JP6545968B2 - レジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリー - Google Patents
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Description
で表される単量体単位と
下記式(II)及び/又は(III)
で表される単量体単位とを含有する共重合樹脂と、
(B)メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物と、
(C)ラジカル重合開始剤と、
(D)エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物と、
(E)カチオン重合開始剤と
を含むレジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物を提供する。
本発明は、別の側面で、上記感光性樹脂組成物の硬化物を少なくとも含むレジンアクセサリーを提供する。
L1及びL2は、独立して置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アルキレン基は、直鎖、分岐、又は環状のいずれであってもよく、炭素数は好ましくは1〜10である。アルキレン基が置換しうる置換基としては、例えば、塩素、フッ素、メチル、エチル等が挙げられる。アリーレン基は、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニル基等である。アリーレン基が置換しうる置換基としては、例えば、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ等が挙げられる。
Mは、独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。アルキレン基が有しうる置換基としては、例えば、塩素、フッ素、メチル、エチル等が挙げられる。
(1)フェノール性水酸基を有するモノマー。例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(3)活性イミド基を有するモノマー。例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(5)α,β−不飽和カルボン酸。例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリ
ルアミドである。
(7)アルキルアクリレート類又はアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(8)アクリルアミド類又はメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−へキシルアクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタク
リルアミド、N−へキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ−ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらは、1種の化合物単独で用いてもよいし、(1)〜(10)の同じグループの化合物を2種類以上組み合わせて、又は異なるグループの化合物を2種類以上組み合わせて用いてもよい。共重合樹脂において必要に応じて加えられる他のモノマーの含有量は、共重合樹脂中に好ましくは1〜55質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
これらのモノマーのうち、共重合樹脂の側鎖にカルボキシル基やフェノール性水酸基などの酸性基を与えるモノマー、例えば(メタ)アクリル酸等のモノマーは、共重合樹脂のアルカリに対する溶解性を高める場合がある。共重合樹脂は、(メタ)アクリル酸等の、酸性基を与えるモノマーに由来する単量体単位を含有しないことにより、アルカリ性溶液の付着による劣化を起こしにくくなる。
メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物は、具体的には、エチレン性不飽和結合を有する化合物であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマー、及び1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを挙げることができる。以下において、メタクリル基又はアクリル基を、「(メタ)アクリロイル基」と略称する。
単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種を組み合わせて用いることもできる。
ラジカル重合開始剤は、光照射を受けることにより分解し、発生するラジカルによって(A)共重合樹脂及び(B)(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性化合物のラジカル反応を開始させる化合物である。
ラジカル重合開始剤は、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物である。カチオン重合性化合物は、好ましくは、1分子中に2個以上のカチオン重合性結合を有する多官能モノマーである。
カチオン重合開始剤は、光照射を受けることにより分解し、発生するカチオンによって(D)カチオン重合性化合物のカチオン反応を開始させる化合物である。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)〜(E)の成分の他に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、さらに必要に応じて、染料、顔料、香料、重合禁止剤、界面活性剤、可塑剤、及び有機又は無機微粒子を添加することができる。本発明に係る感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有しなくてもよい。
感光性樹脂組成物の硬化は、立体形状又は層状等の所望の形状に保持した感光性樹脂組成物に光照射することにより行う。感光性樹脂組成物の硬化に用いられる光源としては、紫外光から可視光領域に発光波長を持つ光源が好ましく、半導体励起固体レーザー、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、白色LED等がある。発光波長としては、300〜500nmが好ましい。硬化反応では、酸素と接触する表面も十分に硬化するとともに、遮蔽物により照射光が直接当たらない部分もしっかりと硬化される。よって、表面がべとつかず、かつ遮蔽物により光硬化阻害が起こらないという効果があり、円滑な硬化物の作製が可能である。
レジンアクセサリーの作製方法は、特に限定されないが、例えば、感光性樹脂組成物をレジンアクセサリーの樹脂部分用の型に流し込む流し込み工程と、これに光照射して硬化させる硬化工程とを少なくとも含む。流し込み工程は、複数回に分けて行ってもよい。また、流し込み工程と硬化工程との組み合わせを2回以上繰り返して、積層により作製してもよい。型としては、レジンアクセサリー作製に通常用いられているものであれば特に限定されず、例えば、樹脂製、金属製、シリコン製、紙製等の、様々な形状の型を使用することができる。
さらに、硬化工程の後に、硬化物に、アクセサリー用の部品、例えば、ブローチ用のチェーン、イヤリング金具、ネクタイピン用クリップなどを取り付ける工程を行うことができる。アクセサリー用部品の固定には、ネジや接着剤などの一般的な手段を用いることができる。
攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた1リットルフラスコに反応溶剤としてメチルエチルケトン200g、反応モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン社製アクリルエステルHO)60g、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成社製ファンクリルFA−513M)40gを投入した後、窒素置換しながら、触媒である2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4gを加えて70℃で5時間反応させる。次に、重合禁止剤であるP−メトキシフェノール0.2gを加える。引き続きジラウリリル酸ジブチル錫0.2gを加えて60℃で混合攪拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)50gを滴下し、その後5時間反応させた。反応終了後に反応液をスプレードライヤ(ヤマト科学社製GB210−B)で処理して粉末樹脂とした。約142gの白色粉末樹脂を得た。この生成物についてGPC(ゲルパ−ミェーションクロマトグラフィー)により分子量を測定したところ、ポリエチレン換算で、重量平均分子量は約50000であった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた1リットルフラスコに反応溶剤としてメチルエチルケトン200g、反応モノマーとしてメタアクリル酸(三菱レイヨン社製MAAモノマー)43g、メタクリル酸メチル(三菱レイヨン社製アクリルエステルM)30g、メタクリル酸ブチル(三菱ガス化学社製)27gを投入した後、窒素置換しながら、触媒である2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4gを加えて70℃で5時間反応させる。次に、重合禁止剤であるP−メトキシフェノール0.2gを加える。引き続きトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.2gを加えて70℃混合攪拌しながらグリシジルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルG)71gを滴下し、その後5時間反応させた。反応終了後に反応液をスプレードライヤ(ヤマト科学社製GB210−B)で処理して粉末樹脂とした。約163gの白色粉末樹脂を得た。この生成物についてGPC(ゲルパ−ミェーションクロマトグラフィー)により分子量を測定したところ、ポリエチレン換算で、重量平均分子量は約40000であった。
下記表1に示す組成に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、60℃で2時間攪拌することにより、感光性樹脂組成物を調製した。表1の組成は質量部で示す。
ファンクリルFA−512A : シクロペンテニルオキシエチルアクリレート(日立化成社製)
アロニックスM−402 : ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(東亜合成社製)
NK−エステルA−9550 : ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業社製)
アロニックスM−1200 : 2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(東亜合成社製)
アートレジンUN−9000PEP : 2官能ポリエステル系ウレタンアクリレート(根上工業社製)
Irgacure 819 : ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
Irgacure 651 : 2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製)
エポライト4000 : 水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(共栄社化学社製)
CHDVE : シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(日本カーバイト工業社製)
CPI−101A : ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモネート(サンアプロ社製)
WPI−170 : ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロフォスフェート
1.粘度の測定
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物の粘度を、東機産業株式会社製B型粘度計を用いて25℃で測定した。
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を市販のアクセサリー型長方形大#3412(約3cm×約4cm、深さ10mm)に流し込み、市販のジェルネイル用UVライト9ワット(波長360nm)で5分間照射し、厚さ10mmの平面板を作製した。
(評価)
評価サンプルについて、コニカミノルタ製Color Reader CR−10でL*a*b*表色系を測定した。
(評価サンプルの作製)
「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にして平面板を作製した。
(評価)
UV照射後の評価サンプルの表面を指で触れ、べたつきが無く、しっかり硬化しているか官能的に観察した。表面にべたつきがなく、完全に硬化している場合は合格(「○」)、僅かにべたつきがあるが使用上影響がない程度である場合は準合格(「△」)、べたついており、表面の硬化が不十分である場合は不合格(「×」)とした。
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を手製のポリエチレン型(約3mm×約60mm、深さ約3mm)に流し込み、「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にUVライトを照射し、断面正方形で長さ約60mmのレジン棒を作製した。
(評価)
レジン棒の両端から20mmのところをそれぞれ、左右の小型バイスを用いて固定し、間の20mmを評価に使用した。このレジン棒の20mmの中間に、重量測定器(フィッシングスケール「目方自慢」MD−1002、中国製、販売元:株式会社サカイトレーディング)の治具を掛けてから上方向に引っ張ることにより荷重を加えた。中間への荷重を増加させていき、レジン棒が折れたときの荷重(折れ荷重)を測定した。
(評価サンプルの作製)
「2.光硬化物の黄変性」の場合と同様にして平面板を作製した。
(評価)
平面板の厚さ10mmのほぼ中間に、直径2mmのヒートン金具(パジコ、 デコラージュヒートン、長さ20mm)をねじ込み、このヒートン金具を引っ張って引き抜く際に必要な力を、重量測定器(フィッシングスケール「目方自慢」MD−1002)を用いて測定した。
(評価サンプルの作製)
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を、厚さ0.2mmのPETフィルムに約直径2cmの大きさに滴下して、評価サンプルを準備した。
(評価)
評価サンプルに市販のジェルネイル用UVライト9ワット(波長360nm)で5分照射後、硬化物周りのPETフィルムの変化を目視で観察する。硬化物周りのPETフィルムの変形が少なければ合格(「○」)、僅かにカールしているが、使用上影響がないレベルである場合は準合格(「△」)、カールしている場合は不合格(「×」)とした。
Claims (3)
- (A)下記式(I)
で表される単量体単位と、
下記式(II)及び/又は(III)
で表される単量体単位とを含有する共重合樹脂であり、
前記共重合樹脂中、前記式(I)で表される単量体単位の含有量が5〜80質量%であり、前記式(II)及び/又は(III)で表される単量体単位の合計の含有量が5〜40質量%である共重合樹脂と、
(B)メタクリル基又はアクリル基を有するラジカル重合性化合物と、
(C)ラジカル重合開始剤と、
(D)エポキシ基、ビニルエーテル基、又はオキセタン基を有するカチオン重合性化合物と、
(E)カチオン重合開始剤と
を含むレジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物。 - 前記共重合樹脂の含有量が、5〜40質量%である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を少なくとも含むレジンアクセサリー。
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