JP5207095B2 - 光学積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、画像視認性とコントラストを向上させた光学積層体に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の蛍光体を用いた画像表示装置にあっては、蛍光体に電子線または紫外線等を照射し、蛍光体を発光させて、蛍光面からの透過光または反射光により画像を表示する。
蛍光体を用いた画像表示装置にあっては、蛍光体の反射率が高いため、表示装置の表面における外光由来の写り込みが発生し、表示される画像の視認性が低下することがしばしば指摘されていた。この写り込みを防止し視認性を向上させるため、従来より、画像表示装置の表面に、防眩性積層体または反射防止積層体の光学積層体が用いられていた。
しかしながら、画像表示装置の蛍光体が白色であり反射率が高いために、外光由来の反射光が発生し易く、また光学積層体と画像表示装置の蛍光体との内部において反射光が散乱光として発生することがあり、その結果、これら反射光または散乱光により、蛍光体から生じた発光色が影響を受けて、コントラスト(特に黒色再現性)と光透過性に優れた画像が得られないとの指摘がしばしばなされていた。
このような現象を抑制するものとして、特開平10−26704号では、表示装置の表面と反射防止積層体との間に着色体(層)を設けた光学積層体が提案されている。しかしながら、着色体(層)はそれ自体が透過率が低いため、全光線透過率が50〜70%程度に低下してしまい、画像再現性が低下することがあった。また、特開2003−167118号では、着色体(層)または粘着層を設けることなく、特定波長に透過率の極小な化学物質を塗布した電子表示装置用フィルターを備えたものが提案されている。
しかしながら、今尚、外光による写り込みを有効に防止し、全光線透過率が高く、そしてコントラストに優れた画像を実現できることを兼ね備えた光学積層体の開発が急務とされている。
本発明者等は、本発明時において、光学積層体の黒輝度、全光線透過率とを特定の数値範囲にすることにより、優れたコントラストと画像視認性とを実現することができるとの知見を得た。よって、本発明は光学積層体における輝度と全光線透過率とに着目し、これらの値を特定の範囲とすることにより、優れた反射防止機能と、画像表示性とを向上させた光学積層体の提供をその目的とする。
従って、本発明の第一の態様による光学積層体は、光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止剤を含んでなるハードコート層を備えてなるものであって、
黒輝度が9.3cd/m以下であり、
全光線透過率が80%以上94%以下であるものである。
本発明の第二の態様による光学積層体は、光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止層と、ハードコート層(またはハードコート層と、帯電防止層)とをこれらの順で備えてなるものであって、
全光線透過率が80%以上94%以下であり、
黒輝度が9.3cd/m以下であるものである。
本発明の別の態様によれば、光学積層体を評価する装置が提案され、その装置は、
前記光学積層体の全光線透過率を測定する第1の光学測定器と、
前記光学積層体の表面に光を照射し生じた反射光が第2の光学測定器の正面に到達するように配置された光源と、
前記光学積層体がその画像出力面に付着される画像表示装置と、
前記画像表示装置の画像出力面に付着された前記光学積層体の黒輝度を測定する第2の光学測定器と、および
黒輝度が9.3cd/m以下であり、全光線透過率が80%以上94%以下である光学積層体であることを評価する検出器とを備えてなるものである。
本発明のさらに別の態様によれば、光学積層体を評価する方法が提案され、その方法は、
前記光学積層体の全光線透過率を測定し、
画像表示装置の画像出力面に前記光学積層体を付着し、光源から前記光学積層体の表面に光を照射し生じた反射光から、前記光学積層体の黒輝度を測定し、
前記光学積層体の黒輝度が9.3cd/m以下であり、全光線透過率が80%以上94%以下である光学積層体であることを評価するものである。
1.光学積層体
1)物性
輝度
本発明による光学積層体は、輝度、好ましくは黒輝度で評価される。本発明にあっては、光学積層体の黒輝度の測定は、黒色表示された表面(9.13cd/m)に光学積層体を付着し、該光学積層体から500mm離れた光学測定器(輝度計)により行うことができる。このような黒色表示を可能とするものとしては、画像表示装置は、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像出力面が利用することができる。
全光線透過率
本発明による光学積層体は、その全光線透過率が、80%以上であり、好ましくは89%以上であり、好ましくは94%以下である。全光線透過率の測定方法としては、JIS−K7105に準拠して、ヘイズメーターHR100(村上色彩技術研究所社製、商品名)を用いて測定することができる。
反射率
本発明にあっては、5度の反射率が、4.5%以下であり、好ましく3%以下であり、より好ましくは2%以下である光学積層体が好ましい。ここで、「5度の反射率(Y値)」とは、光学測定器(分光計)を使用し、波長領域400〜700nmの範囲の5度正反射率を測定し、JIS Z8701に従って視感度補正したY値をいう。光学測定器は市販品を用いることができ、島津製作所製UV−3100PCが挙げられる。
ヘイズ値
本発明の好ましい態様によれば、ヘイズ値が3%以下であり、好ましくは1%以下である、光学積層体が好ましい。ヘイズ値の測定は全光線透過率の測定方法および測定装置と同様であってよい。
2)本発明の第一の態様
本発明の第一に態様は光学積層体が提案され、その光学積層体は、下記の用にして構成される。
光透過性基材
光透過性基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度とに優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル、セルローストリアセテートが挙げられる。
光透過性基材の厚さは、20μm以上300μm以下、好ましくは上限が200μm以下であり、下限が30μm以上である。光透過性基材が板状体の場合にはこれらの厚さを越える厚さであってもい。また、光透過性基材は、その上に光学特性層を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行なってもよい。
ハードコート層
本発明によるハードコート層は、樹脂と帯電防止剤と含んでなる。本発明によるハードコート層は、帯電防止機能を備えたものとして形成される。「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層の膜厚(硬化時)は3μm以上10μm以下であり、好ましくは下限が4μm以上であり上限が8μm以下である。
帯電防止剤(導電剤)
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
また、導電性超微粒子が挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.1μmのものである。
本発明の好ましい態様によれば、ハードコート層の膜厚が、上記記載の範囲にあるとき、ハードコート層に含まれる樹脂に対する帯電防止剤の添加量を示す重量比:PV比(PV比=帯電防止剤重量/樹脂重量)が5以上25以下であり、好ましくは上限が20以下であり下限が5以上である。添加量を上記数値範囲に調整することにより、黒輝度、全光線透過率を本発明の数値範囲に調整することができるので好ましい。
樹脂
樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、反応性希釈剤が挙げられ、これらの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。さらに、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。この化合物は市場入手可能であり、例えば商品名イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤または光重合促進剤を添加することができる。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、透明基材の材料がTAC等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例として、セルロース系樹脂、例えばニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
任意成分
防眩剤
ハードコート層は、防眩剤を含んでなるものであってよい。防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、透明樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
溶剤
ハードコート層を形成するには、上記成分を溶剤ともに混合した帯電防止層用組成物を利用する。溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。
ハードコート層の形成
ハードコート層は、上記した樹脂と溶剤と任意成分とを混合して得た組成物を光透過性基材に塗布することにより形成されてよい。本発明の好ましい態様によれば、上記の液体組成物に、フッ素系またはシリコーン系などのレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した液体組成物は、塗工面を良好にし、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して酸素による硬化阻害を有効に防止し、かつ、耐擦傷性の効果とを付与することを可能とする。
組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。液体組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、または直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
低屈折率層
本発明の好ましい態様によれば、ハードコート層の上に低屈折率層が形成されてなるものが好ましい。低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様であってよい。
低屈折率層は、より好ましくは、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体で構成することができる。このシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、具体的には、フッ化ビニリデンが30〜90%、ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%(以降も含め、百分率は、いずれも質量基準)を含有するモノマー組成物を原料とした共重合により得られるもので、フッ素含有割合が60〜70%であるフッ素含有共重合体100部と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150部とからなる樹脂組成物であり、この樹脂組成物を用いて、膜厚200nm以下の薄膜であって、且つ耐擦傷性が付与された屈折率1.60未満(好ましくは1.46以下)の低屈折率層を形成する。
低屈折率層を構成する上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体は、モノマー組成物における各成分の割合が、フッ化ビニリデンが30〜90%、好ましくは40〜80%、特に好ましくは40〜70%であり、又ヘキサフルオロプロピレンが5〜50%、好ましくは10〜50%、特に好ましくは15〜45%である。このモノマー組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40%、好ましくは0〜35%、特に好ましくは10〜30%含有するものであってもよい。
上記のモノマー組成物は、上記のシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体の使用目的および効果が損なわれない範囲において、他の共重合体成分が、例えば、20%以下、好ましくは10%以下の範囲で含有されたものであってもよく、このような、ほかの共重合成分の具体例として、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを例示することができる。
以上のようなモノマー組成物から得られるフッ素含有共重合体は、そのフッ素含有割合が60〜70%であることが必要であり、好ましいフッ素含有割合は62〜70%、特に好ましくは64〜68%である。フッ素含有割合が、このような特定の範囲であることにより、フッ素含有重合体は、溶剤に対して良好な溶解性を有し、かつ、このようなフッ素含有重合体を成分として含有することにより、種々の基材に対して優れた密着性を有し、高い透明性と低い屈折率を有すると共に十分に優れた機械的強度を有する薄膜を形成するので、薄膜の形成された表面の耐傷性等の機械的特性を十分に高いものとすることができ、極めて好適である。
このフッ素含有共重合体は、その分子量がポリスチレン換算数平均分子量で5,000〜200,000、特に10,000〜100,000であることが好ましい。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。フッ素含有共重合体は、それ自体の屈折率が1.45以下、特に1.42以下、更に1.40以下であるものが好ましい。屈折率が1.45を越えるフッ素含有共重合体を用いた場合には、得られるフッ素系塗料により形成される薄膜が反射防止効果の小さいものとなる場合がある。
このほか、低屈折率層は、SiOからなる薄膜で構成することもでき、蒸着法、スパッタリング法、もしくはプラズマCVD法等により、またはSiOゾルを含むゾル液からSiOゲル膜を形成する方法によって形成されたものであってもよい。なお、低屈折率層は、SiO以外にも、MgFの薄膜や、その他の素材でも構成し得るが、下層に対する密着性が高い点で、SiO薄膜を使用することが好ましい。上記の手法のうち、プラズマCVD法によるときは、有機シロキサンを原料ガスとし、他の無機質の蒸着源が存在しない条件で行なうことが好ましく、また、被蒸着体をできるだけ低温度に維持して行なうことが好ましい。
好ましい低屈折率層
本発明の好ましい低屈折率層は、低屈折率層用組成物を調製して塗膜する方法が好ましくは挙げられる。低屈折率層用組成物は、微粒子と、樹脂と、任意成分とにより形成されてよい。低屈折率層は、単層または複数層であってもよい。
微粒子
微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、プラスチックからなるものが挙げられ、好ましくは酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。シリカ微粒子は結着剤(バインダー)の屈折率上昇を抑制しつつ、所望の屈折率を付与することを可能とする。シリカ微粒子は結晶性、ゾル状、ゲル状の状態等を問わない。また、シリカ微粒子は市販品を使用することができ、例えば、アエロジル(デグサ社製)、コロイダルシリカ(日産化学工業製)等が好ましく使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
微粒子の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
微粒子の疎水化
本発明の好ましい態様によれば、微粒子は疎水化されたものが好ましい。疎水化される微粒子はそれ自体、疎水性、非疎水性、これらの両性のいずれであってもよい。また、疎水化は、微粒子の全表面または内部構造までさらに行ってもよい。微粒子を疎水化する処理方法としては、1)低分子有機化合物による疎水化処理、2)高分子化合物による表面被覆疎水化処理、3)カップリング剤による疎水化処理、4)疎水性ポリマーをグラフトすることによる疎水化方法が挙げられる。
樹脂
樹脂は、1分子中に3個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するモノマーが含まれる。本発明で使用するモノマーは、電離放射線により硬化する官能基(以下、「電離放射線硬化性基」と適宜呼ぶ)を有し、かつ、熱により硬化する官能基(以下、「熱硬化性基」と適宜呼ぶ)を有する。このため、このモノマーを含有する組成物(塗工液)を被塗工体の表面に塗布し、乾燥した後、電離放射線を照射し、又は電離放射線の照射と加熱を行うことにより、塗膜内の架橋結合等の化学結合を容易に形成し、塗膜を効率よく硬化させることができる。
このモノマーが有する「電離放射線硬化性基」は、電離放射線の照射により重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基であり、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、或いは、光二量化を経て進行する付加重合又は縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。その中でも、特に、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基は、紫外線、電子線のような電離放射線の照射により直接的に、又は開始剤の作用を受けて問接的に光ラジカル重合反応を生じるものであり、光硬化の工程を含む取り扱いが比較的容易なものとして好ましい。
モノマー成分中に含まれていてもよい「熱硬化性基」は、加熱によって同一の官能基又は他の官能基との間で重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて硬化させることができる官能基であり、そのような基の具体例としては、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、水素結合形成基等が挙げられる。これらの官能基の中でも水素結合形成基は、微粒子が無機超微粒子である場合、微粒子表面に存在する水酸基との親和性にも優れており、該無機超微粒子及びその集合体のバインダー中での分散性を向上させるので好ましい。水素結合形成基のうち、特に水酸基が、バインダー成分への導入が容易で、コーティング組成物の保存安定性や熱硬化により無機系の空隙を有する微粒子表面に存在する水酸基との共有結合を形成し、該空隙を有する微粒子が架橋剤として作用し、塗膜強度の更なる向上を図ることができるために特に好ましい。ここで、塗膜の屈折率を充分に低くするためには、モノマー成分の屈折率が1.65以下であることが好ましい。
本発明による反射防止積層体の低屈折率層の形成に用いるコーティング組成物の結着剤としては、1分子中に2個以上の電離放射線硬化性基を有するモノマー成分が挙げられ、これは塗膜の架橋密度を向上させ、膜強度又は硬度を向上させるために好ましいものである。
塗膜の屈折率を下げ、撥水性を持たせるためには、分子中にフッ素原子を有することが望ましい。本発明においては、フッ素原子を含み、且つ数平均分子量が2万以上の電離放射線で硬化するポリマーと、1分子中に2個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するフッ素含有及び/又は先の非含有のモノマーとの組合せを好ましくは用いることができる。この組合せによる組成物は、低屈折率組成物に成膜性(皮膜形成能)と低い屈折率を付与するための結着剤である電離放射線硬化型のフッ素原子を含有するモノマー及び/又はボリマーを含んでなるものである。
分子中にフッ素原子を含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーは塗膜の架橋密度を高める効果があり、分子量が小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果がある。フッ素原子含有ポリマーは、分子量が十分大きいので、フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーと比べて成膜性が高い。このフッ素原子含有ポリマーに、上記フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーとの組合せにより、流動性が向上され塗工液としての適性が改善され、架橋密度も高められるので塗膜の硬度又は強度を向上させることができる。
フッ素原子含有モノマーの具体例としては、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロー2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等が挙げられる)、アクリルまたはメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類、完全または部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等が挙げられる。
フッ素原子非含有モノマーの具体例としては、ペンタエリストールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリストールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレー;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート誘導体、ジペンタエリストールペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;または、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴマーが挙げられる。これらのフッ素非含有モノマー及び/又はオリゴマーは、二種以上を組み合わせて用いても良い。
任意の成分
低屈折率層は、疎水化処理された微粒子と、結着剤を含んでなるものであるが、さらに必要に応じて、フッ素系化合物および/またはケイ素化合物、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物以外の結着剤等を含んでなるものであってよい。さらに、低屈折率層形成用塗工液には、溶剤、重合開始剤、硬化剤、架橘剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、またはその他の成分が含まれていても良い。
その他の層
本発明による光学積層体は、光透過性基材とハードコート層(必要に応じて低屈折率層)とより構成されてなるが、必要に応じて、これら各層の間または光学積層体の最表面に帯電防止層を形成してなるものが好ましい。
帯電防止層
帯電防止層は、帯電防止剤と、溶剤と、樹脂とを含んでなる帯電防止層用液体組成物により形成されてなる。耐電防止剤と溶剤とはハードコート層において説明したのと同様であってよい。帯電防止層の厚さは、10nm以上1μm以下程度であることが好ましい。また、この膜厚の範囲内で、帯電防止層を形成する樹脂に対する帯電防止剤の添加量を示す重量比:PV比(PV比=帯電防止剤重量/樹脂重量)は100以上500以下、好ましくは300以上500以下で、更に好ましくは上限が350以下である。この添加重量比とすることにより、帯電防止層を良好な帯電防止性能を付与することが可能となる。例えば、帯電防止層の表面抵抗値を10Ω/□以下とすることが可能となる。特に、PVが300以上であることで有効に達成しうる。
樹脂
樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。樹脂としては、熱可塑性の樹脂も使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することがより好ましく、より好ましくは、電離放射線硬化性樹脂または電離放射線硬化性化合物を含む電離放射線硬化性組成物である。
電離放射線硬化性組成物としては、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。
電離放射線硬化性組成物中のプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物中のモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等を挙げることができる。
通常、電離放射線硬化性組成物中のモノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて、1種若しくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とするのが好ましい。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーが要求されるときは、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のアクリレートモノマーを使用とよい。電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化性組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたときのフレキシビリティーや表面硬度等の物性を調整するため、電離放射線硬化性組成物に、電離放射線照射では硬化しない樹脂を添加することもできる。具体的な樹脂の例としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添加がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。
電離放射線硬化性組成物の塗布後の硬化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化性組成物には、次のような有機反応性ケイ素化合物を併用してもよい。
有機ケイ素化合物の1は、一般式RSi(OR')で表せるもので、RおよびR'は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR'の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
電離放射線硬化性組成物に併用し得る有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤である。具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
帯電防止層の形成
帯電防止層として塗膜を形成するには、帯電防止剤と、樹脂と、溶剤とを混合した組成物を、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法により塗布する。次に、この液体組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
)本発明の第二の光学積層体
本発明の第二の光学積層体は、本発明の第一の光学積層体における帯電防止剤を含んでなるハードコート層の代わりに、光透過性基材の上に、帯電防止層と、ハードコート層(またはハードコート層と、帯電防止層)とをこれらの順で備えてなる点が相違するのみである。よって、本発明の第二の態様におけるハードコート層は、本発明の第一の態様による光学積層体で説明したハードコート層において帯電防止剤を含まない点に以外は同じであってよく、また本発明による帯電防止層は、本発明の第一の光学積層体において説明したものと下記の点以外は同様であってよい。
帯電防止層
帯電防止層は、帯電防止剤と、溶剤と、樹脂とを含んでなる帯電防止層用液体組成物により形成されてなる。耐電防止剤と溶剤とはハードコート層において説明したのと同様であってよい。帯電防止層の厚さは、10nm以上1μm以下程度であることが好ましい。また、この膜厚の範囲内で、帯電防止層を形成する樹脂に対する帯電防止剤の添加量を示す重量比:PV比(PV比=帯電防止剤重量/樹脂重量)は100以上500以下、好ましくは300以上500以下で、更に好ましくは上限が350以下である。この添加重量比とすることにより、帯電防止層を良好な帯電防止性能を付与することが可能となる。例えば、帯電防止層の表面抵抗値を10Ω/□以下とすることが可能となる。特に、PVが300以上であることで有効に達成しうる。
2.光学積層体の製造方法
各層用組成物の調整
ハードコート層、低屈折率層等の各組成物は、一般的な調製法に従って、先に説明した成分を混合し分散処理することにより調整されてよい。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等で適切に分散処理することが可能となる。
塗工
各組成物の塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
3.光学積層体の用途
本発明による光学積層体は、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体として利用される。また、本発明による光学積層体は、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、PDP、液晶パネルなどのディスプレイの表面に用いられる。
偏光板
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護積層体により主として構成される。本発明の反射防止積層体は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護保護積層体のうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の光学積層体が保護積層体を兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の光学積層体を最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐擦傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。偏光膜は、公知の偏光膜、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。
4.光学積層体評価装置(評価方法)
本発明の別の態様によれば、光学積層体を評価する装置(方法)が提案される。
本発明による光学積層体を評価する装置について、該装置の一態様を示した図1を用いて説明する。光学積層体を評価する装置1は、光源3と、画像表示装置5と、第2の光学測定器7とを備えてなることを基本とする。先ず、予め第1の光学測定器により光学積層体の全光線透過率と5度の反射率を測定する。次に、図1において、光源3が、画像標示装置3に付着された光学積層体4に光が照射される位置から垂直方向上部に約1400mm、平行方向に約700mmの位置に設置されている。第2の光学測定器(輝度計)7は、画像標示装置3に付着された光学積層体4の光が照射される位置から平行方向に約500mmの位置に設置されている。光学積層体4は、画像表示装置5の画像出力面に付着されて評価測定される。光学積層体4は、光源3から、光学積層体4の方向に対して700lux、かつ、第2の光学測定器7の正面から見て光学積層体の表面に対して250luxとなるように光を照射する。光学測定器7は、光学積層体4の黒輝度を測定する。その後、第1の光学測定器と第2の光学測定器7により測定した数値が検出器に送られて、黒輝度が9.3cd/m以下であり、全光線透過率が80%以上94%以下であること(および5度の反射率が4.5%以下)を検知し評価する。本発明の好ましい態様によれば、検出器は黒輝度、全光線透過率および5度反射率を本発明の範囲に設定し、当該範囲に属するか否かにより光学積層体を評価する設定を行った演算器を備えたもので行うこと好ましく、より好ましくは、これらデータを出入力し解析するコンピュターを用いて行うものが好ましい。
以下の実施例を用いて本発明の内容を説明するが、本発明の内容はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
1.各層形成用組成物の調製
下記組成表に従い、各成分を混合して各層形成用組成物を調製した。下記組成表中の略語は下記を意味する。
略語
PV比:塗膜形成後の各層中の樹脂成分と帯電防止剤との添加比である。帯電防止剤含有ハードコート層及び帯電防止層形成用組成物における樹脂成分に対する帯電防止剤の添加量を示す重量比を表す。具体的には、PV比=帯電防止剤重量/樹脂成分重量である。
ATO:アンチモンドープ酸化錫超微粒子(帯電防止剤)
ITO:酸化インジウム錫超微粒子(帯電防止剤)
帯電防止剤含有ハードコート層用組成物1(PV比5)
ATO:「SN−100P」(商品名:石原テクノ社製) 5重量部
分散液:SOLSEPERSE3000(商品名:アビシア社製) 2重量部
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
イソプロピルアルコール 100重量部
帯電防止剤含有ハードコート層用組成物2(PV比10)
ATO:SN−100P(商品名:石原テクノ社製) 10重量部
分散液:SOLSEPERSE3000(商品名:アビシア社製) 4重量部
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
イソプロピルアルコール 100重量部
帯電防止剤含有ハードコート層用組成物3(PV比25)
ATO:SN−100P(商品名:石原テクノ社製) 25重量部
分散液:SOLSEPERSE3000(商品名:アビシア社製) 4重量部
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
イソプロピルアルコール 100重量部
ハードコート層用組成物
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 40重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
トルエン 60重量部
帯電防止層用組成物
ASHD300S(商品名;ザ・インクテック製) 5重量部
光開始剤:イルガキュア184 0.2重量部
シクロヘキサノン 22重量部
低屈折率層用組成物1
フッ素原子含有バインダー樹脂 15重量部
(商品名:オプツールAR100、ダイキン工業社製)
光重合開始剤:イルガキュア907 0.3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
メチルイソブチルケトン 85.3重量部
低屈折率層用組成物2
フッ素原子含有バインダー樹脂 13重量部
(商品名:オプツールAR100、ダイキン工業社製)
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 2重量部
光重合開始剤:イルガキュア907 0.3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
メチルイソブチルケトン 85.3重量部
2.光学積層体の調製
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製 #100-U46 厚み100μm)用意し、この表面に帯電防止剤含有ハードコート層用組成物1をバーコーティングした。その後、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/mで紫外線照射を行い、硬化させて、10μmのATO含有ハードコート層を得た。
次に、ATO含有ハードコート層の表面に、低屈折率層組成物2をバーコーティングし、乾燥により溶剤分を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/mで紫外線照射を行い硬化させて、光学積層体を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調製した。
実施例2
帯電防止剤含有ハードコート層用組成物1を帯電防止剤含有ハードコート層用組成物2に代え、帯電防止剤含有ハードコート層の膜厚を3μmとした以外は実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
実施例3
帯電防止剤含有ハードコート層用組成物1を帯電防止剤含有ハードコート層用組成物3に代え、帯電防止剤含有ハードコート層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
実施例4
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム(富士写真フイルム製 TF80UL 厚み80μm)を用意し、このフィルムの上に帯電防止層用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量92mJ/mで紫外線照射を行い、硬化させて、10nmの帯電防止層を形成させた。
次に、この帯電防止層の表面に、ハードコート層用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/mで紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、5μmのハードコート層を形成させて、所望の光学積層体を得た。
実施例5
実施例4の帯電防止層の膜厚を200nmとした以外は、実施例4と同様に光学積層体を得、その光学積層体のハードコート層の表面に、低屈折率層用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤分を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/mで紫外線照射を行って硬化させて、光学積層体を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調製した。
実施例6
帯電防止層の膜厚を500nmにした以外は、実施例5と同様にして光学積層体を得た。
比較例1
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)を用意し、このフィルムの表面にハードコート層用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/mで紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、5μmのハードコート層を形成させた。
次に、ハードコート層の表面に低屈折率層用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤分を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/mで紫外線照射を行って硬化させて、光学積層体を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調製した。
比較例2
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)に、また低屈折率層用組成物1を低屈折率層用組成物2に、代えた以外は比較例1と同様にて光学積層体を得た。
比較例3
帯電防止剤含有ハードコート層の膜厚を3μmに変更した以外は、実施例3と同様にして、光学積層体を得た。
評価試験
実施例1〜6および比較例1〜2の光学積層体について下記試験を行い、その結果を下記表1に表した。
評価1:黒輝度測定
図1に示す装置を用いて、画像表示装置(CPD-G200J:ソニー(株)製)の画像出力面表面に貼られている表面フィルムを剥がした後、最表面をガラス面とし(このガラス表面状態とした状態で黒表示したときの黒輝度は9.13cd/mであった)、そのガラス面上に光学積層体を付着し、画像出力面を黒に表示させて、光学積層体から500mm離れて光学測定器(輝度計)により測定した。
評価2:全光線透過率
JIS−K7105に準拠して、ヘイズメーターHR100(村上色彩技術研究所社製、商品名)を用いて全光線透過率(%)を測定した。
評価3:5度の反射率(Y値)
分光計(UV−3100PC:島津製作所製)を使用し、波長領域400〜700nmの範囲の5度の反射率(%)を測定し、JIS Z8701に従って視感度を補正して測定した。
評価4:PV比
帯電防止剤含有ハードコート層または帯電防止層における樹脂成分に対すると帯電防止剤の添加量を示す重量比:PV比を定めた。
評価5:膜厚
帯電防止層もしくは帯電防止剤含有ハードコート層の膜厚は、SEM及びTEM(どちらも日本電子株式会社(JEOL)製)により測定した。
表1
評価1 評価2 評価3 評価4 評価5
実施例1 8.86 92.0 1.60 5 10μm
実施例2 8.44 90.1 1.62 10 3μm
実施例3 6.76 80.2 1.58 25 5μm
実施例4 9.03 92.0 4.48 300 10nm
実施例5 9.05 92.9 1.31 350 200nm
実施例6 6.33 80.3 1.33 400 500nm
比較例1 9.40 95.2 1.1 − −
比較例2 9.32 94.6 1.14 − −
比較例3 6.54 77.5 1.54 27 3μm
本発明による光学積層体の評価装置の概略図を表す。

Claims (5)

  1. 光透過性基材と、該光透過性基材の上に、帯電防止剤を含んでなるハードコート層を備えてなる、蛍光体を用い、前記蛍光体を発光させて、蛍光面からの透過光または反射光により画像を表示する画像表示装置用の光学積層体であって、
    黒輝度が9.3cd/m以下であり、
    全光線透過率が80%以上94%以下であり、
    ヘイズ値が1%以下であり、
    5度の反射率が2%以下であり、
    前記ハードコート層の厚さが、3μm以上10μm以下であり、
    前記ハードコート層が、樹脂100質量部に対して前記帯電防止剤5〜25質量部を含む組成物を用いて形成されている、光学積層体。
  2. 前記ハードコート層の厚さが、4μm以上8μm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記ハードコート層の最表面に低屈折率層を備えてなる、請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 反射防止積層体として利用される、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学積層体。
  5. 画像表示装置に利用される、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学積層体。
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