JP5627995B2 - 自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法 - Google Patents

自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法に関し、特に、自動車車体の塗装工程において、当該耐チッピング性複数塗装塗膜の1ベイクによる焼付工程の省略に伴う各種問題を解消できる技術に関するものである。
車両の走行中の飛び石(チッピング)に起因する車両下回りの損傷(鋼板露出)や錆の発生を防止する為に、自動車のサイドシルやドア下部等には、耐チッピング塗料が塗装されている。
当該耐チッピング塗料を用いた塗装工程として、
例えば、自動車車体外面(板金)に、電着塗装を施し、次いで、当該耐チッピング塗料を塗装し、120℃X15分のシ−ラ−炉(焼付炉)による乾燥を行った後、中・上塗り塗装を施し、例えば140℃X20分乾燥を行ったり、
又は、例えば、自動車車体外面(板金)に、電着塗装を施し、次いで、当該耐チッピング塗料の塗装後に、中塗り塗装を施し、次いで、140℃X20分乾燥を行った後、上塗り塗装を施し、140℃X20分乾燥を行ったりしている。
しかし、地球温暖化防止の観点から上記塗装工程にも、エネルギ−削減が望まれ、上記工程で、耐チッピング塗料の塗装後のシ−ラ−炉による乾燥を行わないようにすることが提案され、上記工程で、中塗り塗装後にも乾燥を行わないで、電着塗装後に、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料を、未乾燥のまま(Wet on Wet、ウエットオンウエット)で塗布し、当該ウエットオンウエットで塗布形成した複数のウエットオンウエットの塗料層を、1回の加熱で焼付硬化させて、耐チッピング性の複数塗装塗膜を得ることが提案されている。
当該1回の加熱焼付硬化による耐チッピング性の複数塗装塗膜を得る方法として、特開平6−254482号公報には、ビニルゾル塗料、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料をウエットオンウエットで塗装し、当該複数塗膜を1回の加熱で硬化させる4コ−ト1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の塗装方法が提案されている。
又、特開平8−206593号公報には、水性プライマ−、水性ベ−ス塗料及びクリア−塗料をウエットオンウエットで塗装し、当該複数塗膜を1回の加熱で硬化させる3コ−ト1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の塗装方法が提案されている。
更に、特開平11−33478号公報には、耐チッピングプライマ−層を構成する塗料及び中塗り塗料層を構成する塗料を各々ウエットオンウエットで塗装し、当該複数塗膜を1回の加熱で硬化させる2コ−ト1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成方法が提案されている。
更に又、特開昭64−58380号公報には、自動車車体板金に電着塗膜を形成後、当該塗膜上に、2液型のポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を塗布し、焼き付けすることなくウエットオンウエットで上塗り塗料を塗布し、その後、焼付を行う自動車の耐チッピング塗装塗膜の形成方法が提案されている。
上記のような1ベイク方式による方法における耐チッピング塗料としては、前記特開平6−254482号公報では、ウレタン変性ポリエステルなどからなる塗料組成物が使用され、又、特開平8−206593号公報では、熱可塑性ポリウレタン樹脂を主成分とした水性プライマ−、水性ベ−ス塗料等が使用され、更には、特開平11−33478号公報では、その耐チッピングプライマ−として、水性ウレタン樹脂を含有する塗料が使用され、更に又、特開昭64−58380号公報では、上記のように、2液型のポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料が使用されている。
上記のような1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成方法によれば、省エネルギ−の要請に寄与でき、車両の製造時間を短縮できる等の利点を有する一方で、各種の困難が伴い、上記のようなポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用して、1回の加熱で焼付硬化させて、耐チッピング性の複数塗装塗膜を得るようにする場合、次のような問題に遭遇した。
上塗り塗膜が黄変することがあることが判った。
又、上記のようなポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用して、中塗り塗料及び上塗り塗料を、未乾燥のまま(Wet on Wet、ウエットオンウエット)で塗布し、当該ウエットオンウエットで塗布形成した複数のウエットオンウエットの塗料層を、1ベイク方式により焼付硬化させて、耐チッピング性の複数塗装塗膜を得る方法によれば、塗膜表面がその平滑性(膨れ、ピンホ−ル発生等)を失い平滑性不足を生じることがあることが判った。
更には、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用し、メタリック顔料などの光輝材を含有する上塗り塗料のベ−ス塗料を使用する場合、当該上塗り塗料を構成するベ−ス塗料におけるそのメタリック顔料などの光輝材の配向が乱れることがあることが判った。
一方、特開2002−35679号公報には、電着塗装された素材の上に、中塗り塗料、ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料を順次ウエットオンウエットで塗装し、当該複数塗膜を1回の加熱で硬化させる3コ−ト1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の塗装方法において、当該中塗り塗料、ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料の粘度に注目して、それら中塗り塗料、ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料の最低粘度において、それら中塗り塗料、ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料間に、一定の関係(高低差)を持たせて、又、硬化開始温度において、それら中塗り塗料、ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料間に、一定の関係(高低差)を持たせて、塗膜の仕上がり外観を良好にする技術が提案されている。
又、特開2003−251264号公報には、電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料、水性ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料を塗装し、当該中塗り塗膜、ベ−ス塗膜及びクリヤ−塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る際に、当該水性中塗り塗膜の当該水性ベ−ス塗料による塗膜形成前のせん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件下での測定粘度が104Pa・s以上である複層塗膜の形成方法が提案されており、当該水性中塗り塗料には、塗膜形成性樹脂として、アクリルエマルジョン樹脂を含むものが好ましいとなっており、当該水性中塗り塗料に耐チッピング性を持たせるようにしている。
特開平6−254482号公報、特開平8−206593号公報、特開平11−33478号公報、特開昭64−58380号公報、特開2002−35679号公報、特開2003−251264号公報
本発明は、1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成による省エネルギ−化、車両の製造時間の短縮等の利点を有すると共に、前記のような1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成に際しての塗膜の黄変や塗膜表面の平滑性不足や光輝材の配向の乱れ等の塗膜表面の外観不良等の問題点を解消でき、特に、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用し、電着塗膜上に、複数の塗料、例えば、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料、中塗り塗料、上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットで塗付形成してなる当該複数の塗料層を、1回の加熱で焼付硬化させて自動車の耐チッピング性複数塗装塗膜を得る際の前記した塗膜の黄変や塗膜表面の平滑性不足や光輝材の配向の乱れ等の塗膜表面の外観不良の問題点を解消できる技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1) 自動車車体板金に電着塗膜を形成後、当該塗膜上に、少なくとも2液硬化型の耐チッピング塗料及び1種類以上の塗料からなる複数の塗料を、各々焼き付けることなく順次ウエットオンウエットにより塗付し、当該塗付により形成されたウエットオンウエット塗膜層を、1回の加熱で焼付硬化させて自動車車体板金に耐チッピング性塗膜を有してなる複数塗装塗膜を形成する方法であって、前記2液硬化型の耐チッピング塗料は、水酸基を有するポリオ−ル化合物を含有するA液と、非ブロック型イソシアネ−ト化合物を含有するB液とからなり、当該AB両液混合後に塗装して当該ポリオ−ル化合物と当該非ブロック型イソシアネ−ト化合物とを硬化反応させる2液硬化型の耐チッピング塗料であって、当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度を9Pa・s以上とし、当該2液硬化型の耐チッピング塗料の前記加熱焼付時の硬化開始時点の溶剤含有量を0.002g/cm以下としてなることを特徴とする自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
(請求項2)1種類以上の塗料が上塗り塗料を含有し、当該上塗り塗料が光輝材を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
(請求項3) 水酸基を有するポリオ−ル化合物が、ポリエステルポリオ−ル又はポリエ−テルポリオ−ルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
本発明によれば、1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成による省エネルギ−化、車両の製造時間の短縮等の利点を有すると共に、前記のような1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成に際しての塗膜の黄変や塗膜表面の平滑性不足や光輝材の配向の乱れ等の塗膜表面の外観不良等の問題点を解消でき、特に、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用し、電着塗膜上に、複数の塗料、例えば、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料、中塗り塗料、上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットで塗付形成してなる当該複数の塗料層を、1回の加熱で焼付硬化させて自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜を得る際の前記した塗膜の黄変や塗膜表面の平滑性不足や光輝材の配向の乱れ等の塗膜表面の外観不良の問題点を解消できる技術を提供することができる。
本発明では、自動車車体板金に電着塗膜を形成後に、当該電着塗膜上に耐チッピング塗料をウエットオンウエットにより塗付する。
自動車車体としては、乗用車、トラック、オ−トバイ、バスなどに適用される。
当該電着塗膜を形成する電着塗料としては、例えば、電着性樹脂を主体としてなる電着塗料が挙げられ、当該電着性樹脂としては、例えば、ポリイミド系、フッ素樹脂系、ポリアミドイミド系、エポキシ樹脂系およびアクリル樹脂系の各種電着性樹脂が挙げられる。
当該電着塗料としては、カチオン型又はアニオン型の各種電着塗料を用いることができる。
本発明では、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用する。
当該ポリウレタン樹脂系塗料は、その実用上、一成分系と二成分系とに分類される。
当該一成分系のポリウレタン樹脂系塗料は、その硬化方法の相違に基づき、空気中の酸素による硬化の油変性型ポリウレタン樹脂系塗料と、空気中の湿気による硬化の湿気硬化型ポリウレタン樹脂系塗料と、加熱硬化による熱硬化型ポリウレタン樹脂系塗料とに分類され、又、当該二成分系のポリウレタン樹脂系塗料は、その硬化方法の相違に基づき、触媒硬化による触媒型ポリウレタン樹脂系塗料と、ポリオ−ルとNCOとの硬化反応に基づくポリオ−ル硬化型ポリウレタン樹脂系塗料とに分類される。
本発明では、当該耐チッピング塗料としてのポリウレタン樹脂系塗料として、一成分系のポリウレタン樹脂系塗料よりも、二成分系のポリウレタン樹脂系塗料の方が適しており、それを用いる。
前記のように、上塗り塗料を構成する塗膜が黄変することがあり、当該ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料中のアミン化合物が当該上塗り塗料に移行してその塗膜が黄変することを突き止めた。その為、本発明では、当該二成分系のポリウレタン樹脂系塗料であっても、3級アミン等のアミン触媒を使用するような触媒硬化による触媒型ポリウレタン樹脂系塗料の使用は不適である。
本発明では、当該二成分系のポリウレタン樹脂系塗料として、ポリオ−ルとNCOとの硬化反応に基づくポリオ−ル硬化型ポリウレタン樹脂系塗料が適していることが判明した。
当該NCOを供することができるイソシアネ−ト化合物としては、例えば、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HDI)、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、デカメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ−ト、
2,4−トルエンジイソシアネ−ト、2,6−トルエンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,2−フェニレンジイソシアネ−ト、1,3−フェニレンジイソシアネ−ト、1,4−フェニレンジイソシアネ−ト、1,4−ナフタレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ−ト、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト、
0−キシレンジイソシアネ−ト、m−キシレンジイソシアネ−ト、p−キシレンジイソシアネ−トなどの芳香脂肪族ジイソシアネ−ト、
1,4−シクロヘキシルジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、水素添加トルエンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−ト、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネ−トなどの脂環式ジイソシアネ−ト等の有機ポリイソシアネ−トが挙げられる。また、これら有機ポリイソシアネ−トを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレ−ト結合、アロファネ−ト結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性ポリイソシアネ−トも使用できる。更に、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネ−ト、クル−ドトルエンジイソシアネ−トなどのポリイソシアネ−トも使用できる。これらはいずれも単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明では、当該NCOを供することができるイソシアネ−ト化合物として、非ブロック型イソシアネ−ト化合物を使用する。
当該NCOを供することができるイソシアネ−ト化合物として、末端イソシアネ−ト基をフェノ−ル、クレゾ−ルなどのブロック化剤で封鎖したブロック化イソシアネ−ト化合物があるが、当該ブロック化イソシアネ−ト化合物は、本発明では前記目的から使用しない。
本発明では、当該非ブロック型イソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とからなるポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用する。
当該ポリオ−ル化合物として、水酸基を有するポリオ−ル化合物を使用する。
当該水酸基を有するポリオ−ル化合物として、例えば、エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル等のグリコ−ル類が使用できるが、
他に、例えば、ポリ(エチレンアジペ−ト)、ポリ(1,4−ブチレンアジペ−ト)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペ−ト)、ポリ(プロピレンアジペ−ト)、ポリ(ネオペンチレンアジペ−ト)、ポリカ−ボネ−トポリオ−ル等のポリエステルポリオ−ル、
例えば、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド共重合体等のポリエ−テルポリオ−ルも使用できる。
これらのポリオ−ル化合物は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用して用いることもできる。
当該非ブロック型イソシアネ−ト化合物と水酸基を有するポリオ−ル化合物とからなるポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料は、耐チッピング性に優れ、1ベイク方式による耐チッピング性の複数塗装塗膜の形成に際しての問題点特にクリア−塗料による塗膜の黄変を防止できる。
本発明では、ポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料として、1液型でなく2液型のポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用する。
ポリオ−ル化合物と非ブロック型イソシアネ−ト化合物とを1液とした1液型でなく、ポリオ−ル化合物を含有するA液及び非ブロック型イソシアネ−ト化合物を含有するB液を別々のA,B2液とし、使用に際して混合する2液型のポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料を使用する。
当該2液型のポリウレタン樹脂系の耐チッピング塗料の調製に際しては、例えば、一方のポリオ−ル化合物及び溶剤よりなるポリオ−ル化合物を含有するA液で一液とし、非ブロック型イソシアネ−ト化合物及びそれに用いた溶剤で他方の一液のB液とし、A,B両液を別々に貯蔵しておき、使用に際して混合する。
A,B両液には、必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。一般に、ポリオ−ル化合物側に各種添加剤を添加することができる。
当該添加剤としては、例えば、顔料、消泡剤、分散剤、充填剤等が挙げられる。顔料としては、着色顔料(例えばカ−ボンブラック、チタン白、ベンガラ)、体質顔料(例えばクレ−、タルク、炭酸カルシウム)、防錆顔料(クロム酸ストロンチウム、クロム酸鉛)等が挙げられる。消泡剤としては、アルコ−ルなどが挙げられる。分散剤としては、界面活性剤などが挙げられる。充填剤としては、マイカ粉、珪藻土、ガラスビ−ズなどが挙げられる。
溶剤としては、水分を含んでいてはならない。溶剤にアルミニウムアルコレ−トを加え水酸化アルミニウムの沈殿が発生するか否かを調査するとよい。
本発明では、自動車車体板金に電着塗膜を形成後に、上記耐チッピング塗料をウェットオンウェットにより塗布し、次いで1種類以上の塗料からなる複数の塗料を、各々焼き付けることなく順次ウェットオンウェットにより塗布する。1種類以上の塗料とは、中塗り塗料、上塗り塗料、上塗りソリッド塗料、上塗りメタリックベ−ス塗料、上塗りクリア塗料をいう。
中塗り塗料:
当該中塗り塗料は溶剤型および水分散型を使用できる。
溶剤型中塗り塗料;
当該溶剤型中塗り塗料としては、例えば樹脂、硬化剤及び顔料を有機溶剤に混合分散してなる熱硬化型塗料が例示でき、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。
当該熱硬化型塗料に使用される樹脂としては、例えばアルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの変性樹脂が挙げられる。
硬化剤としては、アミノ樹脂やイソシアネ−トプレポリマ−などが挙げられる。
上記熱硬化型塗料に使用できる顔料は特に限定されない。体質顔料としては、マイカ、アルミナ、タルク及びシリカ等を挙げることができ、タルクがチッピング性能の観点から好ましい。着色顔料として、例えば、有機系のアゾキレ−ト系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロ−ル系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カ−ボンブラック、二酸化チタン等を用いることができる。
上記熱硬化型塗料に使用できる有機溶剤(溶媒)は特に限定されない。用いられる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソなどの芳香族系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エチレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、アニソ−ル、フェネト−ルなどのエ−テル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコ−ルジアセテ−トなどのエステル系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ルなどのアルコ−ル系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また混合して用いてもよい。
水分散型中塗り塗料;
当該水分散型中塗り塗料としては、例えば水溶性樹脂、水分散性樹脂、硬化剤及び顔料を水に混合分散してなる熱硬化型塗料が例示でき、必要に応じて各種添加剤と有機溶剤を添加することができる。当該熱硬化型塗料に使用される樹脂としては、例えばアクリルエマルション、ウレタンエマルション、ポリエステルエマルションなどの水分散性樹脂が挙げられる。硬化剤としては、アミノ樹脂やイソシアネ−トプレポリマ−などが挙げられる。上記熱硬化型塗料に使用できる顔料および有機溶剤は上記溶剤型中塗り塗料と同様のものが使用できる。
上塗り塗料:
当該上塗り塗料はベ−スコ−ト塗料とクリヤコ−ト塗料をウェットオンウェットで塗り重ねる上塗り塗料およびモノコ−トソリッド塗料を使用できる。
ベ−スコ−ト塗料;
当該ベ−スコ−ト塗料としては溶剤型および水分散型を使用できる。
溶剤型ベ−スコ−ト塗料;
当該溶剤型ベ−スコ−ト塗料としては、例えば樹脂、硬化剤及び顔料を有機溶剤に混合分散してなる熱硬化型塗料が例示でき、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。
当該熱硬化型塗料に使用される樹脂としては、例えばアルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの変性樹脂が挙げられる。
硬化剤としては、アミノ樹脂やイソシアネ−トプレポリマ−などが挙げられる。
上記熱硬化型塗料に使用できる顔料は特に限定されない。
当該顔料の一つとして光輝材が挙げられる。当該光輝材としては、例えば光輝性顔料(メタリック顔料)が挙げられ、当該光輝性顔料(メタリック顔料)としては、その形状は特に限定されず、また着色されていてもよいが、例えば、平均粒径(D50)が2〜50μmであり、かつ、厚さが0.1〜5μmであるものが好ましい。当該光輝性顔料の平均粒径(D50)は、レ−ザ−回折・散乱法によって測定することができる(具体的にはマイクロトラック(日機装社製)にて測定できる。)。また、平均粒径が10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、さらに好適に用いられる。具体的には、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム等の金属または合金等の無着色あるいは着色された金属製光輝材およびその混合物が挙げられる。この他に、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グラファイト顔料などもこの中に含めるものとする。
当該顔料として他に、体質顔料及び着色顔料が挙げれ、当該体質顔料、着色顔料及び有機溶剤は中塗りと同様のものが使用できる。
水分散型ベ−スコ−ト塗料;
当該水分散型ベ−スコ−ト塗料としては、例えば水溶性樹脂、水分散性樹脂、硬化剤及び顔料を水に混合分散してなる熱硬化型塗料が例示でき、必要に応じて各種添加剤と有機溶剤を添加することができる。当該熱硬化型塗料に使用される樹脂としては、例えばアクリルエマルション、ウレタンエマルション、ポリエステルエマルションなどの水分散性樹脂が挙げられる。硬化剤としては、アミノ樹脂やイソシアネ−トプレポリマ−などが挙げられる。上記熱硬化型塗料に使用できる顔料および有機溶剤は上記溶剤型ベ−ス塗料と同様のものが使用できる。
クリヤコ−ト塗料;
当該クリヤコ−ト塗料を構成するクリヤ−塗料組成物は特に限定されず、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有するクリヤ−塗料組成物を利用できる。更に下地の意匠性を妨げない程度であれば着色顔料を含有することもできる。このクリヤ−塗料組成物の形態としては、溶剤型、水性型および粉体型のものが挙げられる。
上記溶剤型クリヤ−塗料組成物の好ましい例としては、透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂及び/またはイソシアネ−トとの組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂系等が挙げられる。
また、上記水性型クリヤ−塗料組成物の例としては、上記溶剤型クリヤ−塗料組成物の例として挙げたものに含有される塗膜形成性樹脂を塩基で中和して水性化した樹脂を含有するものを挙げることができる。この中和は重合の前又は後に、ジメチルエタノ−ルアミンおよびトリエチルアミンのような3級アミンを添加することにより行うことができる。
一方、粉体型クリヤ−塗料組成物としては、熱可塑性及び熱硬化性粉体塗料組成物のような通常の粉体塗料組成物を用いることができる。良好な物性の塗膜が得られるため、熱硬化性粉体塗料組成物が好ましい。熱硬化性粉体塗料組成物の具体的なものとしては、エポキシ系、アクリル系及びポリエステル系の粉体クリヤ−塗料組成物等が挙げられるが、耐候性が良好なアクリル系粉体クリヤ−塗料組成物が特に好ましい。
更に、上記クリヤ−塗料組成物には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤が添加されていることが好ましい。粘性制御剤は、一般にチクソトロピ−性を示すものを使用できる。このようなものとして、例えば、上述の水性ベ−スコ−ト組成物のところで述べたものを使用することができる。また、必要により、硬化触媒、表面調整剤等を含むことができる。
モノコ−トソリッド塗料;
当該モノコ−トソリッド塗料としては溶剤型および水分散型を使用できる。
溶剤型モノコ−トソリッド塗料としては、上記溶剤型中塗り塗料と同様の樹脂、硬化剤、顔料、有機溶剤が使用できる。
水分散型モノコ−トソリッド塗料としては、上記水分散型中塗り塗料と同様の樹脂、硬化剤、顔料、有機溶剤が使用できる。
本発明では、自動車車体板金に電着塗膜を形成後、複数の塗料例えば耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエット方式により塗付形成し、当該塗付形成した複数の塗料層(例えば4コ−ト)を、1回の加熱で焼付硬化させるが、当該1ベイク方式による焼付硬化の際に、メタリック顔料などの光輝材を含有する上塗り塗料のベ−ス塗料を使用する場合、当該上塗り塗料を構成するベ−ス塗料におけるそのメタリック顔料などの光輝材の配向が乱れることがあることが判った。これは、耐チッピング塗料を塗装後の、その直上に塗布される塗料の塗布時に前記2液型のポリウレタン樹脂系耐チッピング塗料の粘度が低いと、光輝材の配向が乱れることが判った。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度を、9Pa・s以上とすると、当該光輝材の配向の乱れを防止でき、9Pa・s未満では、光輝材の配向が乱れ易くなる。当該2液硬化型の耐チッピング塗料は、その塗付時からその直上に塗布される塗料の塗布時に掛けてその粘度が9Pa・s以上となっていることが必要である。
上記の粘度に調整するには、平均約3μmの細かい顔料を配合させる、溶剤の配合割合を低くする、増粘剤などの添加剤の配合割合を低くする等の手法で可能である。
当該粘度は、例えば、平行板粘度計(スプレッドメ−タ−)や粘弾性測定装置により行うことができる。
当該平行板粘度計には、例えば、レオロジ−社製、ソリキッドメ−タ−MR500等がある。
当該粘弾性測定装置には、例えば、レオロジ−社製、ソリキッドメ−タ−MR−300等がある。
当該粘度測定は、所定の温度、剪断速度の元で行われる。測定温度は、20℃、剪断速度6.28sec−1である。
当該粘度は、耐チッピング塗料による塗膜を、その上層の中塗り塗料及び(又は)上塗り塗料を経過時に掻き取り、密閉状態でRR型粘度計及びRL型粘度計(いずれも東機産業(株)製、商品名VISCOMETER CONTOLLER RC−500)を用い、所定の温度下で、ばね緩和測定を行い、所定の剪断速度のときの粘度を測定するようにしてもよい。
本発明では、上記のように、耐チッピング塗料及び1種類以上の塗料からなる複数の塗料をウエットオンウエット方式により塗装して形成した複数の塗料層を、1回の加熱で焼付硬化させるが、当該焼付硬化温度は、100〜180℃、好ましくは、110〜160℃である。
当該焼付硬化温度が、100℃未満では、硬化による架橋が不充分となる。一方、当該焼付硬化温度が、180℃を超えても、塗膜が硬く脆くなる。
本発明では、耐チッピング塗料及び1種類以上の塗料からなる複数の塗料をウエットオンウエット方式により塗装して形成した複数の塗料層を、1回の加熱で焼付硬化させるのに際しては、2液硬化型の耐チッピング塗料の前記加熱焼付時の硬化開始時点の溶剤含有量を0.002g/cm以下として、加熱焼付硬化を行う。
本発明者らの鋭意検討に依れば、当該2液硬化型の耐チッピング塗料は、耐チッピング塗料中の溶剤又は中塗り塗料更には上塗り塗料から当該耐チッピング塗料へと移行した溶剤を含有し、当該加熱焼付時の硬化開始時点の溶剤含有量如何により、溶剤が耐チッピング塗膜の中に閉じ込められて平滑性不良を生じることが判った。
当該加熱焼付時の硬化開始時点の溶剤含有量を0.002g/cm以下であることを必要とし、0.002g/cmを超えると、溶剤が耐チッピング塗料塗膜の中に閉じ込められて平滑性不良を生じやすい。なお、本発明における硬化開始時点とは、当該加熱焼付時に耐チッピング塗料の粘度が300Pa・sを超えた時点とする。
本発明の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法は、自動車車体板金に電着塗膜を形成後、複数の塗料、例えば、順次、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料をウエットオンウエットにより塗装する工程を含んでなる。当該塗装方法としては、例えば、噴霧塗装が用いられる。当該噴霧塗装としては、例えば、エア−スプレ−塗装、エアレス塗装、静電塗装が挙げられる。当該エアレス塗装では、塗料に高圧を掛けてノズルから噴霧させる。静電塗装は、エア−スプレ−に静電気を掛け、霧化と被塗物への塗料の付着の促進を図るもので、当該エア−スプレ−塗装と共に、上塗り塗装に適している。
耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)による塗膜の乾燥膜厚は、例えば、耐チッピング塗料50〜150μm、中塗り塗料5〜40μm、上塗り塗料のベ−ス塗料5〜35μm、上塗り塗料のクリヤ−塗料10〜40μmである。耐チッピング塗料による塗膜は、外観重視の中塗り塗料及び上塗り塗料による塗膜よりも厚い塗膜を形成する必要がある。
当該塗装に際しては、予備乾燥を施してもよい。
以下に実施例を挙げ本発明のより詳細な理解に供する。当然のことながら本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
A液
ポリエステルポリオ−ル 24重量部
硫酸バリウム 11重量部
炭酸カルシウム 8重量部
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径10μm 22.5重量部
同上 平均粒径3μm 5重量部
酸化チタン 2重量部
カ−ボンブラック 0.05重量部
生石灰 2重量部
消泡剤 1重量部
分散剤 0.45重量部
レベリング剤 0.5重量部
芳香族高沸点溶剤 23.5重量部
B液
トリレンジイソシアネ−ト(TDI) 75重量部
芳香族高沸点溶剤 25重量部

上記A、B2液を混合して得られた2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料を電着塗膜を形成したテストピ−スに乾燥膜厚100μm塗布した。
次いで、当該耐チッピング塗料を塗付した前記テストピ−スに、当該耐チッピング塗料が未乾燥のままで中塗り塗料を20μm(乾燥膜厚)塗付し、当該中塗り塗料が未乾燥のままで上塗り塗料のベ−ス塗料を15μm(乾燥膜厚)塗付し、次いで、当該ベ−ス塗料が未乾燥のままで上塗り塗料のクリヤ−塗料を30μm(乾燥膜厚)塗付した。
当該中塗り塗料(塗料A)は、日本ペイント社製 OTO−H880グレ−を使用した。
当該上塗り塗料のベ−ス塗料(塗料B)は、日本ペイント社製 OTO−H700シルバ−メタリックを使用した。
当該上塗り塗料のクリヤ−塗料(塗料C)は、日本ペイント社製 MAC−O−1600クリヤーを使用した。
当該耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を、焼付炉で140℃X20分1回の加熱で焼付硬化させた。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度は10Pa・sであった。
当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時、当該耐チッピング塗料の粘度は、動的剪断粘弾性測定装置(TA Instruments Co., Ltd社製、ADVANCED RHEOMETER AR550)により測定した。
上記2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cmであった。
当該焼付硬化後の塗料層の仕上がり塗膜の外観試験を次の試験方法に従い行った。
試験方法
外観試験;外観を目視し、膨れ、光輝材配向の良否を調べた。その状態により、○:良好、△:やや劣る、×:劣る と表した。
その結果を表1に示す。
尚、耐チッピング性試験を次の試験方法で行ったが、耐チッピング性は良好であった。
耐チッピング性試験;ノズルとテストピ−スとの距離を350mmとなしたグラベロ試験機にて、20℃及び−20℃で、10〜15mmの大きさの砕石500gを490kPaの圧力で5回噴射した。その後、テストピ−スをJIS Z 2371に規定された塩水噴霧試験機中に168時間放置した。当該放置時間経過後に、テストピ−スを取り出し、その状態により、耐チッピング性を観察した。
又、塗膜の黄変も無かった。
実施例2
実施例1において
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径10μm 15重量部
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径3μm 12.5重量部
とした以外は実施例1と同様にして、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を1回の加熱で焼付硬化させた。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度は30Pa・sであった。又、上記2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cmであった。
当該複数の塗料層の仕上がり塗膜の外観試験を、実施例1と同様にして行った。
その結果を表1に示す。
尚、耐チッピング性も実施例1と同様に良好で、又、塗膜の黄変も無かった。
実施例3
実施例1において
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径10μm 23重量部
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径3μm 4.5重量部
とした以外は実施例1と同様にして、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を1回の加熱で焼付硬化させた。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度は9Pa・sであった。又、上記2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cmであった。
当該複数の塗料層の仕上がり塗膜の外観試験を、実施例1と同様にして行った。
その結果を表1に示す。
尚、耐チッピング性も実施例1と同様に良好で、又、塗膜の黄変も無かった。
比較例1
実施例1において
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径10μm 24重量部
ケイ酸マグネシウム顔料 平均粒径3μm 3.5重量部
とした以外は実施例1と同様にして、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を1回の加熱で焼付硬化させた。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度は7Pa・sであった。又、上記2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cmであった。
当該複数の塗料層の仕上がり塗膜の外観試験を、実施例1と同様にして行った。
その結果を表1に示す。
尚、耐チッピング性は実施例1と同様に良好で、又、塗膜の黄変も無かった。
比較例2
実施例1において、2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料のB液を構成する
トリレンジイソシアネ−ト(TDI)に代えて1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HDI)とした以外は、実施例1と同様にして、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を1回の加熱で焼付硬化させた。
当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度は10Pa・sであった。又、2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.003g/cmであった。
当該複数の塗料層の仕上がり塗膜の外観試験を実施例1と同様にして行った。
その結果を表1に示す。
尚、耐チッピング性は実施例1と同様に良好で、又、塗膜の黄変も無かった。































Figure 0005627995





























前記実施例及び比較例に従い、耐チッピング塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料(ベ−ス塗料及びクリヤ−塗料)をウエットオンウエットにより塗付形成した塗料層を1ベイクで加熱焼付硬化させたが、上記の表1に示すように、実施例1、実施例2及び実施例3では、その塗膜表面には、膨れ、光輝材配向の乱れが認められなかった。即ち、当該膨れ、光輝材配向の乱れの無い塗膜を得るには、表1に示すように、2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の当該耐チッピング塗料の粘度を9Pa・s以上とし、又、当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cm以下として当該1ベイク方式による加熱焼付硬化を行うことが良いことが判る。尚、当該1ベイク方式での加熱焼付硬化に際しては、耐チッピング性も良好で、又、塗膜の黄変も無いことは前記実施例に示す通りである。
これに対して、比較例1に示すように、当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の当該耐チッピング塗料の粘度が9Pa・s未満の7Pa・sであるときには、当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.002g/cmと実施例1と同様であっても、表1に示すように、塗膜に膨れを生じないが、光輝材配向に乱れを生じることが判る。又、比較例2に示すように、当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の当該耐チッピング塗料の粘度を10Pa・sと実施例1と同じにしたが、当該2液硬化型ポリウレタン系耐チッピング塗料の加熱焼付硬化時の硬化開始時点の溶剤含有量は0.003g/cmとすると、表1に示すように、光輝材配向に乱れを生じないが、塗膜に膨れを生じることが判る。
本発明は、自動車車体板金の他に、電着塗装が可能な金属・合金製品にも適用できる。

Claims (3)

  1. 自動車車体板金に電着塗膜を形成後、当該塗膜上に、少なくとも2液硬化型の耐チッピング塗料及び1種類以上の塗料からなる複数の塗料を、各々焼き付けることなく順次ウエットオンウエットにより塗付し、当該塗付により形成されたウエットオンウエット塗膜層を、1回の加熱で焼付硬化させて自動車車体板金に耐チッピング性塗膜を有してなる複数塗装塗膜を形成する方法であって、前記2液硬化型の耐チッピング塗料は、水酸基を有するポリオ−ル化合物を含有するA液と、非ブロック型イソシアネ−ト化合物を含有するB液とからなり、当該AB両液混合後に塗装して当該ポリオ−ル化合物と当該非ブロック型イソシアネ−ト化合物とを硬化反応させる2液硬化型の耐チッピング塗料であって、当該2液硬化型の耐チッピング塗料を塗付し、その直上に塗布される塗料の塗布時の、当該耐チッピング塗料の粘度を9Pa・s以上とし、当該2液硬化型の耐チッピング塗料の前記加熱焼付時の硬化開始時点の溶剤含有量を0.002g/cm以下としてなることを特徴とする自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
  2. 1種類以上の塗料が上塗り塗料を含有し、当該上塗り塗料が光輝材を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
  3. 水酸基を有するポリオ−ル化合物が、ポリエステルポリオ−ル又はポリエ−テルポリオ−ルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車車体の耐チッピング性複数塗装塗膜の形成方法。
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