JP3980280B2 - 塗膜補修方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗基材、例えば、自動車外板における複合塗膜中の中塗り塗膜に対する補修方法に関するものである。特に、自動車生産ラインでの中塗り塗膜に関する塗膜補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車生産ラインでの中塗り塗膜に関する塗膜補修方法としては、中塗り塗膜の異常部位および上記異常部位の周囲部位を研磨し、次いで上記研磨部位およびその周辺部位を、次工程で使用する光輝性ベース塗料を用いて、焼き付けずに補修用塗膜を形成し、次いで上記補修用塗膜上および上記中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を形成し、これらの補修用光輝性ベース塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付けを行っている。
【0003】
しかしながら、このような研磨部位を有する塗膜補修方法にあっては、上記研磨部位塗膜の仕上り外観と非研磨部位塗膜の仕上り外観とにおいて、上記光輝性ベース塗膜の光輝性顔料の配向が異なることに起因する配向ムラを生じ、同じようにはならない。すなわち上記研磨部位塗膜の仕上り外観とにおいて、研ぎ染みとし低下してしまうという課題があり、これら課題を解決した光輝性塗膜が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、研磨部位を有する塗膜補修方法であっても、研磨部位の塗膜仕上り外観と非研磨部位の塗膜の仕上り外観とにおいて、光輝性ベース塗膜の光輝材の配向が略同一となり、研磨部位の塗膜仕上り外観が、配向ムラを生じず研ぎ染みとならない高外観が得られる塗膜補修方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。
1.被塗基材に電着塗膜、中塗り塗膜を形成後、光輝性ベース塗膜に、上塗りクリヤー塗膜をウエット・オン・ウエット方式で複合塗膜を形成する工程で、上記光輝性ベース塗膜形成前に、上記硬化した中塗り塗膜の異常部位を補修する方法において、以下の工程により順次構成されている塗膜補修方法。
(1)上記中塗り塗膜の異常部位および上記異常部位の周囲部位を研磨する工程、
(2)上記研磨部位およびその周辺部位を、上記光輝性ベース塗膜を形成する光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を用いて、焼き付けずに補修用塗膜を形成する工程、
(3)上記補修用塗膜上および非補修部の上記中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、
(4)上記補修用塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化する工程;
2.上記補修用塗膜の乾燥膜厚が、5〜15μmである上記の塗膜補修方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の塗膜補修方法は、被塗基材に電着塗膜、中塗り塗膜を形成後、光輝性ベース塗膜に、上塗りクリヤー塗膜をウエット・オン・ウエット方式で複合塗膜を形成する工程で、上記光輝性ベース塗膜形成前に、上記硬化した中塗り塗膜の異常部位を補修する方法において、図1に示すように、被塗基材1上に、電着塗膜2および中塗り塗膜3が形成され、上記硬化した中塗り塗膜3の異常部位および上記異常部位の周囲部位を研磨(図1では、研磨部位を点線で図示)する工程(1)、上記研磨部位およびその周辺部位を、光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を用いて、焼き付けずに補修用塗膜4を形成する工程(2)、次いで上記補修用塗膜4の上および上記中塗り塗膜3の上に、光輝性ベース塗膜5および上塗りクリヤー塗膜6を形成する工程(3)、次いで上記補修用塗膜4、光輝性ベース塗膜5および上塗りクリヤー塗膜6を同時に焼き付け硬化するする工程(4)(なお、これら全体の工程を総称して、単に塗膜補修工程ともいう)により順次構成されている。
【0007】
本発明に係る塗膜補修方法においては、例えば、まず被塗基材の表面に電着塗装によって電着塗膜を形成する。電着塗膜は、被塗基材に防食機能を与えることを主目的として形成するもので、電着塗料としては、カチオン型電着塗料、アニオン型電着塗料のいずれも使用することができるが、防食性の点でカチオン型電着塗料が好ましく、カチオン型電着塗料としては、エポキシ系の樹脂塗料を適用するのが好ましい。
【0008】
上記被塗基材には、自動車外板に適用可能な鋼板であればよく、通常、電着塗装前に上記鋼板に対し脱脂、水洗、被膜化成、水洗、純水洗、乾燥までの前処理を従来公知の方法の中から適当な方法を任意に選択して行ったものを用いることが好ましい。なお、電着塗膜形成方法に関しては、常法に従って従来公知の方法の中から適当な方法を任意に選択することができるものであり、電着塗装条件、焼き付け乾燥条件、電着塗膜の厚さ等に関しても、被塗基材や電着塗料の種類などに応じて適宜決定されるものである。
【0009】
次に、上記電着塗膜上に中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する。中塗り塗膜には、複合塗膜を平滑にし、外観の良好な塗膜とするための下地として機能し、電着塗膜と上塗り塗膜とのバインダーとなり、複合塗膜を通じて到達する紫外線や水による塗膜の劣化に対する抵抗性が要求される。中塗り塗膜としては、特に制限されるものでなく、溶剤型塗料のほか、公害対策上、水性塗料またはハイソリッド型塗料なども適用でき、具体的には、エポキシエステル/メラミン系樹脂、アミノアルキド/メラミン系樹脂またはオイルフリーポリエステル/メラミン系樹脂塗料など、従来公知の中塗り塗料の中から適当に選択して用いることができる。
【0010】
また、上記中塗り塗料に含有される顔料は、着色顔料および体質顔料が好ましい。このうち、着色顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、インダンスロン、イソインドリノン、ペリレン、アンスラピリミジンなどの有機顔料が使用され、体質顔料としては、硫酸バリウム、アルミニウムシリケートなどを用いることができる。
【0011】
なお、中塗り塗膜形成方法に関しては、常法に従って従来公知の方法の中から適当な方法を任意に選択することができるものであり、通常、中塗り塗膜層の形成には、グレー色系の中塗り塗料が用いられるが、中塗り塗膜層の上に透明性のある光輝性上塗り塗膜層を設ける場合には、グレー色系の中塗り塗料またはカラー中塗り塗料等が用いられる。これは、中塗り塗膜層と上塗り塗膜層との複合色を発現させ、意匠性を高めるために行われるものである。中塗り塗膜層の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは30〜50μmである。
【0012】
工程(1)
本発明に係る塗膜補修方法における工程(1)では、上記硬化した中塗り塗膜面をチェックし、不具合の原因となる異常部位を除去し修正する。
上記塗膜補修工程では、まず、工程(1)として、上記硬化した中塗り塗膜3の異常部位を除去した後、上記異常部位を除去した部位および異常部位の周囲部位を研磨紙で研ぐ。研磨方法(手順)等に関しては、常法に従って従来公知の方法の中から適当な方法を任意に選択することができるものであり、使用する研磨剤や研磨紙の種類や研磨する塗膜の硬さ等に応じて適宜決定されるものである。好ましくは、研磨部位の粗度Raが0.01〜0.5μmの微小凹凸を有するように、酸化アルミニウム粒子含有研磨剤と1000〜2000番、より好ましくは1500〜2000番の研磨紙で研ぐ。
【0013】
なおここで、上記研磨部位の粗度Raが0.01〜0.5μmの微小凹凸を有するように研ぐとしたのは、投錨効果を持たせ補修塗膜の密着性を向上することを目的としており、上記粗度Raが0.01μm未満では、中塗り塗膜上への補修塗膜の密着阻害が発生する恐れがあり、また上記粗度Raが0.5μmを超えると研磨傷が深くなり、外観が低下する恐れがあることによる。また、研磨剤や研磨紙で研ぎ得る範囲としては、特に厳密に規定されるものでなく、性能的には補修塗膜の密着性が十分に確保できればよく、また作業的には可能な限り小さいほうが、補修作業が容易であること等の点から、除去凹部の周囲10〜50mm程度の幅で行うことが好ましいといえる。
【0014】
上記硬化した中塗り塗膜の異常部位を除去する方法としては、特に制限されるものでなく、異常部位をカッターナイフ、小刃等の刃先等で削りとる方法等が例示できる。なお、異常部位を除去する際には、除去部の深さが、電着塗膜にまでは及ばないように中塗り塗膜の乾燥膜厚より深くならない程度が好ましい。また、除去部の大きさは、完全に異常部位が除去できるように、異常部位の周囲部位を含む若干広い範囲を取り除いておくことが好ましい。なお、ここでいう異常部位とは、ゴミ付着部位、ブツ発生部位、流れ・たれ発生部位等をさす。
【0015】
工程(2)
本発明に係る塗膜補修方法における工程(2)では、上記研磨部位およびその周辺部位を、光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を用いて、補修用塗膜を形成する。
上記塗膜補修工程では、工程(2)として、工程(1)における研磨部位およびその周辺部位に対する補修塗膜として、光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料(以下、補修用塗料ともいう)を塗装し、焼き付けは行わないで、補修塗膜4を形成する。
【0016】
ここで、補修塗料として用いる補修用塗料は、次工程(3)で使用する光輝性ベース塗料における光輝性顔料および着色顔料等の顔料の全部又は光輝性顔料を除いたものである。補修塗膜の形成は、スポット塗装となるため、好ましくは手吹き塗装により、乾燥膜厚が5〜15μm、より好ましくは5〜10μmである。なお、上記補修用塗料の塗装では、図1に示すように、実際的には非補修部の硬化した中塗り塗膜3の上にオーバーラップするように塗装しても問題とならない。
【0017】
本発明の要旨は、光輝性ベース塗料に使用する光輝性顔料および着色顔料等の顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を補修用塗料として補修に用いることであり、これにより、研ぎ染み、すなわち研磨部位の塗膜仕上り外観と非研磨部位の塗膜仕上り外観が異なる現象が認められず、次工程で形成する光輝性ベース塗膜の光輝材の配向が略同一となり、配向ムラを生じない。また、非補修部の中塗り塗膜に対し優れた密着性を得ることができるものである。なお補修塗料を光輝性顔料入りの光輝性ベース塗料で行うと、研ぎ染み性が十分とはならない。
【0018】
工程(3)
本発明に係る塗膜補修方法における工程(3)では、上記硬化していない補修用塗膜上および非補修部の上記硬化した中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を形成する。
上記塗膜補修工程では、工程(3)として、工程(2)に続いて、上記硬化していない補修用塗膜上および非補修部の上記硬化した中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗料を用いて光輝性塗膜を形成し、その上に上塗りクリヤー塗料を用いて上塗りクリヤー塗膜をウエット・オン・ウエット方式で形成する。
上記光輝性ベース塗料に含まれるビヒクルは、顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
【0019】
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂および特開平2−24506号公報記載のフルオロオレフィン変性アクリル樹脂が好ましく用いられる。また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプとを併用することも可能である。
【0020】
上記光輝性ベース塗料に含有される顔料は、光輝性顔料および必要により着色顔料を併用する。光輝性顔料としては、例えばアルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、アルミナフレーク顔料、シリカフレーク顔料、二酸化チタン被覆ガラスフレーク顔料、グラファイト顔料、ステンレスフレーク顔料、ホログラム顔料、板状酸化鉄顔料またはフタロシアニンフレーク顔料等を、また着色顔料として、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料、黄色酸化鉄顔料、ベンガラ顔料、二酸化チタン顔料、カーボンブラック顔料等が挙げられる。
また各種体質顔料等を併用することができる。
【0021】
上記光輝性ベース塗料は、上記成分のほかに、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0022】
上記光輝性ベース塗料は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0023】
上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、5〜30μmが好ましく、より好ましくは10〜20μmである。ここで、上記光輝性ベース塗料における光輝性顔料や着色顔料の含有量および種類を選択することにより透明性を有する光輝性塗膜を得ることができる。透明性があるものを用いることにより、下塗り塗膜層や中塗り塗膜層との複合色を発現することが可能となる。
【0024】
さらに上記光輝性ベース塗膜上には、トップコート層として、上記上塗りクリヤー塗膜を少なくとも一層形成する。上記光輝性ベース塗膜中に光輝性顔料が多く含まれる場合には、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の平滑感を向上させることができる。上塗りクリヤー塗膜の形成は、上記ウェット・オン・ウェット方式(W/W)を用いる。上塗りクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは30〜50μmである。
【0025】
また、上記上塗りクリヤー塗膜は、溶剤型塗料、水性塗料または粉体型塗料から形成してもよい。溶剤型塗料または水性塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型樹脂を用いてもよい。光輝性ベース塗膜の上に上塗りクリヤー塗膜を形成することにより、光沢向上および光輝性顔料の損傷を防止することができる。
【0026】
上記クリヤー塗料としては、上塗り用として一般に使用されているものを用いることができ、上記の熱硬化性樹脂と架橋剤とを混合したものを用いることができる。特に、特公平8−19315号公報に記載されたカルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策およびW/Wで光輝性ベース塗膜に塗装した際に、光輝性ベース塗膜における光輝性顔料の配向を乱さないという観点から好ましく用いられる。
また、これらのクリヤー塗料は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
【0027】
工程(4)
本発明に係る塗膜補修方法における工程(4)では、上記補修用塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化する。
上記塗膜補修工程では、工程(4)として、工程(2)で形成した上記補修用塗膜ならびに工程(3)で形成した光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化する。焼き付け乾燥条件としては、120〜160℃で所定時間焼き付けられ、塗膜を得ることができる。なお、トップコート層の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのないかぎり質量部を表す。
【0029】
実施例1〜8,比較例1〜6
基材の調製
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップV−8」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた後、電着塗膜上に中塗り塗料としてポリエステルメラミン系中塗り塗料(「オルガP−61M」、日本ペイント社製)をトルエン/ソルベッソ100(シェル化学社製)/酢酸ブチル=2/6/2(重量比)を用いて、粘度が22秒/#4FCとなるように調製し、回転式静電塗装機を用いて中塗塗装を行い、140℃×30分の条件で焼き付け乾燥処理し、厚さ30μmの中塗り塗膜を形成した。
【0030】
塗装した未乾燥の中塗り塗膜上に小さなゴミ、ブツを付着させて焼き付け硬化させることで、ゴミ、ブツによる異常部位を有する複合塗膜を持つ塗装鋼板に対して、以下の塗膜補修工程を行った。
まず工程(1)として、上記中塗り塗膜上のゴミ、ブツによる異常部位を刃先で除去した後、上記異常部位を除去した部位およびその周辺部を、2000番の研磨紙を用いて、粗度Raが0.05μmの微小凹凸を有するようになるまで研磨した。
【0031】
次に、工程(2)として、上記工程(1)の研磨部位、および研磨部位周辺部の中塗り塗膜の上に、補修塗料として光輝性ベース塗料であるアクリル/メラミン系樹脂塗料(「スーパーラックM−180」、日本ペイント社製)の顔料を含まない塗料Aを調製し、手吹きスプレー塗装により乾燥膜厚として、表1に示す乾燥膜厚となるように、拾い吹きにより、補修用塗膜を焼付けせずに形成した。比較例としては、補修塗料として光輝性ベース塗料であるアクリル/メラミン系樹脂塗料(「スーパーラックM−180」、日本ペイント社製)を塗料Bおよび上記塗料Aに光輝性顔料を顔料質量含有量(PWC)で5%にした塗料を塗料Cとして用いた。
【0032】
次に工程(3)として、上記硬化していない補修用塗膜上および非補修部の上記硬化した中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗料であるアクリル/メラミン系樹脂塗料(「スーパーラックM−180」、日本ペイント社製)を、トルエン/ソルベッソ100/酢酸ブチル=2/6/2(重量比)を用いて、粘度が13秒/#4FCとなるように調製し、回転霧化式静電塗装機を用いて上塗り塗装を行い、乾燥膜厚が20μmとなるように光輝性ベース塗膜を形成し、3分間のセッティング後、以下の上塗りクリヤー塗料を、トルエン/ソルベッソ100/酢酸ブチル=2/6/2(重量比)を用いて、粘度が22秒/#4FCとなるように調製し、回転霧化式静電塗装機を用いて乾燥膜厚が40μmとなるように上塗りクリヤー塗膜を形成した。
C…アクリル/メラミン系樹脂クリヤー塗料(商品名:「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)、
D…カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーのブレンドからなるクリヤー塗料(商品名:「マックフローO−590クリヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。
そして工程(4)として、上記補修用塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に、140℃で2分間焼き付け硬化させた。これを試験板として、形成された複合塗膜の研ぎ染み性を、以下の方法にて評価し、結果を表1に示した。
【0033】
評価方法
研ぎ染み性:試験板の複合塗膜における研磨部と非研磨部との光輝感の差の有無を目視で評価した。
3…研磨部と非研磨部との光輝感の差がなし
2…研磨部と非研磨部との光輝感の差が僅かにあり
1…研磨部と非研磨部との光輝感の差が顕著にあり
【0034】
【表1】
Figure 0003980280
【0035】
表1の結果から明らかのように、本実施例は、本発明の塗膜補修方法により塗膜を補修したもので、研磨部と非研磨部との光輝感の差がなく、研ぎ染み性が良好であった。
一方、比較例では、本発明の塗膜補修方法により塗膜を補修しなかったため研磨部と非研磨部との光輝感の差が明確にあり、研ぎ染み性が十分ではなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の塗膜補修方法は、被塗基材に電着塗膜、中塗り塗膜を形成後、光輝性ベース塗膜に、上塗りクリヤー塗膜をウエット・オン・ウエット方式で複合塗膜を形成する工程で、上記光輝性ベース塗膜形成前に、上記硬化した中塗り塗膜の異常部位を補修する方法において、
(1)上記中塗り塗膜の異常部位および上記異常部位の周囲部位を研磨する工程、
(2)上記研磨部位およびその周辺部位を、上記光輝性ベース塗膜を形成する光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を用いて、焼き付けずに補修用塗膜を形成する工程、
(3)上記補修用塗膜上および非補修部の上記中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、
(4)上記補修用塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化する工程;を順次経る工程により構成されているため、研磨部位を有する塗膜補修方法であっても、研磨部位塗膜仕上り外観と非研磨部位塗膜の仕上り外観が、光輝性ベース塗膜の光輝性顔料の配向が略同一となり、配向ムラを生じることなく、研ぎ染みとならずに高外観が得られる。
本発明の塗膜補修方法は、上記高外観を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、これらの部品、各種容器外面、コイルコーティング、家具、家電業界、通信業界等の高外観が要求される分野において好ましく使用される。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の補修塗膜の断面図。
【符号の説明】
1 被塗基材
2 電着塗膜
3 中塗り塗膜
4 補修用塗膜
5 光輝性ベース塗膜
6 上塗りクリヤー塗膜

Claims (2)

  1. 被塗基材に電着塗膜、中塗り塗膜を形成後、光輝性ベース塗膜に、上塗りクリヤー塗膜をウエット・オン・ウエット方式で複合塗膜を形成する工程で、前記光輝性ベース塗膜形成前に、前記硬化した中塗り塗膜の異常部位を補修する方法において、以下の工程により順次構成されている塗膜補修方法。
    (1) 前記中塗り塗膜の異常部位および上記異常部位の周囲部位を研磨する工程、
    (2)前記研磨部位およびその周辺部位を、上記光輝性ベース塗膜を形成する光輝性ベース塗料から顔料の全部又は光輝性顔料を除いた塗料を用いて、焼き付けずに補修用塗膜を形成する工程、
    (3)前記補修用塗膜上および非補修部の前記中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、
    (4)前記補修用塗膜、光輝性ベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化する工程;
  2. 前記補修用塗膜の乾燥膜厚が、5〜15μmである請求項1記載の塗膜補修方法。
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