JP4228780B2 - 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線照射による硬化反応を応用した注型重合用に用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機器の小型化、軽量化に伴い、プラスチック基材上に樹脂硬化物からなる微細で複雑な凹凸表面形状を有する形状付きシート、レンズ、光デイスク、プリズム等のプラスチック物品や光学物品の必要性が高まっている。
【0003】
そこで、母型とプラスチック基材の間に注型重合用樹脂組成物を介在させ、熱や紫外線によって注型重合用樹脂組成物を硬化させることにより、母型のレプリカを製造する種々の方法が提案されている。
【0004】
このようなプラスチック物品や光学物品には、プラスチック基材上に施した表面形状の優れた形状保持力、優れた機械強度、高い屈折率などが要求されている。
【0005】
このような要求を満たす注型重合用樹脂組成物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートと、フェノキシエチルアクリレート等の単官能(メタ)アクリレートと、ビスフェノールA−テトラプロポキシジアクリレート等の2官能(メタ)アクリレートと、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のポリマーを含有したフレネルレンズ用電離放射線硬化型樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
前記特許文献1に記載されたフレネルレンズ用電離放射線硬化型樹脂組成物からなる硬化物は、屈折率が高く、耐摩耗性、基材密着性に優れる硬化物が得られるという利点があるが、外力による形状の変形があった場合の形状復元性に劣り、形状復元性を向上させるためにポリマー成分、例えばポリエステル系ポリウレタン樹脂(Tg:−20℃)等のガラス転移温度(Tg)の低いポリマーの含有量を増加させると、前記樹脂組成物の粘度が増加するために成形加工性、例えば注型作業性や母型再現性が低下し、同時に硬化物の屈折率の低下も引き起こすという欠点があり、成形加工性と屈折率を低下させずに形状復元性を向上させることが困難であった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−240926号公報(第3−4頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、形状復元性に優れ、成形加工性が良好で、しかも、特に高い屈折率を発現する注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、エポキシ(メタ)アクリレートと共に、2官能(メタ)アクリレートとして下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレートと下記一般式(2)で表される(メタ)アクリレートとを併用し、かつ、ポリマーとしてガラス転移温度(Tg)20℃以下の熱可塑性樹脂を用いてなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、形状復元性に優れ、注型作業性、母型再現性等の成形加工性が良好で、しかも、高い屈折率を発現し、注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、2官能(メタ)アクリレート(b)と、ガラス転移温度(Tg)20℃以下の熱可塑性樹脂(c)とを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、かつ、前記2官能(メタ)アクリレート(b)が下記一般式(1)
【化3】
〔式中、R1、R2は水素原子又はメチル基を表し、m1+m2は平均値で1〜5である。〕
で表される(メタ)アクリレート(b1)及び下記一般式(2)
【化4】
〔式中、R3、R4は水素原子又はメチル基を表し、n1+n2は平均値で8〜20である。〕
で表される(メタ)アクリレート(b2)を含有することを特徴とする注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ(メタ)アクリレート(a)としては、例えば、二つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られる二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。その具体例としては、脂肪族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートなどや、これらの混合物が挙げられる。
【0012】
前記エポキシ(メタ)アクリレート(a)のなかでも、環状構造と二つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有するエポキシ(メタ)アクリレートが、優れた機械強度を発現させ、高屈折率化が可能であることから好ましい。その具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、一部ハロゲン置換されたビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、一部ハロゲン置換されたビスフェノールF型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0013】
本発明で用いる2官能(メタ)アクリレート(b)としては、前記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(b1)及び前記一般式(2)で表される(メタ)アクリレート(b2)を含有し、更に必要に応じて他の2官能(メタ)アクリレート(b3)を含有してなるものが挙げられる。
【0014】
次に、本発明で用いる2官能(メタ)アクリレート(b)の内、前記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(b1)としては、例えば、エチレンオキシドの平均付加モル数〔前記一般式(1)中のm1+m2の平均値〕が1〜5のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの平均付加モル数が1〜5のプロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの合計の平均付加モル数が1〜5のエチレンオキシド・プロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0015】
前記(メタ)アクリレート化合物(b1)のなかでも、エチレンオキシドの平均付加モル数が3〜5のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜5のプロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが、優れた機械強度を発現させることから好ましく、エチレンオキシドの平均付加モル数が3〜4のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0016】
また、前記(メタ)アクリレート(b1)の市販品としては、例えば、アロニックスM−210、同M−211B〔以上、東亜合成(株)製〕、ライトアクリレートBP−4EA、同BP−4PA、ライトエステルBP−2EM〔以上、共栄社化学(株)製〕、NKエステルA−BPE−4、同BPE−100、同BPE−200〔以上、新中村化学工業(株)製〕、カヤラッドR−55〔以上、日本化薬(株)製〕、ビームセット750〔以上、荒川化学工業(株)製〕、SR−348、SR−349、SR−601〔以上、化薬サートマー(株)製〕、ニューフロンティアBPE−4、同BPP−4〔以上、第一工業製薬(株)製〕、ビスコート#700〔大阪有機化学工業(株)製〕、フォトマー4028(サンノプコ社製)、エベクリル150、同1150、BPA(EO3)DMA〔以上、ダイセルユーシービー(株)製〕、ブレンマーADBE−200、同PDBE−200、同ADBPシリーズ、同PDBPシリーズ、同ADBEPシリーズ、同PDBEPシリーズ〔以上、日本油脂(株)製〕等が挙げられる
【0017】
また、本発明で用いる前記2官能(メタ)アクリレート(b)の内、上記一般式(2)で表される(メタ)アクリレート(b2)としては、例えば、エチレンオキシドの平均付加モル数〔前記一般式(2)中のn1+n2の平均値〕が8〜20のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの平均付加モル数が8〜20のプロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの合計の平均付加モル数が8〜20のエチレンオキシド・プロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0018】
前記(メタ)アクリレート(b2)のなかでも、エチレンオキシドの平均付加モル数が8〜16のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの平均付加モル数が8〜16のプロピレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが、優れた可とう性を発現させることから好ましく、エチレンオキシドの平均付加モル数が9〜12のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0019】
前記(メタ)アクリレート(b2)の市販品としては、例えば、SR−602、SR−480〔以上、化薬サートマー(株)製〕、ニューフロンティアBPE−10、同BPE−20、BPEM−10〔以上、第一工業製薬(株)製〕、フォトマー4025(サンノプコ社製)、NKエステルBPE−500〔新中村化学工業(株)製〕、ファンクリルFA−321M〔日立化成工業(株)製〕、ブレンマーPDBE−450、同43PDBPE−800B〔以上、日本油脂(株)製〕等が挙げられる。
【0020】
前記2官能(メタ)アクリレート(b)の内、アルキレンオキシド付加モル数の異なった2種類のビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートである(メタ)アクリレート(b1)及び(メタ)アクリレート(b2)の重量比(b1)/(b2)は、形状復元性と機械強度のバランスの良好な硬化物が得られることから、20/80〜80/20であることが好ましく、30/70〜75/25であることがより好ましい。
【0021】
本発明で用いる前記2官能(メタ)アクリレート(b)の内、他の2官能(メタ)アクリレート(b3)は、例えば粘度や屈折率の微調整等の目的で必要に応じて併用されるものであり、例えば、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物、トリシクロデカンジメチロールなどの水酸基を2つ有する化合物に(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物;
【0022】
ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフォンなどの含イオウ化合物;ジ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート等が挙げられる。
【0023】
前記した他の2官能(メタ)アクリレート(b3)の使用割合は、2官能(メタ)アクリレート(b)の全量100重量部に対して、通常30重量部以下であり、1〜20重量部が好ましい。
【0024】
本発明で用いるガラス転移温度(Tg)20℃以下の熱可塑性樹脂(c)としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合体等のアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート系共重合体等のスチレン系樹脂;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル系共重合体等物のポリブタジエン系樹脂;フェノキシ樹脂等の熱可塑性エポキシ樹脂などの熱可塑性樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)20℃以下のものが挙げられるが、なかでも、優れた形状復元性を発現すると共に、前記エポキシ(メタ)アクリレート(a)や2官能(メタ)アクリレート(b)との相溶性に優れることから、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリウレタン系樹脂及び/またはポリエステル系樹脂が特に好ましい。
【0025】
さらに、本発明で用いる前記熱可塑性樹脂(c)のガラス転移温度(Tg)としては、形状復元性を向上させることから、ガラス転移温度(Tg)が−70〜10℃の熱可塑性樹脂が好ましく、−70〜−43℃の熱可塑性樹脂が特に好ましい。
【0026】
なお、本発明においてガラス転移点温度(Tg)の値は、示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度10℃/分、測定温度−100〜150℃での条件で測定したデータから求められた値として規定した。
【0027】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、2官能(メタ)アクリレート(b)と、熱可塑性樹脂(c)の合計100重量部中の各成分の含有量は、硬化物の形状復元性が良好で、機械強度が高く、特に高い屈折率を発現することから、エポキシ(メタ)アクリレート(a)が30〜80重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)が5〜60重量部、熱可塑性樹脂(c)が0.5〜15重量部であることが好ましく、なかでも、エポキシ(メタ)アクリレート(a)が35〜65重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)が20〜50重量部、熱可塑性樹脂(c)が2〜15重量部であることが特に好ましい。
【0028】
また、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記(a)、(b)及び(c)の3成分を必須成分とするが、組成物粘度の低下による成形加工性と硬化物の機械強度が向上することから、さらに単官能(メタ)アクリレート(d)をも含有させることが好ましい。
【0029】
前記単官能(メタ)アクリレート(d)としては、例えば、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フォスフォエチル、スチレン系化合物、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでも、高い弾性率を損なわずに、また必要に応じて高屈折率を発現させることができるために、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート(d1)が好ましい。
【0030】
前記環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート(d1)としては、例えば、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、;下記一般式(3)
【化5】
(式中、R5は炭素原子数1〜5の炭化水素基、R6は水素原子またはメチル基を表し、nは平均値で0〜3である。)
で表される2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン等;
【0031】
クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)アクリレート、クロロフェニルエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェニルエチル(メタ)アクリレート、クロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0032】
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート(メタ)アクリレート等の脂環及びヘテロ環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0033】
なお、前記単官能(メタ)アクリレート(d)はその一部、例えば単官能(メタ)アクリレート(d)の1〜40重量%をヘテロ環構造を有するビニル化合物で置き換えることができる。ヘテロ環構造を有するビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、アクリロイルホルモリン等が挙げられる。
【0034】
これらのなかでも、芳香環を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル類が、機械強度及び高屈折率を損なわないため、好適に用いることができる。
【0035】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、前記単官能(メタ)アクリレート(d)をも含む場合、エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、2官能(メタ)アクリレート(b)と、熱可塑性樹脂(c)と、単官能(メタ)アクリレート(d)の合計100重量部中の各成分の含有量は、架橋密度が向上すると共に、プラスチック基材に対する密着性が良好で、硬化させた樹脂層が優れた機械強度と、特に高い屈折率を発現することから、エポキシ(メタ)アクリレート(a)が30〜80重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)が5〜60重量部、単官能(メタ)アクリレート(c)が0.5〜10重量部、単官能(メタ)アクリレート(d)が1〜40重量部であることが好ましく、なかでも、エポキシ(メタ)アクリレート(a)が30〜60重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)が15〜45重量部、単官能(メタ)アクリレート(c)が2〜10重量部、単官能(メタ)アクリレート(d)が1〜40重量部であることが好ましい。
【0036】
また本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では、前記した(a)〜(d)成分以外にも、例えば、得られる硬化物の架橋密度を微調節する等の目的から、その他の多官能(メタ)アクリレートを含有することができる。
【0037】
その他の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0038】
上記のような各成分からなる本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化後の屈折率は、物品として光学部品、レンズ、レンズシートを製造する場合に、十分な輝度向上効果を得、レンズ形状を浅くして母型からの離型性を良好にするため、1.55以上であることが好ましい。
【0039】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度は、母型へ均一に塗布することができ、さらに微細構造を有する母型の複製が可能であるようにするため、25℃で1,000〜100,000mPa・sの範囲にあることが好ましく、なかでも5,000〜60,000mPa・sであることが特に好ましい。前記範囲以外の粘度であっても、樹脂組成物の温度をコントロールして粘度を調節するなどの方法を取れば、使用することができる。
【0040】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化することができる。活性エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合、架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、例えば、可視光線、紫外線、X線等の電磁波、または電子線等の荷電粒子線が挙げられる。これらの内で実用上良く用いられるのは、可視光線、紫外線、または電子線である。
【0041】
紫外線の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。
【0042】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を可視光線または紫外線により硬化させる場合には、紫外線または可視光線の照射によって、解離し、ラジカルを発生するような光(重合)開始剤を含有させる。
【0043】
かかる光(重合)開始剤としては、光の照射により解離してラジカルを発生するような各種の光重合開始剤が使用でき、例えば、ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3′,4,4′−テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;ベンジル、ジアセチルなどのα-ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
【0044】
3,3′-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4′−メチルジメチルスルフィド、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノンなどが挙げられる。
【0045】
また、光(重合)開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1300、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASFF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA〔日本化薬(株)製〕、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
【0046】
さらに、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では、光重合開始剤に各種の光増感剤を併用することができ、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
【0047】
具体的に、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系が、高い硬化性が得られるため特に好ましい。
【0048】
これら光増感剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等防止するため、該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して0.05〜20重量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10重量部が特に好ましい。
【0049】
また、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた物品の製造では、紫外線等の活性エネルギー線は、支持体となる透明基板面を通して照射される場合が多い。そのため、光(重合)開始剤は、長波長領域に吸光能力を有する開始剤が好ましく、例えば、紫外線が360〜450nmの範囲において光開始能力を発揮する光(重合)開始剤の使用が望ましい。450nmを越える光でも強い吸収を有するものは、安定性に劣るため完全に遮光した環境での製造が必要となり、その取扱いが困難となる。なお、電子線を用いる場合は、これら光(重合)開始剤や光増感剤は不要である。
【0050】
電子線の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器等の照射源を備えた装置を用いることができ、100〜1,000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを持つ電子を照射する。照射線量としては、通常0.5〜30Mrad程度が好ましい。
【0051】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材上に形成された硬化樹脂成形層に耐光性が要求される場合等、必要に応じて、紫外線吸収剤を添加することができる。さらに、塗膜の改質や塗装適性、母型からの離型性を改善させる場合には、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を添加することも可能である。
【0052】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0053】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
【0054】
シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
【0055】
上記した如き種々の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対し、それぞれ0.01〜5重量部の範囲であることが好ましい。
【0056】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、フィルム状、シート状、板状の透明基材上の樹脂硬化物からなる成形樹脂層を設けた構造の各種物品に適した材料である。なかでも、光学部品、レンズ等の透明性を必要とする物品の製造に用いる場合には、厚み200±25μmの硬化物において400〜900nmの波長領域の光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上となるように各樹脂組成物成分を組み合わせて用いることが好ましい。
【0057】
これらの物品は、例えば、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、必要とされる微細形状を有する母型上に塗布し、その層の上に支持体となる透明基板を接着させ、次いで透明基材面から活性エネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該母型から剥離することにより製造される。
【0058】
これに用いることができるフィルム状、シート状、板状の透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物などのアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等が挙げられる。また、プラスチック基材ではないが、ガラス基材などの無機基材も同様に用いることが可能である。
【0059】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるべきものではない。なお、例中の部及び%は、特に記載のない限り、すべて重量基準である。
【0060】
実施例1〜4及び比較例1〜3
第1表に示す配合により、注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。なお、全ての実施例及び比較例については、50℃に加温して樹脂組成物の粘度を低下させ、各試験用の硬化サンプルを作成した。また、熱可塑性樹脂(c)のガラス転移点温度(Tg)の値は、示差走査熱量計〔セイコーインスツルメンツ(株)熱分析システムDSC220〕を用い、昇温速度10℃/分、測定温度−100〜150℃での条件で測定したデータから求めた。
【0061】
(硬化サンプルの作成)
得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、ガラス板上にアプリケーターにて塗布し、超高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させた後、ガラス板から活性エネルギー線硬化樹脂層を剥離し、表面が平滑な厚さが160±25μmの硬化樹脂フィルム(F)を作製した。
【0062】
また、得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、幅120μm、高さ100μmの山形繰り返し形状を有するクロムメッキした金属母型とアクリル樹脂板との間に入れ、超高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線をアクリル樹脂板側から照射して硬化させた。紫外線硬化後、アクリル樹脂板を活性エネルギー線硬化樹脂層と共に金属母型から剥離し、必要とする形状を転写した形状付き硬化物(L)を作製した。
【0063】
(評価方法)
これらの活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び硬化物を用いて、下記の測定・試験方法に従って評価を行った。評価結果を第1表に示す。
【0064】
(1)粘度:第1表に示す配合により調製された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物のE型回転粘度計、25℃での粘度測定(mPa・s)を行った。
【0065】
(2)屈折率:液状サンプルの屈折率と硬化サンプルの屈折率を測定した。
液状サンプルは、Abbe屈折計のプリズムに直接塗布し、25℃にて液屈折率の測定を行った。また、硬化サンプルは、硬化樹脂フィルム(F)を試料とし、試料をプリズムに密着させる中間液として、1−ブロモナフタレンを用い、Abbe屈折計にて、試料温度25℃で硬化物屈折率の測定を行った。
【0066】
(3)注型作業性:第1表に示す配合により調製された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を金属母型とアクリル樹脂板との間に入れる作業の難易度を判定し、作業性がよいものを◎、作業性が悪いものを×とした。
【0067】
(4)母型再現性:形状付き硬化物(L)作成時に、金属母型からの剥離後の外観を目視にて観察し、均一な表面形状が得られたものを◎、一部に形状の抜け落ちが見られたものを×とした。
【0068】
(5)耐割れ・欠け性:形状付き硬化物(L)に、カッターナイフを用いて、山形形状と直角に交差する方向に切り込みを入れた際に、硬化樹脂層に割れや欠けが無い場合を◎、欠けや割れが生じた場合を×とした。
【0069】
(6)形状復元性:形状付き硬化物(L)を用い、山形形状面に爪を押しつけ形状を変形させた後、室温に放置した。10分以内に変形跡が全て消失した場合を◎、20分以内に変形跡が全て消失した場合を○、30分以内に変形跡が全て消失した場合を△、30分経過後も変形跡が観察される場合を×とした。
【0070】
【表1】
【0071】
<第1表の脚注>
(a−1) :ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量640g/eq)とアクリル酸を反応させたエポキシアクリレート
(b1−1):前記一般式(1)においてR1及びR2が水素原子で、m1+m2の平均値が4のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジアクリレート
(b2−1):前記一般式(1)においてR1及びR2が水素原子で、m1+m2の平均値が10のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジアクリレート
(b2−2):前記一般式(1)においてR1及びR2が水素原子で、m1+m2の平均値が14のエチレンオキシド変性ビスフェノールAのジアクリレート
(c−1) :ポリウレタン樹脂(脂肪族ポリエステルジオール/ヘキサメチレンジイシシアネート系樹脂、GPC法による重量平均分子量=85,000、Tg=−49℃)
(c−2) :ポリエステル樹脂(1,5−ペンタンジオール/テレフタル酸系樹脂、GPC法による重量平均分子量=39,000、Tg=6℃)
(d−1) :フェノキシエチルアクリレート
(光開始剤):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0072】
【発明の効果】
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、アルキレンオキシド付加モル数の異なった2種類のビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートと、Tgが20℃以下の熱可塑性樹脂とをエポキシ(メタ)アクリレート系組成物に含有させることで、形状復元性に優れ、成形加工性が良好で、しかも高い屈折率を有する硬化物を注型重合により提供できる。
Claims (7)
- (メタ)アクリレート(b1)と(メタ)アクリレート(b2)の重量比(b1)/(b2)が20/80〜80/20である請求項1に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(c)がポリウレタン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂である請求項2に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート(a)がビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレートである請求項1に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート(a)と、2官能(メタ)アクリレート(b)と、熱可塑性樹脂(c)の合計100重量部中において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート(a)の含有率が30〜80重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)の含有率が5〜60重量部、熱可塑性樹脂(c)の含有率が0.5〜15重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- さらに単官能(メタ)アクリレート(d)を必須成分として含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート(a)と、2官能(メタ)アクリレート(b)と、熱可塑性樹脂(c)と、単官能(メタ)アクリレート(d)の合計100重量部中において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート(a)の含有率が30〜80重量部、2官能(メタ)アクリレート(b)の含有率が5〜60重量部、熱可塑性樹脂(c)の含有率が0.5〜10重量部、単官能(メタ)アクリレート(d)の含有率が1〜40重量部である請求項6に記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
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