JP2001164197A - 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物

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JP2001164197A
JP2001164197A JP34730199A JP34730199A JP2001164197A JP 2001164197 A JP2001164197 A JP 2001164197A JP 34730199 A JP34730199 A JP 34730199A JP 34730199 A JP34730199 A JP 34730199A JP 2001164197 A JP2001164197 A JP 2001164197A
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JP
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coating film
mica pigment
coating
coating composition
resin
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JP34730199A
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English (en)
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Kenji Maruou
健志 丸王
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形成される塗膜の色相が濃彩色系の場合でも、
シェード部での白ボケ感が起きずに、深みのある色調を
呈する光輝性塗膜を得ることができる光輝性塗料組成
物、塗膜形成方法およびこの方法により塗装された塗装
物を提供すること。 【解決手段】これから形成される塗膜の色相が濃彩色系
であって、ビヒクル、暗部領域を有する干渉マイカ顔料
および上記以外のマイカ顔料を含有する光輝性塗料組成
物。好ましくは、上記暗部領域を有する干渉マイカ顔料
/上記以外のマイカ顔料の重量比が、1/99〜90/
10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝性塗料組成
物、塗膜形成方法およびこの方法により塗装された塗装
物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体などの高い意匠性が必要とさ
れる分野においては、光輝性材料を含有する光輝性塗料
組成物を用いた塗膜が必要とされており、このような光
輝性材料の1つとして、マイカ顔料が知られている。こ
のマイカ顔料は、基材である雲母が金属酸化物により被
覆され、干渉色はその被覆厚みにより決まってくる。そ
して金属酸化物により被覆されたマイカ顔料を含む塗膜
が形成された塗板を、垂直に近い状態で見ると干渉色を
有する真珠光沢(ハイライト部)を発現し、塗板を斜め
上から見ると真珠光沢が消えた色調(シェード部)を発
現する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のマイカ顔料を含
む塗膜は色相が濃彩色系の場合、シェード部での白ボケ
感が目立ち、深みのある色調が得られないという問題点
を有している。従って本発明が解決しようとする課題
は、形成される上記マイカ顔料を含む塗膜の色相が濃彩
色系の場合でも、シェード部での白ボケ感が起きずに、
深みのある色調を呈する光輝性塗膜を得ることができる
光輝性塗料組成物、塗膜形成方法およびこの方法により
塗装された塗装物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.これから形成される塗膜の色相が濃彩色系であっ
て、ビヒクル、暗部領域を有する干渉マイカ顔料および
上記以外のマイカ顔料を含有する光輝性塗料組成物。 2. 上記暗部領域を有する干渉マイカ顔料/上記以外の
マイカ顔料の質量比が、1/99〜90/10である上
記光輝性塗料組成物。 3.基材に、上記いずれかに記載の光輝性塗料組成物を
用いてベースコート層を形成した後、クリヤー塗料を用
いてトップコート層を形成する塗膜形成方法。 4.上記クリヤー塗料が、カルボキシル基含有ポリマー
およびエポキシ基含有ポリマーを含有する上記の塗膜形
成方法。 5.上記の塗膜形成方法により塗装された塗装物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0006】ビヒクル 本発明の光輝性塗料組成物に含まれるビヒクルは、後述
するマイカ顔料が分散するものであって、塗膜形成用樹
脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
【0007】上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂と
しては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエス
テル樹脂、(c)アルキッド樹脂、(d)フッ素樹脂、
(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)
ポリエーテル樹脂が挙げられ、特に、アクリル樹脂およ
びポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、
2種以上を組み合わせて使用することができる。また、
上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッ
カータイプとがあるが、通常硬化性を有するタイプのも
のが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、ア
ミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物、ア
ミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混
合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応を進行
させることができる。また、硬化性を有しないタイプの
塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプと併用すること
も可能である。
【0008】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フ
ェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開
環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−
メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)
アクリル酸エステルなどがある。これらと共重合可能な
上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢
酸ビニルなどがある。
【0009】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げら
れ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して
得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和
多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸と
しては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク
酸が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレ
イン酸、無水マレイン酸、フマル酸が挙げられる。多価
アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価ア
ルコールが挙げられ、二価アルコールとしては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコールが挙げ
られ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、
トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0010】上記(c)アルキッド樹脂としては、上記
多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸
(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然
樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得ら
れたアルキッド樹脂を用いることができる。
【0011】上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビ
ニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたは
これらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含
有の重合性化合およびその他の共重合可能なビニル系化
合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ
素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
【0012】上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる
樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとして
は、例えば、ビスフェノールA、Fが挙げられる。上記
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピ
コート828、エピコート1001、エピコート100
4、エピコート1007、エピコート1009(いずれ
も、シェルケミカル社製)が挙げられ、またこれらを適
当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることがで
きる。
【0013】上記(f)ポリウレタン樹脂としては、ア
クリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネー
ト等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物
とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げる
ことができる。上記ポリイソシアネート化合物として
は、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TD
I)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−T
DI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタ
ン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MD
I)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート
(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、
ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシ
アネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネー
ト(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)
等を挙げることができる。
【0014】上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エ
ーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリ
オキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン
系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエ
ーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノー
ルFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導される
ポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸
基を有するポリエーテル樹脂を挙げることができる。ま
た上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリ
メリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの
酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカル
ボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができ
る。
【0015】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形
成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量
%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量
%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が
10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超
えると)、塗膜中の架橋が十分でないことがある。一
方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が
50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下
するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪
くなることがある。
【0016】マイカ顔料 本発明の光輝性塗料組成物には、 暗部領域を有する干
渉マイカ顔料および上記以外のマイカ顔料を含有するこ
とにより目的とする意匠を発現することができる。
【0017】上記暗部領域を有する干渉マイカ顔料とし
ては、干渉色が黒色またはほとんど黒色を呈するもので
ある。具体的には薄片状マイカ粒子の表面を暗色領域の
各種物質により被覆もしくは沈着させたものが適用され
る。例えば、(A)Fe3 4 の化学組成を有する黒色
酸化鉄で被覆した干渉マイカ黒色顔料、(B)低次酸化
チタンを含むチタン化合物で被覆したのち二酸化チタン
で被覆した干渉マイカ顔料、(C)表面を二酸化チタン
層で被覆したのち金属チタンをスパッタリングして表面
に金属チタン部と二酸化チタン膜の一部を還元した低次
酸化チタン部が点在する干渉マイカ顔料の少なくとも1
種を用いることができる。上記(A)〜(C)のうち好
ましいのは、(B)である。上記干渉マイカ顔料は、粒
径範囲が1〜44μm 、好ましくは5〜40μmで、平
均粒径15〜25μmである鱗片状のものを用いること
ができる。
【0018】上記干渉マイカ顔料は、例えば、上記
(A)として「イリオジン600WII」(メルク社
製)、上記(B)として「INFINITE COLO
R YB−06」(資生堂社製)、上記(C)として
「TISPEAL235」(日新製鋼社製)などを用い
ることができる。
【0019】上記暗部領域を有するマイカ顔料以外のマ
イカ顔料としては、天然の白雲母や合成雲母の表面に二
酸化チタン、酸化鉄その他クロム、コバルト、錫、ジル
コニウム等の金属酸化物の薄膜をコーティングしたパー
ルマイカ顔料であることが好ましい。このようなパール
マイカ顔料としては、粒径範囲が1〜60μm 、好ま
しくは1〜40μm で、平均粒径15〜25μmであ
る鱗片状のものを用いることができる。上記パールマイ
カ顔料の色は、被覆する金属酸化物の種類・量(被覆
厚)を調整することで、暗黒色以外の所望の色を得るこ
とができる。
【0020】これらの各マイカ顔料は、耐候性や耐水性
を向上させるために、さらに錫、ジルコニウム、クロム
あるいは珪素などの酸化物を用いて被覆処理を施したも
のであってもよい。
【0021】本発明の光輝性塗料組成物における上記暗
部領域を有する干渉マイカ顔料/上記以外のマイカ顔料
の質量比は、1/99〜90/10が好ましく、10/
90〜50/50が、より好ましい。上記比率内であれ
ば、形成される塗膜の色相が濃彩色系の場合でも、シェ
ード部での白ボケ感が起きずに、深みのある色調が呈す
る光輝性塗膜を得ることができる。
【0022】また、本発明の光輝性塗料組成物における
全マイカ顔料の総含有量(PWC)は、0.5〜20%未
満が好ましく、1〜15%未満がより好ましい。0.5
%未満では、目的の意匠が得られないことがあり、20
%を超えると塗膜外観が低下することがある。さらに本
発明の光輝性塗料組成物から形成される塗膜の色相が、
濃彩色であることにより目的の意匠を発現するが、濃彩
色を呈するためには、暗部領域を有する干渉マイカ顔料
の種類・量、また必要に応じて後述する着色顔料を併用
して、好ましくは明度としてL値は70以下、より好ま
しくは50以下となるように調整する。
【0023】その他の光輝性顔料 本発明の光輝性塗料組成物は、上記マイカ顔料以外のそ
の他の光輝性顔料として、従来から塗料用として常用さ
れているものを含有することができる。このようなもの
として、例えば、アルミニウムフレーク顔料、着色アル
ミニウムフレーク顔料、金属チタンフレーク、グラファ
イト、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニ
ンフレーク、ホログラム顔料または金属めっきガラスフ
レークを挙げることができる。上記その他の光輝性顔料
は、マイカ顔料の効果を妨げない範囲の任意の添加量
で、含有することができる。
【0024】着色顔料 本発明の光輝性塗料組成物は、着色顔料を含有すること
ができる。このようなものとして、従来から塗料用とし
て常用されているものが挙げることができ、有機顔料と
しては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系
顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン
系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イ
ソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、ま
た、無機顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベ
ンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックが挙げられ
る。着色顔料の添加量は、マイカ顔料の効果を妨げない
限り、濃彩色の色相を発現するのに合わせて任意に設定
できる。また各種体質顔料等を併用することができる。
なお、上記その他の光輝性顔料および着色顔料を用いる
場合、顔料全体としての総含有量(PWC)は、50%未
満が好ましく、30%未満がより好ましい。50%を超
えると塗膜外観が低下する。
【0025】上記以外の成分 本発明の光輝性塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族
アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポ
リエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエ
チレンワックス、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子等の表面調整
剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体
粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することができる。こ
れらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固
形分基準)に対して15質量部以下の割合で配合するこ
とにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0026】本発明の光輝性塗料組成物は、上記構成成
分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供され
る。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するもの
であればよく、有機溶剤および/または水を使用し得
る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられ
るものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシ
レンの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンのケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブのエステル類、アルコール類を例
示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制され
ている場合には、水を用いることが好ましい。この場
合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0027】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、常用される塗装方法によって
形成される塗膜が濃彩色である光輝性塗料組成物を基材
上に塗布して、ベースコート層としての光輝性塗膜を形
成した後、この上にトップコート層として少なくとも一
層のクリヤー塗料を塗布して、トップコート層を形成す
るものである。上記形成される塗膜の濃彩色としては、
明度としてL値は70以下が好ましく、より好ましくは
50以下である。L値が70を超えると本発明の効果が
得られ難い。
【0028】上記基材としては、限定されるものでな
く、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属
類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等の
プラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天
然または合成材料等が挙げられる。
【0029】本発明の塗膜形成方法においては、上記基
材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組
成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により塗装さ
れた塗装物が自動車車体および部品の場合は、予め化成
処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等を施
しておくのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地の隠
蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保
のために塗膜を形成するものである。
【0030】本発明の塗膜形成方法においては、まず上
記基材に上記光輝性塗料組成物をベースコート層として
塗装する。上記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地
塗装をした物である場合には、下地塗膜の上にウェット
オンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ
(W/D)法により上記光輝性塗料組成物を塗装するこ
とができる。上記W/W法とは下地塗装をした後、風乾
等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗
膜に塗装する方法であり、これに対して、上記W/D法
とは下地塗膜を焼付けて硬化させた下地塗膜に塗装する
方法である。
【0031】光輝性塗料組成物を基材上に塗装する方法
は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法
等が好ましく、また、複数回塗装することも可能であ
る。上記光輝性塗料組成物を塗装したベースコート層の
乾燥膜厚は、1コートにつき5〜50μmが好ましく、
10〜30μmがより好ましい。
【0032】このようにして形成されたベースコート層
上にトップコート層として、クリヤー塗膜を少なくとも
1層形成する。上記ベースコート層中に光輝性顔料が多
い場合に、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の
光輝感を向上させることができる。
【0033】本発明の塗膜形成方法で用いられるクリヤ
ー塗料としては、上塗り用として一般に使用されている
ものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂から
選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤
とを混合したものを用いることができるが、特公平8−
19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリ
マーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗
料が、耐酸性雨対策およびW/W法でベースコート層と
の溶解性の差を大きくすると塗装した際にベースコート
層における光輝剤の配向を乱さないという観点から好ま
しく用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要
に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、
体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散
剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
【0034】本発明の塗膜上へのクリヤー塗料の塗装
は、上記ベースコート層、および必要に応じて中塗り塗
料から形成された層を同時に硬化させてから行うことが
できるが、未硬化状態または半硬化状態の上記ベースコ
ート層に対して、先のW/W法を用いることが好まし
い。また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最
終のクリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよ
く、初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化
させなくてもよい。このようにクリヤー塗料を用いてW
/W法により形成したトップコート層は、ベースコート
層、および必要に応じて、下地塗膜とともに120〜1
60℃で所定時間焼き付けられ、塗膜を得ることができ
る。なお、トップコート層の乾燥膜厚は1コートにつき
10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ま
しい。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。
【0036】実施例1〜9、比較例1〜3基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた
後、中塗塗料(「オルガS−90シーラーグレー」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエ
アースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて中
塗塗膜を形成し、基材とした。
【0037】光輝性塗料組成物の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、
水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラ
ミン樹脂(「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形
分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合し
て得たビヒクルに対しパールマイカ顔料(「イリオジン
235WII」、メルク社製)、および下記の暗部領域
を有する干渉マイカ顔料を、また必要により着色顔料を
表1に示す種類および割合で配合した。次いで、有機溶
剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質
量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗
装適正粘度になるように攪拌混合し、光輝性塗料組成物
を調製した。 暗部領域を有する干渉マイカ顔料:(A)「イリオジン
600WII」(メルク社製)、(B)「INFINI
TE COLOR YB−06」(資生堂社製)および
(C)「TISPEAL235」(日新製鋼社製)
【0038】光輝性塗膜の形成 基材の被塗面に、先に得た光輝性塗料組成物を乾燥膜厚
が15μmになるように塗装した。塗装は静電塗装機
(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)
を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。塗装中の
ブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持した。
塗装後3分間セッティングし、クリヤー塗料を乾燥膜厚
が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッテ
ィングし、140℃の温度で30分間焼き付けた。得ら
れた塗膜の意匠性を下記評価方法で評価した。結果を表
1に示す。使用したクリヤー塗料は、アクリル/メラミ
ン樹脂系クリヤー塗料1(「スーパーラックO−130
クリヤー」、日本ペイント社製)または、カルボキシル
基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有する
クリヤー塗料2(「マックフローO−520クリヤ
ー」、日本ペイント社製)の2種類である。
【0039】評価結果を表1に示す。評価方法 意匠性:試験板を斜め(シェード部)から見たときの白
ボケ感の状態を目視で評価した。 3…白ボケ感がなく、深みのある色調が認められる意匠
が発現 2…多少白ボケ感があるが、深みのある色調と認められ
る意匠が発現 1…白ボケ感が目立ち、深みがある色調とはいえない意
匠が発現
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から明らかのように、本実施例
1〜9は、本発明の光輝性塗料組成物を用いた塗膜形成
方法により塗膜を形成したもので、形成される塗膜の色
相が濃彩色系の場合でも、シェード部での白ボケ感が起
きずに、深みのある色調を呈する光輝性塗膜を得ること
ができた。一方、比較例1は、暗部領域を有する干渉マ
イカ顔料を併用しなかったため、また比較例2〜3は、
マイカ顔料として暗部領域を有する干渉マイカ顔料のみ
を使用したために、目的の意匠を発現しない結果となっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明光輝性塗料組成物は、形成される
塗膜の色相が濃彩色系で、暗部領域を有する干渉マイカ
顔料および上記以外のマイカ顔料を併用することによっ
て、塗膜の色相が濃彩色系の場合でも、シェード部での
白ボケ感が起きずに、深みのある色調を呈する光輝性塗
膜を得ることができる。
【0043】本発明により得られる塗膜は上記意匠を呈
するため、自動車、二輪車等の乗物外板、容器外面、コ
イルコーティング、家電業界等の光輝性が要求される分
野において好ましく使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/30 C09D 5/30 5/36 5/36 7/12 7/12 Z 163/00 163/00 Fターム(参考) 4D075 AE03 CB13 DA06 DB02 DC12 EA02 EA43 EB22 EB33 EC04 EC54 4J038 CD091 CG141 DA112 DB061 DD041 DD181 DD231 DF021 DG111 DG121 DG131 DG191 DG262 DH002 EA011 GA06 GA07 HA216 HA546 HA556 JA39 JA41 JB01 JB25 KA03 KA08 KA15 KA20 NA01 NA18 NA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】これから形成される塗膜の色相が濃彩色系
    であって、ビヒクル、暗部領域を有する干渉マイカ顔料
    および前記以外のマイカ顔料を含有する光輝性塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】前記暗部領域を有する干渉マイカ顔料/前
    記以外のマイカ顔料の質量比が、1/99〜90/10
    である請求項1記載の光輝性塗料組成物。
  3. 【請求項3】基材に、請求項1または2記載の光輝性塗
    料組成物を用いてベースコート層を形成した後、クリヤ
    ー塗料を用いてトップコート層を形成する塗膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】前記クリヤー塗料が、カルボキシル基含有
    ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有する請求
    項3記載の塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の塗膜形成方法によ
    り塗装された塗装物。
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