JP6886302B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6886302B2
JP6886302B2 JP2017015115A JP2017015115A JP6886302B2 JP 6886302 B2 JP6886302 B2 JP 6886302B2 JP 2017015115 A JP2017015115 A JP 2017015115A JP 2017015115 A JP2017015115 A JP 2017015115A JP 6886302 B2 JP6886302 B2 JP 6886302B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
meth
curable resin
acrylate
ultraviolet curable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017015115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017218572A (ja
Inventor
裕隆 遠山
裕隆 遠山
忠彦 唐木
忠彦 唐木
優子 田口
優子 田口
兼太朗 石川
兼太朗 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MinebeaMitsumi Inc
Original Assignee
MinebeaMitsumi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MinebeaMitsumi Inc filed Critical MinebeaMitsumi Inc
Priority to US15/609,794 priority Critical patent/US10167439B2/en
Priority to EP17174008.7A priority patent/EP3252110B1/en
Publication of JP2017218572A publication Critical patent/JP2017218572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6886302B2 publication Critical patent/JP6886302B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Lubricants (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、摺動部材の自己潤滑性ライナーを形成するための紫外線硬化性樹脂組成物及び自己潤滑性ライナーを備えた摺動部材に関する。
回転運動や並進運動の軸を摺動面にて保持する滑り軸受は広範な用途に使用されており、特に、摺動面に潤滑油を使用しない無潤滑滑り軸受は、低摩擦係数、高耐久性、高耐荷重性、高耐熱性、高耐油性などが要求される船舶や航空機等の用途に使用されている。
このような無潤滑滑り軸受として、特許文献1には、凹状の第1の軸受面を有する外輪部材と、第1の軸受面に対して摺動可能である凸状の第2の軸受面とを有する内輪部材とを備える、高荷重用途のための球面滑り軸受が開示されている。この球面滑り軸受は、外輪部材及び内輪部材の一方の部材がチタン合金製であり、その表面に物理的気相成長法(PVD)により形成された窒化チタンの軸受面を有している。他方の部材の軸受面は、樹脂で形成された潤滑ライナーを有している。潤滑ライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリアラミドの繊維からなり且つフェノール樹脂組成で飽和しているファブリックで構成されている。
本出願人による特許文献2は、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物を20重量%〜90重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を10〜50重量%含む硬化性樹脂組成物を開示している。この樹脂組成物により、滑り軸受の摺動面に形成される自己潤滑性ライナーを形成することができ、このような自己潤滑性ライナーを有する滑り軸受は、航空機等の用途に適していることが記載されている。
特許文献2に開示された無潤滑滑り軸受は、航空機等に組み込まれて使用されるため、低摩擦係数、高耐荷重性、耐熱性、耐油性を有するが、さらに自己潤滑性ライナーの厚みを増加させることが望まれる。また、自己潤滑性ライナーの摩擦を小さくするとともに耐摩耗性を向上するためにPTFEの添加量を増やすことも望まれる。さらに、自己潤滑性ライナーは、金属製の外輪部材の内周面との密着性が高いことも望まれる。
また、特許文献3において、ポリチオール化合物と光ラジカル開始剤とイソシアヌル酸環及び(メタ)アクリル基を有する化合物からなる光硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開2007−255712号公報 国際公開2013/161402号 特開2014−74082号公報
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明は、厚膜化及び潤滑性の向上が可能であるとともに、金属との密着性が高い自己潤滑性ライナーを形成するための樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような樹脂組成物よりなる自己潤滑性ライナーを有する摺動部材を提供することも目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、自己潤滑性ライナー用の紫外線硬化性樹脂組成物であって、下記式で表されるイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、
Figure 0006886302

(式中、Xはアクリロイル基を含み、かつC、H及びOのみからなる基であり、YとZは、C、H及びOのみからなる基である)
リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート及びシラン基を有する(メタ)アクリレートの少なくとも一方と、
ポリチオール化合物と、
固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂と
グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物とを含むことを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物が提供される。
記グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物は、グリシジルメタクリレート又は(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレートであってよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、染料を含んでよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを含んでよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物において、前記イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物が、ジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物であってよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物において、前記ポリチオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)のいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物であってよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物において、前記リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートがリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルであり、前記シラン基を有する(メタ)アクリレートが、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランであってよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物において、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂の前記紫外線硬化性樹脂組成物中の含有量が30〜80重量%であってよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールポリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含んでよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートまたはビスフェノールA型エポキシ変性アクリレートを含んでよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)のいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含んでよい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、さらに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含んでよい。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の紫外線硬化性樹脂組成物による自己潤滑性ライナーが摺動面に形成されている摺動部材が提供される。
前記摺動部材は、滑り軸受であってよい。前記滑り軸受は、球面滑り軸受であってよい。
前記摺動部材が、頭部と軸部とネジ部を有し、前記自己潤滑性ライナーが前記摺動面である前記軸部の外周面に形成されたボルトであってよい。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、ポリチオール化合物を含有することにより硬化性樹脂組成物の硬化反応が促進される。そのため、樹脂組成物の厚みが大きい場合も、紫外線照射により内部まで硬化させることができる。それゆえ、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を用いることにより厚みの大きい潤滑性ライナーを形成することができる。また、ポリチオールにより硬化反応が促進されるため、PTFEの含有割合を高くすることもできる。さらに、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、リン酸エステル又はシランの官能基を有する(メタ)アクリレートを含有していることにより、本発明の樹脂組成物を用いて形成された潤滑性ライナーは金属と強固に密着する。
図1(a)は本発明に従うスリーブ軸受の軸方向に沿って切断した縦断面図であり、図1(b)は、軸と直交する方向に切断した横断面図である。 本発明の樹脂組成物で形成した自己潤滑性ライナーを有する球面滑り軸受の構造を示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、本発明に従う球面滑り軸受を組み込んだロッドエンド球面滑り軸受の縦断面図及び横断面図である。 本発明の樹脂組成物で形成した自己潤滑性ライナーを軸表面に有するリーマボルトの外観を示す図である。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物及びそれにより形成された自己潤滑性ライナーを有する摺動部材について以下に説明する。
<摺動部材>
最初に、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物により形成された自己潤滑性ライナーを有する摺動部材の例を図1(a)及び(b)を参照しながら説明する。図1(a)及び(b)に示すスリーブ軸受10は、軸受鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン材、チタン合金などの金属から形成された円筒状の外輪部材12と、外輪部材12の内周面に形成された自己潤滑性ライナー層14とを有する。自己潤滑性ライナー層14は、自己潤滑性を有する樹脂層であり、以下に記載する本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を外輪部材12の内周面に塗布し、硬化させることで形成される。自己潤滑性ライナーは、切削、研削により寸法調整が容易であり、この意味で適宜「マシナブルライナー」(加工可能なライナー)と呼ぶことがある。なお、摺動部材は、少なくともその一部に摺動面を有する部材であれば特に限定されない。したがって、回転運動や並進(直動)運動に使用されるスリーブ軸受のみならず、後述するような球面すべり軸受、リーマボルトなどの種々の摺動部材が包含され、これらの摺動部材もまたは本発明の対象である。
<紫外線硬化性樹脂組成物>
紫外線硬化性樹脂組成物は、主に樹脂を構成する成分として、下記式(1)で表されるイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートを含む。
Figure 0006886302
式中、Xはアクリロイル基を含み、且つC、H及びOのみからなる基であり、YとZは、それぞれ、C、H及びOのみからなる基である。YとZは、アクリロイル基を含んでも、含まなくともよい。Xは、好ましくは、アクリロキシエチル基またはε−カプロラクトンで変性されたアクリロキシエチル基であり、Y及びZは、好ましくは、Xと同一の基である。なお、本願において用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
式(1)で表されるイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート(以下、単に、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートという)は、紫外線硬化性を有することに加えて耐熱性が非常に優れているため、摺動部材の自己潤滑性ライナーなどに好適となる。特に、航空機に組み込まれる摺動部材として使われるためには、163℃以上の耐熱性が要求されるが、このような用途にもイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートが好適となる。
このようなイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートのうち、組成物として摺動面に塗布できて、硬化後に摩耗の少ない自己潤滑性ライナーを形成できるものであることが好ましい。このような観点から、ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが好ましい。イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートは、単独で、または二種類以上を組み合わせて用いてもよい。特に、ジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのいずれか、またはジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートとトリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートの混合物が好ましい。
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートは、本発明の樹脂組成物中、15重量%〜50重量%含有されてよく、15重量%〜40重量%含有されてよく、特に、16重量%〜35重量%含有され得る。15重量%未満であると樹脂の流動性が不足し、塗布することが困難となり、ライナー強度も不足する傾向がある。50重量%を超えると後述する固体潤滑剤の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する傾向がある。
紫外線硬化性樹脂組成物は、金属との接着性向上剤として、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート、シラン基を有する(メタ)アクリレートを単独でまたは組み合わせて含有する。リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記式(2)で表されるリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、リン酸2−(アクリロイルオキシエチル)等を単独で、または二種類以上を組み合わせて用いることができる。シラン基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記式(3)で表される3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を単独で、または二種類以上を組み合わせて用いることができる。リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート及び/又はシラン基を有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物中、1重量%〜10重量%含有されてよく、特に1重量%〜5重量%含有され得る。1重量%未満であると接着向上効果が不十分であり、10重量%を超えると、後述する固体潤滑剤の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する傾向がある。
Figure 0006886302
Figure 0006886302
紫外線硬化性樹脂組成物は、粘度調整剤として、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを含有してよい。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記式(4)で表されるヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を単独で、または二種類以上を組み合わせて用いることができる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物に1重量%〜20重量%含有させて良い。
Figure 0006886302
紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化反応促進剤(重合反応促進剤)として、ポリチオール化合物を含む。ポリチオール化合物は、紫外線と熱のいずれによっても(メタ)アクリレートと反応するため、樹脂組成物に紫外線を照射した場合、ポリチオール化合物と(メタ)アクリレートが反応して反応熱が生じ、その反応熱によりポリチオールと(メタ)アクリレートの反応がさらに進行する。そのため、紫外線硬化性樹脂組成物の厚みが大きく樹脂組成物表面で紫外線が吸収されて樹脂組成物内部まで紫外線が到達しない場合も、樹脂組成物表面における反応によって発生した反応熱により、樹脂組成物内部における反応が進行する。それゆえ、紫外線硬化性樹脂組成物の厚みが大きい場合も、紫外線照射により樹脂組成物の内部まで硬化させることができるとともに、樹脂組成物におけるPTFEの含有量を多くすることも可能となる。また、紫外線硬化性樹脂組成物がポリチオール化合物を含有することにより、硬化収縮時の割れが防止される。ポリチオール化合物を含有することにより、ポリチオール化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトグリコレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトグリコレート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられ、これらの化合物は、それぞれ単独で用いても、また二種以上を混合して用いても良い。また、市販品としては、例えばTMTP、PETP(淀化学株式会社製)、TEMPIC、TMMP、PEMP、PEMP−II−20P、DPMP(SC有機化学株式会社製)、MTNR1、MTBD1、MTPE1(昭和電工株式会社製)等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。ポリチオール化合物は、本発明の樹脂組成物中、0.5重量%〜5重量%含有されてよい。0.5重量%未満であると硬化反応促進効果が不十分であり、5重量%を超えると後述する固体潤滑剤の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する傾向がある。
紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化反応促進剤として、グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物を含有してよい。グリシジル基又はオキセタン基を有する化合物は、熱によりチオール基と反応する。アクリル基を有する化合物は、紫外線照射により硬化する。紫外線硬化性樹脂組成物がこのような化合物を含有する場合、紫外線照射によりアクリル基を有する化合物が硬化し、さらに硬化反応の反応熱によってグリシジル基又はオキセタン基とチオール基の反応が引き起こされる。そのため、紫外線硬化性樹脂組成物の厚みが大きい場合も、紫外線照射により樹脂組成物の内部まで硬化させることができるとともに、樹脂組成物におけるPTFEの含有量を多くすることも可能となる。このような化合物としては、例えば、下記式(5)で表されるグリシジルメタクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート等を用いることができる。このような化合物は、樹脂組成物中、1重量%〜20重量%含有されてよく、特に4重量%〜10重量%含有され得る。1重量%未満であると硬化反応促進効果が不十分であり、20重量%を超えると、後述する固体潤滑剤の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する傾向がある。
Figure 0006886302
紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化後の強度および耐熱性を損なわず硬化速度を促進させるために、すなわち硬化促進剤として、3官能以上の(すなわち、(メタ)アクリル基を3つ以上持つ)(メタ)アクリレートモノマーを含有してよく、具体的には、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールポリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを単独で、または二種類以上含有してよい。3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含有することにより、重合反応の開始点が多くなり、それにより重合反応(硬化反応)が速くなる。また架橋点が多くなるため、樹脂硬化物の耐熱性が向上する。3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は15重量%以下であって良い。3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量が15重量%を超えると硬化が早くなりすぎるため、製造時のハンドリングが難しくなる。
紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化後の強度を損なわず耐薬品性能を付与するために、すなわち耐薬品性剤として、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートまたはビスフェノールA型エポキシ変性アクリレートを20重量%以下含有しても良い。変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート及びビスフェノールA型エポキシ変性アクリレートは剛直なため、20重量%を超えて含有すると樹脂硬化物に割れが生じてしまうおそれがある。
紫外線硬化性樹脂組成物は、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートのUV照射の架橋反応の補助剤として、架橋性モノマーを単独で、または二種類以上を5重量%以下含有して良い。架橋性モノマーとしては反応性の等しい不飽和結合を2個以上有するモノマーを用いることができる。例えば、2官能の(すなわち、(メタ)アクリル基を2つ持つ)(メタ)アクリレートモノマー、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。紫外線硬化樹脂組成物が架橋性モノマーを含有することにより、別々に重合反応が進行している分子鎖同士を架橋させることができる。そのため架橋点が増加し、樹脂硬化物の硬度が高くなる。
本発明の樹脂組成物は固体潤滑剤(固体摺動剤)を含む。固体潤滑剤は、樹脂組成物の硬化用または重合用に紫外線が照射されるときにも紫外線の透過性を損ねないものがよい。このような点から、有機白色固体潤滑剤のポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、適宜「PTFE」と略する)を用いる。
固体潤滑剤として、1種類のPTFEを単独で用いてもよいし、平均粒子径が相異なる2種類のPTFEを併用してもよい。平均粒子径が相異なる2種類のPTFEを併用する場合は、平均粒子径が大きい(例えば平均粒子径が75〜180μm、好ましくは100μm以上)PTFEと、平均粒子径が小さい(例えば平均粒子径が20μm以下、好ましくは1〜15μm)PTFEとを併用してもよい。
PTFEは、樹脂組成物全量に対して30〜80重量%、特には、40〜70重量%含有させることができる。従来、PTFEの含有量が多いと、PTFEにより光が遮蔽されて樹脂組成物を完全に硬化させることが難しかったが、本発明の樹脂組成物は上述のように硬化反応を促進させるポリチオール化合物を含有するため、PTFEの含有量が多くても完全に硬化させることができる。それゆえ、本発明の樹脂組成物は従来よりも多くのPTFEを含有することができる。PTFEは、粉末状や繊維状など任意の形態のものを単独または組み合わせて使ってもよい。PTFE粉末の粒子または繊維は、その表面をナトリウムナフタレンでエッチング後にエポキシ変性アクリレートで被覆する表面処理を施してもよい。このような表面処理を施すことで、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレートより生成するアクリル樹脂との親和性が高まり、アクリル樹脂との結合がより強固となる。これにより、本発明の樹脂組成物を自己潤滑性ライナーとして用いた時に、摺動時にPTFE粒子及び繊維が自己潤滑性ライナーから脱落するのを抑制することができ、自己潤滑性ライナーの摩耗量を少なくすることができる。
本発明ではPTFE以外の固体潤滑剤を用いることもできる。たとえば、メラミンシアヌレートや六方晶窒化ホウ素を含んでもよい。PTFEと共にメラミンシアヌレートを用いることにより、PTFEを単独で用いたときよりも、樹脂組成物硬化後の摩擦係数を低減することができる。この場合、メラミンシアヌレートは樹脂組成物全量に対して30重量%以下で含有させることが望ましい。メラミンシアヌレートの含有量が30重量%を超えると、自己潤滑性ライナーの摩擦係数は下がるが、摩耗量は増える傾向がある。メラミンシアヌレートの構造は6員環構造のメラミン分子とシアヌル酸分子が水素結合で結合して平面状に配列し、その平面が互いに弱い結合で層状に重なり合い、へき開性を有する構造となっている。このような構造が固体潤滑性に貢献していると考えられる。
本発明の樹脂組成物は、重合性染料、水性染料、油性染料等の染料を含有してよい。例えば樹脂組成物の用途や種類に応じて当該樹脂組成物を着色することにより、樹脂組成物及びそれを用いて製造した部材の用途や種類を視覚的に識別することが可能となる。なかでも重合性染料は、油性染料や水性染料と比べ水や溶剤へ溶出しにくいという点で優れている。そのため、本発明の樹脂組成物を水や溶剤で汚染される厳しい環境下で用いる場合は、重合性染料を使うとよい。従来の樹脂組成物に重合性染料を含有させた場合、重合性染料により光が遮蔽されて樹脂組成物を完全に硬化させることが難しかった。しかし、本発明の樹脂組成物は上述のように硬化反応を促進させるポリチオール化合物を含有するため、重合性染料を含有していても完全に硬化させることができる。重合性染料としては、RDW−R13、RDW−R60、RDW−G01、RDW−B01(和光純薬工業製)等を用いることができる。水性染料としては、ニッペホームプロダクツ株式会社製の「水性つやありEXE」(色:レッド)、「水性エナメルミニ」(色:ブルー)等を用いることができる。油性染料としては、ニッペホームプロダクツ株式会社製の「油性つやありEXE」(色:レッド)、「エナメル」(色:緑)等を用いることができる。染料の含有量は、本発明の樹脂組成物中1重量%以下であってよい。1重量%以下で十分な着色が得られる一方、1重量%を超えると樹脂組成物の硬化が不十分になる傾向がある。
紫外線により本発明の樹脂組成物の重合反応を開始させるために、光重合開始剤を本発明の樹脂組成物中0.01〜5重量%含有させてよい。光重合開始剤は、例えば、以下のものを単独または複数組み合わせて使用してもよいが、特にこれらに限定されるものではない。ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)。
熱による本発明の重合反応を促進させるために、熱によってラジカルを発生させるアゾ重合開始剤を本発明の樹脂組成物中0.01〜5重量%含有させてよい。樹脂組成物がアゾ重合開始剤を含有する場合、紫外線照射によって引き起こされた重合反応の反応熱によってアゾ重合開始剤がラジカルを発生させ、それにより(メタ)アクリレートの重合反応が引き起こされる。そのため、樹脂組成物内部等の紫外線が当たらない部分でも重合反応が進行し、樹脂組成物全体を硬化させることができる。アゾ重合開始剤は、例えば、以下のものを単独または複数組み合わせて使用してもよいが、特にこれらに限定されるものではない。ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート。
本発明の樹脂組成物には、自己潤滑性ライナーの強度を向上させる目的で、ガラス繊維を添加してもよい。ガラス繊維としては、断面形状が円形の円形断面ガラス繊維を用いてもよいし、断面形状が円形ではない異形断面ガラス繊維を用いてもよい。尚、本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維以外にも、強化繊維として、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカーのような無機系繊維を含有してもよい。ガラス繊維の添加量は、樹脂組成物の15重量%以下が好ましい。ガラス繊維の添加量が樹脂組成物の15重量%を超えると、自己潤滑性ライナーの切削・研削時に切断されたガラス繊維が相手材表面の摩耗を促進する傾向が高まるので、マシナブルライナーとしての利点が損なわれる可能性がある。なお、ガラス繊維は紫外線の透過性を低下させない点で好適である。
本発明の樹脂組成物は、室温で液状であることが望ましい。これにより、摺動部材の摺動面に容易に塗布することができ、塗布後、紫外線を照射することで硬化させることができる。
本発明の樹脂組成物には、その他、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、保存安定剤などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、液状の紫外線硬化性樹脂を樹脂のベースとして用いているので、PTFEを含む固体潤滑剤を混合することが容易であり且つ、従来の紫外線硬化性樹脂組成物では配合できなかった30〜80重量%という高配合量でPTFEを添加することができるので、より低摩擦で摩耗の少ない自己潤滑性ライナーを製造することができる。
本発明では、上記式(1)で表されるイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート及び/又はシラン基を有する(メタ)アクリレートと、ポリチオール化合物と、固体潤滑剤であるPTFEとを含む紫外線硬化性樹脂組成物を前記摺動部材の摺動面に塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、自己潤滑性ライナーが形成された摺動部材が提供される。紫外線硬化性樹脂組成物はポリチオール化合物等を硬化反応促進剤として含有するため、この自己潤滑性ライナーは、後述する実施例で示すように3mm以上の厚みを有することができる。紫外線硬化性樹脂組成物がさらにグリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物を含有する場合には、自己潤滑性ライナーは、後述する実施例で示すように5mm以上の厚みを有することができる。また、紫外線硬化性樹脂組成物は30〜80重量%の高割合でPTFEを含有できるため、低摩擦で高耐摩耗性の自己潤滑性ライナーの製造が可能となる。さらに、紫外線硬化性樹脂組成物は、リン酸エステル又はシランの官能基を有する(メタ)アクリレートを含有しているため、自己潤滑性ライナーは摺動部材に強固に密着する。また、この自己潤滑性ライナーは、所望の寸法に切削または研削により後加工することができるマシナブルライナーとなる。
本発明の樹脂組成物及びそれより形成した自己潤滑性ライナーを備える摺動部材を実施例、参考例及び比較例により説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
<紫外線硬化性樹脂組成物の製造>
実施例1〜6、参考例1〜25、比較例1〜5において、以下の成分A〜Jとして成分a1〜a3、b1、b2、b’1、b’2、c1〜c5、d1、d2、e1〜e6、f1、f2、g、h1、h2、i1〜i4、jを表1〜3に記載の組成となるように混合して液状の樹脂性組成物を調合した。
成分A:イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物
成分a1:ジ−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(M−215、東亞合成社製)
成分a2:トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(FA−731AT、日立化成社製)
成分a3:ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(A−9300−1CL、新中村化学工業社製)
成分B:リン酸エステル基又はシラン基を有する(メタ)アクリレート
成分b1:リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル
成分b2:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
成分B’:成分Bの比較成分
成分b’1:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー(UA−306H、共栄社化学社製)
成分b’2:ビスフェノールA型エポキシアクリレート(EBECRYL 3700、ダイセル・オルネクス社製)
成分C:ポリチオール化合物
成分c1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
成分c2:1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン
成分c3:1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
成分c4:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
成分c5:トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)
成分D:グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物
成分d1:グリシジルメタクリレート
成分d2:(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート
成分E:染料
成分e1:重合性染料(RDW−R13、和光純薬工業製)
成分e2:重合性染料(RDW−R60、和光純薬工業製)
成分e3:重合性染料(RDW−G01、和光純薬工業製)
成分e4:重合性染料(RDW−B01、和光純薬工業製)
成分e5:油性染料(油性つやありEXE レッド、ニッペホームプロダクツ社製)
成分e6:水性染料(水性つやありEXE レッド、ニッペホームプロダクツ社製)
成分F:重合開始剤
成分f1:光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCURE1173、BASF社製))
成分f2:熱重合開始剤(2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(VAm−110、和光純薬工業製))
成分G:ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート(反応性希釈剤)
成分g:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
成分H:3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー
成分h1:トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、ダイセル・オルネクス社製)
成分h2:ジペンタエリトリトールポリアクリレート(A−9550、新中村化学社製)
成分I:固体潤滑剤
成分i1:平均粒子径160μmのPTFE(KT−40H、株式会社喜多村製)
成分i2:平均粒子径130μmのPTFE(KT−60、株式会社喜多村製)
成分i3:平均粒子径12μmのPTFE(KTL−610A、株式会社喜多村製)
成分i4:平均粒子径3.5μmのPTFE(KTL−8FH、株式会社喜多村製)
なお、PTFEの平均粒子径は、JIS Z8815のふるい分け試験方法によって求めることができる。また、平均粒子径が45μm未満の場合は、該平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めることができる。いずれの測定方法においても、平均粒子径は、粒度分布における積算値50%での粒子径(累積分布におけるメジアン径)を意味する。
成分J:強化繊維
成分j:ガラス繊維(平均繊維長65μm×平均径φ11μm、SS05DE−413、日東紡社製)
Figure 0006886302
Figure 0006886302
Figure 0006886302
<自己潤滑性ライナーの製造>
SUS630ステンレス鋼をH1150条件で熱処理した材料を用いて図1(a)及び(b)に示すような円筒状のスリーブ軸受(幅(軸方向長さ)12.7mm、外径30.2mm、内径24.9mm)を作製した。このスリーブ軸受の内周面に実施例1〜6、参考例1〜25及び比較例1〜5で調製した樹脂組成物を、それぞれ、ディスペンサーを用いて均一に塗布した。次いで、塗布した樹脂組成物に紫外線を1分間照射して、樹脂組成物を硬化させ、内周面にマシナブルライナーを形成した。次いで、このマシナブルライナーをライナーの厚さが0.25mmになるように切削及び研削し、内径25.4mmに仕上げた。
1.接着強度
参考例1〜3、比較例1〜3の樹脂組成物について、JIS K 6850規格に準じて接着強度を測定した。接着強度の値を表4に示す。
Figure 0006886302
表4に示すように、成分Bとして成分b1、b2のいずれか又は両方を含む参考例1〜3の樹脂組成物は、成分Bを含まない比較例1〜3の樹脂組成物と比べて接着強度が高かった。
2.厚膜光硬化試験
内径10mm、深さ30mmのポリプロピレン製の円柱状容器に実施例1〜6、参考例4〜9及び比較例4、5の樹脂組成物を注いだ。樹脂組成物の液面に紫外線を積算光量3000mJ/cmで照射し、樹脂組成物を硬化させた。樹脂組成物を円柱状容器から取出し、硬化した樹脂組成物の長さを測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006886302
表5に示すように、ポリチオール化合物である成分Cを含有する参考例4、6〜9の樹脂組成物の長さが、成分Cを含有しない比較例4の樹脂組成物の長さよりも長かったことから、成分Cを含有することにより樹脂組成物の硬化膜厚を大きくすることが可能であること、及び、成分c1〜c5のいずれによっても樹脂組成物の硬化膜厚を大きくする効果が得られることが分かった。また、グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物である成分Dを含有する実施例1〜4の樹脂組成物の長さが、成分Dを含有しない参考例4の樹脂組成物の長さより長かったことから、成分Dを含有することによりさらに樹脂組成物の硬化膜厚を大きくすることが可能であることが分かった。
染料である成分Eを含有する参考例5、比較例5の樹脂組成物の長さを、成分Eを含有しない参考例4、比較例4の樹脂組成物の長さとそれぞれ比べると、参考例5及び比較例5の方がより長さが短かったことから、染料により光が遮蔽されるために硬化膜厚が小さくなる傾向があることが分かった。しかし、成分C及び成分Eを含有する参考例5の樹脂組成物の長さが成分C及び成分Eをいずれも含有しない比較例4の樹脂組成物の長さよりも長かったことから、成分Cを含有することで成分Eの硬化膜厚低下の影響を埋め合わせ可能であることが分かった。また、成分C、成分D及び成分Eを含有する実施例5、6の樹脂組成物の長さが、成分C及び成分Eを含有するが成分Dを含有しない参考例5の樹脂組成物の長さよりも長かったことから、成分Eを含有している場合でも、成分Eを含有しない場合と同様に、成分Dの樹脂組成物の硬化膜厚をさらに大きくする効果が得られることが分かった。
3.着色剤溶出試験
参考例5、10〜14、21の樹脂組成物に紫外線を照射して硬化した。硬化した樹脂組成物をIPA、防錆油(アンチラストテラミ SC、JXエネルギー社製)、純水及び硝酸(50wt%)に浸し、1週間放置した。着色剤(染料)の溶出の有無を調べるために、樹脂組成物を浸したIPA、防錆油、純水、硝酸の波長350〜700nmにおける吸光度を吸光高度計(V−530、JASCO社製)で測定した。測定領域内において吸光度が0.05を超えた場合は、硬化した樹脂組成物から着色剤が溶出したと判断した。結果を表6に示す。表6中、○は染料が溶出しなかった場合、×は染料が溶出した場合をそれぞれ示す。
Figure 0006886302
表6に示すように、重合性染料である成分e1〜e4を含有する参考例5、10〜12、21はいずれの液にも着色剤は溶出しなかったが、油性染料である成分e5を含む参考例13はIPA及び防錆油に着色剤が溶出し、水性染料である成分e6を含有する参考例14は純水及び硝酸に着色剤が溶出した。この結果から示されるように、重合性染料は溶剤への溶出がない点で油性染料や水性染料よりも優れている。
上記実施例及び参考例では、本発明の樹脂組成物を図1(a)、(b)に示すような形状のスリーブ軸受に適用したが、それに限らず種々の形状及び構造の摺動部材に適用することができる。
<球面滑り軸受>
球面滑り軸受20は、図2に示すように、凹球面状の内周面22aを有する外輪22と凸球面状の外周面26aを有する内輪26と、内周面22aと外周面26aとの間に形成されたマシナブルライナー24を有する。ライナー厚さは、例えば、0.25mm程度とすることができる。
<ロッドエンド球面滑り軸受>
上記球面滑り軸受20をロッドエンドボディ50に組み込んだロッドエンド球面滑り軸受60の例を図3(a)、(b)に示す。ロッドエンドボディ50は、球面滑り軸受20を組み込む貫通穴52aを有する頭部52と、メネジまたはオネジ56を設けた軸部54からなる。軸部54は頭部52から貫通穴52aの半径方向に延在する略円筒体である。球面滑り軸受20は貫通穴52aに挿入された後、貫通穴52aの縁に形成されているV溝(不図示)をカシメることによってロッドエンドボディ50に固定される。
<リーマボルト>
図4に示すようなリーマボルト70は、頭部72と、大径の軸部74と、小径のオネジ部76からなる本体部と、軸部74の外周に設けられたマシナブルライナー74aとを備える。マシナブルライナー74aは、上記のいずれかの実施例及び参考例の樹脂組成物を実施例及び参考例に記載したような方法で均一に塗布し、硬化させることで形成される。リーマボルト70の本体部は、例えば、SUS630から形成されている。ライナー74a厚さは0.25〜0.5mm程度とすることができる。
リーマボルト70は、たとえば船舶のプロペラ軸、航空機の可動翼、自動車エンジンのコンロッドなどの高トルクを伝達する重要連結部に用いられる。このような重要連結部に用いられるリーマボルト70はボルト穴との嵌め合いをガタがないような高精度の嵌め合いにする必要がある。従って、リーマボルト70の軸部74は高精度に仕上げられるが、それでも組立時にボルト側で寸法調整ができた方が有利である。本発明に従うリーマボルトはマシナブライナー74aを有するため、樹脂を硬化させた後でもユーザ側で容易に胴部の外径寸法を調整することができる。また、組立時や分解時にボルトを挿入したり、抜いたりしても自己潤滑性であるマシナブルライナー74aを軸部74に有するのでカジリなどが発生せず、長寿命のリーマボルト70がもたらされる。
本発明を実施形態実施例及び参考例により説明してきたが、本発明はそれらに限定されることなく、特許請求の範囲内において種々の形態または態様で具現化することができる。例えば、上記具体例においては、球面滑り軸受及びロッドエンド球面滑り軸受の外輪の内周面に自己潤滑性ライナーを形成したが、内輪の外周面に自己潤滑性ライナーを形成してもよい。また、摺動部材として、球面滑り軸受、ロッドエンド球面滑り軸受及びリーマボルトを例に挙げて説明したが、本発明はそれらに限らず自己潤滑性ライナーを有する摺動部材であれば任意の摺動部材に適用することができる。特に、上記実施形態実施例及び参考例では、部材やパーツの回転運動に使用される摺動部材を例に挙げて説明したが、本発明の摺動部材は、回転運動に限らず、部材やパーツの並進(直動)運動、振動運動、それらの組み合わせ運動など任意の方向の摺動運動に使用される摺動部材も包含している。
以上説明してきたように、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を用いて、厚みの大きい潤滑性ライナーを形成することができる。また、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物はPTFEの含有割合を高くすることができるため、低摩擦で高耐摩耗性の潤滑性ライナーを形成することができる。さらに、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を用いて形成された潤滑性ライナーは金属と強固に密着する。このような自己潤滑性ライナーは、スリーブ軸受及び球面滑り軸受などの滑り軸受を含む各種の摺動部材に形成することができる。また、本発明の樹脂組成物により形成された自己潤滑性ライナーは、切削や研削などが可能であるため、エンドユーザが軸を組み付ける際に軸受の内径寸法の微調整等の後加工を行うことができる。それゆえ、本発明の樹脂組成物及びそれより形成される自己潤滑性ライナーを備える摺動部材は、船舶、航空機、自動車、電子製品、家電などの広範な分野で極めて有用となる。
10 スリーブ軸受
20 球面滑り軸受、22 外輪、24 マシナブルライナー
26 内輪
50 ロッドエンドボディ
60 ロッドエンド球面滑り軸受
70 リーマボルト、72 頭部、74 大径軸部、76 小径オネジ部
74a マシナブルライナー

Claims (16)

  1. 自己潤滑性ライナー用の紫外線硬化性樹脂組成物であって、下記式で表されるイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、
    Figure 0006886302

    (式中、Xはアクリロイル基を含み、かつC、H及びOのみからなる基であり、YとZは、C、H及びOのみからなる基である)
    リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート及びシラン基を有する(メタ)アクリレートの少なくとも一方と、
    ポリチオール化合物と、
    固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂と
    グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物とを含むことを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記グリシジル基又はオキセタン基、及びアクリル基を有する化合物が、グリシジルメタクリレート又は(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレートであることを特徴とする請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、染料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物が、ジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記ポリチオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)のいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートがリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルであり、前記シラン基を有する(メタ)アクリレートが、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  8. 前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂の前記紫外線硬化性樹脂組成物中の含有量が30〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールポリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  10. さらに、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートまたはビスフェノールA型エポキシ変性アクリレートを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  11. さらに、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)のいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  12. さらに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートのいずれか、またはこれらのうち二以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物による自己潤滑性ライナーが摺動面に形成されていることを特徴とする摺動部材。
  14. 前記摺動部材が、滑り軸受であることを特徴とする請求項13に記載の摺動部材。
  15. 前記滑り軸受が、球面滑り軸受であることを特徴とする請求項14に記載の摺動部材。
  16. 前記摺動部材が、頭部と軸部とネジ部を有し、前記自己潤滑性ライナーが前記摺動面である前記軸部の外周面に形成されたボルトであることを特徴とする請求項13に記載の摺動部材。
JP2017015115A 2016-06-01 2017-01-31 紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材 Active JP6886302B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/609,794 US10167439B2 (en) 2016-06-01 2017-05-31 Ultraviolet curable resin composition and sliding member
EP17174008.7A EP3252110B1 (en) 2016-06-01 2017-06-01 Ultraviolet curable resin composition and sliding member

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016110185 2016-06-01
JP2016110185 2016-06-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017218572A JP2017218572A (ja) 2017-12-14
JP6886302B2 true JP6886302B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=60656786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017015115A Active JP6886302B2 (ja) 2016-06-01 2017-01-31 紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6886302B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10746225B2 (en) 2018-03-30 2020-08-18 Minebea Mitsumi Inc. Photocurable resin composition and sliding member
CN109236852A (zh) * 2018-10-31 2019-01-18 福建龙溪轴承(集团)股份有限公司 一种铝合金关节轴承及其制备工艺
FR3091734B1 (fr) * 2019-01-11 2022-06-17 Skf Svenska Kullagerfab Ab Palier lisse avec résistance à l'usure améliorée
JP2020159435A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 Ntn株式会社 滑り軸受構造
CN115244136A (zh) * 2020-03-16 2022-10-25 富士胶片株式会社 树脂组合物、膜、滤光器、固体摄像元件及图像显示装置
CN112780697A (zh) * 2021-01-13 2021-05-11 浙江德福精密驱动制造有限公司 一种复合滚轮结构的三销轴总成

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5863875A (en) * 1998-06-24 1999-01-26 The Lubrizol Corporation Coating additive, coating composition containing said additive and method for coating a substrate using said coating composition
JP3831203B2 (ja) * 2001-04-06 2006-10-11 三洋化成工業株式会社 粘度指数向上剤および潤滑油組成物
CN101622283B (zh) * 2008-01-15 2012-03-28 木本股份有限公司 固化性组合物、固化物以及层叠体
GB0809062D0 (en) * 2008-05-19 2008-06-25 Zbd Displays Ltd Method for patterning a surface using selective adhesion
JP5649292B2 (ja) * 2009-08-25 2015-01-07 株式会社ブリヂストン エネルギー線硬化型エラストマー組成物
DE102011014149B4 (de) * 2011-03-16 2013-04-04 Wilde Cosmetics Gmbh Lichthärtender Nagellack
WO2013031459A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 テルモ株式会社 医療用具
CN104245748B (zh) * 2012-04-26 2016-09-07 美蓓亚株式会社 紫外线固化性树脂组合物和滑动部件以及滑动部件的制造方法
JP6037109B2 (ja) * 2012-10-02 2016-11-30 株式会社スリーボンド 光硬化性樹脂組成物
JP6076792B2 (ja) * 2013-03-27 2017-02-08 アイカ工業株式会社 金属蒸着用無溶剤紫外線硬化型塗料
JP6381354B2 (ja) * 2013-09-19 2018-08-29 日本合成化学工業株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤組成物
CN105764930B (zh) * 2013-11-27 2018-11-16 电化株式会社 组合物
JP6185947B2 (ja) * 2014-03-31 2017-08-23 ミネベアミツミ株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材、並びに摺動部材の製造方法
JP6120817B2 (ja) * 2014-09-11 2017-04-26 ミネベアミツミ株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、その硬化物及び摺動部材
JP6154793B2 (ja) * 2014-09-29 2017-06-28 オリジン電気株式会社 金属用紫外線硬化型塗料及び該塗料でコーティングした金属材、金属製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017218572A (ja) 2017-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6886302B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物及び摺動部材
US10167439B2 (en) Ultraviolet curable resin composition and sliding member
JP6209229B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物
DE102015004130B4 (de) UV-aushärtende Harzzusammensetzung, Gleitelement und Verfahren zur Herstellung eines Gleitelements
JP6120817B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物、その硬化物及び摺動部材
JP5606802B2 (ja) 鋼管ねじ継手の防錆に適した光硬化性組成物
CN1831071A (zh) 防眩性硬涂膜
US10746225B2 (en) Photocurable resin composition and sliding member
JP7197563B2 (ja) 中空粒子分散体
DE102006012274A1 (de) Lack zur Oberflächenbeschichtung von Formteilen
JP3538332B2 (ja) プラスチックレンズ
US7067462B2 (en) UV curable lubricant compositions
WO2009100899A1 (de) Uv-härtbare zusammensetzung und ihre verwendung als beschichtungsmittel
JP2010065124A (ja) 金属薄膜用塗料組成物、および光輝性複合塗膜
JP2019189685A (ja) 樹脂組成物、および摺動部材
JP6914235B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、および摺動部材
CN101173148A (zh) 适用于黑色塑料底材的uv清漆
JP2022161601A (ja) 低温時の低摩擦係数樹脂ライナー
JP6749441B2 (ja) 重合性組成物、硬化物、および、プラスチックレンズ
JP2023130932A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP2015074733A (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物
KR19980049988A (ko) 철판 코팅용 자외선 경화에폭시 수지 조성물
CH335790A (de) Härtbare Mischung zum Erzeugen von festen, trocken schmierenden Filmen auf Werkstoffoberflächen, die einer Reibung unterworfen sind

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210420

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6886302

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150