成物の光学特性を調整することが可能となる。屈折率調整剤には、低屈折率剤、中屈折率剤、高屈折率剤等が挙げられる。
眩屈折率調整剤の添加量は、本発明の組成物全量に対して、5重量%以上40重量%以下であり、好ましくは下限値が10重量%以上であり、下限値が30重量%以下である。また、本発明にあっては、低屈折率剤の添加量は、上記範囲に限らず、組成物全量に対して250重量%以下が好ましい。
低屈折率剤の好ましいものとしては、シリカ、フッ化マグネシウムなどの低屈折率無機超微粒子(多孔質、中空など全ての種類の微粒子)、及び低屈折率モノマーであるフッ素系モノマーが挙げられる。フッ素系モノマーとしては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物は、特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
高屈折率剤、中屈折率剤は、反射防止性を向上させるために添加されてよい。高屈折率剤、中屈折率剤の屈折率は1.55〜2.00の範囲内で設定されてよく、中屈折率剤は、その屈折率が1.55〜1.80の範囲内のものを意味し、高屈折率剤は、その屈折率が1.65〜2.00の範囲内のものを意味する。
防汚染剤は、本発明の組成物で形成された部材の最表面の汚れ防止を主目的とし、さらに耐擦傷性を付与することが可能となる。防汚染剤の添加量は、本発明の組成物全量に対して、0.01重量%以上10重量%以下であり、好ましくは下限値が0.1重量%以上であり、下限値が1重量%以下である。
溶媒は、少なくとも固形分(複数のモノマー及び硬化性樹脂前駆体、反応開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよく、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。
1.物性
本発明による組成物を硬化させた部材は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この部材は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。また、硬化させた帯電防止性部材のハードコート性は、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試で「H」以上、好ましくは「2H」以上の硬度を示す。
防眩剤を添加した組成物を用いて形成された部材を形成した場合、その最表面に凹凸形状が形成され得る。その結果、本発明にあっては、この凹凸形状については以下の物性を有することが好ましい。
防眩剤を添加した組成物を用いて形成された部材、単層体、積層体は、その全ヘイズ値をHa、その内部ヘイズ値をHi、その表面ヘイズ値をHsと定義した場合に、下記数値を全て満たすものである。
Haが0.5%以上90%未満であり、好ましくは下限が1.5%以上であり、より好ましくは6%以上であり、上限が50%以下であり、より好ましくは30%以下である。
Hiが0.1%以上80%以下であり、好ましくは、下限が3.5%以上であり、より好ましくは5%以上であり、上限が好ましくは40%以下であり、より好ましくは25%以下である。
本発明の好ましい態様においては、Hsが0.5%以上40%以下であり、好ましくは、下限が0.8%以上であり上限が25%以下である。
また、防眩剤を添加した組成物を用いて形成された部材、単層体、積層体は、凹凸形状の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の平均粗さをRzとし、算術平均粗さをRaとした場合に、下記数値を満たすものが好ましい。
Smが40μm以上500μm以下であり、好ましくは下限値が80μm以上であり、上限値が350μm以下である。
θaが0.1度以上5度以下であり、好ましくは下限値が0.3度以上であり、上限値が2度以下である。
Rzが0.3μm超過3μm以下であり、好ましくは下限値が0.4μm以上であり、好ましくは上限値が2μm以下である。
Raが0.1μm超過0.5μm以下であり、好ましくは上限値が0.3μm以下である。
本発明による組成物は、帯電防止性(導電性)及びハードコート性が要求される製品にそのまま使用することができる。本発明の好ましい態様によれば、帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる部材を提供することができる。より好ましくは、本発明による組成物を硬化させた部材を提供することができる。従って、本発明による組成物をそのまま塗布して、硬化させることでその目的を達成することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。帯電防止性及びハードコート性組成物は、インキ、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。
具体的には、本発明による組成物を、乾燥及び硬化を行うことにより帯電防止性(導電性)及びハードコート性を有する部材(単層体)を得ることができる。硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。また、本発明による組成物を製品、部材に塗布するものであってよい。この場合、本発明による組成物をロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の塗布方法により、製品、光透過性基材の表面に塗布する。塗布後に、上記した乾燥及び硬化により、硬化することが可能となる。従って、本発明の別の態様によれば、本発明による組成物をインキ組成物とすることが提案される。インキ組成物は本発明による組成物をそのまま使用してもよいが、塗工方法に併せて、溶剤、添加剤等を加えて調製されてよい。
本発明によれば、本発明による組成物及び部材を(光透過性)基材に付与した(光学)積層体とすることができる。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体(反射防止性部材)及びこれらを用いた偏光板並びに画像表示装置を提案することができる。
本発明における基材は、光学機能層が形成されるものであれば何れのものであっても良く、金属製、プラスチック製、樹脂製、布製等であってよく、その形状も板状体、球体、立(直)方体、円(多角)推等であってよい。また、基材は無色(有色)透明、不透明、半透明等のものであってもよい。本発明にあっては、光学機能性部材として利用される場合には、光透過性基材であって、板状体、フィルム状体のものが好ましい。
(光透過性)基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、セルロース系樹脂(セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等)、ポリエーテルスルフォン、ポリオレフィン(ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル等)ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。さらに、他の光透過性基材として、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂などが用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製 スミライトFS-1700、JSR社製 アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製 アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製 オプトレッツOZ-1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)などが挙げられる。また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
本発明の別の態様によれば、偏光素子と、本発明による組成物で形成された部材とを備えてなる偏光板を提供することができる。具体的には、偏光素子の表面に、本発明による組成物で形成された光学積層体を該光学積層体における防眩層が存在する面と反対の面に備えてなる、偏光板を提供することができる。偏光素子は、例えば、よう素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。ラミネート処理にあたって、接着性の増加のため、または電防止のために、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。
本発明のさらに別の態様によれば、画像表示装置を提供することができ、その表示装置表面に、本発明による光学積層体または本発明による偏光板が形成されてなるものである。本発明による画像表示装置は、LCD等の非自発発光型画像表示装置(表示素子自身が発光しない)であっても、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等の自発発光型画像表示装置(表示素子自身が発光する)であってもよい。非自発発光型の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置により構成されてよい。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が用いられる。
I.部材
本発明による第2の態様の部材は、基材の表面に、帯電防止性能とハードコート性能とを同時に実現できるものである。この部材は、電解質がモノマー、オリゴマー又はプレポリマー内に均一分散され、これらのモノマー、オリゴマー又はプレポリマーが熱及び/又は電離放射線が付与され硬化して得られた三次元立体網目構造内に先の電解質が緊縛した状態で存在するという特有の構造によって引き起こされるものである。
本発明にあっては、モノマーが硬化することにより、三次元立体網目構造を形成することにより、その三次元網目構造内(マイクロオーダーからナノオーダー)に、電解質が均一に分散し、かつ、その構造内に緊縛して存在するものである。このような現象が起こる理由は定かではないが、電解質を使用した形成された部材の断面を光学的手法で確認したところ、電解質(液体)がその状態で三次元立体網目構造内に(均一に)分散して存在していること、より具体的には、恰も、三次元立体網目構造内の部屋毎に、極微量の電解質(液体)が格納されて(均一に)分散して存在していることを確認したのである。
本発明による部材が、先の特有の構造を有するのは、本発明における部材が、電解質と、熱及び/又は電離放射線により硬化可能な複数の官能基を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを兼ね備えて成ることによる。構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
本発明の別の態様によれば、本発明の部材を実現できるインキ組成物を提案することができる。本発明の部材用インキ組成物は、電解質と、熱及び/又は電離放射線により硬化可能な複数の官能基を有するモノマーとを備えてなるものである。本発明によるインキ組成物を構成する成分は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。また、本発明の別の態様によれば、本発明による部材が、帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる単層体として利用される。
本発明の好ましい別の態様によれば、基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなる積層体であって、該光学機能層が、本発明の第2の態様による部材である、積層体が提案される。従って、(光学)積層体を形成する部材は、先のI.部材の項で説明したのと同様であってよい。
本発明にあっては、前記光学機能層の表面又は前記基材と前記光学機能層の間、及び/又は前記光学機能層の上に、防眩層、屈折率調製層、および防汚染層からなる群から選択される一種または二種以上の層をさらに備えてなるものであってもよい。これらの層は、防眩剤、屈折率調製剤、又は防汚染剤を樹脂等に添加し分散させた組成物を用いて形成されてよい。従って、防眩剤、屈折率調製剤、又は防汚染剤を樹脂等についてはI.部材の項で説明したのと同様であってよい。
(光透過性)基材は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
本発明による部材(単層体)、(光学)積層体は、部材、光学機能層、任意の層を形成する各構成成分を混合し、必要に応じて濾過した成分を、乾燥及び硬化を行うことにより製造することができる。また、本発明にあっては、本発明の部材を構成する成分を製品、部材に塗布することにより形成させることもできる。硬化方法および塗布方法など製造方法は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による部材は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この部材は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダー、という高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。また、硬化させた帯電防止性部材のハードコート性は、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試で「H」以上、好ましくは「2H」以上の硬度を示す。上記以外の物性は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による部材は、帯電防止性(導電性)及びハードコート性が要求される製品として使用することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。また、本発明による部材は、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。本発明にあっては、部材は光学機能性部材として使用されることが好ましい。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体(反射防止性部材、偏光板)を提案することができる。上記以外の用途は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
I.単層体
本発明による第3の態様の単層体は、帯電防止性能とハードコート性能とを同時に実現できるものである。本発明においては、帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを兼ね備えて成ることにより上記両性が実現可能となる。
単層体の構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による単層体は、上記した構成成分を混合し、必要に応じて濾過した成分を、乾燥及び紫外線硬化を行うことにより製造することができる。また、本発明にあっては、本発明の単層体を構成する成分を製品、部材に塗布することにより形成させることもできる。硬化方法および塗布方法など製造方法は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による単層体は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この単層体は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。また、硬化させた帯電防止性部材のハードコート性は、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上、「好ましくは「2H」以上の硬度を示す。上記以外の物性は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による単層体は、帯電防止性(導電性)及びハードコート性が要求される製品にそのまま使用することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。また、本発明による単層体は、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。本発明にあっては、単層体は光学機能性層として使用されることが好ましい。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体を提案することができる。上記以外の用途は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
I.積層体
本発明による第4の態様の積層体は、基材の表面に、帯電防止性能とハードコート性能とを同時に実現できる光学機能層を少なくとも備えてなるものである。
本発明における光学機能層は、帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを兼ね備えて成ることにより上記両性が実現可能となる。光学機能層の構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。また、任意の層及び基材等については、本発明の第2の態様のIII.(光学)積層体の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による積層体は、光学機能層又は任意の層を形成する各構成成分を混合し、必要に応じて濾過した成分を、乾燥及び硬化を行うことにより製造することができる。また、本発明にあっては、本発明の積層体を構成する成分を製品、部材に塗布することにより形成させることもできる。硬化方法および塗布方法など製造方法は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による積層体は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この積層体は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。また、硬化させた帯電防止性部材のハードコート性は、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上、「好ましくは「2H」以上の硬度を示す。上記以外の物性は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による積層体は、帯電防止性(導電性)及びハードコート性が要求される製品として使用することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。また、本発明による積層体は、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。本発明にあっては、積層体は光学機能性層として使用されることが好ましい。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体(反射防止性部材、偏光板)を提案することができる。上記以外の用途は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
I.組成物
本発明の第5の態様による帯電防止性組成物は、帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを含んで成るものである。また、本発明にあっては、ハードコート性を付与してもよい。帯電防止性組成物の構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
本発明の第5の態様では、導電性物質として、電解質としての、常温下において液体である「イオン性液体」が利用される。「イオン性液体」とは、常温下、比較的低温領域下において液体状態を示しものである。また、「イオン性液体」は、高いイオン伝導性、高い熱安定性、比較的低粘性等を示し、蒸気圧が殆どなく、引火性及び可燃性を示さず、並びに液体温度範囲が広範囲であるという特徴を有するものである。イオン性液体の添加量は、組成物全量に対して、1重量%以上50重量%以下で有り、好ましくは下限値が5重量%以上であり上限値が30重量%以下である。
本発明にあっては、樹脂を用いる。本発明の第5乃至7の態様においては、「樹脂」とは、特に言及することのない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体を「樹脂」ということがある。本発明において使用する樹脂の内容は、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
本発明においては、樹脂として、モノマー、オリゴマー又はプレポリマー、好ましくは熱及び/又は電離放射線により硬化可能な複数の官能基を有するもの利用することができる。特に、帯電防止層にハードコート性能を付与させる場合に好ましくは用いられる。特に、本発明においては、イオン性液体と、このモノマー又はオリゴマーを混合することにより、高い帯電防止性とハードコート性を付与する組成物を得ることが可能となる。このようなモノマー、オリゴマー又はプレポリマーについては、本発明の第1の態様のI.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による組成物を硬化させた部材は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この部材は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。上記以外の物性は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による組成物は、帯電防止性(導電性)が要求される製品にそのまま使用することができる。本発明の好ましい態様によれば、帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる部材を提供することができる。より好ましくは、本発明による組成物を硬化させた部材を提供することができる。従って、本発明による組成物をそのまま塗布して、硬化させることでその目的を達成することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。帯電防止性組成物は、インキ組成物、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。上記以外の用途は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
I.単層体
本発明による第6の態様の単層体は、帯電防止性を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを備えてなるものである。
単層体の構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物及び本発明の第5の態様のII.組成物の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による単層体は、上記した構成成分を混合し、必要に応じて濾過した成分を、乾燥及び紫外線硬化を行うことにより製造することができる。また、本発明にあっては、本発明の単層体を構成する成分を製品、部材に塗布することにより形成させることもできる。硬化方法および塗布方法など製造方法は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による単層体は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この単層体は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。上記以外の物性は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による単層体は、帯電防止性(導電性)が要求される製品にそのまま使用することができる。本発明の好ましい態様によれば、帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる単層体を提供することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。また、本発明による単層体は、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。本発明にあっては、単層体は光学機能性層として使用されることが好ましい。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体(反射防止性部材、偏光板)を提案することができる。上記以外の用途は、本発明の第1の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
I.積層体
本発明による第7の態様の積層体は、
基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなり、
前記光学機能層が、帯電防止性能を有する単層であり、かつ、帯電防止性能を有する電解質(好ましくはイオン性液体)と、樹脂とを備えてなるものである。
本発明における光学機能層は、帯電防止性能を有する単層であり、かつ、電解質としての、常温下で液体であるイオン性液体と、樹脂と備えてなることにより帯電防止性が実現可能となる。
積層体の構成成分は、以下に説明するもの以外は、本発明の第1の態様のI.組成物及び本発明の第5の態様のII.組成物の項で説明したのと同様であってよい。また、任意の層及び基材等については、本発明の第2の態様のIII.(光学)積層体の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による積層体は、光学機能層又は任意の層を形成する各構成成分を混合し、必要に応じて濾過した成分を、乾燥及び硬化を行うことにより製造することができる。また、本発明にあっては、本発明の積層体を構成する成分を製品、部材に塗布することにより形成させることもできる。硬化方法および塗布方法など製造方法は本発明による第1の態様で説明したのと同様であってよい。
物性
本発明による積層体は、例えば、フィルム、薄膜、薄層として形成した場合、その厚さが0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは1μm以上5μm以下である。そして、この積層体は、1010Ω/cm2オーダー未満、好ましくは108Ω/cm2オーダーから109Ω/cm2オーダーという高い導電性を有する。特に、この導電性は、上記した層厚の範囲において容易に実現することが可能となる。上記以外の物性は、本発明の第5の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明による積層体は、帯電防止性(導電性)が要求される製品にそのまま使用することができる。例えば、埃付着防止性建材(化粧シート等)、光学ディスク表面のオーバーコート等に利用される。また、本発明による積層体は、乾燥塗布膜、熱/光硬化物、膜、成形体等の形態として利用することができる。本発明にあっては、積層体は光学機能性層として使用されることが好ましい。従って、本発明の別の態様にあっては、光学積層体(反射防止性部材、偏光板)を提案することができる。上記以外の用途は、本発明の第5の態様のII.組成物の物性及び用途の項で説明したのと同様であってよい。
本発明の内容を下記の実施態様により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
実施例A中の略語の意味は以下の通りである
「TAC」:トリアセチルセルロース
「PET」:ポリエチレンテレフタレート
「HC」:ハードコート性又はハードコート層
「AS」:帯電防止性又は帯電防止層
「AG」:防眩性又は防眩層
「AR」:低屈折率性又は低屈折率層
「+」:複数の光学性質又は光学機能層を備える意である。
AS+HC単層用組成物
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS+HC単層用組成物を調製した。
イオン性添加剤(イオン性液体) 78質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100質量部
(日本化薬社製、商品名「PET30」)
メチルエチルケトン 43質量部 レベリング剤 2質量部 (大日本インキ化学工業社製、商品名「MCF−350−5」)
重合開始剤 4質量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC単層用組成物と同様にして、HC単層用組成物を調製した。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS単層用組成物1を調製した。
ATO分散液 25質量部 (日本ペルノックス社製、商品名「ペルトロンC−4456S−7」)
バインダー 5.5質量部 (Sartomar Company製、商品名「SR−238F」)
重合開始剤(「イルガキュア184」) 0.58質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名)
メチルイソブチルケトン 59質量部 シクロヘキサノン 26質量部
リチオフェン含有熱乾燥型樹脂組成物(出光テクノファイン社製、商品名「ELコート TALP2010」)をAS単層用組成物2とした。これは、帯電防止剤として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、熱可塑性樹脂バインダーとしてMMA(メタクリル酸メチル)−BA(アクリル酸ブチル)−2−HEMA(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)共重合体を含んでなるものである。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS+HC+AG単層用組成物を調製した。
イオン性添加剤(イオン性液体) 15.000質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 18.22質量部 (日本化薬社製、屈折率1.51)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 7.00質量部 (日本化薬社製、屈折率1.51)
アクリル系ポリマー 2.69質量部 (三菱レイヨン製、分子量75,000)
光硬化開始剤(イルガキュア184) 1.64質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
光硬化開始剤(イルガキュア907) 0.28質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
スチレンビーズ(透光性第一微粒子) 4.18質量部 (綜研化学社製、粒径5.0μm、屈折率1.60)
メラミンビーズ(透光性第二微粒子) 2.51質量部 (日本触媒社製、粒径1.8μm、屈折率1.68)
シリコン系レベリング剤(10−28:大日精化社製) 0.010質量部 トルエン 40.30質量部 シクロヘキサノン 10.08質量部
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC+AG単層用組成物と同様にして、AG単層用組成物を調製した。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して帯電防止性付与低屈折率層用組成物1を調製した。
処理シリカゾル含有溶液 15.2質量部
(シリカゾル固形分20質量%を有する空隙微粒子の表面を、分散安定性を保持するためにシランカップリング剤で処理したものである。)
イオン性添加剤(イオン性液体) 1.23質量部
1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
重合開始剤(イルガキュア127) 0.10質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製) 0.15質量部
メチルイソブチルケトン 80.0質量部
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC+AR単層用組成物と同様にして、AR単層用組成物を調製した。
実施例A1(TAC/AS+HC)
TAC透明基材(厚み80μm:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS+HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、AS+HC単層が厚み5μm(乾燥時)の部材を得た。
PET透明基材(厚み80μm:東洋紡績社製、製品名「A−4100」)を準備し、該基材の易接着面に、AS+HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が50mJ/cm2になるように紫外線照射して塗膜を硬化させ、厚み7μm(乾燥時)のAS+HC単層を成膜させた。さらに、この単層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し(厚み約100nm(乾燥後))、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させてAS+HC/AR層が厚み約7μm(乾燥時)の部材を得た。
TAC透明基材(厚み80μm:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の表面に、AS+HC+AG単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が100mJ/cm2になるよう照射して塗膜を硬化させてAS+HC+AG単層用が厚み5μm(乾燥時)部材を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AG単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることによりAG層を形成させた。その後、AG層の上にAS+HC+AR単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、AG/AS+HC+AR層が厚み10μm(乾燥時)の部材を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を用いた。
実施例A1において、AS+HC単層用組成物を、HC単層用組成物に変えた以外は全く同様にして部材を得た。
実施例A2において、AS+HC単層用組成物を、HC単層用組成物に変えた以外は全く同様にして部材を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物1をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にHC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、AS/HC層が厚み10μm(乾燥時)の部材を得た。
比較例A4において、AS単層用組成物1をAS単層用組成物2に代えた以外は同様にして部材を得た。
比較例A4で得た部材のHC層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、AS/HC/AR層が約10μmの部材を得た。
実施例A3において、AS+HC+AG単層用組成物を、AG単層用組成物に変えた以外は全く同様にして部材を得た。
実施例A4において、AS+HC+AR単層用組成物を、AR単層用組成物に代えた以外は全く同様にして部材を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物1をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にAG単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させ、AG層を積層させた。さらに、AG層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材を得た。
実施例及び比較例の部材について下記の試験後の、表面抵抗値(Ω/cm2)を測定し、その数値を表1に記載した。表面抵抗値(Ω/cm2)は、表面抵抗率測定機(三菱化学製、製品番号;Hiresta IP MCP−HT260)を用いて測定した。表中、10nは1×10nΩ/cm2を意味する。
耐熱試験、耐光試験、耐湿熱試験、を行う前に、上記測定機により、表面抵抗値を測定した。 表面抵抗値が、1010Ω/cm2オーダー未満である場合が良品であり、それに満たない場合は、不良である。比較例は、従来用いられている帯電防止材料を用いた部材で、いずれも本願発明のように、良品はみられなかった。
評価2:耐熱表面抵抗値測定
各部材を、90℃のオーブン中に250時間静置した後、上記測定機により、表面抵抗値を測定した。
評価3:耐光表面抵抗値測定
各部材を、耐光性試験機(スガ試験機製、製品名;フェードメータ)によりカーボンアーク光を100時間照射した後、上記測定機により、表面抵抗値R2を測定し、R1(評価1測定値)/R2比を求めた。
評価4:耐湿熱性試験
各部材を、80℃、湿度90%の高温高湿条件下、500時間の耐光性試験後の表面抵抗率R2’を上記測定機により測定し、耐光性試験前の表面抵抗率R1’(評価1測定値)と、耐光性試験後の表面抵抗率R2’との比R1’/R2’を求めた。
評価5:部材(積層体)の着色具合
各部材において、評価1にて表面抵抗値を測定できたものについて、帯電防止材料に依存する着色具合を目視観察した。10cm×10cmの正方形にした部材を、標準的コピー用紙(富士ゼロックスオフィスサプライ Ncolor081 サイズA3など)上にテープで4頂点を貼り付け、蛍光灯下で約30cm上方から目視観察した。ブランクとして、上記部材を作製するときに用いた透明基材(TAC、PET)を同様な状態に貼り、比較した。評価は、ブランクと同等の色である場合を良品とし、それ以外は不良とした。
実施例B中の略語の意味は以下の通りである
「TAC」:トリアセチルセルロース
「PET」:ポリエチレンテレフタレート
「HC」:ハードコート性又はハードコート層
「AS」:帯電防止性又は帯電防止層
「AG」:防眩性又は防眩層
「AR」:低屈折率性又は低屈折率層
「+」:複数の光学性質又は光学機能層の存在を意味する。
AS単層用組成物1
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS単層用組成物1を調製した。
イオン性添加剤(イオン性液体) 4.3質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
バインダー(商品名「SR−238F」) 5.5質量部 (Sartomar Company製)
重合開始剤(「イルガキュア184」) 0.62質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
メチルイソブチルケトン 59質量部 シクロヘキサノン 26質量部
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS単層用組成物2を調製した。
ATO分散液 25質量部 (日本ペルノックス社製、商品名「ペルトロンC−4456S−7」)
バインダー 5.5質量部 (Sartomar Company製、商品名「SR−238F」)
重合開始剤(「イルガキュア184」) 0.58質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名)
メチルイソブチルケトン 59質量部 シクロヘキサノン 26質量部
リチオフェン含有熱乾燥型樹脂組成物(出光テクノファイン社製、商品名「ELコート TALP2010」)をAS単層用組成物3とした。これは、帯電防止剤として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、熱可塑性樹脂バインダーとしてMMA(メタクリル酸メチル)−BA(アクリル酸ブチル)−2−HEMA(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)共重合体を含んでなるものである。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS+HC単層用組成物を調製した。
イオン性添加剤(イオン性液体) 78質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100質量部 (日本化薬社製、商品名「PET30」)
メチルエチルケトン 43質量部 レベリング剤 2質量部(大日本インキ化学工業社製、商品名「MCF−350−5」)
重合開始剤 4質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC単層用組成物と同様にして、HC単層用組成物を調製した。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS+HC+AG単層用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 18.22質量部 (日本化薬社製、屈折率1.51)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 7.00質量部 (日本化薬社製、屈折率1.51)
アクリル系ポリマー 2.69質量部 (三菱レイヨン製、分子量75,000)
光硬化開始剤(イルガキュア184) 1.64質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
光硬化開始剤(イルガキュア907) 0.28質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
スチレンビーズ(透光性第一微粒子) 4.18質量部 (綜研化学社製、粒径5.0μm、屈折率1.60)
メラミンビーズ(透光性第二微粒子) 2.51質量部 (日本触媒社製、粒径1.8μm、屈折率1.68)
シリコン系レベリング剤(10−28:大日精化社製) 0.010質量部 イオン性添加剤(イオン性液体) 15.000質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
トルエン 40.30質量部 シクロヘキサノン 10.08質量部
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC+AG単層用組成物と同様にして、AG単層用組成物を調製した。
下記成分を均一に混合させて得た組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してAS+HC+AR単層用組成物を調製した。
処理シリカゾル含有溶液 15.2質量部 (シリカゾル固形分20質量%を有する空隙微粒子の表面を、分散安定性を保持するためにシランカップリング剤で処理したものである。)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部 イオン性添加剤(イオン性液体) 1.23質量部 1−エチル,3−メチルイミダゾリウム「トリフルオロメタンスルフォネート」
(ステラケミファ社製)
重合開始剤(イルガキュア127) 0.10質量部 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製) 0.15質量部 メチルイソブチルケトン 80.0質量部
イオン性添加剤を添加しなかった以外は、AS+HC+AR単層用組成物と同様にして、AR単層用組成物を調製した。
実施例B1(TAC/AS/HC)
TAC透明基材(厚み80μm:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物1をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にHC単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、厚み10μm(乾燥時)のHC層を形成させて、部材(光学積層体)を得た。
実施例B1で作製した光学積層体のHC層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し(厚み約100nm(乾燥後))、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
TAC透明基材(厚み80μm、:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物1をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にAG単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させ、AG層を3μm(乾燥時)積層させた。さらに、AG層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
TAC透明基材(厚み80μm:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS+HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、AS+HC単層の厚みが5μm(乾燥時)の部材(光学積層体)を得た。
PET透明基材(厚み80μm:東洋紡績社製、製品名「A−4100」)を準備し、該基材の易接着面に、AS+HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が50mJ/cm2になるように紫外線照射して塗膜を硬化させ、厚み7μm(乾燥時)のAS+HC単層を成膜させた。さらに、この単層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより厚み100nm(乾燥時)塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
透明基材(厚み80μm、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績社製、製品名「A−4100」)を準備し、該基材の易接着面に、HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が50mJ/cm2になるように紫外線照射して塗膜を硬化させ、厚み7μm(乾燥時)のHC層を成膜させた。さらに、HC層の表面に、AS+HC+AR単層用組成物を厚み100nm(乾燥時)バーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
TAC透明基材(厚み80μm:富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の表面に、AS+HC+AG単層用組成物をバーコーティングにより厚み4μm(乾燥時)塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が100mJ/cm2になるよう照射して塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
実施例B7で作製した部材(光学積層体)のAG層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AG単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み10μmの透明なAG層を形成させた。その後、AG層の上にAS+HC+AR単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、塗膜全体の厚み約10μm(乾燥時)の部材(光学積層体)を得た。
透明基材(厚み80μm、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績社製、製品名「A−4100」)を準備し、該基材の易接着面に、実施例B1と同様にして、AS+HC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が50mJ/cm2になるように紫外線照射して塗膜を硬化させ、厚み7μm(乾燥時)のAS+HC層を成膜させた。さらに、AS+HC層の表面に、AS+HC+AR単層用組成物をバーコーティングにより厚み約100nm(乾燥時)塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株))を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物2をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にHC単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させて、厚み10μm(乾燥時)のハードコート層を形成させて、部材(光学積層体)を得た。
比較例B1において、AS単層用組成物2をAS単層用組成物3に代えた以外は同様にして部材(光学積層体)を得た。
比較例B2で得た部材(光学積層体)のHC層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
実施例B9において、AS+HC+AR単層用組成物をAR単層用組成物に代えた以外は全く同様にして部材(光学積層体)を得た。
透明基材(厚み80μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム社製、製品名「TF80UL」)を準備し、該基材の片面に、AS単層用組成物2をバーコーティングにより塗布し、温度50℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、塗膜を硬化させることにより、厚み約100nm(乾燥後)の透明なAS層を形成させた。その後、AS層の上にAG単層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させ、AG層を積層させた。さらに、AG層の表面に、AR単層用組成物をバーコーティングにより塗布し、次いで、50℃にて乾燥することにより溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm2になるように紫外線照射し塗膜を硬化させて、部材(光学積層体)を得た。
実施例B及び比較例Bの部材(光学積層体)について下記の試験後の、表面抵抗値(Ω/cm2)を測定し、その数値を表2に記載した。表面抵抗値(Ω/cm2)は、表面抵抗率測定機(三菱化学製、製品番号;Hiresta IP MCP−HT260)を用いて測定した。表中、10nは1×10nΩ/cm2を意味する。
耐熱試験、耐光試験、耐湿熱試験、を行う前に、上記測定機により、表面抵抗値を測定した。 表面抵抗値が、1010Ω/cm2オーダー未満である場合が良品であり、それに満たない場合は、不良である。比較例は、従来用いられている帯電防止材料を用いた部材で、いずれも本願発明のように、良品はみられなかった。
評価2:耐熱表面抵抗値測定
各部材(光学積層体)を、90℃のオーブン中に250時間静置した後、上記測定機により、表面抵抗値を測定した。
評価3:耐光表面抵抗値測定
各部材(光学積層体)を、耐光性試験機(スガ試験機製、製品名;フェードメータ)により上記記載の条件にてカーボンアーク光を100時間照射した後、上記測定機により、表面抵抗値R2を測定し、R1(評価1測定値)/R2比を求めた。
評価4:耐湿熱性試験
各部材を、80℃、湿度90%の高温高湿条件下、500時間の耐光性試験後の表面抵抗率R2’を上記測定機により測定し、耐光性試験前の表面抵抗率R1’(評価1測定値)と、耐光性試験後の表面抵抗率R2’との比R1’/R2’を求めた。
評価5:部材(積層体)の着色
各部材において、評価1にて表面抵抗値を測定できたものについて、帯電防止材料に依存する着色具合を目視観察した。10cm×10cmの正方形にした部材を、標準的コピー用紙(富士ゼロックスオフィスサプライ Ncolor081 サイズA3など)上にテープで4頂点を貼り付け、蛍光灯下で約30cm上方から目視観察した。ブランクとして、上記部材を作製するときに用いた透明基材(TAC、PET)を同様な状態に貼り、比較した。評価は、ブランクと同等の色である場合を良品とし、それ以外は不良とした。
Claims (21)
- 帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる組成物であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを含んでなる、組成物。 - 前記電解質が常温下で液体のイオン性液体である、請求項1に記載の組成物。
- 前記イオン性液体が、イミダゾリウム系、ピリジウム系、ピロリジニウム系、第4級アンモニウム系又は第4級ホスホニウム系のカチオン性の物質及びこれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
- 防眩剤、屈折率調整剤、および防汚染剤からなる群から選択される一種または二種以上の混合物をさらに含んでなる、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物を含んでなる、インキ組成物。
- 帯電防止性及びハードコート性を同時に実現できる部材であって、
帯電防止性を有する電解質と、ハードコート性を有するモノマー、オリゴマー又はプレポリマーとを含んでなる、部材。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物を、熱及び/又は電離放射線により硬化して得られる、請求項6に記載の部材。
- 前記電解質が前記モノマー、オリゴマー又はプレポリマー内に分散されてなり、
前記モノマー、オリゴマー又はプレポリマーが熱及び/又は電離放射線により硬化して得られた三次元立体網目構造内に、前記分散された電解質が緊縛した状態で存在する、請求項7に記載の部材。 - 基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなる積層体であって、
前記光学機能層が、請求項6又は8に記載の部材である、積層体。 - 前記光学機能層の表面又は前記基材と前記光学機能層の間、及び/又は前記光学機能層の上に、防眩層、屈折率調製層、および防汚染層からなる群から選択される一種または二種以上の層をさらに備えてなる、請求項9に記載の積層体。
- 帯電防止性を有する電解質と、樹脂とを含んでなる、帯電防止性組成物。
- 前記電解質が常温下で液体のイオン性液体である、請求項11に記載の帯電防止性組成物。
- 前記イオン性液体が、イミダゾリウム系、ピリジウム系、ピロリジニウム系、第4級アンモニウム系又は第4級ホスホニウム系のカチオン性の物質及びこれらの塩である、請求項12に記載の帯電防止性組成物。
- 防眩剤、屈折率調製剤、および防汚染剤からなる群から選択される一種または二種以上の混合物をさらに含んでなる、請求項11に記載の帯電防止性組成物。
- 請求項11〜14のいずれか一項に記載の帯電防止性組成物を含んでなる、インキ組成物。
- 帯電防止性を有する電解質と、樹脂とを含んでなる、帯電防止性部材。
- 請求項11〜14のいずれか一項に記載の組成物により得られる、請求項16に記載の部材。
- 基材と、該基材の上に、光学機能層を備えてなる積層体であって、
前記光学機能層が、請求項16に記載の部材である、積層体。 - 前記光学機能層の表面又は前記基材と前記光学機能層の間、及び/又は前記光学機能層の上に、防眩層、屈折率調製層、および防汚染層からなる群から選択される一種または二種以上の層をさらに備えてなる、請求項18に記載の積層体。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光素子の表面に、請求項6〜8、16又は17に記載の部材、或いは請求項9,10,18又は19に記載の積層体を備えてなる、偏光板。 - 透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなる画像表示装置であって、
前記透過性表示体の表面に、請求項9,10,18又は19に記載の積層体、或いは請求項20に記載の偏光板を備えてなる、画像表示装置。
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