JP4923754B2 - 光学積層体 - Google Patents

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本発明は、新規な光学積層体に関する。
ワードプロセッサ、コンピュータ、テレビ等の電子機器のディスプレイをはじめとする種々のディスプレイ装置等には、ガラス、プラスチック等の板状の透明材料が使用されている。これらの透明材料は、静電気による塵埃の付着、汚れの付着、あるいは擦り傷や引っかき傷等によって、透明性が損なわれやすいという問題点がある。
そこで、透明材料上にハードコートを形成したり、あるいはハードコート上に所望の機能(例えば、帯電防止性、防汚性、反射防止性等)を付与するためにさらに他の層を形成させることが行われている。
しかし、透明基材上にハードコート等を形成させた場合、透明基材表面の反射光とハードコート表面の反射光とが干渉して、膜厚のムラに起因して干渉縞と呼ばれるムラ模様となって現れ、外観が損なわれるという問題点が生じる。
この問題を解決するためには、光学的にはハードコート層等の厚みを数十μm以上に極端に厚くする方法、あるいは100nm程度まで薄くするという方法がある。しかし、前者では、クラックが生じるほか、コストがかかる等の理由で実用性に欠ける。後者では、十分な表面硬度が確保できなくなるという問題がある。
特開2005−107005
従って、本発明の主な目的は、干渉縞の発現を効果的に抑制ないしは防止しつつ、高い表面硬度を発揮できる光学積層体を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の層構成を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の光学積層体に係る。
1. 光透過性基材の上に、少なくとも(1)前記基材に隣接するハードコート層A及び(2)ハードコート層Bが形成されてなる積層体であって、
前記ハードコート層Aが、重量平均分子量200〜4万であり、かつ、3〜15の官能基を有する化合物Aを50〜100重量%、及び前記基材に対して浸透性又は溶解性を有する溶剤としてメチルエチルケトンを含む組成物Aを用いて形成されてなり、該化合物Aが、(メタ)アクリレート系化合物及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも1種であり、
前記ハードコート層Bが、重量平均分子量1000〜50000であり、かつ、6〜15の官能基を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物、及び3〜6の官能基を有する(メタ)アクリレート系化合物を合計10〜100重量%含む組成物Bを用いて形成されてなることを特徴とする光学積層体。
2. 前記ハードコート層Aの化合物Aとして、
3官能基を有するポリエステルアクリレート、
3官能基を有するポリエステルアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、又は
10官能基を有するウレタンアクリレート、10以上の官能基を有するウレタンアクリレート及びポリエチレングリコールジアクリレートの組み合わせ、のいずれかを含み、
前記ハードコート層Bの組成物Bとして、
3官能基を有するポリエステルアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び10以上の官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、又は
ペンタエリスリトールトリアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、のいずれかを含む、請求項1に記載の光学積層体。
3. 1)ハードコート層Aとハードコート層Bとの間、2)ハードコート層Bの上又は3)ハードコート層Aの下に、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、防汚層又はこれらの2種以上の層を形成してなる、前記項1又は2に記載の光学積層体。
4. 反射防止用積層体として用いられる、前記項1〜3のいずれかに記載の光学積層体。
本発明の光学積層体は、少なくとも特定の2つのハードコート層の形成により、前記基材とハードコート層Aとの界面が実質的に存在しない状態を実現することができる。これにより、干渉縞の発生を抑制ないしは防止できるとともに、高い表面硬度を発揮することができる。また、本発明積層体は、上記構成により、加工時におけるカールも効果的に抑制することができる。
本発明による光学積層体は、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体(防眩性積層体としての利用を含む)として好適に用いることができる。また、本発明による光学積層体は、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサ等のディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、LCD、PDP、ELD等のディスプレイの表面に好ましく用いられる。
本発明の光学積層体は、光透過性基材の上に、少なくとも(1)前記基材に隣接するハードコート層A及び(2)ハードコート層Bが形成されてなる積層体であって、前記基材とハードコート層Aとの界面が実質的に存在しないことを特徴とする。
なお、本明細書では、アクリレート及びメタクリレートを総称して(メタ)アクリレートをいうことがある。
以下、本発明の光学積層体の各層について説明する。なお、本発明では、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体を、特別な記載がない限り、総称して“樹脂”と表記する。
光透過性基材
光透過性基材の材質としては光を透過するものであれば良く、無色透明又は有色透明のいずれであっても良い。また、半透明であっても良い。このような材料としては、無機系材料又は有機系材料のいずれも使用することができる。無機系材料としては、例えばガラス等が挙げられる。有機系材料としては、トリアセテートセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂のほか、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、メタ(アクリルニトリル)、ポリスルホン、ポリエーテル等が例示される。これらの中でもセルロース系樹脂が好ましく、特にトリアセテートセルロースがより好ましい。
これらの材料は市販品を用いることもできる。例えば、ポリエステル樹脂としては、東洋紡(株)社製の製品名「A−4100」「A−4300」等が好ましい。また、トリアセテートセルロースとしては、富士写真フィルム(株)社製の製品名「TF80UL」「FT TDY80UL」等が好ましい。
そのほかにも、光透過性基材として、脂環構造を有する非晶質オレフィンポリマー(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等を主成分とする基材であり、公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば日本ゼオン(株)製の「ゼオネックスや」「ゼオノア」(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製「スミライトFS-1700」、
JSR(株)製 「アートン」(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製「アペル」(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の「Topas」(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製「オプトレッツOZ-1000」シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ(株)製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好適に用いることができる。
光透過性基材の厚みは限定的ではないが、一般的には30〜200μm程度とすることが好ましい。
ハードコート層
本発明における「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。
本発明では、少なくとも(1)前記基材に隣接するハードコート層A及び(2)最表面層としてのハードコート層Bが形成されてなる。ハードコート層Aにより、干渉縞の発生を抑制ないしは防止することができる。また、ハードコート層Aは、積層体のカールも効果的に抑制することができる。ハードコート層Bにより、所定の硬度を確保することができる。このように、2層のハードコート層を有する層構造とすることにより、干渉縞の問題と表面硬度の問題とを一挙に解消することが可能となる。
各ハードコート層の厚みは、所望の特性等に応じて適宜設定できるが、通常は0.1〜100μm、特に0.8〜20μmとなるように形成することが望ましい。
各ハードコード層は、透明性を有する限り制限されない。例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂(電離放射線硬化型樹脂)、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等のように、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで皮膜形成できる樹脂)、熱硬化型樹脂等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの樹脂自体は、公知又は市販のものを使用することができる。本発明では、電離放射線硬化型樹脂を用いるのが好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
各ハードコート層の形成にあっては、例えば原料成分を含む組成物(ハードコート層形成用組成物)を用いて形成することができる。より具体的には、原料成分及び必要に応じて添加剤を溶剤に溶解又は分散してなる溶液又は分散液をハードコート層形成用組成物として用い、前記組成物による塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させることにより、各ハードコート層をそれぞれ得ることができる。
前記組成物の調製方法は、各成分を均一に混合できれば良く、公知の方法に従って実施すれば良い。例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して混合することができる。
塗膜の形成方法は、公知の方法に従えば良い。例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコ一夕一法、メニスカスコ一夕一法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコ一夕一法等の各種方法を用いることができる。
得られた塗膜の硬化方法は、組成物の内容等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、紫外線硬化型であれば、塗膜に紫外線を照射することにより硬化させれば良い。
各ハードコート層A又はハードコート層Bの形成に用いる組成物A又は組成物Bとしては、透明性を有する前記樹脂の原料成分となるものを用いれば良く、前記樹脂の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー;ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性ジ(又はトリ)アクリレート等の多官能性ノマー等の1種又は2種以上が挙げられる。
本発明では、これらの中でも、エチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも1種を好適に用いることができる。すなわち、アクリレート化合物及び/又はメタクリレート化合物の少なくとも1種を好適に用いることができる。
組成物A又は組成物Bにおいては、必要に応じて溶剤を用いることができる。溶剤としては、用いる原料成分の種類等に応じて公知の溶剤の中から適宜選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ニトロメタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等のその他の物;又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。より好ましい溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の少なくとも1種が挙げられる。
特に、組成物Aに用いる溶剤としては、用いる光透過性基材に浸透性を有するもの(基材の材料を膨潤、溶解することができるもの)を好適に用いることができる。例えば、光透過性基材としてセルロース系樹脂を用いる場合には、メチルエチルケトン等を好適に用いることができる。
組成物A又は組成物Bで溶剤を用いる場合、溶剤の使用量は、各組成物の固形分含有量が5〜80重量%程度となるように適宜設定すれば良い。
(ハードコート層A)
特に、ハードコート層Aを形成するための組成物Aとしては、原料成分として、重量平均分子量200以上であり、かつ、3以上の官能基を有する化合物(化合物A)を含む組成物(混合物)を用いることが好ましい。このような化合物Aを用いることにより、干渉縞の発生を効果的に抑制することができる。
前記重量平均分子量は、通常は200以上とすれば良いが、好ましくは250以上、より好ましくは300以上、最も好ましくは350以上とする。前記重量平均分子量の上限は限定的ではないが、通常は4万程度とすれば良い。また、前記の官能基の数は、一般的には3以上であるが、好ましくは3を超える数とし、より好ましくは4以上、最も好ましくは5以上とする。前記の官能基の数の上限は限定的ではないが、通常は15程度とすれば良い。
上記化合物Aは、上記の重量平均分子量及び官能基数を有するものであれば良いが、前記のとおり、(メタ)アクリレート系化合物及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも1種を好適に用いることができる。例えば、上記の重量平均分子量及び官能基数を有するポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の少なくとも1種を好ましく用いることができる。これらは公知又は市販のものを用いることができる。
組成物A中における化合物Aの含有割合(固形分)は限定的ではないが、通常は50〜100重量%(特に90〜100重量%)とすれば良い。化合物A以外の成分として、重合開始剤あるいは後記の添加剤のほか、重量平均分子量200未満の化合物等が含まれていても良い。
(ハードコート層B)
特に、ハードコート層Bを形成するための組成物Bとしては、原料成分として、6以上(好ましくは6以上15以下)の官能基を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含む組成物(混合物)を用いることが望ましい。前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、特に重量平均分子量1000〜50000(好ましくは1500〜40000)のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも1種を好適に用いることができる。
また、本発明では、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物に加え、さらに3以上6以下の官能基を有する(メタ)アクリレート系化合物(但し、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を除く。)を併用することもできる。前記(メタ)アクリレート系化合物としては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の少なくとも1種を好適に用いることができる。
組成物B中における前記(メタ)アクリレート系化合物及び前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の合計の含有割合(固形分)は限定されないが、通常は10〜100重量%(特に20〜100重量%)とすれば良い。これらの化合物以外の成分として、後記の添加剤のほか、3未満の官能基を有する化合物等が含まれていても良い。
また、前記(メタ)アクリレート系化合物と前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物との割合は限定的ではないが、通常は前記(メタ)アクリレート系化合物と前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物との合計100重量%中、前記(メタ)アクリレート系化合物が0〜90重量%(特に5〜90重量%)とし、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物が100〜10重量%(特に10〜95重量%)とすることが望ましい。
その他の成分
本発明では、組成物A又は組成物Bには、必要に応じて重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等の添加剤が含まれていても良い。
重合開始剤としては、特にハードコート層が電離放射線硬化型樹脂により形成される場合、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類の1種又は2種以上が挙げられる。また、この場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等の光増感剤を混合して用いることが好ましい。
帯電防止剤としては、例えば第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性化合物;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられる。さらに、上記の化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基又は金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマ一あるいは電離放射線により重合可能な官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物も、帯電防止剤として使用できる。これらは、1種又は2種以上で使用することができ、また下記の導電性超微粒子とも併用することができる。
本発明では、帯電防止剤として導電性超微粒子を用いることもできる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等が挙げられる。その他にも、カーボンナノチューブ、フラーレンの炭素材料等を挙げることができる。さらに、導電性ポリマー(有機ポリマー)も使用することができる。その具体例としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)等が挙げられる。これら以外にも、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフト又はブロック共重合した高分子である導電性複合体等を挙げられる。
前記微粒子の粒径は、1ミクロン以下のいわゆるサブミクロンの大きさのものが良く、特に平均粒径が0.1nm〜0.1μmの微粒子が好ましい。
防眩剤としては、例えば各種の微粒子を用いることができる。その形状は、真球状、楕円状等のいずれであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、前記微粒子は無機系又は有機系のものが挙げられる。前記微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものが良い。前記微粒子の具体例としては、無機系であればシリカビーズ、有機系であればプラスチックビーズが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリルースチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等の1種又は2種以上を用いることができる。
この場合、沈降防止剤を併用することが好ましい。沈降防止剤を添加することにより、樹脂ビーズの沈殿を抑制し、溶媒内に均一に分散させることができるからである。沈降防止剤の具体例としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μm程度のシリカビーズが挙げられる。
その他の層
本発明の基本層構成として、光透過性基材の上に、少なくともハードコート層A及びハードコート層Bが形成されていれば良い。例えば、光透過性基材上に隣接してハードコート層Aが形成され、ハードコート層Aに隣接してハードコート層Bが形成されてなる3層構造が挙げられる。この場合、本発明積層体の光透過性等を損わない範囲内で、必要に応じて1)ハードコート層Aとハードコート層Bの層間、2)ハードコート層Bの上又は3)ハードコート層Aの下に他の層(帯電防止層、防眩層、低屈折率層、防汚層、接着剤層、他のハードコート層等)の1層又は2層以上を適宜形成することができる。これらの層は、公知の反射防止用積層体と同様のものを採用することもできる。
(帯電防止層)
帯電防止層は、帯電防止剤及び樹脂を含む組成物により形成できる。この場合、溶剤を使用することもできる。帯電防止剤及び溶剤としては、前記のハードコート層の項で説明したものを使用することができる。帯電防止層の厚さは限定されないが、10nm〜1μm程度とすることが好ましい。
前記樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。これらのうち、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物が好ましい。特に、電離放射線硬化性樹脂及び/又は電離放射線硬化性化合物を用いることが最も好ましい。また、熱可塑性樹脂は、とりわけ導電性有機ポリマーを使用する場合に好ましい。
電離放射線硬化性化合物は、これを含む電離放射線硬化性組成物として用いることができる。電離放射線硬化性化合物としては、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー及びプレポリマーの少なくとも1種を用いることができる。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。
電離放射線硬化性組成物中のプレポリマー又はオリゴマーとしては、例えば不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類;ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類のほか、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
電離放射線硬化性組成物中のモノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸−2一エチルへキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド類;エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物;ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアタリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物(例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等)の少なくとも1種を挙げることができる。
通常、電離放射線硬化性組成物中のモノマーとしては、前記化合物を必要に応じて1種又は2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性組成物に通常の塗布適性を与えるために前記モノマーのプレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上とし、前記モノマー及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とするのが好ましい。
帯電防止層にフレキシビリティーが要求される場合は、モノマー量を減らすか、あるいは官能基の数が1又は2のアクリレートモノマーを使用することが望ましい。また、帯電防止層に耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性等が要求される場合は、例えば官能基の数が3つ以上のアクリレートモノマーを使うことが好ましい。ここで、官能基数が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−へキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。官能基数が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基数が3以上のものとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンクエ、リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
帯電防止層のフレキシビリティー、表面硬度等の物性を調整するため、必要に応じて、電離放射線照射で硬化しない樹脂を電離放射線硬化性組成物に添加することもできる。前記樹脂として、例えばポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上が挙げられる。この中でも、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の少なくとも1種がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。電離放射線硬化性組成物の硬化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤又は光重合促進剤を添加すれば良い。光重合開始剤として、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等の単独又は2種以上を用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、例えば芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等の単独又は2種以上を用いることができる。光重合開始剤の添加量は、用いる光重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、電離放射線硬化性組成物100重量部に対して0.1〜10重量部程度とすれば良い。
電離放射線硬化性組成物には、必要に応じて反応性の有機ケイ素化合物を併用することができる。例えば、一般式RmSi(OR’)n(但し、R及びR’は、互いに同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基を示す。m及びnは、各々がm+n=4の関係を満たす整数を示す。)で示される化合物を用いることができる。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等の少なくとも1種が挙げられる。
この場合、電離放射線硬化性組成物に併用し得る有機ケイ素化合物として、シランカップリング剤を必要に応じて併用することができる。シランカップリング剤としては、具体的にはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等の少なくとも1種が挙げられる。
(防眩層)
防眩層は、例えば透過性基材とハードコート層又は低屈折率層(後記)との間に形成されて良い。防眩層は、樹脂及び防眩剤を含む樹脂組成物から形成されて良い。
前記樹脂としては、ハードコート層の項で説明したものから適宜選択して使用することができる。
防眩剤としては、各種の微粒子を用いることができる。微粒子の平均粒径は限定的ではないが、一般的には0.01〜20μm程度とすれば良い。また、微粒子の形状は、真球状、楕円状等のいずれであっても良く、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、前記微粒子は、無機系又は有機系のものが挙げられる。
前記微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものが良い。微粒子の具体例としては、無機系であればシリカビーズ、有機系であればプラスチックビーズが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
前記微粒子は、その平均粒径をR(μm)とし、防眩層凹凸の十点平均粗さをRz(μm)とし、防眩層の凹凸平均間隔をSm(μm)とし、凹凸部の平均傾斜角をθa(度)とした場合に、下記数式:
30≦Sm≦600
0.05≦Rz≦1.60
0.1≦θa≦2.5
0.3≦R≦20
を全て満たすものが好ましい。
Sm(μm)とは、この防眩層の凹凸の平均間隔を表し、θa(度)は凹凸部の平均傾斜角を表すものであり、(Rz)は、10点平均粗さを表すものであり、その定義は、表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に該当するものである。
θaは角度単位であり、傾斜を縦横比率で表したものがΔaである場合、
Δa=tanθa=(各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和/基準長さ)で求められる。基準長さとは、測定機SE−3400で粗さ曲線のカットオフ値λc、実際に触針する評価長さにあたる。
また、本発明の別の好ましい様態によれば、前記微粒子と前記樹脂組成物の屈折率をそれぞれ、n1、n2とした場合に、Δn=|n1−n2|<0.15を満たし、かつ、防眩層内部のへイズ値が55%以下である防眩層が好ましい。
微粒子の添加量は、用いる微粒子の種類、所望の防眩性等によるが、前記樹脂組成物100重量部に対し、通常は2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度とすれば良い。
防眩層用組成物を調製する際に沈降防止剤を添加しても良い。沈降防止剤を添加することにより、樹脂ビーズの沈殿を抑制し、溶媒内に均一に分散させることができるからである。沈降防止剤の具体例としては、シリカビーズ等のビーズ類を使用することができる。ビーズ類の平均粒径は限定されないが、一般的には0.5μm以下とし、好ましくは0.1〜0.25μmとする。
防眩層の膜厚(硬化時)は、一般的には0.1〜100μm程度、特に0.8〜10μmの範囲とすることが好ましい。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を十分に発揮することができる。
(低屈折率層)
低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光塔、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれか構成される。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物は、特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
電離放射線硬化性基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ‐2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキソールなど)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物などもある。
熱硬化性極性基として好ましいのは、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカなどの無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合成化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品などを挙げることができる。
電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、含フッ素重合体としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も使うことができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。中でもジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
さらには、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合成化合物や重合体とともに、ハードコート層に記載したような各樹脂成分を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
このほか、低屈折率層は、SiOからなる薄膜で構成することもできる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法等の気相法、SiOゾルを含むゾル液からSiOゲル膜を形成する液相法等のいずれで形成されたものであっても良い。さらに、SiO以外にも、MgFの薄膜等の素材でも低屈折率層を構成し得る。特に、下層に対する密着性が高いという点で、SiO薄膜が好ましい。また、上記の手法のうち、プラズマCVD法によるときは、有機シロキサンを原料ガスとし、他の無機質の蒸着源が存在しない条件で行うことが好ましい。また、この場合、被蒸着体をできるだけ低温度に維持して行うことが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」を用いることにより、低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成しているものである。これは、空隙がない微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中における気体の占有率の上昇に伴って屈折率が低下するものである。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましい。その他、特開平7−133105、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であっても良い。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましい。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては前記のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、又は断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体又は凝集体等を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として、例えば日本シリカ工業株式会社製の商品名「Nipsil」「Nipgel」等の中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。前記微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
(防汚層)
防汚層は、光学積層体の最表面に汚れ(指紋、水性又は油性のインキ類、鉛筆等)が付着しにくく、または付着した場合でも容易に拭取ることができるという役割を担う層である。本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層の最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良く、特に低屈折率層が形成された光透過性基材の一方の面と反対の両側に防汚層が設けることが好ましい。防汚層の形成により、光学積層体(反射防止用積層体)に対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。低屈折率層がない場合でも、最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良い。
防汚層は、一般的には、防汚層用剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。防汚層用剤の具体例としては、分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物への相溶性が低く、低屈折率層中に添加することが困難とされるフッ素系化合物及び/又はケイ素系化合物、分子中にフッ素原子を有する電離放射線硬化型樹脂組成物及び微粒子に対して相溶性を有するフッ素系化合物及び/又はケイ素系化合物が挙げられる。これらは公知又は市販のものを使用することができる。
防汚層は、例えばハードコート層Bの上に形成することができる。特に、防汚層が最表面になるように形成することが望ましい。防汚層は、例えばハードコート層B自身に防汚性能を付与することにより代替することもできる。
光学積層体における界面等
本発明の光学積層体は、界面が実質的に存在しないことが望ましい。ここで、「界面が(実質的に)存在しない」とは、1)二つの層面が重なり合ってはいるが実際に界面が存在しないこと、及び2)屈折率からみて両者の面に界面が存在していないと判断されることを包含する。
「界面が(実質的に)存在しない」の具体的な基準としては、光学積層体の干渉縞観察による。すなわち、光学積層体の裏面に黒テープを貼り、3波長蛍光灯の照射下で光学積層体の上から目視にて観察する。このとき、干渉縞が確認できる場合は、別途に断面をレーザー顕微鏡により観察すると界面が確認されることから、これを「界面が存在する」と認定する。一方、干渉縞が確認できない場合又は極めて弱い場合は、別途に断面をレーザー顕微鏡により観察すると界面が見られないか又は極めて薄くしか見えない状態となることから、これを「界面が実質的に存在しない」と認定する。なお、レーザー顕微鏡は、各界面からの反射光を読み取り、非破壊的に断面観察できる。これは、各層に屈折率差がある場合のみ、界面として観察されるものであるため、界面が観察されない場合は、屈折率的にも差がない、界面がないと考えることができる。
また、本発明の光学積層体は、界面が実質的に存在しないことが好ましい。少なくとも干渉縞が視認されないことが望ましい。
本発明の光学積層体においては、ハードコート層A及びBともに所定の硬度を達成することができる。この場合、ハードコート層Aは、鉛筆硬度4H以上であることが望ましい。ハードコート層Aは、ビッカース硬度は450N/mm以上であることが望ましい。また、ハードコート層Bは、鉛筆硬度4H以上であることが望ましい。ハードコート層Bは、ビッカース硬度は550N/mm以上であることが望ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
<製造例1>
ハードコート層A形成用組成物として、下記に示す組成A〜組成Gをそれぞれ調製した。なお、組成A〜組成Cは、ハードコート層B形成用組成物としても使用される。
組成A
・ポリエステルアクリレート(東亞合成社製;M9050、3官能、分子量418):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・ メチルエチルケトン(以下、「MEK」という):10重量部
組成B
・ポリエステルアクリレート(東亞合成社製;M9050、3官能、分子量418):5重量部
・ウレタンアクリレート(日本化薬社製;DPHA40H、10官能、分子量約7000):5重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・ MEK:10重量部
組成C
・ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成社製;M240、2官能、分子量302):2重量部
・ウレタンアクリレート(日本化薬社製;DPHA40H、10官能、分子量 約7000):6重量部
・ウレタンアクリレート(荒川化学社製;BS371、10官能以上、分子量 約4万):2重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成D
・ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成社製;M240、2官能、分子量302):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成E
・ウレタンアクリレート(日本合成社製;紫光UV3520−TL、2官能、分子量14000):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成F
・ウレタンアクリレート(日本合成社製;紫光UV1700B、10官能、分子量2000):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成G
・ポリエステルアクリレート(東亞合成社製;M9050、3官能、分子量418):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・トルエン:10重量部
<製造例2>
ハードコートB形成用組成物として、下記の組成a〜組成eならびに組成a’をそれぞれ調製した。
組成a
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA、6官能、分子量547):5重量部
・ウレタンアクリレート(荒川化学社製;BS371、10官能以上、分子量 約4万):5重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成b
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製PET30、3官能、分子量298):5重量部
・ウレタンアクリレート(根上工業社製;HDP、10官能、分子量4500):5重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
組成c
・ウレタンアクリレート(日本合成社製;紫光UV1700B、10官能、分子量2000):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
組成d
・イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(東亞合成社製;M215、2官能、分子量369):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
組成e
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA、6官能、分子量547):10重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
組成a’
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA、6官能、分子量547):5重量部
・ウレタンアクリレート(荒川化学社製;BS371、10官能以上、分子量 約4万):5重量部
・防汚剤(日本化薬社製UT3971):0.5重量部
・重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;IRGACURE184):0.4重量部
・MEK:10重量部
<参考例1>
セルローストリアセテートフィルム(厚み80μm)の片面に、下層用ハードコート(組成A)樹脂を、湿潤重量26g/m(乾燥重量13g/m)で塗布した。70℃にて60秒乾燥し、紫外線50mJ/cmを照射して下地用のハードコート層Aを形成した。さらに、ハードコート層Aの上に、上層用ハードコート(組成)樹脂を、湿潤重量26g/m(乾燥重量13g/m)で塗布した。70℃にて60秒乾燥し、紫外線200mJ/cmを照射することによりハードコート層Bを形成し、目的とする光学積層体を得た。
<実施例1〜及び参考例2〜3
ハードコート層の形成において、下地用のハードコート層A、上地用のハードコート層Bとして表1に示す樹脂組成の組合せで各層を形成したほかは、参考例1と同様にして実施例1〜及び参考例2〜3の光学積層体をそれぞれ得た。
<比較例1〜6>
ハードコート層の形成において、下地用のハードコート層A、上地用のハードコート層Bとして表2に示す樹脂組成の組合せで各層を形成したほかは、実施例1と同様にして比較例1〜6の光学積層体を得た。
<試験例1>
各実施例及び比較例で得られた光学積層体について、下記評価基準に基づいて評価した。その結果を表1及び表2に示す。
(1)干渉縞有無試験
光学積層体のハードコート層と逆の面に、裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、ハードコート層の面から光学積層体を目視により観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価○:干渉縞の発生はなかった。
評価×:干渉縞の発生があった。
(2)鉛筆硬度試験
鉛筆硬度試験;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハードコートフィルム(前記光学積層体(以下同じ。))を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆(硬度4H)を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて実施した。
評価基準
評価○:傷なし/測定回数=4/5,5/5
評価×:傷なし/測定回数=0/5,1/5,2/5,3/5
(3)カール試験
作製したハードコートフィルムを横×縦=10cm×10cmの大きさにカットし、温度20℃、相対湿度60%環境下にて平板上に静置した際の四隅の浮き上がりを測定し、その平均値をカール高さとした。
評価○:25mm以下
評価×:26mmよりも大きい(筒状になり測定不可能の場合も×とした)
(4)クラック試験
作製したハードコートフィルムを10cm×5cmの大きさにカットし、直径16mmの円筒状の金属パイプに巻きつけ、巻きつけ後にフィルムを元の状態に戻し、目視にてクラックの有無を確認した。
評価○:クラックなし
評価×:クラックあり
Figure 0004923754
Figure 0004923754
表1及び表2の結果からも明らかなように、本発明では、硬度、耐クラック性等に優れ、干渉縞も認められない積層体を得られることがわかる。
本発明の実施例で作製された光学積層体の層構成(断面)を示す図である。

Claims (4)

  1. 光透過性基材の上に、少なくとも(1)前記基材に隣接するハードコート層A及び(2)ハードコート層Bが形成されてなる積層体であって、
    前記ハードコート層Aが、重量平均分子量200〜4万であり、かつ、3〜15の官能基を有する化合物Aを50〜100重量%、及び前記基材に対して浸透性又は溶解性を有する溶剤としてメチルエチルケトンを含む組成物Aを用いて形成されてなり、該化合物Aが、(メタ)アクリレート系化合物及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも1種であり、
    前記ハードコート層Bが、重量平均分子量1000〜50000であり、かつ、6〜15の官能基を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物、及び3〜6の官能基を有する(メタ)アクリレート系化合物を合計10〜100重量%含む組成物Bを用いて形成されてなることを特徴とする光学積層体。
  2. 前記ハードコート層Aの化合物Aとして、
    3官能基を有するポリエステルアクリレート、
    3官能基を有するポリエステルアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、又は
    10官能基を有するウレタンアクリレート、10以上の官能基を有するウレタンアクリレート及びポリエチレングリコールジアクリレートの組み合わせ、のいずれかを含み、
    前記ハードコート層Bの組成物Bとして、
    3官能基を有するポリエステルアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、
    ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び10以上の官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、又は
    ペンタエリスリトールトリアクリレート及び10官能基を有するウレタンアクリレートの組み合わせ、のいずれかを含む、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 1)ハードコート層Aとハードコート層Bとの間、2)ハードコート層Bの上又は3)ハードコート層Aの下に、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、防汚層又はこれらの2種以上の層を形成してなる、請求項1又は2に記載の光学積層体。
  4. 反射防止用積層体として用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の光学積層体。
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