JP2006130480A - 塗膜の補修方法及び複層塗膜 - Google Patents

塗膜の補修方法及び複層塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】補修部分の研ぎ痕の模様が目立たず、補修部と非補修部における光輝材ムラがみられず、かつ、同一色調を有する外観に優れた塗膜を得ることができる塗膜の補修方法を提供する。
【解決手段】塗膜の補修対象部分3を研ぎ出す工程(I)、及び、補修用プライマーを補修部に塗装してプライマー塗膜5を形成する工程(II)を含む塗膜の補修方法であって、上記補修用プライマーは、硫酸バリウムを含有することを特徴とする塗膜の補修方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜の補修方法及び複層塗膜に関する。
自動車車体等の外観の意匠性が重要となる製品は、電着塗膜等の下塗り塗膜、中塗り塗膜、顔料を含むベース塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成した複層塗膜を有することが一般的である。
このような複層塗膜の製造工程において、車体塗装ラインの工程でゴミ、ブツ等の付着物、タレ、凹み、ワキ等の塗装欠陥、又は、付着した塵埃が欠落して生じた局部的な塗膜の剥がれ等が発生する場合がある。このような場合、塗膜の欠陥部分又は剥がれ部分を、サンディング処理等により研ぎ出し、補修用塗料を塗布するという補修方法が一般的に用いられてきた。
例えば、中塗り塗膜に対してサンディング処理を施して研ぎだし部を形成し、その研ぎだし部に補修用塗料を塗布した後、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を形成した場合、研ぎだし部の研ぎ痕の模様が塗膜外観に残り、良好な外観を得ることが困難であった。更に、ベース塗膜が光輝性顔料を含む場合、補修部と非補修部との表面状態の違いによって光輝材の配向が異なってしまうために、光輝材ムラが生じるおそれもあった。特に局所的に拾い研ぎを行なった部分ではその差があり、水性ベース塗料を用いた場合、特にその差は大きくなる傾向がある。
このような問題を解決するために、ベースコート塗料を塗装した面を研磨した後、ベースコート塗料中のビヒクル成分と同系の樹脂分を所定量添加したワイピング剤によりワイピングを行なう方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法は、光輝材ムラを解消することはできるものの、塗膜の平滑性を改良することはできなかった。
自動車車体等に対しては、第一のベース塗膜及び第一のクリヤー塗膜の上に、更に第二のベース塗料及び第二のクリヤー塗料を塗布する塗装方法も用いられている。このような4コート2ベーク塗装工程においては、第二のベース塗料は透明性があり、つまり、第二のベース塗膜を通して下層である第一のベース塗膜と第一のクリヤー塗膜が透けて見えるものであり、これによって高い意匠性を実現することができるものである。したがって、このような塗装方法において、第一のベース塗膜を有する塗装面において補修が必要になった場合用いられる補修用塗料には、高い透明性が要求される。上述したような公知の補修方法は、このような要件を満たすものではなかった。
特開平5−57230号公報
本発明は、上記現状に鑑み、補修部分の研ぎ痕の模様が目立たず、補修部と非補修部における光輝材ムラがみられず、かつ、同一色調を有する外観に優れた塗膜を得ることができる塗膜の補修方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程(I)、及び、補修用プライマーを補修部に塗装してプライマー塗膜を形成する工程(II)を含む塗膜の補修方法であって、上記補修用プライマーは、硫酸バリウムを含有することを特徴とする塗膜の補修方法である。
上記硫酸バリウム粒子は、一次粒子径(50%粒径)が5〜20nmであることが好ましい。
上記硫酸バリウム粒子は、含有量が補修用プライマーの樹脂固形分に対して5〜70質量%であることが好ましい。
上記塗膜の補修方法において、上記工程(I)は、中塗り塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程であり、工程(I)の前に、中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、並びに、工程(II)の後で、ベース塗料組成物を塗布してベース塗膜を形成する工程(2)、及び、クリヤー塗料組成物を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(3)を有し、上記ベース塗料組成物は、水性メタリックベース塗料であることが好ましい。
上記塗膜の補修方法において、工程(I)は、第一のクリヤー塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程であり、
工程(I)の前に、中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、第一のベース塗料組成物を塗布して第一のベース塗膜を形成する工程(4)、及び、第一のクリヤー塗料組成物を塗布して第一のクリヤー塗膜を形成する工程(5)、並びに、工程(II)の後で第二のベース塗料組成物を塗布して第二のベース塗膜を形成する工程(6)、及び、第二のクリヤー塗料組成物を塗布して第二のクリヤー塗膜を形成する工程(7)を有し、上記第一及び第二のベース塗料組成物は、共に光輝性顔料を含有するものであることが好ましい。
本発明は、上述の塗膜の補修方法により得られることを特徴とする塗膜でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する
本発明の塗膜の補修方法は、塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程(I)、及び、硫酸バリウムからなる補修用プライマーを補修部に塗装してプライマー塗膜を形成する工程(II)からなるものであり、上記プライマー塗膜形成後、任意の塗装を行うものである。上記硫酸バリウムからなるプライマーを塗装してプライマー塗膜を形成することにより、続く塗膜を形成した状態でも、研ぎ痕が塗膜外観に影響を与えず、色調のずれを抑制することができるものである。
上記硫酸バリウムとしては特に限定されないが、上述の効果を効率的に発現するためには、一次粒子径(50%粒径)が下限5nm、上限20nmの範囲内である微粒子硫酸バリウムが好ましい。上記一次粒子径(50%粒径)が上記範囲内であることによって、硫酸バリウムの透明性がより高くなるため、外観に与える影響が少なくなり好ましい。更に、補修部の研ぎ痕の模様を隠蔽する性能が向上し、得られる塗膜の平滑性が高められる。上記上限は、10nmがより好ましい。上記硫酸バリウムとしては、例えば、堺化学工業株式会社製バリファインBF−40、バリファインBF−1、バリファインBF−2、バリファインBF−10、バリファインBF−20、バリファインBF−10P等の市販品を使用することができる。
本発明における上記補修用プライマーは、樹脂固形分に対して上記硫酸バリウムを下限5質量、上限70質量%の範囲内で含有することが好ましい。上記含有量が5質量%未満であると、充分な効果が得られないおそれがある。上記含有量が70質量%を超えると、硫酸バリウムが沈降し、補修用プライマーの安定性が低下する場合がある。上記下限は、10質量%がより好ましく、上記上限は、60質量%がより好ましい。
上記補修用プライマーは、上記硫酸バリウム以外に、塗膜形成性樹脂及び硬化剤を含有するものである。上記塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の従来公知の塗膜形成性樹脂を挙げることができる。上記塗膜形成性樹脂としては、透明性に優れることから、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂が好ましい。
上記アクリル樹脂としては特に限定されず、例えば、水酸基含有アクリル樹脂が好適なものとして挙げられる。上記水酸基含有アクリル樹脂としては、水酸基含有ラジカル重合性単量体及びその他のラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られるもの等を挙げることができる。
上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、40〜160mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が上記下限未満では充分な硬化性が得られない場合がある。上記水酸基価が上記上限を超えると、得られる塗膜の可とう性、耐水性が低下すると共に、VOCが上昇するため好ましくない。
上記水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000〜3500が好ましく、1200〜3000がより好ましい。上記数平均分子量(Mn)が1000未満であると、塗膜の耐候性が低下するおそれがあり、3500を越えると、樹脂の粘度が高くなり、塗料のVOCが上昇するほか、硬化剤やその他の成分との相溶性の低下により、塗膜外観の低下を引き起こすおそれがある。なお、本明細書において数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
上記ポリエステル樹脂としては特に限定されないが、数平均分子量500〜2500、水酸基価が50〜200mgKOH/g、酸価が5〜50mgKOH/gの特性範囲を有するものを好適に使用することができる。上記数平均分子量が500を下回ると充分な硬化が得られず、また、2500を越えるものは得られる塗膜の平滑性が不充分となり良好な外観が得られないおそれがある。またVOCが上昇するという問題も考えられる。上記水酸基価が50mgKOH/g未満であると硬化性が不良となり、200mgKOH/gを越えると耐水性が低下するおそれがある。同様に、酸価が5mgKOH/g未満であると硬化性が不良となり、50mgKOH/gを越えると耐水性が低下する場合がある。
上記ポリエステル樹脂としては特に限定されず、例えば、多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコールとを重縮合することによって得られるものを挙げることができる。上記ポリエステル樹脂は、上記成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、半乾性油及びそれらの脂肪酸を含有してもよい。
上記補修用プライマーは、上記塗膜形成性樹脂を固形分中、下限25質量部、上限70質量部の範囲内で含有することが好ましい。含有量が25質量部未満であると、付着性、強度等の塗膜物性が低下して好ましくない。70質量部を超えると、耐水性、耐温水性等が低下するおそれがある。上記下限は、30質量部がより好ましく、上記上限は、55質量部がより好ましい。
上記補修用プライマーは、更に硬化剤を含有するものである。上記硬化剤としては、塗料一般に使用されているものであれば限定されないが、得られる塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂、ブロックイソシアネートが好ましく、上記塗膜形成性樹脂として、アクリル樹脂とポリエステル樹脂とを組み合わせて使用する場合、アミノ樹脂を硬化剤として使用することが好ましい。
上記アミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、水溶性メラミン樹脂、非水溶性メラミン樹脂等を挙げることができる。上記メラミン樹脂のなかでも、塗料の安定性の観点から、水トレランスが3.0以上のものが好ましい。上記水トレランスは、親水性の度合いを評価するためのものであり、その値が高いほど親水性が高いことを意味する。本明細書における水トレランスは、25℃の条件下で、100mlビーカー内に上記メラミン樹脂0.5gをアセトン10mlに混合して分散させ、この混合物にビュレットを用い、イオン交換水を徐々に加え、この混合物が白濁するまでに要するイオン交換水の量(ml)を測定する方法により得ることができる。このイオン交換水の量(ml)を水トレランス値とする。
上記ブロックイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートに活性水素を有するブロック剤を付加させることによって得ることができるもの等を挙げることができる。このようなブロックイソシアネートを配合すると、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、樹脂成分中の官能基と反応し硬化反応が促進されるものである。
上記硬化剤が含まれる場合、その含有量は、補修用プライマーの樹脂固形分100質量部に対し、下限15質量部、上限100質量部の範囲内であることが好ましい。上記含有量が15質量部未満であると、硬化性が低下し、100質量部を超えると、得られる塗膜の付着性、耐温水性等が低下するおそれがある。上記上限は、35質量部がより好ましい。
また、上記補修用プライマーは、塗装作業性を確保するために、その他の粘性制御剤を添加しても良い。このようなものとして例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等を挙げることができる。
本発明で用いられる補修用プライマーの全固形分量は、20〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜60質量%である。上記全固形分量が上限を超えると、粘性が高すぎて得られる塗膜の外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する場合がある。またこの範囲外では塗料安定性が低下するおそれがある。また、上記補修用プライマーの全固形分量は、界面制御の点から、補修用プライマー塗装後に塗布される塗料組成物の全固形分量よりも高い方が好ましい。
更に、上記補修用プライマーの形態としては有機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型のいずれでもよい。また、目的に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤等を含有してもよい。
上記補修用プライマーの製造方法としては特に限定されず、例えば、上述の配合成分をニーダー又はロール等を用いて混練、分散する方法等の当業者に公知の方法を用いることができる。
本発明は、塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程(I)、及び、補修用プライマーを補修部に塗装してプライマー塗膜を形成する工程(II)からなる塗膜の補修方法である。上記工程(I)において塗膜の補修対象部分を研ぎ出す方法としては特に限定されず、例えば、#600〜1200番程度のサンドペーパー等の研磨材を用いて、いわゆる水研ぎ等を挙げることができる。外観の向上を目的とする場合には、塗膜の表層を均一にムラなく研磨し、塗膜欠陥がある場合には下地が露出しない程度に、緩やかに勾配をつけて行うことが好ましい。
上記工程(II)における上記補修用プライマーの塗装方法としては、研ぎ出し部に塗装することが可能な方法であれば特に限定されず、エアスプレー、エアレススプレー等によるスプレー塗装が好適に用いられる。補修用プライマーにより得られるプライマー塗膜の膜厚としては特に限定されないが、非補修面と補修面との色調を近づけるために、5〜10μmであることが好ましい。
自動車車体、自動車部品等の外観の意匠性が重要となる製品は、電着塗膜等の下塗り塗膜、中塗り塗膜、更にベース塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成した複層塗膜を有することが一般的である。このような複層塗膜に本発明の塗膜の補修方法を適用する場合、上記工程(I)において中塗り塗膜の補修を行なう方法が考えられる。この場合、本発明の塗膜の補修方法は、上記工程(I)の前に、中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、並びに、上記工程(II)の後で、ベース塗料組成物を塗布してベース塗膜を形成する工程(2)、及び、クリヤー塗料組成物を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(3)を有するものである。
このような塗膜の補修方法を図を例に挙げて説明する。図1(a)において、基材1上に中塗り塗膜2が形成され、中塗り塗膜の異常3をサンディング処理することにより、図1(b)に示した研ぎだし部4が得られる。次に、図1(c)に示したように、この研ぎだし部に補修用プライマーを塗布してプライマー塗膜5を形成する。更に、図1(d)に示したベース塗膜6及びクリヤー塗膜7を形成するものである。本発明に基づき、上記補修用プライマーからなるプライマー塗膜により研ぎだし部4を覆うことによって、ベース塗膜及びクリヤー塗膜形成後の複層塗膜に研ぎ痕が残らず、良好な外観が保たれる。
上記工程(1)において形成される中塗り塗膜は、下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保(外観向上)し、塗膜物性(耐衝撃性、耐チッピング性等)を付与するためのものである。上記中塗り塗料組成物としては特に限定されず、塗膜形成樹脂及び硬化剤からなり、必要に応じて有機系、無機系の各種着色顔料、体質顔料等を含む通常の中塗り塗料組成物を挙げることができる。
上記中塗り塗料組成物に用いられる着色顔料としては特に限定されず、例えば、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、金属錯体顔料等の有機顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料を挙げることができる。また、体質顔料、更にアルミニウム粉、マイカ粉等の偏平顔料を併用しても良い。
上記中塗り塗料組成物としては、主な顔料としてカーボンブラックと二酸化チタンの他に硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料を含有するグレー系中塗り塗料が一般的に用いられる。更に、上塗り塗色と明度又は色相等を合わせたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。上記中塗り塗料組成物の形態としては特に限定されず、例えば、水性型、溶剤型、粉体型等のいずれであってもよい。また、塗装方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。また、上記工程(1)により得られた中塗り塗膜は、100〜180℃で30分間程度焼き付けることが好ましい。
上記ベース塗膜を形成するベース塗料組成物としては特に限定されないが、水性であることが好ましく、水溶性、水分散性、エマルジョン型のいずれでもよい。水性ベース塗料組成物は、ぬれ性が悪いため、被塗装表面の状態の変化による塗装不良を生じやすい。このため、本発明の塗膜の補修方法にこのような水性ベース塗料組成物を使用した場合、特に顕著な効果を得ることができる。上記ベース塗料組成物としては、塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなる通常のベース塗料組成物を挙げることができる。
上記塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂が挙げられ、また、その樹脂の形態としては、水溶性、水分散性又はエマルションであって良く、1種又は2種以上を併用して用いることができる。更に、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂を用いることが耐候性、耐水性等の塗膜性能面から好ましい。
上記塗膜形成性樹脂は、数平均分子量が5000〜30000であることが好ましく、更に好ましくは7000〜25000である。上記数平均分子量が5000より小さいと作業性および硬化性が充分でなく、30000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなるおそれがある。
更に、上記塗膜形成性樹脂は、20〜180の水酸基価を有することが好ましく、好ましくは30〜160である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下するおそれがある。また、上記塗膜形成性樹脂は、10〜80mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、更に好ましくは15〜70mgKOH/gである。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下するおそれがある。
上記硬化剤としては特に限定されず、例えば、アミノ化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物等を使用する塗膜形成性樹脂に応じて適宜選択することができる。得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ化合物及び/又はブロックイソシアネート化合物が一般的に用いられる。
上記硬化剤の含有量は、上記塗膜形成性樹脂との総固形分に対して20〜80質量%であることが好ましい。上記含有量が20質量%を下回ると硬化性が不充分となり、80質量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなるおそれがある。
上記ベース塗料組成物は、光輝性顔料を含有したものである。上記光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム粉、着色アルミニウム粉、ブロンズ粉、アルミナ粉、ステンレス粉、チタニウム粉、マイカ粉、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、グラファイト、その他の着色、有色偏平顔料等の鱗片状の光輝性顔料等を挙げることができる。
上記ベース塗料組成物は、更に、有機系や無機系の各種着色顔料、体質顔料及び等を含有したものであってもよい。上記着色顔料としては特に限定されず、上記中塗り塗料組成物において述べたものを挙げることができる。上記体質顔料としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を挙げることができる。
上記ベース塗料組成物における上記着色顔料、体質顔料及び光輝性顔料の合計含有量としては特に限定されないが、一般に塗料内のPWC、すなわち固形分ベースの顔料濃度で、1〜45質量%であり、より実用的には5〜35質量%であることが好ましい。但し、上記ベース塗膜が下地を隠蔽できる程度の顔料濃度、あるいは着色力を有するだけの顔料濃度を確保することが好ましい。
上記ベース塗料組成物は、目的に応じて、粘性制御剤、架橋樹脂粒子(ミクロゲル)、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤等のその他の成分を含有してもよい。
上記工程(3)におけるクリヤー塗料組成物は、上記ベース塗膜に起因する凹凸、光輝性顔料が含まれる場合に起こるチカチカ等を平滑にし、保護し、さらに光沢を付与して塗膜外観を高めるために塗布されるものである。上記クリヤー塗料組成物としては特に限定されず、塗膜形成性樹脂及び硬化剤等からなる通常の溶剤型クリヤー塗料等を挙げることができる。
上記塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができ、これらはアミノ化合物及び/又はブロックイソシアネート化合物等の硬化剤と組み合わせて用いられる。得られるクリヤー塗膜の透明性の点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ化合物との組合せ、又は、カルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂等を用いることが好ましい。
上記クリヤー塗料組成物の固形分含有量は、20〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜55質量%である。塗布時の固形分含有量は、15〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。
上記クリヤー塗料組成物は、層間のなじみや反転、あるいは、タレ等の防止のため、粘性制御剤を含有することが好ましい。上記粘性制御剤としては特に限定されず、上述のものを挙げることができる。上記粘性制御剤の含有量は、クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜8質量部、更に好ましくは0.03〜6質量部である。上記粘性制御剤の含有量が、上限を越えると外観が低下し、下限を下回ると粘性制御効果が得られず、塗装時にタレ等の不具合をおこす原因となるおそれがある。上記クリヤー塗料組成物は、必要により、硬化触媒、表面調整剤等の他の成分を含有することができる。
上記工程(2)及び(3)は、ベース塗料組成物を塗布後、ベース塗膜が未硬化の状態で上記クリヤー塗料組成物を塗装する、いわゆる2コート1ベーク塗装に基づき行なうことが好ましい。上記工程(2)における上記ベース塗料組成物の塗布方法としては特に限定されないが、作業性及び外観を高めるために静電塗装機を用いる方法が好ましい。上記静電塗装機の例としては、例えば、「リアクトガン」等と言われるエアー静電スプレー塗装、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」又は「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を挙げることができる。上記塗装は、多ステージ塗装、好ましくは2〜3ステージ塗装が挙げられ、エアー静電スプレー塗装と、回転霧化式の静電塗装機等とを組み合わせた塗装方法等により上記ベース塗膜を形成することもできる。得られたベース塗膜は、必要に応じて40〜100℃で1〜10分間プレヒートを行なうことが好ましい。
上記ベース塗膜の乾燥膜厚としては特に限定されず、所望の用途により変化するが、好ましくは5〜50μmであり、より好ましくは7〜25μmである。上記ベース塗膜の膜厚が50μmを超えると、鮮映性が低下したり、塗膜にムラ又は流れが生じることがあり、5μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となる他、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
上記工程(3)におけるクリヤー塗料組成物の塗装方法としては特に限定されず、上述の静電塗装機を用いた方法を挙げることができる。上記クリヤー塗料により形成されるクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜80μm程度が好ましく、より好ましくは20〜60μm程度である。上記乾燥膜厚が上限を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起こることもあり、下限を下回ると、下地の凹凸が隠蔽できないおそれがある。
上記工程(3)の後で、上記ベース塗膜及びクリヤー塗膜を80〜180℃、より好ましくは120〜160℃で硬化することが好ましい。上記温度範囲で硬化することにより高い架橋度を有する硬化塗膜が得られる。上記硬化温度が上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当である。
上記塗膜の補修方法は、上記工程(1)の前に、下塗り塗膜を形成するものであってもよい。上記下塗り塗膜は、電着塗料等を塗布することにより形成される。上記電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型を使用できるが、カチオン型電着塗料組成物により防食性において優れた塗膜を得ることができる。
上記塗膜の補修方法は、上記工程(I)が第一のクリヤー塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程であり、上記工程(I)の前に、中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、第一のベース塗料組成物を塗布して第一のベース塗膜を形成する工程(4)、及び、第一のクリヤー塗料組成物を塗布して第一のクリヤー塗膜を形成する工程(5)、並びに、工程(II)の後で第二のベース塗料組成物を塗布して第二のベース塗膜を形成する工程(6)、及び、第二のクリヤー塗料組成物を塗布して第二のクリヤー塗膜を形成する工程(7)を有するものであってもよい。
すなわち、上述のように、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を形成した後クリヤー塗膜の研ぎだしを行ない、更に補修用プライマー、第二のベース塗料組成物及び第二のクリヤー塗料組成物を塗布するものである。このような塗膜の補修方法を図2を挙げて説明する。図2(a)において、基材1上に中塗り塗膜2、第一のベース塗膜8、及び、第一のクリヤー塗膜9を形成し、図2(b)において、サンディング処理することにより研ぎだし部4を形成する。次に、図2(c)に示したように、この研ぎだし部に補修用プライマーを塗布してプライマー塗膜5を形成する。更に、図2(d)に示した第二のベース塗膜10及び第二のクリヤー塗膜11を形成するものである。このように、更に第二のベース塗膜及び第二のクリヤー塗膜を形成する4コート2ベーク塗装工程を用いることにより、高い厚み感、高級感を付与することができる。
ここで、第一のベース塗料組成物、及び、第二のクリヤー塗料組成物としては特に限定されず、上述のベース塗料組成物、及び、クリヤー塗料組成物を用いることができる。更に、上記工程(4)は、上記工程(2)と同様に行なうことができ、上記工程(5)は、上記工程(3)と同様に行なうことができる。
上記第二のベース塗料組成物としては特に限定されず、塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなる熱硬化性塗料であることが好ましい。上記塗膜形成性樹脂及び硬化剤としては特に限定されず、上記ベース塗料組成物において述べたものを挙げることができる。ただし、本発明において、上記ベース塗料組成物と上記第二のベース塗料組成物とに含まれる塗膜形成性樹脂及び硬化剤が同一である必要はない。
上記第二のベース塗料組成物は、光輝性顔料を含有することが好ましい。上記第二のベース塗料組成物は、第一のベース塗膜の色相を透過して表現するため、第一のベース塗膜を隠蔽しない程度の着色力であることが好ましい。上記光輝性顔料の含有量としては、具体的には、塗料固形分に対して0.01〜15質量%であることが好ましい。上記含有量が上記範囲を外れると、得られる第二のベース塗膜の透明性が低下し、第一のベース塗膜の色相が発現できなくなり、透明感や深み感が表現できなくなる。上記含有量は、より好ましくは0.02〜10質量%である。
上記光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム粉、着色アルミニウム粉、ブロンズ粉、アルミナ粉、ステンレス粉、チタニウム粉、マイカ粉、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、グラファイト、その他の着色、有色偏平顔料等の鱗片状の光輝性顔料が挙げられる。好ましくは、アルミナ粉、マイカ粉、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、グラファイトなどの透明性の高い鱗片状の光輝性顔料が挙げられる。上記第二のベース塗料組成物は、必要により更に上記ベース塗料組成物において述べた着色顔料を含有することができ、特にマイカを含有することが好ましい。
また、上記第二のベース塗料組成物の形態としては特に限定されず、水溶性、水分散性、エマルジョン型のいずれでもよい。また、目的に応じて、粘性制御剤、架橋樹脂粒子(マイクロゲル)、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤等を含有してもよい。
上記第二のクリヤー塗料組成物としては特に限定されず、上記クリヤー塗料組成物において述べたものを挙げることができる。なお、本発明において上記クリヤー塗料組成物と上記第二のクリヤー塗料組成物とは、同じであっても異なっていてもよい。
上記工程(6)及び(7)は、上記工程(2)及び(3)と同様に、乾燥した第一のクリヤー塗膜の上に第二のベース塗料組成物を塗布後、第二のベース塗膜が未硬化の状態で上記第二のクリヤー塗料組成物を塗装する、いわゆる2コート1ベーク塗装に基づき行なうことが好ましい。すなわち、上記工程(4)及び(5)、並びに、(6)及び(7)は、4コート2ベーク塗装に基づき行うことが好ましい。
上記工程(6)及び(7)における塗装方法、第二のベース塗膜及び第二のクリヤー塗膜の硬化温度、硬化時間、乾燥膜厚等は、上記工程(2)及び(3)と同様に設定することができる。
上述のように、本発明の塗膜の補修方法に基づき複層塗膜を形成する場合、得られる積層塗膜の膜厚は、30〜300μmであることが好ましく、より好ましくは50〜250μmである。上記膜厚が上限を越えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下するおそれがある。本発明は、上述のような塗膜の補修方法により得られる複層塗膜でもある。
本発明の塗膜の補修方法における基材としては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等の金属基材、これらの金属からなる合金、これらの鋳造物、ガラス、プラスチック、発泡体、これらの成形体等を挙げることができるが、特にカチオン電着塗装可能な金属基材に対し好適に使用することができる。上記金属基材は、予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものであってもよい。
本発明における被塗物としては特に限定されないが、鏡面のような塗膜外観や、落ち着いた光輝感等が望まれる乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体及び自動車部品等を被塗物とすることが好ましい。
本発明の塗膜の補修方法により、補修部分の研ぎ痕の模様が目立たないようにすることができる。更に、本発明は、光輝材を有する塗膜を使用した際の補修部と非補修部における光輝材ムラを改善し、同一色調を有する塗膜を得ることができるものである。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
補修用プライマー1〜5の調製
ステンレス容器に、日本ペイント社製水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価100、酸価30mgKOH/g、数平均分子量2000、固形分70%)、及び、硫酸バリウム粒子(堺化学工業社製、バリファインBF−40、一次粒子径0.03μm)を秤量し、定法に従って、卓上SG分散機を用いて硫酸バリウムペーストを製造した。
得られた硫酸バリウムペーストに、合計量が表1で示した量となるように日本ペイント社製水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価100、酸価30mgKOH/g、数平均分子量2000、固形分70%)を添加し、さらにU−20N−60(三井化学社製、メラミン樹脂、固形分60%)、ディスパロン6900−20X(楠本化成社製、有機アマイド化合物、固形分20%)、リポノックスNC60(ライオン社製、界面活性剤)、架橋性樹脂粒子(日本ペイント社製、固形分25%、以下マイクロゲル)を添加して混合した。更に、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、ソルベッソ100(エクソン石油社製炭化水素系溶剤)が、30:10:30:30の質量比になるように調製された希釈シンナーにて、No.4フォードカップで20.0秒/20℃に希釈調製し、補修用プライマー1〜5を調製した。
得られた補修用プライマーについて、安定性を評価した。評価は、40℃で10日間放置した際の状態を目視で観察することによって行なった。結果を表1に示す。
Figure 2006130480
試験板の調製
市販のダル鋼板(日本テストパネル社製、30cm×40cm×0.8mm)をリン酸亜鉛処理した後、「パワートップV−6」(日本ペイント社製カチオン電着塗料)を用いて乾燥膜厚20μmになるように電着塗装し、水洗後、170℃で20分間加熱して焼き付けた。次に、25秒(No.4フォードカップを使用し、20℃で測定)に予め希釈されたオルガP−30グレー(日本ペイント社製メラミン硬化型中塗り塗料、商品名)を、乾燥膜厚35μmとなるようにエアスプレーで2ステージ塗装し、140℃で30分間焼き付けた後冷却して、下塗り塗膜及び中塗り塗膜を有する試験板を得た。
実施例1
上述のようにして得られた試験板を、サンドペーパー♯600番を用いてサンディング処理し、研ぎ出し部を作製した。研ぎ出し部に補修用プライマー2を乾燥膜厚が5μmとなるようにエアースプレーして塗装した。次に、未硬化のプライマー2の塗膜上にウェットオンウエットで、アクアレックスAR−2000シルバー(日本ペイント社製メタリック水性ベース塗料)を室温25℃、湿度75%の条件下で、乾燥膜厚15μmとなるようにメタリックベルCOPES−IV型(ABBインダストリー社製水系塗料塗装用回転霧化式静電塗装機)を用いて、印加電圧−90kV、回転数25000rpm、シェービングエアー圧3.5kg/cm、吐出量200cc/分で2ステージ塗装した。2回の塗布の間に、1.5分間のインターバルを行った。2回目の塗布後、1.5分間セッティングを行った後、80℃で3分間プレヒートを行った。
プレヒート後、塗装板を室温まで放冷し、クリヤー塗料としてマックフローO−1810クリヤー(日本ペイント社製溶剤型クリヤー塗料)を乾燥膜厚35μmとなるようにマイクロマイクロベル(ABBランズバーグ社製回転霧化式静電塗装機)を用いて、印加電圧−90kV、回転数25000rpm、シェービングエアー圧1.5kg/cm、吐出量280cc/分で、1ステージ塗装し、7分間セッティングした。次いで、得られた塗装板を乾燥機で140℃で20分間焼き付けを行った。
Figure 2006130480
実施例2〜4、比較例1
補正プライマーを3〜5及び1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
比較例2
研ぎだし部に補正プライマーを塗布せずに、ベース塗料及びクリヤー塗料を塗布したこと以外は実施例1と同様にして試験板を作成した。
得られた試験板について以下の評価試験を行なった。
〈色感〉
得られた複層塗膜の補修面部及び非補修部の色調を目視で評価した。評価は以下の基準に従って行った。結果を表3に示す。
×:かなり違和感あり
×△:違和感あり
△:やや違和感あり
○△:若干違和感あり
〇:違和感無し
〈外観〉
得られた複層塗膜の平滑性を、ウェーブスキャン(BYK−Gardner社製)を用いてW3及びW4を測定することにより評価した。数値が小さいほど平滑性が良好であることを示している。
〈ペーパー目〉
研ぎ痕の模様の見え方を目視で評価した。評価は以下の基準に従って行った。結果を表3に示す。
×:かなり違和感あり
×△:違和感あり
△:やや違和感あり
○△:若干違和感あり
〇:違和感無し
〈光輝材ムラ〉
得られた複層塗膜の補修面部及び非補修部の光輝感を目視で評価した。評価は以下の基準に従って行った。結果を表3に示す。
×:かなり違和感あり
×△:違和感あり
△:やや違和感あり
○△:若干違和感あり
〇:違和感無し
実施例5〜7
上述の下塗り塗膜及び中塗り塗膜を有する試験板にアクアレックスAR−2000メタリックベース(日本ペイント社製メタリック水性ベース塗料)を室温25℃、湿度75%の条件下で、乾燥膜厚15μmとなるようにメタリックベルCOPES−IV型(ABBインダストリー社製水系塗料塗装用回転霧化式静電塗装機)によって塗装した。塗布後、1.5分間のインターバルをとって、セッティングを行った。その後、80℃で3分間のプレヒートを行った。
プレヒート後、塗装板を室温まで放冷し、クリヤー塗料としてマックフローO−170クリヤー(日本ペイント社製溶剤型クリヤー塗料)を乾燥膜厚25μmとなるようにマイクロマイクロベル(ABBランズバーグ社製回転霧化式静電塗装機)にて1ステージ塗装し、7分間セッティングした。更に、140℃で18分間焼き付けて、試験板上に複層塗膜を形成した。
得られた試験板をサンドペーパー♯600番を用いてサンディング処理し、研ぎ出し部を作製した。研ぎだし部に補正プライマー3〜5を乾燥膜厚が5μmとなるようにして塗装した。
更に、ウエットオンウエットでアクアレックスAR−2000マイカベース(日本ペイント社製マイカ含有水性ベース塗料)を室温25℃、湿度75%の条件下で、乾燥膜厚15μmとなるようにメタリックベルCOPES−IV型(ABBインダストリー社製水系塗料塗装用回転霧化式静電塗装機)によって塗装した。塗布後、1.5分間のインターバルをとって、セッティングを行った。その後、80℃で3分間のプレヒートを行った。
プレヒート後、塗装板を室温まで放冷し、クリヤー塗料としてマックフローO−1810クリヤー(日本ペイント社製溶剤型クリヤー塗料)を乾燥膜厚35μmとなるようにマイクロマイクロベル(ABBランズバーグ社製回転霧化式静電塗装機)にて1ステージ塗装し、7分間セッティングした。更に、140℃で18分間焼き付けて、試験板上に複層塗膜を形成した。
得られた試験板について、実施例1と同様の評価試験を行なった。結果を表3に示す。
Figure 2006130480
表3より、本発明に基づき塗膜の補修を行なった実施例は、ベース塗膜、クリヤー塗膜形成後に、補修部の研ぎ痕の模様が目立たず、平滑性に優れ、かつ、光輝材ムラも抑制されることが示された。
本発明の塗膜の補修方法は、研ぎだし部の研ぎ痕の模様が塗装後に見られず、かつ、光輝材ムラも抑制されるため、非補修部との違和感もなく、鏡面のような塗膜外観や、落ち着いた光輝感等の良好な塗膜外観が要求される自動車車体及び自動車部品にも好適に適用することができる。
中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜からなる複層塗膜の補修方法。 中塗り塗膜、第一のベース塗膜、第一のクリヤー塗膜、第二のベース塗膜及び第二のクリヤー塗膜からなる複層塗膜の補修方法。
符号の説明
1 基材
2 中塗り塗膜
3 塗膜の異常
4 研ぎだし部
5 プライマー塗膜
6 ベース塗膜
7 クリヤー塗膜
8 第一のベース塗膜
9 第一のクリヤー塗膜
10 第二のベース塗膜
11 第二のクリヤー塗膜

Claims (6)

  1. 塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程(I)、及び、補修用プライマーを補修部に塗装してプライマー塗膜を形成する工程(II)を含む塗膜の補修方法であって、
    前記補修用プライマーは、硫酸バリウムを含有する
    ことを特徴とする塗膜の補修方法。
  2. 硫酸バリウム粒子は、一次粒子径(50%粒径)が5〜20nmである請求項1記載の塗膜の補修方法。
  3. 硫酸バリウム粒子は、含有量が補修用プライマーの樹脂固形分に対して5〜70質量%である請求項1又は2記載の塗膜の補修方法。
  4. 工程(I)は、中塗り塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程であり、
    工程(I)の前に、中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、並びに、
    工程(II)の後で、ベース塗料組成物を塗布してベース塗膜を形成する工程(2)、及び、クリヤー塗料組成物を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(3)を有し、
    前記ベース塗料組成物は、水性メタリックベース塗料である請求項1、2又は3記載の塗膜の補修方法。
  5. 工程(I)は、第一のクリヤー塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程であり、
    工程(I)の前に、中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)、第一のベース塗料組成物を塗布して第一のベース塗膜を形成する工程(4)、及び、第一のクリヤー塗料組成物を塗布して第一のクリヤー塗膜を形成する工程(5)、並びに、
    工程(II)の後で第二のベース塗料組成物を塗布して第二のベース塗膜を形成する工程(6)、及び、第二のクリヤー塗料組成物を塗布して第二のクリヤー塗膜を形成する工程(7)を有し、
    前記第一及び第二のベース塗料組成物は、共に光輝性顔料を含有するものである請求項1、2又は3記載の塗膜の補修方法。
  6. 請求項4又は5記載の塗膜の補修方法により得られる
    ことを特徴とする複層塗膜。
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