JP2005270896A - 光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アルミニウム調メタリック塗膜の外観ムラを防止することができる光輝性塗膜形成方法および外観ムラが防止された光輝性塗装物を提供すること。
【解決手段】 表面のL値が50〜70の被塗基材に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法、およびこの方法により得られる光輝性塗装物。
【選択図】 なし
【解決手段】 表面のL値が50〜70の被塗基材に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法、およびこの方法により得られる光輝性塗装物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光輝性塗膜形成方法およびこの方法により得られる光輝性塗装物に関する。
光輝性顔料を使用した光輝性塗膜は、意匠感に優れた外観を与えるため、従来から自動車外板等の塗装に使用されており、種々の塗膜形成方法が提案されている。しかしながら、光輝性顔料として通常使用される薄片状の顔料を均一に配向あるいは分散させることが難しいためか、一般に、光輝性顔料を使用した光輝性塗膜は外観ムラ(塗膜が全体的に見たとき、その色や光輝性などが均一でなく、ムラがある)が生じやすく、意図した優れた意匠感の価値が大きく減じるという問題がある。
例えば、特許文献1には、L値が25〜40の被塗装物に半透明金属層、誘電体層、金属反射層を積層した構造の光干渉性薄片顔料を含有するベース塗料を塗布し、その上にクリヤー塗料を塗布する塗膜形成方法が記載されており、この塗膜は、入射光の角度又は見る角度の変化に応じて色が移り変わるように観察される多色性を呈する。しかし、この塗膜形成方法により形成される光輝性塗膜は、その優れた意匠感にもかかわらず、外観ムラが大きい。
例えば、特許文献1には、L値が25〜40の被塗装物に半透明金属層、誘電体層、金属反射層を積層した構造の光干渉性薄片顔料を含有するベース塗料を塗布し、その上にクリヤー塗料を塗布する塗膜形成方法が記載されており、この塗膜は、入射光の角度又は見る角度の変化に応じて色が移り変わるように観察される多色性を呈する。しかし、この塗膜形成方法により形成される光輝性塗膜は、その優れた意匠感にもかかわらず、外観ムラが大きい。
本発明は、アルミニウム調メタリック塗膜の外観ムラを防止することができる光輝性塗膜形成方法、およびこの方法により得られる光輝性塗装物を提供することを目的とする。
本発明者は、被塗基材上に、アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗膜およびクリヤートップ塗膜によるアルミニウム調メタリック塗膜を形成する際に、被塗基材の表面が特定のL値であること、および二酸化珪素被覆したアルミニウムフレーク顔料を使用することにより、塗膜の外観ムラを防止することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
表面のL値が50〜70の被塗基材に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法
を提供する。
上記二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の含有量は、上記光輝性ベース塗料の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)として0.1〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明は、これら光輝性塗膜形成方法により塗装された光輝性塗装物を提供する。
表面のL値が50〜70の被塗基材に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法
を提供する。
上記二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の含有量は、上記光輝性ベース塗料の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)として0.1〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明は、これら光輝性塗膜形成方法により塗装された光輝性塗装物を提供する。
本発明の光輝性塗膜形成方法によって、外観ムラが防止されたアルミニウム調メタリック塗膜を被塗基材上に形成することができる。
以下、本発明について詳述する。
[光輝性塗膜形成方法]
本発明の光輝性塗膜形成方法は、表面のL値が50〜70の被塗基材上に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成するものである。
[光輝性塗膜形成方法]
本発明の光輝性塗膜形成方法は、表面のL値が50〜70の被塗基材上に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成するものである。
[被塗基材]
上記被塗基材の基板としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられる。
塗装物が自動車車体または自動車部品等の場合は、予め上記基材に脱脂や化成処理による下地処理や、電着塗装または各種プライマー塗装等による、下地塗装を施しておくのが好ましい。
上記被塗基材の基板としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられる。
塗装物が自動車車体または自動車部品等の場合は、予め上記基材に脱脂や化成処理による下地処理や、電着塗装または各種プライマー塗装等による、下地塗装を施しておくのが好ましい。
本発明の光輝性塗膜形成方法においては、被塗基材の表面のL値が50〜70であることを要し、該L値は55〜65の明度色域であることがより好ましい。この範囲であることが、ムラを防止したアルミニウム調メタリック感の塗膜を得るために必要である。ここで、L値とはJIS Z8722に規定する三刺激値X,Y,Zから求められるハンターの色差式における明度指数を意味する。色差は、分光測色計(例えば、商品名「SMコンピューター」、スガ試験機社製)によって測定することができる。
表面のL値がかかる範囲内にある被塗基材は、(各種処理が施された)上記基板そのものであってもよく、電着塗装等の下地塗装を施した基板であってもよく、または、当該L値の範囲内とするために、基板上に「下地塗膜」を形成したものであってもよい。これらのうち、L値が50〜70の範囲の被塗基材表面が容易かつ一般的に得られるのは、そのための下地塗膜を形成して基板色を隠蔽する方法である。
表面のL値がかかる範囲内にある被塗基材は、(各種処理が施された)上記基板そのものであってもよく、電着塗装等の下地塗装を施した基板であってもよく、または、当該L値の範囲内とするために、基板上に「下地塗膜」を形成したものであってもよい。これらのうち、L値が50〜70の範囲の被塗基材表面が容易かつ一般的に得られるのは、そのための下地塗膜を形成して基板色を隠蔽する方法である。
本発明の光輝性塗膜形成方法において、上記下地塗膜の乾燥膜厚は、塗装対象物の種類によって異なるが、自動車車体または自動車部品等の場合は、10〜100μmであることが好ましい。10μm未満では、下地を隠蔽し難く、100μmを超えると最終的な光輝性塗膜の外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは20〜50μmである。(以下、塗膜の膜厚は、自動車車体または自動車部品等の場合について例示する。)
下地塗膜の形成は、下地塗料を基板上に塗布することにより行われる。塗膜を形成する方法は特に限定されないが、下地塗料が液体の場合にはスプレー法、ロールコーター法等が、粉体の場合には静電塗装が好ましい。また、下地塗膜形成後、焼き付けを行っても行わなくてもよい。焼き付けを行う場合には80〜160℃で所定時間焼き付けることにより、焼き付け塗膜を得ることができる。
下地塗膜の形成に用いられる下地塗料は、着色顔料、および必要により光輝性顔料をビヒクル中に分散したものである。本発明において、この下地塗料を用いて得られる塗膜のL値が、好ましくは50〜70となるように、着色顔料、必要により光輝性顔料の種類および量を選択する。
上記着色顔料としては、従来から塗料用として常用されている有機顔料や無機顔料が挙げられる。例えば、有機顔料としては、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
一方、上記光輝性顔料としては、従来から塗料用として常用されている各種フレーク顔料、メタリック顔料等が挙げられる。
また、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等の各種体質顔料等を併用することもできる。
着色顔料と必要により加えられる光輝性顔料、体質顔料等を合計した下地塗料中の顔料の含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の固形分質量割合:PWC)は、70%未満が好ましく、50%未満がより好ましい。70%を超えると最終的な光輝性塗膜の外観が低下する。
上記着色顔料としては、従来から塗料用として常用されている有機顔料や無機顔料が挙げられる。例えば、有機顔料としては、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
一方、上記光輝性顔料としては、従来から塗料用として常用されている各種フレーク顔料、メタリック顔料等が挙げられる。
また、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等の各種体質顔料等を併用することもできる。
着色顔料と必要により加えられる光輝性顔料、体質顔料等を合計した下地塗料中の顔料の含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の固形分質量割合:PWC)は、70%未満が好ましく、50%未満がより好ましい。70%を超えると最終的な光輝性塗膜の外観が低下する。
下地塗料に含まれるビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、特に、アクリル樹脂またはポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和多塩基酸が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール等が挙げられる。
(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和多塩基酸が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール等が挙げられる。
(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
また、上記の下地塗料中のビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常、耐久性の点から硬化性を有するタイプのものが好ましく使用される。
上記塗膜形成用樹脂が硬化性を有するタイプの場合には、(メラミン樹脂などの)アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、イミダゾール類、イミダゾリン類、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
上記塗膜形成用樹脂が硬化性を有するタイプの場合には、(メラミン樹脂などの)アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、イミダゾール類、イミダゾリン類、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料の貯蔵安定性が低下するとともに、硬化速度が大きくなるため、最終的な光輝性塗膜の外観が悪くなる。
上記下地塗料は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
上記下地塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。上記下地塗料が有機溶剤型または水性の場合、上記構成成分を、通常、溶剤成分に溶解または分散した態様で提供される。溶剤成分としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において常用されているものが挙げられる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
[光輝性ベース塗膜]
本発明の光輝性塗膜形成方法では、上記下地塗膜を形成した後、焼き付けを行わない場合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行った場合にはウェットオンドライ法により、「二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料」を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成することが特徴である。上記光輝性ベース塗膜は、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料およびビヒクルを含有する光輝性塗料により形成される。この塗膜を形成する方法および焼き付けについては特に限定されず、先の下地塗膜のところで説明した内容が適用される。
上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましい。10μm未満では、光輝感を発現し難く、50μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは10〜30μmである。
上記光輝性ベース塗料に含まれる二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料としては、基体のアルミニウムフレークに、二酸化珪素を薄片状にコーティングしたアルミニウムフレーク顔料である。例えばその粒径範囲が1〜100μm、好ましくは1〜70μmであり、平均粒径が5〜30μmで厚みが0.1〜1.5μmの範囲にあるフレーク状のものを用いることができる。
二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の使用が塗膜の外観ムラの防止に寄与することの原因は不明であるが、例えば、アルミニウムフレーク顔料が二酸化珪素被覆されていることにより、該顔料が白味を帯び、アルミニウムフレークの配向ムラが目立ちにくくなることが考えられる。
本発明の光輝性塗膜形成方法では、上記下地塗膜を形成した後、焼き付けを行わない場合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行った場合にはウェットオンドライ法により、「二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料」を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成することが特徴である。上記光輝性ベース塗膜は、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料およびビヒクルを含有する光輝性塗料により形成される。この塗膜を形成する方法および焼き付けについては特に限定されず、先の下地塗膜のところで説明した内容が適用される。
上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましい。10μm未満では、光輝感を発現し難く、50μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは10〜30μmである。
上記光輝性ベース塗料に含まれる二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料としては、基体のアルミニウムフレークに、二酸化珪素を薄片状にコーティングしたアルミニウムフレーク顔料である。例えばその粒径範囲が1〜100μm、好ましくは1〜70μmであり、平均粒径が5〜30μmで厚みが0.1〜1.5μmの範囲にあるフレーク状のものを用いることができる。
二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の使用が塗膜の外観ムラの防止に寄与することの原因は不明であるが、例えば、アルミニウムフレーク顔料が二酸化珪素被覆されていることにより、該顔料が白味を帯び、アルミニウムフレークの配向ムラが目立ちにくくなることが考えられる。
本発明の光輝性ベース塗料には、上記二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料以外のその他の光輝性顔料として、従来から塗料用として常用されているものを含有することができる。このようなものとして、例えば、着色アルミニウムフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク、グラファイト、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、または金属めっきガラスフレーク等を挙げることができる。
ただし、上記その他の光輝性顔料は、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の外観ムラ防止効果を妨げない範囲の任意の添加量で、含有することができる。
ただし、上記その他の光輝性顔料は、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の外観ムラ防止効果を妨げない範囲の任意の添加量で、含有することができる。
上記光輝性塗料は、有機または無機の着色顔料を含有することができる。上記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明の光輝性ベース塗料における上記二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の含有量は、光輝性ベース塗料の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)として0.1〜20質量%が好ましい。より好ましくは1〜15質量%である。0.1質量%未満では光輝感の発現が十分に得られない恐れがあり、20質量%を超えると凹凸による最終的な塗膜の外観不良が生じる恐れがある。
なお、上記光輝性塗料に含まれるビヒクルは、例えば、上記下地塗料のところで説明した(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、および(c)アルキド樹脂が挙げられ、さらに(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは、(a)アクリル樹脂および(b)ポリエステル樹脂が用いられる。
上記(d)フッ素樹脂フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
上記(e)エポキシ樹脂上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
上記(f)ポリウレタン樹脂上記ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−MDI)、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート(2,4'−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
上記(g)ポリエーテル樹脂上記ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノールAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
上記(e)エポキシ樹脂上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
上記(f)ポリウレタン樹脂上記ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−MDI)、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート(2,4'−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
上記(g)ポリエーテル樹脂上記ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノールAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、(メラミン樹脂などの)アミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないタイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに、硬化速度が大きくなるため均一硬化されず、最終的な塗膜外観が悪くなる。
さらに上記光輝性塗料には上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。
上記光輝性塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶剤型および水性塗料は、一液型であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。上記下地塗料が有機溶剤型または水性の場合、上記構成成分を、通常、溶剤成分に溶解または分散した態様で提供される。溶剤成分としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において常用されているものが挙げられる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
[クリヤートップ塗膜]
本発明の光輝性塗膜形成方法では、上記光輝性ベース塗膜を形成した後、その上に焼き付けを行わない場合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行った場合にはウェットオンドライ法により、クリヤートップ塗膜を少なくとも1層形成する。
本発明の光輝性塗膜形成方法では、上記光輝性ベース塗膜を形成した後、その上に焼き付けを行わない場合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行った場合にはウェットオンドライ法により、クリヤートップ塗膜を少なくとも1層形成する。
本発明の光輝性塗膜形成方法で用いられるクリヤー塗料としては、上塗り用として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤とを混合したものを用いることができるが、特公平8−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策という観点から好ましく用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
本発明のクリヤー塗料の塗装は、上記光輝性ベース塗膜、および必要に応じて中塗り塗料から形成された塗膜を同時に硬化させてから行うことができるが、未硬化状態または半硬化状態の上記光輝性ベース塗膜に対して、先のウェットオンウェット法を用いることが好ましい。また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最終のクリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよく、初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化させなくてもよい。このようにクリヤー塗料を用いてウェットオンウェット法により形成したクリヤートップ塗膜は、光輝性ベース塗膜、および必要に応じて、下地塗膜とともに120〜160℃で所定時間焼き付けられ、塗膜を得ることができる。なお、クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
[光輝性塗装物]
本発明による、自動車、二輪車等の乗物外板、各種部品、容器外面等の各種光輝性塗装物は、上述の光輝性塗膜形成方法によって得られる。この塗装物では、基板上にL値が50〜70の塗膜である下地塗膜を形成し、その上に二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有した光輝性ベース塗膜、さらにその上に上記クリヤートップ塗膜が形成されている。
上記下地塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上記クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は、10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
本発明による、自動車、二輪車等の乗物外板、各種部品、容器外面等の各種光輝性塗装物は、上述の光輝性塗膜形成方法によって得られる。この塗装物では、基板上にL値が50〜70の塗膜である下地塗膜を形成し、その上に二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有した光輝性ベース塗膜、さらにその上に上記クリヤートップ塗膜が形成されている。
上記下地塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上記クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は、10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのないかぎり質量部を表す。また原材料、塗料、機器の名称は、特に断らない限り商品名を表す。
実施例1〜10、比較例1〜3
[基材の調製]
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付け、基材とした。
[基材の調製]
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付け、基材とした。
[光輝性塗膜形成方法]
上記基材に、乾燥膜厚が30μmとなるように以下に示す下地塗料1〜4を表1に示す組み合わせでエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて下地塗膜を形成した。塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。
その後、アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料、および必要により、他の光輝性顔料、着色顔料を表1に示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し調製した光輝性ベース塗料組成物を乾燥膜厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、塗装後3分間セッティングした。
次いで、下記に示したクリヤー塗料を表1に示す組み合わせでクリヤートップ塗膜塗料として乾燥膜厚が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッティングし、その後、140℃の温度で30分間焼き付けた。
得られたアルミニウム調メタリックの光輝性塗膜の外観ムラの程度を下記評価方法で評価し結果を表1に示した。
上記基材に、乾燥膜厚が30μmとなるように以下に示す下地塗料1〜4を表1に示す組み合わせでエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて下地塗膜を形成した。塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。
その後、アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料、および必要により、他の光輝性顔料、着色顔料を表1に示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し調製した光輝性ベース塗料組成物を乾燥膜厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、塗装後3分間セッティングした。
次いで、下記に示したクリヤー塗料を表1に示す組み合わせでクリヤートップ塗膜塗料として乾燥膜厚が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッティングし、その後、140℃の温度で30分間焼き付けた。
得られたアルミニウム調メタリックの光輝性塗膜の外観ムラの程度を下記評価方法で評価し結果を表1に示した。
[下地塗料]
下地塗料1:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーグレー」、日本ペイント社製、L値:50)
下地塗料2:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90グレー」、日本ペイント社製、L値:60)
下地塗料3:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーダークグレー」、日本ペイント社製、L値:20、比較例用)
下地塗料4:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーホワイト」、日本ペイント社製、L値:90、比較例用)
ここで、L値は、JIS Z 8722に規定する三刺激値X、Y、Zから求められるハンターの色差式における明度指数である。
下地塗料1:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーグレー」、日本ペイント社製、L値:50)
下地塗料2:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90グレー」、日本ペイント社製、L値:60)
下地塗料3:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーダークグレー」、日本ペイント社製、L値:20、比較例用)
下地塗料4:アクリル/メラミン樹脂系下地塗料(「オルガS−90シーラーホワイト」、日本ペイント社製、L値:90、比較例用)
ここで、L値は、JIS Z 8722に規定する三刺激値X、Y、Zから求められるハンターの色差式における明度指数である。
[クリヤー塗料]
クリヤー塗料1:アクリル/メラミン樹脂系(商品名:「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)
クリヤー塗料2:カルボキシル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマー系(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)
クリヤー塗料1:アクリル/メラミン樹脂系(商品名:「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)
クリヤー塗料2:カルボキシル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマー系(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)
[評価方法]
ムラ程度:ムラの程度を目視で評価した。
3…ムラがない
2…ムラが殆どない
1…ムラが目立つ
ムラ程度:ムラの程度を目視で評価した。
3…ムラがない
2…ムラが殆どない
1…ムラが目立つ
表1の結果から明らかなように、本実施例は、本発明の光輝性塗膜形成方法により塗膜を形成したもので、アルミニウム調メタリック塗膜の外観ムラを防止した光輝性塗装物が得られた。一方、比較例では、アルミニウム調メタリック塗膜の外観ムラの防止効果が得られない結果となった。
本発明により得られる光輝性塗膜は、外観ムラが防止されたアルミニウム調メタリック感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、各種部品、容器外面、コイルコーティング、および家電等の光輝性が要求される分野において好ましく使用される。
Claims (3)
- 表面のL値が50〜70の被塗基材に、二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料を含有する光輝性ベース塗料により光輝性ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料によりクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
- 前記二酸化珪素被覆アルミニウムフレーク顔料の含有量が前記光輝性ベース塗料の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)として0.1〜20質量%である請求項1記載の光輝性塗膜形成方法。
- 請求項1または2記載の光輝性塗膜形成方法により塗装された光輝性塗装物。
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JP2004091030A JP2005270896A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011080973A1 (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-07 | 東洋アルミニウム株式会社 | 金属顔料およびそれを配合した紫外線硬化型組成物 |
JP2012045478A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Toyota Motor Corp | 光輝性複層塗膜及びその形成方法 |
CN103602184A (zh) * | 2013-10-21 | 2014-02-26 | 界首市天鸿包装材料有限公司 | 一种通过表面涂覆方法提高薄膜表面镀铝牢度的方法 |
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-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004091030A patent/JP2005270896A/ja active Pending
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