JP2009114374A - 組成物および硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、カルバゾイル基含有化合物を含む組成物に関する。より詳細には、カルバゾイル基含有(メタ)アクリレートまたはその重合体を含む組成物に関する。
カルバゾイル基含有化合物は高屈折率性、顔料分散性、増感性、耐透水性、剛直性、光学異方性、光導電性、正孔移送性、フォトリフラクティブ性などの機能からコピー機の感光体ドラム用材料、液晶ディスプレイ用着色レジスト、レンズ、光学素子、ホログラム、有機EL用材料などの様々な用途への応用が盛んに検討されている。
カルバゾイル基含有化合物を上記のような用途で使用するためには、薄膜やレンズ形状に成形したり、フォトリソグラフィーによって精細パターンを形成させたりすることが必要であり、通常UV硬化法によって成形することが多い。カルバゾイル基含有の重合性単量体の代表例としては、N−ビニルカルバゾールがよく知られているが、N−ビニルカルバゾールは、安全性に問題があるので取り扱いにくいうえ、アクリレート等との共重合性が悪い。さらに、得られたポリマーは硬脆く、成形性が悪いうえ、溶剤や希釈剤、他のポリマーとの相溶性が悪いので、取り扱いが非常に困難であることが知られている。
一方、N−ビニルカルバゾールと同様にカルバゾイル基を含有する重合性単量体としてカルバゾイルアルキルアクリレートを用いた(共)重合体が、上記問題の解決法として提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。例えば、特許文献1にはN−ビニルカルバゾールの問題点とカルバゾイルエチルアクリレートの優位性が記載されている。また、特許文献2にはコンタクトレンズを構成する高屈折率成分として3−(N−カルバゾイル)プロピルアクリレートの使用が開示されている。さらに、特許文献3および4には、それぞれ、カルバゾイル基含有ポリマーとフッ素含有モノマーを含むホログラム形成材料およびプラスチック光導波路材料が開示されている。
これらの先行技術ではN−ビニルカルバゾール(共)重合体やカルバゾイルアルキル(メタ)アクリレート(共)重合体の溶解性や相溶性、成形性の問題に対する解決手段が提案され、溶液キャスト法や熱硬化法による成形について種々の検討が試みられている。しかし、特に(メタ)アクリレートを用いたUV硬化法では一般に空気中の酸素による重合阻害が問題となることが多く、上記文献による改善方法では十分な結果が得られない。特に、薄膜として使用する場合、空気接触下でのUV硬化性を向上させることが必要であるが、上記特許文献に記載の技術はいずれも、そのような特性を向上させるには不十分である。
特開昭54−3061号公報
特許第3124343号
特開平5−210344号公報
特開平6−16720号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、非常に高い感度および空気接触下において非常に優れた薄膜硬化性を有する組成物およびそのような組成物から得られる硬化物を提供することにある。
本発明の1つの実施形態による組成物は、式(I)で表されるカルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)と、1分子中に水酸基およびカルバゾイル基を有する化合物(B)とを含む:
式(I)において、Rは水素原子またはメチル基であり、OAは、直鎖状または分岐状のオキシエチレン、オキシプロピレンおよびオキシブチレンからなる群から選択される少なくとも1つであり、nは、1〜100の整数である。
本発明の別の実施形態による組成物は、式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体(A−II)と、1分子中に水酸基およびカルバゾイル基を有する化合物(B)とを含む:
式(II)において、Rは水素原子またはメチル基であり、OAは、直鎖状または分岐状のオキシエチレン、オキシプロピレンおよびオキシブチレンからなる群から選択される少なくとも1つであり、nは、1〜100の整数である。
好ましい実施形態においては、上記組成物は、上記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)または上記重合体(A−II)と相溶する反応性希釈剤(C)をさらに含む。
好ましい実施形態においては、上記組成物は、重合開始剤(D)をさらに含む。
本発明の別の局面によれば、硬化物が提供される。当該硬化物は、上記の組成物を硬化させて得られる。
本発明によれば、カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステルまたは当該アクリル酸エステル由来の重合体と1分子中に水酸基およびカルバゾイル基を有する化合物(以下、水酸基/カルバゾイル基含有化合物とも称する)とを組み合わせて用いることにより、非常に高い感度および空気接触下において非常に優れた薄膜硬化性を有する組成物を得ることができる。特に、水酸基/カルバゾイル基含有化合物を添加するだけで、空気接触下での薄膜硬化性が劇的に改善され得る。
本発明の1つの実施形態による組成物は、式(I)で表されるカルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)と、水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)とを含む:
本明細書において「組成物」とは、カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)、水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)、反応性希釈剤(C)および重合開始剤(D)等の反応性成分を意味し、これらの総量を100重量部とする。非反応性の溶剤や添加剤、無機充填剤等の非硬化性成分については、反応性成分との比で示す。
式(I)において、Rは水素原子またはメチル基である。OAは、直鎖状または分岐状のオキシアルキレンであり、好ましくは、直鎖状または分岐状のオキシエチレン、オキシプロピレンおよび/またはオキシブチレンである。式(I)中のオキシアルキレン鎖−(OA)n−は、同一のオキシアルキレンのみで構成されてもよく、2種以上のオキシアルキレンを含んで構成されてもよい。式(I)中のオキシアルキレン鎖が2種以上のオキシアルキレンを含む場合、その繰り返しの配列は、ランダムであってもよく、ブロックであってもよい。−(OA)n−は、好ましくはオキシエチレン鎖および/または分岐状のオキシプロピレン鎖であり、さらに好ましくはオキシエチレン鎖である。
式(I)において、nは、1〜100の整数であり、好ましくは1〜80の整数であり、より好ましくは1〜50の整数であり、さらに好ましくは1〜20の整数であり、特に好ましくは1〜10の整数であり、とりわけ好ましくは1〜5の整数であり、最も好ましくは1〜2の整数である。nが100を超える場合には、組成物中のカルバゾイル基含有量が相対的に低下するので、カルバゾイル基の効果が十分に得られない場合がある。
上記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量の下限は、組成物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上、特に好ましくは5重量部以上、最も好ましくは10重量部以上である。当該含有量の上限は、組成物100重量部に対して、好ましくは99重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下、特に好ましくは60重量部以下、最も好ましくは50重量部以下である。含有量が1重量部未満である場合には、組成物中のカルバゾイル基含有量が相対的に低下するので、カルバゾイル基の効果が十分に得られない場合がある。含有量が99重量部を超えると、架橋成分が相対的に減少するので、十分な耐熱性および耐溶剤性が得られない場合がある。
上記水酸基/カルバゾイル基含有化合物としては、1分子中に水酸基およびカルバゾイル基を有し、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な化合物が採用され得る。代表例としては、ヒドロキシアルキルカルバゾールおよびヒドロキシアルコキシアルキルカルバゾールが挙げられる。これらの具体例としては、ヒドロキシエチルカルバゾール、ヒドロキシプロピルカルバゾール、ヒドロキシブチルカルバゾール、ヒドロキシエトキシエチルカルバゾール、ヒドロキシプロポキシプロピルカルバゾール、ヒドロキシブトキシブチルカルバゾールが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記水酸基/カルバゾイル基含有化合物の含有量の下限は、組成物100重量部に対して、好ましくは0.0008重量部以上、さらに好ましくは0.005重量部以上、特に好ましくは0.01重量部以上、最も好ましくは0.05重量部以上である。当該含有量の上限は、組成物100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下、特に好ましくは10重量部以下、最も好ましくは8重量部以下である。含有量が0.0008重量部未満である場合には、空気接触下での硬化性が不十分となり、耐熱性や硬化物の硬度が低下する場合があり、また、硬化速度が十分に速くならない場合がある。含有量が30重量部を超えると、非重合成分が増えるので、十分な耐熱性および耐溶剤性が得られない場合がある。
上記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)と上記水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)との重量比(A−I)/(B)の上限は、好ましくは10万以下、より好ましくは2万以下、さらに好ましくは1万以下、特に好ましくは5000以下、最も好ましくは1000以下である。一方、重量比(A−I)/(B)の下限は、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは100以上である。重量比(A−I)/(B)が10万より大きい場合には、空気接触下での硬化性が不十分となり、耐熱性や硬化物の硬度が低下する可能性がある。重量比(A−I)/(B)が20より小さい場合には、非重合成分が増え、耐熱性や耐溶剤性が低下したり、ブリードアウトによる装置汚染や作業環境の汚染の可能性が生じる。
本発明の組成物において、カルバゾイル基含有化合物の総量は、組成物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上である。一方、カルバゾイル基含有化合物の総量は、組成物100重量部に対して、好ましくは90重量部以下、より好ましくは80重量部以下、さらに好ましくは70重量部以下である。カルバゾイル基含有化合物の総量が1重量部より少ない場合には、カルバゾイル基に起因する増感性、高屈折率性、光導電性等の物性が不十分となる場合がある。カルバゾイル基含有化合物の総量が90重量部を超える場合には、架橋成分が相対的に減少し、塗膜や成形体の強度や耐溶剤性が低下する場合がある。本明細書において「カルバゾイル基含有化合物」とは、組成物に含まれるすべての成分のうち、カルバゾイル基を含有するものをいう。したがって、カルバゾイル基含有化合物は、上記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)、後述の重合体(A−II)、上記水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)のみならず、カルバゾイル基を含む反応性希釈剤等も包含する。
好ましくは、上記組成物は、上記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)と相溶する反応性希釈剤(C)をさらに含む。反応性希釈剤を含む組成物は、硬化性組成物とも称される。このような反応性希釈剤としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル、α−ブロモメチルアクリル酸メチル、α−ブロモメチルアクリル酸エチル、α−ブロモメチルアクリル酸ブチル、α−アセトキシメチルアクリル酸メチル等の単官能(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカルバゾール等の単官能N−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、N−(p−ビニルベンジル)カルバゾール等の単官能ビニル化合物類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノメチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等の単官能α,β−不飽和化合物類;メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、シクロヘキシルメチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ジシクロペンテニルグリシジルエーテル、メトキシエチルグリシジルエーテル、エトキシエチルグリシジルエーテル、ブトキシエチルグリシジルエーテル、メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル、エトキシエトキシエチルグリシジルエーテル、メトキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル、テトラヒドロフルフリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル等の単官能エポキシ化合物類;3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン等の単官能脂環式エーテル化合物類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;多官能N−ビニル化合物類;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物類;ジ[1−メチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス{[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス{4−[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンジルエーテル、ビス{4−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンジルエーテル等の多官能脂環式エーテル化合物類;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;等が挙げられる。これらの中でも、単官能アクリレート類、単官能アクリルアミド類、多官能アクリレート類、多官能アクリルアミド類、単官能ビニル化合物類、単官能N−ビニル化合物類、多官能ビニル化合物類、多官能N−ビニル化合物類、フマル酸エステル類、マレイン酸エステル類、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が好適に用いられる。特に好ましくは、多官能アクリレート類である。このような反応性希釈剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記反応性希釈剤の含有量の下限は、組成物100重量部に対して、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは15重量部以上、特に好ましくは20重量部以上である。当該含有量の上限は、組成物100重量部に対して、好ましくは99重量部以下、さらに好ましくは95重量部以下、特に好ましくは85重量部以下である。含有量が10重量部未満である場合には、カルバゾイル基含有化合物が常温で析出する場合があり、操作性に問題が生じる場合がある。含有量が99重量部を超えると、得られる硬化物の特性に対する反応性希釈剤の影響が支配的となり、カルバゾイル基の効果が十分に反映されない場合がある。
1つの実施形態においては、上記組成物は、反応性希釈剤として硬化性樹脂をさらに含有してもよい。硬化性樹脂の具体例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミドポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有硬化性樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂類、芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等のエポキシ基含有硬化性樹脂;エポキシポリ(メタ)アクリレート、カルボン酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基−エポキシ基両含有硬化性樹脂;等が挙げられる。このような硬化性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。硬化性樹脂の含有量は、目的に応じて適切に設定され得る。
好ましくは、上記組成物は、重合開始剤(D)をさらに含む。重合開始剤としては、熱により重合開始効果を発揮する熱重合開始剤および光により重合開始効果を発揮する光重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用してもよい。好ましくは、光重合開始剤である。
上記熱重合開始剤としては、代表的には熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。熱ラジカル重合開始剤としては、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、ジラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル類等の有機過酸化物系開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。これらの中でも、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド等の金属石鹸及び/又はアミン化合物等の触媒作用により効率的にラジカルを発生させることができる化合物や2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)が好適である。
上記光重合開始剤としては、代表的には光ラジカル重合開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤としては、具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;等が挙げられる。
これらの中でも、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類が好適である。特に2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1オンが好適である。
上記組成物は、必要に応じて、任意の適切な添加剤(Z)を含有し得る。添加剤の具体例としては、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤、無機充填剤、非反応性樹脂(例えば、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等)、有機溶剤、着色顔料、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、染料、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤等が挙げられる。添加される添加剤の種類、数および添加量等は、目的や組成物の用途に応じて適切に選択され得る。例えば、これらの添加物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1つの実施形態においては、上記無機充填剤の添加量の下限は、組成物中の硬化性成分100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上、特に好ましくは20重量部以上である。1つの実施形態においては、添加量の上限は、組成物中の硬化性成分100重量部に対して、好ましくは1000重量部以下、さらに好ましくは700重量部以下、特に好ましくは500重量部以下である。
1つの実施形態においては、上記非反応性樹脂、有機溶剤、着色顔料、可塑剤、揺変化剤の添加量の下限は、組成物中の硬化性成分100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上である。1つの実施形態においては、添加量の上限は、組成物中の硬化性成分100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下、特に好ましくは25重量部以下である。
本発明の別の実施形態による樹脂組成物は、式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体(A−II)と、水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)とを含む:
式(II)におけるR、OAおよびnは、式(I)にて説明したのと同義である。重合体(A−II)の重合度の下限は、好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは50以上である。重合体(A−II)の重合度の上限は、好ましくは1000000以下、さらに好ましくは500000以下、特に好ましくは100000以下である。重合度が10未満である場合には、樹脂組成物から得られる硬化物の機械的強度が不十分となる場合がある。重合度が1000000を超えると、樹脂組成物における上記重合体と他の成分との親和性が低下して重合体成分が析出する場合があり、また、仮に相溶した場合でも、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて作業性に問題が生じる場合がある。
上記重合体(A−II)の数平均分子量の下限は、好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上、特に好ましくは1500以上である。重合体(A−II)の数平均分子量の上限は、好ましくは5000000以下、さらに好ましくは2500000以下、特に好ましくは500000以下である。重合体(A−II)の重量平均分子量の下限は、好ましくは1000以上、さらに好ましくは2000以上、特に好ましくは3000以上である。重合体(A−II)の重量平均分子量の上限は、好ましくは10000000以下、さらに好ましくは5000000以下、特に好ましくは1000000以下である。重合体の分子量が小さすぎる場合には、樹脂組成物から得られる硬化物の機械的強度が不十分となる場合がある。重合体の分子量が大きすぎる場合には、樹脂組成物における上記重合体と他の成分との親和性が低下して重合体成分が析出する場合があり、また、仮に相溶した場合でも、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて作業性に問題が生じる場合がある。
上記重合体(A−II)は、上記式(I)で表されるカルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)と、当該(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な任意の適切なモノマーとを共重合することにより得られ得る。重合方法としては、任意の適切な重合方法(例えば、ラジカル溶液重合)が採用され得る。(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル、α−ブロモメチルアクリル酸メチル、α−ブロモメチルアクリル酸エチル、α−ブロモメチルアクリル酸ブチル、α−アセトキシメチルアクリル酸メチル等の単官能(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルホルムアミド、
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカルバゾール等の単官能N−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、N−(p−ビニルベンジル)カルバゾール等の単官能ビニル化合物類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノメチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等の単官能α,β−不飽和化合物類が挙げられる。共重合可能なモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合可能なモノマーの種類および使用量を調整することにより、樹脂組成物の特性を目的に応じて適切に制御することができる。
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカルバゾール等の単官能N−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、N−(p−ビニルベンジル)カルバゾール等の単官能ビニル化合物類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノメチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等の単官能α,β−不飽和化合物類が挙げられる。共重合可能なモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合可能なモノマーの種類および使用量を調整することにより、樹脂組成物の特性を目的に応じて適切に制御することができる。
上記重合体における式(II)で表される繰り返し単位(カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位)の含有割合は、好ましくは1モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは5モル%以上99モル%以下である。式(II)で表される繰り返し単位をこのような割合で含有することにより、機械的強度などの諸特性を満足し、かつ、非常に高い感度および光学特性を有する樹脂組成物が得られ得る。
上記重合体(A−II)の含有量の下限は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上、特に好ましくは5重量部以上、最も好ましくは10重量部以上である。当該含有量の上限は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは80重量部以下、さらに好ましくは70重量部以下、特に好ましくは60重量部以下、最も好ましくは50重量部以下である。含有量が1重量部未満である場合には、樹脂組成物から得られる硬化物の機械的強度が不十分となる場合がある。含有量が80重量部を超えると、樹脂組成物における上記重合体と他の成分との親和性が低下して重合体成分が析出する場合があり、また、仮に相溶した場合でも、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて作業性に問題が生じる場合がある。
好ましくは、本実施形態の樹脂組成物は、上記重合体(A−II)と相溶する反応性希釈剤(C)をさらに含む。また、好ましくは、この樹脂組成物は、重合開始剤(D)をさらに含む。さらに、この樹脂組成物は、必要に応じて任意の適切な添加剤(Z)をさらに含み得る。水酸基/カルバゾイル基含有化合物(B)、反応性希釈剤(C)、重合開始剤(D)および添加剤(Z)については、上記で説明したとおりである。
本実施形態においては、カルバゾイル基含有化合物の総量の下限は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上である。総量の上限は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下、特に好ましくは70重量部以下である。総量が1重量部未満である場合には、カルバゾイル基に起因する増感性、高屈折率性、光導電性、正孔移送性、顔料分散性などの特徴が十分に発現されない場合がある。総量が90重量部を超えると、樹脂組成物中の他の成分との相溶性が低下したり、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて作業性が悪くなる場合がある。
本発明の組成物は、カルバゾイル基と水酸基とが共存することによって空気接触下においても進行する架橋反応性を有すると考えられる。このような特性を有することにより、薄膜とした場合であっても硬化性に優れる。
以下、本発明の組成物の硬化方法について説明する。本発明の組成物は、代表的には、エネルギー線(例えば、可視光、赤外線、紫外線などの光、電子線、熱)を照射することにより硬化される。エネルギー線は、好ましくは紫外線を含む光線であり、さらに好ましくは波長150〜450nmの範囲の光を含む光線である。このような光線を照射し得る光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、UV−LED等が挙げられる。1つの実施形態においては、硬化は、上記光照射と、例えば赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による加熱とを併用して行われ得る。
光照射により硬化させる場合、その照射強度、照射量(積算光量)等は、組成物の処方、目的等に応じて適切に設定され得る。例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプまたはUV−LEDを用いて紫外線を照射する場合、波長365nmにおける照射強度は、好ましくは1〜500mJ/cm2、さらに好ましくは5〜200mJ/cm2である。波長365nmにおける照射量(積算光量)は、好ましくは10〜100mJ/cm2、さらに好ましくは15〜70mJ/cm2である。
上記電子線による硬化は、加速電圧の下限が、好ましくは10kV以上、より好ましくは20kV以上、さらに好ましくは30kV以上、その上限が、好ましくは500kV以下、より好ましくは300kV以下、さらに好ましくは200kV以下である電子線を用いればよい。また、照射量は、その下限が、2kGy以上が好ましく、3kGy以上がより好ましく、5kGy以上がさらに好ましく、その下限が、500kGy以下が好ましく、300kGy以下がより好ましく、200kGy以下がさらに好ましい。1つの実施形態においては、硬化は、上記電子線照射と、例えば赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による加熱とを併用して行われ得る。
上記のようにして、本発明の組成物を硬化させることにより、硬化物が得られる。
硬化物の形状は、用途等に応じて適切に設定され得る。例えば、組成物を任意の適切な基材上に塗布し、硬化させることにより、シート状の硬化物が得られる。また、組成物を任意の適切な成形型に注入し、硬化させることにより、所望の形状の硬化物が得られる。
本発明の硬化物は、高い硬化性を有し、さらに、カルバゾイル基に起因する様々な特性(例えば、高屈折率性、顔料分散性、増感性、耐透水性、剛直性、光学異方性、光導電性、正孔移送性、フォトリフラクティブ性)を有する。したがって、本発明の硬化物は、例えば、液晶表示素子用カラーフィルター着色レジスト、樹脂ブラックマトリックス、保護膜用オーバーコート剤、柱状スペーサー、液晶シール材、光学フィルム用ハードコート、AGバインダー、拡散フィルムバインダー、AR用高屈折材料、LR用高屈折材料、透明電極、位相差フィルム、拡散板用途、AG用途等に用いられる有機微粒子、プリント配線基板用ソルダーレジスト、エッチングレジスト、無電解メッキレジスト、光センサー素子、ICカード接着剤、フォトリフラクティブ・フォトポリマー等のホログラム材料、複写機・プリンター・ファクシミリ用画像形成トナー、画像形成部材、有機EL用正孔移送層、発光層、PS版、CTP印刷版等の刷版用感光性材料、光導波路、フレネルレンズ・レンチキュラーレンズ・プリズムシート・カメラ用レンズ・マイクロレンズアレイ等のレンズ材料に用いることが可能である。特に、光学フィルム用ハードコート、AGバインダー、拡散フィルムバインダー、AR用高屈折材料、LR用高屈折材料、光導波路、フレネルレンズ・レンチキュラーレンズ・プリズムシート・カメラ用レンズ・マイクロレンズアレイ等のレンズ材料用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
(合成例1)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルアクリレート10g(37.7mmol)、ベンジルメタクリレート10g(62.5mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.203g(1.002mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(1)を得た。得られた重合体(1)の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(以下GPCと略す。PS換算、THF=0.6ml/min、装置:東ソー製HLC-8220GPC、カラム構成:いずれも東ソー製TSK Gel-SuperHM-N
2本+TSK Gel-SuperH2000 1本)で測定したところ数平均分子量は2600、重量平均分子量は4800であった。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルアクリレート10g(37.7mmol)、ベンジルメタクリレート10g(62.5mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.203g(1.002mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(1)を得た。得られた重合体(1)の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(以下GPCと略す。PS換算、THF=0.6ml/min、装置:東ソー製HLC-8220GPC、カラム構成:いずれも東ソー製TSK Gel-SuperHM-N
2本+TSK Gel-SuperH2000 1本)で測定したところ数平均分子量は2600、重量平均分子量は4800であった。
(合成例2)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルメタクリレート10g(35.8mmol)、ベンジルメタクリレート10g(62.5mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.199g(0.983mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(2)を得た。得られた重合体(2)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は2700、重量平均分子量は5100であった。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルメタクリレート10g(35.8mmol)、ベンジルメタクリレート10g(62.5mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.199g(0.983mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(2)を得た。得られた重合体(2)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は2700、重量平均分子量は5100であった。
(合成例3)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルアクリレート20g(75.4mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.152g(0.754mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(3)を得た。得られた重合体(3)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は3300、重量平均分子量は6100であった。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、カルバゾイルエチルアクリレート20g(75.4mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.152g(0.754mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(3)を得た。得られた重合体(3)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は3300、重量平均分子量は6100であった。
(合成例4)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、ベンジルメタクリレート20g(125mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.253g(1.25mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(4)を得た。得られた重合体(4)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は2200、重量平均分子量は3700であった。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、ベンジルメタクリレート20g(125mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.253g(1.25mmol)およびメチルエチルケトン60gを入れ、充分窒素置換した後、79℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをメチルエチルケトン20gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、79〜80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(4)を得た。得られた重合体(4)の分子量を合成例1と同様の方法で測定したところ数平均分子量は2200、重量平均分子量は3700であった。
(合成例5)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、N−ビニルカルバゾール10g(51.8mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.105g(0.518mmol)およびトルエン80gを入れ、充分窒素置換した後、80℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをトルエン10gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(5)を得た。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた0.2リットルのフラスコに、N−ビニルカルバゾール10g(51.8mmol)、n−ドデシルメルカプタン0.105g(0.518mmol)およびトルエン80gを入れ、充分窒素置換した後、80℃に昇温した。続いて2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製V−65)1gをトルエン10gに溶解した溶液を2時間かけて系内に滴下し、80℃で8時間かけて重合を行った。得られた重合体溶液を、2リットルのメタノールに攪拌しながらゆっくり滴下してポリマーを再沈し、ろ過および乾燥を行って重合体(5)を得た。
(実施例1〜9および比較例1〜7)
カルバゾイルエチルアクリレート、カルバゾイルエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルカルバゾール、光開始剤としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907:チバジャパン株式会社製)および各種反応性希釈剤を表1に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃で30分静置して溶媒を除去した。次に、UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、250W超高圧水銀灯、主波長365nm、365nmにおける照射強度32mJ/cm2)内に上記塗膜が塗布されたガラス板を設置し、UV照射して硬化試験を行った。UV照射量20mJ/cm2ごとにUV照射を止めて指触による評価を行い、タックフリーになる最小照射量を求めた。
カルバゾイルエチルアクリレート、カルバゾイルエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルカルバゾール、光開始剤としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907:チバジャパン株式会社製)および各種反応性希釈剤を表1に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃で30分静置して溶媒を除去した。次に、UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、250W超高圧水銀灯、主波長365nm、365nmにおける照射強度32mJ/cm2)内に上記塗膜が塗布されたガラス板を設置し、UV照射して硬化試験を行った。UV照射量20mJ/cm2ごとにUV照射を止めて指触による評価を行い、タックフリーになる最小照射量を求めた。
(実施例10〜21および比較例8〜11)
上記重合体(1)〜(4)、ヒドロキシエチルカルバゾール、光開始剤としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907:チバジャパン株式会社製)および各種反応性希釈剤を表2に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去した。次に、上記と同じ方法でUV照射を行い、指触評価によってタックフリーになる最小照射量を求めた。
上記重合体(1)〜(4)、ヒドロキシエチルカルバゾール、光開始剤としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュアー907:チバジャパン株式会社製)および各種反応性希釈剤を表2に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去した。次に、上記と同じ方法でUV照射を行い、指触評価によってタックフリーになる最小照射量を求めた。
(比較例12)
重合体(5)、ビスフェノールA−4EOジアクリレート、イルガキュアー907およびトルエンを重量比で10:40:0.5:50.5で混合し、均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去したところ重合体が析出し、均一な膜は得られなかった。
重合体(5)、ビスフェノールA−4EOジアクリレート、イルガキュアー907およびトルエンを重量比で10:40:0.5:50.5で混合し、均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上に#42のバーコーターによって均一に塗布し、熱風乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去したところ重合体が析出し、均一な膜は得られなかった。
(実施例22〜28および比較例13〜17)
表3に示す成分を表3に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上にアプリケーターによって厚み100μmで均一に塗布し、減圧乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去した。次に、UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、250W超高圧水銀灯、主波長365nm、365nmにおける照射強度32mJ/cm2)を用いて、上記で得られた塗膜に表3に示す照射量で紫外線を照射し、当該塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜をガラス板から剥がして、30mm×5mmの短冊状に切り出し、下記の方法で硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。その結果を表3に示す。
表3に示す成分を表3に示す重量比で混合し、これらの総重量と同量の酢酸エチルを添加して均一な溶液を得た。この混合溶液をガラス板上にアプリケーターによって厚み100μmで均一に塗布し、減圧乾燥機内に80℃30分静置して溶媒を除去した。次に、UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、250W超高圧水銀灯、主波長365nm、365nmにおける照射強度32mJ/cm2)を用いて、上記で得られた塗膜に表3に示す照射量で紫外線を照射し、当該塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜をガラス板から剥がして、30mm×5mmの短冊状に切り出し、下記の方法で硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。その結果を表3に示す。
<動的粘弾性測定装置によるTg測定(DMA法)>
装置 :TAインスツルメンツ社製 RSA−3
測定条件:温度 −40℃〜150℃
昇温速度 5℃/分
周波数 6.28rad/秒
測定モード 引張モード
スパン間距離 25mm
Tg :tanδが最大値となる温度をTgとした
装置 :TAインスツルメンツ社製 RSA−3
測定条件:温度 −40℃〜150℃
昇温速度 5℃/分
周波数 6.28rad/秒
測定モード 引張モード
スパン間距離 25mm
Tg :tanδが最大値となる温度をTgとした
(評価)
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例の組成物は、対応する処方の比較例の組成物に比べて格段に少ないUV照射量でタックフリーとなっている。すなわち、本発明の実施例の組成物は、比較例の組成物に比べて格段に硬化性に優れる。さらに、表3から明らかなように、本発明の実施例の硬化物は、対応する比較例の硬化物に比べて、ガラス転移温度(Tg)が3℃〜9℃高くなっている。すなわち、本発明の実施例の硬化物は、比較例の硬化物に比べて耐熱性に優れる。これらの物性の向上は、架橋度が向上した結果と考えられる。上記実施例および比較例の結果から明らかなように、カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステルまたは当該アクリル酸エステルの重合体と水酸基/カルバゾイル基含有化合物とを組み合わせて用いることにより、硬化性および硬化物の耐熱性に共に優れた組成物を得ることができる。
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例の組成物は、対応する処方の比較例の組成物に比べて格段に少ないUV照射量でタックフリーとなっている。すなわち、本発明の実施例の組成物は、比較例の組成物に比べて格段に硬化性に優れる。さらに、表3から明らかなように、本発明の実施例の硬化物は、対応する比較例の硬化物に比べて、ガラス転移温度(Tg)が3℃〜9℃高くなっている。すなわち、本発明の実施例の硬化物は、比較例の硬化物に比べて耐熱性に優れる。これらの物性の向上は、架橋度が向上した結果と考えられる。上記実施例および比較例の結果から明らかなように、カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステルまたは当該アクリル酸エステルの重合体と水酸基/カルバゾイル基含有化合物とを組み合わせて用いることにより、硬化性および硬化物の耐熱性に共に優れた組成物を得ることができる。
本発明の組成物は、例えば、液晶表示素子用カラーフィルター着色レジスト、樹脂ブラックマトリックス、保護膜用オーバーコート剤、柱状スペーサー、液晶シール材、光学フィルム用ハードコート、AGバインダー、拡散フィルムバインダー、AR用高屈折材料、LR用高屈折材料、透明電極、位相差フィルム、拡散板用途、AG用途等に用いられる有機微粒子、プリント配線基板用ソルダーレジスト、エッチングレジスト、無電解メッキレジスト、光センサー素子、ICカード接着剤、フォトリフラクティブ・フォトポリマー等のホログラム材料、複写機・プリンター・ファクシミリ用画像形成トナー、画像形成部材、有機EL用正孔移送層、発光層、PS版、CTP印刷版等の刷版用感光性材料、光導波路、フレネルレンズ・レンチキュラーレンズ・プリズムシート・カメラ用レンズ・マイクロレンズアレイ等のレンズ材料に用いることが可能である。特に、光学フィルム用ハードコート、AGバインダー、拡散フィルムバインダー、AR用高屈折材料、LR用高屈折材料、光導波路、フレネルレンズ・レンチキュラーレンズ・プリズムシート・カメラ用レンズ・マイクロレンズアレイ等のレンズ材料用途に好適に用いることができる。
Claims (5)
- 前記カルバゾイル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A−I)または前記重合体(A−II)と相溶する反応性希釈剤(C)をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
- 重合開始剤(D)をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載の組成物を硬化させて得られる、硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007290719A JP2009114374A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | 組成物および硬化物 |
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JP2007290719A JP2009114374A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | 組成物および硬化物 |
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JP2009114374A true JP2009114374A (ja) | 2009-05-28 |
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ID=40781867
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JP (1) | JP2009114374A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013047524A1 (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-04 | 丸善石油化学株式会社 | 光学素子材料、及びその製造方法 |
KR20130106661A (ko) * | 2012-03-20 | 2013-09-30 | 삼성전자주식회사 | 광굴절 고분자 복합체 및 그 제조방법 |
-
2007
- 2007-11-08 JP JP2007290719A patent/JP2009114374A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013047524A1 (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-04 | 丸善石油化学株式会社 | 光学素子材料、及びその製造方法 |
US9574106B2 (en) | 2011-09-27 | 2017-02-21 | Maruzen Petrochemical Co., Ltd. | Optical element material and method for producing same |
KR20130106661A (ko) * | 2012-03-20 | 2013-09-30 | 삼성전자주식회사 | 광굴절 고분자 복합체 및 그 제조방법 |
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