JP3856350B2 - 導電性透明フィルム又はシートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性、耐擦傷性、硬度、及び透明性に極めて優れ、帯電防止用途に有用な導電性フィルム又はシートの製造法に関するものである。
【0002】
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界を始めとして種々の産業界で大量に使われている。この理由はその加工性、透明性等に加えて、軽量、安価等の理由による。しかしながらガラス等に比較して柔らかく、表面に傷が付き易い等の欠点を有している。またプラスチックは高い体積固有抵抗を持つために摩擦等により接触面では容易に静電気を帯び漏洩せず、塵埃の吸着による透明性の低下や、コンピューターの作動不良が問題になる。近年、半導体ウエハー保存容器やその他の電子・電機部材、床材、じゅうたん、壁材などの建築用部材等において、帯電防止を施す事の必要性が高まっている。
【0003】
これらの欠点を改良するために表面にハ−ドコ−ト剤をコ−ティングすることにより表面硬度を上げ、更に帯電防止性を有する界面活性剤等により帯電防止能を付与することが常套手段として行われている。帯電防止能を付与するためにアルキルアミンハロゲン化物のようなイオン伝導性のある有機物をプラスチックへの混練したり塗料に添加して表面塗布する事などが行われているが、湿度の変化により性能が著しく変化し、特に乾燥条件下で性能が低下する欠点がある。またカ−ボン粉末や金属の粉末等の無機系フィラーを用いることも行われているが、この場合は湿度による導電性の低下のような欠点は解決できるが現状では透明性やヘイズ(曇価)の点で劣ることが現状である。またカ−ボン粉末や金属の粉末等の無機系フィラーを用いることも行われているが、この場合は湿度による導電性の低下のような欠点は解決できるが現状では透明性やヘイズ(曇価)の点で劣るのが現状である。特開昭60−60166号公報には、酸化錫を主成分とする導電性粉と(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルオリゴマ−を主成分とする光硬化性塗料バインダ−よりなる塗料が開示されている。また特開昭62−170330号公報には、酸化錫を主成分とする導電性微粉末が含有された塗膜が積層されてなる導電性プレ−トが開示されている。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】
このように帯電防止能を付与するために金属酸化物の微粒子を導電剤とする導電性塗料は知られているが、それを使った耐擦傷性、透明性(全光線透過率)、耐溶剤性、硬度に優れた導電性フィルム又はシ−トの製造方法については知られていない。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討の結果、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)表面帯電量を少なく保ちながら透明フィルム又はシートの一方の面に導電性金属酸化物の微粒子を含有するエネルギー線硬化性ハ−ドコ−ト剤を塗布し、ついでエネルギー線を照射することを特徴とする導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
(2)透明フィルム又はシートの表面帯電量を2Kv以下に保ちながら塗布する(1)の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
(3)透明フィルム又はシートが少なくとも一方の面に親水性樹脂被膜を有する透明フィルム又はシートである(1)又は(2)に記載の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
(4)導電性金属酸化物の微粒子がアンチモン酸亜鉛、アンチモンド−プ酸化錫又はインジウムド−プ酸化錫の微粒子で、0.5μm以下の一次粒子径を有する微粒子である(1)ないし(3)のいずれか一項に記載の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
【0006】
(5)エネルギー線硬化性ハ−ドコ−ト剤が分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性(メタ)アクリレ−ト中に導電性金属酸化物の微粒子を分散剤を用いて分散させた紫外線硬化型ハ−ドコ−ト樹脂組成物である(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
(6)表面帯電量を少なく保ちながら透明フィルム又はシートの一方の面への導電性金属酸化物の微粒子を含有するエネルギー線硬化性ハ−ドコ−ト剤の塗布が相対湿度40%以上の条件下でなされる(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
(7)有機及び無機の微粒子粒子を含有し防眩性を有する(1)ないし(6)のいずれか一項に記載の導電性フィルム又はシ−トの製造方法、
に関する。
【0007】
【発明の詳細な説明】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の導電性フィルム又はシ−トの製造方法における大きな特徴は、導電性金属酸化物の微粒子を含有するエネルギー線硬化性ハ−ドコ−ト剤を塗布する際透明フィルム又はシートの表面帯電量を少なく保ちながらコーティングする点にある。表面帯電量の少ない透明フィルム又はシートの状態で使用することにより導電性の良好なフィルム又はシ−トが得られる。ここで使用される透明フィルム又はシートの表面帯電量は0Kvの状態が最も好ましいが、許容し得る目安として例えば2Kv以下である(静電気測定器による)。このような帯電量を少なく保った透明フィルム又はシートは、通常の透明フィルム又はシート、より好ましくは親水性樹脂被膜を有する透明フィルム又はシートを、例えば相対湿度が40%以上、好ましくは60%以上の環境下に置くことにより得られる。親水性樹脂被膜を有する透明フィルム又はシートを使用する場合は、より低い相対湿度で表面帯電量の少ないものが得られる。
【0008】
本発明で使用するフィルム又はシ−トは透明なフィルム状又はシ−ト状のものであれば特に制限はなく、その材質としては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、アクリル、ポリエ−テルスルフォン、ポリアリレ−ト等をあげることが出来る。この透明フィルム又はシートは、より好ましくはその表面の少なくとも一方の面が、更に好ましくは両方の面が親水性樹脂で被覆されたものである。親水性樹脂としては、例えば2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシエチル(メタア)クリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの親水性モノマーを共重合された親水性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂などの親水性樹脂を挙げることが出来るが、これに限られるものではない。またこれらの樹脂にカチオン性の界面活性剤等を添加して親水性を付加する事も可能である。又、その膜厚は特に制限はなく、例えば0.5μm以上、厚すぎても意味がないので、3μm程度までが適当である。
【0009】
本発明で使用されるエネルギー線硬化型導電性ハードコート剤は導電性金属酸化物とエネルギー線硬化型樹脂を必須の成分として含有する。導電性金属酸化物としては例えばATO(アンチモンドープ酸化錫)、ITO(インジウムドープ酸化錫)、アンチモン酸亜鉛等が挙げられる。ATOは例えば特開平2ー105875号公報、ITOは例えば特開平2−120374号公報記載の方法など公知の方法によって得られる。またこれらは溶剤に分散された状態又は塗料として入手できる。また無水アンチモン酸亜鉛の製造法については、例えば特開平6−219743号公報に記載されており、メタノ−ル(セルナックスCX−Z400M、日産化学(株)製)あるいはメタノ−ル/イソプロパノ−ル(セルナックス CX−Z300IM、日産化学(株)製)のオルガノゾルとして入手出来る。この無水アンチモン酸亜鉛のゾルは一次粒子が0.5μm以下であるが、透明な被膜を得るためには、0.6μm以下のフィルタ−を通してさらに粗大粒子を除去することが好ましい。本発明で用いられるATO、ITO、アンチモン酸亜鉛の体積抵抗率は103 ー102 Ω/□であるがこれらに限定されない。
【0010】
上記無水アンチモン酸亜鉛ゾルは、メタノ−ル中では安定で凝集を起こして粒子径が大きくなるようなことはないが、紫外線硬化型樹脂やトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、酢酸エチルなどの溶媒に対しては不安定で凝集を起こして粒子径が大きくなったり、分散が破壊されて分離、沈降してしまう。これらの樹脂、溶媒に安定に分散させるために分散剤を使用して分散することが好ましい。このような分散剤としては、カチオン系、弱カチオン系、ノニオン系あるいは両性界面活性剤が有効で特にソルスパース20000(ゼネカ社製のアルキルアミンのPO、EO変成物)、あるいはTAMNO−15(日光ケミカル(株)製のアルキルアミンのEO変成物)等が有効である。その添加量はアンチモン酸亜鉛に対して0.05から20重量%、好ましくは0.5から20重量%が有効でこの範囲以外では分散安定性が得られなかったり、また分散安定性は得られてもヘイズが大きくなって被膜の透明性が失われたりまた表面導電性が低下して実用性が阻害されることがある。これら金属酸化物はハ−ドコ−ト剤の樹脂固形分に対し好ましくは10−95重量%添加することができる。尚、アルキルアミンのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、ラウリル基、ステアリル基等をあげることができる。又、EOやPOの付加モル数としては、アミン1モルに対し数モル〜100モルぐらいまでが適当であるが、これに限定されるものではない。尚、上記の成分に加え、必要によりレベリング剤、消泡剤を添加することもできる。
【0011】
本発明で使用するエネルギー線硬化型樹脂は特に限定されないが、好ましいものは分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化可能な多官能アクリレ−トからなるものである。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレ−トの具体例としては、例えば(メタ)ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト、(メタ)1、6ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト、(メタ)トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、(メタ)ジトリメチロ−ルプロパンテトラアクリレ−ト、(メタ)ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−ト、(メタ)ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、(メタ)ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト等のポリオ−ルポリアクリレ−ト、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルのジアクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジグリシジルエ−テルのジアクリレ−ト、(メタ)1、6ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テルのジアクリレ−トなどのエポキシ(メタ)アクリレ−ト、多価アルコ−ルと多価カルボン酸および/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることが出来るポリエステル(メタ)アクリレ−ト、多価アルコ−ル、多価イソシアネ−ト及び水酸基含有アクリレ−トを反応させることによって得られるウレタンアクリレ−ト、ポリシロキサンポリアクリレ−ト等を擧げることができる。前記の重合性アクリレ−トは単独で用いても2種以上混合して用いてもよく、その含有量はハ−ドコ−ト剤中好ましくは95−50重量%(樹脂固形分に対する重量%)である。尚、上記の多官能アクリレ−トの他にハ−ドコ−ト剤中の樹脂固形分に対して好ましくは10重量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等の単官能アクリレ−トを添加することもできる。
【0012】
またエネルギー線硬化型ハ−ドコ−ト剤の成分として密着性を向上する目的で重合性オリゴマ−を添加することができる。このようなオリゴマ−としては、末端メタクリレ−トポリメチルメタクリレ−ト、末端スチリルポリメタクリレ−ト、末端メタクリレ−トポリスチレン、末端メタクリレ−トポリエチレングリコ−ル、末端メタクリレ−トアクリロニトリル−スチレン共重合体、末端メタクリレ−トスチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体などのマクロモノマ−を擧げることができる。重合性オリゴマ−を添加する場合、その添加量はハ−ドコ−ト剤中好ましくは50−5重量%(樹脂固形分に対する重量%)である。
【0013】
密着性を向上させる目的のためにさらにポリマ−を添加することができる。このようなポリマ−としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラ−ル樹脂等をあげることができる。特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂は好適である。このようなポリマ−を添加する場合、その添加量は、ハ−ドコ−ト剤中あるいは導電性ハ−ドコ−ト剤中好ましくは5−50重量%(樹脂固形分に対する重量%)である。
【0014】
エネルギー線として紫外線を使用してエネルギー線硬化型ハ−ドコ−ト剤を硬化させる場合、該ハードコート剤には通常光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては特に制限はなく各種公知のものを使用することができる。光重合開始剤の具体例といては、イルガキュア−184、イルガキュア−651(チバガイギ−社製)、ダロキュア−1173(メルク社製)、ベンゾフェノン、などの光開始剤、ベンゾイル安息香酸メチル、P−ジメチルアミノ安息香酸エステル、チオキサントンなどを用いることができる。
【0015】
この他に有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等があげられる。尚、上記の成分に加え、必要によりレベリング剤、消泡剤を添加することもできる。
【0016】
本発明で使用するハードコート剤には皮膜に防眩性を付与する目的でシリカ、アクリル、シリコン、ベンゾグアナミン、ウレタンビーズなどの有機又は無機の微粒子を添加する事もできる。
【0017】
本発明で使用するハードコート剤を製造するには、例えば導電性金属酸化物の中にその他の成分を撹拌しながら徐々に添加して得ることができる。また導電性金属酸化物の中に上記分散剤を添加したものにその他の成分を添加してつくることもできる。
【0018】
本発明の製造方法を実施するには、表面帯電量の少ない透明フィルム又はシートの一方の面に導電性金属酸化物の微粒子を含有するエネルギー線硬化性ハードコート剤を均一な膜厚になるように塗布し、溶媒を使用している場合は好ましくは加熱により溶媒を除去し、ついでエネルギー線を照射してエネルギー線硬化性ハ−ドコ−ト剤を硬化させればよい。溶媒としては例えばトルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等があげられる。これらの溶媒は単独でも、又任意の割合で混合して用いても良い。ハードコート剤の塗布は、相対湿度が好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上の条件下に行われる。塗布温度は特に制限されないが、常温(例えば10〜30℃)が好ましい。ハードコート剤を塗布する方法は特に限定されないが、ハードコート層の特性を一定にするために均一な膜厚にすることが好ましく、例えばワイヤーバー方式、ディップコート方式、スピンコート方式、グラビア方式、マイクログラビア方式、ドクターブレード方式等種々の塗工方式を用いることができる。エネルギー線としては、好ましくは高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000オングストローム〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギー(例えば紫外線)や電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。
【0019】
本発明の方法で得られた透明フィルム又はシ−トは、例えば表面抵抗率が1×1010Ω/□以下の、良好な導電性を有する。この導電性透明フィルム又はシ−トは、例えば帯電防止フィルム又はシ−トとして、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT(カソードレイチュウブ:テレビ、パソコン用等のブラウン管)、PDP(プラズマディスプレイ)等の表示装置等の表示面に配置され、又半導体ウエハー保存容器やその他の電子・電機部材、床材、じゅうたん、壁材などの建築用部材等に用いられる。この場合、通常この導電性シート又はフィルムのハ−ドコ−ト層面とは反対側の面に粘着剤層、好ましくは感圧粘着剤層を設け、この粘着剤層を介して表示装置等の表示面、その他の物品の表面に貼付される。尚、本発明におけるシートは、通常その厚さが0.5ー5mm程度のものを意味し、また、フィルムとは通常その厚さが10ー500μm程度のものを意味する。但し、シート及びフィルムとも上記のものに限定される訳ではない。
【0020】
【実施例】
以下実施例で本発明を更に具体的に説明する。尚、以下断わりのない限り部は重量部を示す。
【0021】
実施例1
ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト(KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)64部、光開始剤イルガキュア−184(チバガイギ−社製)5.5部、スリップ剤としてシリコン系のスリップ剤SFー8421(東レダウコーニング社製)を0.5部、トルエン30部を調合して紫外線硬化型ハ−ドコ−ト剤38部に分散剤としてソルスパース2000(ゼネカ社製)を2部添加し更にこれにアンチモン酸亜鉛のメタノ−ル/イソプロパノ−ルゾル(セルナックCX−Z300IM、日産化学(株)製)を60部配合して導電性ハ−ドコ−ト剤を得る。これを188μmのPETフィルム(東洋紡積(株)製)の一面に相対湿度が60%、室温20度の環境下で(この条件での表面帯電量は2Kv以下)マイクログラビアコ−タ−でコ−ティングし5μmの膜厚の導電層をもったハ−ドコ−トフィルムを得る。このフィルムは擦傷性、硬度、全光線透過率において非常に優れたフィルムで表面抵抗率が3.4×107 Ω/□と良好な導電性を示すものであった。
【0022】
実施例2
PETのフィルムの両面に親水性のポリエステル系樹脂(バイロン 24SS東洋紡(株)製)を2μmの厚みにコーティングし、コーティング室内の環境を相対湿度50%(この条件での表面帯電量は2Kv以下)、室温22℃にする以外は実施例1と同様にして導電性ハードコートフィルムを得た。このフィルムは擦傷性、硬度、全光線透過率において非常に優れたフィルムで表面抵抗率が2.8×107 Ω/□と良好な導電性を示すものであった。
【0023】
実施例3
導電層の厚みを3μmとする以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。このフィルムは、擦傷性、硬度、全光線透過率において非常に優れたフィルムで、表面抵抗率が3.4×108 Ω/□と良好な導電性を示すものであった。
【0024】
実施例4
導電性ハ−ドコ−ト剤の導電性金属酸化物がATOである以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。このフィルムは、擦傷性、硬度、全光線透過率において非常に優れたフィルムで、表面抵抗率が4.5×108 Ω/□と良好な導電性を示すものであった。
【0025】
実施例5
導電性ハードコート剤の導電性金属酸化物がITOである以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。このフィルムは、擦傷性、硬度、全光線透過率において非常に優れたフィルムで、表面抵抗率が6.3×108 Ω/□と良好な導電性を示すものであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明により得られるフィルム又はシートは、導電性が良好で耐摩耗性、透明性に優れ、又ロットによる導電性のばらつきが少ないという特徴を有し、導電性フィルム又はシートが安定的にえられるようになった。
Claims (4)
- 表面帯電量を2Kv以下に保ちながら透明フィルム又はシートの一方の面に0.5μm以下の一次粒子径を有するアンチモン酸亜鉛の微粒子を含有するエネルギー線硬化性ハードコート剤を塗布し、ついでエネルギー線を照射することを特徴とする導電性フィルム又はシートの製造方法。
- 透明フィルム又はシートが少なくとも一方の面に親水性樹脂被膜を有する透明フィルム又はシートである請求項1に記載の導電性フィルム又はシート。
- エネルギー線硬化性ハードコート剤が分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性(メタ)アクリレート中に0.5μm以下の一次粒子径を有するアンチモン酸亜鉛の微粒子を分散剤を用いて分散させた紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物である請求項1又は2に記載の導電性フィルム又はシートの製造方法。
- 有機又は無機の微粒子を含有し防眩性を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性フィルム又はシートの製造方法。
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