JP2017082197A - 有機溶剤系下塗り塗料組成物 - Google Patents

有機溶剤系下塗り塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
ウェット・オン・ウェット塗装や膜厚が薄い場合でも自然で平滑性のある外観が得られ、耐久性に優れた塗膜を形成するのに適する下塗り塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法を提供する。
【解決手段】
塗装前に2以上の成分を混合して下塗り塗料組成物を調製するための多成分系の下塗り塗料組成物であって、ラクトン変性アクリルポリオール(A)、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)及び顔料組成物(C)を含み、(B)が、酸基を有し且つ(A)よりも高酸価であって、該塗料組成物は、(C)の含有量が(A)及び(B)合計固形分100質量部を基準として50〜500質量部の範囲内にある主剤成分(I)並びにポリイソシアネート化合物を含む硬化剤成分(II)を組み合わせてなり、(I)及び(II)のいずれか又は両方がアルコキシシラン化合物(D)を含む下塗り塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は特に自動車などの補修塗装に有用な有機溶剤系下塗り塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法に関する。
一般に、自動車外板などの修理は、損傷が軽微な場合の部分補修塗装と損傷が大きい場合の新品パーツ交換に大別される。
部分補修塗装の場合、損傷箇所の旧塗膜の剥離処理やサンディング後、該箇所に鈑金パテをヘラ等で厚盛りに付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次いでこの上に樹脂パテを該箇所周辺の旧塗膜までかかるようにヘラ等で付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次いでこの上にプライマーサーフェーサー塗装、上塗り塗装を順次行う、などの非常に多くの工程からなる。
また、パテ付け〜プライマーサーフェーサー塗装の工程は、損傷部のひずみを消して車体を元の形に整えるための工程であり、点や線などの浅い傷に対してもパテの種類を分けて塗布したり、各塗布ごとにその塗布面を目の粗細が異なる複数の耐水ペーパーなどを用いて段階的に研磨しているために、多大な労力と時間を費やしている。
自動車補修塗装工程は、プライマーサーフェーサー塗装後、乾燥して研磨を行い、その研磨面に目的の色に調色されたカラーベース塗装を行い、得られたカラーベース塗膜にクリヤー塗装後乾燥を行う3コート2ベークが主流となっている。この場合、プライマーサーフェーサーの塗装工程は、塗装作業だけではなく、乾燥工程と研磨工程も行っているために作業時間を多く費やしていた。
そこで従来のプライマーサーフェーサー塗装のあとに溶剤系又は水性のカラーベースをウェット・オン・ウェットで塗装すると、最終的な仕上がり性が満足できるものではないのは勿論、プライマーサーフェーサー付着強度にも難点があった。このため、乾燥や研磨工程を低減又は省略しても次工程の上塗りの外観や補修塗膜としての性能に影響を与えないような下塗り塗料組成物の開発が求められている。
このような要求に関して特許文献1〜2には、アクリルポリオール及び顔料を含む主剤成分、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤成分、並びに顔料を殆ど含有しないポリオール成分からなる3成分系の下塗り塗料組成物が提案されている。かかる下塗り塗料組成物によれば下塗り塗料と上塗り塗料の間でウェット・オン・ウェット塗装を実現でき、形成される下塗り塗膜は適度な付着強度を有し、上塗り塗膜と共に自然な外観の補修塗膜が得られるものである。
しかしながら、特許文献1〜2に記載の組成物では塗膜が薄膜である場合に表層がざらつくことがあり、また、下塗り塗料と上塗り塗料に加えてクリヤー塗料をウェット・オン・ウェット塗装し、3層を乾燥させた場合、トップコートであるクリヤー塗膜がチリ肌となることがあった。
ところで、ドアやフェンダーなど交換可能なパーツの損傷度合いが大きい場合の修理方法として、損傷が激しいパーツを新品のパーツに交換する方法がある。かかる新品パーツの表面には通常電着塗料が予め塗装されており、補修塗装現場では新品パーツ表面の電着塗装面をサンドペーパー等で研ぎ出し、その後補修用下塗り塗料を全面塗装して下地調整をした後、目的の塗色となるように調色された着色上塗り塗料及びクリヤー塗料の塗装を順次行っている。
近年、このような新品パーツを対象とした塗装においても、ウェット・オン・ウェット塗装で下塗りと着色上塗り塗装を行う補修工程が主流となってきている。しかしながらこのような補修塗装工程に特許文献1〜2記載の下塗り塗料を用いた場合、下塗り塗膜の耐久性不良に伴う外観不良が生じるケースがあった。
特開2014−472272号公報 特開2015−96594号公報
本発明の目的は、ウェット・オン・ウェット塗装や膜厚が薄い場合でも自然で平滑性のある外観が得られ、耐久性に優れた塗膜を形成するのに適する下塗り塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法を提供することにある。
本発明者らは上記した課題に対して鋭意検討した結果、アクリルポリオール及び顔料を含む主剤成分とポリイソシアネート化合物を含む硬化剤成分とを組み合わせて得られる組成物に、特定の複数のアクリルポリオール及び特定のオルガノシラン化合物を用いることによって、ウェット・オン・ウェット塗装であっても周囲と違和感のない自然な外観で耐久性に優れた補修複層塗膜を可能とする下地層が形成されることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
塗装前に2以上の成分を混合して下塗り塗料組成物を調製するための、多成分系の下塗り塗料組成物であって、
ラクトン変性アクリルポリオール(A)、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)及び顔料組成物(C)を含み、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)が、酸基を有し且つラクトン変性アクリルポリオール(A)よりも高酸価であって、
該塗料組成物は、顔料組成物(C)の含有量がラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準として50〜500質量部の範囲内にある主剤成分(I)並びに
ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤成分(II)を組み合わせてなり、
主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)のいずれか又は両方がアルコキシシラン化合物(D)を含む下塗り塗料組成物及び該下塗り塗料組成物を下地塗装に用いた補修塗装方法に関する。
本発明の下塗り塗料組成物は下地及び上塗り塗膜との付着性に共に優れており、また、薄膜でもざらつきが抑制された下塗り塗膜が得られるので、その上に上塗り塗料を塗装して形成された複層塗膜は下地の影響の少ない自然な外観が得られる。
また、下塗り塗料組成物と上塗り塗料組成物とをウェット・オン・ウェット塗装をした場合においても、得られた複層塗膜は周囲と差異のない自然な外観を有しており、耐久性にも十分優れている。
本発明の下塗り塗料組成物は、塗装前に2以上の成分を混合して下塗り塗料組成物を調製するための、多成分系の組成物である。以下、順に説明する。
まず主剤成分(I)について説明する。
<ラクトン変性アクリルポリオール(A)>
本発明において、後述のポリイソシアネート化合物と共にポリウレタン皮膜形成成分となりうるアクリルポリオール成分は、ラクトン変性アクリルポリオール(A)を含む。
ラクトン変性アクリルポリオール(A)を含むことによって、本発明の下塗り塗料組成物により形成される下塗り塗膜の付着性が向上する。
かかるラクトン変性アクリルポリオール(A)としては、例えば、ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、少なくとも1種の(メタ)アクリロイル基含有モノマーとを含む重合性不飽和モノマーの共重合体であることができる。
ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ラクトンとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応物であることができ、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2017082197
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、nは1〜25である。]。
ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、具体的には、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−2D」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−2D」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(いずれもダイセル化学社製、商品名)等の市販品を挙げることができる。
かかるラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの共重合割合としては、ラクトン変性アクリルポリオール(A)の製造に使用される全重合性不飽和モノマーを基準として1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%の範囲内にあることが本発明塗料組成物から形成される塗膜の上塗り塗膜との付着性と研磨性の観点から適している。
上記ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと共重合される(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレート等のラクトン変性されていないその他の水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマー;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する(メタ)アクリロイルモノマー;;(メタ)アクリル酸;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマー;イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等のイソシアナト基含有(メタ)アクリロイルモノマー;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の酸化硬化性基含有(メタ)アクリロイルモノマー等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、(メタ)アクリロイル基含有モノマー以外の共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物;マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;アリルアルコールなどの水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等)、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;エポキシ基含有重合性不飽和モノマー又は水酸基含有重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物等の酸化硬化性基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ラクトン変性アクリルポリオール(A)は、重量平均分子量が5,000〜80,000、好ましくは6,000〜70,000の範囲内、固形分水酸基価が200mgKOH/g以下、好ましくは50〜150mg/KOHの範囲内、固形分酸価が1〜30mgKOH/g、好ましくは5〜15mgKOH/gの範囲内、ガラス転移温度が0〜70)℃、好ましくは20〜50℃の範囲内にあることが、形成塗膜の付着性向上の点から適している。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
また、ガラス転移温度(Tg)は、下記の式を用いて算出することができる。
1/Tg(K)=W/T+W/T+・・・W/T
Tg(℃)=Tg(K)−273
式中、W、W、・・・Wは各モノマーの質量分率であり、T、T・・・Tは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tg(K)である。
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が50,000程度になるようにして合成したときの静的ガラス転移温度とする。
該静的ガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で−100℃〜150℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側における最初のベースラインからの変化点を静的ガラス転移温度とすることによって、測定することができる。
また、本明細書において固形分とは、揮発成分を除いた残存物を意味するものであり、残存物としては常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。固形分質量は、乾燥させた時の残存物質量の乾燥前質量に対する割合を固形分率とし、固形分率を乾燥前の試料質量に乗じることで算出することができる。
<ラクトン未変性アクリルポリオール(B)>
本発明ではアクリルポリオール成分としてラクトン変性アクリルポリオール(A)に加えてラクトン未変性アクリルポリオール(B)を含む。
かかるラクトン未変性アクリルポリオール(B)としては、ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含まず、水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマー、その他の(メタ)アクリロイル基含有モノマー、及び必要に応じて他の重合性不飽和モノマーを含むモノマーの共重合体であることができる。
水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマー、及びその他の(メタ)アクリロイル基含有モノマー以外の共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては上述した化合物と同様であることができる。
上記ラクトン未変性アクリルポリオール(B)は、重量平均分子量が5,000〜80,000、好ましくは6,000〜70,000の範囲内、固形分水酸基価が200mgKOH/g以下、好ましくは50〜150mg/KOHの範囲内、固形分酸価が1〜60mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/gの範囲内、ガラス転移温度が−20〜60℃、好ましくは0〜40℃の範囲内にあることが適している。本発明下塗り塗料組成物と着色上塗り塗料をウェット・オン・ウェット塗装した場合の仕上がり外観が良好になるからである。
特に本発明では、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)はラクトン変性アクリルポリオール(A)よりも固形分酸価が大きいことを特徴とする。ポリオール(B)の固形分酸価がポリオール(A)より低いと、前記下塗り塗料組成物と着色上塗り塗料及びクリヤー塗料をウェット・オン・ウェット塗装した場合の肌感が不良となり、好ましくない。
また、上記ラクトン未変性アクリルポリオール(B)は、ラクトン変性アクリルポリオール(A)よりも、ガラス転移温度及び重量平均分子量が共に低く、固形分水酸基価が高いことが、本発明下塗り塗料組成物の上に着色上塗り塗料をウェット・オン・ウェット塗装した場合の外観の点から適している。
上記ラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)の配合割合としてはラクトン変性アクリルポリオール(A)/ラクトン未変性アクリルポリオール(B)固形分質量比で90/10〜40/60、好ましくは80/20〜50/50の範囲内にあることが適している。ラクトン未変性アクリルポリオール(B)の配合量が多すぎると指触乾燥性が低下して、塗膜に付着したごみを除去する作業が困難になることがある。
<顔料組成物(C)>
本発明に用いられる顔料組成物(C)は、体質顔料、着色顔料、防錆顔料等、塗料分野で公知の顔料を挙げることができ、所望の塗色となるように適宜組み合わせて使用することができる。本発明下塗り塗料組成物における顔料組成物(C)の含有量としては、主剤成分(I)に含まれるラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準にして、50〜500質量部、好ましくは100〜300質量部の範囲内にあることが、下塗り塗膜の付着強度と上塗り塗装後の仕上がり外観の観点から適している。
上記体質顔料としては、例えばカオリナイト、ハロイサイト、パイロフェライト又はセリサイト等のクレー;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、石膏、タルク、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、着色顔料としては、例えば、二酸化チタン等の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック等の黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルー等の青色顔料;フタロシアニングリーン等の緑色顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、リン化鉄、亜鉛粉等のメタリック顔料;金属酸化物コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄等の真珠光沢調顔料等を挙げることができ、これらの顔料はそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記防錆顔料としては、塗料分野で公知のものを使用することができ、例えば、亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物;リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム・アンモニウム共析物、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、リン酸マグネシウム・コバルト共析物、リン酸マグネシウム・ニッケル共析物、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸塩化フッ化カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化マグネシウム処理物、トリポリリン酸二水素亜鉛の酸化マグネシウム処理物等のリン酸系金属塩;シリカ、コロイダルシリカ、金属イオン交換シリカ;五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウム及びメタバナジン酸アンモニウム、酸化マンガンと酸化バナジウムとの焼成物、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物等のバナジウム化合物:モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム、水酸化コバルト等を挙げることができ、これらを1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記防錆顔料としては下塗り塗膜の耐水性及び素地との付着性の観点からリン酸系金属塩及び/又は亜鉛化合物、好ましくは亜鉛化合物が適している。
本発明では顔料組成物(C)の組成は目的とする塗膜の明度によって種々選択することができるが一般にはラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)の合計固形分100質量部を基準として、
体質顔料が合計で10〜200質量部、好ましくは30〜150質量部の範囲内、
着色顔料が0.1〜180質量部、好ましくは5〜150質量部、
防錆顔料が5〜60質量部、好ましくは10〜50質量部の範囲内
にあることが薄膜時における隠蔽性及び平滑性に優れた下塗り塗膜が得られることから適している。
また、明度の低いプライマー塗膜を形成させるべく、着色顔料として黒色顔料を使用する場合は、ラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)の合計固形分100質量部を基準として0.1〜5質量部の範囲内で含ませることができる。
本発明では顔料組成物(C)がその成分の一部としてクレーを含むことが適している。
クレーの含有量が、主剤成分(I)に含まれるラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準として0.1〜100質量部、好ましくは20〜80質量部の範囲内にあることが好ましい。
本発明では下塗り塗料組成物がクレーを含み、クレーの含有量がこの範囲内にあることによって、下塗り塗膜が薄膜でもざらつき感がなく、適度な研磨性を有し、次工程の上塗り塗装をウェット・オン・ウェット塗装で行っても良好な外観の塗膜が得られるという効果がある。
<アルコキシシラン化合物(D)>
本発明では、主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)のいずれか又は両方がアルコキシシラン化合物(D)を含む。アルコキシシラン化合物(D)を含むことによって、特に新品パーツの電着塗装面に本発明下塗り塗料組成物を適用した場合に、耐久性に優れた下塗り塗膜が得られるという効果がある。
アルコキシシラン化合物(D)としてはアルコキシ基に加えてビニル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基、メルカプト基等の官能基を有する珪素化合物であることが好ましい。かかるアルコキシシラン化合物(D)の具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有アルコキシシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基含有アルコキシシラン化合物;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン化合物等が挙げられ、これらは、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
これらの中ではエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が形成塗膜の耐久性の点から好ましい。
本発明において上記アルコキシシラン化合物(D)の含有量には適正量があり、添加量を増やしても、一定以上の効果は得られない。適正量として具体的にはラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準にして、0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲内が適当である。
<主剤成分(I)>
本発明において主剤成分(I)としては、ラクトン変性アクリルポリオール(A)、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)及び顔料組成物(C)に加えて、有機溶剤、粘性調整剤、硬化触媒、セルロースアセテートブチレート及びその変性物;ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂等のラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)以外の改質用樹脂;顔料分散剤、表面調整剤、樹脂粒子などの塗料用添加剤を適宜配合することができる。
これらのうち有機溶剤としては、例えば分子量が58〜220、特に72〜200の範囲内にある有機化合物を挙げることができ、塗料分野で公知のものを制限なく使用することができるが、例えば、エステル系有機溶剤及びケトン系有機溶剤から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含むことが望ましい。
かかるエステル系有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸2エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられ、ケトン系有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルイソアミルケトン、ジイソブイチルケトン、メチルヘキシルケトン、イソホロンなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
このようなエステル系有機溶剤及びケトン系有機溶剤から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤の使用量としては、本発明の下塗り塗料組成物に含まれる全有機溶剤中5質量%以上、特に20質量%以上にあることが望ましい。
本発明において上記エステル系有機溶剤及びケトン系有機溶剤以外のその他の有機溶剤としては、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン等の直鎖状アルカン;2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、3,4−ジエチルヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、2−メチルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等の分岐状アルカン;シクロペンタン、t−デカリン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,2−メチルエチルシクロヘキサン、1,3−メチルエチルシクロヘキサン、1,4−メチルエチルシクロヘキサン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサンおよび1,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の環状アルカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系有機溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等のエーテル系有機溶剤等を挙げることができる。
上記有機溶剤は、ラクトン変性アクリルポリオール(A)及び/又はラクトン未変性アクリルポリオール(B)の製造における重合溶媒、希釈溶媒として、或いは主剤成分(I)製造における希釈用として配合することができる。
また、粘性調整剤としては従来公知のものを使用できるが、特にアミド系粘性調整剤を使用することが好ましい。
アミド系粘性調整剤を使用することにより、主剤成分(I)の貯蔵安定性及び本発明下塗り塗料組成物の塗装作業性を良好なものとすると共に、下塗り塗料組成物の上塗り塗膜に対する付着強度が向上する効果がある。
かかるアミド系粘性調整剤としては、塗料分野で公知のものを制限なく使用することができ、合成方法、使用材料などは特に制限されるものではなく、また、市販品を使用することもできる。
具体的には脂肪酸アンモニウム塩の脱水又は油脂(エステル)の加アンモニア分解により合成される脂肪酸モノアミド;脂肪酸アミドとホルムアルデヒドとの縮合反応、モノカルボン酸とジアミンとの加熱縮合反応又は二塩基酸とモノアミンとの加熱縮合反応によって合成される脂肪酸ジアミド(ビスアミド);二塩基酸とジアミンの重縮合、ジアミン誘導体と二塩基酸の重縮合、ジアミンと二塩基酸誘導体若しくは不飽和脂肪酸の二量化して得られるダイマー酸の重縮合、或いはラクタムの開環重合によって得られる脂肪酸ポリアミド類、などが挙げられる。
かかるアミド系粘性調整剤は有機溶剤等の希釈媒体で希釈されたものであってもよい。
本発明において、上記アミド系粘性調整剤の有効成分(希釈媒体以外の成分)の含有量としては、ラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準にして、0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜8質量部の範囲内にあることが望ましい。
また、硬化触媒としては、従来公知のウレタン化触媒が特に制限なく適用でき、例えば硝酸ビスマス、オレイン酸鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オクタノエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、四塩化チタン、二塩化ジブチルチタン、テトラブチルチタネート、三塩化鉄、オクチル酸亜鉛などの金属化合物や第3級アミンなどが挙げられる。
該硬化触媒は主剤成分(I)、硬化剤成分(II)のいずれに含まれていてもよく、硬化触媒の含有量としては、ラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分質量100質量部を基準にして0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲内が本発明組成物の硬化性と主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)混合後の粘度上昇抑制の観点から適している。
<硬化剤成分(II)>
本発明において硬化剤成分(II)は、ポリイソシアネート化合物及び必要に応じてアルコキシシラン化合物(D)を含む。
かかるポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有するポリイソシアネート化合物である。その具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソフォロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタ−テトラメチルキシリレンシジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネ−ト等のポリイソシアネート化合物、またはこれらポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられ、これらは1種用いても良いし2種以上組み合わせて用いても良い。
上記硬化剤成分(II)は、ポリイソシアネート化合物以外に、有機溶剤;粘性調整剤、硬化触媒、表面調整剤等の塗料用添加剤を必要に応じて含有することができる。
<下塗り塗料組成物>
本発明において、上記主剤成分(I)と上記硬化剤成分(II)の使用割合は、主剤成分(I)に含まれる樹脂中の水酸基1当量に対し、硬化剤成分(II)中のイソシアネート基が0.8〜4.0当量、好ましくは1.0〜3.5当量となるような割合にすることが適している。
かくして得られる本発明組成物は、各成分が別個に保管された多成分系組成物であり、一般に塗装直前に各成分を混合し、必要に応じて希釈シンナーを用いて粘度調整して使用に供される。
本発明では、さらに上記下塗り塗料組成物を下地塗装に用いた補修塗装方法を提供するものである。
本発明方法に適用できる部材は、特に制限されるものではないが例えば自動車や家庭電気製品などの外板部又は内板部に塗装された塗膜があげられ、このものは例えば電着塗膜、中塗り塗膜(省略されることもある)および上塗り塗膜からなる複層塗膜であることが多い。また、該塗膜はソリッドタイプおよびメタリックタイプのいずれでもよい。これらの塗膜は三次元の架橋硬化塗膜または非架橋塗膜のいずれでもよい。
本発明方法では、損傷部及びその周囲の部分補修塗装の場合は、まず、塗膜の損傷部分を削り取り、損傷部を中心に必要によりその周囲までサンディングを行った後に、必要に応じて脱脂する。線傷や点傷等であれば、該脱脂部分に直接本発明組成物を塗装することができ、損傷によっては、削り取り部分に各種パテを充填した後、本発明組成物を塗装することができる。パテの充填はヘラを用いるなどにより、それ自体既知の方法で行える。パテとしては、従来公知の鈑金パテや樹脂パテなどであり、例えば硝化綿系、アクリル樹脂系、エポキシアクリレート樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系などが挙げられる。パテを塗布した場合には、これを乾燥させてから、該パテ面を研磨することが好ましい。
一方、本発明方法を自動車部品などの新品パーツに対して適用する場合は、必要に応じて表面をサンディングし、その上に直接本発明組成物を塗装することができる。
本発明組成物の塗装は、従来公知の塗装方法が採用でき、特にスプレー塗装が好適である。塗装膜厚は、乾燥膜厚で10〜60μm、好ましくは20〜50μmの範囲内にあることが適している。
本発明によれば、下塗り塗料組成物により形成される塗膜が未硬化の状態で次工程での上塗り塗料の塗装を行っても、最終的な仕上がり外観に影響が少ない利点を有するものであるが、下塗り塗膜の硬化、研磨を排除するものではない。
下塗り塗膜の乾燥条件はウェット・オン・ウェット塗装の場合は例えば、常温で5〜20分間放置する条件が挙げられ、塗膜を乾燥させる条件の場合は例えば5〜40℃、好ましくは10〜30℃の条件で、20〜120分、特に30〜90分行う条件を挙げることができる。
上記上塗り塗料の塗装には、メタリック顔料及び/又は着色顔料を配合してなる着色ベース塗料のみを使用する1コート仕上げ、あるいは該着色ベース塗料とクリヤー塗料とを使用する2コート仕上げなど従来公知の塗装が挙げられる。
上記着色ベース塗料としては、通常補修用に使用されている有機溶剤系、水系等の上塗り塗料が特に制限なく使用でき、スプレー塗装、静電塗装、ハケ塗装、ローラー塗装等公知の塗装手段で塗装することができる。
着色ベース塗料の塗装を複数回行う場合は必要に応じて各塗装の間にフラッシュオフ(塗装後塗膜を常温で静置)、エアーブローや予備加熱などの工程を設けてもよい。
着色ベース塗料の塗装が終了した後の乾燥は、特に制限されるものではないし、トップクリヤーを塗り重ねる場合は未硬化の状態であってもよい。一般には例えば20〜100℃の温度条件で、5〜60分間乾燥させることが好ましい。
トップクリヤー塗料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、例えば水酸基などの架橋性官能基を含有するアクリル樹脂やフッ素樹脂を主剤とし、ブロックポリイソシアネート、ポリイソシアネートやメラミン樹脂などを硬化剤として含有する硬化型塗料、あるいはセルロースアセテートブチレート変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカー塗料などが好適に使用でき、さらに必要に応じて顔料類、繊維素誘導体類、添加樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、硬化触媒などの塗料用添加剤を含有することができる。
トップクリヤー塗料の乾燥は例えば20〜100℃、好ましくは40〜100℃の温度条件で、5〜60分間乾燥させることが好ましい。膜厚は、被塗面の状態に応じて適宜調整できるが、一般には乾燥膜厚として、5〜100μm、特に10〜60μmの範囲内が適している。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
<ラクトン変性アクリルポリオールの製造>
製造例1
反応容器に、酢酸ブチル52部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、スチレン15部、メチルメタクリレート10部、メタクリル酸n−ブチル10部、メタクリル酸t−ブチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル19部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、プラクセルFA−2D(商品名、ダイセル化学社製、カプロラクトンとヒドロキシエチルアクリレートの反応物):10部、アクリル酸1部及びアゾビスイソブチロニトリル2.0部からなるモノマー及び重合開始剤のモノマー混合物を110℃以下で滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後60分間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を酢酸ブチル7部に溶解させたものを60分間かけて一定速度で滴下した。そして滴下終了後60分間110℃に保持し、反応を終了した。得られたラクトン変性アクリル樹脂溶液(A−1)は、不揮発分55%で均一な黄色透明溶液であり、樹脂の重量平均分子量は14000、固形分水酸基価は81mgKOH/g、固形分酸価は8mgKOH/g、ガラス転移温度は44℃であった。
製造例2
上記製造1において、モノマー組成を下記とする以外は同様にしてラクトン変性アクリル樹脂溶液(A−2)を得た。樹脂の重量平均分子量は14000、固形分水酸基価は80mgKOH/g、固形分酸価は8mgKOH/g、ガラス転移温度は35℃であった。
スチレン 15部、
メチルメタクリレート 10部、
メタクリル酸n−ブチル 10部、
メタクリル酸t−ブチル 10部、
メタクリル酸2−エチルヘキシル 29部、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 16部、
プラクセルFA−2D(商品名、ダイセル化学社製、カプロラクトンとヒドロキエチルメタクリレートの反応物) 9部、
アクリル酸 1部。
<ラクトン未変性アクリルポリオールの製造>
製造例3
反応容器に、酢酸ブチル42部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、スチレン29部、n−ブチルメタクリレート1部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、アクリル酸2.4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部及びアゾビスイソブチロニトリル2.3部からなるモノマー及び重合開始剤のモノマー混合物を110℃以下で滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後60分間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を酢酸ブチル7部に溶解させたものを60分間かけて一定速度で滴下した。そして滴下終了後60分間110℃に保持し、反応を終了した。得られたアクリル樹脂溶液(B−1)は、不揮発分65%、均一な黄色透明溶液であり、樹脂の重量平均分子量は10000、固形分酸価は20mgKOH/g、固形分水酸基価は130mgKOH/g、ガラス転移温度は15℃であった。
製造例4
製造例3において、モノマー組成を下記とする以外は同様にして不揮発分が65%のアクリル樹脂溶液(B−2)を得た。樹脂の重量平均分子量は10000、固形分水酸基価は118mgKOH/g、固形分酸価は37mgKOH/g、ガラス転移温度は10℃であった。
スチレン 18部、
メタクリル酸n−ブチル 1部、
メタクリル酸t−ブチル 10部、
アクリル酸2−エチルヘキシル 43部、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 29部、
アクリル酸 5部。
製造例5
反応容器に、酢酸ブチル42部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、スチレン29部、n−ブチルメタクリレート1部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート31.4部及びアゾビスイソブチロニトリル2.3部からなるモノマー及び重合開始剤のモノマー混合物を110℃以下で滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後60分間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を酢酸ブチル7部に溶解させたものを60分間かけて一定速度で滴下した。そして滴下終了後60分間110℃に保持し、反応を終了した。得られたアクリル樹脂溶液(B−3)は、不揮発分65%、均一な黄色透明溶液であり、樹脂の重量平均分子量は10000、固形分酸価が0mgKOH/g、固形分水酸基価は140mgKOH/g、ガラス転移温度は14℃であった。
製造例6
製造例3において、モノマー組成を下記とする以外は同様にして不揮発分が65%のアクリル樹脂溶液(B−4)を得た。樹脂の重量平均分子量は10000、固形分水酸基価は55mgKOH/g、固形分酸価は18mgKOH/g、ガラス転移温度は55℃であった。
スチレン 68部、
メタクリル酸n−ブチル 1部、
アクリル酸2−エチルヘキシル 17部、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 13部、
アクリル酸 2.4部。
<2成分系の下塗り塗料組成物の製造>
実施例1
固形分55%のアクリル樹脂溶液(A−1)30部、固形分65%のアクリル樹脂溶液(B−1)15部に、酢酸ブチル6部、顔料分散剤0.4部、チタン白13部、クレー13部、硫酸バリウム13部、酸化亜鉛4部、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部、ジブチル錫ジラウレート0.1部、アミド系増粘剤(脂肪酸アマイド、アミド系粘性調整剤、有効成分20%)0.6部を順次配合し混合・攪拌し、30分間分散処理をし、主剤成分を得た。該主剤成分に、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(「スミジュールN3390EA」、商品名、住化バイエルウレタン社製)を20部を使用直前に混合し、下塗用塗料組成物(X−1)を得た。
実施例2〜27及び比較例1〜4
上記実施例1において、表1記載の配合組成とする以外は実施例1と同様にして各下塗用塗料組成物(X−2)〜(X−31)を得た。
Figure 2017082197
Figure 2017082197
<性能試験>
(*)乾燥性試験
300×100×0.8mmの軟鋼板に、上記実施例及び比較例で得られた各下塗用塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した後、60℃、20分乾燥させた塗膜を指で押し、下記基準で評価した。
◎:指にベタツキ感全くなし、塗膜に全く変化なし、
○:指にベタツキ感が若干認められるが、塗膜に全く変化なし、
△:指にベタツキ感が認められ、指で押した跡が塗膜に若干残る、
×:指にベタツキ感が著しく認められ、指で押した跡が著しく残る。
(*)付着性試験
300×100×0.8mmの軟鋼板に、上記実施例及び比較例で得られた各下塗用塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した後、室温にて10分間放置した未硬化の塗膜上に、レタンPGハイブリッドエコ#202サンメタリックベース(商品名、1液型自動車補修用上塗塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として15μmになるようにエアスプレーにて塗装した。塗装後、室温にて5分間放置した未硬化の塗膜上に、レタンPGエコHX(Q)クリヤー(商品名、自動車補修用2液型トップクリヤー塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として40μmとなるようにエアスプレーにて塗装した。室温にて10分間放置後に熱風循環式乾燥炉を使用して60℃で20分間加熱して、試験板を得た。この試験塗板について、JIS K5600に準拠した碁盤目試験を行った。具体的には、塗膜上に縦横に2mmの間隔で碁盤目状に素材に達する100個の切れ目を入れ、密着力(120gf/10mm)の接着テープを貼りつける。そしてこの接着テープを瞬時に剥ぎ取り、剥離して接着テープに付着した塗膜片の数量を調べて下記の基準にて評価した。
○:下塗り塗膜とメタリックベース塗膜の間で剥離なし、
△:下塗り塗膜とメタリックベース塗膜の間で剥離数10%未満、
×:下塗り塗膜とメタリックベース塗膜の間で剥離数10%以上。
(*)薄膜での仕上がり性
30×45cmの大きさのエポキシ樹脂系電着塗料が塗装された電着塗装板上に、上記実施例及び比較例で得られた各下塗用塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した後、室温にて10分間放置した未硬化の塗膜上に、レタンPGハイブリッドエコ#400ディープブラックベース(商品名、1液型自動車補修用上塗塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として15μmになるようにエアスプレーにて塗装した。塗装後、室温にて5分間放置した未硬化の塗膜上に、レタンPGエコHX(Q)クリヤー(商品名、自動車補修用2液型トップクリヤー塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として40μmとなるようにエアスプレーにて塗装した。室温にて10分間放置後に熱風循環式乾燥炉を使用して60℃で20分間加熱して、試験板を得た。その後各試験塗板の外観をスカシ方向(斜め方向)から観察し、下記評価基準にて評価した。
◎:ツヤ感は良好で、吸い込みが認められず、クリヤー塗膜にチリ肌感が全くない、
○:ツヤ感は良好で、吸い込みが認められず、クリヤー塗膜にチリ肌感が極めて僅かに認められる
△:ツヤ感は良好であるが、吸い込みが認められ、クリヤー塗膜にチリ肌感が明らかに認められる。
×:ツヤ感は不良で、吸い込みも認められ、外観が極めて不良である。
(*)耐水性
上記仕上がり性試験で得られた塗板を40℃の温水に10日間浸漬後、塗膜表面を観察した。
◎;非常に良好、
○;塗膜の膨潤が極めて僅かに認められる、
△;塗膜の膨潤が全体的に認められる、
×;塗膜が膨潤し、フクレ・白化などの異常がみられる。
(*)新品パーツ適用時の耐久性試験
7×15cmのエポキシ樹脂系電着塗料が塗装された電着塗装板をサンドペーパーで研磨し、鋼板が一部露出した塗装板上に上記実施例及び比較例で得られた各下塗用塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した後、室温にて10分間放置して得られる未硬化の塗膜上に、レタンPGハイブリッドエコ#202サンメタリックベース(商品名、1液型自動車補修用上塗塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として15μmになるようにエアスプレーにて塗装した。塗装後、室温にて5分間放置した未硬化の塗膜上に、レタンPGエコHX(Q)クリヤー(商品名、自動車補修用2液型トップクリヤー塗料 関西ペイント社製)を乾燥膜厚として40μmとなるようにエアスプレーにて塗装した。更に、60℃×3時間以上乾燥させて、完全硬化させた塗膜に、クロスカットの傷を加えた後、塩水噴霧試験を10日間行ったあと、カット部を接着テープにより剥がして、塗膜状態の評価を行った。
◎:カット部からのハガレが3mm以下、
〇:カット部からのハガレが4〜7mm未満、
△:カット部からのハガレが7〜10mm未満、
×;カット部からのハガレが10mm以上。

Claims (7)

  1. 塗装前に2以上の成分を混合して下塗り塗料組成物を調製するための、多成分系の下塗り塗料組成物であって、
    ラクトン変性アクリルポリオール(A)、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)及び顔料組成物(C)を含み、ラクトン未変性アクリルポリオール(B)が、酸基を有し且つラクトン変性アクリルポリオール(A)よりも高酸価であって、
    該塗料組成物は、顔料組成物(C)の含有量がラクトン変性アクリルポリオール(A)及びラクトン未変性アクリルポリオール(B)合計固形分100質量部を基準として50〜500質量部の範囲内にある主剤成分(I)並びに
    ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤成分(II)を組み合わせてなり、
    主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)のいずれか又は両方がアルコキシシラン化合物(D)を含む下塗り塗料組成物。
  2. ラクトン未変性アクリルポリオール(B)が、ラクトン変性アクリルポリオール(A)よりガラス転移温度及び重量平均分子量が共に低い樹脂である請求項1記載の下塗り塗料組成物。
  3. ラクトン変性アクリルポリオール(A)/ラクトン未変性アクリルポリオール(B)の配合割合が(A)/(B)固形分質量比で90/10〜40/60の範囲内にある請求項1又は2記載の下塗り塗料組成物。
  4. 顔料組成物(C)が、その成分の一部としてクレーを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の下塗り塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の下塗り塗料組成物を下地塗装に用いた補修塗装方法。
  6. 部材面に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の下塗り塗料組成物を塗装し、該下塗り塗料組成物による塗膜が未硬化の状態で上塗り着色塗料組成物を塗装する工程を含むことを特徴とする補修塗装方法。
  7. 部材面に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の下塗り塗料組成物を塗装し、該下塗り塗料組成物による塗膜が未硬化の状態で上塗り着色塗料組成物を塗装し、該上塗り着色塗料組成物が未硬化の状態でトップクリヤー塗料を塗装し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする補修塗装方法。
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