JP6525867B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物および光学物品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物および光学物品 Download PDF

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Description

本発明は、優れた光学特性、耐熱性、及び加工性を有する硬化性樹脂組成物、硬化物及び光学物品に関する。
従来、カメラ用レンズ等の光学分野においては、比較的安価なポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、脂環式オレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂が使用されてきた。しかし、これらの熱可塑性樹脂は耐熱温度、表面硬度が低く、高度の耐熱性、表面硬度や微細加工性が要求される光・電子材料の先端技術分野においては殆ど使用されてこなかった。
この様な熱可塑性ポリマーの欠点を解決する方法として、特許文献1にはモノビニル芳香族化合物及びジビニル芳香族化合物を共重合して得られ、側鎖にジビニル芳香族化合物由来の反応性ビニル基を含有する構造単位を有する可溶性多官能共重合体が開示されている。しかし、これに開示されている技術によって得られる可溶性多官能共重合体は高温での熱履歴に対しても優れた耐熱性を有しているものの、先端分野に必要とされる加工性と高い屈折率の両立は困難であった。
一方、ビスフェノールフルオレン誘導体は、多数の芳香環を有するため高い屈折率、高耐熱性を有しており、さらに環構造が異なる面を形成するため、低複屈折率、低硬化収縮率という特長を持っている。これらの特長は光学成形材料とする上で非常に優れているが、光学レンズ用途における光学面形状の精度、強度の点で十分なものではなかった。従って、優れた光学特性を有し、低吸水性、成形性、耐熱性、表面硬度といった特性バランスを備え、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性と無機材料との密着性、並びに、金型形状の精密な転写性が改善された可溶性多官能共重合体、及び、当該共重合体を使用した硬化性樹脂組成物はこれまで存在しなかった。
特開2008−247978号公報 特許第4558643号公報 特開2009−109579号公報
本発明は、高屈折率、高光線透過率といった優れた光学特性、耐熱性、及び、加工性を有し、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性、低吸水性と成形時の良好な離型性、耐傷付き性、靭性、表面硬度、並びに、精密な金型転写性が改善された可溶性多官能共重合体(A)とビスフェノールフルオレン骨格を有する反応性(メタ)アクリレート(B)を含んでなる硬化性樹脂組成物、硬化物および光学物品を提供することを目的とする。
本発明は、(A)成分:反応性の不飽和基を複数有し、重量平均分子量が2,000〜100,000であり、更にトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であり、反応性の不飽和基を2つ有するモノマーと1つ有するモノマーを共重合させて得られる多官能共重合体、
(B)成分:一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート、及び
(C)成分:開始剤
を含有する硬化性樹脂組成物であって、(A)〜(C)成分の合計に対する(A)成分の含有量が5.0〜94wt%、(B)成分の含有量が5.0〜94wt%、及び(C)成分の含有量が0.1〜10wt%であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
Figure 0006525867
(式中、R1及びR2は独立してH又はCH3-を表し、R3及びR4は独立して-CH2O-、-CH2CH2O-、-CH2CH(CH3)O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2CH(OH)CH2O-、又はCH2CH(OR5)CH2O-を表し、R5はメタ(アクリロイル)基、k及びlは独立して0又は1以上の数であるが、k+lは1以上の数であり、m及びnは独立して0〜4の数を表す。)
また、本発明は、(A)成分の多官能共重合体が、芳香環、又は脂環構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、1種以上の2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)とチオール化合物(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)由来の反応性の(メタ)アクリル基を有し、末端に2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)及びチオール化合物(d)由来の構造単位を有する多官能共重合体であることを特徴とする上記の硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は、(A)成分の多官能共重合体が、モノビニル芳香族化合物(e)、ジビニル芳香族化合物(f)及び芳香族系エーテル化合物を共重合して得られ、側鎖にジビニル芳香族化合物(f)由来の反応性ビニル基を有し、その末端に平均して1分子あたり1個以上の下記式(2)で表される芳香族系エーテル化合物に由来の構造単位を有する多官能共重合体であることを特徴とする上記の硬化性樹脂組成物である。
Figure 0006525867
(式中、R6はH又はCH3、R7は酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
更に、本発明は、上記(A)、(B)、(C)成分に加えて、(D)成分として、分子中に1〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(但し、上記(A)、(B)成分に該当する場合を除く。)を含有し、(A)〜(D)成分の合計に対する(A)成分の含有量が5.0〜84wt%、(B)成分の含有量が5.0〜84wt%、及び(C)成分の含有量が0.1〜10wt%、(D)成分の含有量が10〜70wt%であって、かつ、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の配合量が30〜90wt%であることを特徴とする上記の硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られたことを特徴とする樹脂硬化物、及びこの樹脂硬化物から形成された光学物品である。かかる光学物品としては、光学レンズ、マイクロレンズアレイや撮像装置がある。
本発明の硬化性樹脂組成物又はこれを硬化させて得られる樹脂硬化物は、高い屈折率、低複屈折率、高透明性等の優れた光学特性、耐熱性、及び加工性を有し、加えてリフロー条件のような厳しい実使用条件下での光学特性、低吸水性と成形時の良好な離型性、耐傷付き性、靭性、表面硬度、並びに精密な金型転写性が改善される。また、本発明の樹脂硬化物は光学レンズ・プリズム材料として優れる。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。まず、必須成分として配合される(A)〜(C)成分について説明する。
本発明の(A)成分には、反応性の不飽和結合を複数持ち、重量平均分子量が2,000〜100,000であり、更にトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である多官能共重合体が使用される。以下、(A)成分である多官能共重合体を共重合体と略称することがある。
(A)成分は可溶性の多官能共重合体であるが、可溶性とはトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であることを意味する。好ましくは上記溶媒の全部に可溶である。可溶性の試験は実施例に示す条件でなされる。
(A)成分の共重合体は、モノビニル化合物等の重合反応性の不飽和基を1つ有するモノマー(単官能成分)及びジビニル化合物等の重合反応性の不飽和基を2つ有するモノマー(2官能成分)を主とする単量体成分を共重合することにより有利に得られる。2官能成分は、分岐構造又は架橋構造を与えるが、かかる架橋構造の存在量は可溶性を示す程度に制限される。分岐構造の末端はジビニル化合物等の2官能成分に由来する未反応の不飽和基を含む。したがって、2官能成分由来の未反応の(メタ)アクリル基又はビニル基等の不飽和基を側鎖に有する共重合体となっている。この未反応の不飽和基はペンダント(メタ)アクリル基又はペンダントビニル基等ともいい、これは重合性を示すため、更なる重合処理により重合し、溶剤不溶の樹脂硬化物を与えることができる。未反応の不飽和基は1分子中に平均して2以上である必要があるが、好ましくは3以上である。未反応の不飽和基の割合を高めるためには、2官能成分の使用量を多くし、連鎖移動剤を使用して重合すること等により可能である。
好ましい共重合体には、不飽和基を1つ有するモノマーとして芳香環又は脂環構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)を使用し、不飽和基を2つ有するモノマーとして1種以上の2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)を使用し、更に副成分として2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)とチオール化合物(d)を使用し、これを重合して得られる共重合体(A−1)がある。
共重合体(A−1)を構成する芳香環構造を有する単官能モノマー(メタ)アクリル酸エステル(a-1)としては、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2-ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート等のアクリレート及びこれらのメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上単官能(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができるを挙げることが出来る。また、脂環構造を有する単官能モノマー(メタ)アクリル酸エステル(a-2)としては、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等のアクリレート及びこれらのメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上単官能(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
共重合体(A−1)を構成する2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートシクロへキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、2,4-ジ(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、9,9-ビス[4-2(-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等の2官能(メタ)アクリル酸エステルを用いることができるが、これらに制限されるものではない。ここで、EO、POはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを意味する。
共重合体(A−1)に靭性、離型性、反応性等の機能を付与したい場合、用いる(メタ)アクリル酸エステルにより任意に調節することができる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、コスト、重合制御の容易さ及び得られたポリマーの耐熱性の点で脂環構造を持つジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロへキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート及びジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。また、硬化物の靭性、離型性などの成形加工性の点では、脂環構造を持たないn-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)及びチオール化合物(d)は、連鎖移動剤として機能し、共重合体の分子量を制御する。本発明の共重合体の分子量は重量平均分子量Mw(ここで、Mwはゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である)として、2,000〜100,000の範囲であり、好ましくは2,500〜60,000、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲である。この分子量範囲の共重合体を使用することにより樹脂硬化物の成形性及び離型性をより高めることができる。
チオール化合物(d)としては、連鎖移動剤として作用することが知られているチオール化合物であればよいが、好ましくはt-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールへキサ-3-メルカプトプロピオネート及び(トリス-[(3-メルカプトプロピオニロキシ)-エチル]-イソシアヌレート)等である。これらの内、重合制御の容易さ、生成した共重合体の靭性の観点から、特に好適に使用されるのは、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタンなどの炭素数5〜30のモノアルキルメルカプタンである。
他の好ましい共重合体としては、不飽和基を1つ有するモノマーとしてモノビニル芳香族化合物(e)を使用し、不飽和基を2つ有するモノマーとしてジビニル芳香族化合物(f)を使用し、更に副成分として芳香族系エーテル化合物を使用して得られる共重合体(A−2)がある。
共重合体(A−2)は、モノビニル芳香族化合物(e)に由来する構造単位及びジビニル芳香族化合物(f)に由来する構造単位の他、芳香族系エーテル化合物に由来する上記式(2)で表される構造単位(以下、構造単位(g)ともいう)を有する。そして、上記式(2)で表される末端基を末端基(g)という。そして、概ね共重合体の重合鎖(主鎖及び側鎖)はジビニル芳香族化合物及びモノビニル芳香族化合物から生じ、末端の一部は芳香族系エーテル化合物から生じることが望ましい。
構造単位(g)又は末端基(g)を与える芳香族系エーテル化合物としては、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく例示される。しかし、これらに限定されない。反応性、硬化物の耐熱性、入手の容易さの観点から、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。2-フェノキシエチル(メタ)アクリレートは、重合性基を有するので、他の単量体と共重合可能であるが、末端基(g)となるためには、重合性基は反応性が低く、多くが未反応で残り、そのベンゼン環にジビニル芳香族化合物(f)のビニル基が反応した構造となることが好ましい。
上記式(2)において、R6はH又はCH3を表すが、これらは使用する芳香族エーテル化合物によって決まる。R7は炭素鎖の間に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基であり、より好ましくは-CnH2n-で表されるアルキレン基である。ここで、nは1〜4の範囲がより好ましい。
モノビニル芳香族化合物(e)としてはスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルビフェニル及びビニルナフタレンからなる群から選ばれる1種以上のビニル芳香族化合物を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは85モル%以上含むモノビニル芳香族化合物を使用することがよい。
また、モノビニル芳香族化合物(e)は上記以外のモノビニル芳香族化合物を含んでいても良く、好ましくは50モル%未満の少量を含んでいても良い。これらのモノビニル芳香族化合物の例としては、核アルキル置換モノビニル芳香族化合物、α-アルキル置換モノビニル芳香族化合物、β-アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン等がある。共重合体のゲル化を防ぎ、溶媒への溶解性、加工性を改善するために、特にスチレン、エチルビニルベンゼン(m-及びp-両方の異性体)、エチルビニルビフェニル(各異性体を含む)がコスト及び入手の容易さの観点から適する。
ジビニル芳香族化合物(f)の例としては、ジビニルベンゼン(m-及びp-両方の異性体)、ジビニルナフタレン(各異性体を含む)、ジビニルビフェニル(各異性体を含む)等を用いることができるが、これらに限定されない。また、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、コスト及び入手の容易さの観点からはジビニルベンゼン(m-及びp-両方の異性体)が、より高度の耐熱性が求められる場合は、ジビニルナフタレン(各異性体を含む)、ジビニルビフェニル(各異性体を含む)が好ましく使用される。
本発明に使用される共重合体のMwは2,000〜100,000の範囲であり、好ましくは2,500〜60,000、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲である。Mwが2,000未満であると共重合体の粘度が低すぎるため、加工性が低下し、また、Mwが100,000を超えると、ゲルが生成しやすくなり相溶性が望めない。分子量分布(Mw/Mn)の値は50.0以下、好ましくは20.0以下、より好ましくは1.5〜3.0である。Mw/Mnが50.0を超えると、共重合体の加工特性の悪化、ゲルの発生といった問題点を生ずる。
本発明に使用される共重合体は、側鎖又は末端に(メタ)アクリレート基を有するため、(メタ)アクリレート化合物との共重合化が良好に進行可能であり、また(メタ)アクリレート化合物及び樹脂に対し相溶性が非常に高い。したがって、(メタ)アクリレート化合物と共重合させて硬化させた場合、均一硬化性や透明性に優れるものとなる。
本発明に使用される(A)成分の共重合体は特許文献1、特開2004−123873号公報、特開2005−213443号号公報、特開2010−229263公報等に示される方法に準じて得ることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の(B)成分として使用される(メタ)アクリレートについて説明する。
(B)成分は、上記一般式(1)で表され、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートである。一般式(1)において、
R1およびR2は独立してH又はCH3であり、
R3及びR4は独立してCH2O、CH2CH2O、CH2CH(CH3)O、CH2CH2CH2O、CH2CH(OH)CH2O、又はCH2CH(OR5)CH2Oである。
R5はメタ(アクリロイル)基、k及びlは独立して0か1以上の数であるが、両方ともに0となることはない。好ましくは、k+lは0〜4である。
m及びnは独立して0〜4の数を表す。
高い屈折率、相溶性、反応性等の特性をバランス良く両立する上で、R3及びR4は、CH2CH2O、CH2CH(OH)CH2O、又はCH2CH(OR5)CH2Oが好ましく、m及びnは1〜2が好ましい。また、この(メタ)アクリレートが持つ(メタ)アクリロイル基の数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜4である。
B成分の(メタ)アクリレートとしては、具体的な化合物として例えば、ビスフェノールフルオレン骨格を有する、ジアクリルモノマー、ジメタクリルモノマー、又はアクリル基およびメタクリル基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジメトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシメトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(3- (メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシメトキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシメトキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ-3-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-(2-ヒドロキシ)プロポキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-(2-ヒドロキシ)プロポキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-(2-ヒドロキシ)プロポキシエトキシフェニル)フルオレン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシアクリレートすなわち9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(新日鉄化学(株)製)、ビスフェノールフルオレンジメタクリレート(新日鉄化学(株)製)、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス(株)製、BPEF-A)、ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタアクリレート(大阪ガス(株)製、BPEF-MA)、ビスフェノキシエタノールフルオレンジエポキシアクリレート(大阪ガス(株)製、BPEF-GA)、ビスフェノールフルオレンジエポキシアクリレート(大阪ガス(株)製、BPF-GA)、ビスクレゾールフルオレンジエポキシアクリレート(大阪ガス(株)製、BCF-GA)等が挙げられる。
(C)成分の開始剤としては、光重合開始剤又は熱重合開始剤がある。ここで、光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系等の化合物を好適に使用することができる。具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等を例示することができる。また、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤や鋭感剤を併用することもできる。これら光重合開始剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、熱重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジカーボネート系、パーオキシエステル系など各種の有機過酸化物を好適に使用することができる。具体的にはシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1-ビス(t-ヘキサパーオキシ)シクロヘキシサノン、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート等を例示する事ができるが、これに何ら制限されるものではない。また、これら熱重合開始剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
上記(A)〜(C)成分に加えて、必要により(D)成分として、分子中に1〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(但し、上記(A)、(B)成分に該当する場合を除く。)を配合することができる。この場合、硬化性樹脂組成物における含有量は、(A)〜(D)成分の合計に対する(A)成分の含有量が5.0〜84wt%、(B)成分の含有量が5.0〜84wt%、及び(C)成分の含有量が0.1〜10wt%、(D)成分の含有量が10〜70wt%であって、かつ、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の配合量が30〜90wt%であることが好ましい。
(D)成分としては1〜8官能(メタ)アクリレートが使用される。この中で、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを多官能(メタ)アクリレートとよび、好ましくは多官能(メタ)アクリレートの1種又は2種以上が使用される。有利には、(D)成分は1分子当たり平均して2〜5個の(メタ)アクリロイル基を有することがよい。ここで、1分子当たり平均の(メタ)アクリロイル基の数は、全(メタ)アクリロイル基数/全分子数で計算され、全分子数は、(メタ)アクリレート基を1以上有する(メタ)アクリレートの合計として計算されるが、(A)成分及び(B)成分及びそれらに含まれる(メタ)アクリロイル基は計算から除外される。
これらの(D)成分として用いられる多官能アクリレートは、(A)成分及び(B)成分と併用することによって相乗的に、耐熱性及び表面硬度に加えて、低色分散、高光線透過率といった光学特性が同時に向上する。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、(A)成分及び(B)成分と共重合可能なものがよく、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARADHX-220、HX-620等)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート及びジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、等のモノマー類を挙げることができる。表面硬度の観点から、特に好ましくは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエチキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
一方光学面の形状精度の観点から、好ましいのは、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、(D)成分として、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する1種以上の単官能(メタ)アクリレートを使用することもできるが、これらの単官能(メタ)アクリレートは、(A)成分、(B)成分及び多官能(メタ)アクリレートと併用することによって、相乗的に、高色分散、又は低色分散、高光線透過率といった光学特性が同時に向上すると共に、流動性を高めることによって、成形性を向上させることができる。上記単官能(メタ)アクリレートとしては、(A)成分である共重合体を製造するために使用される脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)が好ましく使用されるが、その他に例えば、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロへキサン-1,4-ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフロフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物の好ましい配合組成は、次のとおりである。(A)成分の配合量が5.0〜80wt%、好ましくは5.0〜60wt%、(B)成分の配合量が5.0〜80wt%、好ましくは10〜60wt%、及び(C)成分の配合量が0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%。(D)成分を配合する場合は、上記(A)〜(C)成分の配合量で、(D)成分が10〜70wt%、好ましくは20〜60wt%である。そして、(A)成分+(B)成分の含有量は30〜90wt%、好ましくは40〜80wt%である。
(A)成分の配合量が、5.0wt%よりも低くなると、成形品の光学面形状の精度が低下するため好ましくなく、また、(A)成分の配合量が多すぎると、粘度の上昇に伴い、成形性、ハンドリング性が著しく低下するため好ましくない。一方、(B)成分の配合量が、5.0wt%よりも低くなると硬化物の屈折率が低下するため好ましくなく、多すぎると、硬化物が低弾性化し、成形品の耐熱性が低下するため好ましくない。なお、硬化性樹脂組成物中に有機溶剤及びフィラーを含む場合は、上記配合量は、これを除外して計算される。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要により重合禁止剤、酸化防止剤、離型剤、光増感剤、有機溶剤、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、更には紫外線吸収剤、光安定剤、無機、有機各種フィラー、防かび剤、抗菌剤などを本発明の硬化性樹脂組成物に添加し、それぞれ目的とする機能性を付与することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、並びに必要により(D)成分、その他の成分を任意の順序で混合することにより得ることができる。本発明の硬化性樹脂組成物は経時的に安定である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱又は光照射によって硬化させることができる。加熱によって成形する場合、その成形温度は、熱重合開始剤の選択により、室温から200℃前後までの広い範囲から選択することができる。
光照射によって成型させる場合は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化物を得ることができる。ここで、活性エネルギー線を照射して硬化する場合に用いられる光源の具体例としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、複写用高圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、あるいは走査型、カーテン型電子線加速路による電子線等を挙げることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物を紫外線照射により硬化する場合、硬化に必要な紫外線照射量は300〜20,000mJ/cm2程度でよい。なお、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で硬化することで、樹脂組成物をより効率よく硬化させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、プラスチックレンズ等のような注型物に使用することができる。本発明の樹脂組成物を用いたプラスチックレンズの作製法としては、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等からなるガスケットと所望の形状の2枚のガラス鋳型によって造られた型を作り、これに本発明の樹脂組成物を注入した後、紫外線等の活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化し、硬化物を型より剥離する方法等がある。
また本発明の硬化性樹脂組成物をプリズムレンズシート用樹脂組成物としてフィルム状基材に塗布する方法としては、業界公知の種々の方法を用いることができる。具体的な方法としては、例えば、樹脂組成物を表面にプリズムレンズの形状を有する金型上に塗布し、樹脂組成物の層を設け、その樹脂組成物層の上に無色透明なフィルム状基材(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等)を気泡が入らないように圧着し、次いでその状態でフィルム状基材側から高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して樹脂組成物の層を硬化した後、プリズムレンズ状の樹脂層を形成したフィルム状基材を金型より剥離する方法を挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を成形、硬化して得られる樹脂硬化物は、光学材料又は光学物品として優れる。とりわけフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、眼鏡レンズ、非球面レンズ等の光学プラスチックレンズ用材料として有用である。そして、このようなレンズは、撮像装置に有利に使用される。また、硬化性樹脂組成物又は樹脂硬化物はその他にも、光ディスク、光ファイバー、光導波路等のオプトエレクトロニクス向け用途、印刷インキ、塗料、クリアーコート剤、ツヤニス等にも使用できる。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。なお、各例中の部は特に断らない限りいずれも重量部である。また、実施例中の軟化温度等の測定は以下に示す方法により試料調製及び測定を行った。
(共重合体及びその硬化物の物性測定)
1)ポリマーの分子量及び分子量分布
可溶性多官能共重合体の分子量及び分子量分布測定はGPC(東ソー製、HLC-8120GPC)を使用し、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃で行った。共重合体の分子量は単分散ポリスチレンによる検量線を用い、ポリスチレン換算分子量として測定を行った。
2)ポリマーの構造
日本電子製JNM-LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13C-NMR及び1H-NMR分析により決定した。溶媒としてクロロホルム-d1を使用し、テトラメチルシランの共鳴線を内部標準として使用した。
3)耐溶剤性の測定及び溶剤溶解性の測定
耐溶剤性の測定は、共重合体を200℃一時間真空プレス成形して作製した試料板をトルエンに室温で10分間浸漬し、浸漬後の試料の変化を目視にて確認し、○:変化無し、△:膨潤、×:変形、膨れ有りに分類することにより耐溶剤性の評価を行った。
溶剤溶解性の測定は、共重合体5gを、100mlの溶媒に加え、25℃で10分間撹拝後の溶解状況を観察した。均一に溶解し、未溶解物及びゲルの存在が認められない場合を、可溶性と判定した。
(組成物及びその硬化物の物性測定)
(1)屈折率の測定
樹脂組成物の屈折率測定のため、幅50mm、長さ50mm、厚み1.0mmの2枚のガラス板の間に厚さ1.0mmの隙間を開けて外周をポリイミドテープで巻き固定したガラス型に組成物を注入し、1)このガラス型の片面から前述の高圧水銀ランプにより、数秒問紫外線を照射する、或いは、2)このガラス型の代わりにSUS製の金属板を用いて同様の試験片作成用型を作成し、窒素ガス気流下のイナートガスオーブンに入れ、180℃で1時間加熱することによって硬化させた。ガラス型又は金型から硬化した樹脂板を脱型して、サンプルとした。アッベ屈折率計(アタゴ(株)製)でサンプルの屈折率及びアッベ数を測定した。
(2)色相
厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板を色彩色差計(商品名「MODELTC_8600」、東京電色(株)製)で測定し、そのYI値を示した。
(3)Haze(濁り度)及び全光線透過率
厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板に硬化させた試験片を作成し、これのHaze(濁り度)と全光線透過率を、積分球式光線透過率測定装置(日本電色社製、SZ-Σ90)を用い測定した。
(4)離型性
厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板に硬化した樹脂を金型より離型させた時の難易度により評価した。
○・・・金型からの離型性が良好。
△・・・離型がやや困難、
×・・・離型が困難或は型のこりがある
(5)型再現性
厚さ0.6mm、直径3.0mmの球面レンズ形状に硬化した樹脂層の表面形状と金型のクリアランスへの樹脂の洩れ込みにより評価した。
○・・・再現性が良好
×・・・再現性が不良
(6)バリ、モレ
厚さ0.6mm、直径3.0mmの球面レンズ形状に硬化した樹脂を金型より離型させた時に、製品部分以外に生じたバリの大きさ及び金型のクリアランスへの樹脂の洩れこみの度合いにより評価した。
○・・・バリの生成量が0.05mm未満、金型クリアランスへの樹脂の洩れこみが1.0mm未満
△・・・バリの生成量が0.05mm以上、0.2mm未満。金型クリアランスへの樹脂の洩れこみが1.0mm以上、3.0mm未満
×・・・バリの生成量が0.2mm以上、金型クリアランスへの樹脂の洩れこみが3.0mm以上。
(7)気泡
厚さ0.6mm、直径3.0mmの球面レンズ形状に硬化した樹脂を金型より離型させた時に、成形品部分に生じた気泡の有無及び大きさの度合いにより評価した。
○・・・気泡の生成が観察されない
△・・・気泡の生成が観察され、気泡の大ききが成形品の体積に対し2%未満
×・・・気泡の生成が観察きれ、気泡の大ききが成形品の体積に対し2%以上
(8)ワレ
厚さ0.6mm、直径3.0mmの球面レンズ形状に硬化した樹脂を金型より離型させた時に、成形品の製品部分に生じたワレの有無及び大きさの度合により評価した。
○・・・ワレの生成が観察されない
△・・・ワレの生成が観察されるが、成形品の外周部のコーナー部分にのみ観察される。
×・・・ワレの生成が観察され、成形品の外周部のコーナ部分以外にも観察される。
(9)リフロー耐熱性
厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板をテストピースとして、分光測色計CM-3700d(コニカミノルタ社製)にて波長:400nmの分光透過率を測定した。測定タイミングは、200℃60分でのポストキュアを行った耐熱試験前と、エアーオーブン中、250℃、7分間の耐熱試験後とした。これらの測定により得られた分光透過率変化の結果を以下の表3に示す。
(10)吸水率
60℃で24時間真空乾燥した厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板の試験片の重さをWoとし、それを±0.1mgまで測定可能な秤で秤量し、温度:85℃、相対湿度:85%の恒温恒湿槽内で1週間、加湿を行った。加湿後、テストサンプルについた水気をふき取り、サンプルを±0.1mgまで測定可能な秤で秤量し、Wとした。下記の式(3)で給水率を算出した。同じテストサンプルを3つ準備し、同様に試験を行った。
Wo/W×100=吸水率(%) (3)
(11)鉛筆硬度
JISK5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、厚さ1.0mm、幅40mm、長さ40mmの平板に硬化させた試験片の鉛筆硬度を測定した。鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、5回中2回以上の傷発生が見られた1ランク下の鉛筆硬度を鉛筆硬度試験結果として記載した。
合成例1
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート1.6モル(463.2mL)、
ジシクロペンタニルメタクリレート1.2モル(254.2mL)、1,4-ブタンジオールジアクリレート1.2モル(226.3mL)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-1ペンテン0.4モル(95.5mL)、t-ドデシルメルカプタン2.4モル(564.8mL)、トルエン600mLを3.0Lの反応器内に投入し90℃で40mmol(11.5g)のt-ブチルパ−オキシ-2-エチルへキサノエートを添加し、2時間45分反応させた。重合反応を冷却により停止させた後、室温で反応混合液を大量のへキサンに投入し、共重合体を析出させた。得られた共重合体をヘキサンで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体A691.0gを得た。
得られた共重合体AのMwは34,200、Mnは5,620、Mw/Mnは6.1であった。共重合体Aは、全アクリル酸エステル量を100モル%とした場合、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート由来の構造単位(1)を合計39.6モル%、ジシクロペンタニルメタクリレート由来の構造単位(2)を合計31.1モル%、1,4-ブタンジオールジアクリレート由来の構造単位(3)を29.3モル%含有していた。また2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(αMSD)由来の構造の末端基(4)は、構造単位(1)、(2)及び(3)と、末端基(4)及び、t-ドデシルメルカプタン(TDM)由来の構造の末端基(5)の総計(以下、全構成単位の総量という)に対し、1.8モル%存在していた。
一方、末端基(5)は、全構成単位の総量に対し、7.2モル%存在していた。
また、共重合体Aについて、トルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、又はクロロホルムに対する溶剤溶解性試験を行ったところ、いずれの溶剤の場合も、不溶物やゲルの生成は認められなかった。
合成例2
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート2.64モル(764.3mL)、ジシクロペンタニルアクリレート0.24モル(47.2mL)、1,4-ブタンジオールジアクリレート0.96モル(181.0mL)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート0.96モル(118.5mL)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン0.48モル(114.6mL)、t-ドデシルメルカプタン3.12モル(734.3mL)、トルエン720mLを3.0Lの反応器内に投入し、90℃で62mmol(13.9g)のt-ブチルパ−オキシ-2-エチルへキサノエートを添加し、2時間30分反応させた。重合反応を冷却により停止させた後、室温で反応混合液を大量のへキサンに投入し、重合体を析出きせた。得られた重合体をヘキサンで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体B782.2gを得た。
共重合体Aと同様に共重合体Bの試験を行った結果を表1に記載した。
合成例3
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート0.8モル(231.5mL)、ジシクロペンタニルメタクリレート2.0モル(393.4ml)、1,4-ブタンジオールジアクリレート1.2モル(226.3mL)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン0.4モル(95.5mL)、t-ドデシルメルカプタン1.6モル(376.45mL)、トルエン600mLを3.0Lの反応器内に投入し90℃で40mmol(11.5g)のt-ブチルパ−オキシ-2-エチルへキサノエートを添加し、2時間45分反応させた。重合反応を冷却により停止させた後、室温で反応混合液を大量のへキサンに投入し、共重合体を析出させた。得られた共重合体をヘキサンで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体C536.4g(収率:73.2wt%)を得た。
共重合体Aと同様に共重合体Cの試験を行った結果を表1に記載した。
合成例4
ジビニルベンゼン0.66モル(94.0mL)、エチルビニルベンゼン0.0275モル(3.9mL)、4-ビニルビフェニル1.56モル(281.1g)、2-フェノキシエチルメタクリレート0.88モル(167.1mL)、トルエン610mLを3.0Lの反応器内に投入し、50℃で50mmolの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、4時間30分反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で5回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をトルエンに溶解させた後、メタノールで再沈を行うという操作を3回繰り返した後、パウダー状の固体ポリマーをメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体D258.3gを得た。
共重合体Aと同様に共重合体Dの試験を行った結果を表1に記載した。
合成例5
ジビニルベンゼン0.44モル(62.7mL)、エチルビニルベンゼン0.0183モル(2.6mL)、4-ビニルビフェニル1.76モル(317.2g)、2-フェノキシエチルメタクリレート0.66モル(125.3mL)、トルエン610mLを3.0Lの反応器内に投入し、50℃で50mmolの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、4時間30分反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で5回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をトルエンに溶解させた後、メタノールで再沈を行うという操作を3回繰り返した後、パウダー状の固体ポリマーをメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体E250.6gを得た。
共重合体Aと同様に共重合体Eの試験を行った結果を表1に記載した。
合成例6
ジビニルベンゼン0.27モル(38.5mL)、エチルビニルベンゼン0.063モル(9.0mL)、2-ビニルナフタレン0.567モル(87.4g)、2-フェノキシエチルメタクリレート0.36モル(68.4mL)、トルエン250mLを1.0Lの反応器内に投入し、50℃で18mmolの三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体を添加し、4時間00分反応させた。重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させた後、純水で5回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をトルエンに溶解させた後、メタノールで再沈を行うという操作を3回繰り返した後、パウダー状の固体ポリマーをメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体F85.3gを得た。
共重合体Aと同様に共重合体Fの試験を行った結果を表1に記載した。
実施例1〜7及び比較例1〜4
表2に示す割合で各成分を配合し(数字は重量部)、安定剤として株式会社アデカ製のアデカスタブAO-60 0.1重量部を加えて硬化性樹脂組成物を得た。次にこの硬化性樹脂組成物を、上記の各種試験方法により硬化し、性能評価を行った。性能評価結果を表3に示す。
表で使用した略号を以下に示す。
BZ:ベンジルメタクリレート(単官能)
BPEF:9,9-ビス[4-2(-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(2官能)
BPFEA:9,9-ビス[4-3(-アクリロイルオキシプロポキシ,2-ヒドロキシ)フェニル]フルオレン(2官能)
BPA:BPA-2EO-ジメタクリレート
19NDA:1,9-ノナンジオールジアクリレート(2官能)
TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート(3官能)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能)
パーブチルO:t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサネート(日本油脂株式会社製)
イルガキュア184:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル−ケトン(BASF社製)
Figure 0006525867
Figure 0006525867
Figure 0006525867

Claims (5)

  1. (A)成分:反応性の不飽和基を複数有し、重量平均分子量が2,000〜100,000であり、更にトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であり、下記(A1)又は(A2)の多官能共重合体;
    (A1)芳香環、又は脂環構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、1種以上の2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)とチオール化合物(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)由来の反応性の(メタ)アクリル基を有し、末端に2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(c)及びチオール化合物(d)由来の構造単位を有する多官能共重合体、
    (A2)モノビニル芳香族化合物(e)、ジビニル芳香族化合物(f)及び芳香族系エーテル化合物を共重合して得られ、側鎖にジビニル芳香族化合物(f)由来の反応性ビニル基を有し、その末端に平均して1分子あたり1個以上の下記式(2)で表される芳香族系エーテル化合物に由来の構造単位を有する多官能共重合体、
    Figure 0006525867
    (式中、R 6 はH又はCH 3 を表し、R 7 は酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
    (B)成分:一般式(1)で表されるフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート、
    Figure 0006525867

    (式中、R1及びR2は独立してH又はCH3-を表し、R3及びR4は独立して-CH2O-、-CH2CH2O-、-CH2CH(CH3)O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2CH(OH)CH2O-、又はCH2CH(OR5)CH2O-を表し、R5はメタ(アクリロイル)基、k及びlは独立して0又は1以上の数であるが、k+lは1以上の数であり、m及びnは独立して0〜4の数を表す。)、及び
    (C)成分:開始剤
    を含有する硬化性樹脂組成物であって、(A)〜(C)成分の合計に対する(A)成分の含有量が5.0〜94wt%、(B)成分の含有量が5.0〜94wt%、及び(C)成分の含有量が0.1〜10wt%であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 上記(A)、(B)、(C)成分に加えて、(D)成分として、分子中に1〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(但し、上記(A)、(B)成分に該当する場合を除く。)を含有し、(A)〜(D)成分の合計に対する(A)成分の含有量が5.0〜84wt%、(B)成分の含有量が5.0〜84wt%、及び(C)成分の含有量が0.1〜10wt%、(D)成分の含有量が10〜70wt%であって、かつ、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の配合量が30〜90wt%であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られることを特徴とする樹脂硬化物。
  4. 請求項3に記載の樹脂硬化物が形成されたことを特徴とする光学物品。
  5. 光学物品が、光学レンズであることを特徴とする請求項4に記載の光学物品。
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