JP5340591B2 - 光学積層体 - Google Patents
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Description
本願は、日本国特許出願2005−75380号を基礎とするパリ条約の優先権を伴うものである。従って、本願はこれら特許出願の出願内容の全てを包含するものである。
光透過性基材と、該光透過性基材の上に、光学調整層と、ハードコート層とをこれらの順で備えてなるものであって、
前記光学調整層が、前記光透過性基材の成分と前記ハードコート層の成分とを含んでなるものである。
1.光学調整層
光学調整層は、光学積層体に所望の光学特性を付与するために用いられるものであり、光学積層体の光学特性、特に、全光線透過率、反射率、ヘイズ値等を所望の値に調整するものをいう。本発明にあっては、光学調整層は、好ましくは光透過性基材とハードコート層の界面をなくすものとして利用される。
光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度とに優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。その他の例として、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)フィルムもあり、これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂などが用いられる基材である。これらは、市販品として入手可能であり、例えば、日本ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製、スミライトFS-1700、JSR社製、アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製、アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Topas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製 オプトレッツOZ-1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)などが挙げられる。また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層の膜厚(硬化時)は1μm以上20μm以下であり、好ましくは下限が2.5μm以上であり上限が12μm以下である。本発明によるハードコート層は、樹脂とその他の任意成分とにより形成されてよい。
本発明では、モノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの硬化性樹脂前駆体を、特別な記載がない限り、総称して「樹脂」という。樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤または光重合促進剤を添加することができる。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
ハードコート層を形成する際に、光重合開始剤を用いることができ、その具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。この化合物は市場入手可能であり、例えば商品名イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が挙げられる。
本発明にあっては、ハードコート層中に、帯電防止剤を含んでなるものが好ましい。また、本発明にあっては、防眩剤を添加するものであってよい。
帯電防止剤(導電剤)
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。また、帯電防止剤として、導電性ポリマーが挙げられ、その具体例としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)が挙げられ、これら以外に、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフトまたはブロック共重した高分子である導電性複合体等が挙げられる。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、その形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられる。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、無機系であればシリカビーズ、有機系であればプラスチックビーズが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、透明樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
ハードコート層は、上記成分にさらに溶剤を混合したハードコート層用組成物を調製して塗工することにより形成することができる。溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。
ハードコート層は、上記した樹脂と溶剤と任意成分とを混合して得た組成物を光透過性基材に塗布することにより形成されてよい。本発明の好ましい態様によれば、上記の液体組成物に、フッ素系またはシリコーン系などのレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した液体組成物は、塗工面を良好にし、防汚性、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。また、フッ素系またはシリコーン系などの防汚剤等を添加してもよい。
本発明においては、光学積層体の最表面、最裏面、または各層中に、帯電防止層、低屈折率層、その他の層またはこれらの二種以上の層を形成してなる光学積層体が好ましい。
1)低屈折率層
低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様であってよい。低屈折率層は好ましくは光学積層体の最表面に形成されてなるものが好ましい。
本発明の好ましい低屈折率層は、低屈折率層用組成物を調製して塗膜する方法が好ましくは挙げられる。低屈折率層用組成物は、微粒子と、樹脂と、任意成分とにより形成されてよい。低屈折率層は、単層または複数層であってもよい。
微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、プラスチックからなるものが挙げられ、好ましくは酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。シリカ微粒子は結着剤(バインダー)の屈折率上昇を抑制しつつ、所望の屈折率を付与することを可能とする。シリカ微粒子は結晶性、ゾル状、ゲル状の状態等を問わない。また、シリカ微粒子は市販品を使用することができ、例えば、アエロジル(デグサ社製)、コロイダルシリカ(日産化学工業製)等が好ましく使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、微粒子は疎水化されたものが好ましい。疎水化される微粒子はそれ自体、疎水性、非疎水性、これらの両性のいずれであってもよい。また、疎水化は、微粒子の全表面または内部構造までさらに行ってもよい。微粒子を疎水化する処理方法としては、1)低分子有機化合物による疎水化処理、2)高分子化合物による表面被覆疎水化処理、3)カップリング剤による疎水化処理、4)疎水性ポリマーをグラフトすることによる疎水化方法が挙げられる。
樹脂は、1分子中に3個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するモノマーが含まれる。本発明で使用するモノマーは、電離放射線により硬化する官能基(以下、「電離放射線硬化性基」と適宜呼ぶ)を有し、かつ、熱により硬化する官能基(以下、「熱硬化性基」と適宜呼ぶ)を有する。このため、このモノマーを含有する組成物(塗工液)を被塗工体の表面に塗布し、乾燥した後、電離放射線を照射し、又は電離放射線の照射と加熱を行うことにより、塗膜内の架橋結合等の化学結合を容易に形成し、塗膜を効率よく硬化させることができる。
低屈折率層は、疎水化処理された微粒子と、結着剤を含んでなるものであるが、さらに必要に応じて、フッ素系化合物および/またはケイ素化合物、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物以外の結着剤等を含んでなるものであってよい。さらに、低屈折率層形成用塗工液には、溶剤、重合開始剤、硬化剤、架橘剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、またはその他の成分が含まれても良い。
帯電防止層は、帯電防止剤と、溶剤と、樹脂とを含んでなる帯電防止層用組成物により形成されてなる。帯電防止剤と溶剤とはハードコート層において説明したのと同様であってよい。帯電防止層の厚さは、10nm以上1μm以下程度であることが好ましい。また、帯電防止層を形成する樹脂と帯電防止剤との添加比は300以上500以下が好ましい。この添加比の範囲内にすることのより、帯電防止層自身に107Ω/□以下の良好な帯電防止性能を付与することができ、かつ、帯電防止層を形成する際の塗工適性を良好にすることを可能とする。
樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂もしくは電離放射線硬化性化合物(有機反応性ケイ素化合物を含む)を使用することができる。樹脂としては、熱可塑性の樹脂も使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することがより好ましく、より好ましくは、電離放射線硬化性樹脂または電離放射線硬化性化合物を含む電離放射線硬化性組成物である。
有機ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR')nで表せるもので、RおよびR'は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR'の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
帯電防止層として塗膜を形成するには、帯電防止剤と、樹脂と、溶剤とを混合した組成物を、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の塗布方法により塗布する。次に、この液体組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
本発明にあっては、屈折率層、その他の層も、上記した手法により形成されてよい。
本発明にあっては、粘着層、離型層、汚染防止層等のその他の層を形成させてもよい。
本発明による光学積層体は、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体として利用される。また、本発明による光学積層体は、透過型画像表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、PDP、LED、液晶パネルなどのディスプレイの表面に用いられる。
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護積層体により主として構成される。本発明の反射防止積層体は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護積層体のうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の光学積層体が保護積層体を兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の光学積層体を最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐擦傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。偏光膜は、公知の偏光膜、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。
光学調整層用組成物の調製
光学調整層用組成物1
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 25重量部
(KAYARAD DPCA30 日本化薬社製) 25重量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(M315 東亞合成社製)
ジアセチルセルロース (L−50 ダイセル化学工業社製)
アセトンとシクロヘキサノン(3:7)溶液 250重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
(商品名PET30 :日本化薬社製)
ATO超微粒子(商品名SN−100P:石原テクノ社製) 10重量部
分散剤:SOLSEPERSE3000(商品名:アビシア社製) 50重量部
ジアセチルセルロース(L−50 ダイセル化学工業社製) 20重量部
アセトンとシクロヘキサノン(5:5)溶液 250重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 25重量部
(DPHA 日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 25重量部
(M315 東亞合成社製)
ジアセチルセルロース (L−50 ダイセル化学工業社製)
アセトンとシクロヘキサノン(3:7)溶液 250重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 25重量部
(PET30 日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 25重量部
(M215 東亞合成社製)
ジアセチルセルロース (L−50 ダイセル化学工業社製)
アセトンとシクロヘキサノン(3:7)溶液 250重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 25重量部
(KAYARAD DPCA30 日本化薬社製) 25重量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(M315 東亞合成社製)
ジアセチルセルロース (L−50 ダイセル化学工業社製)
トルエン 250重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
ハードコート層用組成物1
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50重量部
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 50重量部
光開始剤:イルガキュアー184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
トルエン 100重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレートPET30 100重量部
(商品名:日本化薬社製)
ATO超微粒子:SN−100P(商品名:石原テクノ社製) 10重量部
分散剤:SOLSEPERSE3000(商品名:アビシア社製) 4重量部
光開始剤:イルガキュア184 4重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
イソプロピルアルコール 100重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100重量部
光開始剤:イルガキュアー184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
トルエン 100重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100重量部
光開始剤:イルガキュアー184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
トルエン 100重量部
ウレタンアクリレート 50重量部
(UV1700B 日本合成社製)
ポリエステルアクリレート 50重量部
(M9050 東亞合成社製)
トルエン 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
(PET30 日本化薬社製)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 50重量部
(M215 東亞合成社製)
メチルエチルケトン 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 100重量部
(M215 東亞合成社製)
トルエン 100重量部
光開始剤:イルガキュア184 3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
低屈折率層用組成物1
フッ素原子含有バインダー樹脂 13重量部
(商品名:オプツールAR100、ダイキン工業社製)
光硬化性樹脂:PET30(商品名:日本化薬社製) 2重量部
光重合開始剤:イルガキュア907 0.3重量部
(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
メチルイソブチルケトン 85.3重量部
表面処理シリカゾル(空隙を有する微粒子) 14.3重量部
(20%メチルイソブチルケトン溶液使用)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.95重量部
イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 0.1重量部
ポリエーテル変性シリコーンオイル TSF4460 0.15重量部
(商品名、GE東芝シリコーン社製)
メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテル
(7:3の比率で混合) 83.5重量部
平均粒径40nmのITO超微粒子 85重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 15重量部
ブタノール 900重量部
イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1重量部
実施例1
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)を用意し、このフィルムの表面に光学調整用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量72mJ/cm2で紫外線照射を行い、組成物を硬化させて、3μmの光学調整層を形成させた。次に、光学調整層の表面に、ハードコート層用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/cm2で紫外線照射を行い、組成物を硬化させて、5μmのハードコート層を形成させて、光学積層体を調製した。
実施例1で調製した光学積層体におけるハードコート層の上に、高屈折率層用組成物(屈折率1.64)をバーコーティングし、溶剤を乾燥させた後に100mj/cm2でUV照射し、膜厚80nmの高屈折率層を形成した。その後、この高屈折率層上に低屈折率層用組成物1をバーコーティングし、乾燥により溶剤分を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、光学積層体を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調製した。
実施例1において、厚みが40μmのTACを使用し、光学調整用組成物1を光学調整用組成物2に、ハードコート組成物用組成物1をハードコート組成物用組成物2に、変更した以外は同様にして光学積層体を調製した。その後、光学積層体のハードコート層の上に低屈折率層用組成物2をバーコーティングし、乾燥により溶剤分を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、光学積層体を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調製した。
実施例1において、光学調整層用組成物を光学調整層用組成物4に、ハードコート層用組成物1をハードコート層用組成物6に、変更した以外は同様にして光学積層体を調製した。
トリアセテートセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)を用意し、このフィルムの表面にハードコート層用組成物3をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量108mJ/m2で紫外線照射を行い硬化させて、5μmのハードコート層を形成させて、光学積層体を調製した。
比較例1において、ハードコート層用組成物3をハードコート層用組成物4に変更した以外は同様にして光学積層体を調製した。
比較例1において、ハードコート層用組成物3をハードコート層用組成物7に変更した以外は同様にして光学積層体を調製した。
実施例1において、光学調整層用組成物1を光学調整層用組成物5に変更した以外は同様にして光学積層体を調製した。
実施例および比較例の光学積層体について下記の評価試験を行って評価し、その結果を下記表1に記載した。
光学積層体のハードコート層と反対面に、裏面反射を防ぐために黒色テープを貼り、ハードコート層または、ハードコート層の上に積層した低屈折率層の面から光学積層体を目視しで観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価◎:干渉縞の発生はなかった。
評価×:干渉縞の発生があった。
共焦点レーザー顕微鏡(Leica TCS-NT:ライカ社製:倍率「500〜1000倍」)にて、光学積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の評価基準で判断した。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断した。オイルの使用は、対物レンズと光学積層体との間の空気層を消失させるために用いた。各実施例、比較例の光学積層体において、光透過性基材に光学調整層およびハードコート層を積層した時点で本試験を実施した。
評価基準
評価◎:界面が観察されなかった(注1)。
評価×:界面が観察された(注2)。
注1および注2
注1:本発明による実施例の全ては図1に示す通り、油面(上層)/ハードコート層(下層)の界面のみが観察され、ハードコート層と光透過性基材との界面は観察されなかった。
注2:比較例の全ては、図2に示す通り、油面(上層)/ハードコート層(中層)/光透過性基材(下層)とのそれぞれの層の境に界面が観察された。
光学積層体の最表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200〜1600gの範囲内で200g毎に変化させた)で10往復摩擦し、その後の塗膜の剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:塗膜の剥がれが全くなかった。
評価×:塗膜の剥がれがあった。
評価1 評価2 評価3 (加重g)
実施例1 ◎ ◎ ◎ 1600
実施例2 ◎ ◎ ◎ 1000
実施例3 ◎ ◎ ◎ 1000
実施例4 ◎ ◎ ◎ 1000
比較例1 × × ◎ 1000
比較例2 × × ◎ 1000
比較例3 × × × 200
比較例4 × × ◎ 1000
Claims (6)
- 光透過性基材と、該光透過性基材の上に、光学調整層と、ハードコート層とをこれらの順で備えてなる光学積層体であって、
前記光透過性基材が、セルロース系樹脂基材であり、
前記光学調整層が、セルロース系樹脂と、(メタ)アクリレートと、浸透性溶剤としてのケトン類とを含む光学調整層用組成物の硬化物であり、
前記ハードコート層が、(メタ)アクリレートを含むハードコート層用組成物の硬化物であり、
前記光学調整層用組成物に含まれる(メタ)アクリレートと、前記ハードコート層用組成物に含まれる(メタ)アクリレートとが同一の化合物であり、
前記光学調整層用組成物におけるセルロース系樹脂と(メタ)アクリレートとの配合比が、20:50〜50:50であり、
前記セルロース系樹脂基材がトリアセチルセルロース基材であり、
前記光学調整層用組成物におけるセルロース系樹脂がジアセチルセルロースであり、
前記(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、またはペンタエリスリトールトリアクリレートを含む、光学積層体。 - 前記光学調整層が、前記光透過性基材と前記ハードコート層との界面をなくすものである、請求項1に記載の光学積層体。
- 前記ハードコート層が帯電防止剤を含んでなる、請求項1または2に記載の光学積層体。
- 前記光学積層体の最表面に、低屈折率層が形成されてなる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光学積層体。
- 反射防止積層体として利用される、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光学積層体。
- 画像表示装置に利用される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光学積層体。
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