JP2007186603A - 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化性に優れ、着色が少なく、機械強度に優れ、高い屈折率を発現する注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 エポキシ(メタ)アクリレートと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートと、単官能(メタ)アクリレートと、200〜400nmの最大吸光度が2.0以上、400nmにおける吸光度が0.1以上、450〜800nmの最大吸光度が0.05以下の開始剤(d1)と200〜400nmの最大吸光度が2.0以上、400nmにおける吸光度が0.1未満、450〜800nmの最大吸光度が0.05以下の開始剤(d2)を含む樹脂組成物で、(d1)と(d2)の合計の含有率が該組成物の重量を基準として0.1重量%以上で、(d1)の含有率が該組成物の重量を基準として0.05〜3重量%である注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、活性エネルギー線照射による硬化反応を応用した注型重合用に用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。更に詳しくは、母型を用いて支持体上に必要な形状の樹脂硬化物からなる樹脂層を設けた物品の製造に使用される注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
近年、機器の小型化、軽量化に伴い、プラスチック基材上に樹脂硬化物からなる微細で複雑な凹凸表面形状を有する形状付きシート、レンズ、光デイスク、プリズム等のプラスチック物品や光学物品の必要性が高まっている。
そこで、母型とプラスチック基材の間に注型重合用樹脂組成物を介在させ、熱や紫外線によって注型重合用樹脂組成物を硬化させることにより、母型のレプリカを製造する種々の方法が提案されている。
このようなプラスチック物品や光学物品には、優れた硬化性、光学物品としての外観、優れた機械強度、高い屈折率などが要求されている。
このような要求を満たす注型重合用樹脂組成物としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートと、単官能(メタ)アクリレートとを含有し、かつ、前記2官能(メタ)アクリレートがアルキレンオキシド付加モル数の異なる2種類のビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートとアルキレンオキシド構造を有する脂肪族2価の(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、プラスチック基材との密着性が良好で、機械強度に優れ、しかも特に高い屈折率を発現するという利点がある。しかしながら、注型重合のプロセスにおいては、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がガラス等の型、もしくはプラスチック基材等を透過した活性エネルギー線のみで重合反応を起こす必要があり、短波長の活性エネルギー線がガラス等の型、プラスチック基材等に吸収された場合に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の十分な硬化反応が起こらず、得られる硬化物は硬化性に劣ることがあった。
上述の様な問題に対し、短波長成分が吸収された場合でも十分な硬化性を得られるような、より長波長側にも吸収域のある開始剤を用いた注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
しかしながら、より長波長側に吸収があることは、即ち可視光領域に吸収があることとなり、活性エネルギー線の照射によって幾分かの退色があったとしても、その硬化物に色が残る欠点につながり、とりわけ高外観を求められる光学物品用途への応用では問題があった。
特開2004−331695号公報 特開昭64−65111号公報 特開平11−60656号公報
本発明が解決しようとする課題は、種々のプラスチック基材等を透過した活性エネルギー線での硬化性に優れ、着色が少なく、機械強度に優れ、しかも特に高い屈折率を発現する注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、エポキシ(メタ)アクリレートと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレーと、単官能(メタ)アクリレートを必須とする重合性成分と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1以上で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1未満で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤とを併用してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、種々のプラスチック基材等を透過した活性エネルギー線での硬化性に優れ、得られる硬化物の着色が少なく、機械強度に優れ、しかも特に高い屈折率を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(b)と、単官能(メタ)アクリレート(c)と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1以上で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d1)と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1未満で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d2)とを含有する注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、該重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1重量%以上で、且つ、重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.05〜3重量%であることを特徴とする注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば種々のプラスチック基材等を透過した活性エネルギー線での硬化性に優れ、着色が少なく、機械強度に優れ、しかも特に高い屈折率を発現する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することができる。この活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は特に注型重合用として有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ(メタ)アクリレート(a)としては、例えば、二つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られる二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。その具体例としては、脂肪族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノール型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートなどや、これらの混合物が挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレート(a)のなかでも、環状構造と二つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有するエポキシ(メタ)アクリレートが、優れた機械強度を発現させ、高屈折率化が可能であることから好ましい。その具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、一部ハロゲン置換されたビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、一部ハロゲン置換されたビスフェノールF型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明で用いるジ(メタ)アクリレート(b)は、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートを必須とする。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(b)は、そのアルキレンオキサイド付加モル数によって硬化性を制御でき、例えば付加モル数の比較的少ないジ(メタ)アクリレートを選択して優れた機械強度やより高い屈折率を得ることができ、また付加モル数の比較的多いジ(メタ)アクリレートを選択して優れた可とう性を付与することができる。これらは、目的とする硬化物性に応じて適切に選択することができる。さらに、付加モル数の異なるジ(メタ)アクリレートを併用することもできる。
このような、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートとしては、例えば下記の一般式(1)
Figure 2007186603
〔式中、R1、R2はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、n1+n2は平均値で1〜20である。〕
で表されるジ(メタ)アクリレート等が、高屈折率が得られ、硬化物の機械強度を適切に制御できる等の理由から好ましく用いられる。
前記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート(b1)の市販品としては、例えば、アロニックスM−210、同M−211B、〔以上、東亞合成(株)製〕、ライトアクリレートBP−4EA、同BP−4PA、ライトエステルBP−2EM〔以上、共栄社化学(株)製〕、NKエステルA−BPE−4、同BPE−100、同BPE−200、同BPE−500〔以上、新中村化学工業(株)製〕、カヤラッドR−551〔日本化薬(株)製〕、ビームセット750〔荒川化学工業(株)製〕、SR−348、SR−349、SR−601、SR−602、SR−480〔以上、化薬サートマー(株)製〕、ニューフロンティアBPE−4、同BPP−4、同BPE−10、同BPE−20、同BPEM−10〔以上、第一工業製薬(株)製〕、ビスコート#700〔大阪有機化学工業(株)製〕、フォトマー4028、同4025〔以上、サンノプコ社製〕、エベクリル150、同1150、BPA(EO3)DMA、BPA(EO6)DMA〔以上、ダイセルユーシービー(株)製〕、ブレンマーADPE−150、同ADPE−300、同PDPE−150、同PDPE−300、同ADBPシリーズ、同ADBEPシリーズ、PDBEPシリーズ、同PDBPシリーズ、同43PDBPE−800B〔以上、日本油脂(株)製〕等が挙げられる。
また、本発明で用いるジ(メタ)アクリレート(b)としては、優れた機械強度と可とう性を両立できるという効果があることから、前記一般式(1)においてR1、R2はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、n1+n2は平均値で3〜4であるジ(メタ)アクリレート(b1−1)と前記一般式(1)においてR1、R2はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、n1+n2は平均値で9〜12であるジ(メタ)アクリレート(b1−2)とを併有するジ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には前記ジ(メタ)アクリレート(b)以外の2官能(メタ)アクリレート(b’)を、例えば粘度や屈折率の微調整等の目的で必要に応じて併用することもできる。
この様な(b)以外の2官能(メタ)アクリレート(b’)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトン付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、ハロゲン化ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物、トリシクロデカンジメチロールなどの水酸基を2つ有する化合物に(メタ)アクリル酸が2分子エステル結合した化合物;
ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフォンなどの含イオウ化合物;ジ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート等が挙げられる。
前記他の2官能(メタ)アクリレート(b’)の使用割合は、2官能(メタ)アクリレートの全量100重量部に対する(b’)の比である(b’)/〔(b)+(b’)〕×100で、通常50以下であり、1〜20が好ましい。
本発明で用いる単官能(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フォスフォエチル、スチレン系化合物、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでも、高い弾性率を損なわずに、また必要に応じて高屈折率を発現させることができるために、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート類(c1)が好ましい。
前記環状構造を有する単官能(メタ)アクリレート(c1)としては、例えば、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、;下記一般式(2)
Figure 2007186603
(式中、R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基、R4は水素原子またはメチル基を表し、nは平均値で0〜3である。)
で表される2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン等;
クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)アクリレート、クロロフェニルエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェニルエチル(メタ)アクリレート、クロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート(メタ)アクリレート等の脂環及びヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、前記単官能(メタ)アクリレート(c)はその一部、例えば単官能(メタ)アクリレート(c)の1〜40重量%を、ヘテロ環構造を有するビニル化合物で置き換えることができる。ヘテロ環構造を有するビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、アクリロイルホルモリン等が挙げられる。
これらのなかでも、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート類が、機械強度及び高屈折率を損なわないため、好適に用いることができる。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(b)と、単官能(メタ)アクリレート(c)の合計100重量部中の各成分の含有量は、プラスチック基材に対する密着性が良好で、硬化させた樹脂層が優れた機械強度と、特に高い屈折率を発現することから、エポキシ(メタ)アクリレート(a)が20〜70重量部、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(b)が5〜50重量部、単官能(メタ)アクリレート(c)が5〜40重量部であることが好ましい。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記(a)、(b)及び(c)の3成分を必須成分とするが、さらに3官能以上の多官能(メタ)アクリレート(e)、例えば3官能(メタ)アクリレートをも必須成分として含有させることが、架橋密度が高くなり硬化物の機械強度を向上させることができることから好ましい。
前記多官能(メタ)アクリレート(e)としては、3官能以上の各種の多官能(メタ)アクリレートが使用できるが、なかでも、アルキレンオキサイド構造を有する脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレートを用いた場合、プラスチック基材との密着性を損なわずに架橋密度を高くすることができるため、好適に用いることができる。
前記アルキレンオキサイド構造を有する脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールメタン等の3官能以上の多価アルコールに、1〜20モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物等が挙げられ、なかでも、脂肪族3価アルコールに3〜9モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物が好ましい。
前記アルキレンオキサイド構造を有する脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、前記多官能(メタ)アクリレート(e)をも含む場合、その全アクリレート合計100重量部である(e)/〔(a)+(b)+(b’)+(c)+(e)〕×が1〜15であれば、架橋密度が向上すると共に、プラスチック基材に対する密着性が良好で、硬化させた樹脂層が優れた機械強度と、特に高い屈折率を発現することから好ましい。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はで用いる重合開始剤は0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1以上で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d1)と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1未満で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d2)と含有し、更に、該重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1重量%以上で、且つ、重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.05〜3重量%である必要がある。
前記重合開始剤(d)として(d1)を含有しない、もしくは重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.05重量%よりも小さいと、種々の基材、特に紫外線吸収剤を含むようなプラスチック基材を透過した活性エネルギー線による注型重合工程において硬化性が不足する理由から好ましくない。重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として3重量%よりも大きいと硬化物の着色が顕著となり、光学物品としての応用が困難となるとの理由で好ましくない。重合開始剤(d1)の含有率は該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1〜2重量%が好ましく、0.1〜1重量%がなお好ましい。
また、該重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1重量%よりも小さいと、硬化速度の低下等の硬化性不足は発生するため好ましくない。重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率は該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1〜10重量%とするのが塗膜物性の劣化等が起きにくいため好ましく、0.2〜6重量%がより好ましく、0.2〜5重量%が更に好ましい。
また、前記重合開始剤(d)として重合開始剤(d2)を含有しない重合開始剤を用いると、硬化物の着色を防ぐために重合開始剤(d1)の含有率を抑えることにより硬化性不足が起こりやすくなるとの理由から好ましくない。
尚、本発明において、重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率は本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として求めるが、この注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量は実際に注型重合工程において活性エネルギー線照射を行うときの重量であり、例えば、揮発性の溶剤等活性エネルギー線照射を行う時までに組成物から除去され硬化工程に供さない成分は除く。
前記重合開始剤(d1)の具体例としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
前記重合開始剤(d1)の市販品としては、例えば、Irgacure819、同369〔以上、チバスペシャルティケミカルズ社製〕、ルシリンTPO〔BASF社製〕等が挙げられる。
前記重合開始剤(d2)の具体例としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジェフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル等を挙げられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。
前記重合開始剤(d2)の市販品としては、例えば、Irgacure2959、同184、同651、同1173、同907〔以上、チバスペシャルティケミカルズ社製〕、NK1300、同1100、同1200、BZO〔以上、ダイセルユーシービー(株)製〕、カヤキュアーBDMK、同BMS、同BP−100、同DMBI〔以上、日本化薬(株)製〕、ルシリンBDK〔BASF社製〕、エスキュアーKB1〔日本シイベルヘグナー(株)製〕、QuantacureITX、同BMS〔以上シェルジャパン(株)製〕、ダイトキュアOB〔ダイトーケミックス(株)製〕、ハイキュアOBM〔川口薬品(株)製〕等が挙げられる。
上記重合開始剤(d1)および重合開始剤(d2)を含有する本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源により硬化させることができる。
上記のような各成分からなる本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化性組成物の硬化後の屈折率は、物品として光学部品、レンズ、レンズシートを製造する場合に、十分な輝度向上効果を得、レンズ形状を浅くして母型からの離型性を良好にするため、1.55以上であることが好ましい。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度は、母型へ均一に塗布することができ、さらに微細構造を有する母型の複製が可能であるようにするため、25℃で1,000〜30,000mPa・sの範囲にあることが好ましく、なかでも1,000〜20,000mPa・sであることが特に好ましい。上記範囲以外の粘度であっても、樹脂組成物の温度をコントロールして粘度を調節するなどの方法を取れば、使用することができる。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材上に形成された硬化樹脂成形層に耐光性が要求される場合等、必要に応じて、紫外線吸収剤を添加することができる。さらに、塗膜の改質や塗装適性、母型からの離型性を改善させる場合には、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を添加することも可能である。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2´−キサンテンカルボキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−o−ニトロベンジロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
前記シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
上記した如き種々の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対し、それぞれ0.01〜5重量部の範囲であることが好ましい。
本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、フィルム状、シート状、板状の透明基材上の樹脂硬化物からなる成形樹脂層を設けた構造の各種物品に適した材料である。なかでも、光学部品、レンズ等の透明性を必要とする物品の製造に用いる場合には、厚み200±25μmの硬化物において400〜900nmの波長領域の光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上となるように各樹脂組成物成分を組み合わせて用いることが好ましい。
これらの物品は、例えば、本発明の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、必要とされる微細形状を有する母型上に塗布し、その層の上に支持体となる透明基板を接着させ、次いで透明基材面から活性エネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該母型から剥離することにより製造される。
これに用いることができるフィルム状、シート状、板状の透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物などのアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等が挙げられる。また、プラスチック基材ではないが、ガラス基材などの無機基材も同様に用いることが可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。例中の部及び%は、透過率以外は特に記載のない限り、全て重量基準である。
実施例1
第1表に示す配合により、注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を調整した。この注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を用いて硬化サンプル(硬化樹脂フィルム及び平滑硬化物)を作成し、外観、透過率、硬化性の評価を行った。硬化サンプルの調製方法と各評価方法を以下に示す。なお、硬化サンプルは活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を、40℃に加温して粘度を低下させて作成した。
(硬化樹脂フィルムの作成)
注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を、ガラス板上にアプリケーターにて塗布し、紫外線ランプにより1,000mJ/cmの紫外線を照射して硬化させた後、ガラス板から活性エネルギー線硬化樹脂層を剥離し、表面が平滑な、厚さ100±10μmの硬化樹脂フィルムを得た。
(平滑硬化物の作成)
注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1を、トリアセチルセルロースフィルム〔富士写真フィルム(株)製、厚さ:80μm、波長400nmの透過率:74%〕と、クロムメッキした金属板との間に入れた後に厚さを調整し、紫外線ランプにより1,000mJ/cmの紫外線をトリアセチルセルロースフィルム側から照射して硬化させ、トリアセチルセルロースフィルムを活性エネルギー線硬化樹脂層と共に金属板から剥離し、トリアセチルセルロースフィルムに厚さ100±10μmの表面が平滑な硬化樹脂層を有する平滑硬化物を得た。
(外観の評価)
硬化樹脂フィルムの着色の程度を目視にて観察し、着色が殆ど認められないものを○、若干の着色が認められるものを△、黄緑色に着色顕著であり光学物品として不適とみなされるものを×とした。
(透過率%の評価)
硬化樹脂フィルムを、日立ハイテクノロジーズ(株)製U−2800型分光光度計にて、波長400nmにおける透過率を測定した。
(硬化性の評価)
平滑硬化物表面の硬化状態を指触にて観察し、表面タックが消失し良好に硬化しているものを○、表面のタックが残存しているものを×とした。
実施例2〜6及び比較例1〜3
第1表及び第2表に示す配合を用いた以外は実施例1と同様にして注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物2〜6及び比較対照用注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物1´〜3´を調製した。実施例と同様にして硬化サンプルを調製し、各評価を行った。
Figure 2007186603
Figure 2007186603
<第1表及び第2表の脚注>
(a−1) :ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量:640g/eq)とアクリル酸を反応させたエポキシアクリレート
(b−1) :一般式(1)においてR1およびR2が水素原子で、n1+n2の平均値が10であるエチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート(商品名:第一工業製薬(株)製/ニューフロンティアBPE−10)
(c1−1):フェノキシエチルアクリレート
(c1−2):イソボロニルアクリレート
(d1−1):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製/Irgacure819)
(d1−2):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:BASF社製/ルシリンTPO)
(d2−1):1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製/Irgacure184)
(e−1) :トリメチロールプロパンにエチレンオキサイドが平均6モル付加した多価アルコールのトリアクリレート(商品名:東亞合成(株)製/アロニックスM−360)



Claims (9)

  1. エポキシ(メタ)アクリレート(a)と、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(b)と、単官能(メタ)アクリレート(c)と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1以上で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d1)と、0.1重量%の濃度となるようにアセトニトリルに溶解し、光路長1.0cmの条件で吸光度測定を測定した時に200〜400nmの範囲における最大吸光度(EPS)が2.0以上で、400nmにおける吸光度(E400)が0.1未満で、かつ、450〜800nmの範囲における最大吸光度(EPL)が0.05以下である重合開始剤(d2)とを含有する注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であり、該重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1重量%以上で、且つ、重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.05〜3重量%であることを特徴とする注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ(メタ)アクリレート(a)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とをさせて得られるエポキシ(メタ)アクリレートである請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(b)が下記一般式(1)
    Figure 2007186603
    〔式中、R1、R2はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、n1+n2は平均値で1〜20である。〕
    で表される(メタ)アクリレート(b1)である請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 前記単官能(メタ)アクリレート(c)が環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートである請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. 前記重合開始剤(d1)が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドおよび/または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 前記重合開始剤(d2)が、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾフェノンからなる群から選ばれる1種以上の重合開始剤である請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 前記重合開始剤(d1)及び重合開始剤(d2)の合計の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.2〜6重量%で、且つ、重合開始剤(d1)の含有率が該注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の重量を基準として0.1〜2重量%である請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 更に3官能以上の(メタ)アクリレート(e)を含有する請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  9. 前記3官能以上の(メタ)アクリレート(e)がエチレンオキシド構造および/またはプロピレンオキシド構造を有する脂肪族3価アルコールの(メタ)アクリレートである請求項1記載の注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

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