JP6545968B2 - レジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリー - Google Patents

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本発明は、感光性樹脂組成物、特に、光照射による立体造形に好適に用いることができるレジンアクセサリー用感光性樹脂組成物に関する。
従来、感光性樹脂組成物は、装飾効果をもつ塗膜や宝飾品などの様々な用途に用いられてきた。例えば、装飾効果をもつ塗膜の形成に、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物から選択されるカチオン重合性化合物と、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩から選択された光重合開始剤、及び漆、カシューオイル、及び乾性油から選択された自動酸化塗膜成分を含有する光硬化性塗料を用いることにより、塗膜に凹凸を発生させて装飾効果を発揮させることが知られている(特許文献1)。
また、装飾層を設けた基体表面に塗装するために、単官能の環式(メタ)アクリレートモノマーと、2官能の(メタ)アクリレートモノマーと、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー及び/又は3官能以上の(メタ)アクリレートオリゴマーと、光重合開始剤とを含有する装飾層用トップコート塗料組成物を用いることが知られている(特許文献2)。
また、宝飾品を、合成樹脂粉末(ポリマー)と樹脂液(モノマー)との混合物を含む感光性樹脂組成物を光重合硬化させることにより形成することが知られている(特許文献3)。
最近では、ホビー用UVレジンとして、UV硬化型の感光性樹脂組成物が盛んに上市されている。
特開2005−170980号公報 特開2007−204709号公報 登録実用新案第3098869号
しかし、各メーカーから従来市販されているホビー用UVレジンは、単純な形状のアクセサリーの作製には使用可能であるが、少々複雑な形状、例えば白鳥の首などの細い部分をもつアクセサリーの作製に使用すると、少しの負荷をかけただけで折れやすいという性質を有していた。また、従来市販されているホビー用レジンは、ペンダントのチェーン等を取り付けるためのヒートン金具(留め具)をねじ込んでも、ネジ固定部分の樹脂割れや、樹脂のクリープ変形により緩みが生じること等により外れやすいという問題があった。
従って、本発明の目的は、細い形状部分があっても破損し難く、かつネジなどの固定金具を強固に保持可能なレジンアクセサリーを作製することができる感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリーを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、(A)下記式(I)
Figure 0006545968
(式(I)中、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、L及びLは、独立して置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)
で表される単量体単位と
下記式(II)及び/又は(III)
Figure 0006545968
(式(II)、(III)中、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、Mは、独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
で表される単量体単位とを含有する共重合樹脂と、
(B)メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物と、
(C)ラジカル重合開始剤と、
(D)エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物と、
(E)カチオン重合開始剤と
を含むレジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物を提供する。
本発明は、別の側面で、上記感光性樹脂組成物の硬化物を少なくとも含むレジンアクセサリーを提供する。
本発明は、細い形状部分があっても破損し難く、かつネジなどの固定金具を強固に保持可能なレジンアクセサリーを作製することができる感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリーを提供することができる。
本発明に係るレジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物は、(A)共重合樹脂と、(B)(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)カチオン重合性化合物と、(E)カチオン重合開始剤とを少なくとも含有する。
(A)共重合樹脂
共重合樹脂は、下記式(I)
Figure 0006545968
で表される単量体単位を含有する。
式(I)において、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖、分岐、又は環状のいずれであってもよい。アルキル基が置換しうる置換基としては、例えば、塩素、フッ素、メチル、エチル等が挙げられる。
及びLは、独立して置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アルキレン基は、直鎖、分岐、又は環状のいずれであってもよく、炭素数は好ましくは1〜10である。アルキレン基が置換しうる置換基としては、例えば、塩素、フッ素、メチル、エチル等が挙げられる。アリーレン基は、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニル基等である。アリーレン基が置換しうる置換基としては、例えば、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ等が挙げられる。
式(I)の構造を有する重合性化合物は、例えば、アルコール性水酸基を有する重合性化合物と不飽和二重結合を有するイソシアネート化合物との付加反応から得ることができる。
式(I)の構造を有する重合性化合物の含有量は、共重合樹脂中に好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%である。5質量%以上、特に10質量%以上の場合では、強靭で柔軟性の高い光硬化物を得ることができる。80%超、特に70質量%超では、光硬化物が強靭でなくなる場合がある。
共重合樹脂は、下記式(II)及び/又は(III)
Figure 0006545968
で表される単量体単位をさらに含有する。式(II)及び/又は式(III)で表される単量体単位をさらに含有することにより、樹脂全体のガラス転移点(Tg)が大幅に上昇し、靭性のある硬化物ができるという効果がある。
式(II)及び(III)において、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基の場合、その炭素数は、好ましくは、1〜3である。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。アルキル基が有しうる置換基としては、ハロゲン原子、特に塩素もしくは臭素原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、及び硫酸基が挙げられる。
Mは、独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。アルキレン基が有しうる置換基としては、例えば、塩素、フッ素、メチル、エチル等が挙げられる。
式(II)及び/又は(III)の構造を有する重合性化合物は、例えば、特定脂環構造をもつアルコール化合物と不飽和二重結合を有するアクリル酸エステルとの反応から得ることができる。式(II)及び(III)の構造を有する重合性化合物は、例えば日立化成工業社より市販されている。
式(II)及び/又は(III)の構造を有する重合性化合物の合計の含有量は、共重合樹脂中に好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。5質量%以上、特に10質量%以上の場合では、共重合樹脂のガラス転移点(Tg)が大幅に上昇し、透明性及び靱性の高い硬化物を作製することができる。40質量%以下、特に30質量%以下では、感光性組成物の硬化を遅くすることがなくなるため好ましい。
これらの成分に必要に応じて加えられる重合可能な不飽和結合基を有する他のモノマーとして、例えば下記(1)〜(10)に挙げるモノマーが望ましい。
(1)フェノール性水酸基を有するモノマー。例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(3)活性イミド基を有するモノマー。例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(5)α,β−不飽和カルボン酸。例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリ
ルアミドである。
(7)アルキルアクリレート類又はアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(8)アクリルアミド類又はメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−へキシルアクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタク
リルアミド、N−へキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ−ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらは、1種の化合物単独で用いてもよいし、(1)〜(10)の同じグループの化合物を2種類以上組み合わせて、又は異なるグループの化合物を2種類以上組み合わせて用いてもよい。共重合樹脂において必要に応じて加えられる他のモノマーの含有量は、共重合樹脂中に好ましくは1〜55質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
これらのモノマーのうち、共重合樹脂の側鎖にカルボキシル基やフェノール性水酸基などの酸性基を与えるモノマー、例えば(メタ)アクリル酸等のモノマーは、共重合樹脂のアルカリに対する溶解性を高める場合がある。共重合樹脂は、(メタ)アクリル酸等の、酸性基を与えるモノマーに由来する単量体単位を含有しないことにより、アルカリ性溶液の付着による劣化を起こしにくくなる。
式(I)で表される単量体単位と式(II)及び/又は(III)で表される単量体単位とを含有する共重合樹脂の具体例は、例えば、以下の式で表される共重合樹脂1〜12であり、好ましくは、共重合樹脂1、共重合樹脂4、及び共重合樹脂11である。
Figure 0006545968
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共重合樹脂の製造方法については、特に制限はなく、通常のビニル系又はアクリル系共重合樹脂の製造方法と同様にして製造することができる。例えば、各モノマー成分を適当な溶媒に溶解し、従来慣用されているラジカル重合開始剤を添加し、必要に応じ加熱して重合を行うことにより所望の共重合体を得ることができる。このようにして得られた共重合樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン検算重量平均分子量が好ましくは1万〜20万、より好ましくは2万〜10万の範囲にあるものが用いられる。この重量平均分子量が1万未満では硬化物の強靭性が不足してくる場合がある。20万を超えると他の共重合樹脂との相溶性が悪くなる場合があり好ましくない。
共重合樹脂の重合のために用いられる溶媒としては、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。また、前記共重合樹脂の重合のために用いられるラジカル重合開始剤としては、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。このラジカル重合開始剤の添加量は、好ましくは、モノマーの全量に対して0.1〜1.0質量%である。
共重合樹脂の重合のために用いられた溶媒は、共重合樹脂を感光性樹脂組成物の調製に使用する前に除去する。溶媒を除去する方法としては、例えば、真空蒸留による脱溶媒装置、樹脂水中分散による溶剤分離装置、およびスプレードライヤーがある。
共重合樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。5質量%以上では、特に強靭性が向上する。一方、10質量%未満では、強靭性が悪くなる場合がある。
(B)メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物
メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物は、具体的には、エチレン性不飽和結合を有する化合物であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマー、及び1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを挙げることができる。以下において、メタクリル基又はアクリル基を、「(メタ)アクリロイル基」と略称する。
単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種を組み合わせて用いることもできる。
(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物には、2官能以上の多官能モノマーが、(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物の全量中に60質量%以上の割合で含有されていることが好ましい。この2官能以上の多官能モノマーの含有割合は、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。含有割合が60質量%以上であると、得られる感光性樹脂組成物の硬化性がより向上するとともに、作製されるレジンアクセサリー等の経時的変形が生じにくい傾向になる。
単官能モノマーの具体例としては、例えばアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2官能モノマーの具体例としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン2官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
3官能以上の多官能モノマーの具体例としては、例えば、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリエーテル系ウレタン3官能(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物は、公知の方法で合成できるほか、市販のものを用いることができる。例えば、東亜合成株式会社製アロニックスシリーズ、日油株式会社製ブレンマーシリーズ、共栄社化学株式会社製ライトエステルシリーズ、ライトアクリレートシリーズ、エポキシエステルシリーズ、ウレタンアクリレートシリーズ、新中村化学株式会社製NKエステルシリーズ、NKオリゴシリーズ、日本化薬株式会社製KAYARADシリーズ、大阪有機化学株式会社製ビスコートシリーズ等がある。
(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して好ましくは60〜80質量%、さらに好ましくは70〜80質量%である。(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物の含有量が60質量%以上であると、感度がより高くなる。80%以下である場合は、硬化物の強靭性がより向上するため好ましい。
(C)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤は、光照射を受けることにより分解し、発生するラジカルによって(A)共重合樹脂及び(B)(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物のラジカル反応を開始させる化合物である。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、2,2―ジメトキシー1,2―ジフェニルエタンー1−オン、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン、2―ヒドロキシー2−メチルー1−フェニループロパンー1−オン、1−[4−(2―ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシー2−メチルー1−プロパンー1−オン、2−ヒドロキシー1−[4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチループロパンー1−オン、フェニルグリオキシリックアシドメチルエステル、2−メチルー1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホフォリノプロパンー1−オン、2−ベンジルージメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンー1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタン、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(n5−2,4−シクロペンタジェンー1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロー3−(1H−ピロールー1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオンー1−[4−(フェニルチオ)―2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチルー6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル]―,1―(O−アセチルオキシム)、カンファーキノン、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシー2−メチルー1−フェニルー1−プロパン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、エチルー4−(ジメチルアミノ)−ベンゾエート、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]―フェニルメタン、エチルヘキシルー4−ジメチルアミノベンゾエート、メチルーo―ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、カンファーキノン、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリフェニルボラート、テトラブチルアンモニウムブチルトリナフチルボレート、2−エチルー4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレイト、1,5−ディアザビシクロ[4.3.0]ノンエンー5−テトラフェニルボレイト等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤は、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤は、市販のものを用いることができる。例えば、BASF製IRGACUREシリーズ、DAROCURシリーズ、LUCIRINシリーズ、株式会社ソートのSB―PIシリーズ、株式会社ADEKA製アデカオプトマーシリーズ、昭和電工株式会社製有機ホウ素化合物シリーズ、北興化学工業株式会社製有機ホウ素化合物シリーズ等がある。
ラジカル重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲であることがさらに好ましい。0.01質量%未満の場合は、感光性液状組成物のラジカル重合反応速度が遅くなる場合がある。含有量が10質量%を超える場合は、感光性樹脂組成物の硬化特性を低下させる場合がある。
(D)カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物は、エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物である。カチオン重合性化合物は、好ましくは、1分子中に2個以上のカチオン重合性結合を有する多官能モノマーである。
エポキシ基を有するカチオン重合性化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキシルサンカルボキシレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール#200ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール#400ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール#400ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状型)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(液状型)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(液状型)、4−(2,3−エポキシプロパン−1−イルオキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロパン−1−イル)−2−メチルアニリン、4,4−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン]等が挙げられる。
ビニルエーテル基を有するカチオン重合性化合物の具体例としては、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、オキセタンジビニルエーテル、4−シクロヘキサンジビニルエーテル、オキサノルボナンジビニルエーテル等を挙げることができる。
オキセタン基を有するカチオン重合性化合物の具体例としては、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3[([3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシ]メチル]オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシルオキセタン、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチルメタクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン重合性化合物は、市販のものを用いることができる。例えば、日本カーバイド工業株式会社製クロスマー、株式会社ダイセル製セロキサイド、エポリード、ナガセケムテック株式会社製デナコールシリーズ、住友化学株式会社製スミエポキシ、共栄社化学株式会社製エポライト、新日鉄住金化学株式会社製YDシリーズ、YDFシリーズ、STシリーズ、YH−300シリーズ、三菱化学株式製基本液状タイプ、ビスF液状タイプ、多官能液状タイプ、可塑性液状タイプ、特殊機能液状タイプ等を挙げることができる。
カチオン重合性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して好ましくは20〜40質量%、さらに好ましくは30〜40質量%である。20質量%以上の場合は、感光性樹脂組成物硬化物の密着性が良くなり、40%以下では硬化物の耐紫外線が向上するため好ましい。硬化物の密着性が良いと、レジンアクセサリーの作製の際に、金属製、プラスチック製、セラミックス製等の台座や型から外れにくくなるという利点がある。
(E)カチオン重合開始剤
カチオン重合開始剤は、光照射を受けることにより分解し、発生するカチオンによって(D)カチオン重合性化合物のカチオン反応を開始させる化合物である。
カチオン重合開始剤の具体例としては、ビス[4−n−アルキル(C10〜13)フェニル]ヨードニウム=ヘキサフルオロフォスフェート、ビス[a−n−アルキル(C10〜13)フェニル]ヨードニウム=ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムビス(パーフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−n−アルキル(c10〜13)フェニル]ヨードニウム=テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルフォニウム=ヘキサフルオロフォスフェート、4,4−ビス(ジフェニルスルフォニル)フェニルスルフィド−bis−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4−ビス(ジフェニルスルフォニル)フェニルスルフィド−bis−ヘキサフルオロフォスフェート等を挙げることができる。
カチオン重合開始剤は、市販のものを用いることができる。例えば、三新化学工業株式製のサンエイドSIシリーズ、和光純薬工業株式会社製のWPIシリーズ、株式会社アデカ製のSPシリーズ、サンアプロ株式会社製のCPIシリーズ等を挙げることができる。
カチオン重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の総量に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲であることがさらに好ましい。0.01質量%未満の場合は、カチオン重合反応速度が遅くなる場合がある。含有量が10質量%を超える場合は、感光性樹脂組成物の硬化特性を低下させる場合がある。
(F)その他の成分
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)〜(E)の成分の他に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、さらに必要に応じて、染料、顔料、香料、重合禁止剤、界面活性剤、可塑剤、及び有機又は無機微粒子を添加することができる。本発明に係る感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有しなくてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、好ましくは、(A)共重合樹脂を5〜40質量%、(B)(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物を60〜80質量%、(C)ラジカル重合開始剤を0.01〜10質量%、(D)カチオン重合性化合物を20〜40質量%、(E)カチオン重合開始剤を0.01〜10質量%含有し、必要に応じて(F)その他の成分をさらに含有する。感光性樹脂組成物は、常温(25℃)で粘性の液状である。感光性樹脂組成物の粘度は、好ましくは200〜3000mPa・sである。粘度が200mPa・s以上であると、例えばレジンアクセサリーの作製の際に、感光性樹脂組成物の液面の高さが型の端の高さより盛り上がり、感光性樹脂組成物がそのまま厚く盛った形に硬化し、高級感を出すことができるという利点がある。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、紫外線ライトを照射すると、ラジカル重合性化合物の不飽和二重結合部位と共重合樹脂の不飽和二重結合部位との高速重合が起こり、非常に高密度な架橋構造が形成される。一方、カチオン重合性化合物は酸素の影響があっても硬化するため、空気と接する感光性樹脂組成物の表面がしっかり硬化し、加えて直接紫外線が当たらない影の部分についてもカチオン重合によってしっかり硬化する。よって、本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、表面のべとつきや、アクセサリーパーツ等の遮蔽物による光硬化阻害を生じさせず、強靭な硬化物、特にレジンアクセサリーを円滑に作製することができる。
このように、本発明に係る感光性組成物の硬化物は、靱性に優れているため、硬化物が細い形状部分を有していても破損し難い。よって、硬化物の強靱性を保持しつつ、形状の自由度を高めることができる。さらに、本発明に係る感光性樹脂組成物は、強靭性を備えており、ネジなどの固定金具の保持力が高い硬化物を作製することができる。また、本発明に係る感光性樹脂組成物の硬化物は、共重合樹脂全体のガラス転移点(Tg)が大幅に上昇しており、レジンアクセサリーの材料として良好な、高い透明性を有する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、レジンアクセサリーの作製のための材料として特に好適である。レジンアクセサリーは、感光性樹脂組成物を用いて作製された、感光性樹脂組成物の硬化物を少なくとも含む装飾品であり、例えば、ブローチ、ペンダント、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、リング、ヘア・アクセサリー等の直接身に着けるものに加え、ネクタイピン及びバッジ等の衣服等に付けて間接的に身に付ける小物類も含む。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、他の用途として、光硬化材料の用途として知られるものにも制限なく適用できる。例えば、3Dプリンターの光造形用材料、ホログラム用材料、マイクロカプセル用の光硬化材料、フォトレジスト等の電子材料、インクや塗料、及び接着剤等の光硬化材料にも応用できる。
[硬化]
感光性樹脂組成物の硬化は、立体形状又は層状等の所望の形状に保持した感光性樹脂組成物に光照射することにより行う。感光性樹脂組成物の硬化に用いられる光源としては、紫外光から可視光領域に発光波長を持つ光源が好ましく、半導体励起固体レーザー、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、白色LED等がある。発光波長としては、300〜500nmが好ましい。硬化反応では、酸素と接触する表面も十分に硬化するとともに、遮蔽物により照射光が直接当たらない部分もしっかりと硬化される。よって、表面がべとつかず、かつ遮蔽物により光硬化阻害が起こらないという効果があり、円滑な硬化物の作製が可能である。
硬化物は、レジンアクセサリーの構成材料として好適に用いられる。硬化物はまた、他の立体造形物、例えば、3Dプリンターによる光造形物、ホログラム記録層、マイクロカプセル、フォトレジスト層等として用いることもできる。硬化物は、透明で、強靱性に優れるという性質を有する。
[レジンアクセサリーの作製方法]
レジンアクセサリーの作製方法は、特に限定されないが、例えば、感光性樹脂組成物をレジンアクセサリーの樹脂部分用の型に流し込む流し込み工程と、これに光照射して硬化させる硬化工程とを少なくとも含む。流し込み工程は、複数回に分けて行ってもよい。また、流し込み工程と硬化工程との組み合わせを2回以上繰り返して、積層により作製してもよい。型としては、レジンアクセサリー作製に通常用いられているものであれば特に限定されず、例えば、樹脂製、金属製、シリコン製、紙製等の、様々な形状の型を使用することができる。
上記作製方法は、アクセサリーパーツを感光性樹脂組成物の中又は表面上に配置する装飾工程をさらに含むことができる。アクセサリーパーツを配置する装飾工程は、流し込み工程の前又は後に行うことができ、流し込み工程を複数回に分けて行う場合は、複数回の流し込み工程の間に行うこともできる。アクセサリーパーツとしては、アクセサリー作製用に通常用いられているものを使用することができ、例えば、ビーズ、スパンコール、色彩や絵柄の付いた紙、様々なモチーフにデザインされた金属製又は樹脂製等の素材などが挙げられる。
流し込み工程の前に、あらかじめ感光性樹脂組成物を着色する着色工程及び/又は感光性樹脂組成物にラメ等の微粒子を分散させる分散工程をさらに行ってもよい。着色には、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂に適用可能な一般的な着色剤を使用することができる。
硬化工程の後には、硬化物の表面を全体的又は部分的に着色する工程をさらに行うことができる。硬化物表面の着色に用いる着色剤は、感光性樹脂組成物用の着色剤と同じものを使用することができる。流し込み工程と硬化工程との組み合わせを2回以上繰り返す場合は、各硬化工程の後に着色工程を実施してもよい。
さらに、硬化工程の後に、硬化物に、アクセサリー用の部品、例えば、ブローチ用のチェーン、イヤリング金具、ネクタイピン用クリップなどを取り付ける工程を行うことができる。アクセサリー用部品の固定には、ネジや接着剤などの一般的な手段を用いることができる。
以下に、本発明を合成例及び実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明に係る感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリーは、下記実施例によって制限されるものではない。
(共重合樹脂の合成)
攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた1リットルフラスコに反応溶剤としてメチルエチルケトン200g、反応モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン社製アクリルエステルHO)60g、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成社製ファンクリルFA−513M)40gを投入した後、窒素置換しながら、触媒である2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4gを加えて70℃で5時間反応させる。次に、重合禁止剤であるP−メトキシフェノール0.2gを加える。引き続きジラウリリル酸ジブチル錫0.2gを加えて60℃で混合攪拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)50gを滴下し、その後5時間反応させた。反応終了後に反応液をスプレードライヤ(ヤマト科学社製GB210−B)で処理して粉末樹脂とした。約142gの白色粉末樹脂を得た。この生成物についてGPC(ゲルパ−ミェーションクロマトグラフィー)により分子量を測定したところ、ポリエチレン換算で、重量平均分子量は約50000であった。
(比較共重合樹脂の合成)
攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた1リットルフラスコに反応溶剤としてメチルエチルケトン200g、反応モノマーとしてメタアクリル酸(三菱レイヨン社製MAAモノマー)43g、メタクリル酸メチル(三菱レイヨン社製アクリルエステルM)30g、メタクリル酸ブチル(三菱ガス化学社製)27gを投入した後、窒素置換しながら、触媒である2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4gを加えて70℃で5時間反応させる。次に、重合禁止剤であるP−メトキシフェノール0.2gを加える。引き続きトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.2gを加えて70℃混合攪拌しながらグリシジルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルG)71gを滴下し、その後5時間反応させた。反応終了後に反応液をスプレードライヤ(ヤマト科学社製GB210−B)で処理して粉末樹脂とした。約163gの白色粉末樹脂を得た。この生成物についてGPC(ゲルパ−ミェーションクロマトグラフィー)により分子量を測定したところ、ポリエチレン換算で、重量平均分子量は約40000であった。
[実施例1〜5及び比較例1〜4]
下記表1に示す組成に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、60℃で2時間攪拌することにより、感光性樹脂組成物を調製した。表1の組成は質量部で示す。
Figure 0006545968
ライトエステルIBX : イソボニルメタクリレート(共栄社化学社製)
ファンクリルFA−512A : シクロペンテニルオキシエチルアクリレート(日立化成社製)
アロニックスM−402 : ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(東亜合成社製)
NK−エステルA−9550 : ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業社製)
アロニックスM−1200 : 2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(東亜合成社製)
アートレジンUN−9000PEP : 2官能ポリエステル系ウレタンアクリレート(根上工業社製)
Irgacure 819 : ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
Irgacure 651 : 2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製)
エポライト4000 : 水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(共栄社化学社製)
CHDVE : シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(日本カーバイト工業社製)
CPI−101A : ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモネート(サンアプロ社製)
WPI−170 : ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロフォスフェート
[評価方法]
1.粘度の測定
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物の粘度を、東機産業株式会社製B型粘度計を用いて25℃で測定した。
2.光硬化物の黄変性
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を市販のアクセサリー型長方形大#3412(約3cm×約4cm、深さ10mm)に流し込み、市販のジェルネイル用UVライト9ワット(波長360nm)で5分間照射し、厚さ10mmの平面板を作製した。
(評価)
評価サンプルについて、コニカミノルタ製Color Reader CR−10でL表色系を測定した。
3.光硬化物の表面べとつき性
(評価サンプルの作製)
「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にして平面板を作製した。
(評価)
UV照射後の評価サンプルの表面を指で触れ、べたつきが無く、しっかり硬化しているか官能的に観察した。表面にべたつきがなく、完全に硬化している場合は合格(「○」)、僅かにべたつきがあるが使用上影響がない程度である場合は準合格(「△」)、べたついており、表面の硬化が不十分である場合は不合格(「×」)とした。
4.細い形状の光硬化物の靭性
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を手製のポリエチレン型(約3mm×約60mm、深さ約3mm)に流し込み、「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にUVライトを照射し、断面正方形で長さ約60mmのレジン棒を作製した。
(評価)
レジン棒の両端から20mmのところをそれぞれ、左右の小型バイスを用いて固定し、間の20mmを評価に使用した。このレジン棒の20mmの中間に、重量測定器(フィッシングスケール「目方自慢」MD−1002、中国製、販売元:株式会社サカイトレーディング)の治具を掛けてから上方向に引っ張ることにより荷重を加えた。中間への荷重を増加させていき、レジン棒が折れたときの荷重(折れ荷重)を測定した。
5.ヒートン金具保持性
(評価サンプルの作製)
「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にして平面板を作製した。
(評価)
平面板の厚さ10mmのほぼ中間に、直径2mmのヒートン金具(パジコ、 デコラージュヒートン、長さ20mm)をねじ込み、このヒートン金具を引っ張って引き抜く際に必要な力を、重量測定器(フィッシングスケール「目方自慢」MD−1002)を用いて測定した。
6.硬化収縮性
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を、厚さ0.2mmのPETフィルムに約直径2cmの大きさに滴下して、評価サンプルを準備した。
(評価)
評価サンプルに市販のジェルネイル用UVライト9ワット(波長360nm)で5分照射後、硬化物周りのPETフィルムの変化を目視で観察する。硬化物周りのPETフィルムの変形が少なければ合格(「○」)、僅かにカールしているが、使用上影響がないレベルである場合は準合格(「△」)、カールしている場合は不合格(「×」)とした。
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物の評価結果を表2に示す。
Figure 0006545968
表2に示されるように、実施例1〜5による硬化物は、折れ荷重が高い値であり、細い形状でも折れ難い、靱性に優れた性質であることが示された。さらに、実施例1〜5による硬化物は、金具保持性が高く、ネジ金具を強固に維持できる性質も併せ持つことが示された。また、実施例1〜5の感光性樹脂組成物は、200mPa・s以上という比較的高い粘度を示す液状組成物であることが確認された。また、実施例1〜3による硬化物は、b値が小さく、黄色みが小さいことが示された。実施例1〜5による硬化物は、UV照射後に表面のべとつきがなく、しっかり硬化させることができることが示された。実施例1〜5による硬化物はまた、硬化時の収縮が小さく、硬化物の寸法安定性が高いという効果を有することが確かめられた。一方、比較例1の感光性樹脂組成物の硬化物は、靱性が低く、硬化収縮率が比較的高いという性質を示していた。また、比較例2〜4の感光性樹脂組成物は、硬化物の靱性及び収縮性に加えて、表面べとつき性も劣っており、粘度も低いことが示された。比較例1〜4による硬化物は、実施例1〜5による硬化物と比較して金具保持性も低い値であった。

Claims (3)

  1. (A)下記式(I)
    Figure 0006545968
    (式(I)中、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、L及びLは、独立して置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)
    で表される単量体単位と、
    下記式(II)及び/又は(III)
    Figure 0006545968
    (式(II)、(III)中、R及びRは、独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、Mは、独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
    で表される単量体単位とを含有する共重合樹脂であり、
    前記共重合樹脂中、前記式(I)で表される単量体単位の含有量が5〜80質量%であり、前記式(II)及び/又は(III)で表される単量体単位の合計の含有量が5〜40質量%である共重合樹脂と、
    (B)メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物と、
    (C)ラジカル重合開始剤と、
    (D)エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物と、
    (E)カチオン重合開始剤と
    を含むレジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物。
  2. 前記共重合樹脂の含有量が、5〜40質量%である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を少なくとも含むレジンアクセサリー。
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