JP7246489B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Description
[1]
プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗装して、未硬化の中塗り塗膜を形成する、中塗り塗膜形成工程、
得られた未硬化の中塗り塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、
を包含する、複層塗膜形成方法であって、
上記プライマー塗料組成物は塗膜形成樹脂を含み、上記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して5質量%以上、
含む、
複層塗膜形成方法。
[2]
プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、
を包含する、複層塗膜形成方法であって、
前記プライマー塗料組成物は塗膜形成樹脂を含み、前記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して5質量%以上、
含む、
複層塗膜形成方法。
[3]
上記ポリエステル樹脂(C)の含有量は、プライマー塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上70質量%以下である、上記[1]または[2]に記載の複層塗膜形成方法。
[4]
上記硬化工程における加熱温度が、70~150℃の範囲内である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[5]
上記ポリエステル樹脂(C)は、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[6]
上記ポリエステル樹脂(C)は、
ガラス転移温度が-50~20℃の範囲内であり、
酸価が1~50mgKOH/gの範囲内であり、および
水酸基価が10~200mgKOH/gの範囲内である、
上記[1]~[5]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[7]
上記プライマー塗料組成物は、導電性顔料(D)をさらに含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[8]
上記プライマー塗料組成物中に含まれるポリエステル樹脂(C)の、上記ポリオレフィン樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)の樹脂固形分質量総量に対する質量比は、(C):((A)+(B))=1:0.4~1:4.5の範囲内である、
上記[1]~[7]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[9]
上記被塗物は、鋼板部および樹脂部を含む、上記[1]~[8]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[10]
上記プライマー塗料組成物が溶剤系プライマー塗料組成物である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の複層塗膜形成方法。
[11]
塗膜形成樹脂を含むプライマー塗料組成物であって、上記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上70質量%以下、含み、
上記ポリエステル樹脂(C)は、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物である、
プライマー塗料組成物。
[12]
上記プライマー塗料組成物は、導電性顔料(D)をさらに含む、上記[11]に記載のプライマー塗料組成物。
プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗装して、未硬化の中塗り塗膜を形成する、中塗り塗膜形成工程、
得られた未硬化の中塗り塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、
を包含する。
プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、
を包含する。
以下、各工程で用いられる塗料組成物について記載する。
上記複層塗膜形成方法において用いられるプライマー塗料組成物は、塗膜形成樹脂を含む。そしてこの塗膜形成樹脂は、ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、およびポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して5質量%以上、含むことを特徴とする。
上記ポリオレフィン樹脂(A)は、塗膜形成樹脂の1種である。塗膜形成樹脂としてポリオレフィン樹脂(A)が含まれることによって、被塗物の特に樹脂部に対する密着性が向上する。ポリオレフィン樹脂として、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテン、イソプレンなどから選択される少なくとも1種のオレフィン類のラジカル単独重合体または共重合体、および上記オレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどとのラジカル共重合体などが挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂(B)は、塗膜形成樹脂の1種である。塗膜形成樹脂としてポリウレタン樹脂(B)が含まれることによって、プライマー塗膜の耐溶剤性が良好となる利点がある。ポリウレタン樹脂(B)は、例えば、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、分子内に活性水素基を有する化合物を反応させることによって調製することができる。
ポリエステル樹脂(C)は、塗膜形成樹脂の1種である。塗膜形成樹脂としてポリエステル樹脂(C)が含まれることによって、上記ポリオレフィン(A)およびポリウレタン樹脂(B)の相溶性が向上し、得られるプライマー塗料組成物の安定性が向上する。
δ=(Vml 1/2δml+Vmh 1/2δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)
Vm=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
δm=φ1δ1+φ2δ2
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
上記プライマー塗料組成物は、導電性顔料(D)をさらに含むのが好ましい。導電性顔料(D)は、プライマー塗膜に導電性を付与することができる限り、特に制限されない。導電性顔料(D)として、粒子状、フレーク状、ファイバー(ウィスカー含む)状などのいずれの形状のものでも使用することができる。導電性顔料(D)の具体的として、例えば、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイルなどの導電性カーボン;銀、ニッケル、銅、グラファイト、アルミニウムなどの金属粉;が挙げられる。さらに、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫および/またはアンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモンなどの導電性金属酸化物を被覆した顔料などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種またはそれ以上を組合せて用いてもよい。導電性顔料(D)として、性能および価格の面から、導電性カーボンを好適に用いることができる。
中塗り塗料組成物により、中塗り塗膜が形成される。中塗り塗膜は、任意に設けられる。
上記複層塗膜形成方法で用いられる中塗り塗料組成物として、塗料分野において通常用いられる中塗り塗料組成物を用いることができる。中塗り塗料組成物は、水性中塗り塗料組成物であってもよく、溶剤型中塗り塗料組成物であってもよい。
水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、水酸基含有α,β-エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を共重合することによって得ることができる。
ポリイソシアネート硬化剤およびメラミン硬化剤は、水酸基含有樹脂と架橋反応し、塗膜を形成する化合物である。ポリイソシアネート硬化剤およびメラミン硬化剤は、通常、塗料の硬化剤として用いられるものである限り、特に限定されない。代表的なポリイソシアネート硬化剤としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート(特に脂肪族ジイソシアネート);1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,2-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチルなどの脂環式ポリイソシアネート(特に脂環式ジイソシアネート);キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;およびこれらから誘導されるイソシアヌレート化合物、ウレトジオン化合物、ウレタン化合物、アロファナート化合物、ビュレット化合物、トリメチロールプロパンとの付加物;などが挙げられる。ポリイソシアネート硬化剤として、市販品を用いてもよい。
上記複層塗膜形成方法では、塗料分野において通常用いられるベース塗料組成物を用いることができる。ベース塗料組成物は、水性であってもよく、溶剤型であってもよい。
上記複層塗膜形成方法において、通常用いられるクリヤー塗料組成物を用いることができる。クリヤー塗料組成物として、具体的には、ポリエポキシドとポリ酸とを含む酸エポキシ硬化系クリヤー塗料組成物、および、水酸基含有樹脂とイソシアネート化合物とを含むウレタンクリヤー塗料組成物などが挙げられる。
上記プライマー塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を用いることによって、複層塗膜を形成することができる。複層塗膜形成方法は、下記工程:
プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、
を包含する。
上記複層塗膜形成方法における被塗物として、例えば、各種鋼板、各種樹脂、そして鋼板部および樹脂部を含む基材などが挙げられる。鋼板として、例えば、鉄、鋼、ステンレス、アルミニウム、銅、亜鉛、スズなどの金属およびこれらの合金などが挙げられる。樹脂として、例えば、ポリエチレン樹脂、EVA樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂など)、塩化ビニル樹脂、スチロール樹脂、ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹脂などを含む)、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド(PPO)などが挙げられる。これらの被塗物は、立体形状を有していてもよい。
硬化工程では、上記プライマー塗装、中塗り塗装、ベース塗装およびクリヤー塗装で形成された塗膜を同時に加熱し硬化させる。硬化工程における加熱温度は、被塗物および塗料組成物の組成に応じて適宜選択することができ、例えば70℃以上150℃以下であってよい。加熱時間は被塗物の形状および加熱温度に応じて任意に設定することができる。加熱時間は、例えば10分以上40分以下であるのが好ましい。
攪拌機を備えたステンレス容器に、ポリウレタン樹脂(B)(三洋化成工業社製「NBC300」、不揮発分30%)14.76部、カーボンブラック顔料(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「ケッチェンブラックEC-600JD」)0.86部、酸化チタン顔料(石原産業社製「TIPAQUE CR-95」)18.87部、芳香族炭化水素系溶剤(エクソン社製「ソルベッソ100」)26.19部、イソプロピルアルコール11.80部、イソブチルアルコール7.86部、およびメチルエチルケトン19.66部を、攪拌しながら順次加えて混合した。この混合物を分散機(WILL A.Bachofen Ag Maschinenfabrik社製「DYNO-MILL」)に移して、顔料を分散させ、分散混合物を得た。得られた分散混合物48.50部を、攪拌機を備えたステンレス容器に移した。次いで、ポリウレタン樹脂(B)(三洋化成工業社製「NBC300」、不揮発分30%)16.80部、ポリエステル樹脂(C1)(大日本インキ化学工業社製「ベッコライト46-118」、不揮発分60%)6.00部、およびポリオレフィン樹脂(A)(日本製紙社製「スーパークロン930」、不揮発分20%)18.00部を加えた。さらに、これに、トルエン3.6部、メチルエチルケトン7.1部を加えて混合し、プライマー塗料組成物(1)を得た。
各成分の種類および量を、以下の表に示されるように変更したこと以外は、製造例1-1と同様の手順により、プライマー塗料組成物(2)~(32)を調製した。
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水2,000部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。
別途、スチレン103部、メタクリル酸n-ブチル290部、アクリル酸n-ブチル280部、アクリル酸ヒドロキシエチル302部、アクリル酸26部、ドデシルメルカプタン3部および乳化剤としてのラテムルPD-104(花王社製、20%水溶液)100部を、脱イオン水1,000部に加えて、乳化させ、プレエマルションを調製した。このプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水300部に溶解した開始剤水溶液とともに、上記反応容器に2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した。冷却した反応物に、N、N-ジメチルアミノエタール8.2部を加え、樹脂固形分30質量%のアクリルエマルションを得た。モノマー組成から計算される、このアクリルエマルションの樹脂固形分換算での水酸基価は130mgKOH/g、酸価は20mgKOH/gであった。また、得られたアクリルエマルションにおけるアクリル樹脂の、水分除去後のGPC測定による数平均分子量は、45,000であった。
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デカンターを備えた反応容器に、トリメチロールプロパン250部、アジピン酸824部、シクロヘキサンジカルボン酸635部を加え、180℃に昇温して、水が留出しなくなるまで縮合反応を行った。60℃まで冷却した後、無水フタル酸120部を加え、140℃まで昇温した。この温度を60分間保ち、GPC測定による数平均分子量2,000のポリエステル樹脂を得た。次に、80℃に冷却して、ジメチルアミノエタノール59部(樹脂が有する酸価の80%相当(中和率80%))を加えた。さらに脱イオン水1920部を投入し、攪拌することによって、樹脂固形分45質量%のポリエステル水分散体を得た。このポリエステル水分散体の樹脂固形分換算での水酸基価は90mgKOH/g、酸価は35mgKOH/gであった。
4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート700部および3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド7部を170℃で7時間反応させ、1分子にカルボジイミド基を3個有し、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を得た。
次に、製造したイソシアネート末端を有する4,4-ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド180部に、PTMG-1000(三菱化学社製の数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール、数平均分子量から計算されるテトラメチレンオキサイドの繰り返し単位13.6)95部およびジブチル錫ジラウレート0.2部を加えて、85℃に加熱し、これを2時間保った。
次いで、メチルポリグリコール130(日本乳化剤社製のポリエチレングリコールモノメチルエーテル、水酸基価130mgKOH/gから計算されるエチレンオキサイドの繰り返し数9)86.4部を加え、85℃で3時間保った。IR測定によりNCOのピークが消失していることを確認して反応を終了した。60℃に冷却した後、脱イオン水を加えて、樹脂固形分40質量%の親水化変性カルボジイミド化合物の水分散体を得た。
市販の分散剤「Disperbyk 190」(ビックケミー社製)9.2部、イオン交換水17.8部、ルチル型二酸化チタン73.0部を予備混合した。次いで、これをペイントコンディショナーに投入して、ビーズ媒体を用いて、室温で粒度5μm以下となるまで混合分散した。ビーズ媒体を濾過にて取り除いて、着色顔料ペーストを得た。
イオン交換水194.1部を仕込んだ反応容器に、アデカリアソープNE-20(ADEKA社製、α-[1-[(アリルオキシ)メチル]-2-(ノニルフェノキシ)エチル]-ω-ヒドロキシオキシエチレン、固形分80質量%水溶液)0.2部と、アクアロンHS-10(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル)0.2部とを加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。別途、アクリル酸メチル18.5部、アクリル酸エチル31.7部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル5.8部、スチレン10.0部、アクリルアミド4.0部、アデカリアソープNE-20を0.3部、アクアロンHS-10を0.2部、およびイオン交換水70部からなる、第1段目のα,β-エチレン性不飽和モノマー混合物と、過硫酸アンモニウム0.2部、およびイオン交換水7部からなる開始剤溶液と、を調製した。これらα,β-エチレン性不飽和モノマー混合物と開始剤溶液とを、2時間にわたり並行して上記反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間同温度で熟成を行った。
さらに、アクリル酸エチル24.5部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル2.5部、メタクリル酸3.1部、アクアロンHS-10を0.3部、およびイオン交換水30部からなる第2段目のα,β-エチレン性不飽和モノマー混合物と、過硫酸アンモニウム0.1部、およびイオン交換水3部からなる開始剤溶液と、を調製した。これらα,β-エチレン性不飽和モノマー混合物と開始剤溶液とを、0.5時間にわたり並行して80℃に保持された上記反応容器に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成を行った。
次いで、反応容器を40℃まで冷却し、反応物を400メッシュフィルターで濾過した。反応物に10質量%ジメチルアミノエタノール水溶液を加えてpH7に調整し、平均粒子径110nm、固形分24質量%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/gのエマルション樹脂を得た。全モノマー組成に基づきガラス転移点を算出したところ、0℃であった。
製造例2-1で得られたアクリルエマルション(AcEm-1)124.7部(樹脂固形分30.0%)、製造例2-2で得られたポリエステル水分散体(PE-DP)18.7部(樹脂固形分45.0%)およびメラミン樹脂としてのオルネクスジャパン社製の「サイメル202」12.5部(樹脂固形分80%)を混合し、撹拌した。これに、製造例2-4の着色顔料ペースト137.7部を配合し、ジメチルエタノールアミン(キシダ化学社製)0.01部でpHを8.0に調整した。さらに、これに、アデカノールUH-814N(ウレタン会合型粘性剤、有効成分30%、ADEKA社製、商品名)1.0部を混合攪拌し、メラミン樹脂としてのオルネクスジャパン社製の「サイメル202」10部(樹脂固形分量)を加えて、均一になるまで攪拌した。これに、バイヒジュール305(住化バイエルウレタン社製のエチレンオキサイド基を有するポリイソシアネート化合物、エチレンオキサイド含有量:20質量%、イソシアネート基含有量:16質量%)40.9部および製造例2-3の親水化変性カルボジイミド化合物8.3部(樹脂固形分40質量%)を攪拌しながら加えて撹拌することにより、水性中塗り塗料組成物を得た。
本実施例で使用した「サイメル202」は、イミノ-メチロール型メラミン樹脂であり、メラミン核1個当たりの平均イミノ基量が1.5個以上、かつ平均メチロール基量が0.5個以上1.0個未満であった。
製造例2-1で得られたアクリルエマルション(AcEm-1)116.7部(樹脂固形分30.0%)および製造例2-5で得た水酸基価80mgKOH/g未満であるエマルション樹脂104.2部(樹脂固形分24%)を混合した。得られた混合物に対して、水性ポリウレタン樹脂66.7部(樹脂固形分30%)、光輝性顔料としてアルペーストMH8801(旭化成社製アルミニウム顔料)21部(固形分65%)、リン酸基含有アクリル樹脂5部、および、ラウリルアシッドフォスフェート0.3部を添加した。続いて、2-エチルヘキサノール30部、アデカノールUH-814N3.3部(ADEKA社製増粘剤、固形分30%)、ジメチルエタノールアミン(キシダ化学社製)0.01部、イオン交換水 150部、メラミン樹脂としてのオルネクスジャパン社製の「サイメル701」20部(樹脂固形分量)加えた。さらに、弱酸触媒としてのオルネクスジャパン社製の「サイキャット(登録商標)296-9」(弱酸性リン酸エステル、pKa(H2O)1.8以上)を、アクリルエマルション(AcEm-1)およびメラミン樹脂の固形分合計量に対して0.5%(固形分=触媒有効量のみ)を撹拌しながら加え、その後、N、N-ジメチルアミノエタール(中和剤)0.5部を加えて攪拌することにより、水性ベース塗料組成物を得た。得られた塗料組成物のPWCは12.0%であった。
複層塗膜の形成(硬化電着塗膜上)
リン酸亜鉛処理鋼板に、日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製のカチオン電着塗料組成物である「パワーニクス150」を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間加熱硬化し、硬化電着塗膜を設けた。
得られた硬化電着塗膜の上に、下記表に記載のプライマー塗料組成物を、乾燥膜厚が6μmとなるようにエアスプレー塗装した。
次いで、製造例3で製造した水性中塗り塗料組成物を、乾燥膜厚が20μmとなるように、メタベルを用いて塗装した。
次いで、製造例4で製造した水性ベース塗料組成物を、乾燥膜厚が10μmとなるように、メタベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
次いで、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社製O-1200 クリヤーを、乾燥膜厚が35μmとなるように、マイクロマイクロベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
得られたウェット塗膜を、85℃で20分間焼付け硬化させて、複層塗膜を得た。
プラスチック樹脂基材であるポリプロピレン板を、脱脂処理した。次いで、下記表に記載のプライマー塗料組成物を、乾燥膜厚が8μmとなるようにエアスプレー塗装した。
次いで、製造例3で製造した水性中塗り塗料組成物を乾燥膜厚が20μmとなるように、メタベルを用いて塗装した。
次いで、製造例4で製造した水性ベース塗料組成物を、乾燥膜厚が10μmとなるように、メタベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
次いで、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社製O-1200 クリヤーを、乾燥膜厚が35μmとなるように、マイクロマイクロベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
得られたウェット塗膜を、85℃で20分間焼付け硬化させて、複層塗膜を得た。
複層塗膜の形成(樹脂基材上)
プラスチック樹脂基材であるポリプロピレン樹脂板を、脱脂処理した。次いで、下記表に記載のプライマー塗料組成物を、乾燥膜厚が8μmとなるようにエアスプレー塗装した。
次いで、製造例3で製造した水性中塗り塗料組成物を乾燥膜厚が20μmとなるように、メタベルを用いて塗装した。
次いで、水性ベース塗料組成物(2)を、乾燥膜厚が10μmとなるように、メタベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
次いで、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社製O-1200 クリヤーを、乾燥膜厚が35μmとなるように、マイクロマイクロベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
得られたウェット塗膜を、85℃で20分間焼付け硬化させて、複層塗膜を得た。
複層塗膜の形成(硬化電着塗膜上)
リン酸亜鉛処理鋼板に、日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製のカチオン電着塗料組成物である「パワーニクス150」を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間加熱硬化し、硬化電着塗膜を設けた。
得られた硬化電着塗膜の上に、下記表に記載のプライマー塗料組成物を、乾燥膜厚が6μmとなるようにエアスプレー塗装した。
次いで、溶剤系中塗り塗料組成物(2)を、乾燥膜厚が20μmとなるように、メタベルを用いて塗装した。
次いで、溶剤系ベース塗料組成物(3)を、乾燥膜厚が10μmとなるように、メタベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
次いで、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社製O-1820 クリヤーを、乾燥膜厚が35μmとなるように、マイクロマイクロベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
得られたウェット塗膜を、140℃で20分間焼付け硬化させて、複層塗膜を得た。
中塗り塗料組成物を塗装しなかったこと以外、それぞれ実施例1、2または5と同様にして、硬化電着塗膜上およびポリプロピレン樹脂板上に、複層塗膜を形成した。
下記表に記載のプライマー塗料組成物を用いて、実施例1の「複層塗膜の形成(硬化電着塗膜上)」の手順に従い、硬化電着塗膜上に複層塗膜を形成した。
下記表に記載のプライマー塗料組成物を用いて、実施例1の「複層塗膜の形成(樹脂基材上)」の手順に従い、樹脂基材上に複層塗膜を形成した。
上記実施例および比較例で形成した複層塗膜を用いて、下記評価試験を行った。得られた評価結果を下記表に示す。
各実施例および比較例で形成した、硬化電着塗膜上に複層塗膜を有する試験板を、グラベロ試験機KSS-1(スガ試験機社製)を用い、以下の条件下で飛石試験を行った。
<試験条件>
ショット材:JIS A5001(道路用砕石)規定の7号砕石
ショット材の量:50g
距離:35cm
ショット圧:0.39MPa
ショット角度:90°
試験温度:-20℃
5:複層塗膜の剥離がほとんど見られない。
4:複層塗膜にわずかな剥離が見られるが、硬化電着塗膜とプライマー塗膜との界面からの剥離は殆ど見られない。
3:剥離面積がやや大きく、硬化電着塗膜とプライマー塗膜との界面からの剥離が見られる。
2:剥離面積が大きく、硬化電着塗膜とプライマー塗膜との界面からの剥離が見られる。
1:剥離面積が大きく、複層塗膜とともに、硬化電着塗膜の損傷もみられる。
上記実施例、比較例の手順に従い、硬化電着塗膜上およびポリプロピレン樹脂基材上にそれぞれ複層塗膜が形成された試験板を、40℃の温水に10日浸漬した。試験板を引き上げて、塗膜外観を下記基準に従い目視評価した。
○:白化、フクレなどの塗膜異常は認められない。
△:光沢の低下が認められる。
×:白化、フクレなどの塗膜外観異常が認められる。
上記実施例、比較例の手順に従い、ポリプロピレン樹脂基材上に複層塗膜が形成された試験板の塗膜に対して、JIS K-5600-5-6にて規定される単一刃切り込み工具を垂直に当て、素地(ポリプロピレン樹脂基材)にまで達する切込みを入れた平行線1を平行に11本引いた。その平行線1に垂直に交わり、平行線1と同一間隔で、素地にまで達する切込みを入れた平行線2を11本引き、4本の直線に囲まれた正方形100個の碁盤目部を作った。平行線1,2の間隔は2mmとした。上記碁盤目部にJIS K-5600-5-6にて規定される透明感圧着テープを、塗面との間に気泡が含まれないように密着させた。その後、密着させたテープを、0.5~1.0秒の間に一気に剥がし、碁盤目部の剥離状態を目視にて評価した(碁盤目密着性試験)。
◎:面積比で5%以上剥離された碁盤目の数が0個/100個である
〇:面積比で5%超50%未満剥離された碁盤目の数が1個/100個以上であり、50%以上剥離された碁盤目の数が0個/100個である
×:面積比で50%以上剥離された碁盤目の数が1個/100個以上である
上記実施例、比較例の手順に従い、作製したプライマー塗料組成物をヘグマン式粒度計(Model232)にて、粒の大きさを評価した。
○:10μm以上の塗料の粒が認められない
△:10μm以上、20μm未満の塗料の粒が認められる
×:20μm以上の塗料の粒が認められる
ポリオレフィン樹脂(A):スーパークロン930(日本製紙社製、ポリオレフィン樹脂)
ポリウレタン樹脂(B):NBC300(三洋化成工業社製、ポリウレタン樹脂)
ポリエステル樹脂(C1):ベッコライト46-118(大日本インキ工業社製ポリエステル樹脂、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物、ガラス転移温度-13℃、酸価10.8mgKOH/g、水酸基価100mgKOH/g)
ポリエステル樹脂(C2):PRS1015(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製ポリエステル樹脂、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物、ガラス転移温度-27℃、酸価8mgKOH/g、水酸基価92mgKOH/g)
中塗り塗料組成物(1):製造例3で製造した水性中塗り塗料組成物
中塗り塗料組成物(2):OTO H885(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、溶剤系中塗り塗料)
ベース塗料組成物(1):製造例4で製造した水性ベース塗料組成物
ベース塗料組成物(2):WB-3060(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、水性ベース塗料)
ベース塗料組成物(3):H-750(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、溶剤系ベース塗料)
クリヤー塗料組成物(1):O-1200(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、溶剤系クリヤー塗料)
クリヤー塗料組成物(2):O-1820(日本ペイント・オートモーティブコーティングス社製、溶剤系クリヤー塗料)
実施例15~18は、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物として異なる種類の塗料組成物を用いた例である。これらの実施例においては、上記特定のプライマー塗料組成物は、種々のベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を用いる複層塗膜形成方法においても好適に用いることができることが確認された。
実施例19~21は、中塗り塗料組成物の塗装を省略した例である。これらの実施例においても、上記特定のプライマー塗料組成物によれば、硬化電着塗膜上そしてポリプロピレン樹脂上の両方共、良好な性能を有する複層塗膜を形成することができることが確認された。
比較例1、2、7~9、13~15、18は、プライマー塗料組成物中に含まれるポリウレタン樹脂(B)の含有量が上記範囲を満たさない例である。これらの比較例では、硬化電着塗膜上に複層塗膜を形成した場合における耐チッピング性が劣ることが確認された。
比較例17は、プライマー塗料組成物中に含まれるポリウレタン樹脂(B)の含有量が上記範囲を満たさない例であって、ポリプロピレン樹脂に対して複層塗膜を形成した例である。この例では、耐水性が劣ることが確認された。
比較例3、10~12、16は、プライマー塗料組成物中に含まれるポリオレフィン樹脂(A)の含有量が上記範囲を満たさない例である。これらの比較例では、ポリプロピレン樹脂に対する付着性が劣ることが確認された。
比較例4~6は、ポリエステル樹脂(C)を含まない例である。これらの比較例では、各成分の相溶性(塗料安定性)が低いことが確認された。
Claims (11)
- プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗装して、未硬化の中塗り塗膜を形成する、中塗り塗膜形成工程、
得られた未硬化の中塗り塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、を包含する、複層塗膜形成方法であって、
前記プライマー塗料組成物は塗膜形成樹脂を含み、
前記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して5質量%以上、
含み、
上記プライマー塗料組成物が溶剤系プライマー塗料組成物である、複層塗膜形成方法。 - プライマー塗料組成物を被塗物に塗装して、未硬化のプライマー塗膜を形成する、プライマー塗膜形成工程、
得られた未硬化のプライマー塗膜の上にベース塗料組成物を塗装して、未硬化のベース塗膜を形成する、ベース塗膜形成工程、
得られた未硬化のベース塗膜の上にクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のプライマー塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を加熱して硬化させる、硬化工程、を包含する、複層塗膜形成方法であって、
前記プライマー塗料組成物は塗膜形成樹脂を含み、
前記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および、
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して5質量%以上、含み、
上記プライマー塗料組成物が溶剤系プライマー塗料組成物である、複層塗膜形成方法。 - 前記ポリエステル樹脂(C)の含有量は、プライマー塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上70質量%以下である、請求項1または2に記載の複層塗膜形成方法。
- 前記硬化工程における加熱温度が、70~150℃の範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
- 前記ポリエステル樹脂(C)は、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
- 前記ポリエステル樹脂(C)は、
ガラス転移温度が-50~20℃の範囲内であり、
酸価が1~50mgKOH/gの範囲内であり、および
水酸基価が10~200mgKOH/gの範囲内である、請求項1~5のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。 - 前記プライマー塗料組成物は、導電性顔料(D)をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
- 前記プライマー塗料組成物中に含まれるポリエステル樹脂(C)の、前記ポリオレフィン樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)の樹脂固形分質量総量に対する質量比は、(C):((A)+(B))=1:0.4~1:4.5の範囲内である、請求項1~7のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
- 上記被塗物は、鋼板部および樹脂部を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
- 塗膜形成樹脂を含む溶剤系プライマー塗料組成物であって、前記塗膜形成樹脂は、
ポリオレフィン樹脂(A)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して10質量%以上、
ポリウレタン樹脂(B)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上、および
ポリエステル樹脂(C)を塗膜形成樹脂の樹脂固形分に対して20質量%以上70質量%以下、含み、
前記ポリエステル樹脂(C)は、芳香族ジカルボン酸および多価アルコールの縮合反応物である、溶剤系プライマー塗料組成物。 - 前記溶剤系プライマー塗料組成物は、導電性顔料(D)をさらに含む、請求項10に記載の溶剤系プライマー塗料組成物。
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