JP4287516B2 - 2液型塗料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ハイソリッド化が可能な2液型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
水酸基含有樹脂とポリイソシアネ−ト化合物とをあらかじめ分離しておき、使用直前にこれらを混合する2液型塗料組成物は公知である。一方、塗料分野において、省資源や公害防止の観点から、有機溶剤量を少なくし、樹脂等の固形分含有率を高くした、いわゆるハイソリッド型塗料が使用されている。
【0003】
そこで、この2液型塗料組成物をハイソリッド型にするために、樹脂の分子量を小さくする、樹脂のガラス転移温度を低くして軟質化する、硬化触媒を併用する等の手段が検討されているが、前2者では、初期硬化性や形成塗膜の硬度が劣り、しかも塗膜の磨き補修性が十分でない、塗装製品の梱包や搬送時に塗膜にキズが付きやすい等の欠陥があり、後者ではポットライフ時間がさらに短くなり、しかも仕上り外観(平滑性やツヤ感等)が低下する等の欠陥を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はハイソリッド化が可能な2液型塗料組成物に関し、しかも上記した欠陥の解消を目的とする。その特徴は、活性水素含有樹脂として、重量平均分子量が8000以上の加水分解性シリル基含有ビニル樹脂と重量平均分子量が8000以下の水酸基含有樹脂とを併用し、かつ触媒を含有せしめるところにある。その結果、上記の目的を達成することができた。
【0005】
すなわち、本発明は、(A)重量平均分子量が8000以上の加水分解性シリル基含有ビニル樹脂、(B)重量平均分子量が8000以下の水酸基含有樹脂及び(C)触媒を含有する組成物と、(D)ポリイソシアネ−ト化合物とを混合させてなる塗料組成物であって、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物と、(D)成分とをあらかじめ分離しておき、使用直前にこれらを混合することを特徴とする2液型塗料組成物に関する。
【0006】
以下に、本発明の2液型塗料組成物についてさらに詳細に説明する。
【0007】
(A)成分:重量平均分子量が8000以上の加水分解性シリル基含有ビニル樹脂。
【0008】
加水分解性シリル基は、一般式 −O−Si−R1 (−R2 )(−R3 )
(式中、R1 及びR2 は同一又は異なってもよく、C1 〜 1 8 のアルキル基、フェニル基、アリル基、水素原子、塩素原子又はフッ素原子、R3 はC1 〜 1 8 のアルキル基、フェニル基又はアリル基を表わす)
で示される。
【0009】
この加水分解性シリル基は、加水分解して水酸基を再生し、これがポリイシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基と反応して架橋硬化することが可能である。
【0010】
(A)成分は、この加水分解性シリル基を1分子中に2個以上併存するビニル樹脂であり、通常、加水分解性シリル基含有単量体を使用し、必要に応じてアクリル系単量体、その他の単量体を併用し、これらを(共)重合することにより調製することができる。
【0011】
加水分解性シリル基含有単量体は、1分子中に加水分解性シリル基及び重合性二重結合をそれぞれ1個以上有する併存する化合物であり、例えば、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、トリメチルシロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、トリエチルシロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、トリエチルシロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、トリブチルシロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等のトリアルキルシロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト:トリフェニルシロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト:ジメチル−tert−ブチルシロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト類等があげられる。又、N−メチロ−ル化(メタ)アクリルアミド、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、又はこれらにε−カプロラクトンを付加させたもの、ポリオキシアルキレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等をシリル化したものも包含される。
【0012】
アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸のアルキル(C1 〜 2 2 )エステル、(メタ)アクリル酸アルコキシ(C1 〜 1 0 )エステル等があげられる。
【0013】
(メタ)アクリル酸のアルキル(C1 〜 2 2 )エステルは、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとのモノエステル化物であり、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト等があげられる。アルコキシエステルは、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコキシエステルであり、例えば、メトキシブチル(メタ)アクリレ−ト、メトキシエチル(メタ)アクリレ−ト等があげられる。
【0014】
その他の単量体は、上記の加水分解性シリル基含有単量体及びアクリル系単量体以外の重合性不飽和化合物である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレ−ト、アリルグリシジルエ−テル等のギリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族環含有単量体;ビニルピリジン、アクリルアミド、N−ブトキシジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等のチッ素含有単量体等があげられ、これらはイソシアネ−ト基と速やかに反応性する官能基を有していないことが好ましい。
【0015】
加水分解性シリル基含有アクリル樹脂は、水酸基含有アクリル樹脂の水酸基にトリアルキルモノクロルシラン化合物のようなシリル化剤でブロックすることによっても調製できる。
【0016】
(A)成分において、これらの単量体の比率は特に制限されないが、(A)成分を構成する単量体の合計重量を基準に、加水分解性シリル基含有単量体は1〜100重量%、特に20〜50重量%、アクリル系単量体は99〜0重量%、特に50〜80重量%、その他の単量体は0〜80重量%、特に10〜60重量%の範囲内に含まれていることが適している。
【0017】
(A)成分としての加水分解性シリル基を1分子中に2個以上併存するビニル樹脂は、通常、加水分解性シリル基含有単量体を、必要に応じてアクリル系単量体、その他の単量体を併用し、これらを、例えばラジカル重合などのそれ自体既知の方法により(共)重合することにより調製することができる。
【0018】
かくして得られる(A)成分の重量平均分子量は、8000以上、特に10000〜30000の範囲内が適しており、重量平均分子量が8000より小さくなると初期硬化性や形成塗膜の硬度等が低下するので好ましくない。
【0019】
(B)成分:重量平均分子量が8000以下の水酸基含有樹脂。
【0020】
具体的には、1分子中に2個以上の遊離の水酸基を有せしめたアクリル樹脂及びポリエステル樹脂等があげられ、これらの重量平均分子量は8000以下であること必要である。重量平均分子量が8000以上になるとハイソリッド化が困難になるので好ましくない。この水酸基は、(A)成分のようなシリル基でブロックされたものではなく、遊離の状態にあるものであり、硬化剤としての(D)ポリイソシアネ−ト化合物とウレタン化反応し、架橋硬化せしめるためのものである。また、(B)成分に水酸基と共にカルボキシル基を併存させると、このウレタン化反応を促進させることができる。
【0021】
水酸基含有アクリル樹脂は、アクリル系単量体及び水酸基含有単量体、必要に応じてさらにカルボキシル基含有単量体やその他の単量体などを併用し、これらを共重合せしめることにより調製できる。
【0022】
これらの単量体のうち、アクリル系単量体、カルボキシル基含有単量体及びその他の単量体等は、上記の(A)成分の説明で例示したものが好適に使用することができる。
【0023】
(B)成分の調製に使用できる水酸基含有単量体は、1分子中に水酸基及び重合性二重結合を有する化合物で、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル(C2 〜 5 )エステル等があげられる。
【0024】
このアクリル樹脂は、重量平均分子量は8000以下、特に約3000〜7000、水酸基価は5〜200mgKOH/g、特に15〜120mgKOH/g、酸価は1〜150mgKOH/g、特に5〜50mgKOH/gの範囲内が適している。特に、重量平均分子量が8000以上になると塗料粘度が高くなり、塗装時における固形分濃度が低くなるので好ましくない。
【0025】
水酸基含有ポリエステル樹脂は多塩基酸と多価アルコ−ルとをそれ自体既知の方法でエステル化反応せしめることにより得られる。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、メチレントリシクロヘキセントリカルボン酸、ピロメリット酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ハイミック酸、コハク酸、ヘット酸及びこれらの無水物等があげられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ル等があげられる。さらに、一塩基酸、脂肪酸、油成分などを用いて変性したポリエステル樹脂も包含される。
【0026】
ポリエステル樹脂への水酸基の導入は1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−ル、またカルボキシル基の導入は1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸を併用することによって行なわれる。さらに、ポリエステル樹脂への水酸基の一部に多塩基酸をハ−フエステル化反応することによってもカルボキシル基を導入することができる。
【0027】
この水酸基含有ポリエステル樹脂は、重量平均分子量は8000以下、特に約2000〜6000、水酸基価は5〜200mgKOH/g、特に15〜120mgKOH/g、酸価は1〜150mgKOH/g、特に5〜50mgKOH/gの範囲内が適している。
【0028】
上記した(A)成分と(B)成分との構成比率は、この両成分の合計固形分を基準に、(A)成分は10〜90重量%、特に30〜70重量%、(B)成分は90〜10重量%、特に70〜30重量%の範囲内が好ましい。
【0029】
(C)成分:触媒
これは、(A)成分の加水分解性シリル基の加水分解、及び(A)及び(B)成分の水酸基と下記(D)成分のイソシアネ−ト基とのウレタン化反応を促進させるためのものであり、例えば、りん酸エステル系触媒、有機スルホン酸系触媒及びこれらの中和物等が好適に使用できる。
【0030】
りん酸エステル系触媒として、例えば、トリメチルホスヘ−ト、トリエチルホスヘ−ト、トリブチルホスヘ−ト、トリオクチルホスヘ−ト、トリブトキシエチルホスヘ−ト、トリスクロロエチルホスヘ−ト、トリスジクロロプロピルホスヘ−ト、トリフェニルホスヘ−ト、トリクレジルホスヘ−ト、トリキシレニルホスヘ−ト、クレジルジフェニルホスヘ−ト、オクチルジフェニルホスヘ−ト、キシレニルジフェニルホスヘ−ト、トリラウリルホスヘ−ト、トリセチルホスヘ−ト、トリステアリルホスヘ−ト、トリオレイルホスヘ−ト、トリフェニルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、メチルアシッドホスヘ−ト、イソプロピルアシッドホスヘ−ト、ブチルアシッドホスヘ−ト、ジブチルホスヘ−ト、モノブチルホスヘ−ト、オクチルアシッドホスヘ−ト、ジオクチルアシッドホスヘ−ト、イソデシルアシッドホスヘ−ト、モノイソデシルホスヘ−ト、ジオクチルホスヘ−ト等があげられる。
【0031】
有機スルホン酸系触媒として、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等があげられる。
【0032】
これらの触媒の中和剤として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−メチルピペラジン、N,N´−ジメチルピペラジン、N,N´−ジメチルベンジルアミン、N,N´−ジメチルドデシルアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,3−ジアミノブタンのような3級アミン等があげられ、これらは単独で、もしくは2種以上併用することができる。
【0033】
この(C)成分(触媒)の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、0.5〜5重量部、特に2〜3重量部の範囲内であることが好ましい。
【0034】
(D)成分:ポリイソシアネ−ト化合物。
【0035】
これは、上記の(A)及び(B)成分が有する水酸基とウレタン化反応して、本発明の塗料組成物による塗膜を架橋硬化せしめる硬化剤である。
【0036】
(D)成分としてのポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサン2,4−(ないし2,6−))ジイソシアネ−ト、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、1,3−ジ(イソシアネ−トメチル)シクリヘキサンなどの脂肪族、芳香族、肪環族のポリイソシアネ−ト化合物があげられる。さらに、これらのポリイソシアネ−ト化合物と多価アルコ−ル、ポリアミン、ポリエステルポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、アクリルポリオ−ル、ポリアミン、水などとイソシアネ−ト基過剰に反応させてなるプレポリマ−などもポリイソシアネ−ト化合物として使用できる。これらのポリイソシアネ−ト化合物は分子量は2000以下であることが好ましい。
【0037】
(D)成分の使用比率は、(A)成分のシリル基の加水分解によって再生する水酸基と(B)成分の水酸基との合計水酸基とイソシアネ−ト基とのモル比(OH/NCO)が1/0.2〜1/3、特に1/0.8〜1/1.5の範囲内が適している。
【0038】
本発明の塗料組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物と、(D)成分とをあらかじめ分離しておき、使用(塗装)直前にこれらを混合する2液型塗料であり、混合後は、できるだけ速やかに被塗物表面に塗装する。これらの2液型の両成分は、活性水素を含有しない有機溶剤にそれぞれ混合しておき、必要に応じて、これらのいずれかもしくは両方に、着色顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤などを適宜配合することは可能である。
【0039】
着色顔料として、塗料用としての、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カ−ボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル−、コバルトブル−などの無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料など有機顔料;りん片状のアルミニウム、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などのメタリック顔料が使用できる。これらの着色顔料を含有させてソリッドカラ−調またはメタリック調の塗膜を形成することができる。
【0040】
本発明の塗料組成物は、2液混合型塗装装置により塗装することが好ましい。例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物と、(D)成分を含有する組成物とをあらかじめ分離しておき、活性水素を含有しない有機溶剤などで塗装適性粘度に調整し、それ自体既知の噴霧式2液混合型塗装装置のガン先に別々に圧送し、そのガン内部で両組成物を混合した後、それをガン先のノズルから噴霧させて塗装する「内部混合方式」、またはガン先まで別々に圧送し、ガン先から噴霧された状態で両組成物を混合しながら塗装する「ガン先混合方式」などにより塗装することができる。
【0041】
2液混合型塗装装置により塗装するにあたり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物と、(D)成分の粘度をそれぞれ10〜20秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調製しておき、塗装膜厚が硬化塗膜を基準に15〜80μm、特に25〜60μmになるように塗装することが好ましい。
【0042】
本発明の塗料組成物を2液混合型塗装装置で上記のように混合された直後では、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂のシリル基が加水分解しない限りポリイソシアネ−ト化合物と反応しうる水酸基を生成しないので、粘度が上昇することがなく、均一に噴霧塗装することができる。そして、2液混合型塗装装置により噴霧塗装された塗膜は、触媒を含有させてあるために、大気中の水分などによりシリル基の加水分解が急速に進行し、それによって水酸基が再生しポリイソシアネ−ト化合物と速やかに架橋反応し塗膜を硬化せしめる。
【0043】
本発明の塗料組成物による形成塗膜のポリイソシアネ−ト化合物による架橋反応は、室温においても進行するが、50〜120℃、特に80〜100℃に加熱することにより極めて速やかに進行させることができる。
【0044】
本発明の塗料組成物を塗装するための被塗物は金属製品およびプラスチック製品などがあげられ、これらの両製品が連結された一体製品にも好適に塗装できる。特に自動車や家電製品の外板などが好適である。これらの被塗物に直接塗装することは可能であるが、金属製品ではあらかじめ下塗塗料(カチオン電着塗料など)や中塗塗料(省略可能)などをあらかじめ塗装しておくことが好ましい。また、プラスチック製品では酸やアルカリ薬剤などによる処理もしくはイソプロパノ−ル脱脂などにより前処理をしておくことが好ましい。
【0045】
【本発明の効果】
1.(A)成分、(B)成分及び(C)触媒を含有する組成物と、(D)成分を含有する組成物とをあらかじめ分離しておき、使用直前にこれらを混合する本発明の2液型塗料組成物は、塗装時における固形分含有率を55重量%以上、特に60〜75重量%にすることが可能であり、ハイソリッド化が達成でき、省資源及び公害防止に寄与することができる。
【0046】
2.本発明の塗料組成物による塗膜は、塗装してからすぐに硬化反応が開始するので、塗膜硬度の上昇立上がりが早く、しかも最終形成塗膜の硬度も高い。
【0047】
3.この硬化塗膜の磨き補修性、塗装製品の梱包や搬送時に塗膜にキズが付きにくい、仕上り外観(平滑性やツヤ感等)等がすぐれている。
【0048】
【実施例】
本発明に関する実施例および比較例について説明する。部および%はいずれも重量に基づくものである。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜を基準としている。
【0049】
1.試 料
1)被塗物
a):りん酸亜鉛で表面処理した鋼板(大きさ150×80×0.8mm)に「エレクロン#9200」(関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)および「アミラックN2シ−ラ−」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系中塗り塗料)を塗装し加熱硬化したもの。
【0050】
b):イソプロパノ−ルアミンで表面を蒸気脱脂したポリプロピレンシ−ト(大きさ150×80×0.8mm)。
【0051】
2)(A)成分
a):トリメチルシロキシエチルメタクリレ−ト35部、スチレン40部、ラウリルメタクリレ−ト25部を通常の方法で溶液重合を行ったもので、重量平均分子量12000で、加水分解後の水酸基価は110である。
【0052】
b):トリフェニルシロキシエチルメタクリレ−ト40部、スチレン30部、n−ブチルメタクリレ−ト20部およびn−ブチルアクリレ−ト10部を通常の方法で溶液重合を行ったもので、重量平均分子量25000で、加水分解後の水酸基価は80である。
【0053】
3)(B)成分
a):ヒドロキシエチルメタクリレ−ト25部、スチレン35部、n−ブチルメタクリレ−ト25部、ラウリルメタクリレ−ト15部を通常の方法で溶液重合を行ったもので、重量平均分子量は7000、水酸基価は110であった。
【0054】
b):ポリエステル樹脂(重量平均分子量は5000、水酸基価は100)
4):(C)成分
a):イソプロピルアシッドホスヘ−ト
b):ドデシルベンゼンスルホン酸
5):(D)成分
a):「スミジュ−ルN−3500」(住友バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネ−トのイソシアヌレ−ト型化合物)。
【0055】
b):「スミジュ−ルN−3200」(住友バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネ−トのビユレット型ポリイソシアネ−ト化合物)。
2.実施例及び比較例
上記の(A)、(B)及び(C)成分を有機溶剤(トルエン/キシレン=1/1重量比)に混合希釈し、粘度20秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。これらの各成分の配合比率(固形分比)は表1に示した。また、(D)成分は有機溶剤(トルエン/キシレン=1/1重量比)に混合希釈し、粘度20秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整した。これらの両者は混合せずに分離しておいた。
【0056】
分離しておいた両成分を、(D)成分のNCO基と(A)及び(B)成分の合計水酸基との比率がモル比で1/1になるように混合し、2液混合型エアレス塗装装置(「APW1120」旭サナック社製、商品名、ガン先混合方式)を用いて塗装し、熱風乾燥機において80℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた。塗膜性能試験結果も表1に併記した。
【0057】
【表1】
【0058】
塗膜試験方法は下記のとおりである。
【0059】
塗膜初期硬化性:80℃で30分間加熱して硬化し、室温で1時間放置してから、キシレンを含浸したガ−ゼを塗面に押しつけながら8往復した後の塗面を目視観察した。○は塗面に変化が全く認められない、△は塗面にツヤボケ、スリキズなどが少し認められる、×は塗面が溶解した を示す。
【0060】
最終塗膜硬度:80℃で30分間加熱して硬化し、室温で3日間放置した後の20℃における塗膜の鉛筆硬度を観察した。HBもしくはそれ以上に硬質であることが好ましい。
【0061】
磨き補修性:80℃で30分間加熱して硬化し、室温で1時間放置してから#800の耐水研磨紙でサンディングした時の研磨性を観察した。○は詰まりがなく、スム−スに研磨できる、△は詰まりが少しあり、研磨作業性が劣る、×は詰まりが多くなり、研磨作業性が非常に劣る を示す。
【0062】
ポットライフ:全成分を均一に混合した組成物(粘度20秒/フォ−ドカップ#4/20℃)を室温で4時間放置した後の粘度を測定し、○は粘度上昇が3秒以内、△は3〜10秒上昇、×は10秒以上上昇したことを示す。
【0063】
平滑性:目視評価した。○は平滑性良好、△は平滑性やや劣る、×は平滑性非常に劣る を示す。
【0064】
ツヤ感:目視評価した。○はツヤ、鮮映性がすぐれている、△はツヤボケが見られ、鮮映性も劣る、×はツヤが殆どなく、鮮映性も劣る を示す。
Claims (2)
- (A)重量平均分子量が8000以上の加水分解性シリル基含有ビニル樹脂、(B)重量平均分子量が8000以下の水酸基含有樹脂及び(C)触媒を含有する組成物と、(D)ポリイソシアネ−ト化合物とを混合させてなる塗料組成物であって、
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物と、(D)成分とをあらかじめ分離しておき、使用直前にこれらを混合することを特徴とする2液型塗料組成物。 - (A)成分と(B)成分との合計固形分を基準に、(A)成分は10〜90重量%、(B)成分は90〜10重量%であり、(C)成分は(A)成分と(B)成分との合計100重量部(固形分)あたり、0.5〜5重量部である請求項1記載の2液型塗料組成物。
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