JP2003342334A - 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents
注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物Info
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- JP2003342334A JP2003342334A JP2002152220A JP2002152220A JP2003342334A JP 2003342334 A JP2003342334 A JP 2003342334A JP 2002152220 A JP2002152220 A JP 2002152220A JP 2002152220 A JP2002152220 A JP 2002152220A JP 2003342334 A JP2003342334 A JP 2003342334A
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Abstract
透明性に優れ、該基材上に形成された成形樹脂層が幅広
い温度域で優れた形状保持力を示し、外力による形状の
欠けや割れを生じにくい注型重合用活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有
するエポキシ(メタ)アクリレート(a)と、脂肪族多
価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物
(b)と、ビス〔(メタ)アクリロキシアルキル〕イソ
シアヌレート(c)と、単官能(メタ)アクリレート
(d)とを必須成分として含有する活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物であって、活性エネルギー線の照射によ
り硬化された硬化物の周波数1Hzでの動的粘弾性測定
により得られる値が特定の範囲を示す、活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物。
Description
照射による硬化反応を応用した注型重合用に用いられる
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。更に詳し
くは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、必要とさ
れる形状の母型と支持体となる板状やシート状の透明プ
ラスチック基材との間に充填した後、活性エネルギー線
を照射して硬化させる、基材上に樹脂硬化物からなる成
形樹脂層を設けた構造の物品の製造、例えば、形状付き
シート、レンズ、光学部品、光デイスク、プリズム等の
プラスチック物品の製造等に使用される注型重合用活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
に板状やシート状の透明プラスチック基材に樹脂硬化物
からなる微細で複雑な凹凸表面形状を有する部品や、超
高精度の平面あるいは非球面の表面形状をしたレンズ、
プリズム、鏡等のプラスチック物品の必要性が高まって
いる。
成形樹脂層の機械強度や靱性が高いこと、使用される透
明プラスチック基材との密着性および母型との型離れ性
に優れること、耐久性に優れていることなどが要求され
ている。また、これらのプラスチック物品には、使用環
境が多岐にわたるために高温での耐久性も要求され、高
温域での良好な形状保持力や機械特性等も求められてい
る。
に反応性樹脂を介在させ、熱や紫外線によって反応性樹
脂を硬化させることにより、母型のレプリカを製造する
種々の方法が提案されている。
性率の硬化物特性を示すエポキシ(メタ)アクリレート
系樹脂組成物と特定の光重合開始剤とを組み合わせるこ
とによって深部硬化性や硬化歪みを改善できることが開
示されている。
開平11−60656号公報などでは、高弾性率の硬化
物特性を示すエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂組成
物による注型重合法を用いて、製造される光学物品の硬
度、耐熱性、耐久性などが改善できることが開示されて
いる。
製造すると、これらの従来技術による製造方法をもって
しても、下記の欠点を完全に解決することは困難である
ことが判明した。即ち、硬い樹脂(高弾性率の樹脂)を
用いてプラスチック物品を作成した場合は、成形物の形
状再現性、表面硬度等は良好なものの、特に成形物がシ
ート状である場合、製造工程などで外力が加わると成形
した形状に欠けや割れを生じやすおこと、一方、柔軟な
樹脂(低弾性率の樹脂)を用いてプラスチック物品を作
成した場合は、上記の欠点は改善されるものの、物品が
変形し易く、特に成形物がシート状である場合、これら
を積層した際に変形を生じ易く、形成されたレプリカの
形状、特に加圧される先端部の形状が歪んでしまい、成
形物の形状再現性が不十分であること等である。
する課題は、透明プラスチック基材に対する密着性や透
明性に優れ、該基板上に形成された成形樹脂層が幅広い
温度域で優れた形状保持力を示し、外力による形状の欠
けや割れを生じにくい注型重合用活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物を提供することにある。
題を解決するため、鋭意検討した結果、二つ以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレ
ート(a)と、脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステル化合物(b)と、ビス〔(メタ)アクリロ
キシアルキル〕ヒドロキシアルキルイソシアヌレート
(c)と、単官能(メタ)アクリレート(d)とを必須
成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
であって、活性エネルギー線の照射により硬化された硬
化物の周波数1Hzでの動的粘弾性測定による力学的損
失正接の最大値を示す温度〔T(max)〕、力学的損
失正接の最大値〔Tanδ(max)〕、力学的損失正
接値が0.1を示す2点の温度差〔ΔT(0.1)〕、
および、力学的損失正接の最大値を示す温度〔T(ma
x)〕より40℃高い温度における貯蔵弾性率〔E′
(Tmax+40℃)〕が、それぞれ特定の範囲である
注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、得ら
れる硬化物が高い硬度および屈折率を保持すると共に、
外力による欠けや割れを生じにくく、さらに透明プラス
チック基材に対する密着性、透明性に優れ、かつ幅広い
温度域で優れた形状保持力を示すこと等見い出し、本発
明を完成するに至った。
リロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート
(a)と、脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(b)と、ビス〔(メタ)アクリロキシ
アルキル〕ヒドロキシアルキルイソシアヌレート(c)
と、単官能(メタ)アクリレート(d)とを必須成分と
して含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であっ
て、活性エネルギー線の照射により硬化された硬化物の
周波数1Hzでの動的粘弾性測定による力学的損失正接
の最大値を示す温度〔T(max)〕が50℃以上、力
学的損失正接の最大値〔Tanδ(max)〕が0.7
〜2.0、かつ、力学的損失正接値が0.1を示す2点
の温度差〔ΔT(0.1)〕が60℃以下、かつ力学的
損失正接の最大値を示す温度〔T(max)〕より40
℃高い温度における貯蔵弾性率〔E′(Tmax+40
℃)〕が、5.0×106〜2.0×107Paである
ことを特徴とする、注型重合用活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物。を提供するものである。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
は、二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキ
シ(メタ)アクリレート(a)と、脂肪族多価アルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b)と、ビス
〔(メタ)アクリロキシアルキル〕ヒドロキシアルキル
イソシアヌレート(c)と、単官能(メタ)アクリレー
ト(d)とを必須成分として含有した、高弾性率の硬化
物特性を持つエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂組成
物であり、幅広い温度域で優れた形状保持力と靱性を両
立させることができる。さらにこの組成物の硬化物は、
架橋構造や架橋密度と相関関係を示す力学的損失正接
と、ゴム弾性領域における貯蔵弾性率において、力学的
損失正接の最大値を示す温度〔T(max)〕、力学的
損失正接の最大値〔Tanδ(max)〕、力学的損失
正接値が0.1を示す2点の温度差〔ΔT(0.
1)〕、力学的損失正接の最大値を示す温度〔T(ma
x)〕より40℃高い温度における貯蔵弾性率〔E′
(Tmax+40℃)〕が上記の範囲の値を持つことに
より、該組成物を用いた成形樹脂層の硬さや脆さを改善
することができる。
とするフィルムの膜厚に影響を受けやすいために、本発
明で用いる動的粘弾性測定の値は、歪み制御方式による
固体粘弾性測定装置(例えば、レオメトリックス社製R
SA−2)を用い、膜厚200±25μm、大きさ6×
35mmのフィルムを用い、かつ、周波数1Hz、負荷
歪み0.05%、昇温速度3℃/分、測定温度−50〜
150℃での条件で測定したデータの内、−30〜12
0℃の温度範囲で得られたデータから求められた値を採
用する。
型樹脂組成物は、活性エネルギー線により硬化させた該
硬化物を、周波数1Hzで測定した動的粘弾性測定によ
る力学的損失正接の最大値を示す温度〔T(max)〕
が50℃以上であり、かつ力学的損失正接の最大値〔T
anδ(max)〕が0.7〜2.0であり、、かつ力
学的損失正接値が0.1を示す2点の温度差〔ΔT
(0.1)〕が60℃以下であることが必須である。即
ち、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物は、力学的損失正接分布がシャープであることで、
靱性を保持したまま、熱変形を起こす硬化物の弾性率低
下を〔Tanδ(max)〕で表される高温域近傍まで
防ぎ、成形樹脂層の高温域における形状保持力を向上さ
せることができる。
成形した微細形状部分に外力が加わると変形を起こしや
すくなるため好ましくない。また、〔Tanδ(ma
x)〕が0.7未満であると、力学的損失正接分布がブ
ロードとなり、〔Tanδ(max)〕近傍で起こる弾
性率低下が低温から起こり始めるため変形を起こしやす
く、〔Tanδ(max)〕が2.0を超えると力学的
損失正接分布はシャープとなるが、その為には硬化物の
ゴム弾性率を低下させることが必要となり形状保持力が
劣るため、好ましくない。さらに、〔ΔT(0.1)〕
が60℃を超えると、先に述べた如く、力学的損失正接
分布がブロードとなり、〔Tanδ(max)〕近傍で
起こる弾性率低下が低温から起こり始めて変形を起こし
やすくなるため、好ましくない。
線硬化型樹脂組成物のなかでも、活性エネルギー線によ
り硬化させた該硬化物を、周波数1Hzで測定した動的
粘弾性測定による〔T(max)〕が50〜70℃で、
かつ、〔Tanδ(max)〕が0.8〜1.5であ
り、しかも、〔ΔT(0.1)〕が35〜45℃である
ものが好ましい。
線硬化型樹脂組成物は、成形樹脂層の高温域における形
状保持力をさらに向上させるため、上記の動的粘弾性測
定と同じ条件下で測定した、硬化物のゴム弾性領域にお
ける貯蔵弾性率の値を限定することが必須である。
の値は、硬化物の架橋密度と相関関係にあることが知ら
れている。このゴム弾性領域における貯蔵弾性率を〔T
(max)〕より40℃高い温度における貯蔵弾性率
〔E′(Tmax+40℃)〕として表わした場合、こ
の〔E′(Tmax+40℃)〕の値は、硬化物の架橋
密度を適切にして、成形した微細形状部分に外力が加わ
ることによる変形や、亀裂、破断を起こさないようにす
るため、5.0×106〜2.0×107Paであるこ
とが必須である。5.0×106Pa未満であると架橋
密度が低いため変形を起こしやすく、2.0×107P
aを超えると架橋密度が高くなりすぎ、外力により形状
の割れや欠けが起こりやすくなるため、好ましくない。
この〔E′(Tmax+40℃)〕の値は、なかでも、
1.0×107〜2.0×107Paであることが特に
好ましい。
リロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート
(a)としては、例えば、脂肪族エポキシ樹脂、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格エ
ポキシ樹脂などの二つ以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られる1種以
上のエポキシ(メタ)アクリレートなどや、これらの混
合物などが挙げられる。
要に応じて高屈折率化が可能であることから、環状構造
を有し、二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエ
ポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフェノールA型
エポキシ樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフェノール
F型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、および、これらの混合物からなる群から選ばれる1
種以上のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応
で得られるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
のなかでも、平均エポキシ当量が450g/eq以上で
環状構造を有するエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸
との反応で得られる、二つ以上の(メタ)アクリロイル
基を有するエポキシアクリレート(a′)であること
が、図1に示すような動粘弾性測定により得られる各種
の値が適正なものとなり、成形樹脂層の脆さを改善する
ために、特に好ましい。
g/eq以上とするためには、例えば、単独で450g
/eq以上のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を用い
ても良いし、異なったエポキシ当量を有するエポキシ樹
脂を混合して平均エポキシ当量が450g/eq以上に
なるよう調整しても良い。
としては、異なったエポキシ当量のエポキシ樹脂を用い
て得られたエポキシアクリレートを混合して用いて、エ
ポキシ樹脂の平均エポキシ当量が450g/eq以上と
なるようにしても良い。
(メタ)アクリル酸エステル化合物(b)としては、例
えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール
のジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトン付
加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールアジペートジ(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物;
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、テトラメチロールメタン、およびそれらに1〜
20モルのアルキレンオキサイドを付加させた水酸基含
有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メ
タ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物等
が挙げられる。
リル酸エステル化合物(b)のなかでも、成形された硬
化物層の脆さの改善ができることから、アルキレンオキ
サイド構造を有する脂肪族多価アルコールの(メタ)ア
クリル酸エステル化合物が好ましく、例えば、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール
のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、
ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、テトラメチロールメタンに1〜
20モルのアルキレンオキサイドを付加させた水酸基含
有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メ
タ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物等
が挙げられる。
られる各種の値が適正な範囲となって、高い弾性率を損
なわずに、プラスチック基材への密着性を向上させるこ
とができることから、プロピレンオキサイト゛構造を有す
る脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
化合物(b′)が特に好ましい。
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物
(b′)としては、例えば、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレートなどのモノあるいはポリプロピレング
リコールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプ
ロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールメタ
ン、およびそれらに1〜20モルのプロピレンオキサイ
ドを付加させた水酸基含有化合物などの水酸基を3つ以
上有する化合物に(メタ)アクリル酸が3分子以上エス
テル結合した化合物等が挙げられる。
シアルキル〕ヒドロキシアルキルイソシアヌレート
(c)は、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物からなる硬化物に、高温域での良好な形状保
持力を、通常使用される温度域では、高弾性率であるに
もかかわらず良好な可撓性と、製造工程などで加わる外
力による欠けや割れに対する優れた耐性とを付与する。
ル〕ヒドロキシアルキルイソシアヌレート(c)として
は、なかでも、形状保持力、可撓性および外力に対する
バランスが良好であることから、ビス〔(メタ)アクリ
ロキシエチル〕ヒドロキシエチルイソシアヌレート
(c′)が好ましい。その市販品としては、アロニック
スM−215(東亞合成社製)などが挙げられる。
ト(d)としては、特に制限されないが、高い弾性率を
損なわずに、また必要に応じて高屈折率を発現させるこ
とができるために、環状構造を有する単官能(メタ)ア
クリレート(d′)が好ましい。
ート(d′)としては、例えば、ベンゾイルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート;
又はメチル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)で表
される2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−
(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパ
ン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオ
キシプロポキシフェニル)プロパン等;
ロモフェニル(メタ)アクリレート、クロロベンジル
(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)アクリ
レート、クロロフェニルエチル(メタ)アクリレート、
ブロモフェニルエチル(メタ)アクリレート、クロロフ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロ
フェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモ
フェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロ
ベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモ
ベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロ
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−ト
リブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートo−フ
ェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレー
ト、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)
アクリレート等の芳香環を有する単官能(メタ)アクリ
ル酸エステル類;
ソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート(メ
タ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カプロラクトン、アクリロイルホルモリン等の脂環及び
ヘテロ環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類等
が挙げられる。
クリレート(d′)のなかでも、芳香環を有する単官能
(メタ)アクリル酸エステル類が、剛性および高屈折率
を損なわないため、特に好適である。
型樹脂組成物は、樹脂組成物中の(a)と(b)と
(c)と(d)の合計100重量部中に、(a)が30
〜70重量部、(b)が5〜40重量部、(c)が1〜
20重量部、(d)が5〜35重量部含有することが好
ましい。
によって得られる各種の値を適正な範囲内にして、エポ
キシアクリレート系樹脂組成物の特徴である高弾性率の
硬化物特性を適切に発現させ、硬化成形層の脆さを改善
することができることから、(a)〜(d)の4成分と
して、エポキシ(メタ)アクリレート(a′)と、脂肪
族多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物
(b′)と、ビス〔(メタ)アクリロキシエチル〕ヒド
ロキシエチルイソシアヌレート(c′)と、環状構造を
有する単官能(メタ)アクリレート(d′)とをそれぞ
れ用い、これらの合計100重量部中に、(a′)を3
0〜70重量部、(b′)を5〜40重量部、(c′)
を1〜20重量部、(d′)を5〜35重量部含有する
ものが好ましい。
ると、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂組成物の特
徴である高屈折率で高弾性率の硬化物特性を発現し、か
つ硬化物層が脆くならず、欠けや割れを生じない。ま
た、(b)や(b′)が5〜40重量部であると、弾性
率低下による硬化物層の形状保持力が悪化することなく
プラスチック基材への基材密着性が付与できる。さら
に、(c)や(c′)が1〜20重量部であると、弾性
率が高くなることにより生じる可撓性および外力による
欠けや割れへの耐性が低下することがなく、硬化物層に
高温域での良好な形状保持力を付与できる。さらにま
た、(d)や(d′)が5〜35重量部であると、エポ
キシ(メタ)アクリレート系樹脂組成物の特徴である高
弾性率の硬化物特性発現を妨げることなく、硬化物層の
脆さの改善効果が期待でき、また樹脂組成物の粘度が適
度となり、母型への均一な塗布や微細構造を有する母型
の複製が可能となる。
型樹脂組成物では、前記した(a)〜(d)成分以外に
も、例えば、粘度や屈折率の微調節等の目的から、その
他の不飽和二重結合含有化合物(e)を含有することが
できる。
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの炭素
原子数1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸
エステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステルやラクトン変性ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートや、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレ
ングリコール基を有する(メタ)アクリレート;(メ
タ)アクリル酸フォスフォエチル;スチレン、α−メチ
ルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系化合物;
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートもしくはN,N−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート;
物及びそれらのハロゲン化物、ビスフェノールAのプロ
ピレンオキシド付加物及びそれらのハロゲン化物、ビス
フェノールFのエチレンオキシド付加物及びそれらのハ
ロゲン化物、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付
加物及びそれらのハロゲン化物、ビスフェノールSのエ
チレンオキシド付加物及びそれらのハロゲン化物、ビス
フェノールSのプロピレンオキシド付加物及びそれらの
ハロゲン化物、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフ
ェニル)プロパン及びそれらのハロゲン化物、2,2′
−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及びそれ
らのハロゲン化物、トリシクロデカンジメチロールなど
の水酸基を2つ有する脂環族化合物に(メタ)アクリル
酸が2分子エステル結合した化合物;
ェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイ
ルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]
−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ
エトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−
ジメチルフェニル]−スルフィド、ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフォンなど
の含イオウ化合物;ジ[(メタ)アクリロイルオキシエ
トキシ)フォスフェート、トリ[(メタ)アクリロイル
オキシエトキシ]フォスフェート等の多官能(メタ)ア
クリレート化合物等が挙げられる。
線硬化型樹脂組成物は、粘度や透明基板への接着性改良
等を目的として、その他の樹脂(f)を併用することが
できる。
チルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重
合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリ
レート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂;ポリ
ウレタン樹脂;ポリブタジエンやブタジエン−アクリロ
ニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック
型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂などが挙げられる。
前記(a)〜(d)の4成分の合計100重量部に対
し、1〜30重量部が好ましい。
重合用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化後の屈折率
は、物品として光学部品、レンズ、レンズシートを製造
する場合に、十分な輝度向上効果を得、レンズ形状を浅
くして母型からの離型性を良好にするため1.54以上
であることが好ましい。
型樹脂組成物の粘度は、母型へ均一に塗布することがで
き、さらに微細構造を有する母型の複製が可能であるよ
うにするため、25℃で1000〜30000mPa・
sの範囲にあることが好ましく、なかでも1000〜2
0000mPa・sであることが特に好ましい。上記範
囲以外の粘度であっても、樹脂組成物の温度をコントロ
ールして粘度を調節するなどの方法を取れば、使用する
ことができる。
型樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射することによ
り硬化することができる。活性エネルギー線とは、電磁
波または荷電粒子線のうち、分子を重合、架橋しうるエ
ネルギー量子を有するものを意味し、例えば、可視光
線、紫外線、X線等の電磁波、または電子線等の荷電粒
子線が挙げられる。これらの内で実用上良く用いられる
のは、可視光線、紫外線、または電子線である。
銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトラ
ンプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることがで
きる。紫外線波長は、通常1,900〜3,800オン
グストロームの波長域が主として用いられる。
型樹脂組成物を可視光線または紫外線により硬化させる
場合には、波長が1,000〜8,000オングストロ
ームなる紫外線または可視光線の照射によって、解離
し、ラジカルを発生するような光(重合)開始剤を含有さ
せる。
により解離してラジカルを発生するような各種の光重合
開始剤が使用でき、例えば、ベンゾフェノン、3,3′
−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−
ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジ
エチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベン
ゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3′,4,4′-テト
ラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
などのベンゾフェノン類;キサントン、チオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサント
ン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;ベンジ
ル、ジアセチルなどのα-ジケトン類;テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、p-トリルジスルフィドなどのス
ルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
ミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニ
ルケトン、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニル
エタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイ
ル−4′−メチルジメチルスルフィド、2,2′−ジエ
トキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベ
ンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイ
ル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,
α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチ
ル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロ
ロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量
体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エ
トキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリ
アジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−
エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−
トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)
フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブ
チルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−
クロルアントラキノンなどが挙げられる。
例えば、Irgacure−184、同149、同26
1、同369、同500、同651、同784、同81
9、同907、同1116、同1664、同1700、
同1800、同1850、同2959、同4043、D
arocur−1173(チバスペシャルティーケミカ
ルズ社製)、ルシリンTPO(BASFF社製)、KA
YACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同E
PA、同OA〔日本化薬(株)製〕、VICURE−1
0、同55(STAUFFER Co.LTD製)、T
RIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、S
ANDORY 1000(SANDOZCo.LTD
製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、Q
UANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(W
ARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙
げられる
ー線硬化型樹脂組成物では、光重合開始剤に各種の光増
感剤を併用することができ、例えば、アミン類、尿素
類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニ
トリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられ
る。
ヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントンお
よびチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−
1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビ
ス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホス
フィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリ
ノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種
または2種類以上の混合系が、高い硬化性が得られるた
め特に好ましい。
を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に
制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物
性の劣化等防止するため、該注型重合用活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物100重量部に対して0.05〜2
0重量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10
重量部が特に好ましい。
線硬化型樹脂組成物を用いた物品の製造では、紫外線等
の活性エネルギー線は、支持体となる透明基板面を通し
て照射される場合が多い。そのため、光(重合)開始剤
は、長波長領域に吸光能力を有する開始剤が好ましく、
例えば、紫外線が360〜450nmの範囲において光
開始能力を発揮する光(重合)開始剤の使用が望ましい。
450nmを越える光でも強い吸収を有するものは、組
成物の安定性が悪く、完全に遮光した環境での製造が必
要となり、その取扱いが極めて困難となる。なお、電子
線を用いる場合は、これら光(重合)開始剤や光増感剤は
不要である。
型、バンデグラフ型、共振変圧器型絶縁コア変圧器型、
直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加
速器等の照射源を備えた装置を用いることができ、10
0〜1,000KeV、好ましくは100〜300Ke
Vのエネルギーを持つ電子を照射する。照射線量として
は、通常0.5〜30Mrad程度が好ましい。
型樹脂組成物は、基材上に形成された硬化樹脂成形層に
耐光性が要求される場合等、必要に応じて、紫外線吸収
剤を添加することができる。さらに、塗膜の改質や塗装
適性、母型からの離型性を改善させる場合には、酸化防
止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジー
コントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング
剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を添加することも可
能である。
−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)
オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス
(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオ
キシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−
4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,
5−トリアジンの如きトリアジン誘導体、2−(2′−
キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサ
ンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、
2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾ
フェノンなどが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止
剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止
剤等が挙げられる。
チルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリ
シロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン
共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共
重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、
アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きア
ルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン
類が挙げられる。
は、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しな
い範囲であることから、該注型重合用活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物100重量部に対し、それぞれ0.0
1〜5重量部の範囲であることが好ましい。
型樹脂組成物は、フィルム状、シート状、板状の透明基
材上の樹脂硬化物からなる成形樹脂層を設けた構造の各
種物品に適した材料である。なかでも、光学部物品、レ
ンズ等の透明性を必要とする物品の製造に用いる場合に
は、厚み200±25μmの硬化物において400〜9
00nmの波長領域の光線透過率が80%以上、好まし
くは85%以上となるように各樹脂組成物成分を組み合
わせて用いることが好ましい。
合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、必要とされ
る微細形状を有する母型上に塗布し、その層の上に支持
体となる透明基板を接着させ、次いで透明基材面から活
性エネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた
後、該母型から剥離することにより製造される。
ート状、板状の透明基材としては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)等のポリエステル樹脂、トリアセチルセル
ロース、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート
系共重合物などのアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂
等が挙げられる。また、プラスチック基材ではないが、
ガラス基材などの無機基材も同様に用いることが可能で
ある。
具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。尚、例中の部及び%は、光透過率を除き、
すべて重量基準である。
注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し
た。
型樹脂組成物を、クロムメッキした金属板と透明で表面
が未処理のポリエチレンテレフタレートフィルム(PE
Tフィルム)との間に充填し、厚さを調整した後、超高
圧水銀灯により800mJ/cm2 の紫外線をPET
フィルム側から照射して硬化させ、次いで、金属板およ
びPETフィルムから活性エネルギー線硬化樹脂層を剥
離し、表面が平滑な厚さが200±25μmの硬化樹脂
フィルム(F)を作製した。
線硬化型樹脂組成物を、幅120μm、高さ100μm
の山形繰り返し形状を有するクロムメッキした金属母型
と透明基材としての透明で易接着処理されたPETフィ
ルムとの間に充填した後、超高圧水銀灯により800m
J/cm2 の紫外線をPETフィルム側から照射して
硬化させ、次いで、PETフィルムを活性エネルギー線
硬化樹脂層と共に金属母型から剥離し、必要とする形状
を転写したPETフィルム形状付き硬化物(L)を作製
した。
ー線硬化型樹脂組成物を、クロムメッキした金属板と透
明なアクリル樹脂板との間に充填し、厚さを調整した
後、超高圧水銀灯により800mJ/cm2 の紫外線
をアクリル樹脂板側から照射して硬化させ、アクリル樹
脂板を活性エネルギー線硬化樹脂層と共に金属板から剥
離して、アクリル樹脂板に厚さ200±25μmの表面
が平滑な硬化樹脂層を有するアクリル樹脂板平滑硬化物
(S)を作製した。
型樹脂組成物、硬化樹脂フィルム(F)、PETフィル
ム形状付き硬化物(L)またはアクリル樹脂板平滑硬化
物(S)を用い、下記のように各種の測定・評価を行っ
た。結果を第1表および第2表(1)、第2表(2)に
示す。なお、第1図として実施例1で得られた動的粘弾
性測定結果を示す。また、第2図として比較例1で得ら
れた動的粘弾性測定結果を示す。これらは、全ての実施
例および比較例における測定結果の一例として示したも
のである。
25℃で注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
の粘度(mPa・s)を測定した。
ンプルについて測定した。液状サンプルは、注型重合用
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をAbbe屈折計の
プリズムに直接塗布し、25℃にて測定を行った。ま
た、硬化サンプルは、硬化樹脂フィルム(F)を試料と
し、試料をプリズムに密着させる中間液として1−ブロ
モナフタレンを用い、Abbe屈折計にて、試料温度2
5℃にて測定した。
る固体粘弾性測定装置 RSA−2(レオメトリックス
社製)を用い、硬化樹脂フィルム(F)を試料として、
大きさ6×35mm、周波数1Hz、負荷歪み0.05
%、昇温速度3℃/分、測定温度−50℃〜150℃で
の条件で測定したデータの内、−30℃〜120℃まで
の温度範囲で得られたデータから、〔T(max)〕、
〔Tanδ(max)〕、〔ΔT(0.1)〕および
〔E′(Tmax+40℃)〕を求めた。
(F)を用い、400〜900nmの波長領域の光透過
率を測定し、全領域で85%以上の透過率を示すものを
○とし、透過率がそれ以下のものを×とした。
化物(S)を用い、この透明基材と硬化樹脂層との密着
性をJIS K−5400に準拠して測定した。95/
100以上の升目が残存する時を○、(60〜94)/1
00の升目が残存する時を△とし、59/100以下の
時を×とした。
硬化物(L)作成後の外観を目視にて判定した。判定基
準は、均一な表面形状が得られたものを○、一部に割れ
や、形状の抜け落ちが見られたものを△、全面に割れ
や、形状の抜け落ちがみられたものを×とした。
に、PETフィルム形状付き硬化物(L)を5cm×5
cmに切り出して試験片とし、試験片を硬化樹脂層が上
側になるようにして水平に置き、その上から底辺が平坦
な重りを乗せ、温度25℃および40℃で60分間、2
0g/cm2 の荷重を加えた。次いで、荷重をとり除
き、PETフィルム形状付き硬化物(L)の変形痕の有
無について、目視により判定した。形状保持力の評価基
準は、シートに変形痕の痕跡が確認されないものを○、
シートに変形痕が確認できるものを×とした。
ム形状付き硬化物(L)に、カッターナイフを用いて、
山形形状と交差する方向に切り込みを入れた際に、硬化
樹脂層に欠けや割れが無い場合を○、欠けや割れが生じ
た場合を×とした。
化物(S)を用い、紫外線フェードメーター(ブラック
パネル温度63℃)にて、硬化樹脂層側へ200時間照
射した。次いで、日本電色製色差計(ZE2000)を
用いて、照射前後における黄変度(ΔYI)をXYZ値
より計算し、その差を示す数値が5未満の場合を◎、1
0未満の場合を○、10以上の場合を×とした。
当量635g/eq)とアクリル酸を反応させて得たエ
ポキシアクリレート ・a−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ
当量188g/eq)とアクリル酸を反応させて得たエ
ポキシアクリレート ・b−1:トリプロピレングリコールジアクリレート ・b−2:ポリプロピレングリコール(分子量400)
ジアクリレート ・b−3:トリメチロールプロパンにプロピレンオキサ
イドを3モル付加した多価アルコールのトリアクリレー
ト ・c−1:アロニックス M−215)東亞合成社製ビ
ス〔(メタ)アクリロキシアルキル〕ヒドロキシアルキ
ルイソシアヌレート) ・d−1:フェノキシエチルアクリレート ・紫外線吸収剤:2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−
ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフ
ェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)
−1,3,5−トリアジン ・光開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン
化型樹脂組成物は、透明プラスチック基材に対する密着
性及び透明性に優れ、透明基板上に形成された成形樹脂
層が幅広い温度域で優れた形状保持力を示し、外力によ
る形状の欠けや割れを生じにくい。
す模式図である。
す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有
するエポキシ(メタ)アクリレート(a)と、脂肪族多
価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物
(b)と、ビス〔(メタ)アクリロキシアルキル〕ヒド
ロキシアルキルイソシアヌレート(c)と、単官能(メ
タ)アクリレート(d)とを必須成分として含有する活
性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、活性エネル
ギー線の照射により硬化された硬化物の周波数1Hzで
の動的粘弾性測定による力学的損失正接の最大値を示す
温度〔T(max)〕が50℃以上、力学的損失正接の
最大値〔Tanδ(max)〕が0.7〜2.0、か
つ、力学的損失正接値が0.1を示す2点の温度差〔Δ
T(0.1)〕が60℃以下、かつ力学的損失正接の最
大値を示す温度〔T(max)〕より40℃高い温度に
おける貯蔵弾性率〔E′(Tmax+40℃)〕が、
5.0×106〜2.0×107Paであることを特徴
とする、注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物。 - 【請求項2】 力学的損失正接の最大値を示す温度〔T
(max)〕が50〜70℃、力学的損失正接の最大値
〔Tanδ(max)〕が0.8〜1.5、かつ、力学
的損失正接値が0.1を示す2点の温度差〔ΔT(0.
1)〕が35〜45℃、かつ力学的損失正接の最大値を
示す温度〔T(max)〕より40℃高い温度における
貯蔵弾性率〔E′(Tmax+40℃)〕が、1.0×
107〜2.0×107Paである、請求項1記載の注
型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。 - 【請求項3】 エポキシ(メタ)アクリレート(a)が
平均エポキシ当量が450g/eq以上の環状構造を有
するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得ら
れる、二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポ
キシ(メタ)アクリレート(a′)であり、脂肪族多価
アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b)
がプロピレンオキサイド構造を有する脂肪族多価アルコ
ールの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b′)であ
り、ビス〔(メタ)アクリロキシエチル〕ヒドロキシア
ルキルイソシアヌレート(c)がビス〔(メタ)アクリ
ロキシエチル〕ヒドロキシエチルイソシアヌレート
(c′)であり、単官能(メタ)アクリレート(d)が
環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート(d′)
である、請求項1または2記載の注型重合用活性エネル
ギー線硬化型樹脂組成物。 - 【請求項4】 エポキシ(メタ)アクリレート(a)が
平均エポキシ当量が450g/eq以上の環状構造を有
するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得ら
れる、二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポ
キシ(メタ)アクリレート(a′)であり、脂肪族多価
アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b)
がプロピレンオキサイド構造を有する脂肪族多価アルコ
ールの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b′)であ
り、ビス〔(メタ)アクリロキシエチル〕ヒドロキシア
ルキルイソシアヌレート(c)がビス〔(メタ)アクリ
ロキシエチル〕ヒドロキシエチルイソシアヌレート
(c′)であり、単官能(メタ)アクリレート(d)が
環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート(d′)
であって、かつ、(a´)と(b´)と(c′)と
(d′)の合計100重量部中に、エポキシ(メタ)ア
クリレート(a′)を30〜70重量部、脂肪族多価ア
ルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物(b′)
を5〜40重量部、ビス〔(メタ)アクリロキシエチ
ル〕ヒドロキシエチルイソシアヌレート(c′)を1〜
20重量部、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレ
ート(d′)を5〜35重量部含有する、請求項1また
は2記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物。 - 【請求項5】 活性エネルギー線の照射により硬化され
た硬化物の屈折率が1.54以上である請求項1または
2記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物。
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---|---|---|---|
JP2002152220A JP2003342334A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 |
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JP2002152220A JP2003342334A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 |
Publications (2)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100430755C (zh) * | 2005-11-28 | 2008-11-05 | 索尼株式会社 | 透镜片、透射型屏幕以及背投型显示器 |
JP2009032380A (ja) * | 2007-03-05 | 2009-02-12 | Rohm & Haas Co | 硬化性組成物 |
-
2002
- 2002-05-27 JP JP2002152220A patent/JP2003342334A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100430755C (zh) * | 2005-11-28 | 2008-11-05 | 索尼株式会社 | 透镜片、透射型屏幕以及背投型显示器 |
JP2009032380A (ja) * | 2007-03-05 | 2009-02-12 | Rohm & Haas Co | 硬化性組成物 |
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