JP3420198B2 - 補修塗料及び補修塗装方法 - Google Patents

補修塗料及び補修塗装方法

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JP3420198B2
JP3420198B2 JP2000315223A JP2000315223A JP3420198B2 JP 3420198 B2 JP3420198 B2 JP 3420198B2 JP 2000315223 A JP2000315223 A JP 2000315223A JP 2000315223 A JP2000315223 A JP 2000315223A JP 3420198 B2 JP3420198 B2 JP 3420198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車ボディー等
の塗装損傷箇所を板金補修した後、上塗り塗装前に行う
下地補修塗装に用いる補修塗料および補修塗装方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車ボディー等の塗装損傷箇所
の補修塗装方法は、まず、塗装損傷箇所の大きな凹凸を
修正し、この塗装損傷箇所及びその周辺箇所の旧塗膜を
剥離した後、旧塗膜を剥がした跡の輪郭部分を滑らかな
テーパー状(フェザーエッジともいう)に加工する(こ
の工程を板金工程ともいう)。つづけて、塗装損傷箇所
を更に平滑にするために、板金パテ、中間パテ、ポリパ
テ、仕上げパテ等を単独又はこれらの2〜3点を用いて
パテ付け研磨を数回繰り返す工程(パテ付け・研磨工程
ともいう)と、ス穴やぺーパー目消しのためのラッカー
パテを塗布し研磨する工程(拾いパテ工程ともいう)
と、中塗り塗装のプライマーサフェーサーを塗装する工
程(プラサフ工程ともいう)との3工程を、この順序に
又は拾いパテ工程とプラサフ工程の順序を変えて実施し
た後に上塗り塗料を塗装する。
【0003】この補修塗装方法に使用される補修塗料と
しては、特公昭56−23664号公報に「(A) (イ)数
平均分子量800〜3000の空気乾燥性不飽和ポリエ
ステル樹脂5〜50重量部、 (ロ)充填剤20〜60重
量部、 (ハ)重合促進剤0.001〜5重量部、 (ニ)ビ
ニル系単量体5〜50重量部からなる粘度5〜100ポ
イズ(20℃)の主剤100重量部と、(B)硬化剤0.
05〜5重量部の割合からなるスプレーパテを、前記箇
所が平滑になるようスプレー塗装し、乾燥後塗装面を研
磨し、さらに上塗り塗料を塗布し、ついで乾燥させるこ
とを特徴とする自動車ボデーの補修塗装方法。」が開示
されている。
【0004】特開平10−192777号公報には、
「噴霧用パテ組成物のうち50〜72重量%が不飽和ポ
リエステルおよび他の固形成分よりなり、該組成物の残
り50〜28重量%が硬化剤、促進剤、及び有機溶剤を
含み、該残り50〜30重量%のうち65〜97%がス
チレンモノマーである。」ことが記載されている。
【0005】特開平9−208854号公報には、「ポ
リエステルレジンと、研磨性を高めるための顔料と、樹
脂性希釈剤とを主成分とした混合液であり、この混合液
において前記樹脂性希釈剤の含有量を前記ポリエステル
レジンの含有量に対して同等以上とするとともに、前記
主成分を90%以上含有し、スプレー塗装が可能な補修
塗料。」が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に開示され
たパテ組成物を使用して旧塗膜上に直接塗布した場合、
このパテ組成物と旧塗膜との接着性が良くないため、研
磨してもスムーズなフェザーエッジが得られない。上塗
り塗装してもパテマーク(パテ組成物を塗布した部分が
目立つことをいう)と称する現象が残り、良好な仕上が
りとならない。
【0007】また、上記のパテ組成物の上に直接上塗り
塗装した場合には、例え、目の細かいペーパーで研磨仕
上げしても、パテ組成物自体の耐溶剤性に起因して、上
塗り塗料の吸い込み現象が起こり良好な艶が得られな
い。
【0008】従来の不飽和ポリエステル樹脂を主体とす
るパテ(ポリエステルパテともいう)をスプレー塗布す
る場合、このパテを、揮発性溶剤またはこれらからなる
塗料用シンナー、若しくは反応性希釈剤であるスチレン
モノマー等で希釈し粘度を下げて塗布すると、1回の塗
布膜厚さは薄く、かつ、塗り回数を重ねて膜厚を厚くす
ると乾燥性が極めて遅くなり内部にウミ現象(硬化しな
い部分を含む)が生じることがある。
【0009】また、従来のポリエステルパテに硬化剤を
混合し、塗布直後に加熱すると、過酸化物に起因するラ
ジカル反応により急激に硬化するので、硬化が不均一と
なり硬化不良を生じ、クラック、剥離、ブリスター等の
不具合を生じる。
【0010】この発明は、鋼板素地だけでなく、旧塗膜
上にも塗布でき、パテ組成物による凹凸の補修とラッカ
ーパテによるス穴消し、及びプライマーサフェーサーで
の下地塗装を1工程で行い、かつ高膜厚の塗膜を得るこ
とのでき、更に塗布直後に加熱することにより短時間で
硬化することができる補修塗料および補修塗装方法を提
供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明にかかる補修塗料は、自動車ボディー等の塗
装損傷箇所をスプレー塗装により補修するための主剤
と、イソシアネート化合物を含有しスチレンモノマーを
主体とするうすめ液と、有機過酸化物を主成分とする硬
化剤とを含む補修塗料であって、 (A)前記主剤が、20〜150Pa・sの粘度を有
し、(a)ビニルエステル樹脂、若しくはエポキシ化合
物とアクリル系モノマーを含む不飽和ポリエステル樹脂
いずれか又はこれらの混合物と、反応性希釈剤との混
合組成物26〜55重量部に、(b)充填剤35〜65
重量部を混合していること、 (B)前記うすめ液が、
スチレンモノマー80〜96重量部とイソシアネート化
合物4〜20重量部を含有していること、ならびに
(C)前記補修塗料が、前記主剤100重量部と前記う
すめ液10〜40重量部と前記硬化剤0.5〜4.0重量
部とを混合していることを特徴とする
【0012】この補修塗料は、予め調製された詳細後述
の主剤とイソシアネート化合物を含むうすめ液と有機過
酸化物を主体とする硬化剤とを、塗装作業直前に混合さ
れて調製され、スプレー塗装法により塗装される。
【0013】主剤のビヒクル(樹脂分)としてビニルエ
ステル樹脂又はエポキシ化合物とアクリル系モノマー
する不飽和ポリエステル樹脂(これらの樹脂を「不飽
和ポリエステル樹脂等」ともいう)を用いる。このビヒ
クルにより、鋼板素地および旧塗膜の両方に強く接着さ
れる。上記ビニルエステル樹脂若しくは上記不飽和ポリ
エステル樹脂は単独で使用しても良く、混合して使用し
ても良い。
【0014】これに加えて油変性系不飽和ポリエステル
樹脂、アリル系ポリエステル樹脂等の従来のパテ用不飽
和ポリエステル樹脂、更にアルキッド樹脂、変性アルキ
ッド樹脂等を併用することもできる。乾燥速度や研磨し
易さを向上させるためである。
【0015】上記不飽和ポリエステル樹脂等を用いるこ
とにより、従来のポリエステルパテを用いる場合のよう
に塗布直後に長時間のセットタイム(乾燥硬化時間))
を取ることなく、遠赤外線などにより低温加熱すること
により硬化させることができ、硬化不良(ウミ現象、ひ
び割れ等)を起こすことなく硬化時間を短縮することが
できる。
【0016】なお、反応希釈剤としてスチレンモノマー
を用いることにより、主剤の粘度を調整して詳細後述の
充填剤との混合を容易とするとともに、スチレンモノマ
ー自体が反応硬化して樹脂化し、シンナー等のように揮
発乾燥を要しない。従って、硬化が早く耐溶剤性が良
く、上塗り塗装を行うときに上塗り塗料の吸い込み等の
問題が無く、良好な艶を有する仕上がりが得られる。
又、硬化時間を短縮するために加熱することもできる。
【0017】充填剤は、体質顔料として炭酸カルシウ
ム、タルク粉末等が、着色顔料として酸化チタン、酸化
鉄等が使用され、前記反応性希釈剤を介して不飽和ポリ
エステル樹脂等に混合される。体質顔料により乾燥性、
易研磨性、接着性、低収縮性と平滑性を有する下地とし
て所定の平面を形成すると共に、着色顔料により隠蔽性
を形成する。
【0018】なお、前記ビヒクルとしての反応性希釈剤
は、自らが硬化して塗膜を形成するが、前記不飽和ポリ
エステル樹脂等と前記充填剤を均等に混合する希釈剤で
ある。従って、主剤として適当な粘度を得るために、不
飽和ポリエステル樹脂等と反応希釈剤との和が26〜5
5重量部、充填剤が35〜65重量部であることが好ま
しい。この範囲であれば充填剤が充分に分散され、主剤
として好ましい粘度である20〜150Pa・sの粘度
が得られる。不飽和ポリエステル樹脂等と反応希釈剤と
の混合物が、26重量部未満であれば密着性、柔軟性、
吸い込み性が低下し、56重量部を超えると研磨性、乾
燥性、収縮性に劣るものとなる。
【0019】また、ビヒクル中の反応希釈剤は1〜8重
量部であることが好ましい。1重量部未満であれば希釈
効果(粘度調整効果)が不足して所定の粘度が得られな
い。8重量部を超えるとスチレンのホモポリマーが形成
されやすくなるので乾燥性、密着性、柔軟性、研磨性な
どの性能の低下が見られる
【0020】従来、うすめ液として揮発溶剤系のシンナ
ーを用いると、シンナーを飛散させて乾燥硬化するため
に長時間を要し、また、乾燥硬化後の塗膜はシンナーの
飛散により肉ヤセ(塗膜の厚さの変化)が大きく、正確
な膜厚を得ることは極めて困難であった。本発明ではう
すめ液として反応性希釈剤であるスチレンモノマーを使
用することにより、前記主剤の粘度を低下する効果を有
するとともに、それ自体も不飽和ポリエステル樹脂等と
反応し、高分子化して塗膜の一部を形成する。また、反
応希釈剤は硬化剤の作用により自然硬化、強制加熱硬化
のいずれであっても短時間内に硬化し、塗膜厚さの変化
がなく、再塗装の必要がなく、硬化した後直ちに研磨工
程に進むことができる。
【0021】イソシアネート化合物を不飽和ポリエステ
ル樹脂等に混合すると、反応硬化性を向上させるととも
に、旧塗膜への接着性が向上し、硬化した塗膜の耐溶剤
性(上塗り塗料の艶)が向上し、更にプライマーサフェ
ーサーとしての効果も与えることができる。しかし、室
温においてイソシアネート基と水酸基との反応が起こ
り、主剤(不飽和ポリエステル樹脂等)に予めイソシア
ネート化合物を混合して長期に保存すると、一部反応が
進行してゲル化しスプレーすることができなくなる。そ
こでイソシアネート化合物がうすめ液中に配合されるこ
とにより、塗装する直前に不飽和ポリエステル樹脂等と
混合されることとなり、主剤の保存中はゲル化すること
がなく、かつ、うすめ液を混合した後に反応硬化が進行
する。
【0022】イソシアネート化合物が4重量部未満では
乾燥性、密着性への効果が少なく、希釈後のスチレン比
率が多くなり塗膜の性能が低下するので望ましくない。
又20重量部を超えて配合すると、うすめ液としての粘
度低減効果が少なくなり、加熱乾燥時の発泡や研削性へ
の悪影響も出ることがある。
【0023】本発明にかかる補修塗料は、前記主剤10
0重量部と前記うすめ液10〜40重量部と前記硬化剤
0.5〜4.0重量部が混合されているが、これは、うす
め液が10部未満であればドライミストの発生などによ
りスプレー塗装は困難であり、40重量部を超えると必
要な塗膜を得るに長時間かかり、厚くするとタレが生じ
る問題がある。なお、主剤とうすめ液とを混合したとき
の粘度は0.1Pa・sから5.0Pa・sであることが
好ましい。混合時の粘度が、0.1Pa・s未満である
と塗膜厚さを厚くすることができず、厚くするとタレを
生じ、5.0Pa・sを超えるとスプレー塗装が困難に
なり、ドライミストを生じ易くなるからである。
【0024】硬化剤が0.5重量部未満ではスチレンモ
ノマーのラジカル発生が不十分で硬化不良を起こし、
4.0重量部を超えるとスチレンモノマーのラジカル発
生が急激に起こり、均一な反応を起こさず、適正な硬化
物が得られない。又、硬化剤に含まれる可塑剤の影響に
より塗膜の物性を低下させる。
【0025】
【0026】請求項2に記載の補修塗料は、前記主剤
に、湿潤分散剤、チクソ性付与剤および低吸油量の充填
剤との混合物が添加されている。
【0027】湿潤分散剤は、高分子量ポリカルボン酸の
長鎖アミン塩またはポリカルボン酸系高分子界面活性剤
等であって、少量(0.1〜2重量部)用いることによ
り不飽和ポリエステル樹脂等と充填剤との馴染みを向上
させ、粘度を低下させて気泡やス穴の発生を抑える効果
があり、ラッカーパテを省略できる。
【0028】更に、湿潤分散剤により主剤の粘度を低減
できることから、反応性希釈剤(スチレンモノマー)の
量を少なくすることができる。不飽和ポリエステル樹脂
等の不飽和基に対してスチレンモノマーが過剰に用いら
れると、スチレンのホモポリマーが形成されて、乾燥
性、密着性、柔軟性、研磨性などの性能低下を起こす。
なお、湿潤分散剤はその使用量が少量であることから、
補修塗料の硬化後の物性には殆ど影響を与えない。
【0029】チクソ性付与剤は、主剤にチクソトロピー
(チクソ性ともいう)を付与する添加剤をいい、微粉末
の無水硅酸等が使用される。塗装時に撹拌されることに
より、スプレー可能な粘度(0.1〜5.0Pa s )
となり、塗装後すぐに粘度が上昇してタレルことなく高
膜厚(例えば700μm)で塗布できる。
【0030】低吸油量の充填剤としては、粉砕工程で粒
径や粒形を調整してカサ比重が0.4〜0.5g/mlで
あり、吸油量が25〜40ml/100gであるタルク粉
末、吸油量が15〜25mg/100gの炭酸カルシウム
粉末などを用いることで、少量の反応希釈剤により主剤
の流動性を維持し、かつ、うすめ液の使用量を少なくし
て、硬化時のスチレンホモポリマーの生成を抑制して硬
化後の塗膜物性の低下を防止する。
【0031】請求項3に記載の補修塗料は、前記チクソ
性付与剤が、微粉末の無水珪酸、含水珪酸、有機化合物
系チクソ性付与剤(脂肪酸系チクソ性付与剤等)のいず
れか又はこれらの2種以上の混合物である。これらのチ
クソ性付与剤を主剤に少量添加することにより補修塗料
にチクソ性を付与できる。
【0032】請求項4に記載の補修塗料は、前記硬化剤
が液状有機過酸化物である。硬化剤としては通常有機過
酸化物が使用されるが、本発明においては特に液状の有
機過酸化物を使用する。うすめ液とともに主剤に添加し
混合するために液状であることが好ましい。
【0033】請求項5に記載の補修塗装方法は、請求項
1〜4のいずれかに記載の補修塗料を用いて自動車ボデ
ィー等の塗装損傷箇所をスプレー塗装により補修する補
修塗装方法であって、下地調製工程を経て前記補修塗料
を前記塗装損傷箇所に前記補修塗料をスプレー塗装した
後、60〜80℃で20〜40分加熱した後、つづけて
研磨作業を行いさらに上塗り塗料を塗装する。
【0034】従来のパテ用不飽和ポリエステル樹脂から
なるパテ組成物を塗装する場合に、塗装した後、加熱に
より強制乾燥させると硬化不良を生じ、塗膜の強度が弱
く、クラック、剥離、ブリスター等の欠陥を生じ易い
が、請求項1〜6に記載の補修塗料を用いることによ
り、主剤中の樹脂とイソシアネート化合物とが直接反応
硬化するので、加熱装置による加熱により硬化時間を短
縮することができる。しかし、60℃未満では硬化時間
を短縮する効果が少なく、80℃を超えると、硬化剤ラ
ジカルが急激に発生することにより硬化不良(クラッ
ク、剥離、ブリスター等)を生じ、また、主剤中の樹脂
とイソシアネート化合物との急激な反応により発泡する
恐れがある。
【0035】また従来、パテによる凹凸の補修とラッカ
ーパテでのス穴消し、及びプライマーサフェーサーによ
り下地塗装工程でそれぞれ塗布、乾燥、研磨と多くの工
程を必要としていたが、本発明の補修塗料を用いること
により、スプレー塗装と一度の加熱工程と研磨工程によ
り短時間で補修塗装が可能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る補修塗料と補
修塗装方法について各実施の形態を説明する。
【0037】本発明の自動車ボディー等の塗装損傷箇所
の補修塗装方法は次の工程を含んでいる。まず、板金修
正を行った後、塗装損傷箇所の旧塗膜を剥離剤又はサン
ダーで剥離し、サンダーでサンドペーパーの番手を変え
て、足付け研磨と周辺部の段落とし(フェザーエッジン
グ)を行い、つづけて脱脂洗浄を行って下地処理された
被塗面を形成する(板金工程)。 塗装損傷箇所の凹み
が大きい場合は、通常使用される板金パテ、中間パテ等
を凹み部にヘラで塗布した後、研磨して基材(損傷のな
い部分)と修正部分がより平坦になるよう面出しを行う
(面出し工程ともいう)。
【0038】この面出しされた塗装損傷箇所(鉄板素地
またはパテによる補修された箇所およびその周辺の旧塗
膜面)に本発明にかかる補修塗料をスプレーにて塗装す
る。この塗装は、数度に分けて塗装し、最初は全体を塗
布し、徐々に損傷部を中心に塗布することで、基材に対
してほぼ平坦で、且つ中央部がやや高く周辺部は基材よ
り微かに高い程度にする。塗布後、室温で硬化させる
か、又は各種加熱装置を用いて表面温度が60〜80℃
の範囲内になるよう温度調整して加熱硬化させる。この
補修塗料が硬化した後、サンダー、ファイル等を用いて
硬化された補修塗料を研磨し、最終的に#320〜#8
00番のサンドペーパーで表面調整をした後、この表面
に車両補修用の上塗り塗料を塗装する。
【0039】本発明の補修塗料の塗装に用いるスプレー
ガンは重量式(上カップ)、吸い上げ式(下カップ)の
一頭ガンであり、口径1.3mm〜2.0mmのものであ
れば良い。口径1.3mm未満であれば、ドライミスト
を生じることなくスプレーするために粘度を低くする必
要があり、結果として高膜厚を得ることが難しい。口径
が2.0mmを超えると膜厚が厚くなり過ぎて、タレを
生じ平滑な塗膜表面が得られない。本発明の補修塗料を
用いることにより、数回のスプレーアップで700μm
以上の高膜厚を得ることができるので、通常の塗膜損傷
箇所の補修は数回のスプレーアップで完了する。
【0040】本発明の補修塗料の硬化に加熱装置を用い
る場合は、熱風乾燥機、遠赤外線乾燥機、中遠赤線乾燥
機、近赤外線乾燥機のいずれも使用できる。加熱温度は
60〜80℃で加熱時間は20〜40分である。
【0041】本発明の補修塗料の主剤に用いられるビニ
ルエステル樹脂としては、ディックライト(大日本イン
キ化学工業(株)製)、ポリセット(日立化成工業
(株)製)、プロミネート(武田薬品(株)製)、リポ
キシ(昭和高分子(株)製)、ネオポール(日本ユピカ
(株)製)等の商標で市販される樹脂が使用される。
【0042】エポキシ化合物とアクリルモノマーを含む
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリライト
(大日本インキ化学工業(株)製)、ポリセット(日立
化成工業(株)製)、ゴーセラック(日本合成化学工業
(株))の商標で提供される不飽和ポリエステル樹脂が
使用される。
【0043】これらの樹脂は単独又は併用で使用できる
が、その量は、補修塗料の全主剤100重量部中に16
重量部以上を必要とする。16重量部未満では旧塗膜と
鋼板素地の両方に充分接着することが難しくなる、特に
旧塗膜との接着性が低下する。 また、上記の樹脂に加
えて使用することができる樹脂としては、従来のパテ用
樹脂として使用される軟質の油変性又はアリル変性の不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂及び変性アルキド
樹脂とがある。
【0044】軟質の油変性又はアリル変性の不飽和ポリ
エステル樹脂としては、ポリライト(大日本インキ化学
工業(株)製)、ポリセット(日立化成工業(株)
製)、ゴーセラック(日本合成化学工業(株)製)、ポ
リマール(竹田薬品工業(株)製)、リゴラック(昭和
高分子(株)製)、ユピカ(日本ユピカ(株)製)、エ
スター(三井東圧(株)製)等の商標で市販されてい
る。
【0045】アルキド樹脂及び変性アルキド樹脂として
は、ベッコゾール(大日本インキ化学工業(株)製)、
テスラック(日立化成ポリマー(株)製)等の商標で市
販されている。
【0046】軟質の油変性又はアリル変性の不飽和ポリ
エステル樹脂を併用することにより、乾燥性、研磨性、
柔軟性が改良される。但し、主剤100重量部中12重
量部を超えて添加すると旧塗膜との密着力の低下し、加
熱時のクラック発生がある。アルキッド樹脂、変性アル
キッド樹脂を併用することにより旧塗膜への密着性が良
くなるが、主剤100重量部中12重量部を超えて添加
すると乾燥性、密着性が低下する。
【0047】主剤に添加されるチクソ性付与剤は、塗装
作業開始直前に主剤、うすめ液、硬化剤を混合するため
に攪拌されることにより、補修塗料は更に低粘度となり
スプレーが可能となる。逆に塗布後は直ちに増粘するこ
とによりタレを生じさせない効果を有する。チクソ性付
与剤としては、アエロジル(日本アエロジル(株)製)
等の商標で市販される無水珪酸、ニプシール(日本シリ
カ(株)製)、カープレックス(シオノギ製薬(株)
製)等の商標で市販される含水珪酸、ディスパロン(楠
本化成(株)製)等の商標で市販される脂肪酸系および
ポリカルボン酸系チクソ性付与剤等の一般に市販される
有機チクソ性付与剤が効果的に使用できる。
【0048】湿潤分散剤は不飽和ポリエステル樹脂等の
主剤に添加して使用され、主剤の粘度を低減する効果を
有する。湿潤分散剤としてはフローレン(共栄社化学
(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等の商
標で市販されるポリカルボン酸系高分子活性剤、高分子
量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリエーテルエステ
ル型アニオン系界面活性剤、変性アクリル系共重合物、
ポリアミノアミドと高分子酸とのエステル塩等が好まし
く使用できる。
【0049】うすめ液の主成分としてはスチレンモノマ
ーを使用する。各種のアクリルモノマー、ビニルモノマ
ー、ジアクリレート、アリル化合物も使用することはで
きるが、自動車補修塗装業者には馴染めない臭いがあ
り、硬化が遅い問題もある。またスチレンモノマーの使
用量は、主剤中の不飽和ポリエステル樹脂等の総樹脂量
に対し多く用いることは望ましくない。多量に用い過ぎ
ると、粘度低減には効果はあるが、硬化した塗膜の物性
の低下が大きいからである。本発明の補修塗料では、主
剤をうすめ液で希釈した後であっても、組成物中のスチ
レンモノマーの量が不飽和ポリエステル樹脂等の樹脂量
に対し過剰に成らないように設計され、かつスプレー塗
装に好適な粘度が得られるように設計される。
【0050】うすめ液に配合されるイソシアネート化合
物は、このイソシアネート基と不飽和ポリエステル樹脂
等の水酸基との反応により塗膜の硬化を促進し、塗膜の
強度(耐候性)、乾燥性、旧塗膜との密着性の向上にも
効果がある。
【0051】うすめ液に配合するイソシアネート化合物
は、スチレンモノマーと容易に均一混合し、配合後の粘
度が低いことが望ましい。本発明ではキシリレンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、ルプラネート
(ビーエーエスエフジャパン(株)製)等の商標で市販
されるクルードMDI、またはタケネート(武田薬品工
業(株)製)、コロネート(日本ポリウレタン工業
(株)製)、スミジュール(住友バイエルウレタン
(株)製)等の商標で市販されるポリイソシアネート化
合物等が使用される。
【0052】イソシアネート化合物の量が、うすめ液1
00重量部に対して4重量部未満では乾燥速度、旧塗膜
との接着性の改善に効果が少なく、また希釈後のスチレ
ンモノマーの比率が高くなり、塗膜の性能が低下するの
で望ましくない。またイソシアネート化合物が20重量
以上配合されると、うすめ液としての粘度低減効果が
少なくなり、加熱硬化する際に発泡してス穴を生じ、硬
度が上がりすぎて硬化後の研磨性が悪くなる問題があ
る。したがって、主剤とうすめ液との配合比は、スプレ
ー塗装性を良好にするための適正な粘度と塗膜の性能面
からのスチレンモノマーの量を考慮すると、主剤100
重量部に対してうすめ液10〜40重量部が適正であ
る。
【0053】硬化剤としては、液状であり、詳細後述の
コバルト系やアミン系の硬化促進剤との組み合わせで室
温で硬化することが望ましく、一般的にケトン系過酸化
物が使用できる。具体的にはシクロヘキサノンパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイ
ソブチルケトンパーオキサイド等が使用できる。
【0054】硬化促進剤には、6%ナフテン酸コバル
ト、8%オクチル酸コバルトおよびジメチルアニリン等
のアニリン化合物やトルイジン化合物を使用した。安定
剤としてはRS404(大日本インキ化学工業(株)
製)等の商標で市販されるキノン化合物の希釈品を使用
し、充填剤としては一般的に使用されている体質顔料の
タルク粉、炭酸カルシウム、着色顔料としては酸化チタ
ン、酸化鉄等を用いた。また体質顔料は吸油量25〜4
0ml/100gのタルク粉末、給油量が15〜25m
g/100gの炭酸カルシウムを選択した。
【0055】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明の補修塗料およ
び補修塗装方法を説明する。本実施例の主剤は下記材料
を混合攪拌することによって製造される(材料詳細は前
述)。
【0056】
【表1】 不飽和ポリエステル樹脂等樹脂分 25 〜 47 重量部 スチレンモノマー 1 〜 8 重量部 促進剤 0.5 〜 3 重量部 安定剤 0.1 〜 0.6 重量部 湿潤分散剤 0.1 〜 2 重量部 チクソ性付与剤 0.3 〜 4 重量部 体質顔料 35 〜 65 重量部 着色顔料 1 〜 5 重量部 以下、詳細に説明する。尚、以下、「部」は「重量部」
を示す。
【0057】〔実施例1〕下記に表2、表3に示す配合
により混合攪拌して補修塗料の主剤とうすめ液を調製し
た。
【0058】
【表2】(主剤) ゴーセラック70 35.0部 6%ナフテン酸コバルト 1.8部 RS404 0.4部 ディスパロン1830 0.6部 スチレンモノマー 3.2部 HT−8(タルク) 54.0部 アエロジル200 1.0部 タイペークCR90 4.0部
【0059】
【表3】(うすめ液) スチレンモノマー 94.0部 タケネート500 6.0部 表2の主剤は粘度78.0Pa ・ s であり、この主剤1
00部を表3のうすめ液15部で希釈すると粘度は4.
43Pa ・ s になる。この混合物に、硬化剤として主剤
100部に対し1.5部のシクロノックスS100(シ
クロヘキサノンパーオキサイド、化薬アクゾ社製)を加
え、口径2.0mmのスプレーガンで塗布することで最
大膜厚870μmが得られた。これを60℃にて30分
間加熱硬化した後、ペーパーの番手を変えながら研磨
し、車両補修用塗料を塗布することで補修箇所での段差
を生じることなく、光沢に優れた仕上がりを得た。
【0060】なお、ゴーセラック70は日本合成化学工
業(株)の商標でありエポキシ化合物とアクリルモノマ
ーを一成分として含む不飽和ポリエステル樹脂であり、
RS404は商標であり大日本インキ化学工業(株)製
の安定剤であり、ディスパロン1830は商標であり楠
本化成(株)製の湿潤分散剤であり、HT−8は低吸油
量のタルク粉末であり、タイペークCR90は商標であ
り石原産業(株)製の酸化チタン粉末(着色剤)であ
る。
【0061】〔実施例2〕下記に表4、表5に示す配合
により混合攪拌して補修塗料の主剤とうすめ液を調製し
た。
【0062】
【表4】(主剤) プロミネートP313 36.0 部 テスラック2253 6.0 部 6%ナフテン酸コバルト 1.0 部 ジメチルアニリン 0.05部 RS404 0.3 部 フローレンAC1160 0.4 部 スチレンモノマー 2.25部 HT−8(タルク) 39.0 部 炭酸カルシウム 10.0 部 ニプシールVN−3 3.0 部 CR90 2.0 部
【0063】
【表5】(うすめ液) スチレンモノマー 82.0部 ルプラネートM−20 18.0部 表4の主剤は粘度61.0Pa ・ s であり、この主剤1
00部を表5のうすめ液30部で希釈すると粘度は1.
10Pa ・ s になる。この混合物に、硬化剤として主剤
100部に対し3.0部の商標・カヤメックA(メチル
エチルケトンパーオキサイド、化薬アクゾ社製)を加
え、口径2.0mmのスプレーガンで塗布することで最
大膜厚740μmが得られた。これを60℃で30分間
加熱硬化した後、ペーパーの番手を変えながら研磨し、
その上に車両補修用塗料を塗布することで補修箇所での
段差を生じることなく、光沢に優れた仕上がりを得た。
なお、フローレンAC1160は共栄社化学(株)製の
湿潤分散剤である。
【0064】〔実施例3〕下記に表6、表7に示す配合
により混合攪拌して補修塗料の主剤とうすめ液を調製し
た。
【0065】
【表6】(主剤) ディックライトUE3505 28.0 部 ポリライトCN203 8.0 部 RP136 1.4 部 RS404 0.4 部 ディスパロン1830 0.5 部 ディスパロン301 1.0 部 スチレンモノマー 2.0 部 HT−8(タルク) 34.7 部 炭酸カルシウム 20.0 部 ニプシールVN−3 1.0 部 CR90 3.0 部
【0066】
【表7】(うすめ液) スチレンモノマー 88.0部 コロネート2014 12.0部 表6の主剤は粘度37.6Pa ・ s であり、この主剤1
00部を表7のうすめ液20部で希釈すると粘度は0.
915Pa ・ s になる。この混合物に、硬化剤として主
剤100部に対し2.0部の商標・カヤメックA(メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、化薬アクゾ社製)を加
え、口径1.3mmのスプレーガンで塗布することで最
大膜厚950μmが得られた。この塗膜を1.5時間自然
硬化し、又は、70℃25分硬化した後、ペーパーの番
手を変えながら研磨し、車両補修用塗料を塗布する。自
然乾燥、加熱乾燥いずれの場合も補修箇所での段差を生
じることなく、光沢に優れた仕上がりを得た。
【0067】なお、ポリライトCN203は商標であり
大日本インキ化学工業(株)製の油変性不飽和ポリエス
テル樹脂である。RP136は商標であり大日本インキ
化学工業(株)製の促進剤であり、ディスパロン301
は商標であり楠本化成(株)製の脂肪酸系のチクソ性付
与剤である。
【0068】〔比較例〕下記に表8、表9に示す配合に
より、実施例1と同様に混合攪拌して補修塗料の主剤と
うすめ液を調製した。
【0069】
【表8】(主剤) ポリライトCN203 33.0 部 6%ナフテン酸コバルト 1.2 部 ジメチルアニリン 0.05部 RS404 0.3 部 スチレンモノマー 9.45部 クラウンタルクP 40.0 部 炭酸カルシウム 14.0 部 CR90 2.0 部
【0070】
【表9】(うすめ液) スチレンモノマー 20.0部 酢酸エチル 80.0部 表8の主剤は、汎用のパテ用不飽和ポリエステル樹脂で
あるポリライトCN203(大日本インキ化学工業
(株)製)を使用し、クラウンタルクPはカサ比重0.
35〜0.45g/ml、給油量35〜50ml/10
0gの汎用タルク粉末であって、粘度は45.4Pa ・ s
である。この主剤100部を表9のうすめ液30部で
希釈すると粘度は0.56Pa ・ s となる。この混合物
に、主剤100部に対して硬化剤として商標・シクロノ
ックスS100(シクロヘキサノンパーオキサイド、化
薬アクゾ社製)2.0部を加えて混合し、口径1.3mm
でスプレー塗装し塗り重ねをすることで最大膜厚370
μmが得られた。これを自然乾燥2.5時間後ペーパーの
番手を変えながら研磨したがスムーズなエッヂが得られ
ず、車両補修用塗料を塗布すると補修塗料で塗布した場
所が明らかに判別でき(パテマークを生じる)良好な仕
上がりが得られなかった。
【0071】これらの実施例、比較例での各試験結果を
表10に示す
【0072】
【表10】
【0073】(注) 硬化時間 =塗布後、ペーパーで目詰まり無く研磨で
きるまでの時間をいう。
【0074】バーコル硬度=BARBER COLMAN社製 No.
935を使用する(50以上が必要な値である)。
【0075】加熱後の密着SPCC= SPCC鋼板にパテ付け
し、室温又は加熱して乾燥し、1日後に110℃30分
の加熱を行い、冷却後、クラック、剥離の状態を観察し
た後、折り曲げてパテの密着度をみる。
【0076】なお、◎=優,○=良、△=可 を示す。
【0077】加熱後の密着ボンデ鋼板=ボンデ鋼板に塗
布した物を110℃30分加熱し、折り曲げて剥離状態
を観察した。
【0078】最大可能膜厚=垂直面に塗布し、タレの発
生しない塗膜厚をいう。
【0079】旧塗膜との密着=旧塗膜に塗布後、研磨し
スムーズなフェザーエッジがえられるかを観察した。
【0080】塗装後仕上り=旧塗膜との密着を観察した
後上塗り塗装し、仕上り状態を観察した。
【0081】上記のように実施例1〜3と比較例とを対
比すると、硬化時間では、比較例で130分であった
が、実施例1〜3では30〜80分と大幅に短縮され
た。硬化後の状態では比較例ではクラック発生が見られ
たが実施例では全て良好であり、バーコル硬度でも比較
例が5以下であるが、実施例1〜3では66〜75であ
る。硬化後の密着性は、比較例では剥離等の問題がある
が実施例1〜3では全て良好であり、また、最大可能膜
厚は、比較例で370μmであるに対して実施例1〜3
では740〜950μmとなる。なお、硬化時間では、
実施例が30〜35分(自然硬化であっても80分)と
なり、比較例での130分に比して大幅に短縮されてい
る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の補修塗料および補修塗装方法には、次のような
効果がある。
【0083】請求項1に記載の補修塗料は、主剤にビニ
ルエステル樹脂、エポキシ化合物とアクリル系モノマー
を含有する不飽和ポリエステル樹脂等を用いることによ
り、塗膜損傷箇所の鋼板素地と旧塗膜との両基材に優れ
た接着性を有するので、段差のないスムーズなエッジが
出せる(パテマークが無い)。揮発性シンナーを使用せ
ず反応希釈剤を用いるので、塗膜のヤセが少なく厚さ精
度が向上し、上塗り塗装においても艶引けのない良好な
仕上がりを得ることができる。また、うすめ液は、スチ
レンモノマーにより補修塗料をスプレー塗装に好適な粘
度に調整される、またイソシアネート化合物を添加する
ことにより、不飽和ポリエステル樹脂等を含む主剤に反
応硬化性を向上するとともに、旧塗膜への接着性を向上
し、塗膜の耐溶剤性を向上する。また、うすめ液中に配
合することにより塗装直前まで前記主剤と分離している
ので、主剤が保存中にゲル化することを防止する。
【0084】請求項2に記載の補修塗料では、湿潤分散
剤により主剤の粘度を低下させ反応性希釈剤の使用量を
低減できる。チクソ性付与剤を添加することにより、ス
プレー塗装するときには低粘度であるが、塗装後直ちに
チクソ性を発現して、塗膜を厚く(例えば、700μm)
してもタレを生じることがない。スプレー塗装のみによ
り厚く塗装できるのでパテ塗りがなくス穴を生じない。
さらに、低吸油量の充填剤を用いることにより主剤の粘
度を低下させる効果があり、反応希釈剤の使用量を減少
に効果がある。
【0085】請求項3に記載の補修塗料は、チクソ性付
与剤として無水珪酸、含水珪酸等が好適に使用できるこ
とを開示する。
【0086】
【0087】請求項4に記載の補修塗料は、硬化剤が液
状有機過酸化物であることにより、主剤と均一にかつ速
やかに混合・分散され均一な硬化反応が得られる。
【0088】
【0089】請求項5に記載の補修塗装方法によれば、
請求項1〜4のいずれかに記載の補修塗料を塗装損傷箇
所の鋼板素地と旧塗膜とに同時にスプレー塗装し、セッ
トタイム(養生期間)を設けることなく加熱手段により
加熱硬化できる。加熱により硬化時間が大幅に短縮で
き、硬化後、ラッカーパテやプライマーサフェーサーを
使用すること無く、直接上塗り塗装をすることができる
ので、工程が省略され作業時間の短縮ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 Z 167/06 167/06 (56)参考文献 特開 昭63−120775(JP,A) 特開 平5−31453(JP,A) 特開 平6−256458(JP,A) 特開 平4−46968(JP,A) 特開 平10−80666(JP,A) 特開 昭57−67656(JP,A) 特公 昭56−23664(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 175/00 - 175/16 B65D 1/38 B05D 7/14 B05D 7/24 C09D 4/00 - 4/06 C09D 5/00 C09D 167/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車ボディー等の塗装損傷箇所をスプ
    レー塗装により補修するための主剤と、イソシアネート
    化合物を含有しスチレンモノマーを主体とするうすめ液
    と、有機過酸化物を主成分とする硬化剤とを含む補修塗
    料であって、 (A)前記主剤が、20〜150Pa・sの粘度を有
    し、 (a)ビニルエステル樹脂、若しくはエポキシ化合物と
    アクリル系モノマーを含む不飽和ポリエステル樹脂の
    ずれか又はこれらの混合物と、反応性希釈剤との混合組
    成物26〜55重量部に、(b)充填剤35〜65重量
    部を混合していること、 (B)前記うすめ液が、スチレンモノマー80〜96重
    量部とイソシアネート化合物4〜20重量部を含有して
    いること、ならびに (C)前記補修塗料が、前記主剤100重量部と前記う
    すめ液10〜40重量部と前記硬化剤0.5〜4.0重量
    部とを混合していること を特徴とする補修塗料。
  2. 【請求項2】 湿潤分散剤、チクソ性付与剤および低吸
    油量の充填剤との混合物を前記主剤に添加されている請
    求項1に記載の補修塗料。
  3. 【請求項3】 前記チクソ性付与剤が、微粉末の無水珪
    酸、含水珪酸、有機化合物系チクソ性付与剤のいずれか
    又はこれらのうち2種以上の混合物である請求項2に記
    載の補修塗料。
  4. 【請求項4】 前記硬化剤が液状有機過酸化物である
    求項1〜3のいずれかに記載の補修塗料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の補修塗
    料を用いて自動車ボディー等の塗装損傷箇所をスプレー
    塗装により補修する補修塗装方法であって、 板金工程を経て前記補修塗料を前記塗装損傷箇所にスプ
    レー塗装した後、60〜80℃で20〜40分加熱した
    後、つづけて研磨作業を行いさらに上塗り塗料を塗装す
    補修塗装方法。
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