JP4235391B2 - 複層塗膜形成方法及び水性中塗り塗料組成物 - Google Patents

複層塗膜形成方法及び水性中塗り塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層塗膜形成方法及び水性中塗り塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料分野、特に自動車塗装分野においては、環境負荷(VOC等)削減の課題を解決するため、水性塗料が注目されている。
水性塗料は、一般的には、アニオン性官能基やカチオン性官能基等の親水性官能基を樹脂中に組み込み、対イオンと組み合わせて塩の形態とした塗膜形成性樹脂を、水やアルコール等の低公害の親水性媒体中に、水溶性化、水分散化又はエマルション化したものである。
【0003】
このうち、塗膜形成性樹脂にカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等のアニオン性官能基が導入されている場合には、対イオンとしてアミン等の塩基性物質が使用されている。
【0004】
一方、従来の自動車塗装仕上げ手順における塗装は、電着塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜がそれぞれの塗装後に焼付けされる3コート3ベーク塗装方法によって行われていたが、近年、電着塗装後に電着塗膜を焼付けた後、その上に、中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装の3つの塗装工程をウエットオンウエットで施し、これらウエット塗膜の一括した焼付けを行う3ウエット塗装システムにより焼付け工程数を削減して、省資源化及び省エネルギー化を図る試みもなされている。
【0005】
しかしながら、中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装をウエットオンウエットで施す3ウエット塗装システムにおいて、上述のアニオン性官能基を対イオンと組み合わせて塩の形態とした塗膜形成性樹脂を含む水性塗料を使用すると、中塗り塗膜とベース塗膜との間の混層が起こり、得られる塗膜の肌感及び艶感が大幅に低下するという問題点があり、また、上述のアニオン性官能基を対イオンと組み合わせて塩の形態とした塗膜形成性樹脂を含む水性塗料を使用すると、得られる塗膜が黄変するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗装工程短縮、コスト削減及び環境負荷低減を目指す3ウエット塗装システムにおいて、中塗り塗膜とベース塗膜との間の混層を防止し、黄変することなく、優れた外観を有する塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、上記中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗膜を形成する工程(2)、更に、その上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、上記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る工程(4)からなる複層塗膜形成方法であって、上記工程(1)により形成された中塗り塗膜は、上記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、測定した粘度が10Pa・s以上であり、上記水性中塗り塗料組成物は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、上記アクリルエマルション樹脂の重量平均分子量は、50000〜200000であることを特徴とする水性中塗り塗料組成物である。
【0008】
上記水性中塗り塗料は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、工程(1)、工程(2)及び工程(3)により形成された塗膜は、工程(4)を行う前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質の合計量が7×10−6mmol以下であることが好ましい。
【0009】
下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の複層塗膜形成方法は、電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、上記中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗膜を形成する工程(2)、更に、その上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、上記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る工程(4)からなるものである。
【0011】
工程(1)
本発明の複層塗膜形成方法において、上記工程(1)は、電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程である。
【0012】
上記工程(1)により形成された中塗り塗膜は、上記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、測定した粘度が10Pa・s以上である。
【0013】
上記粘度は、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、粘弾性測定装置により測定される粘度であり、粘弾性測定装置としては、例えば、「MR−300」(株式会社レオロジー社製粘弾性測定装置)、
を用いて測定することができる。
【0014】
上記条件下で、未硬化の中塗り塗膜の粘度は、例えば、上記水性中塗り塗料組成物中に、増粘剤を添加することや、塗膜形成性樹脂の重量平均分子量が小さくなりすぎないように制御することにより、10Pa・s以上とすることができる。即ち、増粘剤を添加することや、塗膜形成性樹脂の重量平均分子量が小さくなりすぎないように制御すること、例えば、塗膜形成性樹脂としてアクリルエマルション樹脂が使用される場合には樹脂の重量平均分子量を50000〜200000にすることにより水性中塗り塗料組成物の粘度を高くすることができ、これにより得られる未硬化の中塗り塗膜の粘度を10Pa・s以上にすることができる。
【0015】
上記条件下で、未硬化の中塗り塗膜の粘度が10Pa・s以上であることにより、上記工程(1)により形成された未硬化の中塗り塗膜上に上記工程(2)によりベース塗膜を形成する際に、ベース塗膜の成分が中塗り塗膜中へ移動することが防止でき、結果として中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層が起こることを抑制することができる。これにより、塗膜の仕上がり外観の肌感や艶感が低下することを抑制できることから、得られる塗膜を優れた外観を有するものとすることができる。
【0016】
上記条件下で、粘度が10Pa・s未満であると、混層が起こり、得られる塗膜の仕上がり外観が低下するおそれがある。混層を防止することができる観点から、好ましくは、下限10Pa・s、上限10Pa・sであり、より好ましくは、下限1.2×10Pa・s、上限8.0×10Pa・sである。
【0017】
水性中塗り塗料
上記中塗り塗膜の形成に用いる水性中塗り塗料は、下地を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保(外観向上)し、耐衝撃性、耐チッピング性等の塗膜物性を付与するために塗装されるものである。
【0018】
上記水性中塗り塗料は、上記工程(1)により形成された中塗り塗膜の粘度を10Pa・s以上とすることができるものなら特に限定されないが、塗膜形成性樹脂としてアクリルエマルション樹脂を含むものであることが好ましい。上記アクリルエマルション樹脂を含むことにより、粘度を10Pa・s以上とすることができ、結果として中塗り塗膜とベース塗膜との間の混層をより防止することができ、得られる塗膜の肌感及び艶感が低下することを防止することができる。
【0019】
上記アクリルエマルション樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって得られた重量平均分子量は、下限50000、上限200000であることが好ましい。これにより、上記工程(1)により形成された塗膜の粘度を高くすることができ、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を防止でき、塗膜の仕上がり外観を優れたものとすることができる。50000未満であると、10Pa・sを超える粘度が得られないおそれあり、200000を超えると、中塗りとして下地隠蔽性が低下し、優れた仕上がり外観を得ることが困難となるおそれがある。より好ましくは、下限100000、上限200000である。
【0020】
上記アクリルエマルション樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって重量平均分子量を測定する方法としては、従来公知の方法により測定することができる。
【0021】
上記アクリルエマルション樹脂は、酸価が、下限1(mgKOH/g樹脂)、上限100(mgKOH/g樹脂)であることが好ましい。1未満であると、塗膜密着性に劣り、また、硬化不良となることがあり、100を超えると、親水性が高すぎて塗膜の耐水性が悪くなることがある。より好ましくは、下限3、上限70である。
【0022】
上記アクリルエマルション樹脂は、水酸基を含むものである場合には、水酸基価が、下限30、上限150であることが好ましい。30未満であると、硬化不良を起こす場合があり、150を超えると、硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性に劣ることがある。より好ましくは、下限40、上限100である。
【0023】
上記アクリルエマルション樹脂の製造方法としては特に限定されず、目的とする上記アクリルエマルション樹脂の種類や性質等に応じて適宜選択することができ、例えば、溶融重合法、エステル交換法、界面重合法、溶液重合法等の従来公知の製造方法を使用することができる。
【0024】
上記水性中塗り塗料は、増粘剤を含むものであることが好ましい。これにより、上記工程(2)を行う前における粘度がより高くなり、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層をより抑制することができ、得られる塗膜の仕上がり外観を優れたものとすることができる。
【0025】
上記増粘剤としては特に限定されず、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系のもの;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等を挙げることができる。なかでも、混層を防止する観点から、会合型増粘剤が好ましい。
【0026】
上記増粘剤の添加量は、水性中塗り塗料の樹脂固形分100質量部に対して、下限0.01質量部、上限10質量部であり、好ましくは、下限0.02質量部、上限8質量部、より好ましくは、下限0.03質量部、上限6質量部である。10質量部を超えると、外観が低下し、0.1質量部未満であると、増粘効果が得られず、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を起こすおそれがある。
【0027】
上記水性中塗り塗料組成物は、硬化剤としてメラミン樹脂を含むものであることが好ましい。上記メラミン樹脂としては特に限定されず、例えば、市販されているものを挙げることができる。
【0028】
上記水性中塗り塗料組成物は、顔料及び揮発性の塩基性物質を実質的に含まない顔料分散剤を予め分散して得られる分散剤顔料分散ペーストを含むものであることが好ましい。本明細書中において、揮発性の塩基性物質を実質的に含まないとは、顔料分散剤の固形分中に揮発性の塩基性物質を全く含まないか、又は、3質量%以下で含むことを意味するものである。
【0029】
本発明においては、上記顔料分散剤中に揮発性の塩基性物質を実質的に含まないようにすることによって、水性中塗り塗料から形成される中塗り塗膜中の揮発性の塩基性物質の量が少なくなり、得られる複層塗膜の黄変を抑えることができる。従って、3質量%を超えると、得られる複層塗膜が黄変し、仕上がり外観に劣る。好ましくは、揮発性の塩基性物質を全く含まない場合、即ち、従来一般的に使用されているアミン中和型の顔料分散樹脂を使用しない場合である。
【0030】
上記揮発性の塩基性物質とは、沸点が300℃以下の塩基性物質を意味するものである。例えば、無機及び有機の窒素含有塩基性物質を挙げることができる。上記無機塩基性物質としては、例えば、アンモニア等が挙げられ、上記有機塩基性物質としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルドデシルアミン等の炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基含有1〜3級アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等の炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状ヒドロキシアルキル基含有1〜3級アミン;ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基及び炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のヒドロキシアルキル基を含有する1〜3級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数1〜20の置換又は非置換鎖状ポリアミン;モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の炭素数1〜20の置換又は非置換環状モノアミン;ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン等の炭素数1〜20の置換又は非置換環状ポリアミン等のアミン類を挙げることができる。
【0031】
上記顔料分散剤は、顔料親和部分及び親水性部分を含む構造を有する樹脂であり、上記揮発性の塩基性物質を実質的に含まないものである。上記顔料親和部分及び親水性部分としては、例えば、ノニオン性、カチオン性及びアニオン性の官能基を挙げることができ、顔料分散剤1分子中に上記官能基を2種類以上有していてもよい。
【0032】
上記ノニオン性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミド基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられ、上記カチオン性官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基等が挙げられる。また、アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。このような顔料分散剤は、当業者にとってよく知られた方法によって製造することができる。
【0033】
上記顔料分散剤としては、揮発性の塩基性物質を実質的に含まないものであれば特に限定されないが、少量の顔料分散剤によって効率的に顔料を分散することができるものが好ましい。
【0034】
上記顔料分散剤としては、市販されているものを使用することもできる。上記市販品としては、例えば、Disperbyk 190、Disperbyk 182、Disperbyk 184(いずれもビックケミー社製)、EFKAPOLYMER4550(EFKA社製)、ソルスパース27000、ソルスパース41000、ソルスパース53095(いずれもアビシア社製)等を挙げることができる。
【0035】
上記顔料分散剤の数平均分子量は、下限1000、上限10万であることが好ましい。1000未満であると、分散安定性が充分ではない場合があり、10万を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となる場合がある。より好ましくは、下限2000、上限5万であり、更に好ましくは、下限4000、上限5万である。
【0036】
上記顔料分散剤は、顔料とともに公知の方法に従って混合分散して、分散剤顔料分散ペーストを得る。
上記分散剤顔料分散ペースト中の上記顔料分散剤の配合割合は、分散剤顔料分散ペーストの固形分に対して、下限1質量%、上限20質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、顔料を安定に分散することができず、20質量%を超えると、塗膜の物性に劣る場合がある。好ましくは、下限5質量%、上限15質量%である。
【0037】
上記顔料としては、通常の中塗り塗料に使用される顔料であれば特に限定されないが、耐候性を向上させ、かつ隠蔽性を確保する点から、着色顔料であることが好ましい。特に二酸化チタンは白色の着色隠蔽性に優れ、しかも安価であることから、より好ましい。
【0038】
上記二酸化チタン以外の顔料としては、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック等の無機着色顔料等が挙げられる。上記顔料として、更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の体質顔料を使用してもよい。
【0039】
上記顔料としてカーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中塗り塗料を用いることもできるし、上塗り塗料と明度又は色相等を合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組み合わせたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0040】
上記顔料は、上記水性中塗り塗料中において、顔料及び樹脂固形分の合計質量に対する顔料の質量の比(PWC)が、10〜60質量%であることが好ましい。10質量%未満では、顔料不足のために隠蔽性が低下するおそれがある。60質量%を超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が低下することがある。
【0041】
上記水性中塗り塗料中の顔料分散剤の含有量は、顔料分散剤として塩基性物質を実質的に含まないものを使用する場合には、固形分基準で、下限0.5質量%、上限10質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、顔料分散剤の配合量が少ないために顔料の分散安定性に劣る場合がある。10質量%を超えると、塗膜物性に劣る場合がある。好ましくは、下限1質量%、上限5質量%である。
上記水性中塗り塗料は、更に、紫外線吸収剤;酸化防止剤;消泡剤;表面調整剤;ワキ防止剤等の添加剤成分を添加することができる。
【0042】
上記水性中塗り塗料は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであることがより好ましい。これにより、上記工程(2)を行う前における粘度をより高めることができることから、これらの成分からなる水性中塗り塗料組成物を本発明の複層塗膜形成方法に用いることにより、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、中塗り塗膜の粘度を10Pa・s以上とすることができる。従って、中塗り塗膜とベース塗膜との間の混層をより防止することができ、結果として得られる塗膜の肌感及び艶感が低下することをより防止することができる。
【0043】
上記工程(1)は、混層防止、黄変防止及び外観向上の点から、水性中塗り塗料を塗装した後、上記工程(2)を行う前に、プレヒートを行うものであることが好ましい。上記工程(1)において、プレヒートを行う場合には、本発明の複層塗膜形成方法における上記工程(2)を行う前の粘度とは、プレヒート後の粘度を意味する。
【0044】
中塗り塗膜形成方法
上記水性中塗り塗料は、上記電着塗膜が形成された被塗装物上に塗装され、未硬化の中塗り塗膜が形成される。
上記電着塗膜を形成させる電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型のものを用いることができる。防食性に優れた塗膜を得ることができる点より、カチオン型のものが好ましい。
【0045】
上記被塗装物(電着塗装を行う素材)としては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等;これらの金属を含む合金及び鋳造物が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられる。これらの金属は、電着塗装が行われる前に、予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0046】
上記水性中塗り塗料の塗装方法としては特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言われるエアー静電スプレー;通称「マイクロ・マイクロ(μμ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いることにより行うことができる。好ましくは、回転霧化式の静電塗装機等を用いる方法である。
【0047】
上記中塗り塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、5〜50μmであることが好ましい。上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にタレや焼付け硬化時にワキ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0048】
本発明において、水性中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤー塗料について、未硬化で塗膜を形成するとは、水性中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン・ウエットでこの順番に塗装することを意味するものである。本明細書において未硬化とは、例えば、プレヒートを行った後の状態を含む概念である。上記プレヒートとしては、塗装した後に、例えば、室温〜100℃未満で1〜10分間放置又は加熱する工程である。良好な仕上がり外観を得ることを目的として、水性中塗り塗料を塗装した後及び水性ベース塗料を塗装した後にプレヒートを行うことが好ましい。
【0049】
工程(2)
上記工程(2)は、上述のようにして形成された未硬化の中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗膜を形成する工程である。
【0050】
水性ベース塗料
上記水性ベース塗料は、主として、塗膜に色彩や光輝性等の美観性及び意匠性を付与し維持するために塗装されるものである。
本発明において、上記水性ベース塗料としても、顔料及び揮発性の塩基性物質を実質的に含まない顔料分散剤を予め分散して得られる分散剤顔料分散ペーストを配合しているものを使用することができる。
上記揮発性の塩基性物質、及び、上記顔料分散剤としては、上記水性中塗り塗料において例示したものを挙げることができる。
【0051】
上記水性ベース塗料に含まれる顔料としては、上記の着色顔料、体質顔料を用いることができるほか、光輝性顔料を配合してメタリックベース塗料として用いることもできるし、光輝性顔料を配合せずにレッド、ブルーあるいはブラック等の着色顔料及び/又は体質顔料を配合してソリッド型ベース塗料として用いることもできる。
【0052】
上記光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平顔料等を挙げることができる。分散性に優れ、透明感の高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げることができる。
【0053】
上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径(D50)が、下限2μm、上限50μmであり、厚さが、下限0.1μm、上限5μmである鱗片状のものが好ましい。平均粒径としては、光輝感に優れることから、より好ましくは、下限10μm、上限35μmである。
【0054】
上記顔料は、1種又は2種以上を使用することができ、着色顔料及び体質顔料、並びに、必要に応じ、偏平顔料及び光輝性顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
上記水性ベース塗料において、分散剤顔料分散ペースト中の顔料分散剤の配合割合は、分散剤顔料分散ペーストの固形分に対して、3〜50質量%であることが好ましい。3質量%未満であると、顔料を安定に分散することができず、50質量%を超えると、得られる塗膜の物性が低下するおそれがある。
【0056】
上記水性ベース塗料は、上記分散剤顔料分散ペーストと、塗膜形成性樹脂及び硬化剤とを混合して調製することができる。
上記光輝性顔料及びその他の全ての顔料を含めた水性ベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般的には、下限0.1質量%、上限50質量%であり、好ましくは、下限0.5質量%、上限40質量%であり、より好ましくは、下限1質量%、上限30質量%である。50質量%を超えると塗膜外観が低下する。
【0057】
上記水性ベース塗料中の顔料分散剤の含有量は、顔料分散剤として塩基性物質を実質的に含まないものを使用する場合には、固形分基準で、下限1質量%、上限20質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、顔料分散剤の配合量が少ないために顔料の分散安定性に劣る場合がある。20質量%を超えると、得られる塗膜の物性が低下するおそれがある。
【0058】
上記水性ベース塗料に使用される塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添加剤としても特に限定されず、上記のものを挙げることができる。顔料分散性や作業性の点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂との組み合わせが好ましい。また、水性ベース塗料の調製方法についても、上記水性中塗り塗料において例示した方法を挙げることができる。
【0059】
ベース塗膜形成方法
上記ベース塗料は、上記のように形成された未硬化の中塗り塗膜の上に、塗装して未硬化のベース塗膜を形成する。
上記塗装方法としては、水性中塗り塗料を塗装する際に例示した方法を挙げることができる。上記ベース塗料を自動車車体等に対して塗装する場合には、意匠性を高めるために、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好ましくは、2ステージで塗装するか、又は、エアー静電スプレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法により行うことが好ましい。
【0060】
上記ベース塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、5〜35μmであることが好ましい。上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラ、流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、色ムラが発生するおそれがある。
【0061】
工程(3)
上記工程(3)は、上記のように形成された未硬化のベース塗膜の上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程である。
【0062】
クリヤー塗料
クリヤー塗膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメタリックベース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因するベース塗膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、また、ベース塗膜を保護するために形成されるものである。
上記クリヤー塗料としては特に限定されず、例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添加剤からなるものを挙げることができる。
【0063】
上記塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられる。透明性又は耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、又は、カルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂等を用いることが好ましい。
【0064】
上記クリヤー塗料としては、上述したベース塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間のなじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100質量部に対して、下限0.01質量部、上限10質量部であり、好ましくは、下限0.02質量部、上限8質量部、より好ましくは、下限0.03質量部、上限6質量部である。10質量部を超えると、外観が低下し、0.1質量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合を起こす原因となる。
【0065】
上記クリヤー塗料の塗料形態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を用いることができる。
【0066】
クリヤー塗膜形成方法
上記クリヤー塗料の調製方法及び塗装方法としては、従来の方法に従って行うことができる。
上記クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、10〜70μmである。この乾燥膜厚が上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラ、流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0067】
工程(4)
上記工程(4)においては、上記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る。
上記加熱硬化させる温度としては、下限110℃、上限180℃、好ましくは、下限120℃、上限160℃にて行うことによって、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。180℃を超えると、塗膜が固く脆くなり、110℃未満では硬化が充分ではない。硬化時間は硬化温度により変化するが、120〜160℃で10〜60分間が適当である。
【0068】
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記工程(1)、上記工程(2)及び上記工程(3)により形成された塗膜が工程(4)を行う前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質の合計量が7×10−6mmol以下であることが好ましい。
【0069】
上記工程(1)、(2)及び(3)により形成された塗膜に上記水性中塗り塗料及び上記水性ベース塗料に含まれる揮発性の塩基性物質が残存し、この揮発性の塩基性物質の合計量が塗膜の単位面積1mmにおいて7×10−6mmolを超える場合には、上記未硬化の塗膜を硬化させるべく加熱すると上記揮発性の塩基性物質が一部残存し、化学変化を起こして黄変を来す。また、未硬化の中塗り塗膜やベース塗膜から揮散する塩基性物質がクリヤー塗膜の内部に捕捉され、上記クリヤー塗膜においても黄変を来すため、色再現性や意匠性が低下する。好ましくは、6.5×10−6mmol以下である。
【0070】
本明細書において、上記単位面積1mmにおける上記揮発性の塩基性物質の合計量(mmol)とは、上記工程(1)、(2)及び(3)により形成された塗膜の表面上の1mmの面積を有する区画(S)を上記被塗装物の塗装面に垂直に投影して得られる区画(S′)を仮定した場合に、上記区画(S)及び上記区画(S′)によって挟まれた部分(V)における上記揮発性の塩基性物質の含有量(mmol)を意味する。
【0071】
上記単位面積1mmにおける上記揮発性の塩基性物質の合計量(mmol)は、上記部分(V)における中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜の各塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量(mmol)の合計量となる。即ち、上記部分(V)における上記中塗り塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量〔Ammol〕と、上記部分(V)における上記ベース塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量〔Bmmol〕と、上記部分(V)における上記クリヤー塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量〔Cmmol〕との合計量〔(A+B+C)mmol〕が、本明細書において塗膜単位面積1mmにおける上記揮発性の塩基性物質の合計量となる。
【0072】
上記単位面積1mmにおける上記揮発性の塩基性物質の合計量(mmol)は、上記工程(1)、(2)及び(3)により形成された塗膜のサンプルを採取し、採取したサンプルについてガスクロマトグラフィーで定量した上記揮発性の塩基性物質の含有量と、乾燥膜厚とから、1gを1cmであると仮定して算出することにより求めることができる。
【0073】
本発明の塗膜形成方法によって得られる複層塗膜の膜厚は、通常、下限30μm、上限300μm、好ましくは、下限50μm、上限250μmである。300μmを超えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下し、30μm未満であると、膜自体の強度が低下する。
【0074】
本発明の水性中塗り塗料組成物は、上記複層塗膜形成方法に用いる水性中塗り塗料組成物であって、上記水性中塗り塗料組成物は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、上記アクリルエマルション樹脂の重量平均分子量は、50000〜200000であるものである。上記水性中塗り塗料組成物は、上記複層塗膜形成方法における水性中塗り塗料として用いられるものであり、これを用いることにより、混層や黄変を防止することができ、優れた外観の塗膜を得ることができる。
【0075】
上記アクリルエマルション樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって得られた重量平均分子量は、下限50000、上限200000であることが好ましい。上記範囲のアクリルエマルション樹脂を含む水性塗料組成物を用いて未硬化の中塗り塗膜を形成することにより、形成された中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を防止でき、塗膜の仕上がり外観を優れたものとすることができる。より好ましくは、下限100000、上限200000である。
【0076】
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、未硬化の中塗り塗膜の粘度が、10Pa・s以上であることから、上記工程(1)により形成された中塗り塗膜と、上記工程(2)により形成されたベース塗膜との間での混層を防止することができる。これにより、得られる塗膜の仕上がり外観の肌感や艶感の低下を抑制することができ、優れた仕上がり外観を有する塗膜を得ることができる。更に、上記塗膜形成方法において、上記水性中塗り塗料がアクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、上記工程(1)、工程(2)及び工程(3)により形成された塗膜が、工程(4)を行う前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質の合計量が7×10−6mmol以下である場合には、得られる塗膜の黄変も防止できることから、より優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる。
【0077】
更に、本発明の3ウエット1ベーク塗装方法により、従来一般的であった3コート2ベーク法におけるよりも、中塗り塗料の焼き付け工程を省くことができるので、工程短縮、コスト削減、エネルギー消費量削減及び環境負荷低減を目指す新規塗装システムを構築することができる。
【0078】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
【0079】
製造例1 着色顔料ペーストの製造
市販分散剤「Disperbyk 190」(ビックケミー社製)9.4部、イオン交換水36.8部、ルチル型二酸化チタン34.5部、硫酸バリウム34.4部及びタルク6部を予備混合を行った後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μm以下となるまで混合分散し、着色顔料ペーストを得た。
【0080】
製造例2 アクリルエマルション樹脂A−1の製造
反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アクリル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル酸1.53部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.30部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径200nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重量平均分子量200000のアクリルエマルション樹脂A−1を得た。
【0081】
製造例3 アクリルエマルション樹脂A−2の製造
反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アクリル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社製)1.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.30部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径200nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重量平均分子量100000のアクリルエマルション樹脂A−2を得た。
【0082】
製造例4 アクリルエマルション樹脂A−3の製造
反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アクリル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社製)2.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.30部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径200nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重量平均分子量50000のアクリルエマルション樹脂A−3を得た。
【0083】
製造例5 アクリルエマルション樹脂A−4の製造
反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アクリル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社製)3.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.30部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径200nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重量平均分子量26000のアクリルエマルション樹脂A−4を得た。
【0084】
製造例6 アクリルエマルション樹脂A−5の製造
反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アクリル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社製)5.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.30部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径200nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重量平均分子量12000のアクリルエマルション樹脂A−5を得た。
【0085】
実施例1
(1)水性中塗り塗料の調製
製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例2で得られたアクリルエマルション樹脂A−1を42部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組成物B−1を得た。
【0086】
(2)塗膜形成方法
リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、パワートップU−50(日本ペイント製カチオン電着塗料)を、乾燥塗膜が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた板に、予め希釈されたオルガP−2(日本ペイント製メラミン硬化型ポリエステル樹脂系ホワイト中塗り塗料)を、乾燥塗膜35μmとなるようにエアスプレーで2ステージ塗装し、140℃で30分間焼き付けた後冷却して、基板を得た。
得られた基板に、上記水性中塗り塗料組成物B−1をエアスプレー塗装にて20μm塗装し、80℃で5分プレヒートを行った後、アクアレックスAR−2000ベース(日本ペイント社製水性ベース塗料)をエアスプレー塗装にて10μm塗装し、80℃で3分プレヒートを行った。更に、その塗板にマックフロー O−1800W−2クリヤー(日本ペイント製クリヤー塗料)をエアスプレー塗装にて35μm塗装した後、140℃で30分焼付けを行い試験片を得た。
なお、水性中塗り塗料(水性中塗り塗料組成物B−1)、水性ベース塗料(アクアレックスAR−2000ベース)、クリヤー塗料(マックフロー O−1800W−2クリヤー)は、下記条件で希釈し、塗装した。
(水性中塗り塗料)
シンナー:イオン交換水
40秒/NO.4フォードカップ/20℃
(水性ベース塗料)
シンナー:イオン交換水
45秒/NO.4フォードカップ/20℃
(クリヤー塗料)
シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/S−150(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)=1/1
30秒/NO.4フォードカップ/20℃
【0087】
(3)塗膜の評価
〔粘度〕
水性ベース塗料を塗装する前に、未硬化の中塗り塗膜の粘度を、粘弾性測定解析装置(MR−300:レオロジ社製)を用い、温度依存性測定条件により、せん断速度6.28(sec−1)、測定温度30℃で測定した。結果を表1に示した。
【0088】
〔仕上がり外観〕
クリヤー塗料を塗装し、焼き付け後の仕上がり外観をウェーブスキャン(ビッグケミー−ガードナー社製)にて測定し、800〜2400μmの中波長領域の測定値(W2値)、50〜320μmの高波長領域の測定値(W4値)により評価を行った。結果を表1に示した。
【0089】
〔残存塩基性物質量測定方法〕
中塗り塗膜及びベース塗膜のサンプルを、それぞれ上記塗装方法において水性中塗り塗料、水性ベース塗料を塗装しプレヒートした後、採取した。採取したサンプルを0.3g秤量し、標準溶液(メタノール100mlにイソブタノール1.0g混合)を0.6ml加えた後、タッチミキサー、超音波振動で充分に攪拌し、更に遠心分離した後、上澄み液を採取し、ガスクロマトグラフィーで塩基性物質量を定量した。得られた塩基性物質量と乾燥膜厚とから、1gを1cmであると仮定して、塗膜の単位面積1mmにおける塩基性物質量の合計量を算出した。結果を表1に示した。
【0090】
実施例2
下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価し、結果を表1に示した。
(1)水性中塗り塗料の調製
製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例3で得られたアクリルエマルション樹脂A−2を42部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭電化社製増粘剤)を2.33部加え、混合攪拌して、水性中塗り塗料組成物B−2を得た。
【0091】
実施例3
下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価し、結果を表1に示した。
(1)水性中塗り塗料の調製
製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例4で得られたアクリルエマルション樹脂A−3を42部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組成物B−3を得た。
【0092】
比較例1
下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価し、結果を表1に示した。
(1)水性中塗り塗料の調製
製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例5で得られたアクリルエマルション樹脂A−4を42部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組成物B−4を得た。
【0093】
比較例2
下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価し、結果を表1に示した。
(1)水性中塗り塗料の調製
製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例6で得られたアクリルエマルション樹脂A−5を42部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組成物B−5を得た。
【0094】
【表1】
Figure 0004235391
【0095】
実施例及び比較例から、実施例で得られた塗膜は、水性中塗り塗料により得られた未硬化の中塗り塗膜の粘度が10000であることから、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層が抑制され、塗膜の黄変もなく、得られた塗膜の外観が優れるものであった。
【0096】
【発明の効果】
本発明の複層塗膜形成方法は、上述の構成からなるので、水性中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤー塗料から形成される未硬化の塗膜を加熱硬化させる工程からなる複層塗膜形成方法、特に3ウェット1ベーク塗装方法において、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を防止することができ、黄変することもなく、優れた外観を有する塗膜を形成することができる。このため、本発明の複層塗膜形成方法は、特に自動車車体等の車両塗装に好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、
    前記中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗膜を形成する工程(2)、
    更に、その上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、
    前記中塗り塗膜、前記ベース塗膜及び前記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る工程(4)
    からなる複層塗膜形成方法であって、
    前記工程(1)により形成された中塗り塗膜は、前記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、測定した粘度が10Pa・s以上であり、
    前記水性中塗り塗料組成物は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、前記アクリルエマルション樹脂の重量平均分子量は、50000〜200000である
    ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 水性中塗り塗料は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、工程(1)、工程(2)及び工程(3)により形成された塗膜は、工程(4)を行う前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質の合計量が7×10−6mmol以下である請求項1記載の複層塗膜形成方法。
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