JP6738848B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車車体に用いられる金属部材に対してもプラスチック部材に対しても優れた鮮映性を有する複層塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法に関する。
一般に、自動車車体は、ボディを形成する金属部材とバンパー等のプラスチック部材とを有する。
かかる自動車車体の塗装においては、従来、金属部材とプラスチック部材、それぞれの部材に適した別々の塗料及び別々の塗装工程で塗装し、その後、プラスチック部材を金属部材に装着するという工程が広く採用されている。
しかし近年、自動車車体の製造工程における設備コストの低減のためや、金属部材とプラスチック部材との色調を一致させるために、プラスチック部材を金属部材に装着した状態で塗装する方法が求められている。
例えば、特許文献1には、カチオン型電着塗料をあらかじめ塗装した金属部材とプラスチック部材とを組立てて自動車外板部とし、該両部材に、オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とから成る組成物をビヒクル主成分とする水性バリアーコートを塗装し、次いで必要に応じて中塗り塗料を塗装してから、上塗り塗料を塗装することを特徴とする自動車外板部の塗装方法が開示されている。
また、特許文献2には、電着塗装した金属部材とプラスチック部材とを組立一体化し、該両部材表面に、イソシアネート変性ポリブタジエン樹脂、数平均分子量が150〜50,000のポリオール成分、及び導電性フイラーを主成分とし、かつ静的ガラス転移温度が−100〜0℃の塗膜を形成しうる溶剤系塗料を塗装し、必要に応じて中塗塗装した後、上塗塗装することを特徴とする塗膜の形成法が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のいずれの塗装方法でも、得られる複層塗膜の低温環境下(−30℃)での耐衝撃性はまだ十分とは言いがたい。
低温環境下での物性確保については例えば特許文献3に、被塗物に電着塗膜、中塗塗膜、ベースコート塗膜、クリヤーコート塗膜が順次積層される複層塗膜形成方法であって、該クリヤーコート塗膜が−20℃における抗張力が60MPa以上、かつ破断伸び率が5%以上である複層塗膜形成方法が開示されている。
特開平4−122474号公報 特開平1−288372号公報 特開2011−020104号公報
しかしながら、自動車はその意匠性が非常に重要であり、塗装後の仕上がり品質、特に優れた鮮映性が求められているところ、特許文献1〜3では、形成された塗膜の鮮映性に関しては検討されておらず、その効果は不明であった。
本発明はこれらの点を考慮してなされたものであり、自動車車体に用いられる金属部材に対してもプラスチック部材に対しても、優れた鮮映性を有する複層塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の複層塗膜形成方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>〜<3>に関するものである。
<1>(1)金属部材及びプラスチック部材の少なくとも一方を含む自動車外板の表面に、プライマー塗料(P)を塗装して未硬化のプライマー塗膜を形成する工程、
(2)工程(1)で得られた未硬化のプライマー塗膜上に溶剤系第1着色塗料(X)を塗装して未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
(3)工程(2)で得られた未硬化の第1着色塗膜上に溶剤系第2着色塗料(Y)を塗装して未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
(4)工程(3)で得られた未硬化の第2着色塗膜上に溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、並びに
(5)工程(1)〜(4)で形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を75〜95℃に加熱することによって、これら塗膜を同時に硬化させる工程、
を順次行なう複層塗膜形成方法であって、前記溶剤系第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(I)を含有する2液型塗料組成物であり、前記溶剤系第2着色塗料(Y)が、水酸基含有樹脂(B)を含有する1液型塗料組成物であって、前記水酸基含有樹脂(A)の溶解性パラメーターδAと前記水酸基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターδBが、0.6<δA−δB<1.2の関係であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
<2>前記水酸基含有樹脂(A)の重量平均分子量が29,000〜47,000の範囲内である<1>に記載の複層塗膜形成方法。
<3>前記水酸基含有樹脂(B)の重量平均分子量が15,000〜40,000である<1>に記載の複層塗膜形成方法。
本発明の複層塗膜形成方法によれば、自動車車体に用いられる金属部材に対してもプラスチック部材に対しても、優れた鮮映性を有する複層塗膜を形成することができる。
また、本発明の複層塗膜形成方法によれば、フリップフロップ性に優れ、かつ、硬度が高い複層塗膜を形成することができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法についてさらに詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルを、(メタ)アクリロとはアクリロ又はメタクリロを意味する。
本発明の複層塗膜形成方法では、以下に記す工程(1)〜(5)を順次行なう。
なお、自動車外板とは、自動車の外表面を構成する部材であり、ルーフパネル、フェンダパネル等の他、フロントドア、リヤドア、ボンネット等の開閉部材を含む。
[工程(1)]
本発明の工程(1)においては、金属部材及びプラスチック部材の少なくとも一方を含む自動車外板の表面に、プライマー塗料(P)を塗装して未硬化のプライマー塗膜を形成する。
(金属部材及びプラスチック部材)
金属部材としては、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼及び亜鉛合金(例えば、Zn−Al、Zn−Ni及びZn−Fe等)メッキ鋼等が挙げられる。
上記金属部材はその表面に、リン酸塩処理、クロメート処理及び複合酸化物処理等の表面処理を施したものであってもよく、さらにその上に下塗り塗料による下塗り塗膜を形成したものであってもよい。下塗り塗料としては例えば電着塗料が挙げられ、そのなかでもカチオン性電着塗料が好ましい。
プラスチック部材としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン等の炭素数2〜10のオレフィン類の1種もしくは2種以上を(共)重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、それ以外に、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド等も挙げられる。
これらのプラスチック部材は、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダー等に用いられる。これらのプラスチック部材には、プライマー塗料(P)の塗装に先立ち、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理等を適宜行なっておくことができる。
本発明における被塗物は、上記両部材の少なくとも一方を含むものであり、上記両部材をそれぞれ少なくとも部分的に含有するようにその塗装面が構成されることが好ましい。これらを含有する形態、各含有比率は限定されものでない。しかし、好ましくは、該塗装面の20%以上を、金属部材が5〜95%、プラスチック部材が95〜5%占めるように構成される。
上記金属部材とプラスチック部材とは既知の方法により組み付けることができる。
(プライマー塗料(P))
プライマー塗料(P)は、主にプラスチック部材及び金属部材の少なくとも一方の上に積層される着色塗料の密着性を付与することを目的として使用される水性塗料であることが望ましい。
プライマー塗料(P)としては、例えば、塩素化されていてもよい水性ポリオレフィン系樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂等の基体樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂等の架橋剤及び水等を主成分とし、これにさらに必要に応じてレオロジーコントロール剤、有機溶剤、着色顔料、体質顔料、導電顔料、防食顔料、顔料分散剤、可塑剤等、通常、塗料の分野で用いられる塗料用添加剤を含有させたものを挙げることができる。これらの塗料用添加剤はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
プライマー塗膜は、プライマー塗料(P)を上記被塗物上に、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により塗装することにより得られ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。これらのうち、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等の方法が好ましい。
プライマー塗料(P)の塗布量は、加熱硬化膜厚が2〜15μmの範囲内となる量が好ましく、5〜10μmの範囲内となる量であることが特に好ましい。
得られたプライマー塗膜は、必要に応じて、例えば、約50〜約90℃の温度で1〜60分間程度、プレヒート、エアブロー等を行ってもよい。
[工程(2)]
本発明の工程(2)においては、工程(1)で得られた未硬化のプライマー塗膜上に溶剤系第1着色塗料(X)を塗装して未硬化の第1着色塗膜を形成する。
<溶剤系第1着色塗料(X)>
溶剤系第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(I)を含有する2液型塗料組成物である。なお、溶剤系第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(I)を含有する硬化剤からなる。溶剤系第1着色塗料(X)には、上記主剤と上記硬化剤とを混合していない状態のものも、これらを混合した状態のものも含まれる。
また、溶剤系塗料とは、水性塗料と対比される用語であって、溶媒として実質的に水を含有しない塗料である。
(水酸基含有樹脂(A))
水酸基含有樹脂(A)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する樹脂である。水酸基含有樹脂(A)としては、例えば、水酸基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも水酸基含有樹脂(A)は、塗膜硬度と耐候性の観点から、水酸基含有アクリル樹脂及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好ましい。
水酸基含有樹脂(A)は、後述するポリイソシアネート化合物(I)との反応性の観点から、30〜300mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが特に好ましい。
なお、本明細書において樹脂の水酸基価(mgKOH/g)とは、樹脂1g中に含まれる水酸基の量を、水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
水酸基含有樹脂(A)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、20mgKOH/g以下の範囲内の酸価を有することが好ましく、1〜15mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが特に好ましい。
なお、本明細書において樹脂の酸価(mgKOH/g)とは、樹脂1gが含有するプロトン酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量をmgで表したときの数値であり、測定はJIS K−2501−2003に基づいて行う事が出来る。
水酸基含有樹脂(A)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、好ましくは29,000〜47,000の範囲内、特に好ましくは29,000〜45,000の範囲内、さらに特に好ましくは29,000〜40,000の範囲内の重量平均分子量を有する。
なお、本明細書において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel GMHHR−L」(商品名、東ソー社製)を1本使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウムとリン酸をそれぞれ10mM含む)、測定温度:25℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
水酸基含有樹脂(A)の溶解性パラメーターδAは、得られる塗膜の鮮映性の観点から好ましくは10.5〜11.0、より好ましくは10.5〜10.7である。
本明細書において、水酸基含有樹脂の「溶解性パラメーター値」(SP値)は、液体分子の分子間相互作用の尺度を表すものであり、以下の方法により算出することができる。
少なくとも2種の重合性単量体の共重合により得られる水酸基含有樹脂の溶解性パラメーター値(SP値)は、下記式により計算して求めることができる。
SP値=SP1×fW1+SP2×fW2+・・・・+SPn×fWn
上記式中、SP1、SP2、・・・・SPnは各重合性単量体のホモポリマーのSP値を表し、fW1、fW2、・・・fWnは各単量体の単量体の総量に対する重量分率を表す。重合性単量体のホモポリマーのSP値はJ.PaintTechnology,vol42,176(1970)に記載されている。
水酸基含有樹脂(A)の配合量(固形分)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、溶剤系第1着色塗料(X)の固形分合計100質量部を基準にして、好ましくは18〜30質量部の範囲内、より好ましくは20〜25質量部の範囲内である。
水酸基含有アクリル樹脂は、通常、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーの共重合体である。共重合体を得る方法は、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法等が挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であって、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシチル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8(好ましくは2〜4)の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、本発明においては、後述する2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマーは、水酸基含有重合性不飽和モノマーではなく、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーに包含される。
また、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩、アンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基を有する重合性不飽和モノマー化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、後述するポリイソシアネート化合物(I)との反応性の観点から、30〜300mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが特に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、20mgKOH/g以下の範囲内の酸価を有することが好ましく、1〜15mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが特に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、29,000〜47,000の範囲内の重量平均分子量、特に29,000〜45,000の範囲内の重量平均分子量、さらに特に29,000〜40,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂の溶解性パラメーターδAは、得られる塗膜の鮮映性の観点から好ましくは10.5〜11.0、より好ましくは10.5〜10.7である。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、通常、多塩基酸及び多価アルコールをそれ自体既知の方法で、水酸基過剰でエステル化反応せしめることによって得ることができる。
上記多塩基酸としては、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。かかる酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を挙げることができる。
上記脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物である。
脂肪族多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;該脂肪族多価カルボン酸の無水物;該脂肪族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記脂肪族多塩基酸は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸としては、得られる塗膜の平滑性、鮮映性等の観点から、アジピン酸及び/又はアジピン酸無水物を用いることが特に好ましい。
前記脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造と2個以上のカルボキシル基とを有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。脂環式構造は、主として4〜6員環構造である。
脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;該脂環族多価カルボン酸の無水物;該脂環族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記脂環族多塩基酸は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂環族多塩基酸としては、得られる塗膜の平滑性、鮮映性等の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等を用いることが好ましく、なかでも、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を用いることがより好ましい。
前記芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;該芳香族多価カルボン酸の無水物;該芳香族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記芳香族多塩基酸は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記芳香族多塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、及び無水トリメリット酸等を使用することが好ましい。
また、前記アルキド樹脂の製造に用いられる脂肪酸成分としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、10−フェニルオクタデカン酸等のモノカルボン酸;乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、油脂としては、上記脂肪酸等のグリセリンエステル化物等を挙げることができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジメチロールプロピオン酸等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;グリセリンの脂肪酸エステル化物等が挙げられる。
前記モノアルコールとしては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール等を挙げることができる。
その他のアルコール成分として、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、「カージュラE10」(商品名、Momentive Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等のモノエポキシ化合物と酸とを反応させて得られたアルコール化合物も用いることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って実施することができる。例えば、前記多塩基酸とアルコール成分とを、窒素気流中、150〜250℃程度で、5〜10時間程度加熱し、該多塩基酸とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応を行なう方法により、水酸基含有ポリエステル樹脂を製造することができる。
上記多塩基酸とアルコール成分とをエステル化反応又はエステル交換反応させる際には、反応容器中に、これらを一度に添加してもよいし、一方又は両者を、数回に分けて添加してもよい。また、まず、水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、得られた水酸基含有ポリエステル樹脂に酸無水物を反応させてハーフエステル化させてカルボキシル基及び水酸基含有ポリエステル樹脂とし、さらに上記アルコール成分を付加させて水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるための触媒として、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のそれ自体既知の触媒を使用することができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂は、該樹脂の調製中又は調製後にポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等、3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体;これらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水等との付加物;これらの各有機ポリイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の耐水性の観点から、好ましくは30〜300mgKOH/gの範囲内、より好ましくは40〜250mgKOH/gの範囲内、特に好ましくは50〜200mgKOH/gの範囲内である。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、好ましくは29,000〜47,000の範囲内、特に好ましくは29,000〜45,000の範囲内、さらに特に好ましくは29,000〜40,000の範囲内である。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価は、塗料組成物の貯蔵安定性の観点から、好ましくは0〜10mgKOH/gの範囲内、より好ましくは0〜5mgKOH/gの範囲内である。
水酸基含有ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδAは、得られる塗膜の鮮映性の観点から好ましくは10.5〜11.0、より好ましくは10.5〜10.7である。
(ポリイソシアネート化合物(I))
ポリイソシアネート化合物(I)は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、イソシアネート基はブロック剤でブロックされていない。
具体的には、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなポリイソシアネートには、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物及びその粗製物、これらのポリイソシアネート化合物の変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
上記脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ビフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ポリイソシアネート化合物(I)の変性物には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物;及びこれらの2種以上の混合物[例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が含まれる。これらの中でも、イソシアヌレート変性HDI等が好ましい。
上記のポリイソシアネート化合物(I)として好ましいものは、耐薬品性や防食性の面から、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物である。ポリイソシアネート化合物(I)の数平均分子量は、3,000以下が好ましく、特に100〜1,500の範囲内に含まれていることが好ましい。
このようなポリイソシアネート化合物(I)の市販品としては、Bayhydur(バイヒジュール) TP−LS2550、スミジュールN3300(以上、住化バイエルウレタン株式会社製)、TPA100(旭化成ケミカルズ株式会社製)、BASONAT(バソナート) HI100(BASF株式会社製)等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(I)の配合量は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、水酸基含有樹脂(A)の固形分合計100質量部を基準にして、好ましくは60〜90質量部の範囲内、より好ましくは65〜85質量部の範囲内である。
ポリイソシアネート化合物(I)の配合量は、この中に含まれるイソシアネート基(NCO)が、上記水酸基含有樹脂(A)中の水酸基(OH)に対して、NCO/OHの当量比で、通常、1.0〜2.5の範囲内であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲内となるように選択されることが適当である。
また、溶剤系第1着色塗料(X)は、さらに、顔料を含有することが好ましい。該顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
溶剤系第1着色塗料(X)が、前記顔料を含有する場合、顔料の合計配合量は、溶剤系第1着色塗料(X)中の、合計樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1〜170質量部の範囲内であることが好ましく、5〜165質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜160質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料及びジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。なかでも、酸化チタン及びカーボンブラックが好ましい。
溶剤系第1着色塗料(X)が前記着色顔料を含有する場合、着色顔料の配合量は、溶剤系第1着色塗料(X)中の合計樹脂固形分100質量部を基準として、通常1〜180質量部の範囲内であることが好ましく、3〜160質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜140質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
また、前記体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ及びアルミナホワイト等が挙げられる。
溶剤系第1着色塗料(X)が前記体質顔料を含有する場合、体質顔料の配合量は、溶剤系第1着色塗料(X)中の合計樹脂固形分100質量部を基準として、通常1〜150質量部の範囲内であることが好ましく、5〜130質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜110質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
また、前記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク及びホログラム顔料等を挙げることができる。これらの光輝性顔料は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。アルミニウム顔料には、ノンリーフィング型アルミニウムとリーフィング型アルミニウムがあるが、いずれも使用できる。
溶剤系第1着色塗料(X)が前記光輝性顔料を含有する場合、光輝性顔料の配合量は、溶剤系第1着色塗料(X)中の合計樹脂固形分100質量部を基準として、通常1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、2〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、3〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
溶剤系第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(I)を必須の樹脂成分として含有し、さらに必要に応じて上述の顔料や、他の樹脂成分、有機溶剤、増粘剤、沈降防止剤、硬化触媒、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、消泡剤、可塑剤等を含有するものであり、これらを有機溶剤中に溶解ないし分散させて塗料化することができる。
以上に述べた溶剤系第1着色塗料(X)は、工程(1)で得られた未硬化のプライマー塗膜上に、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー及び回転霧化塗装機等により塗装することができる。塗装の際、静電印加を行ってもよい。なかでも、エアスプレーによる静電塗装及び回転霧化塗装機による静電塗装が好ましく、回転霧化塗装機による静電塗装が特に好ましい。
溶剤系第1着色塗料(X)の塗装膜厚は、硬化膜厚で、通常10〜100μmの範囲内であることが好ましく、10〜50μmの範囲内であることがより好ましく、15〜35μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明に係る複層塗膜形成方法は、前記予備加熱を行なわなくても、優れた鮮映性を有する複層塗膜を形成できるという利点を有する。
本明細書において、硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。一方、未硬化塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態をも含むものである。
[工程(3)]
本発明の工程(3)においては、上記工程(2)で得られた未硬化の第1着色塗膜上に溶剤系第2着色塗料(Y)を塗装して未硬化の第2着色塗膜を形成する。
<溶剤系第2着色塗料(Y)>
溶剤系第2着色塗料(Y)は、水酸基含有樹脂(B)を含有する1液型塗料組成物であり、一般に被塗物に優れた外観を付与することを目的として使用される塗料である。
(水酸基含有樹脂(B))
水酸基含有樹脂(B)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する樹脂である。水酸基含有樹脂(B)としては、例えば、水酸基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも水酸基含有樹脂(B)は、塗膜硬度と耐候性の観点から、水酸基含有アクリル樹脂及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好ましい。
水酸基含有樹脂(B)は、得られる塗膜の耐水性の観点から、30〜300mgKOH/g範囲内の水酸基価を有することが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが特に好ましい。
水酸基含有樹脂(B)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、20mgKOH/g以下の範囲内の酸価を有することが好ましく、1〜15mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが特に好ましい。
水酸基含有樹脂(B)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、15,000〜40,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましく、16,000〜35,000の範囲内の重量平均分子量を有することが特に好ましい。
水酸基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターδBは、得られる塗膜の鮮映性の観点から9.0〜10が好ましく、より好ましくは9.2〜9.9である。
水酸基含有樹脂(B)の配合量(固形分)は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、溶剤系第1着色塗料(Y)の固形分合計100質量部を基準にして、好ましくは40〜97質量部の範囲内、より好ましくは50〜90質量部の範囲内である。
水酸基含有アクリル樹脂は、前記水酸基含有アクリル樹脂で記載した方法及びモノマーを用いて得ることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の耐水性の観点から、30〜300mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが特に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、20mgKOH/g以下の範囲内の酸価を有することが好ましく、1〜15mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが特に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、25,000〜40,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましく、26,000〜33,000の範囲内の重量平均分子量を有することが特に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂の溶解性パラメーターδBは、得られる塗膜の鮮映性の観点から9.0〜10が好ましく、より好ましくは9.2〜9.9である。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、前記水酸基含有ポリエステル樹脂で記載した方法及びモノマーを用いて得ることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の耐水性の観点から、好ましくは30〜300mgKOH/gの範囲内、より好ましくは40〜250mgKOH/gの範囲内、特に好ましくは50〜200mgKOH/gの範囲内である。
水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、得られる塗膜の鮮映性の観点から、15,000〜20,000の範囲内が好ましく、15,000〜18,000の範囲内が特に好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価は、塗料組成物の貯蔵安定性の観点から、0〜10mgKOH/gの範囲内が好ましく、0〜5mgKOH/gの範囲内がより好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδBは、得られる塗膜の鮮映性の観点から9.0〜10が好ましく、より好ましくは9.2〜9.9である。
溶剤系第2着色塗料(Y)は、硬化剤を含有することができる。該硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物及びカルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。
溶剤系第2着色塗料(Y)は、水酸基含有樹脂(B)を必須の樹脂成分として含有し、さらに必要に応じて顔料、他の樹脂成分、有機溶剤、増粘剤、沈降防止剤、硬化触媒、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、消泡剤、可塑剤等を含有するものであり、これらを水性媒体中に溶解ないし分散させて塗料化することができる。
前記顔料としては、着色顔料、光輝性顔料等を使用することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン(アンスラキノン)系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等を挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。光輝性顔料は鱗片状であることが好ましい。
溶剤系第2着色塗料(Y)は、未硬化の第1着色塗膜上に、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。これらのうち、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等の方法が好ましい。
溶剤系第2着色塗料(Y)の塗布量は、得られる複層塗膜の鮮映性等の観点から、硬化膜厚が6〜20μm範囲内となる量が好ましく、8〜15μmの範囲内となる量がより好ましい。特に、水性第2着色塗料(Y)が光輝性顔料を含む場合には、上記範囲内となる塗布量であれば、第2着色塗膜中での光輝性顔料が配向して、キラキラとした光輝感や光干渉感を持った優れた意匠性を持つ外観を得ることができる。
また、水酸基含有樹脂(A)の溶解性パラメーターδAと溶剤系第2着色塗料(Y)に含有される水酸基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターδBは0.6<δA−δB<1.2の関係であり、好ましくは0.6<δA−δB≦1.1の関係である。
δA−δBが0.6を超える値であれば、溶剤系第1着色塗料(X)中の水酸基含有樹脂(A)及び溶剤系第2着色塗料(Y)中の水酸基含有樹脂(B)が混じり合うことを抑制できるので、鮮映性、フリップフロップ(FF)性及び硬度に優れた塗膜が得られる。
また、δA−δBが1.2未満であれば、以下の工程(4)において、第2着色塗膜上に溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)が均一に濡れ広がり、第2着色塗膜全面においてクリヤー塗膜を形成することができる。
[工程(4)]
本発明の工程(4)においては、上記工程(3)で得られた未硬化の第2着色塗膜上に溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する。
(溶剤系2液型クリヤー塗料(Z))
溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)としては、自動車車体等の塗装用として公知の溶剤系かつ2液型の熱硬化性クリヤー塗料組成物をいずれも使用できる。該熱硬化性クリヤー塗料組成物としては、例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂及び架橋剤を含有する有機溶剤型熱硬化性塗料組成物等を挙げることができる。
前記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基及びシラノール基等を挙げることができる。
基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びフッ素樹脂等を挙げることができる。
前記架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルボキシル基含有化合物、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂及びエポキシ基含有化合物等を挙げることができる。
溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)の基体樹脂/架橋剤の組み合わせとしては、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物等が好ましい。
また、上記溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に、着色顔料、光輝性顔料及び染料等を含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤及び表面調整剤等を適宜含有させることができる。
溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)は、第2着色塗膜上に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー及び回転霧化塗装機等により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。
溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)による塗装の膜厚は、硬化膜厚で、通常10〜80μmの範囲内とすることが好ましく、15〜70μmの範囲内とすることがより好ましく、20〜60μmの範囲内とすることがさらに好ましい。
また、溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)の塗装後は、必要に応じて、室温で1〜60分間のインターバルをおいたり、40〜80℃で1〜60分間程度プレヒートしたりすることが好ましい。
[工程(5)]
本発明の複層塗膜形成方法の工程(5)においては、上記工程(1)〜(4)で形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を、75〜95℃、好ましくは80〜90℃に加熱することによってこれらを同時に硬化させる。
加熱温度が75℃以上であることにより、優れた硬度を持つ複層塗膜を得ることができ、加熱温度が95℃以下であることにより、優れた鮮映性持つ複層塗膜を得ることができる。
前記プライマー塗膜、第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の硬化は、通常の塗膜の焼付け手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱及び高周波加熱等により、行うことができる。
また加熱時間は、10〜60分間が好ましく、15〜40分間がより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ、「質量部」及び「質量%」を示す。
[試験板の作製]
金属部材として、リン酸亜鉛処理された冷延鋼板(450mm×300mm×0.8mm)に、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料組成物(商品名「エレクロンGT−10」、関西ペイント社製)を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で30分加熱して硬化させたものを用意した。
プラスチック部材として、厚さ2mmのポリプロピレン板(350mm×10mm×2mm)を用意した。
そして、上記で用意した金属部材及びプラスチック部材の表面を、石油ベンジンを含ませたガーゼで拭いて脱脂処理し、それらを隣接配置して、試験板とした。
[水酸基含有樹脂(A)及び(B)の製造]
(製造例1)
撹拌装置、温度計、還流冷却器、サーモスタット及び滴下用ポンプを備えた反応容器に、キシレン60部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、撹拌しながら145℃まで昇温し、
メチルメタクリレート 52部、
エチルアクリレート 22部、
メトキシエチルアクリレート 10部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15部及び、
アクリル酸 1部
上記単量体と重合開始剤との混合物を反応容器中へ、滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。その後2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部及びキシレン10部の混合物を1時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成し反応を終了し、水酸基含有アクリル樹脂(A−1)の溶液を得た。
得られた水酸基含有アクリル樹脂(A−1)の溶液は、固形分含有率50%の均一な透明溶液であった。また、水酸基含有アクリル樹脂(A−1)の溶解性パラメーターδAは10.6、重量平均分子量は29,000、水酸基価は65mgKOH/gであった。
(製造例2〜5)
上記製造例1において、モノマー組成を表1に記載のものとした以外は製造例1と同様にして水酸基含有樹脂(A−2)〜(A−5)を得た。水酸基含有樹脂(A−2)〜(A−5)の溶解性パラメーターδA、重量平均分子量、及び水酸基価は表1に示すとおりであった。
(製造例6〜10)
上記製造例1において、モノマー組成を表2に記載のものとした以外は製造例1と同様にして水酸基含有樹脂(B−1)〜(B−5)を得た。水酸基含有樹脂(B−1)〜(B−5)の溶解性パラメーターδB、重量平均分子量、及び水酸基価は表2に示すとおりであった。
なお、上記で得られた水酸基含有樹脂(A−1)〜(A−5)及び水酸基含有樹脂(B−1)〜(B−5)は、「水酸基含有アクリル樹脂」である。
Figure 0006738848
Figure 0006738848
[溶剤系第1着色塗料(X)の製造]
(製造例11)
固形分50%の水酸基含有樹脂(A−1)溶液10.6部(固形分)、固形分60%の水酸基含有ポリエステル樹脂(A−6)(水酸基価:105、溶解性パラメーター値:10.6)溶液2.6部(固形分)、「スミジュールN3300」(商品名、住化コベストロウレタン社製、ポリイソシアネート化合物)9.5部(固形分)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料)28.3部(固形分)、「MA−100」(商品名、三菱ケミカル社製、カーボンブラック)0.2部、「バリファインBF−20」(商品名、堺化学工業社製、平均粒子径0.03μmの硫酸バリウム)7.4部を均一に混合した。
さらに、アネスト岩田社製「粘度カップ NK−2」で測定した20℃での粘度が20±1秒となるように、酢酸ブチルにて固形分含有率を調整し溶剤系第1着色塗料(X−1)を得た。
(製造例12〜15)
上記製造例11において、モノマー組成を表3に記載のものとした以外は製造例11と同様にして溶剤系第1着色塗料(X−2)〜(X−5)を得た。
Figure 0006738848
[溶剤系第2着色塗料(Y)の製造]
(製造例16)
固形分50%の水酸基含有アクリル樹脂(B−1)溶液21.6部(固形分)、固形分70%の水酸基含有ポリエステル樹脂(B−6)(水酸基価:60、溶解性パラメーター値:9.9)溶液4.5部(固形分)、「GX180A」(商品名、旭化成社製、アルミニウムペースト)5.4部(固形分)、「バリファインBF−20」(商品名、堺化学工業社製、平均粒子径0.03μmの硫酸バリウム、体質顔料)3.1部を均一に混合した。
さらに、アネスト岩田社製「粘度カップ NK−2」で測定した20℃での粘度が10±1秒となるように、酢酸ブチルにて固形分含有率を調整し溶剤系第2着色塗料(Y−1)を得た。
(製造例17〜20)
上記製造例11において、モノマー組成を表4に記載のものとした以外は製造例16と同様にして溶剤系第2着色塗料(Y−2)〜(Y−5)を得た。
た。
Figure 0006738848
[試験塗板の作製]
(実施例1)
上記で得られた試験板に、水性プライマー塗料「ソフレックス3100」(商品名、関西ペイント社製)を硬化膜厚10μmになるようにスプレー塗装し、室温で6分間静置してから、上記で製造した溶剤系第1着色塗料(X−1)を硬化膜厚20μmになるように静電塗装し、室温で6分間静置し、さらに上記で製造した溶剤系第2着色塗料(Y−1)を硬化膜厚10μmになるように静電塗装した。
次に、溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)「ソフレックス7500」(商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚35μmになるように静電塗装し、室温で5分間放置してから、85℃のオーブンで30分間加熱して複層塗膜が形成された試験塗板を得た。
得られた複層塗膜について、以下に記す各種塗膜性能試験を行った。結果を表5に示す。
(実施例2〜5及び比較例1〜4)
実施例1において、溶剤系第1着色塗料(X)、溶剤系第2着色塗料(Y)及び焼付け温度を表5に示すものとした以外は実施例1と同様にして、複層塗膜が形成された試験塗板を得た。得られた各複層塗膜について、以下に記す各種塗膜性能試験を行った。
なお、比較例2においては、溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)「ソフレックス7500」(商品名、関西ペイント社製)が塗膜上に均一に濡れ広がらず、塗膜全面においてクリヤー塗膜を形成することができなかったため、各種塗膜性能試験は行わなかった。結果を表5に示す。
[塗膜性能試験]
(鮮映性)
上記で得られた各試験塗板について、DOI(Determination of image clarity)測定装置「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)によってWb値を測定した。
Wb値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。Wb値は小さいほどよく、少なくとも、20未満という条件を満たす必要がある。
(フリップフロップ(FF)性)
上記で得られた各試験塗板について、レーザー式メタリック感測定装置「アルコープLMR−200」(商品名、関西ペイント社製)を用いて、受光角15°のY値であるa及び受光角110°のY値であるbを測定し、下記の式によってFF値を求めた。
FF値=(a−b)/[(a+b)/2]
FF値が大きいほど観察角度(受光角)によるY値(明度)の変化が大きく、フリップフロップ性に優れていることを示す。なお、FF値の上限は2.00である。
(鉛筆硬度)
JIS K 5600−5−4(1999)「引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して、上記で得られた各試験塗板の塗面の鉛筆硬度を測定した。
鉛筆硬度がF又はHであれば、硬度が良好である。
Figure 0006738848
表5から分かるとおり、実施例1〜5の試験塗板は、鮮映性、フリップフロップ(FF)性及び硬度に優れたものであった。
一方、δA−δBが0.5である比較例1の試験塗板は、鮮映性及びフリップフロップ(FF)性が実施例1〜5の試験塗板より劣っていた。
また、δA−δBが1.4である比較例2では、溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)「ソフレックス7500」(商品名、関西ペイント社製)が塗膜上に均一に濡れ広がらず、塗膜全面においてクリヤー塗膜を形成することができなかったため、各種塗膜性能試験は行わなかった。
さらに、塗膜の加熱温度が60℃であった比較例3の試験塗板は、フリップフロップ(FF)性及び硬度が実施例1〜5の試験塗板より劣っていた。
また、塗膜の加熱温度が110℃であった比較例4の試験塗板は、鮮映性が実施例1〜5の試験塗板より劣っていた。

Claims (3)

  1. (1)金属部材及びプラスチック部材の少なくとも一方を含む自動車外板の表面に、プライマー塗料(P)を塗装して未硬化のプライマー塗膜を形成する工程、
    (2)工程(1)で得られた未硬化のプライマー塗膜上に溶剤系第1着色塗料(X)を塗装して未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
    (3)工程(2)で得られた未硬化の第1着色塗膜上に溶剤系第2着色塗料(Y)を塗装して未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
    (4)工程(3)で得られた未硬化の第2着色塗膜上に溶剤系2液型クリヤー塗料(Z)を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、並びに
    (5)工程(1)〜(4)で形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を75〜95℃に加熱することによって、これら塗膜を同時に硬化させる工程、
    を順次行なう複層塗膜形成方法であって、
    前記溶剤系第1着色塗料(X)が、水酸基含有アクリル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(I)を含有する2液型塗料組成物であり、
    前記溶剤系第2着色塗料(Y)が、水酸基含有アクリル樹脂(B)を含有する1液型塗料組成物であって、
    前記水酸基含有アクリル樹脂(A)の溶解性パラメーターδAと前記水酸基含有アクリル樹脂(B)の溶解性パラメーターδBが、0.6<δA−δB<1.2の関係であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 前記水酸基含有アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が29,000〜47,000の範囲内である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記水酸基含有アクリル樹脂(B)の重量平均分子量が15,000〜40,000である請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
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