JP4255093B2 - 放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止性を有する放射線硬化型樹脂組成物。更に詳しくはポリエステル、アクリル、ポリカ−ボネ−ト、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン等のプラスチックの表面硬度を向上し、尚且つ透明性の高い放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界、電気電子業界を始めとして種々の産業界で大量に使われている。このようにプラスチックが大量に使われている理由はその加工性、透明性等に加えて、軽量、安価、光学特性等の理由による。しかしながらガラス等に比較して柔らかく、表面に傷が付き易い等の欠点を有している。これらの欠点を改良するために表面にハードコート剤をコーティングすることが一般的な手段として行われている。このハードコート剤には、シリコン系塗料、アクリル系塗料、メラミン系塗料等の熱硬化型のハードコート剤が用いられている。この中でも特にシリコン系ハードコート剤はハードネスが高く、品質が優れているために多用されてきた。メガネ、レンズなど高付加価値の製品には殆どこの系統のコート剤が使用されている。しかしながら、硬化時間が長く、高価であり連続的に加工するフィルムのハードコートには適しているとは言えない。また、シリコンハードコート剤に反射防止の為のフィラーを添加する試みもなされているが加熱硬化型樹脂であるために加熱時にフィラ−が凝集し、透明性を損なわない範囲の低反射率コ−ト品は得られていないのが現状である。
【0003】
近年、放射線硬化型のアクリル系ハードコート剤が開発され、利用されるようになった。放射線硬化型ハードコート剤は、紫外線等の放射線を照射することによって直ちに硬化して硬い皮膜を形成するために、加工処理スピードが速く、またハードネス、耐摩耗性等に優れた性能を持ち、トータルコスト的に安価になるので、今やハードコート分野の主流に成っている。特にポリエステル等のフィルムの連続加工には適している。プラスチックのフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、塩化ビニルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム等があるが、ポリエステルフィルムは種々の優れた特徴から最も広く使用されているフィルムの一種である。このポリエステルフィルムは、ガラスの飛散防止フィルム、あるいは自動車の遮光フィルム、電子材料的にはタッチパネル、液晶ディスプレイ、CRTフラットテレビあるいは冷蔵庫等家電製品のハウジングの鉄板にラミネートして化粧性を向上するために、更にはホワイトボードの表面のフィルムとして広く用いられている。これらの用途は何れもその表面が傷つかないためにハードコートをする必要がある。
【0004】
更に近年、ハードコート剤をコーティングしたフィルムを表面に設けたCRT、LCDなどの表示体では、フィルム面が平滑になるため、反射により表示体画面が見難くなり、目が疲れやすいと言う問題が生ずるため、用途によっては、表面反射防止能のあるハードコート処理が必要である。表面反射防止の方法としては、放射線硬化型樹脂中に無機フィラーや有機系微粒子のフィラーを分散させたものをフィルム上にコーティングし、表面に凹凸をつけて反射を防止する方法(AG処理)、フィルム上に高屈折率層、低屈折率層の順に多層構造を設け、屈折率の差で映り込み、反射を防止する方法(AR処理)、又は上記2つの方法を合わせた方法などがある。
【0005】
【発明が解決使用とする課題】
機能性を付与したハードコートが求められる中で、特に電子材料分野においては、埃、ゴミ等異物の付きにくい材料が求められており、発生する静電気を除電する目的で、帯電防止剤を添加する方法がある。帯電防止剤としては、カチオン、アニオン、ノニオン系の界面活性剤が知られているが、環境依存性が大きく状況により帯電防止性能がばらつく、効果の大きい低分子量のものは、ブリードする、高分子量のものを多量にいれると膜の硬度が低下するといった問題がある。また、導電性ポリマー等も知られているが、構造上共役系であるため、放射線硬化型樹脂と混合すると着色してしまうといった問題がある。
本発明は、上記の欠点を改善し、帯電防止性能に環境依存性がなく、透明性が高く、基材に対する密着性が良好で、高い硬度を有した放射線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【 課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討の結果、特定の組成を有する放射線硬化型樹脂組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)及びBET法による粒子径が18ナノメートル以下で、動的散乱法による平均粒子径が100ナノメートル以下であるアンチモン酸亜鉛のゾル(B)を含有することを特徴とする放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物、
(2)放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物中に光重合開始剤(C)を含有する(1)に記載の樹脂組成物、
(3)放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物中に沸点が100℃以上の溶剤を含有する(1)または(2)に記載の樹脂組成物、
(4)(3)に記載の溶剤が、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートである(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(5)多官能ウレタンアクリレート(A)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、20〜70重量部の範囲にある(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(6)アンチモン酸亜鉛(B)の含有量が、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、30〜80重量部の範囲にある(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(7)光重合開始剤(C)の含有量が、組成物の固形分全重量を100重量部とした時0.5〜10重量部の範囲にある(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(8)(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の樹脂組成物を有するフィルムまたはシート、
(9)ベースフィルムの材質がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエーテルスルフォンである(8)に記載のフィルムまたはシート、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレ−トは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
【0008】
ポリイソシアネートとしては、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネートを用いることができる。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートを挙げることができる。好ましい具体例としては、イソフォロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。これらポリイソシアネートは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
【0009】
多官能ウレタンアクリレート(A)は、前記の活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−ト中の活性水素基1当量に対し、ポリイソシアネートは、イソシアネート基当量として通常0.1〜50の範囲であり、好ましくは、0.1〜10の範囲である。反応温度は、通常30〜150℃、好ましくは、50〜100℃の範囲である。反応の終点はイソシアネート量の減少で確認する。
【0010】
これら反応時間の短縮を目的として触媒を添加しても良い。この触媒としては、塩基性触媒及び酸性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類を挙げることができる。また、酸性触媒の例としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類、塩化アルミニウム等のルイス酸類、2−エチルヘキサンスズ、オクチルスズトリラウレート、ジブチルスズジラウレート、オクチルスズジアセテート等のスズ化合物を挙げることができる。これら触媒の中で、好ましくは、酸性触媒であり、より好ましくは、スズ化合物である。これら触媒の添加量は、ポリイソシアネートを100重量部に対して、0.1〜1重量部である。
【0011】
(A)成分の使用量は、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、40〜90重量部の範囲であり、好ましくは、50〜80重量部である。
【0012】
本発明において使用する、BET法による粒子径が18ナノメートル以下で、動的散乱法による平均粒子径が100ナノメートル以下であるアンチモン酸亜鉛のゾル(B)は、メタノール等の有機溶剤に分散させたオルガノゾルが好ましい。
例えば、特開平6−219743に記載された方法で製造され、メタノールのオルガノゾル(セルナックスCX−Z650M−3F、セルナックスCX−Z600M3F2、いずれも日産化学(株)製)として入手できる。また、このアンチモン酸亜鉛のゾルは、BET法による粒子径が18ナノメートル以下で、動的散乱法による平均粒子径が通常100ナノメートル以下である。このアンチモン酸亜鉛の体積抵抗値は、例えば、1×10E2〜1×10E3である。尚、BET法による粒子径は、アンチモン酸亜鉛を粉末状態で気相吸着法により算出した粒子径である。また、動的散乱法による平均粒子径は、アンチモン酸亜鉛ゾルの状態で、Coulter社製N4装置で測定した平均粒子径である。
【0013】
(B)成分の使用量は、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、通常30〜80重量部の範囲であり、好ましくは、35〜70重量部である。
【0014】
上記ゾルは、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶剤に対しては不安定で、凝集し粒子径が大きくなったり、分散が壊れて分離、沈降を起こしてしまう。これらの樹脂、溶剤に対し、安定的に分散させるためには、特殊な分散剤が必要である。この分散剤としては、カチオン系、弱カチオン系、ノニオン系或いは、両性界面活性剤が有効で、より好ましくは、アルキルアミンを有する界面活性剤、特にソルスパース20000(ゼネカ社製、アルキルアミンのPO,EO変性物)、或いはTAMNO−15(日光ケミカル(株)製、アルキルアミンのEO変性物)等が有効である。添加量は、使用する微粒子に対して、通常0.5〜30重量部の範囲であり、好ましくは、1〜20重量部である。この範囲以外では、分散安定性が得られなかったり、被膜のヘイズが大きくなって、透明性が失われたりすることがある。尚、アルキルアミンのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ラウリル基、ステアリル基等を挙げることができる。また、EO(エチレノキシド)、PO(プロピレンオキシド)の付加モル数としては、アミン1モルに対し、通常数モル〜100モルくらいまで考えられるが、これに限定されるものではない。
【0015】
光重合開始剤(C)は、通常、硬化させるための放射線が紫外線の場合に添加される。(C)成分としては特に制限はなく、例えばイルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、カヤキュアBMS(日本化薬製)等が挙げられる。
【0016】
これらの光重合開始剤(C)を使用する場合、組成物の固形分全体量を100重量部としたとき、通常0.5〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜5重量部であり、更に好ましくは0.5〜3重量部である。(C)成分は単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。また、分子量が小さく、融点、沸点の低いものは、熱によりガス化し、後工程に悪影響を及ぼす可能性があるため、使用量については充分な注意が必要である。
【0017】
また、上記の光重合開始剤(C)は硬化促進剤と併用することもできる。併用しうる硬化促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、EPAなどのアミン類、2−メルカプトベンゾチアゾールなどの水素共与体が挙げられる。これらの硬化促進剤の使用量は組成物の固形分全体量に対して、好ましくは0〜5重量部である。
【0018】
本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物は、上記の(A),(B),(C)成分に加え、必要により放射線硬化型アクリレート、溶剤を添加することができる。
【0019】
放射線硬化型アクリレートとしては、例えばネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/又はその無水物とアクリル酸とをエステル化することにより得られるポリエステルアクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることにより得られるウレタンアクリレート、ポリシロキサンポリアクリレート等が挙げられる。これらの使用量は、組成物の固形分全体量に対して、0〜50重量部である。
【0020】
使用する溶剤としては、沸点が通常100℃以上の溶剤が好ましい。例えば、トルエン(111℃)、酢酸ブチル(126℃)、乳酸エチル(154℃)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、146℃)等が挙げられる。特に3−メチル−3−メトキシブチルアセテート(クラレ製、ソルフィットAC、沸点188℃)が好ましい。これらの使用量は、組成物全体量に対して、通常10〜50重量部の範囲であり、好ましくは、15〜45重量部である。
低沸点溶剤を使用したり、添加する高沸点溶剤の量が少ないと、塗布時に膜が白化し、透明性、ヘイズ、外観が低下することがある。
【0021】
また、上記の成分に加え、必要によりレベリング剤、消泡剤を添加することもできる。
【0022】
更に、紫外線吸収剤、光安定剤、無機、有機各種フィラー、ポリマー等を添加し、機能性を付与することも可能である。
【0023】
本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物は上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、溶剤及びその他の成分を任意の順序で混合することにより得ることができる。この本発明で使用する樹脂組成物は経時的に安定である。
【0024】
本発明のフィルムは、上記の放射線硬化型樹脂組成物をフィルム基材(ベースフィルム)上に、該樹脂組成物の乾燥後の重量が通常0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2(膜厚にすると通常0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm)になるように塗布し、乾燥後放射線を照射して硬化膜を形成させることにより得ることができる。フィルム基材としては、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン等があげられる。フィルムはシート状のものであっても良い。
【0025】
上記の放射線硬化型樹脂組成物の塗布方法としては、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。この際、使用するフィルムは柄や易接着層を設けたものであっても良い。
【0026】
照射する放射線としては、例えば紫外線や電子線があげられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜120W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜60m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常100〜500eVのエネルギーを有する電子線加速装置の使用が好ましい。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を調合例及び実施例により更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、調合例において、部は重量部を意味する。
【0028】
合成例
乾燥容器中にジペンタエリスリトールペンタアクリレート939.7部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.47部、メトキノン0.3部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにヘキサメチレンジイソシアネート60.3部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値は0.1以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
【0029】
調合例1
合成例で得られた多官能ウレタンアクリレートを28部、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を1.3部、セルナックスCX−Z600M−3F2(固形分60%、日産化学工業(株)製アンチモン酸亜鉛のメタノールゾル)を31.25部、ソルスパース20000(ゼネカ社製分散剤)を1.9部、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート((株)クラレ製、ソルフィットAC)を37.5部、レベリング剤(東レダウコーニングシリコーン製、ST103PA)0.07部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
【0030】
調合例2
合成例で得られた多官能ウレタンアクリレートを28部、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を1.3部、セルナックスCX−Z600M−3F2(固形分60%、日産化学工業(株)製アンチモン酸亜鉛のメタノールゾル)を31.25部、ソルスパース20000(ゼネカ社製分散剤)を1.9部、乳酸エチルを37.5部、レベリング剤(東レダウコーニングシリコーン製、ST103PA)0.07部を混合し、本発明で使用する放射線硬化型樹脂組成物を得た。
【0031】
(1)塗膜の作成方法
上記調合例で得られた放射線硬化型樹脂組成物をバーコーター(No.4)を用いて市販の易接着処理ポリエステルフィルム(膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯10cmの距離から5m/分のコンベアースピードで紫外線を照射し、硬化皮膜(約4μm)を有するフィルムを得た。
【0032】
(2)鉛筆硬度測定
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、上記塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。
【0033】
(3)耐擦傷性試験
スチールウール#0000上に200g/cm2の荷重をかけて10往復させ、傷の状況を目視で判定した。
評価 ○:傷なし
×:傷発生
【0034】
(4)密着性
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。市販のセロハンテープをその表面に密着させた後、一気の剥がした時の剥離せず残存したマス目個数を表示した。
【0035】
(5)全光線透過率(Tt)、ヘイズ値の測定
ヘイズメーター 東京電色TC−H3DPKを使用し測定。
【0036】
(6)表面抵抗率の測定
抵抗率計 三菱化学(株)製 HIRESTA IPを使用し測定。
【0037】
(7)樹脂液の安定性
液の状態を目視にて観察。
上記評価結果を表1に示した。
【0038】
Figure 0004255093
【0039】
表1からも明らかなように、本発明の放射線硬化型樹脂組成物を使用することにより、帯電防止性に優れ、透明性の高いハードコート膜が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の放射線硬化型樹脂組成物は、帯電防止性に優れ、透明性が高く、密着性が良好であり、特にプラスチック光学部品、タッチパネル、フラットディスプレイ、フィルム液晶素子等、埃を嫌い、硬度を必要とする分野に好適なハードコートフィルムである。

Claims (6)

  1. ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートとを、NCO/OH比が0.4〜1.0となる割合で反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)及びBET法による粒子径が18ナノメートル以下で動的散乱法による平均粒子径が100ナノメートル以下であるアンチモン酸亜鉛ゾル(B)を含有することを特徴とする放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物。
  2. 放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物中に光重合開始剤(C)を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 放射線硬化型帯電防止性樹脂組成物中に沸点が100℃以上の溶剤を含有する請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 溶剤が、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートである請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を有するフィルムまたはシート。
  6. ベースフィルムの材質がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエーテルスルフォンである請求項5に記載のフィルムまたはシート。
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