JP2014076556A - 微細凹凸構造を有する物品およびその製造方法 - Google Patents

微細凹凸構造を有する物品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】後加工を必要とせず、低コストで微細凹凸構造を有する物品を製造する方法、および微細凹凸構造を有する物品を提供すること
【解決手段】最終製品を2P法で得るための第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有することを特徴とする、微細凹凸構造を有する物品の製造方法;および、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含む、または、アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて硬化させた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含むことを特徴とする微細凹凸構造を有する物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法、および微細凹凸構造を有する物品に関する。
表面に可視光線の波長以下の微細サイズの凹凸が複数配置された微細凹凸構造を有する物品は、連続的に屈折率を変化させ反射防止性能(モスアイ効果)を発現することが知られている。微細凹凸構造が良好な反射防止性能を発現するためには、隣り合う凸部又は凹部の間隔が、可視光の波長以下のサイズである必要がある。また、このような微細凹凸構造を有する物品は、ロータス効果により超撥水性能を発現することが可能である。
微細凹凸構造を形成する方法としては、例えば、微細凹凸構造の反転構造が形成されたモールドを用いて射出成形やプレス成形する方法、モールドと透明基材との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」ということもある)を配し、活性エネルギー線の照射により樹脂組成物を硬化させて、モールドの凹凸形状を転写した後にモールドを剥離する方法、樹脂組成物にモールドの凹凸形状を転写してからモールドを剥離し、その後に活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させる方法、などが提案されている。これらの中でも、微細凹凸構造の転写性、表面組成の自由度を考慮すると、活性エネルギー線の照射により樹脂組成物を硬化させて、微細凹凸構造を転写する方法が好適である。この方法は、連続生産が可能なベルト状やロール状のモールドを用いる場合に特に好適であり、生産性に優れた方法である。
ところで、モールドを用いて微細凹凸構造を有する物品(以下、「最終製品」ということもある)を製造する場合、前記物品の製造コストは、元のモールドの製造コストを反映したものとなる。従って、モールドの製造に係るコストを低下することで、微細凹凸構造を有する物品をより低コストで製造することが可能となる。
モールドの一般的な製造方法として、リソグラフィ法が知られている。リソグラフィ法とは、感光性の物質(レジスト)を塗布した物質の表面に、紫外線などの光源を照射して微細な凹凸パターンを形成する技術である。しかしながら、リソグラフィ法を用いてモールドを製造する場合、製造コストが非常に高くなるという問題がある。また、微細凹凸構造の転写時に異物の噛み込みなどが起きて、モールドに傷がついてしまう危険性もあり、製造上の課題が残る。
そこで、リソグラフィ法等によって製造したモールドをマスターモールドとして用い、前記マスターモールドの表面の微細凹凸構造をナノインプリント法にて被転写体に転写し、前記被転写体をレプリカモールドとして用いることが行われている。または、マスターモールドの表面の微細凹凸構造をナノインプリント法にて被転写体に転写して、前記被転写体をマザーモールドとし、前記マザーモールドの表面の微細凹凸構造をナノインプリント法にて更に被転写体に転写し、前記被転写体をレプリカモールドとして用いることが行われている。
例えば、特許文献1には、フォトレジストによって原版(マスターモールド)を作製し、光硬化性樹脂によって複製版(マザーモールド)、複々製版、複々々製版を作製し、複々々製版から光硬化性樹脂を用いてアクリル板の表面に、原版と同じ形状を賦形できることが開示されている。
しかしながら特許文献1には、凹凸表面を構成する樹脂組成物は、最終製品について開示されているのみであり、複製段階に用いる樹脂組成物等については開示がなされていない。
また、特許文献2には陽極酸化ポーラスアルミナをマスターモールドとし、前記マスターモールドの表面の微細凹凸構造を樹脂組成物に転写してレプリカモールド、またはマザーモールドとする技術が開示され、前記レプリカモールドをフィルム状に製造することで、大面積、かつシームレス化を実現している。
しかしながら特許文献2の技術では、マスターモールドやマザーモールドから微細凹凸構造を転写した樹脂組成物を、そのままマザーモールド、レプリカモールドとして用いることはできず、前記樹脂組成物にフッ素処理を施してレプリカモールドとして用いるか、或いは、フッ素系ポリマーにマスターモールド、又はマザーモールドを加熱して押し当てた後、レプリカモールドとして用いている。
このようにレプリカモールドにフッ素処理を施す理由の1つに、離形性の問題がある。
微細凹凸構造を有する物品の製造に用いられるモールドにおいては、細孔の周期がナノメートルオーダーで、かつ細孔のアスペクト比も比較的大きい場合、前記モールドと樹脂組成物との接触界面の面積が大幅に増加する。そのため、最終製品をモールドから離形し難いという問題がある。
特許文献3には、マザーモールドの表面の微細凹凸構造を転写した樹脂組成物の表面にフッ素系化合物を塗布し、シランカップリング反応等で繋ぎとめるという後加工処理を施した、撥水性構造体が開示されている。
このような後加工処理を施した構造体をレプリカモールドとして用いた場合、その撥水性能によって、最終製品の離形性も向上することが考えられる。また、レプリカモールドにある程度の耐久性も付与することができる。しかし、後加工処理の際、レプリカモールドの表層の剥離や、滑落が生じる可能性がある。また、製造コストが増加する等の課題がある。
このように、フッ素処理等の後加工処理を施したレプリカモールドを用いた、微細凹凸構造を有する物品の製造方法は従来から提案されているが、このような後加工処理に用いられるフッ素系化合物は高価なものが多く、そのため、レプリカモールドの製造コストを増加させるという問題がある。
特開2004−69878号公報 特開2010−000719号公報 特開2007−144916号公報 特開2010−275525号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、後加工を必要とせず、低コストで微細凹凸構造を有する物品を製造する方法、および微細凹凸構造を有する物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、汎用多官能モノマーと、前記多官能モノマーと相溶する特定構造の撥水性成分を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いてモールドを製造することで、後加工処理のような複雑な工程を経ずとも、高い撥水性を兼ね備えた物品を製造できることを見出している(特許文献4)。そこで、表面エネルギーの低い材料を用いて、光硬化によってレプリカモールドを製造することができれば、上述の課題は解決できると考え、まず、前記手法を用いて、フィルム状のレプリカモールド(以下、モールドフィルムということもある)の製造を行った。その後、前記モールドフィルムを用いて微細凹凸構造を有する物品の製造を行ったところ、前記モールドフィルムから安定して物品を離形することは困難であった。
この理由について、本発明者らが鋭意検討した結果、フッ素処理やシランカップリング処理を施すように、被転写体である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の表面自由エネルギーを下げてやることは、最終製品のレプリカモールドからの離形性を向上させるために重要なことであるが、それ以外に、レプリカモールドの最表面に「炭素−炭素二重結合」が残存していないことが重要であることを見出した。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、概してラジカル重合に寄与する炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能モノマーを含有しており、前記多官能モノマーの炭素−炭素二重結合は、それぞれ独立して重合反応に寄与し、高分子網目構造を形成する。しかしながら、必ずしも、前記多官能モノマーの全ての炭素−炭素二重結合が反応するわけではないため、レプリカモールド表面に炭素−炭素二重結合が残った場合、最終製品を2P法で得るための第2の活性エネルギー線硬化性樹脂と、レプリカモールド表面に残存した炭素−炭素二重結合が反応し、その結果、レプリカモールドと最終製品との間で強固な化学結合が生じて離形が困難となることを見出した。
ここで、2P法とはモールドの転写面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置し、活性エネルギー線の照射により樹脂組成物を硬化させ、硬化した樹脂組成物をモールドから離型することで、微細凹凸構造を転写する方法(photo polymerization法。以下、2P法と称する。)のような製造方法のことを指す。
本発明者らは、前記課題を解決する手法として、最終製品を2P法で得るための第2の活性エネルギー性硬化性樹脂組成物に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される添加剤を一定量含有させることで、高価な後加工処理を施さずとも、離形性に優れた微細凹凸構造を有する物品を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は、以下の特徴を有する。
[1]下記工程(I)〜(VI)を含むことを特徴とする、微細凹凸構造を有する物品の製造方法。
工程(I):表面に微細凹凸構造を有するマザーモールドの前記表面と基材(A)との間に、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
工程(II):前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、前記基材(A)を通して活性エネルギー線を照射し、前記基材(A)上に、前記微細凹凸構造の反転構造を表面に有する、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を形成する工程。
工程(III):前記基材(A)および前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を、前記マザーモールドから剥離してレプリカモールドを得る工程。
工程(IV):前記レプリカモールドの表面と基材(B)との間に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有する、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
工程(V):前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射し、前記基材(B)上に、前記微細凹凸構造を表面に有する、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を形成する工程。
工程(VI):前記基材(B)および前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を、前記レプリカモールドから剥離して微細凹凸構造を有する物品を得る工程。
[2]前記レプリカモールドに、フッ素処理またはシランカップリング処理を施さないことを特徴とする、[1]に記載の微細凹凸構造を有する物品の製造方法。
[3]紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含むことを特徴とする、[1]に記載の方法により製造された、微細凹凸構造を有する物品。
[4]活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含む、微細凹凸構造を有する物品であって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて硬化させたことを特徴とする、[1]に記載の方法により製造された、微細凹凸構造を有する物品。
本発明によれば、レプリカモールドにフッ素処理やシランカップリング処理などの高価な後加工処理を必要としない、微細凹凸構造を有する物品の製造方法、および離形性に優れた微細凹凸構造を有する物品を提供することができる。
本発明のレプリカモールドの製造装置の一例を示す構成図である。 本発明のレプリカモールドの一例を示す断面図である。 本発明の微細凹凸構造を有する物品の製造装置の一例を示す構成図である。 本発明の微細凹凸構造を有する物品の一例を示す断面図である。 微細凹凸構造を形成するために使用するマザーモールドの製造工程の一例を示す模式的断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「ラジカル重合性官能基」とは、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を意味する。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
<微細凹凸構造を有する物品の製造方法>
本発明の微細凹凸構造を有する物品の製造方法は、以下の工程(I)〜工程(VI)を含む製造方法である。
工程(I):表面に微細凹凸構造を有するマザーモールドの前記表面と基材(A)との間に、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
工程(II):前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、前記基材(A)を通して活性エネルギー線を照射し、前記基材(A)上に、前記微細凹凸構造の反転構造を表面に有する、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を形成する工程。
工程(III):前記基材(A)および前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を、前記マザーモールドから剥離してレプリカモールドを得る工程。
工程(IV):前記レプリカモールドの表面と基材(B)との間に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有する、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
工程(V):前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射し、前記基材(B)上に、前記微細凹凸構造を表面に有する、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を形成する工程。
工程(VI):前記基材(B)および前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を、前記レプリカモールドから剥離して微細凹凸構造を有する物品を得る工程。
本発明の微細凹凸構造を有する物品の製造方法において、工程(I)〜(III)は、レプリカモールドの製造に関する工程である。
図1は、本発明のレプリカモールドの製造装置の一例を示す構成図である。
本発明のレプリカモールド10は、例えば図1の製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
[工程(I)]
まず、表面に微細凹凸構造(図示略)を有するマザーモールド21と、マザーモールド21の表面に沿って移動する帯状の基材12(基材(A))との間に、タンク22から供給された第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13を配置する。
マザーモールド21と、空気圧シリンダ23によってニップ圧が調製されたニップロール24との間で、基材12および第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13をニップし、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13を、基材12とマザーモールド21との間に均一に行き渡らせると同時に、マザーモールド21の微細凹凸構造の凹部内に第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13を充填する。
[工程(II)]
次に、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13に、基材12を通して活性エネルギー線照射装置20から活性エネルギー線を照射し、基材12上に、微細凹凸構造の反転構造を表面に有する、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物13の硬化層14(硬化層(a))を形成する。
[工程(III)]
その後、基材12および硬化層14を、剥離ロール25によってマザーモールド21から剥離し、レプリカモールド10を得る。
(マザーモールド)
一般的に形状を複製する方法として、元の形状を何かで模り、その型へ原料を流し込むことで元の形状を再現する方法が良く知られているが、この元の形状のことをマザーモールドという。本発明のマザーモールドとしては、表面に微細凹凸構造を有する型を用いる。
ここで複製とは、元にする構造や形状、図柄があり、その構造や図柄、形状を模した製品を得ること、またそのようにして得られた「もの」のことを指す。複製された「もの」と元の「もの」とは、完全に同じであるとは限らないが、相似形であったり、極めて良く似た形状である場合、本発明においては、このような「もの」も複製と称する。
また、本発明における複製方法とは、微細凹凸構造・凹凸形状を複製する方法であり、その複製過程において、元の「もの」と複製された「もの」が完全に一致する「もの」ではなく、若干の寸法の違い等が生じる方法についても、複製方法に含めるものとする。
マザーモールドに微細凹凸構造を形成する方法は特に限定されないが、その具体例としては、電子ビームリソグラフィー法、レーザー光干渉法などが挙げられる。例えば、適当な支持基板上に適当なフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザー、電子線、X線等の光で露光し、現像することによって微細凹凸構造を形成した型を得て、この型をそのままマザーモールドとして使用することもできる。また、フォトレジスト層を介して支持基板をドライエッチングにより選択的にエッチングし、前記レジスト層を除去することで支持基板そのものに直接微細凹凸構造を形成することも可能である。
また、陽極酸化ポーラスアルミナをマザーモールドとして利用することも可能である。陽極酸化ポーラスアルミナとしては、例えば、アルミニウムをシュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧にて陽極酸化することにより形成される20〜200nmの細孔構造をマザーモールドとして利用してもよい。この方法によれば、高純度アルミニウムを定電圧で長時間陽極酸化した後、一旦酸化皮膜を除去し、再び陽極酸化することで非常に規則性の高い細孔を自己組織的に形成できる。さらに、二回目に陽極酸化する工程において、陽極酸化処理と孔径拡大処理を組み合わせることによって、断面が矩形でなく三角形や釣鐘型である細孔も形成可能となる。また、陽極酸化処理と孔径拡大処理の時間や条件を適宜調節することによって、細孔最奥部の角度を鋭くすることも可能である。
さらに、微細凹凸構造を有するマスターモールドから電鋳法等で複製モールドを作製し、これをマザーモールドとして用いてもよい。
マザーモールドの形状として、図1には、ロール状の形状を有するマザーモールド21が例示されているが、このようなロール状の形状に限定されず、例えば、平板状、ベルト状のいずれであってもよい。特に、ベルト状やロール状であれば、連続的に微細凹凸構造を転写でき、生産性をより高めることができるため好ましい。
(基材(A))
本発明における基材(A)とは、微細凹凸構造の反転構造を有する、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を支持し、かつ、活性エネルギー線を透過する透明基材のことを指す。透明基材を構成する材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等の合成高分子、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等の半合成高分子、ポリエチレンテレフタラート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、それら高分子の複合物(ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸の複合物、ポリメチルメタクリレートとポリ塩化ビニルの複合物等)、ガラスが挙げられる。
基材(A)の形状はシート状、フィルム状等いずれであってもよい。またその製造方法も、いずれの製法であってもよく、例えば、射出成形、押し出し成形、キャスト成形等により製造されたものを使用することができる。更に、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性の改良を目的として、透明基材の表面に、コーティングやコロナ処理が施されていてもよい。
(第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
本発明における第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、第1の樹脂組成物ということもある)とは、マザーモールドの微細凹凸構造を複製した、レプリカモールドを構成するものである。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、表面自由エネルギーの低い材料であることが好ましい。第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が表面エネルギーの低い材料であれば、得られたレプリカモールドが後加工処理を必要としないため好ましい。
従来公知の技術として、硬化後の樹脂組成物の表面エネルギーを下げるために、フッ素系化合物、シリコーン系化合物などを多く用いることが知られている。しかしながら、表面自由エネルギーを十分に低下させる目的でこれら化合物を多量に用いた場合、樹脂組成物のガラス転移温度も同時に低下する。その結果、硬化層自体が柔らかくなり、微細な凹凸形状を維持することが困難となる。また、これらの化合物は一般的に高価であることから、製造コストが嵩むという問題がある。
本発明者らは特許文献4に示すような、汎用多官能モノマーと特定の撥水性成分を併用することで、表面自由エネルギーが低く、かつ、十分な硬度を有する微細凹凸構造を有する物品の製造方法を見出している。
従って、本発明における第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化性成分100質量部に対して、ラジカル重合性官能基を1分子中に3つ以上含有する多官能モノマー(X)と、硬化層(a)の表面自由エネルギーを低く出来る撥水性分(Y)を含むことが好ましい。ここで硬化性成分とは、重合反応に寄与する活性エネルギー線硬化性樹脂成分のことを指す。
(硬化性成分:多官能モノマー(X))
多官能モノマー(X)は、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における硬化性成分の主成分であり、レプリカモールドの機械特性、特に耐擦傷性を良好に維持すると共に、硬化に伴う相分離を誘起させる役割を果たす。本発明における多官能モノマー(X)は、分子内に3個以上のラジカル重合性官能基を有することが好ましい。これにより、第1の樹脂組成物中の架橋点間分子量が小さくなり、架橋密度を高くして、レプリカモールドの弾性率や硬度を高くし、耐擦傷性に優れたものとすることができる。このラジカル重合性官能基は、代表的には(メタ)アクリロイル基である。
多官能モノマー(X)の選定基準として、たとえば、Fedorの推算法で表される特定のsp値を目安に出来る。sp値とは溶解性パラメーターまたは溶解度パラメーターと言われ、溶質が溶媒へ溶けるか否か、異種の液体が混ざるか否か等の溶解性を判断する際の指標となる値である。一般に、sp値を導く方法としては、液体の蒸発熱から計算する方法や、各化学構造に基づいた値を積算することで算出する方法など様々な方法があり、例えばHildeblandのsp値、Hansenのsp値、Kreverenの推算法、Fedorの推算法が知られている。これらは、情報機構発刊の「SP値 基礎・応用と計算方法」に詳しい。本発明においては、化学構造に応じた値を積算するFedorの推算法を用いる。なお、本発明において、SP値を(J/Cm0.5で表わす。
sp値はモノマー同士の溶解性の指標になる。多官能モノマー(X)のFedorの推算法によって導出されるsp値は、20〜23であり、好ましくは20.5〜23であり、より好ましくは20.5〜22.5である。sp値を20以上とすることにより、多官能モノマー(X)が撥水性成分(Y)と相溶し過ぎることなく、レプリカモールドに撥水性を付与することができる。また、撥水性成分(Y)と適度に相溶することで、過度な加熱等を行わずとも、透明・清澄な第1の樹脂組成物を得ることができるため、ハンドリング性に優れている。
また、さらなる溶解性の指標としては、多官能モノマー(X)95質量部と、ステアリルアクリレート5質量部を混合し、加熱して溶解させた後、25℃まで冷却した際に白濁や沈殿を生じるもの、また、上記溶解液を一晩静置した際に2成分が分離するようなものを、多官能モノマー(X)として用いることが好ましい。
上記のような条件を満たす多官能モノマー(X)としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレートを用いることができる。その具体例としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及び、これらのエトキシ変性物が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、市販品としては、例えば、新中村化学工業社製の「NKエステル」シリーズのATM−4E、日本化薬製の「KAYARAD」シリーズのDPEA−12、東亞合成製の「アロニックス」シリーズのM−305、M−450、M−400、M−405、ダイセル・サイテック社製の「EBECRYL40」が挙げられる(以上、全て商品名)。
また、多官能モノマー(X)の分子量をラジカル重合性官能基の数で除した値(分子量/ラジカル重合性官能基の数)は、200以下が好ましく、180以下がより好ましく、110〜150が最も好ましい。これら各範囲は、レプリカモールドの弾性率や硬度及び耐擦傷性の点で意義が有る。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレートの場合、その分子量は296であり、ラジカル重合性官能基の数は3である。したがって、分子量/ラジカル重合性官能基の数=98.7となる。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の多官能モノマー(X)の含有量は、組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、70質量部以上であることが好ましく、80〜97質量部であることがより好ましく、85〜97質量部であることが更に好ましく、90〜95質量部であることが最も好ましい。多官能モノマー(X)の含有量が70〜97質量部の範囲であれば、レプリカモールドの弾性率、硬度、耐擦傷性が良好となり、例えば、突起高さが180nmを超える最終製品を製造する場合であっても、微細凹凸構造の形状を良好に維持することができる。また、レプリカモールドが脆弱になるのを抑制でき、レプリカモールドを剥離する際のひび割れの発生を抑制することができるため好ましい。
(硬化性成分:撥水性成分(Y))
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、多官能モノマー(X)の他に、撥水性成分(Y)を硬化性成分として含むことが好ましい。撥水性成分(Y)は、レプリカモールドの表面自由エネルギーを低くする役割を果たす。
撥水性成分(Y)としては、硬化したときの表面自由エネルギーが30mJ/m以下であることが好ましく、10〜30mJ/mであることがより好ましく、15〜30mJ/mであることが更に好ましく、15〜25mJ/mであることが最も好ましい。撥水性成分(Y)の表面自由エネルギーが10〜30mJ/mの範囲であれば、硬化に伴う相分離を効果的に誘起でき、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の分離、および白濁を抑制することができるため好ましい。
表面自由エネルギーは、撥水性成分(Y)を平滑なフィルム状や板状に硬化させ、前記硬化物上に水滴を落としたときの接触角から算出できる。
接触角は、固体と液体のそれぞれの表面自由エネルギーによって任意に決まるものであり、ヤングの式から求められる。本発明の撥水性分(Y)の表面自由エネルギーは、水の表面自由エネルギーを72.8mJ/mとして、ヤングの式から計算した値である。
撥水性成分(Y)は、分子内に1個以上のラジカル重合性官能基を有するものが好ましい。分子内のラジカル重合性官能基の数が1個以上であれば、撥水性成分(Y)が硬化層(a)の中に取り込まれ、耐候性試験などによってブリードアウトすることが抑えられるため好ましい。
このような撥水性成分(Y)としては、例えばポリブタジエン構造、水素添加ポリブタジエン構造、ポリジメチルシロキサン構造、ポリフルオロアルキル鎖などを有する化合物が挙げられる。また、これらの構造中にセグメントが導入されていてもよい。セグメントが導入されていると、多官能モノマー(X)や後述するモノマー(Z)との相溶性が適度に向上するため好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的な撥水性成分(Y)として、例えばアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、炭素数10以上であることが好ましく、10〜22であることがより好ましく、10〜18であることが最も好ましい。アルキル基の炭素数が12〜22であれば、レプリカモールドの表面自由エネルギーを容易に低くすることができ、更に、加熱により容易に液状化し、室温下でもワックス状になりにくい。アルキル基は分岐を有していても良いが、直鎖状であることが好ましい。直鎖状アルキル基の場合、その炭素数は12であることが最も好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、分子内にラジカル重合性官能基として(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有することが好ましい。これにより、レプリカモールド中からのブリードアウトが抑制されるため好ましい。また、ラジカル重合性官能基が1個であることにより、アルキル鎖が凝集し易くなり、レプリカモールドの表面自由エネルギーを容易に低下させることができるため好ましい。
ところで、アルキル(メタ)アクリレートを多官能モノマー(X)と組み合わせた場合、加熱時は前記アルキル(メタ)アクリレートと多官能モノマー(X)が相溶して透明清澄となるが、室温まで冷却した場合に白濁を生じたり、分離したりする場合がある。また、レプリカモールドに濁りや靄が発生する場合もある。しかしながら、アルキル(メタ)アクリレートと、多官能モノマー(X)との相溶性が良好な場合、撥水性が発現しにくくなる。このような点を考慮して、第1の活性エネルギー性硬化性樹脂組成物を取り扱う上で不便がなく、かつレプリカモールドが撥水性を有するような組合せにすることが好ましい。
上記のような条件を満たすアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。市販品としては、日油製「ブレンマーLA」「ブレンマーCA」「ブレンマーSA」「ブレンマーVA」「ブレンマーLMA」「ブレンマーCMA」「ブレンマーSMA」「ブレンマーVMA」、新中村化学製「NKエステルS−1800A」「NKエステルS−1800M」等がある(以上、全て商品名)。
また、撥水性成分(Y)として、ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物も用いることができる。
ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物として、チッソ社製のサイラプレーンシリーズや信越化学工業社製のシリコーンジアクリレート「x−22−164」などが挙げられるが、これらの含有量が増えると、このような撥水性成分(Y)を含有する第1の樹脂組成物が白濁したり、分離したりすることがある。十分な撥水性を有するレプリカモールドを得るためには、上記ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物を5質量部以上加えることが好ましいが、5質量部以上加えても白濁やマクロな相分離を起こさないように、構造中に、多官能モノマー(X)や後述するモノマー(Z)との相溶性セグメントを有することが好ましい。相溶性セグメントとして、例えばポリアルキレンオキサイド骨格やアミド結合などが挙げられる。このような相溶性セグメントを有するポリジメチルシロキサン構造を有する化合物としては、信越化学工業社製のシリコーンジアクリレート「x−22−1602」などが特に好ましく用いられる。
これら成分の他に、撥水性成分(Y)として、フッ素含有化合物、ポリブタジエン構造を有する化合物を用いることもできる。ポリブタジエン構造を有する化合物としては、ポリブタジエン構造を有するアクリレート(例えば日本曹達社製のポリブタジエンアクリレート「TEAI−1000」等)などが挙げられる。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の撥水性成分(Y)の含有量は、組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、3〜30質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましく、3〜10質量部であることが更に好ましく、5〜8質量部であることが最も好ましい。撥水性成分(Y)の含有量が、3〜30質量部であれば、レプリカモールドの架橋密度が低下するのを抑制し、耐擦傷性を良好に維持できるため好ましい。
(硬化性成分:モノマー(Z))
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、多官能モノマー(X)、撥水性成分(Y)以外にも、それらと共重合可能なモノマー(Z)を硬化性成分として含んでいてもよい。モノマー(Z)は、第1の樹脂組成物全体としての重合反応性を良好に維持しつつ、ハンドリング性や基材(A)との密着性を更に向上するものであることが好ましい。
モノマー(Z)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−ビニルピリジン;4−ビニルピリジン;N−ビニルピロリドン;N−ビニルホルムアミド;酢酸ビニルが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートは、化合物の立体構造が嵩高くなく、第1の樹脂組成物の重合反応を促進できるため好ましい。また、基材(A)として、アクリル系フィルムを用いる場合には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のモノマー(Z)の含有量は、組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、(0)〜15質量部であることが好ましく、(0)〜10質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、3〜8質量部であることが最も好ましい。モノマー(Z)の含有量が、(0)〜15質量部であれば、第1の樹脂組成物を効率よく硬化させ、残存モノマーが可塑剤として作用してレプリカモールドの弾性率や耐擦傷性への悪影響を与えることを抑制することができる。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の多官能モノマー(X)、撥水性成分(Y)及びモノマー(Z)は、各々上述した各範囲内でその含有割合を適宜調整すればよい。
(スリップ剤(P))
また、本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、スリップ剤(P)を含むことが好ましい。スリップ剤(P)はレプリカモールドの表面に存在し、表面における摩擦を低減して、耐擦傷性を向上させる化合物である。スリップ剤(P)の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング製「SH3746FLUID」「FZ−77」、信越化学工業製「KF−355A」、「KF−6011」が挙げられる(以上、全て商品名)。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のスリップ剤(P)の含有量は、第1の樹脂組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜2質量部であることがより好ましい。スリップ剤(P)の含有量が0.01〜5質量部であれば、第1の樹脂組成物の硬化性が良好となり、レプリカモールドの機械特性、特に耐擦傷性が良好となるため好ましい。また、レプリカモールド中に残存するスリップ剤による弾性率及び耐擦傷性の低下や着色を抑制することができるため好ましい。
(活性エネルギー線重合開始剤)
また、本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線重合開始剤を含む。この活性エネルギー線重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によって開裂し、重合反応を開始させるラジカルを発生する化合物である。
活性エネルギー線重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン;2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、吸収波長の異なる2種以上を併用することが好ましい。また必要に応じて、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、アゾ系開始剤等の熱重合開始剤を併用してもよい。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の活性エネルギー線重合開始剤の含有量は、組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましく、0.2〜3質量部であることが最も好ましい。活性エネルギー線重合開始剤の含有量が0.01〜10質量部であれば、第1の樹脂組成物の硬化性が良好となり、最終製品のレプリカモールドからの離形性が向上するため好ましい。また、レプリカモールドの機械特性、特に耐擦傷性が良好となるため好ましい。また、レプリカモールド中に残存する重合開始剤による弾性率及び耐擦傷性の低下や着色を抑制することができるため好ましい。
(安定剤)
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線吸収剤、酸化防止剤からなる群から選択される1種以上の安定剤を含んでいてもよい。
本発明においては、第1の樹脂組成物の劣化を抑制する目的で、上記安定剤を含んでいてもよい。
活性エネルギー線吸収剤としては、第1の樹脂組成物の硬化の際に照射される活性エネルギー線を吸収し、樹脂の劣化を抑制できるものが好ましい。このような活性エネルギー線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、ベンゾエート系の紫外線吸収剤が挙げられる。その市販品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「チヌビン(登録商標)」シリーズの400や479、共同薬品社製の「Viosorb(登録商標)」シリーズの110が挙られる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系の酸化防止剤、リン系の酸化防止剤、イオウ系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の酸化防止剤が挙げられる。その市販品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX(登録商標)」シリーズが挙げられる。
これら活性エネルギー線吸収剤、酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の上記安定剤の含有量は、第1の樹脂組成物中に含まれる硬化性成分100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることが好ましく、0.01〜0.5質量部であることが最も好ましい。第1の樹脂組成物中の安定剤の含有量が0.01質量部以上であれば、レプリカモールドの黄色化やヘイズ上昇を抑制し、耐候性を向上させることができる。また、5質量部以下であれば、樹脂組成物の硬化性、レプリカモールドの耐擦傷性、および第1の樹脂組成物と基材(A)との密着性が良好となるたけ好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、多官能モノマー(X)及び撥水性成分(Y)の機能を阻害しない範囲において、必要に応じて、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤等を含有してもよい。
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は溶剤を含んでいてもよいが、含まない方が好ましい。溶剤を含まない場合は、レプリカモールド中に溶剤が残る心配がないため好ましい。また、製造工程を考慮した場合、溶剤除去のための設備投資が不要であり、コストの点でも好ましい。
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、25℃における回転式B型粘度計で測定される粘度で、10000mPa・s以下であることが好ましく、5000mPa・s以下であることがより好ましく、2000mPa・s以下であることが最も好ましい。また、25℃における粘度が10000mPa・sより大きな値であっても、70℃における回転式B型粘度計で測定される粘度が、5000mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下であれば、作業性を損なうことはない。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、上述したモノマーの種類や含有量を調節することで調整できる。具体的には、水素結合等の分子間相互作用を有する官能基や化学構造を含むモノマーを多量に用いると、第1の樹脂組成物の粘度は高くなる。また、分子間相互作用のない低分子量のモノマーを多量に用いると、第1の樹脂組成物の粘度は低くなる。
(活性エネルギー線)
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、プラズマ、赤外線などの熱線等を用いることができる。特に、装置コストや生産性の観点から、紫外線を用いることが好ましい。紫外線を照射するランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、フュージョンランプを用いることができる。
紫外線の照射量は、重合開始剤の吸収波長や含有量に応じて決定すればよい。通常、その積算光量は、400〜4000mJ/cmが好ましく、400〜2000mJ/cmがより好ましい。積算光量が400mJ/cm以上であれば、第1の樹脂組成物を十分硬化させて、最終製品のレプリカモールドからの離形性が向上する。また、硬化不足による耐擦傷性の低下を抑制することができる。また。積算光量が4000mJ/cm以下であれば、硬化層(a)の着色や基材(A)の劣化を防止する点で意義が有る。照射強度も特に制限されないが、基材(A)の劣化等を招かない程度の出力に抑えることが好ましい。
(第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a))
本発明の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)は、第1の樹脂組成物の硬化物からなる層であり、マザーモールドの微細凹凸構造の反転構造を表面に有する。
(レプリカモールド)
本発明におけるレプリカモールドとは、最終製品を2P法で得るための成形用モールドのことであり、基材(A)および硬化層(a)から構成される。本発明のレプリカモールドは、良好な離形性を発現する。
図2は、本発明のレプリカモールド10の一例を示す断面図である。
この例のレプリカモールド10は、基材(A)の一態様である基材12、および第1の樹脂組成物の硬化層(a)の一態様である硬化層14から構成される。レプリカモールド10の表面には、円錐状の凸部16が複数形成されている。微細凹凸構造の凸部16の形状としては、図2に示す円錐状に限らず、例えば、釣鐘状、先鋭状などが挙げられる。微細凹凸構造の断面形状は特に限定されないが、凸部16がその頂部から底部に向かって、連続的または段階状に拡径する形状が挙げられる。
図2にはフィルム状のレプリカモールド10が例示されているが、このようなフィルム状の形状に限定されず、例えば、平板状、ベルト状、ロール状のいずれであってもよい。フィルム状であれば、大面積化(シームレス化)が可能であり、ベルト状やロール状であれば、連続的に微細凹凸構造を転写でき、生産性をより高めることができるため好ましい。
本発明のレプリカモールドには、フッ素処理またはシランカップリング処理を施さないことが好ましい。レプリカモールドにフッ素処理またはシランカップリング処理を施さないことで、レプリカモールドの製造に係るコストが低下し、微細凹凸構造を有する物品をより低コストで製造することができるため好ましい。
レプリカモールドの厚みは、基材(A)および第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の供給量によって決定する。
活性エネルギー線は、第1の樹脂組成物を透過する過程でエネルギーを幾分か吸収されるため、活性エネルギー線が先に照射される側(活性エネルギー線照射装置に近い側)と、第1の樹脂組成物を透過した後の活性エネルギー線が照射される側(活性エネルギー線照射装置から遠い側)で、照射の度合いが変わってくる。特に、第1の樹脂組成物の層の厚みが大きいほど、活性エネルギー線照射装置から近い側と遠い側で厚みの差が大きくなり、その結果、第1の樹脂組成物の硬化度が変わってくる。
第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物において、炭素―炭素二重結合は、必ずしも全て反応するものではないため、活性エネルギー線照射装置から近い側と遠い側では、その残存量が異なると考えられる。特に遠い側の炭素−炭素二重結合の残存量が多くなることが予想される。
本発明においては、基材(A)を通して第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射するが、この場合、マザーモールドと接していた側、すなわち、微細凹凸構造を形成する側の第1の樹脂組成物の硬化度が低下し、炭素−炭素二重結合の残存量が増えることになる。
微細凹凸構造を有するレプリカモールドおいて、微細凹凸構造表面に炭素−炭素二重結合が残存することは、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、第2の樹脂組成物ということもある)に形状を転写し、最終製品を得るに当たって、極めて重大な欠陥となりかねない。その理由は、第2の樹脂組成物を硬化させる際に、レプリカモールド表面に残存する炭素−炭素二重結合と、第2の樹脂組成物との間で重合反応が起こり、その結果、最終製品のレプリカモールドからの離型性が著しく損なわれるためである。
上記のような課題を解決するために、本発明では、最終製品を2P法で得るための第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種以上の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有することを特徴とする。
工程(IV)〜(VI)は、前記レプリカモールドを用いた微細凹凸構造を有する物品の製造方法に関する工程である。
図3は、本発明の微細凹凸構造を有する物品の製造装置の一例を示す構成図である。
本発明の微細凹凸構造を有する物品30は、例えば図3の製造装置を用いて、下記のように連続式で製造される。
まず、フィルム状のレプリカモールド10をロール41に貼着させ、ロール状レプリカモールド36とする。
[工程(IV)]
ロール状レプリカモールド36と、ロール状レプリカモールド36の表面に沿って移動する帯状の基材32(基材(B))との間に、タンク42から紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種以上の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有する第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物33を供給する。
その後、ロール状レプリカモールド36と、空気圧シリンダ43によってニップ圧が調整されたニップロール44との間で、基材32および前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物33をニップし、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物33を、基材32とロール状レプリカモールド36との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状レプリカモールド36の微細凹凸構造の凸部間に充填する。
[工程(V)]
ロール状レプリカモールド36の下方に設置された活性エネルギー線照射装置40から、基材32を通して第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物33に活性エネルギー線を照射し、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物33を硬化させることによって、ロール状レプリカモールド36の表面の微細凹凸構造が転写された硬化層34(硬化層(b))を形成する。
[工程(VI)]
剥離ロール45により、表面に硬化層34が形成された基材32を剥離することによって、微細凹凸構造を有する物品30を得る。
(第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
本発明における第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、レプリカモールドの微細凹凸構造を複製した、微細凹凸構造を有する物品を構成するものである。
本発明の第2の活性エネルギー性硬化性樹脂組成物は、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有するものである。
第2の活性エネルギー性硬化性樹脂組成物が、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有することによって、第2の樹脂組成物の深部の硬化性、すなわち、レプリカモールドと接する側の硬化性を低下させ、レプリカモールド表面に残存する炭素−炭素二重結合と反応してしまうことを避けることが出来る。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、またヒンダードアミン系などが挙げられるが、特にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましい。具体的にはチバ・スペシャリティケミカルズ社の『TINUVIN384−2』『TINUVIN99−2』『TINUVIN400』『TINUVIN405』などが挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、チバ・スペシャリティケミカルズ社の『TINUVIN123』『TINUVIN144』『TINUVIN292』が挙げられる。
第2の樹脂組成物中の紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤の含有量は、0.5〜3質量部であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。上記添加剤の含有量が0.5質量部以上であれば、レプリカモールド表面に残存する炭素−炭素二重結合と、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とが重合反応してしまうことを抑制でき、レプリカモールドからの離型性が良好となる。また、上記添加剤の含有量が10質量部以下であれば、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化が損なわれることがない。
第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化性成分としては、上述の第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化性成分と同じであってもよい。
第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の極性は特に限定されるものではない。レプリカモールドの表面自由エネルギーが十分に低ければ、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が疎水性(低極性)であっても、親水性(高極性)であっても、離型には問題がない。
一方で、レプリカモールドに第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が浸透した場合、離型性に悪影響を与えることが考えられる。
第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が低分子量の化合物、具体的には分子量が400以下、特に250以下の化合物、より具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−ビニルピリジン;4−ビニルピリジン;N−ビニルピロリドン;N−ビニルホルムアミド;酢酸ビニル;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどを60質量部以上含む場合、レプリカモールドからの離型性を損なうことがある。従って、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の上記化合物の含有量は、60質量部未満であることが好ましい。
(基材(B))
本発明における基材(B)としては、微細凹凸構造を有する、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を支持し、かつ、活性エネルギー線を透過する透明基材のことを指す。透明基材を構成する材料としては、上述の基材(A)と同じものを用いることができる。なお、第2の活性エネルギー線硬化性組成物に対し、レプリカモールドを通して活性エネルギー線を照射する場合、基材(B)は透明基材である必要性はない。
(活性エネルギー線)
第2の樹脂組成物にラジカル捕捉剤を添加する場合、第2の樹脂組成物の硬化に用いる活性エネルギー線としては、上述の工程(II)で用いた活性エネルギー線と同じもの、例えば、電子線、紫外線、可視光線、プラズマ、赤外線などの熱線等を用いることができる。
一方、第2の樹脂組成物に紫外線吸収剤を添加する場合は、紫外線を用いることが好ましい。紫外線を照射するランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、フュージョンランプを用いることができる。
活性エネルギー線の照射量は、重合開始剤の吸収波長や含有量に応じて決定すればよい。通常、その積算光量は、400〜4000mJ/cm2が好ましく、400〜2000mJ/cm2がより好ましい。積算光量が400mJ/cm2以上であれば、第2の樹脂組成物を十分硬化させて、硬化不足による耐擦傷性の低下を抑制することができる。また。積算光量が4000mJ/cm2以下であれば、最終製品の着色や基材(B)の劣化を防止する点で意義が有る。照射強度も特に制限されないが、基材(B)の劣化等を招かない程度の出力に抑えることが好ましい。
(第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b))
本発明の第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)は、第2の樹脂組成物の硬化物からなる層であり、レプリカモールドの微細凹凸構造の反転形状を表面に有する。
<微細凹凸構造を有する物品>
本発明の製造方法により製造された微細凹凸構造を有する物品は、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含むことを特徴とするものである。
微細凹凸構造を有する物品が、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含むことによって、フッ素処理等の後加工処理を施していないレプリカモールドからの離形性が良好となるため好ましい。
また、本発明の製造方法により製造された微細凹凸構造を有する物品は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含み、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて硬化させたことを特徴とするものである。アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることによって、樹脂組成物の硬化性が良好となり、微細凹凸構造を有する物品のレプリカモールドからの離形性が向上する。また、微細凹凸構造を有する物品の機械特性、特に耐擦傷性が良好となるため好ましい。また、微細凹凸構造を有する物品中に残存する重合開始剤による弾性率、および耐擦傷性の低下や着色を抑制することができるため好ましい。
図4は、本発明に係る、微細凹凸構造を有する物品の実施形態の一例を示す模式的断面図である。図4(a)に示す微細凹凸構造を有する物品60は、基材52上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層54が積層されたものである。
微細凹凸構造は、円錐状の凸部56と凹部58とが等間隔w1で形成される。
凸部の形状は、垂直面における断面積が、頂点側から基材側に、連続的に増大する形状であることが、屈折率を連続的に増大させることができ、波長による反射率の変動(波長依存性)を抑制し、可視光の散乱を抑制して低反射率にできることから好ましい。
また、凸部の間隔w1(又は凹部の間隔)は、可視光の波長(380〜780nm)以下の距離であることが好ましい。凸部の間隔w1が380nm以下であれば、可視光の散乱を抑制でき、反射防止膜として光学用途に好適に使用することができるため好ましい。
また、凸部の高さ又は凹部の深さ、即ち、凹部の底点58aと凸部の頂部56aとの垂直距離d1は、波長により反射率が変動するのを抑制できる深さとすることが好ましい。具体的には、60nm以上が好ましく、90nm以上がより好ましく、150nm以上が特に好ましく、180nm以上が最も好ましい。垂直距離d1が150nm近傍では、人が一番認識し易い550nmの波長域光の反射率を最も低くすることができる。
凸部の高さが150nm以上になると、凸部の高さが高いほど、可視光域における最高反射率と最低反射率の差が小さくなる。このため、凸部の高さが150nm以上になれば、反射光の波長依存性が小さくなり、目視での色味の相違は認識されなくなる。
ここで凸部の間隔及び高さは、電界放出形走査電子顕微鏡(JSM−7400F:日本電子社製)により加速電圧3.00kVの画像における測定により得られる測定値の算術
平均値を採用した。
凸部は、図4(b)に示すような、凸部の頂部56bが曲面である釣鐘状であってもよく、その他、垂直面における断面積が、頂点側から基材側に連続的に増大する形状を採用することができる。微細凹凸構造は、図4に示す実施形態に限定されず、基材の片面又は全面、もしくは、全体又は一部に形成することができる。
また、基材52と硬化層54の間に、耐擦傷性や接着性などの諸物性を向上させるための中間層を設けてもよい。
硬化層54を形成する活性エネルギー線樹脂組成物としては、上述した第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化性成分と同じである。
本発明の微細凹凸構造を有する物品において、硬化層54は、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、あるいはアシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて硬化させた、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物である。
本発明の製造方法により製造された微細凹凸構造を有する物品は、反射防止膜、反射防止加工を施した板として使用することが出来る。例えば、コンピュータ、テレビ、携帯電話等の液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置のような画像表示装置、レンズ、ショーウィンドー、眼鏡レンズ等の対象物の表面に使用することができる。
また、本発明の微細凹凸構造を有する物品は撥水性物品として使用することもできる。例えば、窓材、屋根瓦、屋外照明、カーブミラー、車両用窓、車両用ミラーの表面に使用することができる。
また、本発明の微細凹凸構造を有する物品は、上述した用途以外にも、例えば、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子などの光学用途や、細胞培養シートの用途にも適用できる。また、得られた微細凹凸構造体をプレス加工などによって、曲面形状にすることも可能である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の記載において、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。また、各種測定及び評価方法は以下の通りである。
<1>レプリカモールドの撥水性の評価(接触角の測定):
レプリカモールドに1μLのイオン交換水を滴下し、自動接触角測定器(KRUSS社製)を用いて、θ/2法にて接触角を算出した。
<2>レプリカモールドからの剥離力の評価:
まず、厚み1mmのアクリル板にレプリカモールドを粘着剤で固定して、レプリカモールドの表面上に第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を流し込み、その上に厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、商品名WE97A)を押し広げながら被覆した。次に、フィルム側からフュージョンランプを用いてベルトスピード6.0m/分で、フィルム越しの積算光量が波長365nmにおいて820mJ/cm、波長405nmにおいて940mJ/cmとなるよう紫外線を照射して、第2の樹脂組成物を硬化させた。その後、得られた積層体を幅25mmになるよう裁断し、ポリエチレンテレフタラートフィルムの一端を把持して、90°剥離試験を300mm/分の速度で実施した。剥離力がおおよそ安定したところで、値を測定した。
剥離力の評価を同一の組成物について3度行い、レプリカモールドからの離形性を、下記の基準にて評価した。
◎:剥離力がおおよそ安定後、安定的に剥離力が低く、剥離中に剥離力が0.2N以上変化しない。
○: 剥離力がおおよそ安定後、剥離力が低いが、剥離中に剥離力が0.2N以上変化する場合がある。
△:剥離はできるものの、剥離中に剥離力が0.2N以上変化し剥離力が安定しない。
×: 剥離できない。
[マザーモールドの作製]
図5に示す工程に従い、モールド(深さ180nm)を以下の様に作製した。
まず、純度99.99%のアルミニウム板70を、羽布研磨及び過塩素酸/エタノール混合溶液(1/4体積比)中で電解研磨し鏡面化した。
(a)工程
アルミニウム板70を、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で30分間陽極酸化を行い、酸化皮膜72に亀裂71を生じさせた。
(b)工程
アルミニウム板70を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜72を除去し、亀裂71に対応する周期的な窪み73を露出させた。
(c)工程
このアルミニウム板70について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒陽極酸化を行い、酸化皮膜74を形成した。酸化皮膜74はアルミニウム表面に沿って形成し、細孔75を有していた。
(d)工程
酸化皮膜74が形成されたアルミニウム板70を、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔75の径拡大処理を行った。
(e)工程
前記(c)工程及び(d)工程を合計で5回繰り返し、周期100nm、深さ180nmの略円錐形状の細孔75を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナを脱イオン水で洗浄し、表面の水分をエアーブローで除去し、表面防汚コーティング剤(ダイキン社製、商品名オプツールDSX)を固形分0.1質量%になるように希釈剤(ハーベス社製、商品名HD−ZV)で希釈した溶液に10分間浸漬し、20時間風乾してマザーモールド21を得た。
(実施例1)
以下の方法によって、微細凹凸構造を有する物品を製造した。
(第1の活性エネルギー性硬化性樹脂組成物の調製)
多官能モノマー(X)として、「ATM−4E」:エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製、商品名NKエステルATM−4E)85部、撥水性成分(Y)として、セチルアクリレート(日油社製、商品名ブレンマーCA)8部、モノマー(Z)として、メチルアクリレート7部、活性エネルギー線重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名DAROCURE TPO)0.5部、内部離型剤(アクセル社製、商品名モールドウィズINT AM−121)0.1部を混合し、硬化液1を調製した。
(レプリカモールド1の製造)
硬化液1を50℃に調温し、その後、50℃に調温したマザーモールドの細孔が形成された表面上に流し込み、その上に厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製、商品名WE97A)を押し広げながら被覆した。
その後、フィルム側からフュージョンランプを用いてベルトスピード6.0m/分で、フィルム越しの積算光量が波長365nmにおいて820mJ/cm、波長405nmにおいて940mJ/cmとなるよう紫外線を照射して、硬化液1を硬化させた。
次いで、フィルムとマザーモールドを剥離して、レプリカモールド1を得た。
また、レプリカモールド1の水接触角は147.2°であった。
(第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製)
多官能ウレタンアクリレート(第一工業製薬社製、商品名ニューフロンティアR−1901)50部、C6DA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)50部、活性エネルギー線重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、商品名IRGACURE 184)1.0部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名DAROCURE TPO)0.1部、紫外線吸収剤(ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル)(BASFジャパン社製、商品名TV384−2)1.0部を混合し、硬化液6を調製した。
(微細凹凸構造を有する物品の製造)
硬化液6をレプリカモールドの表面上に流し込み、その上に、厚さ200μmのポリカーボネートフィルム(三菱エンジニアプラスチックス製、商品名ユーピロンFE2000)を押し広げながら被覆した。その後、フィルム側からフュージョンランプを用いてベルトスピード6.0m/分で、フィルム越しの積算光量が波長365nmにおいて880mJ/cm、波長405nmにおいて910mJ/cmとなるよう紫外線を照射して、硬化液6を硬化させた。
次いで、フィルムとレプリカモールドを剥離して、微細凹凸構造を有する物品を得た。この時のレプリカモールドからの剥離力は、0.42N/25mmであった。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
実施例2〜7、および比較例1〜5は、まず、表1に示す組成で硬化液2〜5を調製し、実施例1と同様の操作にてレプリカモールド2〜5を製造した。
その後、表2に示す組成で硬化液7〜11を調製し、レプリカモールド1〜5を用いて、実施例1と同様の操作にて微細凹凸構造を有する物品を製造し、得られた物品のレプリカモールドからの剥離力を測定した。
表1に、レプリカモールド1〜5の製造に用いた硬化液1〜5の組成、およびレプリカモールドの撥水性評価の結果を示した。
表2に微細凹凸構造を有する物品の製造に用いた硬化液6〜11の組成および微細凹凸構造を有する物品のレプリカモールドからの剥離試験結果を示した。
表1中の略号は下記の通りである。
・「LA」:ラウリルアクリレート(日油社製、商品名ブレンマーLA)
・「CA」:セチルアクリレート(日油社製、商品名ブレンマーLA)
・「SA」:ステアリルアクリレート(日油社製、商品名ブレンマーLA)
・「X−22−1602」:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンジアクリレート(信越シリコーン社製、商品名X−22−1602)
・「ATM−4E」:エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、商品名NKエステルATM−4E)
・「PET−3」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、商品名ニューフロンティアPET−3)
・「TAS」:トリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸のモル比2/1/4での反応混合物
・「C6DA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
・「INT AM121」:内部離型剤(アクセル社製、商品名モールドウィズINT AM−121)
・「IRG 184」:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、商品名IRGACURE 184)
・「IRG 819」:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)―フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名IRGACURE 819)
・「DAR TPO」:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、商品名DAROCURE TPO)
また、表2中の略号は下記の通りである。
・TV384−2:ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(BASFジャパン社製、商品名TINUVIN 384−2)
・TV400:2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5―トリアジン―2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、とオキシラン[(C10−C16主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(BASFジャパン社製、商品名TINUVIN 400)
・TV292:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、とメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASFジャパン社製、商品名TINUVIN 292)
Figure 2014076556
Figure 2014076556
実施例1〜5は、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、特定量の紫外線吸収剤またはラジカル捕捉剤を含有させることで、離形性に優れた微細凹凸構造を有する物品を製造することができた。実施例1〜5で得られた物品のレプリカモールドからの剥離力は、比較例1〜3の物品と比較して、顕著に低い値であった。この結果から、第2の樹脂組成物中に紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤から選択される添加剤を特定量含有させることで、最終製品のレプリカモールドからの離形性が大幅に向上することが判った。また、第2の樹脂組成物に含有させる成分として、紫外線吸収剤を用いることが、離形性の向上により効果的であることが分かった。
一方、比較例4、5で得られた微細凹凸構造を有する物品は、レプリカモールドから剥離することが難しく、正確な剥離力を測定することができなかった。しかしながら、実施例6、7に示すように、比較例4,5で用いた第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、紫外線吸収剤を添加することによって、レプリカモールドから物品を離型することができた。
本発明によれば、後加工を必要とせず、低コストで微細凹凸構造を有する物品を製造する方法、および微細凹凸構造を有する物品を提供することができる。
10レプリカモールド
12基材
13第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
14硬化層
16凸部
20活性エネルギー線照射装置
21マザーモールド
22タンク
23空気圧シリンダ
24ニップロール
25剥離ロール
30微細凹凸構造を有する物品
32基材
33第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
34硬化層
36ロール状レプリカモールド
40活性エネルギー線照射装置
41ロール
42タンク
43空気圧シリンダ
44ニップロール
45剥離ロール
52基材
54硬化層
56凸部
56a凸部の頂部
56b凸部の頂部
58凹部
58a凹部の底部
60微細凹凸構造を有する物品
70アルミニウム板
71亀裂
72酸化被膜
73窪み
74酸化被膜
75細孔

Claims (4)

  1. 下記工程(I)〜(VI)を含むことを特徴とする、微細凹凸構造を有する物品の製造方法。
    工程(I):表面に微細凹凸構造を有するマザーモールドの前記表面と基材(A)との間に、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
    工程(II):前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、前記基材(A)を通して活性エネルギー線を照射し、前記基材(A)上に、前記微細凹凸構造の反転構造を表面に有する、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を形成する工程。
    工程(III):前記基材(A)および前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(a)を、前記マザーモールドから剥離してレプリカモールドを得る工程。
    工程(IV):前記レプリカモールドの表面と基材(B)との間に、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を、硬化性成分100質量部に対して0.5〜10質量部含有する、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を配置する工程。
    工程(V):前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射し、前記基材(B)上に、前記微細凹凸構造を表面に有する、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を形成する工程。
    工程(VI):前記基材(B)および前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層(b)を、前記レプリカモールドから剥離して微細凹凸構造を有する物品を得る工程。
  2. 前記レプリカモールドに、フッ素処理またはシランカップリング処理を施さないことを特徴とする、請求項1に記載の微細凹凸構造を有する物品の製造方法。
  3. 紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含むことを特徴とする 、請求項1に記載の方法により製造された、微細凹凸構造を有する物品。
  4. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化層を含む、微細凹凸構造を有する物品であって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いて硬化させたことを特徴とする、請求項1に記載の方法により製造された、微細凹凸構造を有する物品。
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