JP6154793B2 - 金属用紫外線硬化型塗料及び該塗料でコーティングした金属材、金属製品 - Google Patents

金属用紫外線硬化型塗料及び該塗料でコーティングした金属材、金属製品 Download PDF

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Description

本発明は、金属に対する密着性が良好な金属用紫外線硬化型(UV)塗料及び該塗料でコーティングした金属材、金属製品に関する。
従来は金属に紫外線硬化型(UV)塗料を塗装する場合、金属に対して直接塗装可能なUV塗料がないため、金属にプライマーを塗布し、その上にUV塗料を塗装する「2コート仕様」、或いは意匠によってはミドルコートを追加した「3コート仕様」が一般的であった。このような「2コート仕様」における問題点として、プライマーを使用することによる塗装工程の増加、プライマーは熱乾燥系塗料のため乾燥ライン導入によるラインの大型化、熱乾燥を行うことによる使用エネルギー増大、プライマー塗装時における傷やゴミ付着等の不良品発生が挙げられる。
金属塗装用のUV塗料は、家電製品、光学機器製品等の分野において求められており、金属素材を筐体とした製品開発が行われている。近年はモバイルPC等の小型化、薄型化が著しく、また携帯音楽プレーヤーや、スマートフォン、タブレット端末等小型家電製品が次々と開発されている。これまでは樹脂部品を使用していたものが、製品の小型化等に伴い、製品強度向上、放熱性向上、意匠性付与(金属光沢、スリット加工、アルマイト着色等)を目的として金属素材へと置き換わるケースが散見される。
加えて、近年は、商品の差別化を図り、さらなる付加価値を付与するため、カラーバリエーションが増加しており、表面保護、多彩な意匠付与の観点から、金属に対する塗装の重要性も増している。特に、携帯する機器に対しては、高い硬度が求められているため、このような製品に求められる硬度を満たし、また、高外観(平滑性、着色性)を得ることができるUV塗料が望ましい。
ところが、金属に直接UV塗料を塗装する場合、プラスチック又はプライマー上に対する塗装と異なり、金属と樹脂の収縮率が異なるため、塗膜の収縮に金属が追従せず密着性が低下しやすい。また、プラスチックと異なり金属は溶剤等に侵されないため、アンカー効果、基材と塗膜が一体化することによる密着性の向上が見込めない等の問題があり、密着性の確保が難しいケースが多い。
高温焼付け1液塗料や2液ウレタン系塗料において、金属(主に、アルミニウム、ステンレス)に対し付着性を有するものも存在するが、塗装面の平滑性が十分でなかったり、硬度、擦傷性、梱包性を満足しないといった問題点が存在し、1コートで顧客要求を満たせるものではなかった(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2014−080592号公報 特開2008−063472号公報
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、金属に直接塗装することができる密着性と硬度を満たし、高外観(平滑性、着色性)を得ることができる、金属用紫外線硬化型塗料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者は金属に対する付着性メカニズムを鋭意検討した。そして、金属に対する付着性向上に対しては高分子量化による収縮緩和、SP値(溶解パラメータ)調整による分子間力強化等が有効と考えられることより、金属に対する密着性が高い紫外線硬化型樹脂としてアクリルアクリレート、ポリエステルアクリレートに着目し、検討の結果、これらの樹脂を必須成分とし、好ましくは主樹脂として採用することで前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1)金属(ただし、金属蒸着面を含まない。)に直接塗装することが可能な金属用紫外線硬化型1コート塗料であって、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの混合物からなる反応性オリゴマーを、塗膜構成成分(溶剤を除く)に対して、20〜90質量%含有することを特徴とする金属用紫外線硬化型塗料。
2)アクリルアクリレートが、1分子中の(メタ)アクリロイル基数が1〜7であることを特徴とする前記1)に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
3)ポリエステルアクリレートが、1分子中の(メタ)アクリロイル基数が1〜5であることを特徴とする前記1)に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
4)さらに、(a)シランカップリング剤、(b)リン酸(メタ)アクリレート又はエチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、(c)アクリルポリオールからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
5)さらに、(d)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート及び/又は(e)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする前記1)〜)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
6)反応性オリゴマーが、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートを99:1〜30:70(質量比)の範囲で含有することを特徴とする前記1)〜)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
7)反応性オリゴマーが、ポリエステルアクリレートとアクリルアクリレートを99:1〜40:60(質量比)の範囲で含有することを特徴とする前記1)〜)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
8)さらに、1〜2官能の(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする前記1)〜)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
9)無溶剤系塗料であることを特徴とする前記)に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
10)溶剤系塗料であることを特徴とする前記1)〜8)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
11)前記)に記載の金属用紫外線硬化型塗料を用いて作製された膜厚25〜80μmの塗膜。
12)前記)に記載の金属用紫外線硬化型塗料を用いて作製された膜厚10〜25μmの塗膜。
13)前記1)〜10)のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料でコーティングしたことを特徴とする金属材又は金属製品。
14)前記金属がアルミニウム、アルマイト処理アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金又はステンレスであることを特徴とする前記13)に記載の金属材又は金属製品。
本発明によれば、1コート仕様という工程減、省設備、省スペース、省エネルギーで、プライマー塗装時の不良発生に伴う不良率を低減でき、しかも、金属に対する密着性、硬度に優れる金属用紫外線硬化型塗料が得られる。また、塗装仕様に合わせて主樹脂を選択することにより、薄膜仕様、厚膜仕様が可能なため、幅広い金属材・金属製品への適用が可能となる。
本発明の金属用紫外線硬化型(UV)塗料は、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの混合物からなる反応性オリゴマーを20〜90質量%含有するものである。
<主樹脂>
本発明で用いる反応性オリゴマーは、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの混合物である。前記の化合物は、1個又は2個以上の架橋性官能基を有する化合物であり、本発明の金属用UV塗料において主樹脂として好適に用いられる。
アクリルアクリレート及びポリエステルアクリレートは、少なくとも紫外線により硬化性を有するもので、塗料化が可能なものである限り特に制限されず、用途や必要物性を考慮して適宜選択される。アクリルアクリレート及びポリエステルアクリレートは、それぞれ単体で用いても良く2種以上の混合物として用いても良い。
アクリルアクリレートとしては、例えば、オリゴマー1分子中に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を導入した構造を有する化合物が挙げられる。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を指す(以下、同様)。オリゴマー1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は好ましくは1〜7、より好ましくは2〜4である。質量平均分子量は好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは7,000〜70,000である。分子量が低すぎると、基本的な塗膜物性が得られない。また、紫外線照射による架橋反応が進行し難くなることで、塗膜にべたつきが残りやすくなる。さらに、乾燥時に溶媒と同様に揮発することが考えられ、これにより硬化性や塗膜の均一性が悪化する。一方、分子量が高すぎると、外観(平滑性)が悪化し、また、高分子化による粘度増大により、塗装時のシンナー希釈率を高くする必要があり、これにより塗装付着効率が低下する。
アクリルアクリレートの市販品としては、オレスターRA3055、オレスターRA3050、オレスターRA3081、オレスターRA3057、オレスターRA3091、オレスターRA5000、オレスターRA3030、オレスターRA5000(以上、三井化学(株))、MiramerSC9050(MIWON社)等が、好ましい化合物として挙げられる。なお、オレスターRA5000は、アクリルアクリレートとウレタンアクリレートの混合物である。
ポリエステルアクリレートとしては、例えば、ポリエステル1分子中に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を導入した構造を有する化合物が挙げられる。オリゴマー1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5である。質量平均分子量は好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは4,000〜70,000である。分子量が低すぎると、基本的な塗膜物性が得られない。また、紫外線照射による架橋反応が進行し難くなることで、塗膜にべたつきが残りやすくなる。さらに、乾燥時に溶媒と同様に揮発することが考えられ、これにより硬化性や塗膜の均一性が悪化する。一方、分子量が高すぎると、外観(平滑性)が悪化し、また、高分子化による粘度増大により、塗装時のシンナー希釈率を高くする必要があり、これにより塗装付着効率が低下する。
ポリエステルアクリレートの市販品としては、アロニックスM−6250、アロニックスM−6500、アロニックスM−7100、アロニックスM−7300K、アロニックスM−8030(以上、東亞合成(株))、ユニデックV−3021(DIC(株))、MiramerPS610(MIWON社)、ETERCURE6385、ETERCURE6390、ETERCURE6316(以上、長興化学工業(株))、エベクリル446、エベクリル438(以上、(株)ダイセル)等が、好ましい化合物として挙げられる。
本発明の金属用UV塗料においてアクリルアクリレートを含有する場合には、塗膜硬度が高く、塗膜の耐水性に優れるものが得られる。また、アクリルアクリレートは、比較的高分子量の化合物が多く、収縮緩和の観点より金属に対する密着性が良好となる。一方で、化合物の粘性が高く、薄膜(20μm以下)での塗膜の外観(光沢、平滑性)等が若干劣る傾向にある。
本発明の金属用UV塗料においてポリエステルアクリレートを含有する場合には、アクリルアクリレートと比較して、塗膜の外観(光沢、平滑性)に優れる塗料となり、薄膜(20μm以下)でも高外観の塗膜が得られる。また、化合物の粘性が比較的低いため、ハンドリング性に優れる。
上記の観点より、厚膜(25〜80μm、望ましくは30〜80μm)仕様の塗膜を形成する場合には、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートを併用することが好ましい。アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの併用比(質量比)は、99:1〜30:70の範囲が好ましく、より好ましくは90:10〜40:60、さらに好ましくは70:30〜40:60の範囲である。
一方で薄膜(10〜25μm、望ましくは10〜20μm)仕様の塗膜を形成する場合には、ポリエステルアクリレートとアクリルアクリレートを併用することが好ましい。併用により、塗膜の硬度、耐水性及び外観(光沢、平滑性)に優れる塗料を得ることができる。ポリエステルアクリレートとアクリルアクリレートの併用比(質量比)は、99:1〜40:60の範囲が好ましく、より好ましくは90:10〜50:50、さらに好ましくは80:20〜60:40の範囲である。
上記アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの混合物は、本発明の金属用UV塗料において主樹脂として好適に用いることができるので、その含有量は、当該金属用UV塗料の揮発成分である溶剤を除いた塗膜構成成分に対して10質量%以上を要し、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%とするのが良い。含有量が少なすぎると金属素材との密着性が低下し、含有量が多すぎると密着性以外の塗膜物性(硬度等)の調整が困難となる。
<塗膜の密着性向上成分>
塗装対象となる金属表面は、酸洗、研摩、化成処理等によって何らかの加工を受けているものが多く、塗装下地としてリン酸塩化成処理を施しているものもある。本発明の金属用UV塗料では、これら金属表面(表面処理品、表面未処理品)に対して、塗膜の密着性を高めるための密着性向上成分を含有させることが好ましい。
上記密着性向上成分としては、(a)成分;シランカップリング剤及び/又はシランカップリング剤の加水分解縮合物、(b)成分;酸基を有する(メタ)アクリレート、(c)成分;アクリルポリオール等を挙げることができる。これら(a)〜(c)成分は、単独で用いることも併用することもでき、各成分とも2種以上の化合物を含有させることもできる。
(a)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、それを金属用UV塗料に含有させることにより、加水分解によって生じるシラノール基が、金属の腐食進行に伴って生じるOHイオンと縮合反応し、金属と塗膜の化学結合を生じさせて密着性を補う効果がある。
上記シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトシシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤及び/又はシランカップリング剤の加水分解縮合物の含有量は、金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分に対して、好ましく0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
(b)酸基を有する(メタ)アクリレート
酸基を有する(メタ)アクリレートは、金属表面で金属塩を生成する。その金属塩が塗膜中の内部応力を緩和する硬化があり、塗膜の密着性、耐湿試験等の二次付着性を向上させる効果がある。
上記酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このうち、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレートは密着性向上効果が大きい。
上記のリン酸(メタ)アクリレートは、分子中にアクリル基又はメタアクリル基を有するリン酸化合物をいう。リン酸(メタ)アクリレートとしては、密着性向上効果が大きい点より一般式(1)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006154793
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のアルキレン基又は−OC(O)R−O−基を表し、pは1〜2の数を表す。)
上記一般式(1)中のRは、炭素原子数1〜20のアルキレン基であるが、炭素原子数が1〜20の範囲であれば、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれの化合物でも良い。具体的な化合物としては、例えば、メタクリロイルオキシエチルジヒドロキシホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシホスフェート、12−メタクリロイルオキシドデシルヒドロキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシルジヒドロキシホスフェート等が挙げられる。リン酸(メタ)アクリレートは、1種又は2種以上を併用することもできる。
酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
(c)アクリルポリオール
アクリルポリオールは、UV硬化に関与しないものの、水酸基による水素結合により、また、塗膜の硬化収縮が緩和することにより金属に対する密着性を補強する効果がある。また、アクリルポリオールはUV樹脂に比べ比較的安価であり、塗料材料の単価低下にも寄与する。
上記アクリルポリオールは、1分子中に1個以上の水酸基と重合性不飽和結合を有する水酸基含有アクリルモノマー(c1)と、他のモノマー(c2)との共重合により得られる。
水酸基含有アクリルモノマー(c1)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の炭素数2〜4のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物;ラクトン変性のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;ポリオキシエチレン変性のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン変性のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン変性のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
共重合させる他のモノマー(c2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8)のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜4)のアルコキシアルキルエステル、アミノ(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルとしては、例えば、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミノ(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
上記エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、上記カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
アクリルポリオールは、公知の重合法によって製造でき、生産効率の点から、溶液重合法が好ましい。溶液重合法としては、モノマー成分を有機溶媒に溶解し、攪拌しながら、重合開始剤の存在下に窒素雰囲気下で60〜180℃の温度で加熱する方法が挙げられる。重合時間は、通常、1〜10時間である。有機溶媒としては、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
アクリルポリオールの含有量は、金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分に対して好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜10質量%である。含有量が多くなりすぎると諸物性が低下する。
<塗膜物性改良成分>
本発明の金属用UV塗料では、より良好な塗膜物性(特に、柔軟性、耐水性)や、表面特性(特に、平滑性)を達成するために、また塗装の作業性や硬化時の硬化収縮を考慮し、さらには高粘度の反応性オリゴマーの粘度調整のために、紫外線硬化性モノマーを含有させることができる。かかる紫外線硬化性モノマーは、上記反応性オリゴマーを溶解するものが好ましく使用される。
アクリルアクリレートを主樹脂とする金属用UV塗料は、硬化塗膜が硬脆く、密着性評価でカッター目を入れると、カッター目のクロス部がカケやすく、特にアクリルアクリレーを単体で含有させると、厚膜時に硬化収縮が進み密着性が低下する傾向が見られるが、柔軟性の高い紫外線硬化性モノマーを含有させることで、かかる欠点を改良することができる。
上記紫外線硬化性モノマーとしては、(d)成分;1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート及び/又は(e)成分;1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを挙げることができる。これら(d)成分及び(e)成分は、単独で用いることも併用することもできる。それぞれ2種以上の化合物を併用することもできる。
(d)1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート及び(e)1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分に対して、それぞれ、1〜30質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%の範囲である。
(d)ウレタン(メタ)アクリレート
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタンオリゴマーと反応性官能基を有する(メタ)アクリレートの反応により得ることができ、例えば、多価アルコールと多価イソシアネートを、多価イソシアネートを過剰に用いる条件下で反応させて得られる少なくとも両末端にイソシアネート基を有するウレタンオリゴマーを、水酸基を有する(メタ)アクリレートと反応させる方法、或いは、多価アルコールと多価イソシアネートを、多価アルコールを過剰に用いる条件下で反応させて得られる少なくとも両末端に水酸基を有するウレタンオリゴマーを、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートと反応させる方法により得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレート1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は特に限定はないが、硬度等の向上という観点からは3〜6個が好ましい。
多価アルコール化合物としては、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等のアルカンジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール・ブロックコポリマー等のポリアルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体等が挙げられる。
また、これら以外の多価アルコール化合物として、アジピン酸と多価アルコールとをエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトンの開環重合体であるポリカプロラクトンポリオール;ジメチルカーボネートと多価アルコールの重合体であるポリカーボネートジオールなどを用いることもできる。
これらの多価アルコール化合物は、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
多価イソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート;これらの芳香族系ジイソシアネート及び脂肪族系ジイソシアネートの尿素変性体やビュレット変性体が挙げられる。これらの多価イソシアネートは、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
水酸基を有する(メタ)アクリルレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの水酸基にε−カプロラクトンを反応させたカプロラクトン変性モノ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの水酸基にγ−ブチロラクトンを反応させたブチロラクトン変性(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらの化合物は、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
(e)(メタ)アクリレート
(メタ)アクリレートは、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は(メタ)アクリレートであれば特に限定はない。塗膜の硬化調整という観点からは、1分子中の官能基数は好ましくは2個以上、より好ましくは3〜6個である。これらの化合物は、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
塗膜に柔軟性を付与する場合(特に厚膜仕様の場合)は、柔軟性の高いモノマー(例えば、ホモポリマーの伸び率が100%以上のもの)を添加することが好ましく、これにより厚膜時等に塗膜が硬脆くなりすぎることを防ぎ、密着性の安定化を図ることができる。好ましい化合物としては、芳香環を有する(メタ)アクリレート類があり、市販品としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピルアクリレート(KAYARAD R−128H;日本化薬、アロニックスM−5700;東亞合成)、ノニルフェノールEO変性アクリレート(アロニックスM−111;東亞合成)等が挙げられる。
主樹脂の硬化性が十分でないために必要な硬度等が得られない場合には、硬化性調整剤として、3官能以上のアクリレートモノマーを使用するのが良い。かかるモノマーの具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート等が挙げられる。
<塗料の粘度特性改良成分>
主樹脂の粘度が高すぎるために塗装適性が得られない場合、特に無溶剤仕様とする場合には、塗料を適正な粘度に調整するために、低分子量モノマーで粘度が低いもの、好ましくは1〜2官能の(メタ)アクリレートモノマーを使用するのが良い。できるだけ金属に対する適性を損なわない、硬化収縮が強くないものを選択するのが良い。このような粘度調整剤を用いることにより、アクリルアクリレート等の高粘度樹脂を塗装可能な粘度まで調整することができる。
かかるモノマーの具体例としては、イソボルニルアクリレート、ポリアルキレングリコール(POA)、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸グリシジルメタクリレート(HOMS)等が挙げられる。
粘度調整剤の含有量は、金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分に対して好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%である。
<光重合開始剤>
金属用UV塗料が含有する光重合開始剤は、紫外線の照射によって重合・硬化を開始するものであれば、公知の光重合開始剤を使用できる。ただし、厚膜仕様においては、短波長側に吸収領域を持つものを使用すると、塗膜表面の硬化性が良いが、内部硬化性が悪く、硬化収縮の歪みが発生しやすく密着性の低下を招くため、内部硬化、表面硬化のバランスを考慮して選択する必要がある。光重合開始剤は、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
主に長波長側に吸収領域を持つ、主な吸収領域が270nm以上の開始剤としては、イルガキュア754(オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルと、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物)、イルガキュア2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)等が好ましい。
主に短波長側に吸収領域を持つ、主な吸収領域250nm前後又はそれ以下の開始剤としては、イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)ベンゾフェノン等が好ましい。
光重合開始剤の含有量は、反応性オリゴマーやモノマーの重合・硬化を達成できる限り特に制限されず、通常は金属用UV塗料の溶剤を除いた塗膜構成成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜7質量部である。
<溶剤>
本発明の金属用UV塗料は、溶剤系、無溶剤系のいずれの形態であっても構わない。
溶剤系における希釈溶媒は、反応性オリゴマーを溶解可能であれば特に制限されない。好ましい有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;等が挙げられる。これらの溶媒の単体又は混合物を用いることができる。
溶剤は、金属用UV塗料が適度な粘性(スプレーガンによる塗装の場合20〜70mPa・s)を有するように、含有させれば良く、当該塗料全量に対して好ましくは60質量%以下の量を含有させる。
<添加剤等>
本発明の金属用UV塗料には、主樹脂、上記(a)〜(e)成分、粘度調整剤、光重合開始剤、溶剤の他に、レベリング剤、スリップ剤、消泡剤、光増感剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤等の添加剤や、着色顔料等を含有させることもできる。
多様なカラーバリエーションに対応するため着色顔料等を添加した場合、添加した顔料が照射された紫外線を阻害する要因となり、塗膜の硬化が十分に進まず、本来の塗膜物性が得られない結果となることがある。かかる問題点に対応するため、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートを適宜配合して架橋密度を上げたり、内部硬化の良い光開始剤を配合したりすることが望ましい。なお、架橋密度が上がりすぎると、塗膜の硬化収縮の増大から密着性の低下を招くため、密着性低下を招かない程度に架橋密度を抑える必要がある点は注意が必要である。
<塗料の塗布方法>
本発明の金属用UV塗料を使用して、金属材又は金属製品の表面に塗膜(硬化膜)を形成させるには、金属材又は金属製品の表面に前記塗料を塗布して乾燥(溶媒含有塗料の場合:溶媒除去)させた後、紫外線を照射する。塗布方法は、例えば、ロールコート方式、スプレー方式、ディップ方式、刷毛塗り方式、インクジェット方式、静電塗装方式等の公知の方法を用いればよい。
硬化後の塗膜厚さは特に限定されないが、薄膜仕様の場合には、10〜20μmの範囲が好ましい。塗膜の厚さが10μm未満では、外観(平滑性)や耐摩耗性等の塗膜物性に劣り、塗膜の厚さが20μmを超えると、塗膜収縮の増加から密着性が低下し、もしくは塗膜クラックが発生することがある。また、厚膜仕様の場合には、30〜80μmの範囲が好ましい。塗膜の厚さが30μm未満では、外観(平滑性)に劣り、塗膜の厚さが80μmを超えると、塗膜収縮の増加から密着性が低下し、もしくは塗膜クラックが発生することがある。
塗料は、1回の塗布で所望の厚さを塗布してもよいし、複数回塗布することで所望の厚さとしても良い。
紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は300〜1,500mJ/cm程度あればよく、好ましくは500〜1,000mJ/cmであり、ピーク強度は50〜100mW/cm、好ましくは60〜80mW/cmである。
<塗布対象>
本発明の金属用UV塗料を使用して、硬化膜を形成させることが可能な金属材に特に制限はなく、例えば、アルミニウム、アルマイト処理アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金又はステンレス等が挙げられる。塗布対象は、家電製品(例えば、ノートブックコンピュータ、携帯型音楽プレイヤー)、光学機器製品(例えば、デジタルカメラ)の製品の表面部材として使用されている金属製品であっても良い。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。また、文中の「部」、「%」は質量基準であるものとする。
硬化塗膜の評価は、以下の方法に従った。
[密着性試験]
塗装品にカッターで1mm角の碁盤目を100マス(10×10マス)作成し、碁盤目部にセロハンテープを貼り付け、それを勢い良く剥がし、塗膜が剥離しなければ合格とした(○、◎は合格)。金属材は、SUS304、アルミニウムの2種類を使用した。
[外観]
塗装品の外観を目視確認し、外観異常がなく、かつ、平滑性が良好なものを合格とした(△、○、◎は合格)。
[硬度]
塗装品に、JIS K 5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行い、破れ法による評価を行った(△、○は合格)。
[温水試験]
塗装品を70℃温水に2時間浸漬させた後の塗装品の外観を目視確認し、外観異常がなければ合格とした(△、○は合格)。
参照例1
ポリエステルアクリレート:28.0部、(a)成分;シランカップリング剤1.0部、(b)成分;EO変性リン酸アクリレート2.0部、(c)成分;アクリルポリオール樹脂8.0部、(d)成分;多官能アクリレート4.0部、(e)成分;多官能ウレタンアクリレート10.0部、溶剤44.7部(トルエン34.7部、酢酸エチル10.0部)、光重合開始剤2.0部、及びレベリング剤0.3部を、混合分散し、UV塗料を調製した。
調製したUV塗料を、SUS材、アルミ材にそれぞれエアースプレー法により1回で塗装し、70℃−3分の乾燥を行った後、ピーク強度70mW/cm、積算光量800mJ/cm(照射時間50秒)の照射条件にて紫外線照射を行い、膜厚15μmの硬化塗膜を形成し、各金属材に対する塗膜特性を評価した
参照例2〜8、実施例1
ポリエステルアクリレート及び/又はアクリルアクリレートと他の成分とを、下記の表1に示す配合組成(質量部)にて配合した以外は、参照例1と同様、調製したUV塗料を用いて硬化塗膜を形成し、各金属材に対する塗膜特性を評価した。
参照例9〜10、実施例2〜4
ポリエステルアクリレート及び/又はアクリルアクリレートと他の成分とを、下記の表1に示す配合組成(質量部)にて配合し、UV塗料を調製した。参照例1と同様、調製したUV塗料を用いて膜厚30〜40μmの硬化塗膜を形成し、各金属材に対する塗膜特性を評価した。
参照例11
ポリエステルアクリレート:39.58部、(a)成分;シランカップリング剤1.5部、(d)成分;ノニルフェノールEO変性アクリレート19.3部、(e)成分;多官能ウレタンアクリレート24.1部、粘度特性改良成分としてイソボルニルアクリレート9.7部、光重合開始剤5.8部、及びレベリング剤0.02部を、混合分散し、UV塗料を調製した。
参照例1と同様、調製したUV塗料を用いて膜厚30μmの硬化塗膜を形成し、各金属材に対する塗膜特性を評価した。
(比較例1〜3)
下記の表1に示す配合組成(質量部)にて配合した以外は、参照例1と同様、調製したUV塗料を用いて硬化塗膜を形成し、各金属材に対する塗膜特性を評価した。
塗料配合成分の詳細を表1に示す。
Figure 0006154793
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 0006154793
表2より、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレートの混合物を主樹脂とする紫外線硬化型塗料(実施例1〜)は、金属との密着性が優れており、しかも、塗膜の外観(平滑性)も良好であった。
これに対して、エポキシアクリレートを主樹脂とする紫外線硬化型塗料(比較例1〜2)は、金属との密着性が劣っていた。アクリルアクリレートを少量配合した紫外線硬化型塗料(比較例3)についても、同様の傾向が認められた。
以上の結果より、アクリルアクリレート及びポリエステルアクリレートを0〜90質量%以上含有する紫外線硬化型塗料を、金属材表面に塗布することにより、プライマーを用いることなく密着性と硬度と耐水性を兼ね備えた硬化塗膜を形成できることがわかる。また、密着性向上成分((a)、(b)、(c)成分)を配合することにより金属との密着性が向上すること、塗膜物性改良成分((d)、(e)成分)を配合することにより塗膜の外観、硬度が向上することがわかる。
本発明に係る金属用紫外線硬化型塗料は、家電製品、光学機器製品に使用される金属をコーティングする塗料として有用である。

Claims (14)

  1. 金属(ただし、金属蒸着面を含まない。)に直接塗装することが可能な金属用紫外線硬化型1コート塗料であって、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートの混合物からなる反応性オリゴマーを、塗膜構成成分(溶剤を除く)に対して、20〜90質量%含有することを特徴とする金属用紫外線硬化型塗料。
  2. アクリルアクリレートが、1分子中の(メタ)アクリロイル基数が1〜7であることを特徴とする請求項1に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  3. ポリエステルアクリレートが、1分子中の(メタ)アクリロイル基数が1〜5であることを特徴とする請求項1に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  4. さらに、(a)シランカップリング剤、(b)リン酸(メタ)アクリレート又はエチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、(c)アクリルポリオールからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  5. さらに、(d)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート及び/又は(e)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  6. 反応性オリゴマーが、アクリルアクリレートとポリエステルアクリレートを99:1〜30:70(質量比)の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  7. 反応性オリゴマーが、ポリエステルアクリレートとアクリルアクリレートを99:1〜40:60(質量比)の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  8. さらに、1〜2官能の(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  9. 無溶剤系塗料であることを特徴とする請求項に記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  10. 溶剤系塗料であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料。
  11. 請求項に記載の金属用紫外線硬化型塗料を用いて作製された膜厚25〜80μmの塗膜。
  12. 請求項に記載の金属用紫外線硬化型塗料を用いて作製された膜厚10〜25μmの塗膜。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の金属用紫外線硬化型塗料でコーティングしたことを特徴とする金属材又は金属製品。
  14. 前記金属がアルミニウム、アルマイト処理アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金又はステンレスであることを特徴とする請求項13に記載の金属材又は金属製品。
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