JP2005313620A - 薄膜積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各界面を実質的になくして界面反射と干渉縞の発生を有効に防止した薄膜積層体を提供する。
【解決手段】 光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止層とハードコート層とをこれらの順で備えてなる薄膜積層体であって、前記光透過性基材と前記帯電防止層の界面が実質的に存在せず、および/または、前記帯電防止層と前記ハードコート層の界面が実質的に存在しないものである薄膜積層体により達成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、界面反射と干渉縞を防止した薄膜積層体に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置における表示面は、蛍光燈等の外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが要求される。これに対して、透明な物体の表面を屈折率の低い透明皮膜で被覆することにより反射率を低下させた薄膜積層体(例えば、反射防止積層体)を備えてなることにより、画像表示装置の表示面の反射性を低減させ視認性を向上させることがなされている。
反射防止を実現できる薄膜積層体の製造法としては、製造の容易性と低コスト性から、各層形成用に調製した塗工液を塗布する湿式塗布法が主流となっている。この湿式塗布法により形成される薄膜積層体の一例としては、光透過型基材の表面に、帯電防止層、ハードコート層、屈折率層がこれらの順で形成されてなる反射防止積層体が挙げられる。
光の反射性をより低減するために、屈折率の大きい層(例えば、屈折率1.5近傍のハードコート層)と低い層を積層させたものが挙げられる。湿式塗布法にあっては、屈折率の差が大きい材料を選択し塗布することにより、これらの両層を形成することが可能とされている。
しかしながら、屈折率の差が大きい層を積層させた反射防止積層体にあっては、合い重なり合った層の界面において、界面反射および干渉縞が生じることがしばしば見受けられる。特に、画面表示装置の表示画面において黒色を再現した際に、干渉縞は顕著に発生し、画像の視認性を低下することが指摘されている。また、非常に屈折率(例えば、1.2未満)の低い層を積層させた場合、他の層の密着性と積層体自体の機械的強度とを兼ね備えた反射防止積層体を製造することは困難であるとされている。
これに対して、特開2003−75605号公報(特許文献1)によれば、透明基材フィルム上に、屈折率が1.5〜1.7の中屈折率層、屈折率が1.6〜1.8の高屈折率層、更に高屈折率層より低い屈折率材料よりなる低屈折率層を、この順で透明基材フィルム側から積層した反射防止ハードコートシートによれば、界面反射および干渉縞等を解消することができるとされている。この先行技術は各層を構成する材料自体に着目してなされたものである。
しかしながら、本発明者らが確認したところ、薄膜積層体において、光透過型基材と帯電防止層の界面および帯電防止層とハードコート層の界面について着眼し、その界面状態を改善することにより反射界面および干渉縞を有効に防止することができたとする提案は未だなされていない。
2003−75605号公報
本発明者等は、本発明時において、光透過型基材と帯電防止層の界面および帯電防止層とハードコート層の界面において、これらの界面を実質的になくすことにより各界面における界面反射と干渉縞の発生を有効に防止することができるとの知見を得た。よって、本発明は光透過型基材と帯電防止層の界面および帯電防止層とハードコート層の界面に着目し、その界面を実質的に消滅させることにより、機械的強度を有し、優れた反射防止機能と、視認性を向上させた薄膜積層体の提供をその目的とするものである。
従って、本発明による薄膜積層体は、光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止層とハードコート層とをこれらの順で備えてなり、
前記光透過性基材と前記帯電防止層の界面が存在しないものであり、および/または、
前記ハードコート層と前記帯電防止層の界面が存在しないものである。
本発明による薄膜積層体によれば、光透過型基材と帯電防止層の界面および帯電防止層とハードコート層の界面において、界面反射と干渉縞の発生を有効に防止することができる。また、このような積層構造を形成できる帯電防止層用組成物と、ハードコート層用組成物を調製する成分を選択することにより、各層の密着性を向上させて、薄膜積層自体の機械的強度を向上させることを可能とする。
薄膜積層体
本発明による薄膜積層体は、光透過性基材と帯電防止層の界面および/またはハードコート層と帯電防止層の界面が(実質的に)存在しないものとされてなるものである。本発明において、「界面が(実質的に)存在しない」とは、二つの面が重なり合ってはいるが実際に界面が存在しないこと、および屈折率からみて両者の面に界面が存在していないと判断される場合をも含むものをいう。
本発明にあって、「界面が(実質的に)存在しない」との態様としては、光透過性基材と帯電防止層の界面の屈折率が、光透過性基材の屈折率から帯電防止層の屈折率に階調的に変化するものが挙げられる。また、別の好ましい態様としては、帯電防止層とハードコート層の界面の屈折率が、帯電防止層の屈折率から前記ハードコート層の屈折率に階調的に変化するものが挙げられる。
本発明にあっては、「界面が(実質的に)存在しない」とは、二つの層面が重なり合ってはいるが実際に界面が存在しないこと、および屈折率からみて両者の面に界面が存在していないと判断される場合をも含むものをいう。「界面が(実質的に)存在しない」との具体的な基準としては、例えば、光学積層体の断面を、レーザー顕微鏡により観察し、干渉縞が目視される積層体断面には界面が存在し、干渉縞が目視されない積層体断面には界面が存在しないことを測定することにより行うことができる。レーザー顕微鏡は屈折率に違いのあるものを非破壊的に断面観察できるものであることから、屈折率に大きな違いのない素材同士において界面が存在しないとの測定結果が生じる。このことから、屈折率的にみて、光透過性基材とハードコート層の間に界面が存在しないと判断しうる。また、帯電防止層については、ハードコート層および光透過性基材との間にはっきりとしたライン状の界面が存在しないとの測定結果となる。
界面の実質的な消滅
本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材と帯電防止層の界面が実質的に存在しないものとされるには、光透過性基材に対して浸透性を有する帯電防止層用組成物を用いて形成されることにより実現される。また、帯電防止層とハードコート層の界面が実質的に存在しないものとされるには、ハードコート層が、帯電防止層に対して浸透性を有するハードコート層用組成物を用いて形成されることにより実現される。
本発明にあっては、光透過性基材に対して浸透性の帯電防止層用組成物を用いて塗布させると、この組成物が光透過性基材内に浸透(湿潤)する。その後、この組成物を硬化させることにより、光透過性基材の上に帯電防止層が形成され、その両者が合い重なる面には界面が実質的に存在しないものとされる。そのメカニズムは容易に理解することはできないが、おそらく、光透過性基材と帯電防止層との間には、光透過性基材の成分から帯電防止層の成分へと階調的に成分変化が生じているのではないかと思われる。このことは、帯電防止層の表面にハードコート層が形成される場合も同様である。
本発明による光学積層体は、光透過性基材の上に、帯電防止層とハードコート層とがこれらの順で形成されてなるものであるが、他方、光透過性基材の上に、ハードコート層と帯電防止層とがこれらの順で形成されてなるものであってもよい。
1.光透過性基材
光透過性基材は、光を透過するものであれば、透明、半透明、無色または有色を問わないが、好ましくは無色透明のものがよい。光透過性基材の具体例としては、ガラス板;トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテル;トリメチルペンテン;ポリエーテルケトン;(メタ)アクリロニトリル等により形成した薄膜等が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、トリアセテートセルロース(TAC)が好ましくは挙げられる。光透過性基材の厚さは、30μm〜200μm程度であり、好ましくは50μm〜200μmである。
2.帯電防止層
本発明による帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂と溶媒と含んでなる浸透性の有る帯電防止層用組成物により形成される。帯電防止層用組成物は光透過性基材に対して浸透性のあるものとして調製される。帯電防止層の厚さは、30nm〜5μm程度であることが好ましい。
帯電防止剤(導電剤)
帯電防止層を形成する帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
また、導電性超微粒子が挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.3μmのものである。
樹脂
樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。樹脂としては、熱可塑性の樹脂も使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することがより好ましく、もっと好ましいのが、電離放射線硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性化合物を含む電離放射線硬化性組成物である。
電離放射線硬化性組成物としては、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。
電離放射線硬化性組成物中のプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物中のモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等を挙げることができる。通常、電離放射線硬化性組成物中のモノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて、1種若しくは2種以上を混合して用いる。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーが要求されるときは、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のアクリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化性組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーや表面硬度等の物性を調整するため、電離放射線硬化性組成物に、電離放射線照射では硬化しない樹脂を添加することもできる。具体的な樹脂の例としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添加がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。
電離放射線硬化性組成物の塗布後の硬化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化性組成物には、次のような有機反応性ケイ素化合物を併用してもよい。
有機ケイ素化合物としては、一般式RSi(OR')(式中、RおよびR'は炭素数1〜10のアルキル基を表し、mとnはm+n=4の関係を満たす整数である)で表せるものである。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物に併用し得る有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤である。具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
溶剤
溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;プロピレングリコール等のグリコール類;プロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルエチルケトン(以下、適宜「MEK」という)、メチルイソブチルケトン(以下、適宜「MIBK」という)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類が挙げられる。
本発明にあっては、光透過性基材に対して浸透性(湿潤性)のある溶剤を利用する。よって、本発明にあっては、浸透性溶剤の「浸透性」とは、光透過性基材に対して浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。浸透性溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、エステル類が挙げられる。
溶剤の具体例としては、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、N―メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジイソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブが挙げられ、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
3.ハードコート層
上記した帯電防止層に対して、浸透性のあるハードコート層用組成物は以下のようにして調製することが好ましい。「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度をいう。ハードコート層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。
樹脂
ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能化合物としてのモノマー類、またはエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。本発明にあっては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートが好ましくは挙げられる。
溶剤
溶剤は帯電防止層用組成物において説明したものと同様であってよい。
4.低屈折率層
本発明による薄膜積層体は、低屈折率層をさらに備えてなるものが好ましい。
低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様である。
低屈折率層は、より好ましくは、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体で構成することができる。このシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、具体的には、フッ化ビニリデンが30〜90%、ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%(以降も含め、百分率は、いずれも質量基準)を含有するモノマー組成物を原料とした共重合により得られるもので、フッ素含有割合が60〜70%であるフッ素含有共重合体100部と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150部とからなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を用いて、膜厚200nm以下の薄膜であって、且つ耐擦傷性が付与された屈折率1.60未満(好ましくは1.46以下)の低屈折率層を形成する。
低屈折率層を構成する上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、モノマー組成物における各成分の割合が、フッ化ビニリデンが30〜90%、好ましくは40〜80%、特に好ましくは40〜70%であり、又ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%、好ましくは10〜50%、特に好ましくは15〜45%である。このモノマー組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40%、好ましくは0〜35%、特に好ましくは10〜30%含有するものであってもよい。
上記のモノマー組成物は、上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体の使用目的および効果が損なわれない範囲において、他の共重合体成分が、例えば、20%以下、好ましくは10%以下の範囲で含有されたものであってもよく、このような、ほかの共重合成分の具体例として、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを例示することができる。
以上のようなモノマー組成物から得られるフッ素含有共重合体は、そのフッ素含有割合が60〜70%であることが必要であり、好ましいフッ素含有割合は62〜70%、特に好ましくは64〜68%である。フッ素含有割合が、このような特定の範囲であることにより、フッ素含有重合体は、溶剤に対して良好な溶解性を有し、かつ、このようなフッ素含有重合体を成分として含有することにより、種々の基材に対して優れた密着性を有し、高い透明性と低い屈折率を有すると共に十分に優れた機械的強度を有する薄膜を形成するので、薄膜の形成された表面の耐傷性等の機械的特性を十分に高いものとすることができ、極めて好適である。
このフッ素含有共重合体は、その分子量がポリスチレン換算数平均分子量で5,000〜200,000、特に10,000〜100,000であることが好ましい。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。フッ素含有共重合体は、それ自体の屈折率が1.45以下、特に1.42以下、更に1.40以下であるものが好ましい。屈折率が1.45を越えるフッ素含有共重合体を用いた場合には、得られるフッ素系塗料により形成される薄膜が反射防止効果の小さいものとなる場合がある。
このほか、低屈折率層は、SiOからなる薄膜で構成することもでき、蒸着法、スパッタリング法、もしくはプラズマCVD法等により、またはSiOゾルを含むゾル液からSiOゲル膜を形成する方法によって形成されたものであってもよい。なお、低屈折率層は、SiO以外にも、MgFの薄膜や、その他の素材でも構成し得るが、下層に対する密着性が高い点で、SiO薄膜を使用することが好ましい。上記の手法のうち、プラズマCVD法によるときは、有機シロキサンを原料ガスとし、他の無機質の蒸着源が存在しない条件で行なうことが好ましく、また、被蒸着体をできるだけ低温度に維持して行なうことが好ましい。
薄膜積層体の製造方法
組成物の調整
帯電防止層、ハードコート層、低屈折率層用の各組成物は、一般的な調製法に従って、先に説明した成分を混合し分散処理することにより調整されてよい。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等で適切に分散処理することが可能となる。
塗工
光透過性基材表面、帯電防止層の表面への各組成物の塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
好ましい実施態様
本発明による薄膜積層体の好ましい態様について以下に記載する。
帯電防止層の形成
光透過型基材としてトリアセテートセルロース(TAC)の上に、下記する浸透性のある帯電防止層用組成物を塗布して、帯電防止層が形成される。
帯電防止層用組成物の調製
帯電防止剤
帯電防止剤はいずれのものであってよいが、好ましくは金属微粒子、より好ましくはアンチモンドープ酸化錫(ATO)を使用する。
樹脂
樹脂は、電離放射線硬化性組成物、好ましくは官能基の数が1又は2以上のアクリレートモノマーが挙げられ、例えば、官能基が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。より好ましくは1,6-ヘキサンジオールジアクリレートである。
溶剤
溶剤の好ましい具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(好ましい)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル(好ましい)等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられる。樹脂と溶剤との添加比は重量基準で、1:1〜1:3、好ましくは3:4である。
本発明の好ましい態様によれば、帯電防止層は帯電防止剤(好ましくは金属性微粒子)と、樹脂として電離放射線硬化性組成物と、溶剤としてケトン類および/またはエステル類とを混合した組成物により形成されるものが好ましい。
本発明の好ましい帯電防止層用組成物は、帯電防止剤としてのアンチモンドープ酸化錫(ATO)と、樹脂としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、またはジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(DPPA)と、溶剤としてのシクロヘキサノン、酢酸ブチル、またはこれらの混合物との混合組成物が挙げられる。
より好ましい帯電防止層用組成物は、帯電防止剤としてのアンチモンドープ酸化錫(ATO)と、樹脂としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、溶剤としてのシクロヘキサノンと酢酸ブチルとの混合組成物が挙げられる。この場合、シクロヘキサノンと酢酸ブチルとの混合比率は重量基準で、20:80〜80:20、好ましくは30:70である。
ハードコート層の形成
帯電防止層の上に、下記浸透性のハードコート層用組成物を塗布して、光学積層体を得る。
ハードコート層用組成物の調製
樹脂
樹脂の好ましい具体例としては、電離放射線硬化性組成物、好ましくはペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)である。
溶剤
溶剤の好ましい具体例としては、MEK、MIBK、シクロヘキサノン(好ましい)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル(好ましい)等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物、MEK、MIBKが挙げられる。
樹脂と溶剤との添加比は重量基準で、20:80〜80:20、好ましくは55:70である。
本発明の好ましいハードコート層用組成物は、樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート、またはイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートと、溶剤としてのシクロヘキサノン、MIBK、MEK、またはこれらの混合物との混合組成物が挙げられる。溶剤としては、シクロヘキサノン、MIBK、MEKとの混合組成物が好ましくは挙げられる。この場合、シクロヘキサノン、MIBK、MEKとの混合比率は重量基準で、5:2:3である。
薄膜積層体の利用
本発明による薄膜積層体は下記の用途を有する。
反射防止積層体
本発明による薄膜積層体は反射防止積層体として利用される。
偏光板
本発明の別の態様によれば、偏光素子と、本発明による薄膜積層体とを備えてなる偏光板を提供することができる。具体的には、偏光素子の表面に、本発明による薄膜積層体を該薄膜積層体における防眩層が存在する面と反対の面に備えてなる、偏光板を提供することができる。
偏光素子は、例えば、よう素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。ラミネート処理にあたって、接着性の増加のため、または電防止のために、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。
画像表示装置
本発明のさらに別の態様によれば、画像表示装置を提供することができ、この画像表示装置は、透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなり、この透過性表示体の表面に、本発明による薄膜積層体または本発明による偏光板が形成されてなるものである。本発明による画像表示装置は、基本的には光源装置(バックライト)と表示素子と本発明による薄膜積層体とにより構成されてよい。画像表示装置は、透過型表示装置に利用され、特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサ等のディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に用いられる。
本発明による画像表示装置が液晶表示装置の場合、光源装置の光源は本発明による薄膜積層体の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
本発明の内容を下記の例によって詳細に説明するが本発明の内容は下記例により限定して解釈されるものではない。
各層用組成物の調整
各層用組成物を下記の組成に従い混合して調製した。
帯電防止層用組成物
基本組成物1
帯電防止剤(ATO) 30質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 10質量部
(日本化薬(株)製、商品名;PET30)
シクロヘキサノン 30質量部
MIBK 30重量部
分散剤 2.5質量部
基本組成物2
帯電防止剤(ATO) 30質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 10質量部
(日本化薬(株)製、商品名;PET30)
トルエン 60質量部
分散剤 2.5質量部
帯電防止層用組成物1
基本組成物1 100質量部
開始剤 樹脂成分に対して5質量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907)
シクロヘキサノン 219質量部
MIBK 219重量部
帯電防止層用組成物2
基本組成物2 100質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.5質量部
開始剤 樹脂成分に対して5質量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907)
トルエン 460質量部
ハードコート層用組成物
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100重量部
(日本化薬(株)製、商品名;PET30)
メチルエチルケトン 43重量部
レベリング剤 2重量部
(大日本インキ化学工業(株)、商品名;MCF−350−5)
重合開始剤 6重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)
薄膜積層体の調整
実施例1
光透過性基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム(株)製、TF80UL)を準備し、フィルムの片面に、帯電防止層用組成物1を巻線型のコーティングロッドを用いて塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が98mjになるように照射して塗膜を硬化させて、0.7g/cm(乾燥時)の透明帯電防止層を形成させて、帯電防止積層体を調製した。その後、ハードコート層用組成物を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で30秒間保持し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後、紫外線を積算光量が46mjになるように照射して塗膜を硬化させて、15g/cm2(乾燥時)のハードコート層を形成させ、薄膜積層体を調整した。
比較例1
帯電防止層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして薄膜積層体を調製した。
評価試験
実施例1および比較例1で調製した薄膜積層体について下記の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
評価1:干渉縞有無試験
薄膜積層体のハードコート層と逆の面に、裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、ハードコート層の面から薄膜積層体を目視しで観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価◎:干渉縞の発生はなかった。
評価×:干渉縞の発生があった。
評価2:界面有無試験
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS-NT:ライカ社製:倍率「500〜1000倍」)にて、薄膜積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の評価基準で判断した。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、薄膜積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断した。オイルの使用は、対物レンズと薄膜積層体との間の空気層を消失させるために用いた。
評価基準
評価◎:界面が観察されなかった(注1)。
評価×:界面が観察された(注2)。
注1および注2
注1:実施例1は図1に示す通り、油面/ハードコート層の界面と、帯電防止層中含まれる帯電防止剤とが観察されて、ハードコート層と帯電防止層と光透過性基材との界面は観察されなかった。
注2:比較例1は、図2に示す通り、油面/ハードコート層の界面と、ハードコート層、帯電防止層/光透過性基材との界面が観察された。
表1
評価1 評価2
実施例1 ◎ ◎
比較例2 × ×
図1は、本発明による光学積層体の断面のレーザー顕微鏡写真の概略図である。 図2は、比較例による光学積層体の断面のレーザー顕微鏡写真の概略図である。

Claims (10)

  1. 光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止層とハードコート層とをこれらの順で備えてなる薄膜積層体であって、
    前記光透過性基材と前記帯電防止層の界面が存在せず、および/または、
    前記帯電防止層と前記ハードコート層の界面が存在しないものである、薄膜積層体。
  2. 前記帯電防止層が、前記光透過性基材に対して浸透性を有する帯電防止層用組成物を用いて形成されることにより、前記光透過性基材と前記帯電防止層の界面が存在しないものとされてなる、請求項1に記載の薄膜積層体。
  3. 前記前記ハードコート層が、前記帯電防止層に対して浸透性を有するハードコート層用組成物を用いて形成されることにより、前記帯電防止層と前記ハードコート層の界面が存在しないものとされてなる、請求項1または2に記載の薄膜積層体。
  4. 前記光透過性基材と前記帯電防止層の界面の屈折率が、前記光透過性基材の屈折率から前記帯電防止層の屈折率へ階調的に変化するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  5. 前記帯電防止層と前記ハードコート層の界面の屈折率が、前記帯電防止層の屈折率から前記ハードコート層の屈折率へ階調的に変化するものとされてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  6. 前記光透過性基材の上に、ハードコート層と帯電防止層とがこれらの順で形成されてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  7. 前記ハードコート層の表面に低屈折率層がさらに形成されてなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  8. 反射防止積層体として利用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜積層体。
  9. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光素子の表面に、請求項8に記載の反射防止積層体を備えてなる、偏光板
  10. 透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなる画像表示装置であって、
    前記透過性表示体の表面に、請求項8に記載の反射防止積層体、または請求項9に記載の偏光板を備えてなる、画像表示装置。
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