JP6914235B2 - 光硬化性樹脂組成物、および摺動部材 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、および摺動部材 Download PDF

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本発明は光硬化性樹脂組成物、および該光硬化性樹脂組成物による自己潤滑性ライナーを摺動面に設けた摺動部材に関する。
摺動面にて軸を受ける滑り軸受は、航空機、鉄道、自動車や一般産業機械など広範な用途に使用されている。特に摺動面に自己潤滑性ライナーを有し、潤滑油を使用しない無潤滑滑り軸受は、低摩擦係数、高耐久性、高耐荷重性、高耐熱性、高耐油性などが要求される船舶や航空機等の用途に使用されている。
このような無潤滑滑り軸受の一態様として、自己潤滑性を有するライナー層を摺動面に設ける態様が開示されている。例えば、特許文献1には、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリチオール化合物と、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂とを含む紫外線硬化性樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物は、摺動部材(例えば、球面滑り軸受、スリーブ軸受)の自己潤滑性ライナーとして用いられる。またイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する樹脂組成物を自己潤滑性ライナーに用いたその他の態様が、特許文献2および特許文献3にも開示されている。
特開2017−218572号公報 国際公開第2013/161402号 特開2016−56308号公報
航空機用途などの無潤滑滑り軸受に用いられる自己潤滑性ライナーには、低温から高温までの広い温度領域(例えば、航空機用途で−55℃〜163℃)における耐摩耗性(摩耗量が少ないこと)を有することが要求される。特に摺動面が球面である球面滑り軸受では、摺動面が円筒面であるスリーブ軸受に比べ摩耗量が大きくなり、低温環境下の耐摩耗性の向上がより一層要求される。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、特に低温環境下における耐摩耗性を向上させた自己潤滑性ライナーを形成可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。また本発明はそのような樹脂組成物の硬化物よりなる自己潤滑性ライナーを摺動面に備える摺動部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、リン酸タングステン酸ジルコニウム:Zr(WO)(PO(以下、ZWPとも称する)や、(ZrO)等の化学構造を有するリン酸ジルコニウム(以下、ZPとも称する)を添加した光硬化性樹脂組成物が、ZWP及びZP無添加の硬化物と比べて、低温環境下における摩耗量が少ない硬化物となることを見出した。そしてZWP及び/又はZPを含有する該硬化物よりなる自己潤滑性ライナーを摺動面に備える摺動部材では、低温環境下における揺動トルクも低減できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の一態様は、自己潤滑性ライナー用の光硬化性樹脂組成物であって、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方または双方を含有する、光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の他の態様として、前記光硬化性樹脂組成物の全質量(100質量%)に対して、前記リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方または双方を0.1質量%〜40質量%の割合で含有させることができる。
また前記光硬化性樹脂組成物は、さらに、チオール化合物を含有してもよい。このとき、前記光硬化性樹脂組成物の全質量(100質量%)に対して、該チオール化合物を0.5質量%〜1.5質量%の割合で含有することができる。
本発明はまた、前記光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる自己潤滑性ライナーを摺動面に有する、摺動部材も対象とする。摺動部材は、たとえば球面滑り軸受であってもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物を含むベース樹脂に、リン酸タングステン酸ジルコニウム(ZWP)又はリン酸ジルコニウム(ZP)の少なくともいずれか一方を添加することで、該組成物の硬化物の低温環境下における摩耗量を抑制することができる。
また本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物から形成された自己潤滑性ライナーを摺動部材の摺動面に備えることにより、該摺動部材の低温環境下における揺動トルクを低減することができる。
図1は、本発明の摺動部材の一例である球面滑り軸受の構造を説明する模式図である。 図2は、本発明の摺動部材の一例であるスリーブの構造を説明する模式図であり、スリーブ軸受の軸方向に沿って切断した縦断面図(図2(a))、並びに、軸と直交する方向に切断した横断面図(図2(b))である。 図3は、実施例で製造した球面滑り軸受をセットしたラジアル方向荷重試験治具の断面構造を示す図である。 図4は、実施例14、15、17、18および比較例3で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、揺動サイクル数に対する自己潤滑性ライナーの摩耗量の変化を示すグラフである。 図5は、実施例29、30および比較例3で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、揺動サイクル数に対する自己潤滑性ライナーの摩耗量の変化を示すグラフである。 図6は、実施例1〜35および比較例1〜4で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、該樹脂組成物中のリン酸タングステン酸ジルコニウム(ZWP)及びリン酸ジルコニウム(ZP)の含有量(併用の場合は合計含有量)に対して10,000サイクル後の自己潤滑性ライナーの摩耗量をプロットしたグラフである。 図7は、実施例1〜25および比較例1〜4で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、該樹脂組成物中のリン酸タングステン酸ジルコニウム(ZWP)の含有量に対して10,000サイクル後の自己潤滑性ライナーの摩耗量をプロットしたグラフである。 図8は、実施例26〜31および比較例1〜4で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、該樹脂組成物中のリン酸ジルコニウム(ZP)の含有量に対して10,000サイクル後の自己潤滑性ライナーの摩耗量をプロットしたグラフである。 図9は、実施例15〜18、実施例29〜30および比較例3で調製した光硬化性樹脂組成物から形成した自己潤滑性ライナーを備える球面滑り軸受を用いた揺動試験において、該樹脂組成物中のリン酸タングステン酸ジルコニウム(ZWP)又はリン酸ジルコニウム(ZP)の含有量に対して10,000サイクル後の1サイクルの揺動トルクの平均値をプロットしたグラフである。
上述したように、低温環境下における自己潤滑性ライナーの耐摩耗性の向上という課題を鑑み、本発明者らは、自己潤滑性ライナーの形成材料として、イソシアヌル酸環を有するアクリレート化合物を含むベース樹脂に、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂を添加し、さらに、これまで自己潤滑性ライナーの形成材料として採用例のないリン酸タングステン酸ジルコニウム又はリン酸ジルコニウムを配合するという構成を採用した。そして、イソシアヌル酸環を有するアクリレート化合物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、並びにリン酸タングステン酸ジルコニウム又はリン酸ジルコニウムの少なくともいずれか一方という新規な組み合わせを含む材料から形成した自己潤滑性ライナーを摺動部材の摺動面に適用したところ、低温環境下における揺動試験において、早期に摩耗量の増加が抑制されることを初めて見出した。そして、リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムを添加しない材料と比べて、10,000サイクル揺動後の摩耗量がおよそ3分の1から10分の1程度にまで低減され、しかもその際の揺動トルクも低減することを初めて見出した。
以下、本発明について詳述する。
〔光硬化性樹脂組成物〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方または双方とを含有する。
[イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物]
光硬化性樹脂組成物は、光照射により硬化する成分としてイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物[(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌレートともいう]を含む。本発明においてイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物は、光硬化性樹脂組成物に耐熱性を付与する機能を有する。
本発明において、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物は、特に(メタ)アクリロイル基を2以上、例えば2つ又は3つ有していることが好ましい。なお本書において、たとえば“(メタ)アクリロイル基”とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の双方を指す。また(メタ)アクリロイル基を(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基を(メタ)アクリロキシ基とも称する。
本発明で使用するイソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好適である。
Figure 0006914235
式(1)中、Xは(メタ)アクリロイル基を含み、かつC、H及びOのみからなる基であり、Y及びZは、C、H及びOのみからなる基である。
上記Y及びZは(メタ)アクリロイル基を含んでいても、含んでいなくてもよい。
上記Xは、好ましくは(メタ)アクリロイルエチル基、又はε−カプロラクトンで変性された(メタ)アクリロキシエチル基であり、Y及びZは、Xと同一の基であることが好ましい。
上記イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。
中でも好適な化合物として、ジ−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(DAEIC)、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(TAEIC)、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(CTAI)、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
上記イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して10質量%〜50質量%の割合にて、例えば15質量%〜40質量%の割合にて、使用することができる。10質量%未満であると樹脂の流動性が不足し、塗布することが困難となり、またライナー強度も不足する傾向がある。また50質量%を超えて配合した場合には、後述する固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン樹脂の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する傾向がある。
[ポリテトラフルオロエチレン樹脂]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、潤滑性を付与する機能を有する成分、すなわち固体潤滑剤として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下PTFEとも称する)を含む。PTFEは、テトラフルオロエチレンの重合体であり、一般式:[C(n:重合度)で表される。
上記PTFEの形状は特に限定されず、粉末状、粒子状(球状、多面形状、針状)、繊維状など、任意の形態のものを単独または組み合わせて使ってもよい。例えばPTFEが粒子状である場合、その粒子の大きさは特に限定されないが、例えば平均粒径で0.5〜200μmのポリテトラフルオロエチレンを使用することができる。
上記PTFEは、その表面をナトリウムナフタレンでエッチングした後にエポキシ変性アクリレートで被覆する表面処理を施してもよい。このような表面処理を施すことで、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物より生成するアクリル樹脂との親和性が高まり、該アクリル樹脂との結合がより強固となる。これにより、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物を自己潤滑性ライナーとして用いた時に、摺動時にPTFEの粉末、粒子、あるいは繊維が自己潤滑性ライナーから脱落するのを抑制することができ、ひいては自己潤滑性ライナーの摩耗量を少なくすることができる。
上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して20質量%〜40質量%の割合にて使用することができる。20質量%未満の場合、所望の潤滑性能を満足しない虞があり、40質量%を超えて配合した場合、自己潤滑性ライナーの摩耗量が増加する虞がある。
[リン酸タングステン酸ジルコニウム,リン酸ジルコニウム]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方をまたは双方を含むことを特徴とする。
リン酸タングステン酸ジルコニウム:Zr(WO)(PO(以下、ZWPとも称する)は、0〜400℃の温度範囲で、約−3.0ppm/Kの負の線膨張係数を有する化合物である。
また、リン酸ジルコニウム(以下、ZPとも称する)は、例えば(ZrO)等の化学構造を有する化合物が挙げられ、30℃〜500℃の温度範囲で約−2.0ppm/Kの負の膨張係数を有する化合物である。
これらZWPやZP等の負の膨張係数を有する化合物は、正の線膨張係数を有する他の材料と共に用いた場合に、温度変化による材料の熱膨張の変化を抑制する働きを有することが知られている。しかしながら、本発明は、この熱膨張の変化を抑制する働きを用いるのではなく、新規に見出したリン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムが有する低温環境下における耐摩耗性付与剤としての機能を用いる。
上記リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムの大きさは特に限定されないが、例えば平均粒径で0.1〜100μmのリン酸タングステン酸ジルコニウム及び/又はリン酸ジルコニウムを使用することができる。
上記リン酸タングステン酸ジルコニウム及び/又はリン酸ジルコニウムの配合量は特に限定されない。例えば光硬化性樹脂組成物の全質量に対して0.1質量%〜40質量%の割合にて、また両者を併用する場合にはその合計量として0.1質量%〜40質量%の割合にて、使用することができる。
[ポリチオール化合物]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ポリチオール化合物を含んでいてもよい。ポリチオール化合物は光(紫外線)と熱のいずれによっても(メタ)アクリレート化合物と反応する。そのため、例えば光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射すると、ポリチオール化合物と(メタ)アクリレート化合物が反応し、この反応に伴い反応熱が生じると、その反応熱によりポリチオール化合物と(メタ)アクリレート化合物の反応がさらに進むものとなる。このように、ポリチオール化合物は硬化反応促進剤として機能し得る。光硬化性樹脂組成物の硬化物を製造する際、その厚みが大きく光が組成物内部まで到達しない場合や、光硬化性樹脂組成物が染料を含み着色されている場合などにおいても、ポリチオール化合物の存在により、硬化反応を進行することができる。
ポリチオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトグリコレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトグリコレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトグリコレート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリ
ルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても、また二種以上を混合して用いてもよい。中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、および、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンが好ましい。
これらは市販品として入手可能であり、例えばTMTP、PETP(淀化学株式会社製)、TEMPIC、TMMP、PEMP、EGMP−4、PEMP−II−20P、DPMP(SC有機化学株式会社製)、カレンズMT(登録商標)NR1、同BD1、同PE1(昭和電工株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
上記ポリチオール化合物を使用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して0.5質量%〜5質量%とすることができる。0.5質量%未満の場合には、硬化反応促進効果が不十分であり、一方、5質量%を超えた場合、固体潤滑剤(PTFE等)の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する虞がある。
[その他(メタ)アクリレート化合物]
本発明の光硬化性樹脂組成物には、前記イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物以外のその他の(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。イソシアヌル酸環を有しないその他の(メタ)アクリレート化合物は、例えば、耐薬品性付与、靱性付与、硬化反応促進、粘度調整、接着性向上、可撓性付与などの機能を有し得るが、これらの機能付与のみに限定されるものではない。
その他の(メタ)アクリレート化合物は、他の配合成分の種類および配合量に応じて、その種類および配合量を種々設定し得る。例えば、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、その他の(メタ)アクリレート化合物の全量を0.1〜25質量%程度の範囲内とすることができる。
その他の(メタ)アクリレート化合物として、エポキシ(メタ)アクリレートを一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有することができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、硬化後の強度を損なわず耐薬品性能を付与する、すなわち耐薬品性付与剤として機能し得る。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、たとえば、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートまたはビスフェノールA型エポキシ変性アクリレートなどを挙げることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートを使用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して20質量%以下、たとえば1質量%〜10質量%とすることができる。20質量%を超えて配合した場合、自身が剛直な構造を有するが故に、光硬化性樹脂組成物を硬化させた際、硬化物において割れが生じる虞がある。
その他の(メタ)アクリレート化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートを一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ウレタン基と、2つ以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能ウレタンアクリレートを用いることができる。たとえば、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートを使用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して10質量%以下、たとえば1質量%〜5質量%とすることができる。
その他の(メタ)アクリレート化合物として、イソシアヌル酸環を有しない多官能の、例えば3官能以上の(すなわち、(メタ)アクリル基を3つ以上持つ)(メタ)アクリレートを一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有することができる。多官能(メタ)アクリレートは、重合反応の開始点である官能基を複数含むことから、硬化後の強度や耐熱性を損なうことなく重合反応(硬化反応)を促進させることができ、硬化反応促進剤としての役割を担うことができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアヌル酸環を有しない多官能(メタ)アクリレートを併用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、15質量%以下、例えば1質量%〜15質量%とすることができる。15質量%を超えて配合した場合には、急速な硬化反応につながる虞があり、硬化物製造時のハンドリングが難しくなる場合がある。
その他の(メタ)アクリレート化合物として、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有することができる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートは、粘度調整剤(反応性希釈剤)としての機能を有し得る。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを使用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して1質量%〜20質量%、たとえば2質量%〜10質量%とすることができる。
その他の(メタ)アクリレート化合物として、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートおよびシリコン(メタ)アクリレートのうち一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて含有することができる。これらは金属(すなわち摺動面)との接着性向上剤として機能し得、またシリコンアクリレートは可撓性付与剤(柔軟性、耐衝撃性を付与する成分)としても機能し得る。
リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートとしては、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、リン酸2−(アクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。
またシリコン(メタ)アクリレートとしては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリル系シランカップリング剤や、シリコンジアクリレート、シリコンヘキサアクリレート等を挙げることができる。
リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート及び/又はシリコン(メタ)アクリレートを使用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、これらを合計して1質量%〜10質量%、たとえば1質量%〜5質量%とすることができる。1質量%未満であると接着性向上効果が不十分であり、10質量%を超えると、固体潤滑剤(PTFE等)の含有量が少なくなるために潤滑性が低下する場合がある。
[フィラー]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、メラミンシアヌレート、ガラス繊維、ヒュームドシリカ等のフィラーを含有することができる。
<メラミンシアヌレート>
メラミンシアヌレートは、前記PTFEと同様に固体潤滑剤としての機能を有する。P
TFEと共にメラミンシアヌレートを用いることにより、PTFEを単独で用いたときよりも、光硬化性樹脂組成物の硬化物の摩擦係数を低減し得る。メラミンシアヌレートは、6員環構造のメラミン分子とシアヌル酸分子が水素結合で結合して平面状に配列し、その平面が互いに弱い結合で層状に重なり合い、へき開性を有する構造を有する。このような構造が固体潤滑性に貢献していると考えられる。
メラミンシアヌレートは、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して30質量%以下、たとえば1質量%〜20質量%にて含有することができる。30質量%を超えて配合した場合、自己潤滑性ライナーの摩擦係数は下がるが、摩耗量が増加する傾向があり、好ましくない。
<ガラス繊維>
本発明の光硬化性樹脂組成物には、自己潤滑性ライナーの強度を向上させる目的で、ガラス繊維を添加してもよい。ガラス繊維としては、断面形状が円形の円形断面ガラス繊維を用いてもよいし、断面形状が円形ではない異形断面ガラス繊維を用いてもよい。尚、本発明の光硬化性樹脂組成物は、ガラス繊維以外にも、強化繊維として、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカーのような無機系繊維を含有してもよい。
ガラス繊維は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して30質量%以下、例えば1質量%〜30質量%にて含有することができる。ガラス繊維の含有量が30質量%を超えると、自己潤滑性ライナーの切削・研削時に、切断されたガラス繊維が相手材表面の摩耗を促進する傾向が高まるので、マシナブルライナーとしての利点が損なわれる可能性がある。なお、ガラス繊維は、紫外線の透過性を低下させない点で好適である。
<ヒュームドシリカ>
ヒュームドシリカは、光硬化性樹脂組成物のチクソ性を付与するために使用される。
ライナー形成材料はそのチクソ性が不足すると、これを適用箇所(摺動面)に塗布する際に液だれが生じ、ライナー成形が困難となる場合がある。このような場合、ヒュームドシリカを添加することにより、該材料のチクソ性を調整し、ライナー成形時のハンドリングを改善することができる。
ヒュームドシリカは、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して5質量%以下、たとえば1質量%〜3質量%にて含有することができる。ヒュームドシリカの含有量が5質量%を超えると、ライナーの摩耗量の増加につながり好ましくない。
[添加剤]
本発明の光硬化性樹脂組成物は、その他所望により、酸化防止剤、保存安定剤、重合開始剤(光開始剤、熱開始剤)、重合禁止剤、染料などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
上記添加剤を使用する場合、これらを合計して、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、0.2質量%〜10質量%の割合にて使用することができる。
<重合開始剤:光重合開始剤>
光開始剤は、光照射(紫外線照射)による光硬化性樹脂組成物の重合反応を促進する機能を有する。光開始剤は、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、たとえば0.1質量%〜5質量%にて配合し得る。光開始剤は、例えば、以下のものを単独または複数組み合わせて使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない:ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等。
<重合開始剤:熱開始剤>
熱開始剤は、熱による重合反応を促進する機能を有し、光硬化性樹脂組成物の全質量に対して、たとえば0.1質量%〜5質量%にて配合し得る。
熱開始剤としては、たとえば熱によりラジカルを発生させるアゾ重合開始剤や有機過酸化物が挙げられる。これが光硬化性樹脂組成物に配合された場合、紫外線照射によって引き起こされた重合反応の反応熱によって、アゾ重合開始剤又は有機過酸化物がラジカルを発生させ、それにより(メタ)アクリレートの重合反応が引き起こされる。そのため、光硬化性樹脂組成物内部等の紫外線が当たらない部分でも重合反応が進行し、樹脂組成物全体を硬化させることができる。
アゾ重合開始剤は、例えば、以下のものを単独または複数組み合わせて使用してもよいが、特にこれらに限定されるものではない:2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボン酸メチル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロパンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等。
また有機過酸化物は、例えば以下のものを単独または複数組み合わせて使用してもよいが、特にこれらに限定されるものではない:メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオジケネート等。
<重合性染料>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、重合性染料を含有してよい。重合性染料は、油性染料や水性染料と比べ溶剤へ溶出しにくいという点で優れているが、従来の光硬化性樹脂組成物に重合性染料を含有させた場合、重合性染料により光が遮蔽されて光硬化性樹脂組成物を完全に硬化させることが難しいという問題があった。しかし、本発明の光硬化性樹脂組成物において、上述のポリチオール化合物を含有する場合、該化合物が硬化反応の促進に寄与するため、重合性染料を含有していても完全に硬化させることができる。重合性染料としては、RDW−R13、RDW−R60、RDW−G01、RDW−B01(和光純
薬工業(株)製)等を用いることができる。
また本発明の光硬化性樹脂組成物は、後述するように塗布にて使用することから、室温において液状であり、取扱し易い粘度(塗布が可能であり且つ塗布時に液垂れが生じない粘度)であることが好ましい。光硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば室温にて、20Pa・s〜100Pa・s程度とすることができる。
[摺動部材]
本発明は、上述の本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる自己潤滑性ライナーを摺動面に備える摺動部材も対象とする。
上記摺動部材は、例えば、互いに相対的に摺動する第1部材および第2部材と、前記第1部材の摺動面または前記第2部材の摺動面に設けられるライナーとを備える態様を挙げることができる。
あるいはまた上記摺動部材は、円筒状の外輪部材と、外輪部材の内周面(摺動面)に形成されたライナーとを備える態様を挙げることができる。
これらの摺動部材は、前記第1部材または前記第2部材の摺動面、或いは、前記外輪部材の内周面(摺動面)に、本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線の照射により硬化させて自己潤滑性ライナーを形成する工程を経て製造することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る摺動部材の好ましい実施形態について詳細に説明するが、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の好ましい摺動部材の一例である、摺動面が球面である球面滑り軸受20の径方向の断面図を示す。
球面滑り軸受20は、凹球面状の内周面22aを有する外輪(レース)22と、凸球面状の外周面26aを有する内輪(ボール)26と、内周面22aに形成された自己潤滑性ライナー24とを有する。自己潤滑性ライナー24は、自己潤滑性を有する樹脂層であり、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
外輪22及び内輪26は、軸受鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン材、チタン合金などの金属から形成される。
図1に示す球面滑り軸受20は、例えば以下のプロセスにて製造することができる。
まず、外輪22の内周面22aに本発明に従う光硬化性樹脂組成物を塗布し、次いで塗布された光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して組成物を硬化させる。次いで、切削加工によって硬化物の仕上げを行い、所定の厚さの自己潤滑性ライナー24を形成する。このとき、ライナーの厚さは特に限定されないが、例えば0.25mm程度とすることができる。その後、外輪22部材に内輪26部材を挿入し、外輪22をプレスして内輪26の凸球面に倣うように塑性変形させるスウェジ加工を行う。最後に、切削加工によって外輪22の外側の仕上げを行い、球面滑り軸受20を完成させる。
図2は、本発明の好ましい摺動部材の一例であるスリーブ軸受10について、軸方向に沿って切断した縦断面図(図2(a))及び軸と直交する方向に切断した横断面図(図2(b))である。
スリーブ軸受10は、円筒状の外輪12と、外輪12の内周面に形成された自己潤滑性ライナー14とを有する。自己潤滑性ライナー14は、自己潤滑性を有する樹脂層であり、本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
また上記円筒状の外輪12は、軸受鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン材、チタン合金などの金属から形成される。
スリーブ軸受10は、摺動面となる自己潤滑性ライナー14で被摺動物であるシャフト(図示せず)を受ける
図2に示すスリーブ軸受10は、例えば以下のプロセスにて製造することができる。
まず、外輪部材12の内周面12aに、本発明に従う光硬化性樹脂組成物を塗布し、次いで塗布された光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して組成物を硬化させる。次いで、切削加工によって硬化物の仕上げを行い、所定の厚さの自己潤滑性ライナー14を形成する。このとき、ライナーの厚さは特に限定されないが、例えば0.25mm程度とすることができる。
図1に示す自己潤滑性ライナー24並びに図2に示す自己潤滑性ライナー14はいずれも、切削および/または研削により寸法調整が容易であり、この意味で適宜「マシナブルライナー」(加工可能なライナー)と呼ぶことがある。
なお、本発明が対象とする摺動部材は、少なくともその一部に摺動面を有する部材であれば特に限定されない。したがって、上述の通り、球面滑り軸受や、回転運動や並進(直動)運動に使用されるスリーブ軸受のみならず、種々の摺動部材が包含され、これらの摺動部材もまたは本発明の対象である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物の製造に使用した成分及び略称は以下の通りである。
<イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物>
・DAEIC:ジ−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート
・TAEIC:トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート
・CTAI:ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート
[ポリテトラフルオロエチレン樹脂]
・PTFE:D50粒子径 130μm、KT−60、(株)喜多村
[リン酸タングステン酸ジルコニウム]
・ZWP:リン酸タングステン酸ジルコニウム、D50粒子径 1.3μm、セラフィット、日本化学工業(株)
[リン酸ジルコニウム]
・ZP:リン酸ジルコニウム、メジアン径 1〜2μm、ウルテアWH2、東亞合成(株)
[ポリチオール化合物]
・MTPE1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、カレンズMT(登録商標)PE1、昭和電工(株)
・MTNR1:1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、カレンズMT(登録商標)NR1、昭和電工(株)
[その他(メタ)アクリレート化合物]
・EA:エポキシアクリレート、EBECRYL(登録商標) 3700、ダイセル・オルネクス(株)
・UA:ウレタンアクリレート、UA−510H、共栄社化学(株)
・mfA:多官能(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート又はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・HEA:ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
・PA:リン酸(メタ)アクリレート、ライトエステルP−1M、共栄社化学(株)
・SA:シリコン(メタ)アクリレート、EBECRYL(登録商標)350、ダイセル・オルネクス(株)
[光重合開始剤および熱開始剤]
・PI(光重合開始剤):2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、IRGACURE1173、BASF社
・TI(熱重合開始剤):VAm−110、和光純薬工業(株)製(実施例1〜13、26〜28、32〜33、比較例1、2の場合);パーブチルZ、日油(株)(実施例14〜25、29〜31、34〜35、比較例3、4の場合)
[フィラー]
・GF:ガラスファイバー(平均繊維長65μm×平均径φ11μm、SS05DE−413、日東紡績(株))
・MC:メラミンシアヌレート(MELAPUR(登録商標)MC25、BASF社)
・HS:ヒュームドシリカ(比表面積150±25m/g、AEROSIL(登録商標)R805、BASF社)
[光硬化性樹脂組成物]
以下、表1及び表2に記載の成分及び含有量(質量%)にて、実施例並びに比較例の光硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例1〜8および比較例1>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZWPと、ポリチオール化合物とを含む、実施例1〜8および比較例1の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各光硬化性樹脂組成物中のZWPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、比較例1は0wt%、実施例1は0.1wt%、実施例2は0.5wt%、実施例3は1wt%、実施例4は3wt%、実施例5は5wt%、実施例6は10wt%、実施例7は40wt%、実施例8は3wt%とした。
<実施例9〜13および比較例2>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてCTAIを使用し、さらに、PTFEと、ZWPと、ポリチオール化合物とを含む、実施例9〜13および比較例2の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各光硬化性樹脂組成物中のZWPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、比較例2は0wt%、実施例9は3wt%、実施例10は5wt%、実施例11は10wt%、実施例12は40wt%、実施例13は3wt%とした。
<実施例14〜19および比較例3>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZWPとを含む、実施例14〜19および比較例3の光硬化性樹脂組成物を調製した。各光硬化性樹脂組成物中のZWPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、比較例3は0wt%、実施例14は0.1wt%、実施例15は3wt%、実施16は5wt%、実施例17は10wt%、実施例18は40wt%、実施例19は3wt%とした。
<実施例20〜25および比較例4>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてCTAIを使用し、さらに、PTFEと、ZWPとを含む、実施例20〜25および比較例4の光硬化性樹脂組成物を調製した。各光硬化性樹脂組成物中のZWPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、比較例4は0wt%、実施例20は1wt%、実施例21は3wt%、実施例22は5wt%、実施例23は10wt%、実施例24は40wt%、実施例25は3wt%とした。
<実施例26〜実施例28>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZPと、ポリチオール化合物とを含む、実施例26〜28の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各光硬化性樹脂組成物中のZPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、実施例26は0.1wt%、
実施例27は10wt%、実施例28は20wt%とした。
<実施例29〜実施例30>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZPとを含む、実施例29〜30の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各光硬化性樹脂組成物中のZPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、実施例29は0.1wt%、実施例30は20wt%とした。
<実施例31>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてCTAIを使用し、さらに、PTFEと、ZPとを含む、実施例31の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお実施例31における光硬化性樹脂組成物中のZPの含有量(光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を0.1wt%とした。
<実施例32〜実施例33>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZWPおよびZPと、ポリチオール化合物とを含む、実施例32〜33の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各光硬化性樹脂組成物中のZWPとZPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)を、実施例32はZWP、ZPともに5wt%、実施例33はZWP、ZPともに0.05wt%とした。
<実施例34>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてDAEICおよびTAEICを使用し、さらに、PTFEと、ZWP及びZPとを含む、実施例34の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお、なお実施例34における光硬化性樹脂組成物中のZWPとZPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)をZWP、ZPともに0.05wt%とした。
<実施例35>
イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物としてCTAIを使用し、さらに、PTFEと、ZWP及びZPとを含む、実施例35の光硬化性樹脂組成物を調製した。なお実施例35における光硬化性樹脂組成物中のZWPとZPの含有量(いずれも光硬化性樹脂組成物の全質量に対する割合)をZWP、ZPともに5wt%とした。
Figure 0006914235
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[自己潤滑性ライナーの製造]
前述の[摺動部材]に記載の手順に倣い、図1に示すような球面滑り軸受20を作製した。なお、外輪22部材の内周面22aに光硬化性樹脂組成物を塗布した後、積算光量 1500mJ/cm以上にて紫外線を照射し、組成物を硬化させた。
なお球面滑り軸受20において、SUS630を熱処理した外輪(レース)22およびSUS440Cを熱処理した内輪(ボール)26を用いた。また、レース外径22b:25.4mm、ボール内径26b:12.7mm、レース幅22c:9.9mm、ボール幅26c:12.7mm、ライナー24の厚み:0.25mmとした。
こうして実施例1〜35および比較例1〜4で調製した光硬化性樹脂組成物の硬化物よりなるマシナブルライナー(自己潤滑性ライナー)について、以下の手順に基づき性能評価を行った。なお、以降の説明において、光硬化性樹脂組成物の例番号を、自己潤滑性ラ
イナーの性能評価の例番号としても扱うものとする。
[搖動試験]
実施例1〜35、比較例1〜4の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる自己潤滑性ライナーを設けた球面滑り軸受を、低温環境下(−54℃以下の低温を保持するチャンバ内)で揺動させて、各自己潤滑性ライナーの摩耗量を測定した。試験は図3に示す試験治具を用いて、以下の手順にて実施した。
<試験手順>
試験治具T1は、図3に示すように、軸部材32を支持する断面H字状の基部40と、軸部材32が挿入された球面滑り軸受20のラジアル方向に負荷をかけるためのハウジング41と、基部40の下方に設置されたダイヤルゲージ42を有する。
図3に示すように、球面滑り軸受20を試験治具T1にセットして、荷重34.7kNをラジアル方向に掛けて静的に15分間保持した。15分経過後ダイヤルゲージ42の変位量をゼロにセットして軸部材32の揺動を開始した。軸部材32は±25°の角度範囲で揺動させ、角度位置0°から+25°まで行って0°へ戻り、次に−25°まで行って再度0°へ戻るまでを1サイクルとし、揺動速度は毎分5サイクル以上とした。10,000サイクルの揺動試験中、所定サイクル毎にダイヤルゲージ42から摩耗量を読み取り、記録した。また、実施例15〜18、29〜30、比較例3について、10,000サイクル後の1サイクル(±25°の角度範囲)の揺動トルクの平均値を算出した。
表3及び表4に、実施例1〜35および比較例1〜4の自己潤滑性ライナーにおける、1,000サイクル後、5,000サイクル後及び10,000サイクル後の摩耗量を示す。
Figure 0006914235
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表4に示すように、揺動試験:10,000サイクル後において、ZWP及び/又はZPを含有しない比較例1〜4の摩耗量は0.173〜0.191mmであった。
これに対し、樹脂組成物の全質量に対して0.1wt%〜40wt%のZWPを含有する実施例1〜25の摩耗量(表3参照)は、揺動試験:10,000サイクル後において、0.002〜0.029mmであり、樹脂組成物の全質量に対して0.1wt%〜20wt%のZPを含有する実施例26〜31の摩耗量(表4参照)は、同0.036〜0.061mmであり、樹脂組成物の全質量に対して合計0.1〜10wt%のZWPとZPを含有する実施例32〜35の摩耗量(表4参照)は、同0.03〜0.046mmであり、いずれも比較例に比べて著しく少ない結果が得られた。
すなわち、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方または双方を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物は、その硬化物において、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート化合物の種類や、ポリチオール化合物の種類や有無、さらにはその他(メタ)アクリレート、フィラーの種類や有無によらず、低温環境下における摩耗量を低減できることが確認できた。
光硬化性樹脂組成物中のZWPの含有量を変化させたときの、揺動のサイクル数に対する摩耗量の変化を図4に示す。なお、ZWP以外の成分を統一するべく、光硬化性樹脂組成物として、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物:DAEICおよびTAEIC、PTFE、ZWPとを含む態様(比較例3(0wt%)、実施例14(0.1wt%)、実施例15(3wt%)、実施例17(10wt%)、実施例18(40w
t%))の結果より、図4を作成した。
図4に示すように、何れの実施例および比較例においても、揺動開始から摩耗量が徐々に増加するが、ZWPを含有する光硬化性樹脂組成物(実施例14、15、17および18)の硬化物からなる自己潤滑性ライナーでは、1,000サイクル経過すると摩耗量の増加が抑制され、以降摩耗量は殆ど変わらずに推移した。これに対して、ZWPを含有しない比較例3の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる自己潤滑性ライナーでは、揺動開始から1,000サイクル経過しても摩耗量が増加し続け、8,000サイクル経過してようやく摩擦量が抑制され始める挙動を示した。
同様に、光硬化性樹脂組成物中のZPの含有量を変化させたときの、揺動のサイクル数に対する摩耗量の変化を図5に示す。なお、ZP以外の成分を統一するべく、光硬化性樹脂組成物として、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物:DAEICおよびTAEIC、PTFE、ZPとを含む態様(比較例3(0wt%)、実施例29(0.1wt%)、実施例30(20wt%)の結果より、図5を作成した。
図5においても、何れの実施例および比較例において揺動開始から摩耗量が徐々に増加するが、ZPを含有する光硬化性樹脂組成物(実施例29および30)の硬化物からなる自己潤滑性ライナーでは、4,000サイクル経過すると摩耗量の増加が徐々に抑制され、6,000サイクル以降、摩耗量は殆ど変わらずに推移した。
さらに、実施例1〜35および比較例1〜4の自己潤滑ライナーの、揺動試験:10,000サイクル後における、ZWP及び/又はZPの添加量に対する摩耗量をプロットしたグラフを図6〜図8に示す。なお、図6はZWPおよびZPの添加量(併用の場合は合計添加量)に対する摩耗量をプロットした図(実施例1〜35、比較例1〜4)であり、図7はZWPの添加量に対して(実施例1〜25、比較例1〜4)、図8はZPの添加量に対して(実施例26〜実施例31、比較例1〜4)、それぞれ摩耗量をプロットした図である。なお各図において、×はZWP及びZPの添加なし(0wt%)、○はZWP添加(0.1〜40wt%)、□はZP添加(0.1〜20wt%)、△はZWP及びZP添加(0.1〜10wt%)を示す。
図6〜図8に示すように、10,000サイクル揺動させた後においても、ZWP及び/又はZPが添加された場合の摩耗量は、ZWP及びZPを添加しない(0wt%)場合の摩耗量と比べて、ZWPの場合にはおよそ10分の1程度(図7)、ZPの場合にはおよそ3分の1程度(図8)となった。また、図6〜図8並びに表3及び表4に示すように、ZWPおよびZPの添加量(併用の場合は合計添加量)が増加するにつれて、摩耗量がより少なくなる傾向もみられた。
光硬化性樹脂組成物中のZWP又はZPの含有量を変化させたときの、各自己潤滑性ライナーが設けられた球面滑り軸受の揺動トルクの変化を図9に示す。なお図4に示す結果と同様、ZWP又はZP以外の成分を統一するべく、光硬化性樹脂組成物として、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物:DAEICおよびTAEIC、並びにPTFEを含み、さらにZWPとを含む態様(実施例15、16、17、18)、又はZPを含む態様(実施例29、30)、そしてZWP及びZPのいずれも含まない態様(比較例3)の結果より、図9を作成した。図9において、×はZWP及びZPの添加なし(0wt%)、○はZP添加(3〜40wt%)、□はZP添加(0.1〜20wt%)を示す。
図9に示すように、ZWP及びZPを添加しない場合と比べ、ZWP、ZPを添加することで揺動トルクが低下し、またZWP、ZPの添加量が増加するにつれ、揺動トルクも低下する傾向がみられた。
なお本実施例において、一例として、内輪(ボール)の球径が12.7mmである標準的な球面滑り軸受を用いて揺動試験を実施し、耐摩耗性および揺動トルクの評価を行った
が、本発明が対象とする摺動部材において、球面滑り軸受はこのサイズに限定されるわけではなく、球面滑り軸受のサイズは任意に選定され得る。また、摺動部材の種類も球面滑り軸受に限定されず、任意に選択され得るものである。すなわち本発明は、自己潤滑性ライナーを摺動面に備える摺動部材であれば任意の部材に適用することができ、回転運動に限らず、部材やパーツの並進(直動)運動、揺動運動、それらの組み合わせ運動など任意の方向の摺動運動に使用される摺動部材も包含している。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれものである。
10…スリーブ軸受、 12…外輪、 12a…外輪の内周面、 14…自己潤滑性ライナー、 20…球面滑り軸受、 22…外輪(レース)、 22a…外輪の内周面、 24…自己潤滑性ライナー、 26…内輪(ボール)、 26a…内輪の外周面、 32…軸部材、 40…基部、 41…ハウジング、 42…ダイヤルゲージ、 T1…試験治具

Claims (4)

  1. 自己潤滑性ライナー用の光硬化性樹脂組成物であって、
    イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、
    リン酸タングステン酸ジルコニウム及びリン酸ジルコニウムのいずれか一方または双方を含有する、
    光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記光硬化性樹脂組成物が、さらに、チオール化合物を含有する、
    請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる自己潤滑性ライナーを摺動面に有する、摺動部材。
  4. 前記摺動部材が、球面滑り軸受であることを特徴とする請求項3に記載の摺動部材。
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